JP2000103654A - 中間膜用組成物、合わせガラス用中間膜及び合わせガラス - Google Patents

中間膜用組成物、合わせガラス用中間膜及び合わせガラス

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JP2000103654A
JP2000103654A JP10277448A JP27744898A JP2000103654A JP 2000103654 A JP2000103654 A JP 2000103654A JP 10277448 A JP10277448 A JP 10277448A JP 27744898 A JP27744898 A JP 27744898A JP 2000103654 A JP2000103654 A JP 2000103654A
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glass
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Yuji Eguchi
勇司 江口
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 中間膜とガラスとの接着力が初期及び経時後
のいずれにおいても適正な範囲内に保持されている合わ
せガラス用中間膜を得るに適する中間膜用組成物及びそ
の組成物を用いて製せられる合わせガラス用中間膜並び
にその中間膜を用いて製せられる合わせガラスを提供す
る。 【解決手段】 ポリビニルブチラール樹脂100重量部
に対し、オリゴエチレングリコールジ2−エチルヘキサ
ノエート20〜60重量部が含有されてなる中間膜用組
成物であって、上記オリゴエチレングリコールジ2−エ
チルヘキサノエート100重量部に対し上記ポリビニル
ブチラール樹脂8重量部を溶解して得られる溶液の曇り
点が90〜130℃であることを特徴とする中間膜用組
成物及び上記中間膜用組成物が製膜されてなることを特
徴とする合わせガラス用中間膜並びに少なくとも一対の
ガラス間に、上記合わせガラス用中間膜を介在させ、一
体化させてなることを特徴とする合わせガラス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合わせガラス用の
中間膜用組成物、その組成物を用いて製せられる合わせ
ガラス用中間膜、及び、その中間膜を用いて製せられる
合わせガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、合わせガラスは、自動車のフ
ロントガラス用やサイドガラス用として、或いは、建築
物の窓ガラス用等として広く使用されている。上記合わ
せガラスの代表例としては、少なくとも二枚のガラスの
間に、可塑剤により可塑化されたポリビニルブチラール
樹脂(中間膜用組成物)を製膜して得られた合わせガラ
ス用中間膜を介在させ、一体化させて製せられるものが
挙げられる。
【0003】このような合わせガラスは、これに衝撃が
加えられるとガラスは破損するものの、ガラス間に介在
させた中間膜は容易に破損せず、又、ガラスは破損後に
おいても中間膜に貼着したままであるため、その破片が
飛散することが少なく、従って、自動車や建築物の内部
にある人体がガラスの破片によって傷害を受けることを
防止する機能を有する。
【0004】ところで、上記合わせガラス用中間膜を作
製するために用いられる中間膜用組成物においては、ポ
リビニルブチラール樹脂と可塑剤との相溶性が優れてい
ることが重要である。
【0005】ポリビニルブチラール樹脂と可塑剤との相
溶性は、ポリビニルブチラール樹脂のブチラール化度や
可塑剤の種類等によって大きく左右されるが、この両者
の相溶性が悪い場合には、得られる中間膜の表面に可塑
剤がブリードアウトして、中間膜の保管時や輸送時にお
ける耐ブロッキング性が悪くなったり、中間膜が吸湿に
よる白化現象を起こし、優れた性能の合わせガラスを得
られないという欠点が生じる。
【0006】従来、上記ポリビニルブチラール樹脂と可
塑剤との相溶性の評価は、例えば、特開昭56−364
32号公報の実施例中で開示されているように、「ポリ
ビニルブチラール樹脂と可塑剤とからなる樹脂組成物を
先ずフィルム状に製膜した後、そのフィルム表面への可
塑剤のブリードアウトの有無やフィルムの白化現象の有
無等を確認する」ことによって行われるのが一般的であ
った。
【0007】しかし、上記従来の評価方法では、樹脂組
成物を予めフィルム状に製膜する必要があるため、評価
に用いるポリビニルブチラール樹脂や可塑剤の必要量が
多くなったり、製膜作業や評価そのものに多くの時間を
要する等の問題点があり、簡便な評価方法とは言えなか
った。
【0008】又、合わせガラス用中間膜を用いて合わせ
ガラスを作製する場合には、合わせガラスの端部から中
間膜がはみ出した部分(トリム部分)が発生するが、従
