JP2003252656A - 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス - Google Patents

合わせガラス用中間膜及び合わせガラス

Info

Publication number
JP2003252656A
JP2003252656A JP2002052133A JP2002052133A JP2003252656A JP 2003252656 A JP2003252656 A JP 2003252656A JP 2002052133 A JP2002052133 A JP 2002052133A JP 2002052133 A JP2002052133 A JP 2002052133A JP 2003252656 A JP2003252656 A JP 2003252656A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyvinyl acetal
resin
acetal resin
weight
laminated glass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002052133A
Other languages
English (en)
Inventor
Juichi Fukaya
重一 深谷
Tadahiko Yoshioka
忠彦 吉岡
Masatoshi Obata
真稔 小幡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP2002052133A priority Critical patent/JP2003252656A/ja
Publication of JP2003252656A publication Critical patent/JP2003252656A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B17/00Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres
    • B32B17/06Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres comprising glass as the main or only constituent of a layer, next to another layer of a specific material
    • B32B17/10Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres comprising glass as the main or only constituent of a layer, next to another layer of a specific material of synthetic resin
    • B32B17/10005Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres comprising glass as the main or only constituent of a layer, next to another layer of a specific material of synthetic resin laminated safety glass or glazing
    • B32B17/1055Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres comprising glass as the main or only constituent of a layer, next to another layer of a specific material of synthetic resin laminated safety glass or glazing characterized by the resin layer, i.e. interlayer
    • B32B17/10614Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres comprising glass as the main or only constituent of a layer, next to another layer of a specific material of synthetic resin laminated safety glass or glazing characterized by the resin layer, i.e. interlayer comprising particles for purposes other than dyeing
    • B32B17/10633Infrared radiation absorbing or reflecting agents
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B17/00Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres
    • B32B17/06Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres comprising glass as the main or only constituent of a layer, next to another layer of a specific material
    • B32B17/10Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres comprising glass as the main or only constituent of a layer, next to another layer of a specific material of synthetic resin
    • B32B17/10005Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres comprising glass as the main or only constituent of a layer, next to another layer of a specific material of synthetic resin laminated safety glass or glazing
    • B32B17/1055Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres comprising glass as the main or only constituent of a layer, next to another layer of a specific material of synthetic resin laminated safety glass or glazing characterized by the resin layer, i.e. interlayer
    • B32B17/10761Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres comprising glass as the main or only constituent of a layer, next to another layer of a specific material of synthetic resin laminated safety glass or glazing characterized by the resin layer, i.e. interlayer containing vinyl acetal
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B2307/00Properties of the layers or laminate
    • B32B2307/10Properties of the layers or laminate having particular acoustical properties
    • B32B2307/102Insulating

