JP2004002108A - 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス - Google Patents
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Abstract
【課題】特に耐貫通性が良好であり、透明性、遮熱性、遮音性、電磁波透過性、耐湿性に優れ、かつ、ガラスとの適当な接着力を有し、安価に得ることができる合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを提供する。
【解決手段】少なくとも、2層の(A)層と前記(A)層の間に挟着される(B)層との3層からなる積層構造を有する合わせガラス用中間膜であって、
前記(A)層は、ポリビニルアセタール樹脂(P)及び可塑剤(W)を含有し、前記(B)層は、ポリビニルアセタール樹脂(Q)及び可塑剤(X)を含有し、かつ、前記(A)層よりも硬い層である合わせガラス用中間膜。
【解決手段】少なくとも、2層の(A)層と前記(A)層の間に挟着される(B)層との3層からなる積層構造を有する合わせガラス用中間膜であって、
前記(A)層は、ポリビニルアセタール樹脂(P)及び可塑剤(W)を含有し、前記(B)層は、ポリビニルアセタール樹脂(Q)及び可塑剤(X)を含有し、かつ、前記(A)層よりも硬い層である合わせガラス用中間膜。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に耐貫通性が良好であり、透明性、遮熱性、遮音性、電磁波透過性、耐湿性に優れ、かつ、ガラスとの適当な接着力を有し、安価に得ることができる合わせガラス用中間膜及び合わせガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、合わせガラスは、外部衝撃を受けて破損してもガラスの破片が飛散することが少なく安全であるため、自動車のような車両、航空機、建築物等の窓ガラス等に広く使用されている。このような合わせガラスとしては、例えば、可塑剤の添加により可塑化されたポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール樹脂からなる合わせガラス用中間膜(以下、中間膜ともいう)を少なくとも一対のガラス間に介在させ、一体化させたもの等が挙げられる。可塑剤の添加により可塑化されたポリビニルブチラール樹脂からなる中間膜は、ガラスとの優れた接着性、強靱な引っ張り強度及び高い透明性を兼ね備えており、このような中間膜を用いることにより得られる合わせガラスは、特に車両用窓ガラスとして好適である。
【0003】
車両用窓ガラスや建築用窓ガラスに用いられる合わせガラスには、強度が特に要求されるため、これらの合わせガラスに用いられる中間膜には、ガラスとの接着性、引っ張り強度、透明性、遮熱性、遮音性、電磁波透過性及び耐湿性等に優れていることに加えて、耐貫通性に優れていることが必要である。しかしながら、従来の合わせガラスでは、例えば、遮熱性を高めるために断熱性無機物質の微粒子を中間膜中に分散剤により分散した場合には、この分散剤がガラスと中間膜との間の接着力に影響を与えて耐貫通性を低下させていた。このように、耐貫通性と合わせガラスに必要とされる他の特性とを両立させた合わせガラスを得ることは困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特に耐貫通性が良好であり、透明性、遮熱性、遮音性、電磁波透過性、耐湿性に優れ、かつ、ガラスとの適当な接着力を有し、安価に得ることができる合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも、2層の(A)層と前記(A)層の間に挟着される(B)層との3層からなる積層構造を有する合わせガラス用中間膜であって、前記(A)層は、ポリビニルアセタール樹脂(P)及び可塑剤(W)を含有し、前記(B)層は、ポリビニルアセタール樹脂(Q)及び可塑剤(X)を含有し、かつ、前記(A)層よりも硬い層である合わせガラス用中間膜である。
以下に本発明を詳述する。
【0006】
本発明の合わせガラス用中間膜(以下、中間膜ともいう)は、少なくとも、2層の(A)層と(A)層の間に挟着される(B)層との3層からなる積層構造を有するものである。上記積層構造としては特に限定されず、例えば、(A)層/(B)層/(A)層、(A)層/(B)層/(A)層/(A)層、(A)層/(B)層/(A)層/(B)層/(A)層等が挙げられ、更に(A)層及び(B)層以外の中間膜が積層されてもよい。耐貫通性に優れた(B)層をガラスとの接着性等に優れた(A)層の間に挟着して積層することにより、中間膜全体として、ガラスとの接着性の低下等の悪影響を抑えつつ耐貫通性を向上させることができ、優れた耐貫通性とガラスとの接着性等の特性とを両立させることができる。また、積層構造であることにより、各層の遮音性における温度依存性を重なり合わせることができ、例えば、各層の可塑剤の添加量によりガラス転移温度を調整して広い温度範囲での良好な遮音性を得ることもできる。