来の中間膜で用いられているような沸点の比較的低い可
塑剤を用いると、トリム部分から可塑剤が蒸発してトリ
ム部分が硬くなり、トリムのカットによる除去性(トリ
ムカット性)が悪くなるという問題点がある。
【0009】さらに、一般的に、合わせガラスとしての
機能を十分に発揮させるためには、中間膜とガラスとの
接着力が高ければ高いほど良いわけではなく、この接着
力をある適正な範囲内に調整することが必要である。
【0010】上記接着力の適正な範囲内への調整は、例
えば、自動車事故等においては運転者や乗客等がガラス
へ衝突する時の衝撃吸収や貫通防止のために必要であ
り、又、例えば、建築物においては外部からの飛来物の
貫通防止やガラスの飛散防止のために必要である。
【0011】即ち、中間膜とガラスとの接着力が小さ過
ぎる場合には、ガラスが中間膜から剥がれ、その破片が
飛散し易くなるという問題が発生し、逆に、中間膜とガ
ラスとの接着力が大き過ぎる場合には、ガラスと中間膜
とが同時に破損して、人体や外部からの飛来物等が貫通
し易くなるという問題が発生する。
【0012】これに対し、中間膜とガラスとの接着力が
適正な範囲内にある場合には、ガラスの破損が広範囲に
わたって起こると共に、ガラスが破損すると同時に中間
膜とガラスとの部分的な界面剥離が起こり、且つ、中間
膜が延伸するという現象が生じるため、衝撃吸収効果や
貫通防止効果が大きくなる。
【0013】上記に鑑み、従来より、中間膜とガラスと
の接着力を適正な範囲内に調整するために、中間膜用の
接着力調整剤が種々検討されてきた。
【0014】例えば、特公昭48−5772号公報で
は、「少なくとも2枚のガラスを可塑化ポリビニルアセ
タール樹脂組成物で貼り合わせたガラスにおいて、該可
塑化ポリビニルアセタール樹脂組成物中に炭素数10〜
22の脂肪族カルボン酸のナトリウム金属塩を含有せし
めたことを特徴とする合わせガラス」が開示されてい
る。
【0015】しかし、上記開示による合わせガラスで
は、接着力調整剤として比較的炭素数の大きいカルボン
酸の金属塩を用いているので、中間膜とガラスとの接着
力が時間経過(経時)とともに変化するという問題点が
ある。即ち、初期の接着力は適正であっても、経時とと
もに次第に接着力が低下もしくは昂進し、衝撃を受けた
時にガラスが剥離し易くなるか、逆に剥離し難くなる。
この接着力変化を防止するためには、中間膜を例えば4
0〜50℃の雰囲気下で1〜2ケ月間保管して熟成する
必要があるが、中間膜は粘着性や自着性等を有するた
め、上記のような雰囲気下で長期間保管することは現実
的には困難であり、又、仮に熟成を行ったとしても、接
着力の経時変化を抑制することは出来るが皆無にするこ
とは出来ず、上記問題点は依然として残る。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解決するため、ポリビニルブチラール樹脂と可
塑剤との相溶性を簡便な方法で事前に評価することによ
り、中間膜表面への可塑剤のブリードアウトの発生や中
間膜の耐ブロッキング性の低下及び中間膜の吸湿による
白化現象の発生等を未然に防止することが可能であると
共に、トリムカット性に優れ、且つ、中間膜とガラスと
の接着力が初期及び経時後のいずれにおいても適正な範
囲内に保持されている合わせガラス用中間膜を得るに適
する中間膜用組成物及びその組成物を用いて製せられる
合わせガラス用中間膜並びにその中間膜を用いて製せら
れる合わせガラスを提供することを課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
(以下、「第1発明」と記す)による中間膜用組成物
は、ポリビニルブチラール樹脂100重量部に対し、オ
リゴエチレングリコールジ2−エチルヘキサノエート2
0〜60重量部が含有されてなり、且つ、上記オリゴエ
チレングリコールジ2−エチルヘキサノエート100重
量部に対し上記ポリビニルブチラール樹脂8重量部を溶
解して得られる溶液の曇り点が90〜130℃であるこ
とを特徴とする。
【0018】請求項2に記載の発明(以下、「第2発
明」と記す)による中間膜用組成物は、上記第1発明に
よる中間膜用組成物において、ポリビニルブチラール樹
脂の平均ブチラール化度が64〜67モル%であること
を特徴とする。
【0019】請求項3に記載の発明(以下、「第3発
明」と記す)による中間膜用組成物は、上記第1発明又
は第2発明による中間膜用組成物において、炭素数2〜
10のカルボン酸のマグネシウム塩が含有されているこ
とを特徴とする。
【0020】又、請求項4に記載の発明(以下、「第4
発明」と記す)による合わせガラス用中間膜は、上記第
1発明〜第3発明のいずれかによる中間膜用組成物が製
膜されてなることを特徴とする。
【0021】さらに、請求項5に記載の発明(以下、
「第5発明」と記す)による合わせガラスは、少なくと
も一対のガラス間に、上記第4発明による合わせガラス
用中間膜を介在させ、一体化させてなることを特徴とす