Abstract

(57)【要約】 【課題】 遮熱性、遮音性等が良好な合わせガラス用中
間膜を提供する。 【解決手段】 A層とB層とからなり、前記A層は、ポ
リビニルアセタール(PVAc)樹脂P及び可塑剤Wか
らなり、前記B層は、PVAc樹脂Q、可塑剤X、IT
O粒子からなり、前記ITO粒子は、平均粒子径80n
m以下であり、粒子径100nm以上の粒子が1個/μ
2以下であり、かつ、前記PVAc樹脂100重量部
に対し0.01〜3.0重量部含有され、前記PVAc
樹脂Qは、平均重合度1000〜3000のPVAc樹
脂Rと、前記PVAc樹脂Rとの平均重合度差1500
以上の平均重合度3000〜5000のPVAc樹脂S
とからなり、かつ、アセタール化度が60〜85モル
%、アセチル基量が8〜30モル%、その合計が75モ
ル%以上であり、前記可塑剤X100重量部に前記PV
Ac樹脂Q8重量部を溶解させた溶液の曇り点は50℃
以下である合わせガラス用中間膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遮熱性、遮音性、
電磁波透過性、耐貫通性、耐湿性、透明性、特にヘイズ
が良好であり、かつ、ガラスとの適当な接着力を有し、
安価に得ることができる合わせガラス用中間膜及び合わ
せガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、合わせガラスは、外部衝撃を
受けて破損してもガラスの破片が飛散することが少なく
安全であるため、自動車のような車両、航空機、建築物
等の窓ガラス等に広く使用されている。
【0003】上記合わせガラスとしては、例えば、可塑
剤の添加により可塑化されたポリビニルブチラール樹脂
等のポリビニルアセタール樹脂からなる合わせガラス用
中間膜(以下、中間膜ともいう)を少なくとも一対のガ
ラス間に介在させ、一体化させたもの等が挙げられる。
上記可塑剤の添加により可塑化されたポリビニルブチラ
ール樹脂からなる中間膜は、ガラスとの優れた接着性、
強靱な引っ張り強度及び高い透明性を兼ね備えており、
かかる中間膜を用いることにより得られる合わせガラス
は、特に車両用窓ガラスとして好適である。
【0004】近年、合わせガラスには、安全性に加えて
遮音性及び遮熱性が強く要望されている。遮音性は、例
えば、高速走行時の風切り音やエンジンの振動音等を生
じる自動車用の窓ガラス及び建築物用の窓ガラス等にお
いて必要とされる。
【0005】遮音性は、一般に周波数毎に透過損失量と
して示され、JIS A 4708では、図1中の実線で
示した500Hz以上の周波数に対する透過損失量が一
定値ごとに遮音等級として規定されている。
【0006】ガラス板の遮音性は、図1中に波線で示し
たように、2000Hzを中心とする周波数領域でコイ
ンシデンス効果により著しく低下するが、等ラウドネス
曲線に示されているように、人間の聴覚は1000〜6
000Hzの周波数領域で非常に高い感度を示すので、
コインシデンス効果による遮音性の低下を解消すること
が防音において極めて重要である。なお、上記コインシ
デンス効果とは、ガラス板に音波が入射したとき、ガラ
ス板の剛性と慣性とによってガラス面上を横波が伝播し
て横波と入射した音波とが共鳴し、音の透過が起こる現
象をいい、例えば、図1中の波線の谷部がコインシデン
ス効果による遮音性の低下を示している。
【0007】従来の合わせガラスは、破片の飛散防止に
おいて優れているが、ガラス板と同様に2000Hzを
中心とする周波数領域でコインシデンス効果により遮音
性が低下するという問題があった。そこで、合わせガラ
スの遮音性を向上するには、コインシデンス効果による
透過損失の極小値(以下、TL値ともいう。)を上昇さ
せることにより、コインシデンス効果を緩和する必要が
ある。
【0008】上記TL値を上昇させる方法としては、従
来、合わせガラスの質量の増大、ガラスの複層化、ガラ
ス面積の細分化、ガラス板の支持方法の改善等の種々の
方法が提案されている。しかし、これらの方法ではいず
れも充分な効果が得られず、多くの費用がかかるという
問題があった。
【0009】更に、合わせガラスは環境の変化等により
低温から高温まで幅広い温度の変化にさらされることが
あるので広い温度範囲で良好な遮音性が必要とされる
が、特に建築物用窓ガラス等に使用される合わせガラス
には室温付近での優れた遮音性、すなわち遮音性が最大
値を示す温度が室温付近であり、かつ、遮音性の最大値
が大きいことが必要とされる。なお、遮音性が最大値を
示す温度は、温度に対してTL値をプロットすることに
より求められる。
【0010】これに対して、例えば、可塑化ポリビニル
ブチラール樹脂からなる合わせガラス用中間膜を用いた
従来の合わせガラスは、遮音性が最大値を示す温度が室
温よりも高く、室温付近では遮音性がよくないという問
題点があった。また、遮音性を上げようとすると、中間
膜が柔らかくなり、合わせガラスにした際に板ずれや発
泡を生じるという問題があった。
【0011】上記問題を解決するために、特開2001
−316140には、特定の粘度平均重合度のポリビニ
ルアセタール樹脂を混合してなり、特定のアセタール化
度やアセチル基量を有するポリビニルアセタール樹脂の
混合物及び可塑剤からなる中間膜並びに合わせガラスが
開示されている。
【0012】かかる中間膜及び合わせガラスは、透明
性、耐候性、衝撃エネルギー吸収性及びガラスとの接着
性等の合わせガラスに必要な基本性能、並びに、中間膜
の成形性及び取扱性を損なうことなく、コインシデンス
効果を緩和してTL値の低下を防ぎ、かつ、広い温度領
域において優れた遮音性を長期安定的に発揮し、適度な
膜物性により合わせガラスとした際の板ずれや発泡を防
止することができるものであるが、遮熱性に劣るという
問題があった。
【0013】光線のなかでも780nm以上の波長をも
つ赤外線は、紫外線と比較するとエネルギー量は約10
%程度と小さいが、熱的作用が大きく、物質に吸収され
て温度上昇をもたらすことから、一般に熱線と呼ばれて
いる。したがって、例えば、自動車内部の温度上昇を抑
えるには、自動車のフロントガラスやサイドガラスの遮
熱性を高め、赤外線を遮断できるようにすればよい。赤
外線を遮断できるガラス板としては、例えば、熱線カッ
トガラス等が既に市販されている。
【0014】上記熱線カットガラスは、金属蒸着やスパ
ッタリング加工等により、金属/金属酸化物の多層コー
ティング層をガラス板の表面に形成したものであるが、
上記コーティング層は外部からの擦傷に弱く、耐薬品性
も劣るので、例えば、可塑化ポリビニルブチラール樹脂
等からなる中間膜を積層して合わせガラスとされる。
【0015】しかしながら、このような合わせガラスに
は、(a)高価である、(b)多層コーティング層が厚
いため透明性(可視光透過率)が低い、(c)多層コー
ティング層と中間膜との接着性が低下して中間膜の剥離
や白化を生じる、(d)電磁波の透過を阻害し携帯電
話、カーナビ、ガレージオープナー、現金自動収受等の
通信機能に支障をきたす等の問題点があった。
【0016】このような問題点を解決するために、例え
ば、特公昭61−52093号公報や特開昭64−36
442号公報等には、金属及び/又は金属酸化物を薄膜
コーティグ又は蒸着したポリエステルフィルムを、可塑
化ポリビニルブチラール樹脂シートの間に積層してなる
合わせガラスが提案されている。しかしながら、これら
の熱線反射合わせガラスは、可塑化ポリビニルブチラー
ル樹脂シートとポリエステルフィルムとの間の接着性が
充分でないためにその界面で剥離が起こるだけでなく、
通信波長領域における電磁波透過性、加工性、作業性、
生産性等も不充分である等の問題があった。
【0017】これに対して、中間膜自身に断熱性を付与
する目的で、特開平8−259279号公報等において
は、断熱性無機物質の微粒子を中間膜に分散させた合わ
せガラスが提案されている。赤外線をこれらの微粒子に
て遮断して、断熱性を高めることによって車両や建築物
の温度上昇を抑えることが期待できる。
【0018】しかしながら、金属及び/又は金属酸化物
等の断熱性無機物質の微粒子を中間膜に分散させた合わ
せガラスでは、ヘイズの悪化が問題となる。このヘイズ
の悪化は中間膜中での断熱性無機物質の粒子径に大きく
支配されており、粒子径が大きいとヘイズも大きくなっ
てしまう。
【0019】そこで、特許第2715859号におい
て、一次粒子の粒子径を規定した技術が開示されている
が、一次粒子の粒子径や分散液中の粒子径を制御して
も、製膜時に熱をかけて樹脂と混練する際に粒子間で凝
集が起こり、一次粒子の粒子径や分散液中の粒子径より
も中間膜中の粒子径は大きくなってしまう。つまり、中
間膜の製造では、一次粒子や分散液中の粒子径を規定す
るだけでなく、直接ヘイズに影響する中間膜中での断熱
性無機物質の粒子径を規定することが必要となる。
【0020】また、最近、自動車のフロントガラスのエ
ッジ部が露出される型が一般的になってきているが、合
わせガラスは高湿度下に曝されると、膜が白くなる吸湿
劣化(吸湿白化)を生じる。合わせガラスのエッジ断面
が露出されていると、直接人の目につくため美観上大き
な問題を起こす。従って、耐湿性を向上して吸湿白化を
抑える必要があるという問題があった。
【0021】自動車用合わせガラスに代表される合わせ
ガラスでは耐貫通性も要求されるために、ヘイズだけよ
くても合わせガラスとしては不充分であり、ガラスとの
接着力を適当に調節することが必要とされる。断熱性無
機物質の微粒子を中間膜中に均一に分散させるには、分
散剤が必要とされるが、この分散剤がガラスと中間膜と
の間の接着力に影響を与え、必要な接着力が得られず、
剥離の発生や耐貫通性が低下したり、更には、分散剤の
ブリードにより、経時的に接着力が変化したりすること
がある等の問題があった。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、遮熱性、遮
音性、電磁波透過性、耐貫通性、耐湿性、透明性、特に
ヘイズが良好であり、かつ、ガラスとの適当な接着力を
有し、安価に得ることができる合わせガラス用中間膜及
び合わせガラスを提供することを目的とするものであ
る。
【0023】
【発明を解決するための手段】本発明1は、少なくと
も、2層の(A)層と前記(A)層の間に挟着される
(B)層との3層からなる積層構造を有する合わせガラ
ス用中間膜であって、前記(A)層は、ポリビニルアセ
タール樹脂(P)及び可塑剤(W)からなり、前記
(B)層は、ポリビニルアセタール樹脂(Q)、可塑剤
(X)及び錫ドープ酸化インジウム粒子からなり、前記
錫ドープ酸化インジウム粒子は、前記(B)層中におい
て、平均2次凝集粒子径が80nm以下であり、2次凝
集粒子径100nm以上の粒子が1個/μm2以下の密
度となるよう分散されており、かつ、合わせガラス用中
間膜全体に含有されるポリビニルアセタール樹脂(P)
及びポリビニルアセタール樹脂(Q)100重量部に対
して0.01〜3.0重量部含有されており、前記ポリ
ビニルアセタール樹脂(Q)は、粘度平均重合度が10
00〜3000のポリビニルアセタール樹脂(R)と、
前記ポリビニルアセタール樹脂(R)との粘度平均重合
度の差が1500以上であって粘度平均重合度が300
0〜5000のポリビニルアセタール樹脂(S)とから
なるものであり、かつ、アセタール化度が60〜85モ
ル%、アセチル基量が8〜30モル%、アセタール化度
とアセチル基量との合計が75モル%以上であり、前記
可塑剤(X)100重量部に前記ポリビニルアセタール
樹脂(Q)8重量部を溶解させた溶液の曇り点は50℃
以下である合わせガラス用中間膜である。
【0024】本発明2は、少なくとも、2層の(A)層
と前記(A)層の間に挟着される(C)層との3層から
なる積層構造を有する合わせガラス用中間膜であって、
前記(A)層は、ポリビニルアセタール樹脂(P)及び
可塑剤(W)からなり、前記(C)層は、ポリビニルア
セタール樹脂(T)、可塑剤(Y)及び錫ドープ酸化イ
ンジウム粒子からなり、前記錫ドープ酸化インジウム粒
子は、前記(C)層中において、平均2次凝集粒子径が
80nm以下であり、2次凝集粒子径100nm以上の
粒子が1個/μm2以下の密度となるよう分散されてお
り、かつ、合わせガラス用中間膜全体に含有されるポリ
ビニルアセタール樹脂(P)及びポリビニルアセタール
樹脂(T)100重量部に対して0.01〜3.0重量
部含有されており、前記可塑剤(Y)は、トリエチレン
グリコールジ−2−エチルヘキサノエート、テトラエチ
レングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、トリエ
チレングリコールジ−n−ヘプタノエート、及び、テト
ラエチレングリコールジ−n−ヘプタノエートからなる
群より選ばれる少なくとも1種であり、前記(C)層
は、動的粘弾性より得られる損失正接の温度依存性にお
いて、最も低温側の極大値が示す温度が30℃以下であ
る合わせガラス用中間膜である。以下に本発明を詳述す
る。
【0025】本発明1及び本発明2の合わせガラス用中
間膜(以下、中間膜ともいう)は、少なくとも、2層の
(A)層と上記(A)層の間に挟着される(B)層又は
(C)層との3層からなる積層構造を有するものであ
る。上記積層構造としては、具体的には、例えば、
(A)層/(B)層/(A)層、(A)層/(C)層/
(A)層、(A)層/(B)層/(A)層/(A)層、
(A)層/(C)層/(A)層/(A)層等が挙げられ
る。遮音性を有する層中に遮熱性を有する粒子を均一に
分散させ、更に、遮音性を有する層からなる積層構造と
することにより、強度の低下等による悪影響を抑えつ
つ、各層の遮音性における温度依存性を重なり合わせる
ことができ、広い温度範囲での良好な遮音性と遮熱性と
を兼ね備えた中間膜を安価かつ簡便に得ることができ
る。具体的には、例えば、中間膜の低温側の遮音性を良