【0007】
本発明の中間膜の膜厚としては特に限定されないが、得られる合わせガラスの耐貫通性や耐候性を考慮すると、好ましい下限は0.3mm、好ましい上限は0.8mmである。
【0008】
本発明の中間膜における(A)層は、ポリビニルアセタール樹脂(P)及び可塑剤(W)を含有する。
上記ポリビニルアセタール樹脂(P)としては特に限定されないが、例えば、ポリビニルブチラール樹脂が好適に用いられる。ポリビニルブチラール樹脂が用いられることにより、得られる中間膜の透明性、耐候性、ガラスに対する接着性等が優れたものとなる。なお、上記ポリビニルアセタール樹脂(P)は、必要な物性に応じて、適当な組み合わせにてブレンドされたものであってもよく、アセタール化時にアルデヒドを組み合わせてアセタール化することにより得られる共ポリビニルアセタール樹脂であってもよい。
【0009】
上記ポリビニルアセタール樹脂(P)の分子量及び分子量分布は特に限定されないが、一般にアセタール化度の下限は40%、上限は85%であり、好ましい下限は60%、好ましい上限は75%である。
【0010】
上記ポリビニルブチラール樹脂は、ポリビニルアルコール樹脂をアルデヒドによりアセタール化することにより得ることができる。上記ポリビニルアルコール樹脂は、一般にポリ酢酸ビニルを鹸化することにより得られるものであり、鹸化度80〜99.8モル%のポリビニルアルコール樹脂が一般的に用いられる。上記ポリビニルアルコール樹脂の粘度平均重合度の好ましい下限は200、好ましい上限は3000である。200未満であると、得られる合わせガラスの耐貫通性が低下する。3000を超えると、樹脂膜の成形性が悪くなり、しかも樹脂膜の剛性が大きくなり過ぎ、加工性が悪くなる。より好ましい下限は500、より好ましい上限は2000である。なお、ポリビニルアルコール樹脂の粘度平均重合度及び鹸化度は、例えば、JISK6726「ポリビニルアルコール試験方法」に基づいて測定することができる。
【0011】
上記アルデヒドとしては特に限定されず、例えば、炭素数が1〜10のアルデヒド等が挙げられる。上記炭素数が1〜10のアルデヒドとしては特に限定されず、例えば、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デシルアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。なかでも、n−ブチルアルデヒド、n‐ヘキシルアルデヒド、n‐バレルアルデヒド等が好ましい。より好ましくは、炭素数が4のブチルアルデヒドである。
【0012】
上記可塑剤(W)としては特に限定されず、中間膜用の可塑剤として一般的に用いられている公知の可塑剤が挙げられ、例えば、一塩基性有機酸エステル、多塩基性有機酸エステル等の有機系可塑剤;有機リン酸系、有機亜リン酸系等のリン酸系可塑剤等が好適に用いられる。これらの可塑剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよく、ポリビニルアセタール樹脂(P)の種類に応じて相溶性等を考慮して使い分けられる。
【0013】
上記一塩基性有機酸エステルとしては特に限定されず、例えば、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール又はトリプロピレングリコール等のグリコールと、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、ヘプタン酸、ヘプチル酸、n−オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、ペラルゴン酸(n−ノニル酸)又はデシル酸等の一塩基性有機酸との反応によって得られるグリコール系エステル等が挙げられる。なかでも、トリエチレングリコールジカプロン酸エステル、トリエチレングリコールジ−2−エチル酪酸エステル、トリエチレングリコールジ−n−オクチル酸エステル、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキシル酸エステル等のトリエチレングリコールの一塩基性有機酸エステルが好適に用いられる。
【0014】