る。
【0022】第1発明による中間膜用組成物に主成分と
して含有されるポリビニルブチラール樹脂(以下、「P
VB」と記す)の製造方法としては、特に限定されるも
のではないが、例えば、ポリビニルアルコール(以下、
「PVA」と記す)を温水に溶解し、得られた水溶液を
所定の温度、例えば0〜95℃に保持しておいて、酸触
媒及びブチルアルデヒドを加え、攪拌しながらブチラー
ル化反応を進行させ、次いで反応温度を上げて熟成する
ことにより反応を完結させ、その後、中和、水洗及び乾
燥を行ってPVBの粉末を得る、いわゆる沈殿法等が好
適に採用される。
【0023】上記PVBの製造に用いられるPVAの平
均重合度は、特に限定されるものではないが、500〜
3000であることが好ましく、より好ましくは100
0〜2500である。PVAの平均重合度が500未満
であると、得られる合わせガラスの耐貫通性が不十分と
なることがあり、逆にPVAの平均重合度が3000を
超えると、中間膜の製造が難しくなることがある。又、
上記PVAの鹸化度は、特に限定されるものではない
が、70モル%以上であることが好ましい。PVAの鹸
化度が70モル%未満であると、得られる中間膜や合わ
せガラスの透明性や耐熱性等が不十分となることがあ
る。
【0024】尚、上記PVAの平均重合度及び鹸化度
は、JIS K−6726「ポリビニルアルコール試験
方法」に準拠して測定することが出来る。
【0025】上記で得られるPVBの平均ブチラール化
度は、特に限定されるものではないが、40〜75モル
%であることが好ましく、より好ましくは64〜67モ
ル%である。
【0026】上記PVBの平均ブチラール化度が40モ
ル%未満であると、可塑剤として用いられるオリゴエチ
レングリコールジ2−エチルヘキサノエートとの相溶性
が悪くなることがあり、逆にPVBの平均ブチラール化
度が75モル%を超えるものは、PVB製造のプロセス
が非常に長時間となることがあるので好ましくない。
【0027】尚、上記PVBの平均ブチラール化度は、
JIS K−6728「ポリビニルブチラール試験方
法」に準拠して測定することが出来る。
【0028】第1発明による中間膜用組成物に可塑剤と
して含有されるオリゴエチレングリコールジ2−エチル
ヘキサノエート(以下、「NGO」と記す)は、オリゴ
エチレングリコールと2−エチルヘキサン酸を原料とし
て製造することが出来る。
【0029】上記オリゴエチレングリコールは、特に限
定されるものではないが、エチレングリコール単位が3
〜9のものを90重量%以上含有するものであることが
好ましい。
【0030】上記エチレングリコール単位が3未満であ
ると、NGOとPVBとの相溶性が不十分となることが
あり、逆にエチレングリコール単位が9を超えると、得
られる中間膜や合わせガラスの耐湿性が低下することが
ある。
【0031】このようなオリゴエチレングリコールは、
例えば、三井東圧化学社、三菱化学社、日曹ケミカル社
等の各社から市販されている。
【0032】NGOの具体的製造方法としては、特に限
定されるものではないが、例えば、オリゴエチレングリ
コール1モル(平均分子量から算出する)に対し、2−
エチルヘキサン酸2〜2.5モルを添加し、さらに必要
に応じて硫酸、塩酸、燐酸等の無機酸やp−トルエンス
ルホン酸、メタンスルホン酸等の有機酸等の触媒を全反
応物質の0.01〜5重量%添加して、エステル化反応
させることにより、所望のNGOを得ることが出来る。
上記エステル化反応は、トルエン、キシレン等の有機溶
剤で反応系を希釈して行っても良いし、2−エチルヘキ
サン酸自体を触媒として行っても良く、又、常温常圧で
行っても良いが、反応の促進や生成水の除去等を考慮す
ると、50〜300℃程度の加温下で行うことが好まし
い。
【0033】上記で得られるNGOは、比較的高沸点で
あるので、中間膜製造時の蒸発や合わせガラスとした後
のトリム部からの蒸発が少なく、従って良好な作業性や
優れたトリムカット性を得ることが出来る。又、耐加水
分解性に優れるという利点も有する。
【0034】第1発明による中間膜用組成物において
は、前記PBV100重量部に対し、上記NGO20〜
60重量部が含有されていることが必要である。
【0035】PVB100重量部に対するNGOの含有
量が20重量部未満であると、得られる合わせガラスの
耐貫通性が不十分となり、逆にPVB100重量部に対
するNGOの含有量が60重量部を超えると、NGOの
ブリードアウト現象が発生して中間膜や合わせガラスの
透明性が悪くなる。
【0036】第1発明においては、上記NGO100重
量部に対し前記PVB8重量部を溶解して得られる溶液
(以下、「PVB−NGO溶液」と記す)の曇り点が9
0〜130℃であることが必要である。
【0037】上記PVB−NGO溶液の曇り点とは、J
IS K−2269「原油及び石油製品の流動点並びに
石油製品曇り点試験方法」に準拠して測定される曇り点