好なものとするために、(B)層又は(C)層の可塑剤
の添加量を増やしてガラス転移温度(Tg)を低温側に
シフトさせることにより(B)層又は(C)層の遮音性
を低温側にシフトさせる方法等がとられる。
【0026】本発明1及び本発明2の中間膜の膜厚とし
ては特に限定されないが、合わせガラスとして最小限必
要な耐貫通性や耐候性を考慮すると、好ましい下限は
0.3mm、上限は0.8mmである。
【0027】本発明1及び本発明2の中間膜における
(A)層は、ポリビニルアセタール樹脂(P)及び可塑
剤(W)からなるものである。上記ポリビニルアセター
ル樹脂(P)としては特に限定されないが、例えば、ポ
リビニルブチラール樹脂が好適に用いられる。ポリビニ
ルブチラール樹脂が用いられることにより、得られる中
間膜の透明性、耐候性、ガラスに対する接着性等が優れ
たものとなる。なお、上記ポリビニルアセタール樹脂
(P)は、必要な物性に応じて、適当な組み合わせにて
ブレンドされたものであってもよく、アセタール化時に
アルデヒドを組み合わせてアセタール化することにより
得られる共ポリビニルアセタール樹脂であってもよい。
上記ポリビニルアセタール樹脂(P)の分子量及び分子
量分布は特に限定されないが、アセタール化度は、一般
に40〜85%であり、その好ましい下限は60%、上
限は75%である。
【0028】上記ポリビニルブチラール樹脂は、ポリビ
ニルアルコール樹脂をアルデヒドによりアセタール化す
ることにより得ることができる。上記ポリビニルアルコ
ール樹脂は、一般にポリ酢酸ビニルを鹸化することによ
り得られるものであり、鹸化度80〜99. 8モル%の
ポリビニルアルコール樹脂が一般的に用いられる。上記
ポリビニルアルコール樹脂の粘度平均重合度の好ましい
下限は200、上限は3000である。200未満であ
ると、得られる合わせガラスの耐貫通性が低下する。3
000を超えると、樹脂膜の成形性が悪くなり、しかも
樹脂膜の剛性が大きくなり過ぎ、加工性が悪くなる。よ
り好ましい下限は500、上限は2000である。な
お、ポリビニルアルコール樹脂の粘度平均重合度及び鹸
化度は、例えば、JIS K 6726「ポリビニルアル
コール試験方法」に基づいて測定することができる。
【0029】上記アルデヒドとしては特に限定されず、
例えば、炭素数が1〜10のアルデヒド等が挙げられ、
より具体的には、例えば、n−ブチルアルデヒド、イソ
ブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、2−エチル
ブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−オク
チルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デシルア
ルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベン
ズアルデヒド等が挙げられる。なかでも、n−ブチルア
ルデヒド、n‐ヘキシルアルデヒド、n‐バレルアルデ
ヒド等が好ましい。より好ましくは、炭素数が4のブチ
ルアルデヒドである。
【0030】上記可塑剤(W)としては特に限定され
ず、中間膜用の可塑剤として一般的に用いられている公
知の可塑剤が挙げられ、例えば、一塩基性有機酸エステ
ル、多塩基性有機酸エステル等の有機系可塑剤;有機リ
ン酸系、有機亜リン酸系等のリン酸系可塑剤等が好適に
用いられる。これらの可塑剤は、単独で用いられてもよ
く、2種以上が併用されてもよく、ポリビニルアセター
ル樹脂(P)の種類に応じて相溶性等を考慮して使い分
けられる。
【0031】上記一塩基性有機酸エステルとしては特に
限定されず、例えば、トリエチレングリコール、テトラ
エチレングリコール又はトリプロピレングリコール等の
グリコールと、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−エチ
ル酪酸、ヘプタン酸、ヘプチル酸、n−オクチル酸、2
−エチルヘキシル酸、ペラルゴン酸(n−ノニル酸)又
はデシル酸等の一塩基性有機酸との反応によって得られ
るグリコール系エステル等が挙げられる。なかでも、ト
リエチレングリコールジカプロン酸エステル、トリエチ
レングリコールジ−2−エチル酪酸エステル、トリエチ
レングリコールジ−n−オクチル酸エステル、トリエチ
レングリコールジ−2−エチルヘキシル酸エステル等の
トリエチレングリコールの一塩基性有機酸エステルが好
適に用いられる。
【0032】上記多塩基性有機酸エステルとしては特に
限定されず、例えば、アジピン酸、セバシン酸又はアゼ
ライン酸等の多塩基性有機酸と、炭素数4〜8の直鎖状
又は分枝状アルコールとの反応によって得られるエステ
ル等が挙げられ、なかでも、ジブチルセバシン酸エステ
ル、ジオクチルアゼライン酸エステル、ジブチルカルビ
トールアジピン酸エステル等が好適に用いられる。
【0033】有機リン酸系可塑剤としては特に限定され
ず、例えば、トリエチレングリコールジエチルブチラー
ト、トリエチレングリコールジエチルヘキソエート、ト
リエチレングリコールジブチルセバケート、トリブトキ
シエチルホスフェート、イソデシルフェニルホスフェー
ト、トリイソプロピルホスフェート等が挙げられる。な
かでも、トリエチレングリコールジエチルブチラート、
トリエチレングリコールジエチルヘキソエート、トリエ
チレングリコールジブチルセバケート等が好ましい。
【0034】上記可塑剤(W)の配合量としては特に限
定されないが、ポリビニルアセタール樹脂(P)100重
量部に対する配合量の好ましい下限は20重量部、上限
は100重量部である。20重量部未満であると、IT
O粒子を充分に分散できず、耐貫通性が低下することが
ある。100重量部を超えると、ブリードアウトを生
じ、(A)層の透明性や接着性が低下し、得られる合わ
せガラスの光学歪みが大きくなることがある。より好ま
しい下限は30重量部、上限は60重量部である。
【0035】上記(A)層には、必要に応じて、接着力
調整剤が含有されていてもよい。上記接着力調整剤とし
ては、例えば、有機酸又は無機酸のアルカリ金属塩又は
アルカリ土類金属塩、変成シリコーンオイル等が挙げら
れる。上記有機酸としては特に限定されず、例えば、オ
クチル酸、ヘキシル酸、酪酸、酢酸、蟻酸等のカルボン
酸等が挙げられる。上記無機酸としては特に限定され
ず、例えば、塩酸、硝酸等が挙げられる。上記アルカリ
金属塩及びアルカリ土類金属塩としては特に限定され
ず、例えば、カリウム、ナトリウム、マグネシウム等の
塩が挙げられる。
【0036】上記有機酸又は無機酸のアルカリ金属塩又
はアルカリ土類金属塩のなかでも、炭素数2〜16の有
機酸のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩が好まし
く、より好ましくは、炭素数2〜16のカルボン酸のカ
リウム塩及びマグネシウム塩である。
【0037】上記炭素数2〜16のカルボン酸のカリウ
ム塩及びマグネシウム塩としては特に限定されないが、
例えば、酢酸マグネシウム、酢酸カリウム、プロピオン
酸マグネシウム、プロピオン酸カリウム、2−エチルブ
タン酸マグネシウム、2−エチルブタン酸カリウム、2
−エチルヘキサン酸マグネシウム、2−エチルヘキサン
酸カリウム等が好適である。これらは単独で用いられて
もよく、2種以上が併用されてもよい。
【0038】上記有機酸又は無機酸のアルカリ金属塩又
はアルカリ土類金属塩の配合量の好ましい下限は、ポリ
ビニルアセタール樹脂(P)100重量部に対して0.
001重量部、上限は0.5重量部である。0.001
重量部未満であると、高湿度雰囲気下で周辺部の接着力
が低下することがある。0.5重量部を超えると、接着
力が低くなりすぎるうえに膜の透明性が失われることが
ある。より好ましい下限は0.01重量部、上限は0.
2重量部である。
【0039】上記変成シリコーンオイルとしては特に限
定されず、例えば、エポキシ変成シリコーンオイル、エ
ーテル変性シリコーンオイル、エステル変性シリコーン
オイル、アミン変性シリコーンオイル、カルボキシル変
性シリコーンオイル等が挙げられる。これらは、単独で
用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。な
お、これらの変性シリコーンオイルは、一般にポリシロ
キサンに変性すべき化合物を反応させることにより得ら
れる。
【0040】上記変性シリコーンオイルの分子量の好ま
しい下限は800、上限は5000である。800未満
であると、表面への局在化が不充分なことがある。50
00を超えると、樹脂との相溶性が低下し、膜表面にブ
リードアウトしてガラスとの接着力が低下することがあ
る。より好ましい下限は1500、上限は4000であ
る。
【0041】上記変性シリコーンオイルの配合量の好ま
しい下限は、ポリビニルアセタール樹脂(P)100重
量部に対して0.01重量部、上限は0.2重量部であ
る。0.01重量部未満であると、吸湿による白化を防
止する効果が不充分となることがある。0.2重量部を
超えると、樹脂との相溶性が低下し、膜表面にブリード
アウトして樹脂とガラスとの接着力が低下することがあ
る。より好ましい下限は0.03重量部、上限は0.1
重量部である。
【0042】上記(A)層には、更に、必要に応じて、
押出機中での熱による変質を防止するための酸化防止
剤、耐候性や耐光性を改善するための紫外線吸収剤や光
安定剤、界面活性剤、難燃剤、帯電防止剤、耐湿剤、熱
線反射剤、熱線吸収剤等の添加剤が添加されていてもよ
い。
【0043】上記酸化防止剤としては特に限定されない
が、例えば、フェノール系のものが好ましく、具体的に
は、例えば、住友化学工業社製の商品名「スミライダー
BHT」やチバガイギー社製の商品名「イルガノックス
1010」等が挙げられる。
【0044】上記紫外線吸収剤としては特に限定されな
いが、例えば、ベンゾトリアゾール系のものが好まし
く、具体的には、例えば、チバガイギー社製の商品名
「チヌビンP」、「チヌビン320」、「チヌビン32
6」、「チヌビン328」等が挙げられる。
【0045】上記光安定剤としては特に限定されない
が、例えば、ヒンダードアミン系のものが好ましく、具
体的には、例えば、旭電化工業社製の商品名「アデカス
タブLA−57」等が挙げられる。
【0046】上記界面活性剤としては特に限定されず、
例えば、ラウリル酸ナトリウム、アルキルベンゼンスル
ホン酸等が挙げられる。
【0047】上記(A)層は、一般に、可塑剤を含有さ
せた接着性樹脂を溶融混練した後、製膜する方法等によ
り形成することができる。
【0048】本発明1の中間膜における(B)層は、2
枚の(A)層の間に挟着されるものであり、本発明1の
中間膜に主に遮音性及び遮熱性を付与するものである。
上記(B)層は、ポリビニルアセタール樹脂(Q)、可
塑剤(X)及び錫ドープ酸化インジウム粒子(以下、I
TOともいう)からなるものである。
【0049】上記ポリビニルアセタール樹脂(Q)は、
2種の粘度平均重合度が異なるポリビニルアセタール樹
脂(R)とポリビニルアセタール樹脂(S)とからなる
ものである。上記ポリビニルアセタール樹脂(R)及び
ポリビニルアセタール樹脂(S)としては特に限定され
ないが、ポリビニルブチラール樹脂が好適に用いられ
る。ポリビニルブチラール樹脂が用いられることによ
り、得られる中間膜の透明性、耐候性、ガラスに対する
接着性等が優れたものとなる。なお、上記ポリビニルア
セタール樹脂(R)は、単独で用いられてもよく、2種
以上が併用されてもよく、ポリビニルアセタール樹脂
(S)も単独で用いられてもよく、2種以上が併用され
てもよい。
【0050】上記ポリビニルアセタール樹脂(R)の粘
度平均重合度は1000〜3000である。粘度平均重
合度が1000〜3000であると、得られる中間膜
は、広い温度範囲、特に低温において良好な遮音性を示
すが、膜物性は柔らかくなるので、合わせガラスにした
際に板ずれ、発泡等が発生しやすくなる。一方、ポリビ
ニルアセタール樹脂(S)の粘度平均重合度は3000
〜5000である。3000〜5000であると、得ら
れる中間膜は、膜物性が硬くなり、合わせガラスにした
際の板ずれ、発泡を防止する効果が現れるが、高温での
粘性が高くなり樹脂の成形性が悪くなる。
【0051】上記ポリビニルアセタール樹脂(Q)は、
粘度平均重合度の差が1500以上であるポリビニルア
セタール樹脂(R)とポリビニルアセタール樹脂(S)
とが混合されてなるものである。1500未満である
と、(B)層が充分な膜物性を有さないことがある。上
記ポリビニルアセタール樹脂(Q)がポリビニルアセタ
ール樹脂(R)とポリビニルアセタール樹脂(S)との
組み合わせからなることにより、(B)層は、広い温度
領域において優れた遮音性を有するものとなり、かつ、
適度な膜物性を有するので合わせガラスとしたときの板
ずれ、発泡等を防止できる。
【0052】上記ポリビニルアセタール樹脂(R)及び
ポリビニルアセタール樹脂(S)は、例えば、ポリビニ
ルアルコール樹脂を熱水に溶解した水溶液を所定温度に
保持した後、これにアルデヒドと触媒とを加えアセター
ル化反応を進行させ、その後、反応液を所定温度で高温
保持した後に中和、水洗、乾燥等の工程を経て樹脂粉末
にする方法等により得られる。
【0053】上記ポリビニルアルコール樹脂としては特
に限定されないが、粘度平均重合度の好ましい下限は5
00、上限は5000である。500未満であると、得
られる中間膜の強度が弱すぎて、合わせガラスとしたと
きの耐貫通性や衝撃エネルギー吸収性が不充分となるこ
とがある。5000を超えると、樹脂の成形が困難とな
ることがあり、また、得られる中間膜の強度が強くなり
すぎて、合わせガラスとしたときの耐貫通性や衝撃エネ
ルギー吸収性が不充分となることがある。より好ましい
下限は1000である。
【0054】上記アルデヒドとしては特に限定されず、