上記多塩基性有機酸エステルとしては特に限定されず、例えば、アジピン酸、セバシン酸又はアゼライン酸等の多塩基性有機酸と、炭素数4〜8の直鎖状又は分枝状アルコールとの反応によって得られるエステル等が挙げられ、なかでも、ジブチルセバシン酸エステル、ジオクチルアゼライン酸エステル、ジブチルカルビトールアジピン酸エステル等が好適に用いられる。
【0015】
上記有機リン酸系可塑剤としては特に限定されず、例えば、トリエチレングリコールジエチルブチラート、トリエチレングリコールジエチルヘキソエート、トリエチレングリコールジブチルセバケート、トリブトキシエチルホスフェート、イソデシルフェニルホスフェート、トリイソプロピルホスフェート等が挙げられる。なかでも、トリエチレングリコールジエチルブチラート、トリエチレングリコールジエチルヘキソエート、トリエチレングリコールジブチルセバケート等が好ましい。
【0016】
上記可塑剤(W)の配合量としては特に限定されないが、ポリビニルアセタール樹脂(P)100重量部に対する配合量の好ましい下限は20重量部、好ましい上限は100重量部である。20重量部未満であると、ITO粒子等の添加剤を充分に分散できず、耐貫通性が低下することがある。100重量部を超えると、ブリードアウトを生じ、(A)層の透明性や接着性が低下し、得られる合わせガラスの光学歪みが大きくなることがある。より好ましい下限は30重量部、より好ましい上限は60重量部である。
【0017】
上記(A)層は、錫ドープ酸化インジウム(以下、ITOともいう)粒子を含有することが好ましい。上記ITO粒子を含有することにより、(A)層は、赤外線を遮断する効果が高まり、優れた遮熱性を付与することができる。
上記ITO粒子は、上記(A)層中における平均2次凝集粒子径が80nm以下であることが好ましい。80nmを超えると、ITO粒子による可視光線の散乱が顕著になり、(A)層の透明性が損なわれることがある。その結果、合わせガラスとした時にヘイズ(曇価)が悪化して、例えば、自動車のフロントガラス等で要求されるような高度な透明性が得られなくなる。
【0018】
上記ITO粒子は、2次凝集粒子径100nm以上の粒子が(A)層中に1個/μm2以下の密度となるよう分散されていることが好ましい。すなわち、透過型電子顕微鏡で(A)層を撮影、観察したときに、粒子径が100μm以上のITO粒子が観察されないか、又は、観察された場合には1μm2の枠の中心に粒子径100μm以上のITO粒子を置くと、この1μm2の枠内に粒子径100μm以上のITO粒子が他に観察されない状態となるよう分散されているものである。これにより、合わせガラスにしたときに、低ヘイズで透明性に優れ、遮熱性は(A)層全体に渡って高いものとなり、更に、ガラスと中間膜との接着力を調節可能であることにより耐貫通性も優れたものになる。なお、透過型電子顕微鏡による観察は、日立製作所社製H−7100FA型透過型電子顕微鏡を用いて、加速電圧100kVで撮影することにより行うことができる。
【0019】
上記ITO粒子の配合量の好ましい下限は、(A)層中にポリビニルアセタール樹脂(P)100重量部に対して0.01重量部、好ましい上限は3.0重量部である。0.01重量部未満であると、赤外線カット効果が不充分なことがある。3.0重量部を超えると、可視光線への透過性が低下することがあり、ヘイズも大きくなることがある。
【0020】
中間膜のような高い可視光透過率が必須である透明樹脂に可視光波長と同等以上の大きさの添加剤を添加すると、通常添加剤により可視光が強く散乱されるため、可視光透過率の低下やヘイズの増加が懸念される。上記ITO粒子は、可視光波長よりもはるかに小さいナノスケールの超微粒子の状態で均一に分散され、かつ、赤外吸収を有するので、(A)層内部に加えられても、可視光に対し散乱を起こさずに透過性を保持するのでヘイズは非常に小さく、赤外線を吸収する機能を(A)層に付与する。また、通信波長帯においても反射を起こさずに(A)層は電磁波透過性を有するので、従来の蒸着やコーティングにより得られる熱線反射合わせガラスとは異なり、通信機能を阻害しない。
【0021】
上記(A)層には、必要に応じて、接着力調整剤が含有されていてもよい。
上記接着力調整剤としては特に限定されず、例えば、有機酸又は無機酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、変成シリコーンオイル等が挙げられる。
上記有機酸としては特に限定されず、例えば、オクチル酸、ヘキシル酸、酪酸、酢酸、蟻酸等のカルボン酸等が挙げられる。上記無機酸としては特に限定されず、例えば、塩酸、硝酸等が挙げられる。上記アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩としては特に限定されず、例えば、カリウム、ナトリウム、マグネシウム等の塩が挙げられる。