であり、具体的には、PVB−NGO溶液を150℃以
上に加熱した後、10〜30℃の雰囲気下に放置して温
度を降下させた時に、上記溶液の一部に曇りが発生し始
める温度を意味する。
【0038】上記溶液の一部に曇りが発生し始める温度
(曇り点)の測定方法としては、例えば、溶液の外観を
目視で観察する方法、溶液のヘーズをヘーズメーターで
測定する方法、予め曇りに関する複数段階の限度見本を
作成しておき、この限度見本と対照して曇りを判定する
方法等が挙げられる。
【0039】PVB−NGO溶液の上記曇り点が90℃
未満であると、PVBに対するNGOの可塑化効果が大
き過ぎることになり、得られる中間膜の耐ブロッキング
性が低下したり、得られる合わせガラスの力学的特性や
耐貫通性等が不十分となる。
【0040】逆にPVB−NGO溶液の上記曇り点が1
30℃を超えると、PVBとNGOとの相溶性が悪いこ
とになり、得られる中間膜表面へのNGOのブリードア
ウト現象が著しく激しくなり、実用性に欠けるものとな
る。
【0041】次に、第2発明による中間膜用組成物は、
上述した第1発明による中間膜用組成物において、PV
Bの平均ブチラール化度が64〜67モル%であること
を特徴とする。
【0042】上記PVBの平均ブチラール化度が64モ
ル%未満であると、PVBとNGOとの相溶性が不十分
となって、中間膜とした時にNGOのブリードアウト現
象が起こり易くなり、逆にPVBの平均ブチラール化度
が67モル%を超えるものは、PVB製造のプロセスが
長時間となり、経済的に好ましくない。
【0043】次に、第3発明による中間膜用組成物は、
前記第1発明又は上記第2発明による中間膜用組成物に
おいて、接着力調整剤として炭素数2〜10のカルボン
酸のマグネシウム塩が含有されていることを特徴とす
る。
【0044】中間膜用組成物中に炭素数2〜10のカル
ボン酸のマグネシウム塩を含有させることにより、得ら
れる中間膜とガラスとの接着力は初期及び経時後のいず
れにおいても適正な範囲内に保持されるようになり、従
って衝撃吸収性や耐貫通性等に優れる合わせガラスを得
ることが出来る。
【0045】上記炭素数2〜10のカルボン酸のマグネ
シウム塩としては、特に限定されるものではないが、例
えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ペンタン酸、
2−エチルブタン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、2−エ
チルヘキサン酸等のマグネシウム塩が挙げられ、好適に
用いられるが、なかでも酢酸マグネシウム、プロピオン
酸マグネシウム、2−エチルブタン酸マグネシウム、2
−エチルヘキサン酸マグネシウム等がより好適に用いら
れる。
【0046】上記炭素数2〜10のカルボン酸のマグネ
シウム塩は、単独で用いられても良いし、2種類以上が
併用されても良い。
【0047】中間膜用組成物中における炭素数2〜10
のカルボン酸のマグネシウム塩の含有量は、特に限定さ
れるものではないが、PVB100重量部に対し、上記
マグネシウム塩0.01〜0.5重量部であることが好
ましく、より好ましくは0.02〜0.2重量部であ
る。
【0048】PVB100重量部に対する上記マグネシ
ウム塩の含有量が0.01重量部未満であると、十分な
接着力調整効果を得られないことがあり、逆にPVB1
00重量部に対する上記マグネシウム塩の含有量が0.
5重量部を超えると、得られる中間膜のガラスに対する
接着力が低くなり過ぎたり、耐水性や透明性が損なわれ
ることがある。
【0049】第1発明〜第3発明による中間膜用組成物
中には、必須成分であるPVB、NGO及び炭素数2〜
10のカルボン酸のマグネシウム塩以外に、NGO以外
の可塑剤、炭素数2〜10のカルボン酸のマグネシウム
塩以外の接着力調整剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化
防止剤、界面活性剤、微粉シリカ等の無機充填剤、着色
剤等のような合わせガラス用中間膜に一般的に用いられ
ている各種添加剤の1種もしくは2種以上が含有されて
いても良い。
【0050】NGO以外の可塑剤としては、特に限定さ
れるものではないが、例えば、トリエチレングリコール
ジ2−エチルヘキサノエート(3GO)、トリエチレン
グリコールジ2−エチルブチレート(3GH)、トリエ
チレングリコールジn−ヘプタノエート(3G7)、ト
リエチレングリコールジカプリレート、トリエチレング
リコールジn−オクトエート、テトラエチレングリコー
ルジ2−エチルブチレート(4GH)、テトラエチレン
グリコールジ2−エチルヘキサノエート(4GO)、テ
トラエチレングリコールジn−ヘプタノエート(4G
7)、ジヘキシルアジペート(DHA)、ジベンジルフ
タレート等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上