例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピ
オンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルア
ルデヒド、バレルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒ
ド、2−エチルブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、
シンナムアルデヒド等が挙げられる。これらは単独で用
いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0055】上記ポリビニルアセタール樹脂(R)とポ
リビニルアセタール樹脂(S)とを混合する方法として
は、例えば、粘度平均重合度の異なるポリビニルアルコ
ールを所定量混合した後にアセタール化反応を行い混合
ポリビニルアセタール樹脂を得る方法、粘度平均重合度
の異なるポリビニルアルコールより得られたポリビニル
アセタール樹脂同士を所定量混合する方法等が挙げられ
る。
【0056】上記ポリビニルアセタール樹脂(Q)は、
アセタール化度が60〜85モル%である。60モル%
未満であると、可塑剤(X)との相溶性が悪くなるの
で、合わせガラスの耐貫通性の確保に必要な量の可塑剤
(X)を添加することが困難となり、特に低温域におい
て遮音性を発揮できないことがある。85モル%を超え
ると、ポリビニルアセタール樹脂(Q)を得るために長
時間の反応が必要となることがある。好ましい下限は6
3モル%、上限は70モル%である。
【0057】上記ポリビニルアセタール樹脂(Q)は、
アセチル基量が8〜30モル%である。8モル%未満で
あると、可塑剤(X)との相溶性が悪くなり、また、得
られる樹脂のガラス転移温度が充分に低下せず、低温域
における遮音性が充分に得られない。30モル%を超え
ると、ポリビニルアルコールとアルデヒドとの反応性が
著しく低下するので充分にポリビニルアセタール樹脂
(Q)が得られないことがある。好ましい下限は10モ
ル%、上限は24モル%である。
【0058】上記ポリビニルアセタール樹脂(Q)は、
アセタール化度とアセチル基量との合計が75モル%以
上である。75モル%未満であると、可塑剤(X)との
相溶性が不充分なことがあり、低温域での遮音性が充分
でないことがある。好ましくは、77モル%以上であ
る。
【0059】ポリビニルアセタール樹脂は、ビニルアセ
タール成分とビニルアルコール成分とから構成されるも
のであり、アセタール化度、アセチル基量等の成分量
は、例えば、JIS K 6728「ポリビニルブチラー
ル試験方法」や赤外線吸収スペクトル(IR)に基づい
て測定することができる。なお、本明細書において、ア
セタール化度とは、アセタール基をアセタール化された
2つの水酸基として数えた場合のアセタール化度であ
る。また、ポリビニルアセタール樹脂の粘度平均重合度
は、例えば、JIS K 6728「ポリビニルブチラー
ル試験方法」に基づいて測定することができる。
【0060】上記可塑剤(X)としては特に限定され
ず、可塑剤(W)と同一であっても異なっていてもよ
く、例えば、一塩基性有機酸エステル、多塩基性有機酸
エステル等の有機系可塑剤;有機リン酸系、有機亜リン
酸系等のリン酸系可塑剤等が挙げられる。なかでも、例
えば、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレー
ト(3GH)、トリエチレングリコールジ−2−エチル
ヘキサノエート(3GO)、テトラエチレングリコール
ジ−2−エチルヘキサノエート(4GO)、トリエチレ
ングリコールジ−n−ヘプタノエート(3G7)、テト
ラエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート(4G
7)、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエ
チレングリコールジ−n−オクタノエート、テトラエチ
レングリコールジ−2−エチルブチレート、テトラエチ
レングリコールジ−n−ヘプタノエート、ジヘキシルア
ジペート、ジベンジルフタレート等が好ましい。より好
ましくは、3GO、3GH、3G7等である。なお、上
記可塑剤は単独で用いられてもよく、2種以上が併用さ
れてもよい。
【0061】上記可塑剤(X)の配合量の好ましい下限
は、ポリビニルアセタール樹脂(Q)100重量部に対し
て30重量部、上限は70重量部である。30重量部未
満であると、ポリビニルアセタール樹脂(Q)の可塑化
が不充分となることがあり、(B)層の遮音性が不充分
となることがある。70重量部を超えると、(B)層の
機械的強度が低下することにより耐衝撃性が低下し、
(B)層とガラスとの接着力が不充分となることがあ
る。
【0062】上記可塑剤(X)100重量部にポリビニ
ルアセタール樹脂(Q)8重量部を溶解させた溶液の曇
り点は50℃以下である。50℃を超えると、ポリビニ
ルアセタール樹脂(Q)と可塑剤(X)との相溶性が悪
いので、合わせガラスの耐貫通性確保に必要な量の可塑
剤(X)を添加することが困難となり、特に低温域にお
いて遮音性を発揮できないことがある。好ましくは30
℃以下であり、より好ましくは20℃以下である。
【0063】なお、本明細書において、曇り点とは、J
IS K 2269「原油及び石油製品の流動点並びに石
油製品曇り点試験方法」に準拠して測定されるものであ
り、具体的には、可塑剤100重量部に対しポリビニル
アセタール樹脂8重量部を溶解して得られる溶液を15
0℃以上に加熱した後、10〜30℃の雰囲気下に放置
して温度を降下させたときに、この溶液の一部に曇りが
発生し始める温度を意味する。この曇り点が低いほど、
その樹脂と可塑剤との相溶性が大きいことを示す。
【0064】上記曇り点の測定方法としては、例えば、
溶液の外観を目視で観察する方法、溶液のヘーズをヘー
ズメーターで測定する方法、予め作製した曇りに関する
複数段階の限度見本と溶液の外観とを対照して曇りを判
定する方法等が挙げられる。
【0065】上記(B)層は、ITO粒子を含有するこ
とにより、赤外線カット効果を有し、遮熱性を有する。
上記ITO粒子は、上記(B)層中における平均2次凝
集粒子径が80nm以下である。80nmを超えると、
ITO粒子による可視光線の散乱が顕著になり、(B)
層の透明性が損なわれることがある。その結果、合わせ
ガラスとした時にヘイズ(曇価)が悪化して、例えば自
動車のフロントガラス等で要求されるような高度な透明
性が得られなくなる。
【0066】上記ITO粒子は、上記(B)層中に、2
次凝集粒子径100nm以上の粒子が1個/μm2以下
の密度となるよう分散されているものである。すなわ
ち、透過型電子顕微鏡で(B)層を撮影、観察したとき
に、粒子径が100μm以上のITO粒子が観察されな
いか、又は、観察された場合には1μm2の枠の中心に
粒子径100μm以上のITO粒子を置くと、かかる1
μm2の枠内に粒子径100μm以上のITO粒子が他
に観察されない状態となるよう分散されているものであ
る。これにより、合わせガラスにしたときに、低ヘイズ
で透明性に優れ、遮熱性は(B)層全体に渡って高いも
のとなり、更に、ガラスと中間膜との接着力を調節可能
であることにより耐貫通性も優れたものになる。なお、
透過型電子顕微鏡による観察は、日立製作所社製H−7
100FA型透過型電子顕微鏡を用いて、加速電圧10
0kVで撮影することにより行うことができる。
【0067】上記ITO粒子は、上記(B)層中に、本
発明1の中間膜全体に含有されるポリビニルアセタール
樹脂(P)及びポリビニルアセタール樹脂(Q)100
重量部に対して0.01〜3.0重量部含有される。
0.01重量部未満であると、赤外線カット効果が不充
分なことがある。3.0重量部を超えると、可視光線へ
の透過性が低下することがあり、ヘイズも大きくなるこ
とがある。
【0068】中間膜のような高い可視光透過率が必須で
ある透明樹脂に可視光波長と同等以上の大きさの添加剤
を添加すると、通常上記添加剤により可視光が強く散乱
されるため、可視光透過率の低下やヘイズの増加が懸念
される。上記ITO粒子は、可視光波長よりもはるかに
小さいナノスケールの超微粒子の状態で均一に分散さ
れ、かつ、赤外吸収を有するので、(B)層内部に加え
られても、可視光に対し散乱を起こさずに透過性を保持
するのでヘイズは非常に小さく、赤外線を吸収する機能
を(B)層に付与する。また、通信波長帯においても反
射を起こさずに(B)層は電磁波透過性を有するので、
従来の蒸着やコーティングにより得られる熱線反射合わ
せガラスとは異なり、通信機能を阻害しない。
【0069】上記(B)層には、(A)層と同様に、必
要に応じて、例えば、接着力調整剤、酸化防止剤、紫外
線吸収剤、光安定剤、界面活性剤、難燃剤、帯電防止
剤、耐湿剤、熱線反射剤、熱線吸収剤等の添加剤が更に
添加されていてもよい。
【0070】上記(B)層は、一般に、ITO粒子を分
散剤により有機溶媒中に均一に分散させた分散液を、可
塑剤を含有させた接着性樹脂に添加し溶融混練した後、
製膜する方法等により形成される。上記分散に用いる主
分散媒としては特に限定されず、例えば、(B)層に使
用される可塑剤(X)と同種の可塑剤、一般に無機微粒
子の分散剤として用いられる有機及び無機界面活性剤等
の分散安定剤等が挙げられ、なかでも(B)層に使用さ
れる可塑剤(X)と同種の可塑剤が好ましい。上記分散
安定剤としては特に限定されず、例えば、具体的には、
硫酸系エステル化合物、リン酸系エステル化合物、ポリ
カルボン酸塩、多価アルコール型界面活性剤等が挙げら
れる。
【0071】上記主分散媒の配合量の好ましい下限は、
(B)層中のITO粒子1.0重量部に対して0.00
1重量部、上限は5重量部である。0.001重量部未
満であると、効果が期待出来ないことがある。5重量部
を超えると、製膜時及び合わせガラス作製時に発泡を生
じたり、中間膜とガラスとの接着力が上がりすぎたりす
ることがある。より好ましい下限は0.05重量部、上
限は1.0重量部である。
【0072】上記溶融混練の際には、混練物中にキレー
ト剤及び/又は少なくとも1つ以上のカルボキシル基を
もつ化合物が添加されていることにより、ヘイズを更に
良化させることができる。上記キレート剤は、ITO粒
子に配位してITO粒子の凝集を防ぐ作用により、上記
1つ以上のカルボキシル基を有する化合物は、高い分散
能を有しITO粒子を均一に分散する作用により、ヘイ
ズを良化させることができると考えられる。
【0073】上記キレート剤としては特に限定されず、
例えば、EDTA類及びβ−ジケトン類等が挙げられ
る。なかでも、β−ジケトン類は、可塑剤や樹脂との相
溶性のよいことから好ましく、特にアセチルアセトンが
好適である。アセチルアセトン以外にもベンゾイルトリ
フルオロアセトンやジピバロイルメタン等を用いてもよ
い。
【0074】上記キレート剤の配合量の好ましい下限
は、混練物中のITO粒子1.0重量部に対して0.0
01重量部、上限は2重量部である。0.001重量部
未満であると、効果が期待できないことがある。2重量
部を超えると、製膜時及び合わせガラス作製時に発泡を
生じることがある。より好ましい下限は0.01重量
部、上限は1重量部である。
【0075】上記1つ以上のカルボキシル基をもつ化合
物としては特に限定されず、例えば、脂肪族カルボン
酸、脂肪族ジカルボン酸、芳香族カルボン酸、芳香族ジ
カルボン酸、ヒドロキシ酸等が挙げられ、より具体的に
は、安息香酸、フタル酸、サリチル酸、リシノール酸等
が挙げられる。なかでも、炭素数2〜18の脂肪族カル
ボン酸が好ましく、より好ましくは炭素数2〜10の脂
肪族カルボン酸である。具体的には、例えば、酢酸、プ
ロピオン酸、n−酪酸、2エチル酪酸、n−ヘキサン
酸、2エチルヘキサン酸、n−オクタン酸等が挙げられ
る。
【0076】上記1つ以上のカルボキシル基をもつ化合
物の配合量の好ましい下限は、混練物中のITO粒子
1.0重量部に対して0.001重量部、上限は2重量
部である。0.001重量部未満であると、効果が期待
できないことがある。2重量部を超えると、(B)層が
黄変することがあり、また、ガラスと(B)層との接着
力を損なうことがある。より好ましい下限は0.01重
量部、上限は1重量部である。
【0077】上記(B)層は、膜中でのITO含有量及
び分散状態を制御されていることにより、合わせガラス
としたときに優れた遮熱性及び透明性を有し、ガラスと
の接着力が調節可能であり耐貫通性にも優れ、電磁波透
過性を有するものである。更に、(B)層は、ITO粒
子を可塑剤に分散させて用いていることにより通常の中
間膜と同様の製造方法から得ることができ、(B)層自
体が赤外線カット効果を有することにより、通常の合わ
せガラスと同様の製造方法から赤外線カット効果を有す
る合わせガラスを製造することができ、加工性、作業
性、生産性に優れている。
【0078】本発明2の中間膜における(C)層は、2
枚の(A)層の間に挟着されるものであり、本発明2の
中間膜に主に遮音性及び遮熱性を付与するものである。
上記(C)層は、ポリビニルアセタール樹脂(T)、可
塑剤(Y)及び錫ドープ酸化インジウム粒子からなるも
のである。
【0079】上記ポリビニルアセタール樹脂(T)とし
ては特に限定されないが、例えば、ポリビニルブチラー
ル樹脂が好適に用いられる。ポリビニルブチラール樹脂
が用いられることにより、得られる中間膜の透明性、耐
候性、ガラスに対する接着性等が優れたものとなる。な
お、上記ポリビニルアセタール樹脂(T)は、必要な物
性に応じて、適当な組み合わせにてブレンドされたもの
であってもよく、アセタール化時にアルデヒドを組み合
わせてアセタール化することにより得られる共ポリビニ
ルアセタール樹脂であってもよい。
【0080】上記ポリビニルアセタール樹脂(T)とし