【0022】
上記有機酸又は無機酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩のなかでも、炭素数2〜16の有機酸のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩が好ましく、より好ましくは、炭素数2〜16のカルボン酸のカリウム塩及びマグネシウム塩である。
【0023】
上記炭素数2〜16のカルボン酸のカリウム塩及びマグネシウム塩としては特に限定されないが、例えば、酢酸マグネシウム、酢酸カリウム、プロピオン酸マグネシウム、プロピオン酸カリウム、2−エチルブタン酸マグネシウム、2−エチルブタン酸カリウム、2−エチルヘキサン酸マグネシウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等が好適である。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0024】
上記有機酸又は無機酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩の配合量の好ましい下限は、ポリビニルアセタール樹脂(P)100重量部に対して0.001重量部、好ましい上限は0.5重量部である。0.001重量部未満であると、高湿度雰囲気下で周辺部の接着力が低下することがある。0.5重量部を超えると、接着力が低くなりすぎるうえに膜の透明性が失われることがある。より好ましい下限は0.01重量部、より好ましい上限は0.2重量部である。
【0025】
上記変成シリコーンオイルとしては特に限定されず、例えば、エポキシ変成シリコーンオイル、エーテル変性シリコーンオイル、エステル変性シリコーンオイル、アミン変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル等が挙げられる。これらは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なお、これらの変性シリコーンオイルは、一般にポリシロキサンに変性すべき化合物を反応させることにより得られる。
【0026】
上記変性シリコーンオイルの分子量の好ましい下限は800、好ましい上限は5000である。800未満であると、表面への局在化が不充分なことがある。5000を超えると、樹脂との相溶性が低下し、膜表面にブリードアウトしてガラスとの接着力が低下することがある。より好ましい下限は1500、より好ましい上限は4000である。
【0027】
上記変性シリコーンオイルの配合量の好ましい下限は、ポリビニルアセタール樹脂(P)100重量部に対して0.01重量部、好ましい上限は0.2重量部である。0.01重量部未満であると、吸湿による白化を防止する効果が不充分となることがある。0.2重量部を超えると、樹脂との相溶性が低下し、膜表面にブリードアウトして樹脂とガラスとの接着力が低下することがある。より好ましい下限は0.03重量部、より好ましい上限は0.1重量部である。
【0028】
上記(A)層には、更に、必要に応じて、押出機中での熱による変質を防止するための酸化防止剤、耐候性や耐光性を改善するための紫外線吸収剤や光安定剤、界面活性剤、難燃剤、帯電防止剤、耐湿剤、熱線反射剤、熱線吸収剤等の添加剤が添加されていてもよい。
【0029】
上記酸化防止剤としては特に限定されないが、例えば、フェノール系のものが好ましく、例えば、住友化学工業社製の商品名「スミライダーBHT」やチバガイギー社製の商品名「イルガノックス1010」等が挙げられる。
【0030】
上記紫外線吸収剤としては特に限定されないが、例えば、ベンゾトリアゾール系のものが好ましく、例えば、チバガイギー社製の商品名「チヌビンP」、「チヌビン320」、「チヌビン326」、「チヌビン328」等が挙げられる。
【0031】
上記光安定剤としては特に限定されないが、例えば、ヒンダードアミン系のものが好ましく、例えば、旭電化工業社製の商品名「アデカスタブLA−57」等が挙げられる。
【0032】
上記界面活性剤としては特に限定されず、例えば、ラウリル酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸等が挙げられる。
【0033】
上記(A)層は、可塑剤を含有させた接着性樹脂を溶融混練した後、製膜する方法等により形成することができる。上記ITO粒子を含有する場合には、一般に、ITO粒子を分散剤により有機溶媒中に均一に分散させた分散液を、溶融混練する前の可塑剤を含有させた接着性樹脂に添加する。