が好適に用いられる。
【0051】炭素数2〜10のカルボン酸のマグネシウ
ム塩以外の接着力調整剤としては、特に限定されるもの
ではないが、例えば、カルボン酸のカリウム塩、ナトリ
ウム塩等のようなカルボン酸の金属塩、エーテル変性シ
リコーンオイル、エステル変性シリコーンオイル、エポ
キシ変性シリコーンオイル、アミン変性シリコーンオイ
ル等のような変性シリコーンオイル等が挙げられ、これ
らの1種もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0052】紫外線吸収剤としては、特に限定されるも
のではないが、例えば、チバガイギー社製の商品名「チ
ヌビンP」、「チヌビン320」、「チヌビン32
6」、「チヌビン328」等のようなベンゾトリアゾー
ル系紫外線吸収剤等が挙げられ、これらの1種もしくは
2種以上が好適に用いられる。
【0053】光安定剤としては、特に限定されるもので
はないが、例えば、旭電化工業社製の商品名「アデカス
タブLA−57」等のようなヒンダードアミン系光安定
剤等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適
に用いられる。
【0054】酸化防止剤としては、特に限定されるもの
ではないが、例えば、住友化学工業社製の商品名「スミ
ライザーBHT」、チバガイギー社製の商品名「イルガ
ノックス1010」等のようなフェノール系酸化防止剤
等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に
用いられる。
【0055】界面活性剤としては、特に限定されるもの
ではないが、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム等が挙げられ、これら
の1種もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0056】次に、第4発明による合わせガラス用中間
膜は、上述した第1発明〜第3発明のいずれかによる中
間膜用組成物が製膜されてなることを特徴とする。
【0057】上記合わせガラス用中間膜の製造方法は、
特に限定されるものではなく、例えば、第1発明〜第3
発明のいずれかによる中間膜用組成物を均一に混練した
後、押出法、カレンダー法、プレス法、キャスティング
法、インフレーション法等によりシート状に製膜して中
間膜用組成物の樹脂膜を成形し、これを中間膜とすれば
良い。
【0058】上記中間膜用組成物の樹脂膜は、単層で中
間膜とされても良いし、2枚以上が積層された状態で中
間膜とされても良い。又、中間膜は単層で用いられても
良いし、2枚以上が積層された状態で用いられても良
い。
【0059】上記中間膜の全体の膜厚は、特に限定され
るものではないが、合わせガラスとして必要な衝撃吸収
性や耐貫通性、耐候性等を考慮すると、実用的には通常
の合わせガラス用中間膜における膜厚と同様に、0.3
〜2mm程度であることが好ましい。
【0060】次に、第5発明による合わせガラスは、少
なくとも一対のガラス間に、上記第4発明による合わせ
ガラス用中間膜を介在させ、一体化させてなることを特
徴とする。
【0061】上記ガラスは、通常の無機透明ガラスのみ
ならず、ポリカーボネート板、ポリメチルメタクリレー
ト板などの有機透明ガラスも包含する。
【0062】上記ガラスの種類としては、特に限定され
るものではないが、例えば、フロート板ガラス、磨き板
ガラス、型板ガラス、網入り板ガラス、線入り板ガラ
ス、熱線吸収板ガラス、着色された板ガラス等の各種無
機ガラス又は有機ガラスが挙げられ、これらの1種もし
くは2種以上が好適に用いられる。又、ガラスの厚み
は、用途によって適宜選択されれば良く、特に制限され
るものではない。
【0063】第5発明による合わせガラスの製造方法
は、特別なものではなく、通常の合わせガラスの場合と
同様の製造方法が採用される。例えば、二枚の透明なガ
ラス板の間に、第4発明による合わせガラス用中間膜を
介在させ、これをゴムバッグに入れ、減圧吸引しながら
約70〜110℃の温度で予備接着し、次いで、オート
クレーブもしくはプレスを用いて、約120〜150℃
の温度、約10〜15kg/cm2 の圧力で本接着を行
い、一体化させることにより所望の合わせガラスを得る
ことが出来る。
【0064】
【作用】第1発明及び第2発明による中間膜用組成物
は、主成分であるポリビニルブチラール樹脂に対し、可
塑剤として比較的沸点の高いオリゴエチレングリコール
ジ2−エチルヘキサノエートの特定量が含有されてな
り、且つ、上記オリゴエチレングリコールジ2−エチル
ヘキサノエートに対し特定量の上記ポリビニルブチラー
ル樹脂を溶解した溶液の曇り点が特定の範囲に規定され
ているので、中間膜表面への可塑剤のブリードアウトや
中間膜の耐ブロッキング性の低下及び中間膜の白化現象
等を未然に防止することが可能であると共に、トリムカ