ては、ポリビニルアルコール樹脂(G)と、上記ポリビ
ニルアルコール樹脂(G)との粘度平均重合度の差が5
00以上であるポリビニルアルコール樹脂(H)とから
なるポリビニルアルコール樹脂(I)より得られるもの
が好適に用いられる。粘度平均重合度の差が500未満
であると、混合の効果がみられないことがある。
【0081】上記ポリビニルアルコール樹脂(G)、ポ
リビニルアルコール樹脂(H)、及び、ポリビニルアル
コール樹脂(I)としては特に限定されないが、ポリビ
ニルアルコール樹脂(G)の粘度平均重合度の好ましい
下限は500、上限は3000であり、ポリビニルアル
コール樹脂(H)の粘度平均重合度の好ましい下限は3
000、上限は5000である。なお、ポリビニルアル
コール樹脂の粘度平均重合度及び鹸化度は、例えば、J
IS K 6726「ポリビニルアルコール試験方法」に
基づいて測定することができる。
【0082】上記ポリビニルアセタール樹脂(T)とし
ては、ポリビニルアセタール樹脂(U)と、上記ポリビ
ニルアセタール樹脂(U)との粘度平均重合度の差が5
00以上であるポリビニルアセタール樹脂(V)とから
なるものもまた好適に用いられる。粘度平均重合度の差
が500未満であると、混合の効果がみられないことが
ある。
【0083】上記ポリビニルアセタール樹脂(U)、ポ
リビニルアセタール樹脂(V)としては特に限定されな
いが、例えば、ポリビニルブチラール樹脂が好適に用い
られる。ポリビニルブチラール樹脂が用いられることに
より、得られる中間膜の透明性、耐候性、ガラスに対す
る接着性等が優れたものとなる。上記ポリビニルアセタ
ール樹脂(U)の粘度平均重合度の好ましい下限は50
0、上限は3000であり、ポリビニルアセタール樹脂
(V)の粘度平均重合度の好ましい下限は3000、上
限は5000である。
【0084】粘度平均重合度の異なるポリビニルアルコ
ール樹脂を混合させたものを原料とすることにより、又
は、粘度平均重合度の異なるポリビニルアセタール樹脂
からなるものとすることにより、ポリビニルアセタール
樹脂(T)の遮音性の良好な温度範囲を広くすることが
できる。また、混合により、低重合度の樹脂は可塑剤の
ような働きを示すので、高重合度の樹脂の高温での流動
性を低下させて成形を容易にし、高重合度の樹脂は低重
合度の樹脂中に点在して架橋点のような働きを示すの
で、高温での流動性が高くなりすぎることなく効率的に
機械的強度を向上させる。
【0085】上記ポリビニルアセタール樹脂(T)は、
粘度平均重合度が1500以上であることが好ましい。
1500未満であると、遮音性が不充分なことがあり、
また、機械的強度が不充分なために合わせガラスとして
の耐衝撃性が劣ることがある。
【0086】上記ポリビニルアセタール樹脂(T)は、
アセタール化度が60〜85モル%であることが好まし
い。60モル%未満であると、可塑剤(Y)との相溶性
が悪くなり、合わせガラスの耐貫通性の確保に必要な量
の可塑剤(Y)を添加することが困難となり、特に低温
域において遮音性を発揮できないことがある。85モル
%を超えると、ポリビニルアセタール樹脂(T)を得る
ために長時間の反応が必要となることがある。好ましい
下限は63モル%、上限は70モル%である。
【0087】上記ポリビニルアセタール樹脂(T)は、
アセチル基量が8〜30モル%であることが好ましい。
8モル%未満であると、可塑剤(Y)との相溶性が悪く
なり、ガラス転移温度を充分に低下できず、低温域での
遮音性が充分に得られないことがある。30モル%を超
えると、ポリビニルアルコールとアルデヒドとの反応性
が著しく低下するので充分にポリビニルアセタール樹脂
(T)が得られないことがある。好ましい下限は10モ
ル%、上限は24モル%である。
【0088】上記ポリビニルアセタール樹脂(T)は、
アセタール化度とアセチル基量との合計が75モル%以
上であることが好ましい。75モル%未満であると、可
塑剤(Y)との相溶性が不充分なことがあり、低温域で
の遮音性が充分でないことがある。好ましくは、77モ
ル%以上である。
【0089】上記可塑剤(Y)は、トリエチレングリコ
ールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)、テトラ
エチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(4
GO)、トリエチレングリコールジ−n−ヘプタノエー
ト(3G7)、及び、テトラエチレングリコールジ−n
−ヘプタノエート(4G7)からなる群より選ばれる少
なくとも1種である。上記3GO、4GO、3G7及び
4G7を用いると、遮音性と耐熱性及び耐湿性との両立
が容易となる。
【0090】上記可塑剤(Y)100重量部にポリビニ
ルアセタール樹脂(T)8重量部を溶解させた溶液の曇
り点は50℃以下であることが好ましい。50℃を超え
ると、ポリビニルアセタール樹脂(T)と可塑剤(Y)
との相溶性が悪いので、合わせガラスの耐貫通性確保に
必要な量の可塑剤(Y)を添加することが困難となり、
特に低温域において遮音性を発揮できないことがある。
好ましくは30℃以下であり、より好ましくは20℃以
下である。
【0091】ポリビニルアセタール樹脂(T)100重
量部に対する可塑剤(Y)の配合量がポリビニルアセタ
ール樹脂(P)100重量部に対する可塑剤(W)の配
合量よりも5重量部以上多いことが好ましい。配合量の
差が5重量部未満であると、ポリビニルアセタール樹脂
(T)の可塑化が不充分となることがあり、(C)層の
遮音性が不充分となることがある。
【0092】上記(C)層は、動的粘弾性より得られる
損失正接の温度依存性において、最も低温側の極大値が
示す温度が30℃以下であることが好ましい。30℃を
超えると、(C)層は室温付近で充分な柔軟性を示さ
ず、(C)層を用いた合わせガラスは室温付近で充分な
遮音性を示さないことがある。
【0093】上記動的粘弾性より得られる損失正接(t
anδ)とは、高分子材料の動的粘弾性測定により一般
に得られる貯蔵弾性率と損失弾性率との比を意味する。
一般に高分子材料について温度を変化させながら動的粘
弾性測定を行ったときに損失正接が最大値を示す温度は
Tg、すなわち軟化温度に相当する。上記最も低温側の
極大値を示す温度とは、温度を変化させながら動的粘弾
性測定を行ったときに損失正接が極大値を示す最も低い
温度であり、(C)層のTgに対応するものである。
【0094】上記最も低温側の極大値を示す温度は、一
般に積層前にTgを測定することにより求められるが、
樹脂と可塑剤との組み合わせによっては積層された層間
で可塑剤の移行が生じて積層前に測定したTgが意味を
なさないことがあり、この場合には、例えば、動的歪み
にせん断を用いた動的粘弾性測定等により積層体の状態
でTgを測定する。
【0095】上記動的歪みにせん断を用いた動的粘弾性
測定は、一般的に用いられる動的粘弾性測定装置を用い
て行うことができ、その測定原理は、微小振動を有する
歪みをせん断方法により試料に印加し、その応答である
応力を検出して弾性率を算出するものである。上記動的
歪みにせん断を用いた動的粘弾性測定では、積層体の各
層について損失弾性率及び貯蔵弾性率の挙動が得られ、
この挙動から損失正接を求めて損失正接が最大となる温
度をTgとすることにより各層のTgを見積ることがで
きる。なお、上記微小振動を有する歪みの周波数として
は特に限定されないが、例えば、測定の容易さ及び精度
から10Hzが好適に用いられる。
【0096】上記(C)層は、(B)層と同様にITO
粒子を含有することにより、赤外線カット効果を有し、
遮熱性を有する。上記ITO粒子は、上記(C)層中に
おける平均2次凝集粒子径が80nm以下である。80
nmを超えると、ITO粒子による可視光線の散乱が顕
著になり、(C)層の透明性が損なわれることがある。
その結果、合わせガラスとした時にヘイズ(曇価)が悪
化して、例えば自動車のフロントガラス等で要求される
ような高度な透明性が得られなくなる。
【0097】上記ITO粒子は、上記(C)層中に、2
次凝集粒子径100nm以上の粒子が1個/μm2以下
の密度となるよう分散されているものである。すなわ
ち、透過型電子顕微鏡で(C)層を撮影、観察したとき
に、粒子径が100μm以上のITO粒子が観察されな
いか、又は、観察された場合には1μm2の枠の中心に
粒子径100μm以上のITO粒子を置くと、かかる1
μm2の枠内に粒子径100μm以上のITO粒子が他
に観察されない状態となるよう分散されているものであ
る。これにより、合わせガラスにしたときに、低ヘイズ
で透明性に優れ、遮熱性は(C)層全体に渡って高いも
のとなり、更に、ガラスと中間膜との接着力を調節可能
であることにより耐貫通性も優れたものになる。なお、
透過型電子顕微鏡による観察は、日立製作所社製H−7
100FA型透過型電子顕微鏡を用いて、加速電圧10
0kVで撮影することにより行うことができる。
【0098】上記ITO粒子は、上記(C)層中に、本
発明2の中間膜全体に含有されるポリビニルアセタール
樹脂(P)及びポリビニルアセタール樹脂(T)100
重量部に対して0.01〜3.0重量部含有される。
0.01重量部未満であると、赤外線カット効果が不充
分なことがある。3.0重量部を超えると、可視光線へ
の透過性が低下することがあり、ヘイズも大きくなるこ
とがある。
【0099】中間膜のような高い可視光透過率が必須で
ある透明樹脂に可視光波長と同等以上の大きさの添加剤
を添加すると、通常上記添加剤により可視光が強く散乱
されるため、可視光透過率の低下やヘイズの増加が懸念
される。上記ITO粒子は、可視光波長よりもはるかに
小さいナノスケールの超微粒子の状態で均一に分散さ
れ、かつ、赤外吸収を有するので、(C)層内部に加え
られても、可視光に対し散乱を起こさずに透過性を保持
するのでヘイズは非常に小さく、赤外線を吸収する機能
を(C)層に付与する。また、通信波長帯においても反
射を起こさずに(C)層は電磁波透過性を有するので、
従来の蒸着やコーティングにより得られる熱線反射合わ
せガラスとは異なり、通信機能を阻害しない。
【0100】上記(C)層には、(A)層及び(B)層
と同様に、必要に応じて、例えば、接着力調整剤、酸化
防止剤、紫外線吸収剤や光安定剤、界面活性剤、難燃
剤、帯電防止剤、耐湿剤、熱線反射剤、熱線吸収剤等の
添加剤が更に添加されていてもよい。
【0101】上記(C)層は、一般に、ITO粒子を分
散剤により有機溶媒中に均一に分散させた分散液を、可
塑剤を含有させた接着性樹脂に添加し溶融混練した後、
製膜する方法等により形成される。上記分散に用いる主
分散媒としては特に限定されず、例えば、(C)層に使
用される可塑剤(Y)と同種の可塑剤、上記分散安定剤
等が挙げられ、なかでも(C)層に使用される可塑剤
(Y)と同種の可塑剤が好ましい。
【0102】上記主分散媒の配合量の好ましい下限は、
(C)層中のITO粒子1.0重量部に対して0.00
1重量部、上限は5重量部である。0.001重量部未
満であると、効果が期待出来ないことがある。5重量部
を超えると、製膜時及び合わせガラス作製時に発泡を生
じたり、中間膜とガラスとの接着力が上がりすぎたりす
ることがある。より好ましい下限は0.05重量部、上
限は1.0重量部である。
【0103】上記溶融混練の際には、混練物中に上記キ
レート剤及び/又は上記少なくとも1つ以上のカルボキ
シル基をもつ化合物が添加されていることにより、ヘイ
ズを更に良化させることができる。
【0104】上記キレート剤の配合量の好ましい下限
は、混練物中のITO粒子1.0重量部に対して0.0
01重量部、上限は2重量部である。0.001重量部
未満であると、効果が期待できないことがある。2重量
部を超えると、製膜時及び合わせガラス作製時に発泡を
生じることがある。より好ましい下限は0.01重量
部、上限は1重量部である。
【0105】上記1つ以上のカルボキシル基をもつ化合
物の配合量の好ましい下限は、混練物中のITO粒子
1.0重量部に対して0.001重量部、上限は2重量
部である。0.001重量部未満であると、効果が期待
できないことがある。2重量部を超えると、(C)層が
黄変することがあり、また、ガラスと(C)層との接着
力を損なうことがある。より好ましい下限は0.01重
量部、上限は1重量部である。
【0106】上記(C)層は、膜中でのITO含有量及
び分散状態を制御されていることにより、合わせガラス
としたときに優れた遮熱性及び透明性を有し、ガラスと
の接着力が調節可能であり耐貫通性にも優れ、電磁波透
過性を有するものである。更に、(C)層は、ITO粒
子を可塑剤に分散させて用いていることにより通常の中
間膜と同様の製造方法から得ることができ、(C)層自
体が赤外線カット効果を有することにより、通常の合わ
せガラスと同様の製造方法から赤外線カット効果を有す
る合わせガラスを製造することができ、加工性、作業
性、生産性に優れている。
【0107】本発明1及び本発明2の中間膜は、可視光
波長よりも小さいナノスケールの超微粒子状のITO粒
子が均一に分散されて優れた遮熱性等を有し、粘度平均
重合度等を調整した樹脂を用いて広い温度領域での優れ
た遮音性等を有する(B)層又は(C)層を有すること
により、遮熱性、遮音性、電磁波透過性、耐貫通性、耐
湿性、透明性、特にヘイズが良好であり、かつ、ガラス
との適当な接着力を有し、安価に得ることができるもの
である。
【0108】本発明1及び本発明2の中間膜を成形する
方法としては特に限定されず、例えば、押し出し法、カ
レンダー法、プレス法等により製膜できるが、好ましく
は2軸同方向の押し出し法によるものであり、ヘイズを
更に良化させることができる。
【0109】少なくとも、2層の(A)層と、上記
(A)層の間に挟着される(B)層又は(C)層との3
層からなる積層構造に対して、更に(A)層、(B)
層、及び(C)層以外の中間膜が積層されてもよい。具