上記分散に用いる主分散媒としては特に限定されず、例えば、(A)層に使用される可塑剤と同種の可塑剤、一般に無機微粒子の分散剤として用いられる有機及び無機界面活性剤等の分散安定剤等が挙げられ、なかでも、(A)層に使用される可塑剤と同種の可塑剤が好ましい。上記分散安定剤としては特に限定されず、例えば、硫酸系エステル化合物、リン酸系エステル化合物、ポリカルボン酸塩、多価アルコール型界面活性剤等が挙げられる。
【0034】
上記主分散媒の配合量の好ましい下限は、ITO粒子1.0重量部に対して0.001重量部、好ましい上限は5重量部である。0.001重量部未満であると、効果が期待出来ないことがある。5重量部を超えると、製膜時及び合わせガラス作製時に発泡を生じたり、中間膜とガラスとの接着力が上がりすぎたりすることがある。より好ましい下限は0.05重量部、より好ましい上限は1.0重量部である。
【0035】
上記ITO粒子を添加した接着性樹脂を溶融混練する場合には、混練物中にキレート剤及び/又は少なくとも1つ以上のカルボキシル基をもつ化合物を添加することにより、ヘイズを更に良化させることができる。上記キレート剤は、ITO粒子に配位してITO粒子の凝集を防ぐ作用により、上記1つ以上のカルボキシル基を有する化合物は、高い分散能を有しITO粒子を均一に分散する作用により、ヘイズを良化させることができると考えられる。
【0036】
上記キレート剤としては特に限定されず、例えば、EDTA類及びβ−ジケトン類等が挙げられる。なかでも、β−ジケトン類は、可塑剤や樹脂との相溶性のよいことから好ましく、特にアセチルアセトンが好適である。アセチルアセトン以外にもベンゾイルトリフルオロアセトンやジピバロイルメタン等を用いてもよい。
【0037】
上記キレート剤の配合量の好ましい下限は、混練物中のITO粒子1.0重量部に対して0.001重量部、好ましい上限は2重量部である。0.001重量部未満であると、効果が期待できないことがある。2重量部を超えると、製膜時及び合わせガラス作製時に発泡を生じることがある。より好ましい下限は0.01重量部、より好ましい上限は1重量部である。
【0038】
上記1つ以上のカルボキシル基をもつ化合物としては特に限定されず、例えば、脂肪族カルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、芳香族カルボン酸、芳香族ジカルボン酸、ヒドロキシ酸等が挙げられ、より具体的には、安息香酸、フタル酸、サリチル酸、リシノール酸等が挙げられる。なかでも、炭素数2〜18の脂肪族カルボン酸が好ましく、より好ましくは炭素数2〜10の脂肪族カルボン酸であり、例えば、酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、2エチル酪酸、n−ヘキサン酸、2エチルヘキサン酸、n−オクタン酸等が挙げられる。
【0039】
上記1つ以上のカルボキシル基をもつ化合物の配合量の好ましい下限は、混練物中のITO粒子1.0重量部に対して0.001重量部、好ましい上限は2重量部である。0.001重量部未満であると、効果が期待できないことがある。2重量部を超えると、(A)層が黄変することがあり、また、ガラスと(A)層との接着力を損なうことがある。より好ましい下限は0.01重量部、より好ましい上限は1重量部である。
【0040】
本発明の中間膜における(B)層は、2枚の(A)層の間に挟着されるものであり、本発明の中間膜に主に耐貫通性を付与するものである。上記(B)層は、ポリビニルアセタール樹脂(Q)及び可塑剤(X)を含有し、かつ、前記(A)層よりも硬い層である。
【0041】
上記ポリビニルアセタール樹脂(Q)としては特に限定されないが、ポリビニルブチラール樹脂が好適に用いられる。ポリビニルブチラール樹脂が用いられることにより、得られる中間膜の透明性、耐候性、ガラスに対する接着性等が優れたものとなる。なお、上記ポリビニルアセタール樹脂(Q)は、必要な物性に応じて、適当な組み合わせにてブレンドされたものであってもよく、アセタール化時にアルデヒドを組み合わせてアセタール化することにより得られる共ポリビニルアセタール樹脂であってもよい。
【0042】
上記ポリビニルアセタール樹脂(Q)の粘度平均重合度は1500以上であることが好ましい。1500未満であると、機械的強度が不充分なために合わせガラスとしての耐衝撃性が劣ることがあり、また、遮音性が不充分なことがある。
【0043】