ット性に優れる合わせガラス用中間膜を得るに適する。
【0065】又、第3発明による中間膜用組成物は、上
記第1発明又は第2発明による中間膜用組成物におい
て、接着力調整剤として炭素数2〜10のカルボン酸の
マグネシウム塩が含有されているので、第1発明及び第
2発明による中間膜用組成物が有する上記利点に加うる
に、ガラスとの接着力が初期及び経時後のいずれにおい
ても適正な範囲内に保持されている合わせガラス用中間
膜を得るに適する。
【0066】第4発明による合わせガラス用中間膜は、
上記第1発明〜第3発明のいずれかによる中間膜用組成
物が製膜されてなるので、保管時や輸送時等における耐
ブロッキング性に優れるのみならず、可塑剤のブリード
アウトや白化現象の発生等が殆ど起こらず、且つ、ガラ
スとの接着力が初期及び経時後のいずれにおいても適正
な範囲内に保持されていると共に、トリムカット性に優
れる合わせガラスを得るに適する。
【0067】第5発明による合わせガラスは、上記第4
発明による合わせガラス用中間膜を用いて製せられるの
で、透明性、衝撃吸収性、耐貫通性等の合わせガラスと
して必要な基本性能に優れ、且つ、白化現象を殆ど起こ
さず、トリムカット性にも優れる。
【0068】
【発明の実施の形態】本発明をさらに詳しく説明するた
め以下に実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例のみ
に限定されるものではない。尚、実施例中の「部」は
「重量部」を意味する。
【0069】(実施例1)
【0070】(1)中間膜用組成物の作製 平均重合度1700、鹸化度99モル%のポリビニルア
ルコール(PVA)とブチルアルデヒドを原料として使
用し、沈殿法で合成した平均ブチラール化度65.5モ
ル%のポリビニルブチラール樹脂(PVB)100部に
対し、可塑剤として、オリゴエチレングリコール部分の
エチレングリコールの平均重合度が3.8であり、エチ
レングリコール単位が3〜9の含有率が96重量%であ
るオリゴエチレングリコールジ2−エチルヘキサノエー
ト(NGO−a)40部及び接着力調整剤として2−エ
チルブタン酸マグネシウム0.13部(Mg濃度90p
pm)を添加し、均一に攪拌混合して中間膜用組成物を
得た。
【0071】(2)曇り点の測定 ガラス製試験管に上記NGO−a100部及び上記PV
B8部を入れ、170℃に加熱してPVBを溶解させ、
PVB−NGO−a溶液を得た。次いで、上記溶液の温
度を熱電対で測定しながら攪拌冷却し、溶液の一部が曇
り始めた温度(曇り点)を測定したところ、曇り点は1
05℃であった。
【0072】(3)合わせガラス用中間膜の製造 小型押出機(商品名「ラボプラストミル」、東洋精機社
製)にTダイを装着し、押出温度80〜180℃、金型
出口温度200℃の条件で、(1)で得られた中間膜用
組成物を押出し、製膜成形して厚み800μmmの合わ
せガラス用中間膜を得た。
【0073】(4)合わせガラスの製造 上記で得られた合わせガラス用中間膜をフロートガラス
(厚み2.4mm)2枚の間に挟み、ゴム製の真空バッ
グ内に入れて、20torrの真空度で20分間保持し
た後、そのままの状態で90℃のオーブン内に30分間
保持して予備接着した。次いで、予備接着された積層体
をオートクレーブ中で温度150℃、圧力13kg/c
2 の条件で熱プレスして本接着し、合わせガラスを得
た。
【0074】(5)評価 上記で得られた合わせガラス用中間膜の性能(相溶
性、耐ブロッキング性)、及び、上記で得られた合わ
せガラスの性能{トリムカット性、接着力(パンメ
ル値)、耐湿性(白化距離)}を以下の方法で評価し
た。その結果は表2に示すとおりであった。
【0075】相溶性:合わせガラス用中間膜を23℃
−25%RHの雰囲気下に3日間放置した後、吸い取り
紙で中間膜表面にブリードアウトした可塑剤を吸い取
り、シミの有無を目視で観察して、下記判定基準で相溶
性を評価した。 〔判定基準〕 ○‥‥シミは認められず、相溶性は良好であった ×‥‥多量のシミが認められ、相溶性は不良であった
【0076】耐ブロッキング性:合わせガラス用中間
膜を10mm×25mmの長方形に裁断して2枚重ね、
その上に2kgの荷重を載せて25時間放置した後、引
張試験機を用いて、180度角剥離強度を測定し、下記
判定基準で耐ブロッキング性を評価した。尚、剥離強度
はn=3の平均値とした。 〔判定基準〕 ○‥‥剥離強度100(g/cm)未満、耐ブロッキン
グ性良好 ×‥‥剥離強度100(g/cm)以上、耐ブロッキン
グ性不良
【0077】トリムカット性:合わせガラスの端部か
らはみ出している中間膜(トリム)をカッターナイフで
カットする作業を行い、下記判定基準でトリムカット性
を評価した。 〔判定基準〕 ○‥‥容易にカット出来た ×‥‥中間膜が硬くて、カットが困難であった
【0078】接着力(パンメル値):−18±0.6
℃の温度下に16時間放置して調温した合わせガラスを