体的には、例えば、更にポリビニルアセタール樹脂
(P)、可塑剤(Z)及びITO粒子からなる(D)層
を積層してなる中間膜等が好ましく、耐貫通性の向上等
の必要に応じて用いられる。かかる(A)層及び(B)
層、及び(C)層以外の中間膜が積層されてなる中間膜
もまた本発明の1つである。上記可塑剤(Z)としては
特に限定されず、例えば、可塑剤(W)、可塑剤
(X)、可塑剤(Y)と同じものであってもよい。
【0110】少なくとも一対のガラスの間に本発明の中
間膜を介在させ、一体化させてなる合わせガラスもまた
本発明の1つである。上記ガラスとしては特に限定され
ず、例えば、一般に使用されている透明板ガラス等が挙
げられる。好ましくは900nm〜1300nmの全波
長域において透過率が65%以下の熱線吸収ガラスであ
る。ITOの赤外線カット効果が1300nmより長波
長側で大きく、900nm〜1300nmの領域では比
較的小さいことから、本発明の中間膜を上記熱線吸収ガ
ラスと合わせることにより、クリアガラスと合わせる場
合と比べて、同じ可視光線透過率であっても日射透過率
を低くでき、高い遮熱性を得ることができる。
【0111】本発明の合わせガラスは、少なくとも一対
のガラスの間に本発明の中間膜を介在させ、一体化させ
てなることにより、遮熱性、遮音性、電磁波透過性、耐
貫通性、耐湿性、透明性、特にヘイズが良好であり、か
つ、ガラスとの適当な接着力を有し、安価に得ることが
できる。
【0112】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるも
のではない。
【0113】(実施例1) <膜(A)の作製>アセタール化度が68.9モル%、
アセチル基量が0.9モル%のポリビニルブチラール樹
脂(以下、PVBともいう)100重量部に対し、可塑
剤としてトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサ
ノエート(以下、3GOともいう)39重量部を添加混
合した。この混合物をミキシングロールで充分に混練し
た後、プレス成形機で150℃、30分間プレス成形し
て厚さ0.3mmの膜(A)を作製した。
【0114】<膜(B)の作製>粘度平均重合度が20
00のPVAに、粘度平均重合度が3500のPVAを
50重量%となるように添加混合した。この混合された
PVAより、アセタール化度が63.6モル%、アセチ
ル基量が14.3モル%のPVBを合成した。得られた
PVB100重量部に対し、可塑剤として3GOを60
重量部、ITO微粒子を1.19重量部添加混合した。
これをミキシングロールで充分に溶融混練した後、プレ
ス成形機で150℃、30分間プレス成形して厚さ0.
16mmの膜(B)を作製した。
【0115】<中間膜の作製>得られた膜(A)2枚と
膜(B)とを用いて、膜(A)/膜(B)/膜(A)と
なるよう膜(A)の間に膜(B)を挟着した3層構造の
中間膜を作製した。
【0116】<合わせガラスの作製>得られた中間膜
を、300mm×300mm×厚さ3mmのフロート板
ガラス2枚により両側から挟着し、この未圧着の挟着体
をゴムバッグへ入れ、2.7kPaの真空度で20分間
脱気した後、脱気状態のまま90℃のオーブンに移し、
この温度で30分間保持した。こうして真空プレスによ
り仮接着された挟着体を、次いでオートクレーブ中で圧
力1.2MPa、温度135℃で熱圧着し、透明な合わ
せガラスを作製した。
【0117】(実施例2)膜(B)の作製において、P
VB100重量部に対し、ITO微粒子を2.38重量
部添加したこと以外は、実施例1と同様にして中間膜及
び合わせガラスを作製した。
【0118】(実施例3)膜(B)の作製において、P
VB100重量部に対し、ITO微粒子を4.75重量
%部添加したこと以外は、実施例1と同様にして中間膜
及び合わせガラスを作製した。
【0119】(実施例4)膜(B)の作製において、P
VB100重量部に対し、ITO微粒子を2.38重量
部添加し、更に、アセタール化度が63.6モル%、ア
セチル基量が14.3モル%のPVBを用いた代りに、
粘度平均重合度が2000のPVAに粘度平均重合度が
3500のPVAを30重量%となるように添加混合
し、この混合されたPVAより、アセタール化度が6
3.3モル%、アセチル基量が14.3モル%のPVB
を合成して用いたこと以外は、実施例1と同様にして中
間膜及び合わせガラスを作製した。
【0120】(実施例5)膜(B)の作製において、P
VB100重量部に対し、ITO微粒子を2.38重量
部添加し、更に、アセタール化度が63.6モル%、ア
セチル基量が14.3モル%のPVBを用いる代りに、
粘度平均重合度が1700のPVAより、アセタール化
度が64.5モル%、アセチル基量が14.3モル%の
PVBを合成して用いたこと以外は、実施例1と同様に
して中間膜及び合わせガラスを作製した。
【0121】(実施例6)膜(B)の作製において、P
VB100重量部に対し、ITO微粒子を2.38重量
部添加し、更に、アセタール化度が63.6モル%、ア
セチル基量が14.3モル%のPVBを合成し、得られ
たPVB100重量部に対して可塑剤として3GOを6
0重量部混合した代りに、粘度平均重合度が2300の
PVA100重量部に、粘度平均重合度が4000のP
VAを42重量部混合して得られたPVAより、アセタ
ール化度が57.3モル%、アセチル基量が20.0モ
ル%のPVB樹脂を合成し、得られたPVB100重量
部に対して可塑剤としてテトラエチレングリコールジ−
2−エチルヘキサノエート(以下、4GOともいう)を
60重量部混合したこと以外は実施例1と同様にして合
わせガラスを作製した。
【0122】(比較例1)膜(B)の作製において、I
TO微粒子を添加しなかったこと以外は、実施例1と同
様にして中間膜及び合わせガラスを作製した。
【0123】(比較例2)膜(B)の作製において、P
VB100重量部に対し、ITO微粒子を0.024重
量部添加したこと以外は、実施例1と同様にして中間膜
及び合わせガラスを作製した。
【0124】(比較例3)膜(B)の作製において、P
VB100重量部に対し、ITO微粒子を23.75重
量部添加したこと以外は、実施例1と同様にして中間膜
及び合わせガラスを作製した。
【0125】(比較例4)膜(B)の作製において、P
VB100重量部に対し、ITO微粒子を4.75重量
部添加し、更に、アセタール化度が63.6モル%、ア
セチル基量が14.3モル%のPVBを用いた代りに、
粘度平均重合度が2000のPVAに粘度平均重合度が
3500のPVAを50重量%となるように添加混合
し、この混合されたPVAより、アセタール化度が6
8.5モル%、アセチル基量が0.9モル%のPVBを
合成して用いたこと以外は実施例1と同様にして中間膜
及び合わせガラスを作製した。
【0126】(比較例5)膜(B)の作製において、P
VB100重量部に対し、ITO微粒子を4.75重量
部添加し、更に、可塑剤として4GOを60重量部混合
した代りに、可塑剤としてトリエチレングリコールジ−
2−エチルブチレート(以下、3GHともいう)を40
重量部混合したこと以外は実施例5と同様にして中間膜
及び合わせガラスを作製した。
【0127】(比較例6)層(B)の作製において、P
VB100重量部に対し、ITO微粒子を4.75重量
部添加し、更に、粘度平均重合度が2300のPVA1
00重量部に、粘度平均重合度が4000のPVAを4
2重量部混合して得られたPVAより、アセタール化度
が57.3モル%、アセチル基量が20.0モル%のP
VB樹脂を合成し、得られたPVB100重量部に対し
て可塑剤として4GOを60重量部混合した代りに、粘
度平均重合度が2300のPVA100重量部に、粘度
平均重合度が4000のPVAを42重量部混合して得
られたPVAより、アセタール化度が65.9モル%、
アセチル基量が0.9モル%のPVB樹脂を合成し、得
られたPVB100重量部に対して可塑剤として3GH
を60重量部混合したこと以外は、実施例6と同様にし
て中間膜及び合わせガラスを作製した。
【0128】(評価)実施例1、2、3、4、5、6及
び比較例1、2、3、4、5、6で作製された合わせガ
ラスについて、以下の項目の評価を行い、結果を表1に
示した。
【0129】(1)光学特性 直記分光光度計(島津製作所社製、UV3100)を使
用して合わせガラスの300〜2500nmの波長領域
での透過率を測定し、JIS Z 8722及びJIS
R 3106(1998)に準拠して380〜780
nmの波長領域での可視光透過率(Tv)、300〜2
500nmの波長領域での日射透過率(Ts)を求め
た。
【0130】(2)ヘイズ (Hz) JIS K 6714に準拠して測定した。
【0131】(3)ITO微粒子の中間膜中の分散状態 切片作製装置(ウルトラミクロト−ム ライカ社製、E
M−ULTRACUT・S;FC−S型凍結切削システ
ム ライカ社製、REICHERT−NISSEI−F
CS;ナイフ DIATOME社製、DIATOME
ULTRA CRYO DRY)により、中間膜の薄片
を作製した後、透過型電子顕微鏡(日立製作所社製、H
−7100FA型、TEM)を使用して、加速電圧10
0kVで10μm×10μmの範囲を写真撮影し、IT
O微粒子の分散状態を観察した。ITO微粒子の粒子径
は、写真中のITO微粒子の最も長い径とした。上記撮
影範囲中の全ITO微粒子について粒子径を測定し、体
積換算平均により、平均粒子径を求めた。また、上記撮
影範囲中に存在する粒子径100nm以上の粒子数を求
め、撮影面積100μm2で除することにより、1μm2
当たりの粒子径100nm以上の粒子数を算出した。
【0132】(4)電磁波透過性 近傍界の電磁波シールド効果測定法(KEC法)によ
り、0.1〜10MHzの周波数領域での反射損失値
(dB)を測定し、厚さ2.5mmの通常のフロートガ
ラス単板から得られる値と比較した。また、遠方界の電
磁波シールド効果測定法として、送信受信用の1対のア
ンテナ間に合わせガラス600mm角を立て、電波信号
発生装置からの電波をスペクトルアナライザーで受信す
ることにより、2〜26.5GHzの周波数領域での反
射損失値(dB)を測定し、厚さ2.5mmの通常のフ
ロートガラス単板から得られる値と比較した。測定周波
数領域全体での比較の結果、両者の差(ΔdB)の最小
値〜最大値を表1に示した。
【0133】(5)曇り点 膜(B)の作製に用いた可塑剤100重量部に、膜
(B)の作製に用いたPVB8重量部を溶解し、溶液を
得た。得られた溶液を150℃以上に加熱した後、10
〜30℃の雰囲気下に放置して温度を降下させ、溶液の
一部に曇りが発生し始める温度を目視で観察した。
【0134】(6)遮音性 0℃、10℃、20℃、及び、30℃の各温度におい
て、合わせガラスをダンピング試験用の振動発生機(振
研社製、加振機 G21−005D)により加振し、得
られた振動特性を機械インピーダンスアンプ(リオン社
製、XG−81)にて増幅し、振動スペクトルをFFT
アナライザー(横河ヒューレットパッカー社製、FFT
スペクトラムアナライザー HP−3582AA)にて
解析した。こうして得られた損失係数とガラスとの共振
周波数の比とから損失係数を算出した。この結果に基づ
き、周波数2000Hz近辺における極小の透過損失値
をTL値とした。
【0135】(7)動的粘弾性の測定 積層体を10cm×16cmの矩形にサンプリングし、
固体粘弾性測定装置(レオメトリックス社製、RSA−
II)を用い、測定温度範囲−20℃〜+100℃、昇
温速度3℃/分にて、測定周波数10Hzの正弦歪みを
せん断方向、歪み量0.1%で印加し、測定を行った。
動的粘弾性特性として、貯蔵弾性率、損失弾性率と、こ
れらの比である損失正接(tanδ)とを測定し、得ら
れたtanδの温度曲線から最も低温側の極大値が示す
温度を求めた。
【0136】
【表1】
【0137】表1より、実施例1、2、3、4、5及び
6で作製された合わせガラスは、優れた遮熱性、遮音
性、透明性をもつことが分かる。比較例1及び2で作製
された合わせガラスは、中間膜中にITOを充分に含ん
でいなかったため、遮熱性に劣っていた。比較例3で作
製された合わせガラスは、過剰にITOを含んでいたた
め、透明性に劣っていた。比較例4、5及び6で作製さ
れた合わせガラスはPVBのアセチル基量、PVBの組
成と可塑剤との組み合わせ等が最適化されていなかった
ため、遮音性に劣っていた。
【0138】
【発明の効果】本発明によれば、透明性、耐候性、衝撃
エネルギー吸収性、板ずれや発泡を防止できる適度なガ
ラスとの接着性や膜物性、成形性、取扱い性等の合わせ
ガラス用中間膜に必要な基本性能を損なうことなく、コ
インシデンス効果の緩和によってTL値の低下を防ぎ、
かつ、広い温度領域における優れた遮音性を有し、IT
O微粒子を膜中に均一に分散することで優れた遮熱性を
有する合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的なガラス板の周波数に対する遮音性を示
した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 9/02 C08K 9/02 C08L 29/14 C08L 29/14 Fターム(参考) 4F100 AA33B AA33H AK23A AK23B AK23C AL05B BA03 BA10A BA10C CA04A CA04B CA04C CA07B GB07 GB32 JA07B JD10 YY00B 4G061 AA02 AA04 AA11 AA21 AA28 BA01 BA02 CA02 CB03 CB12 CB18 CD02 CD18 DA23 DA38 DA46 4J002 BE061 DE097 EH036 EH126 FB077 FD036 FD046 FD056 FD207 GJ00