上記ポリビニルアセタール樹脂(Q)は、例えば、ポリビニルアルコール樹脂を熱水に溶解した水溶液を所定温度に保持した後、これにアルデヒドと触媒とを加えアセタール化反応を進行させ、その後、反応液を所定温度で高温保持した後に中和、水洗、乾燥等の工程を経て樹脂粉末にする方法等により得られる。
【0044】
上記ポリビニルアルコール樹脂としては特に限定されないが、粘度平均重合度の好ましい下限は500、好ましい上限は5000である。500未満であると、得られる中間膜の強度が弱すぎて、合わせガラスとしたときの耐貫通性や衝撃エネルギー吸収性が不充分となることがある。5000を超えると、樹脂の成形が困難となることがあり、また、得られる中間膜の強度が強くなりすぎて、合わせガラスとしたときの耐貫通性や衝撃エネルギー吸収性が不充分となることがある。より好ましい下限は1000である。
【0045】
上記アルデヒドとしては特に限定されず、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、シンナムアルデヒド等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0046】
上記ポリビニルアセタール樹脂(Q)のアセタール化度の好ましい下限は60モル%、好ましい上限は85モル%である。60モル%未満であると、可塑剤との相溶性が悪くなり、合わせガラスの耐貫通性の確保に必要な量の可塑剤を添加すること及び特に低温域での遮音性を得ることが困難になることがある。85モル%を超えると、ポリビニルアセタール樹脂(Q)を得るために長時間の反応が必要となることがある。好ましい下限は63モル%、好ましい上限は70モル%である。
【0047】
上記ポリビニルアセタール樹脂(Q)のアセチル基量の好ましい下限は8モル%、好ましい上限は30モル%である。8モル%未満であると、可塑剤との相溶性が悪くなり、また、得られる樹脂のガラス転移温度が充分に低下せず、低温域での遮音性が充分に得られない。30モル%を超えると、ポリビニルアルコールとアルデヒドとの反応性が著しく低下するので充分にポリビニルアセタール樹脂(Q)が得られないことがある。好ましい下限は10モル%、好ましい上限は24モル%である。
【0048】
上記ポリビニルアセタール樹脂(Q)は、アセタール化度とアセチル基量との合計が75モル%以上であることが好ましい。75モル%未満であると、可塑剤(X)との相溶性が不充分なことがあり、低温域での遮音性が充分でないことがある。より好ましくは、77モル%以上である。
【0049】
ポリビニルアセタール樹脂は、ビニルアセタール成分とビニルアルコール成分とから構成されるものであり、アセタール化度、アセチル基量等の成分量は、例えば、JISK6728「ポリビニルブチラール試験方法」や赤外線吸収スペクトル(IR)に基づいて測定することができる。なお、本明細書において、アセタール化度とは、アセタール基をアセタール化された2つの水酸基として数えた場合のアセタール化度である。
また、ポリビニルアセタール樹脂の粘度平均分子量は、例えば、JISK6728「ポリビニルブチラール試験方法」に基づいて測定することができる。
【0050】
上記可塑剤(X)としては特に限定されず、可塑剤(W)と同一であっても異なっていてもよく、例えば、一塩基性有機酸エステル、多塩基性有機酸エステル等の有機系可塑剤;有機リン酸系、有機亜リン酸系等のリン酸系可塑剤等が挙げられる。なかでも、例えば、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート(3GH)、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)、テトラエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(4GO)、トリエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート(3G7)、テトラエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート(4G7)、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールジ−n−オクタノエート、テトラエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、テトラエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、ジヘキシルアジペート、ジベンジルフタレート等が好ましい。より好ましくは、3GO、3GH、3G7等である。なお、上記可塑剤は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0051】