頭部が0.45Kgのハンマーで叩いて、ガラスの粒子
径が6mm以下となるまで粉砕した。次いで、ガラスが
部分剥離した後の中間膜の露出度を予めグレード付けし
た限度見本で判定し、その結果を下記表1に示す判定基
準に従ってパンメル値として表し、接着力とした。上記
パンメル値が大きいほど中間膜とガラスとの接着力も大
きく、パンメル値が小さいほど中間膜とガラスとの接着
力も小さい。
【0079】
【表1】
【0080】耐湿性(白化距離):合わせガラスを5
0℃−95%RHの雰囲気下に4週間放置した後に取り
出して、白化している部分の距離{白化距離(mm)}
を合わせガラスの周縁端部から測定した。
【0081】(実施例2)中間膜用組成物の作製におい
て、接着力調整剤として、2−エチルブタン酸マグネシ
ウム0.13部の代わりに、酢酸マグネシウム0.05
2部(Mg濃度60ppm)を添加したこと以外は実施
例1と同様にして、中間膜用組成物を得た。
【0082】(実施例3)中間膜用組成物の作製におい
て、PVBとして、平均ブチラール化度65.5モル%
のPVB100部の代わりに、平均ブチラール化度6
6.7モル%のPVB100部を用いたこと以外は実施
例1と同様にして、中間膜用組成物を得た。尚、NGO
−a100部に対し上記PVB8部を溶解したPVB−
NGO−a溶液の曇り点を実施例1の場合と同様にして
測定したところ、曇り点は92℃であった。
【0083】(実施例4)中間膜用組成物の作製におい
て、PVBとして、平均ブチラール化度65.5モル%
のPVB100部の代わりに、平均ブチラール化度6
4.2モル%のPVB100部を用いたこと以外は実施
例1と同様にして、中間膜用組成物を得た。尚、NGO
−a100部に対し上記PVB8部を溶解したPVB−
NGO−a溶液の曇り点を実施例1の場合と同様にして
測定したところ、曇り点は120℃であった。
【0084】(実施例5)中間膜用組成物の作製におい
て、可塑剤として、NGO−a40部の代わりに、オリ
ゴエチレングリコール部分のエチレングリコールの平均
重合度が4.8であり、エチレングリコール単位が3〜
9の含有率が95重量%であるオリゴエチレングリコー
ルジ2−エチルヘキサノエート(NGO−b)40部を
用いたこと以外は実施例1と同様にして、中間膜用組成
物を得た。尚、上記NGO−b100部に対しPVB8
部を溶解したPVB−NGO−b溶液の曇り点を実施例
1の場合と同様にして測定したところ、曇り点は99℃
であった。
【0085】(実施例6)中間膜用組成物の作製におい
て、可塑剤として、NGO−a40部の代わりに、エチ
レングリコール部分のエチレングリコールの平均重合度
が5.9であり、エチレングリコール単位が3〜9の含
有率が86重量%であるオリゴエチレングリコールジ2
−エチルヘキサノエート(NGO−c)40部を用いた
こと以外は実施例1と同様にして、中間膜用組成物を得
た。尚、上記NGO−c100部に対しPVB8部を溶
解したPVB−NGO−c溶液の曇り点を実施例1の場
合と同様にして測定したところ、曇り点は92℃であっ
た。
【0086】(参考例)中間膜用組成物の作製におい
て、接着力調整剤として、2−エチルブタン酸マグネシ
ウム0.13部の代わりに、酢酸カリウム0.106部
(K濃度300ppm)を用いたこと以外は実施例6と
同様にして、中間膜用組成物を得た。
【0087】(比較例1)中間膜用組成物の作製におい
て、PVBとして、平均ブチラール化度65.5モル%
のPVB100部の代わりに、平均ブチラール化度6
2.3モル%のPVB100部を用いたこと以外は実施
例1と同様にして、中間膜用組成物を得た。尚、NGO
−a100部に対し上記PVB8部を溶解したPVB−
NGO−a溶液の曇り点を実施例1の場合と同様にして
測定したところ、曇り点は139℃であった。
【0088】(比較例2)中間膜用組成物の作製におい
て、PVBとして、平均ブチラール化度65.5モル%
のPVB100部の代わりに、平均ブチラール化度6
8.5モル%のPVB100部を用いたこと以外は実施
例1と同様にして、中間膜用組成物を得た。尚、NGO
−a100部に対し上記PVB8部を溶解したPVB−
NGO−a溶液の曇り点を実施例1の場合と同様にして
測定したところ、曇り点は83℃であった。
【0089】(比較例3)中間膜用組成物の作製におい
て、可塑剤として、NGO−a40部の代わりに、エチ
レングリコール部分のエチレングリコールの平均重合度
が3.4であり、エチレングリコール単位が3〜9の含
有率が85重量%であるオリゴエチレングリコールジ2
−エチルヘキサノエート(NGO−d)40部を用いた
こと以外は実施例1と同様にして、中間膜用組成物を得
た。尚、上記NGO−d100部に対しPVB8部を溶
解したPVB−NGO−d溶液の曇り点を実施例1の場
合と同様にして測定したところ、曇り点は140℃であ
った。
【0090】実施例2〜6、参考例、及び、比較例1〜
3で得られた中間膜用組成物を用い、実施例1の場合と