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、2層の(A)層と前記
    (A)層の間に挟着される(B)層との3層からなる積
    層構造を有する合わせガラス用中間膜であって、前記
    (A)層は、ポリビニルアセタール樹脂(P)及び可塑
    剤(W)からなり、前記(B)層は、ポリビニルアセタ
    ール樹脂(Q)、可塑剤(X)及び錫ドープ酸化インジ
    ウム粒子からなり、前記錫ドープ酸化インジウム粒子
    は、前記(B)層中において、平均2次凝集粒子径が8
    0nm以下であり、2次凝集粒子径100nm以上の粒
    子が1個/μm 2以下の密度となるよう分散されてお
    り、かつ、合わせガラス用中間膜全体に含有されるポリ
    ビニルアセタール樹脂(P)及びポリビニルアセタール
    樹脂(Q)100重量部に対して0.01〜3.0重量
    部含有されており、前記ポリビニルアセタール樹脂
    (Q)は、粘度平均重合度が1000〜3000のポリ
    ビニルアセタール樹脂(R)と、前記ポリビニルアセタ
    ール樹脂(R)との粘度平均重合度の差が1500以上
    であって粘度平均重合度が3000〜5000のポリビ
    ニルアセタール樹脂(S)とからなるものであり、か
    つ、アセタール化度が60〜85モル%、アセチル基量
    が8〜30モル%、アセタール化度とアセチル基量との
    合計が75モル%以上であり、前記可塑剤(X)100
    重量部に前記ポリビニルアセタール樹脂(Q)8重量部
    を溶解させた溶液の曇り点は50℃以下であることを特
    徴とする合わせガラス用中間膜。
  2. 【請求項2】 少なくとも、2層の(A)層と前記
    (A)層の間に挟着される(C)層との3層からなる積
    層構造を有する合わせガラス用中間膜であって、前記
    (A)層は、ポリビニルアセタール樹脂(P)及び可塑
    剤(W)からなり、前記(C)層は、ポリビニルアセタ
    ール樹脂(T)、可塑剤(Y)及び錫ドープ酸化インジ
    ウム粒子からなり、前記錫ドープ酸化インジウム粒子
    は、前記(C)層中において、平均2次凝集粒子径が8
    0nm以下であり、2次凝集粒子径100nm以上の粒
    子が1個/μm 2以下の密度となるよう分散されてお
    り、かつ、合わせガラス用中間膜全体に含有されるポリ
    ビニルアセタール樹脂(P)及びポリビニルアセタール
    樹脂(T)100重量部に対して0.01〜3.0重量
    部含有されており、前記可塑剤(Y)は、トリエチレン
    グリコールジ−2−エチルヘキサノエート、テトラエチ
    レングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、トリエ
    チレングリコールジ−n−ヘプタノエート、及び、テト
    ラエチレングリコールジ−n−ヘプタノエートからなる
    群より選ばれる少なくとも1種であり、前記(C)層
    は、動的粘弾性より得られる損失正接の温度依存性にお
    いて、最も低温側の極大値が示す温度が30℃以下であ
    ることを特徴とする合わせガラス用中間膜。
  3. 【請求項3】 前記可塑剤(Y)100重量部に前記ポ
    リビニルアセタール樹脂(T)8重量部を溶解させた溶
    液の曇り点が50℃以下であることを特徴とする請求項
    2記載の合わせガラス用中間膜。
  4. 【請求項4】 ポリビニルアセタール樹脂(T)100
    重量部に対する可塑剤(Y)の配合量がポリビニルアセ
    タール樹脂(P)100重量部に対する可塑剤(W)の
    配合量よりも5重量部以上多いことを特徴とする請求項
    2又は3記載の合わせガラス用中間膜。
  5. 【請求項5】 ポリビニルアセタール樹脂(T)は、粘
    度平均重合度が1500以上であり、かつ、アセタール
    化度が60〜85モル%、アセチル基量が8〜30モル
    %、アセタール化度とアセチル基量との合計が75モル
    %以上であることを特徴とする請求項2、3又は4記載
    の合わせガラス用中間膜。
  6. 【請求項6】 ポリビニルアセタール樹脂(T)は、ポ
    リビニルアルコール樹脂(G)と、前記ポリビニルアル
    コール樹脂(G)との粘度平均重合度の差が500以上
    であるポリビニルアルコール樹脂(H)とからなるポリ
    ビニルアルコール樹脂(I)より得られるものであり、
    かつ、アセタール化度が60〜85モル%、アセチル基
    量が8〜30モル%、アセタール化度とアセチル基量と
    の合計が75モル%以上であることを特徴とする請求項
    2、3、4又は5記載の合わせガラス用中間膜。
  7. 【請求項7】 ポリビニルアルコール樹脂(G)の粘度
    平均重合度が500〜3000であり、かつ、ポリビニ
    ルアルコール樹脂(H)の粘度平均重合度が3000〜
    5000であることを特徴とする請求項6記載の合わせ
    ガラス用中間膜。
  8. 【請求項8】 ポリビニルアセタール樹脂(T)は、ポ
    リビニルアセタール樹脂(U)と、前記ポリビニルアセ
    タール樹脂(U)との粘度平均重合度の差が500以上
    であるポリビニルアセタール樹脂(V)とからなるもの
    であり、かつ、アセタール化度が60〜85モル%、ア
    セチル基量が8〜30モル%、アセタール化度とアセチ
    ル基量との合計が75モル%以上であることを特徴とす
    る請求項2、3、4又は5記載の合わせガラス用中間
    膜。
  9. 【請求項9】 ポリビニルアルコール樹脂(U)の粘度
    平均重合度が500〜3000であり、かつ、ポリビニ
    ルアルコール樹脂(V)の粘度平均重合度が3000〜
    5000であることを特徴とする請求項8記載の合わせ
    ガラス用中間膜。
  10. 【請求項10】 ポリビニルアセタール樹脂(P)、ポ
    リビニルアセタール樹脂(Q)、ポリビニルアセタール
    樹脂(R)、ポリビニルアセタール樹脂(S)、ポリビ
    ニルアセタール樹脂(T)、ポリビニルアセタール樹脂
    (U)及び/又はポリビニルアセタール樹脂(V)は、
    ポリビニルブチラール樹脂であることを特徴とする請求
    項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の合わせ
    ガラス用中間膜。
  11. 【請求項11】 更に、ポリビニルアセタール樹脂
    (P)、可塑剤(Z)及び錫ドープ酸化インジウム粒子
    からなる(D)層を積層してなることを特徴とする請求
    項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10記載の
    合わせガラス用中間膜。
  12. 【請求項12】 少なくとも一対のガラスの間に請求項
    1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11記
    載の合わせガラス用中間膜を介在させ、一体化させてな
    ることを特徴とする合わせガラス。
JP2002052133A 2002-02-27 2002-02-27 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス Pending JP2003252656A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002052133A JP2003252656A (ja) 2002-02-27 2002-02-27 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002052133A JP2003252656A (ja) 2002-02-27 2002-02-27 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003252656A true JP2003252656A (ja) 2003-09-10