上記可塑剤(X)の配合量の好ましい下限は、ポリビニルアセタール樹脂(Q)100重量部に対して30重量部、好ましい上限は70重量部である。30重量部未満であると、ポリビニルアセタール樹脂(Q)の可塑化が不充分となることがあり、(B)層の遮音性が不充分となることがある。70重量部を超えると、(B)層の機械的強度が低下することにより耐貫通性が低下することがある。
【0052】
上記(B)層には、(A)層と同様に、必要に応じて、例えば、ITO、接着力調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤や光安定剤、界面活性剤、難燃剤、帯電防止剤、耐湿剤、熱線反射剤、熱線吸収剤等の添加剤が更に添加されていてもよい。
【0053】
本発明の中間膜を成形する方法としては特に限定されず、例えば、共押し出し法やプレラミ法等による押し出し法、カレンダー法、プレス法等により製膜できるが、好ましくは2軸同方向の押し出し法によるものであり、ヘイズを更に良化させることができる。
【0054】
少なくとも、2層の(A)層と、上記(A)層の間に挟着される(B)層との3層からなる積層構造に対して、更に(A)層及び(B)層以外の中間膜が積層されてもよい。例えば、更にポリビニルアセタール樹脂(R)と可塑剤(Y)とからなる(C)層を積層してなる中間膜が耐貫通性の向上等の必要に応じて用いられる。
なお、ポリビニルアセタール樹脂(R)としては特に限定されず、例えば、ポリビニルアセタール樹脂(P)、ポリビニルアセタール樹脂(Q)と同じものであってもよい。上記可塑剤(Z)としては特に限定されず、例えば、可塑剤(W)、可塑剤(X)と同じものであってもよい。
【0055】
少なくとも一対のガラスの間に本発明の中間膜を介在させ、一体化させてなる合わせガラスもまた本発明の1つである。
上記ガラスとしては特に限定されず、例えば、一般に使用されている透明板ガラス等が挙げられる。好ましくは900nm〜1300nmの全波長域において透過率が65%以下の熱線吸収ガラスである。ITOの赤外線カット効果が1300nmより長波長側で大きく、900nm〜1300nmの領域では比較的小さいことから、本発明の中間膜にITOを含有させて熱線吸収ガラスと合わせることにより、クリアガラスと合わせる場合と比べて、同じ可視光線透過率であっても日射透過率を低くでき、高い遮熱性を得ることができる。
【0056】
本発明の合わせガラスの用途としては特に限定されないが、例えば、車両用窓ガラスや建築用窓ガラスとして用いた場合に有用であり、車両用サイドガラスとして用いた場合に特に有用である。
【0057】
本発明の合わせガラスは、少なくとも一対のガラスの間に本発明の中間膜を介在させ、一体化させてなることにより、特に耐貫通性が良好であり、透明性、遮熱性、遮音性、電磁波透過性、耐湿性に優れ、かつ、ガラスとの適当な接着力を有し、安価に得ることができる。
【0058】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0059】
(実施例1)
<ポリビニルブチラール樹脂の合成>
純水2890gに、平均重合度1700、鹸化度99.2モル%のポリビニルアルコール275gを加えて加熱溶解した。この溶解液を15℃に温度調節し、濃度35重量%の塩酸201gとn−ブチルアルデヒド157gとを加え、15℃を保持して反応物を析出させた。次いで、反応系を60℃で3時間保持して反応を完了させ、過剰の水で洗浄して未反応のn−ブチルアルデヒドを洗い流し、塩酸を水酸化ナトリウム水溶液で中和し、更に、過剰の水で2時間水洗、乾燥後、白色粉末状のポリビニルブチラール樹脂(以下、PVBともいう)を得た。この樹脂のアセタール化度は68.9モル%、アセチル基量は0.9モル%であった。
【0060】
<ITO分散可塑剤の作製>
トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(以下、3GOともいう)39重量部に対し、ITO微粒子(三菱マテリアル社製)を0.63重量部仕込み、分散剤としてポリリン酸エステル塩を用い、水平型のマイクロビ−ズミルにて、3GO中にITO微粒子を分散させた。この分散液を攪拌しながら、アセチルアセトン0.1重量部を添加し、ITO分散可塑剤を得た。ITO分散可塑剤中のITO微粒子の平均粒径は35μmであった。
【0061】
<膜(A)の作製>