同様にして、合わせガラス用中間膜及び合わせガラスの
製造を行った。但し、比較例1及び比較例3の中間膜用
組成物を用いて製造した合わせガラス用中間膜は、PV
Bと可塑剤(NGO−a又はNGO−d)との相溶性が
極めて悪く、可塑剤が激しくブリードアウトしていたの
で、合わせガラスの製造は行わなかった。
【0091】実施例2〜6、参考例、及び、比較例2で
得られた合わせガラス用中間膜及び合わせガラスの性能
を実施例1の場合と同様にして評価した。その結果は表
2に示すとおりであった。尚、比較例1及び比較例3で
得られた合わせガラス用中間膜は、可塑剤が激しくブリ
ードアウトしていたので、耐ブロッキング性の評価は行
わなかった。
【0092】
【表2】
【0093】表2から明らかなように、本発明による実
施例1〜6の中間膜用組成物を用いて製せられた実施例
1〜6の合わせガラス用中間膜は、ポリビニルブチラー
ル樹脂(PVB)と可塑剤(NGO−a、NGO−b又
はNGO−c)との相溶性が良好であり、優れた耐ブロ
ッキング性を示した。
【0094】又、上記実施例1〜6の合わせガラス用中
間膜を用いて製せられた実施例1〜6の合わせガラス
は、トリムカット性、接着力(パンメル値)及び耐湿性
(耐白化性)のいずれにも優れていた。
【0095】これに対し、接着力調整剤として、炭素数
2〜10のカルボン酸のマグネシウム塩の代わりに、酢
酸カリウムを用いた参考例の中間膜用組成物からなる合
わせガラス用中間膜を用いて製せられた参考例の合わせ
ガラスは、耐湿性(耐白化性)が不十分であった。
【0096】又、PVB−NGO−a溶液の曇り点が1
30℃を超えていた比較例1の中間膜用組成物及びPV
B−NGO−d溶液の曇り点が130℃を超えていた比
較例3の中間膜用組成物を用いて製せられた比較例1及
び比較例3の合わせガラス用中間膜は、PVBと可塑剤
(NGO−a又はNGO−d)との相溶性が悪かったた
め、中間膜表面への可塑剤のブリードアウトが極めて激
しく、実用性に欠けた。
【0097】さらに、PVB−NGO−a溶液の曇り点
が90℃未満であった比較例2の中間膜用組成物を用い
て製せられた比較例2の合わせガラス用中間膜は、耐ブ
ロッキング性が悪かった。
【0098】
【発明の効果】以上述べたように、本発明による中間膜
用組成物を用いて製せられる合わせガラス用中間膜は、
ポリビニルブチラール樹脂と可塑剤との相溶性が良好で
あるので、中間膜表面への可塑剤のブリードアウトが殆
ど無く、且つ、保管時や輸送時における耐ブロッキング
性に優れる。
【0099】又、上記合わせガラス用中間膜を用いて製
せられる本発明の合わせガラスは、トリムカット性に優
れるので作業性が良く、且つ、中間膜とガラスとの接着
力が適正な範囲内に保持されているので衝撃吸収性や耐
貫通性等の合わせガラスとしての基本性能に優れ、耐湿
性(耐白化性)にも優れているので、自動車用や建築用
等として好適に用いられる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリビニルブチラール樹脂100重量部
    に対し、オリゴエチレングリコールジ2−エチルヘキサ
    ノエート20〜60重量部が含有されてなる中間膜用組
    成物であって、上記オリゴエチレングリコールジ2−エ
    チルヘキサノエート100重量部に対し上記ポリビニル
    ブチラール樹脂8重量部を溶解して得られる溶液の曇り
    点が90〜130℃であることを特徴とする中間膜用組
    成物。
  2. 【請求項2】 ポリビニルブチラール樹脂の平均ブチラ
    ール化度が64〜67モル%であることを特徴とする請
    求項1に記載の中間膜用組成物。
  3. 【請求項3】 炭素数2〜10のカルボン酸のマグネシ
    ウム塩が含有されていることを特徴とする請求項1又は
    請求項2に記載の中間膜用組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の
    中間膜用組成物が製膜されてなることを特徴とする合わ
    せガラス用中間膜。
  5. 【請求項5】 少なくとも一対のガラス間に、請求項4
    に記載の合わせガラス用中間膜を介在させ、一体化させ
    てなることを特徴とする合わせガラス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010101958A (ja) * 2008-10-21 2010-05-06 Fujikura Ltd 光ファイバテープ心線の評価方法、及びスロット型光ケーブルの製造方法
JP2016108239A (ja) * 2014-03-31 2016-06-20 積水化学工業株式会社 合わせガラス用中間膜、合わせガラス用中間膜の製造方法及び合わせガラス

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