Family

ID=28663920

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002052133A Pending JP2003252656A (ja) 2002-02-27 2002-02-27 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003252656A (ja)

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006046726A1 (ja) * 2004-10-27 2006-05-04 Bridgestone Corporation シート状接着剤及びその製造方法、並びにそれを用いた積層体
JP2008532917A (ja) * 2005-03-17 2008-08-21 ソリユテイア・インコーポレイテツド 音響を低減させる楔形ポリマー中間層
JP2008534315A (ja) * 2005-03-24 2008-08-28 ソリユテイア・インコーポレイテツド スキン層を備えたポリマー中間層
JP2009505871A (ja) * 2005-08-31 2009-02-12 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 太陽光制御積層物
JP2011042552A (ja) * 2009-08-24 2011-03-03 Sekisui Chem Co Ltd 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
WO2011081190A1 (ja) * 2009-12-28 2011-07-07 積水化学工業株式会社 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
JP2012025645A (ja) * 2010-07-28 2012-02-09 Kuraray Co Ltd 合わせガラス用中間膜、その製造方法およびそれを用いた合わせガラス
EP2623474A1 (en) * 2010-09-30 2013-08-07 Sekisui Chemical Co., Ltd. Laminated glass interlayer and laminated glass
KR101342963B1 (ko) 2010-12-10 2013-12-18 가부시키가이샤 구라레 접합 유리용 중간막, 그 제조 방법 및 그것을 이용한 접합 유리
CN103492339A (zh) * 2011-04-14 2014-01-01 积水化学工业株式会社 夹层玻璃用中间膜及夹层玻璃
JP2014528990A (ja) * 2011-09-22 2014-10-30 ソルティア・インコーポレーテッド エポキシ化植物油を含むポリマーインターレイヤ
EP3127882A4 (en) * 2014-03-31 2017-09-13 Sekisui Chemical Co., Ltd. Intermediate film for laminated glasses, method for producing intermediate film for laminated glasses, and laminated glass
EP3109212A4 (en) * 2014-02-20 2017-10-04 Sekisui Chemical Co., Ltd. Intermediate film for laminated glass, and laminated glass
JP2018008867A (ja) * 2016-05-19 2018-01-18 クラレイ ユーロップ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングKuraray Europe GmbH 機能性膜を含む合わせガラス

Cited By (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006046726A1 (ja) * 2004-10-27 2006-05-04 Bridgestone Corporation シート状接着剤及びその製造方法、並びにそれを用いた積層体
JP2008532917A (ja) * 2005-03-17 2008-08-21 ソリユテイア・インコーポレイテツド 音響を低減させる楔形ポリマー中間層
KR101289088B1 (ko) * 2005-03-24 2013-07-23 솔루티아 인코포레이티드 스킨층들을 포함하는 폴리머 중간층들
JP2008534315A (ja) * 2005-03-24 2008-08-28 ソリユテイア・インコーポレイテツド スキン層を備えたポリマー中間層
JP2009505871A (ja) * 2005-08-31 2009-02-12 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 太陽光制御積層物
US8871335B2 (en) 2005-08-31 2014-10-28 Kuraray America Inc. Solar control laminate
JP2011042552A (ja) * 2009-08-24 2011-03-03 Sekisui Chem Co Ltd 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
WO2011081190A1 (ja) * 2009-12-28 2011-07-07 積水化学工業株式会社 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
CN102686530A (zh) * 2009-12-28 2012-09-19 积水化学工业株式会社 夹层玻璃用中间膜及夹层玻璃
JPWO2011081190A1 (ja) * 2009-12-28 2013-05-13 積水化学工業株式会社 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
US8734937B2 (en) 2009-12-28 2014-05-27 Sekisui Chemical Co., Ltd. Interlayer for laminated glass, and laminated glass
JP2018087130A (ja) * 2009-12-28 2018-06-07 積水化学工業株式会社 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
JP5806467B2 (ja) * 2009-12-28 2015-11-10 積水化学工業株式会社 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
JP2012025645A (ja) * 2010-07-28 2012-02-09 Kuraray Co Ltd 合わせガラス用中間膜、その製造方法およびそれを用いた合わせガラス
EP2623474A4 (en) * 2010-09-30 2015-01-21 Sekisui Chemical Co Ltd INTERMEDIATE LAYER FOR COMPOSITE GLASS AND COMPOSITE GLASS
CN104987638A (zh) * 2010-09-30 2015-10-21 积水化学工业株式会社 夹层玻璃用中间膜及夹层玻璃
US9764534B2 (en) 2010-09-30 2017-09-19 Sekisui Chemical Co., Ltd. Laminated glass interlayer and laminated glass
EP2623474A1 (en) * 2010-09-30 2013-08-07 Sekisui Chemical Co., Ltd. Laminated glass interlayer and laminated glass
KR101342963B1 (ko) 2010-12-10 2013-12-18 가부시키가이샤 구라레 접합 유리용 중간막, 그 제조 방법 및 그것을 이용한 접합 유리
CN103492339A (zh) * 2011-04-14 2014-01-01 积水化学工业株式会社 夹层玻璃用中间膜及夹层玻璃
JP2014528990A (ja) * 2011-09-22 2014-10-30 ソルティア・インコーポレーテッド エポキシ化植物油を含むポリマーインターレイヤ
EP3109212A4 (en) * 2014-02-20 2017-10-04 Sekisui Chemical Co., Ltd. Intermediate film for laminated glass, and laminated glass
EP3127882A4 (en) * 2014-03-31 2017-09-13 Sekisui Chemical Co., Ltd. Intermediate film for laminated glasses, method for producing intermediate film for laminated glasses, and laminated glass
US11041054B2 (en) 2014-03-31 2021-06-22 Sekisui Chemical Co., Ltd. Intermediate film for laminated glasses, method for producing intermediate film for laminated glasses, and laminated glass
JP2018008867A (ja) * 2016-05-19 2018-01-18 クラレイ ユーロップ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングKuraray Europe GmbH 機能性膜を含む合わせガラス
JP7078356B2 (ja) 2016-05-19 2022-05-31 クラレイ ユーロップ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 機能性膜を含む合わせガラス

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100458923B1 (ko) 합판 유리용 중간막 및 합판 유리
JP6145183B2 (ja) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
US6673456B1 (en) Intermediate film for laminated glass and laminated glass
JP6106301B2 (ja) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
JP5568063B2 (ja) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
JP2003252655A (ja) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
JP4076730B2 (ja) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
JP2018065742A (ja) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
WO2011078313A1 (ja) 合わせガラス用中間膜、合わせガラス用多層中間膜及び合わせガラス
JP4555855B2 (ja) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
JP3897519B2 (ja) 合わせガラス用中間膜および合わせガラス
JP2003252656A (ja) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
JP2010235432A (ja) 合わせガラス用中間膜、及び、合わせガラス
JP2003252657A (ja) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
JP2013006727A (ja) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
JP2013006726A (ja) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
JPH1036146A (ja) 遮音性合わせガラス
JP2004067427A (ja) 合わせガラス用中間膜および合わせガラス
JP2004002108A (ja) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
JP2001048600A (ja) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
JP2001206743A (ja) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
JP2002326844A (ja) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
RU2713000C2 (ru) Промежуточная пленка для ламинированного стекла и ламинированное стекло
JP6286007B2 (ja) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
JP2006027963A (ja) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041221

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070607

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070613

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20071017