上記PVB100重量部に対して、上記ITO分散可塑剤を39重量部、2−エチル酪酸マグネシウムを全系に対してマグネシウム含有量が60ppmとなるように適量、酸化防止剤としてスミライダーBHT(住友化学社製)を0.1重量部、UV吸収剤等として2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(チバガイギー社製、Tinuvin 326)を0.1重量部添加混合した。この混合物をミキシングロールで充分に混練した後、プレス成形機で150℃、30分間プレス成形して厚さ0.3mmの膜(A)を作製した。
【0062】
<膜(B)の作製>
粘度平均重合度が2000のPVAに、粘度平均重合度が3500のPVAを50重量%となるように添加混合した。この混合されたPVAより、アセタール化度が63.6モル%、アセチル基量が14.3モル%のPVBを合成した。得られたPVB100重量部に対し、可塑剤として3GOを60重量部、2−エチル酪酸マグネシウムを全系に対してマグネシウム含有量が60ppmとなるように適量、酸化防止剤としてスミライダーBHT(住友化学社製)を0.1重量部、UV吸収剤等として2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(チバガイギー社製、Tinuvin 326)を0.1重量部添加混合した。これをミキシングロールで充分に溶融混練した後、プレス成形機で150℃、30分間プレス成形して厚さ0.16mmの膜(B)を作製した。
【0063】
<中間膜の作製>
得られた膜(A)2枚と膜(B)とを用いて、膜(A)/膜(B)/膜(A)となるよう膜(A)の間に膜(B)を挟着した3層構造の中間膜を作製した。
【0064】
<合わせガラスの作製>
得られた中間膜を、300mm×300mm×厚さ3mmのフロート板ガラス2枚により両側から挟着し、この未圧着の挟着体をゴムバッグへ入れ、2.7kPaの真空度で20分間脱気した後、脱気状態のまま90℃のオーブンに移し、この温度で30分間保持した。こうして真空プレスにより仮接着された挟着体を、次いでオートクレーブ中で圧力1.2MPa、温度135℃で熱圧着し、透明な合わせガラスを作製した。
【0065】
(評価)
実施例1で作製された合わせガラスについて、以下の項目の評価を行い、結果を表1に示した。
【0066】
(1)耐貫通性
常法に従い、耐貫通性を評価した。
【0067】
(2)光学特性
直記分光光度計(島津製作所社製、UV3100)を使用して合わせガラスの300〜2500nmの波長領域での透過率を測定し、JIS Z 8722及びJIS R 3106(1998)に準拠して380〜780nmの波長領域での可視光透過率(Tv)、300〜2500nmの波長領域での日射透過率(Ts)を求めた。
【0068】
(3)ヘイズ(Hz)
JIS K6714に準拠して測定した。
【0069】
(4)ITO微粒子の中間膜中の分散状態
切片作製装置(ウルトラミクロト−ム ライカ社製、EM−ULTRACUT・S;FC−S型凍結切削システム ライカ社製、REICHERT−NISSEI−FCS;ナイフ DIATOME社製、DIATOME ULTRA CRYO DRY)により、中間膜の薄片を作製した後、透過型電子顕微鏡(日立製作所社製、H−7100FA型、TEM)を使用して、加速電圧100kVで10μm×10μmの範囲を写真撮影し、ITO微粒子の分散状態を観察した。ITO微粒子の粒子径は、写真中のITO微粒子の最も長い径とした。上記撮影範囲中の全ITO微粒子について粒子径を測定し、体積換算平均により、平均粒子径を求めた。また、上記撮影範囲中に存在する粒子径100nm以上の粒子数を求め、撮影面積100μm2で除することにより、1μm2当たりの粒子径100nm以上の粒子数を算出した。
【0070】
(5)電磁波透過性
近傍界の電磁波シールド効果測定法(KEC法)により、0.1〜10MHzの周波数領域での反射損失値(dB)を測定し、厚さ2.5mmの通常のフロートガラス単板から得られる値と比較した。また、遠方界の電磁波シールド効果測定法として、送信受信用の1対のアンテナ間に合わせガラス600mm角を立て、電波信号発生装置からの電波をスペクトルアナライザーで受信することにより、2〜26.5GHzの周波数領域での反射損失値(dB)を測定し、厚さ2.5mmの通常のフロートガラス単板から得られる値と比較した。測定周波数領域全体での比較の結果、両者の差(ΔdB)の最小値〜最大値を表1に示した。
【0071】
(6)遮音性
0℃、10℃、20℃、及び、30℃の各温度において、合わせガラスをダンピング試験用の振動発生機(振研社製、加振機 G21−005D)により加振し、得られた振動特性を機械インピーダンスアンプ(リオン社製、XG−81)にて増幅し、振動スペクトルをFFTアナライザー(横河ヒューレットパッカー社製、FFTスペクトラムアナライザー HP−3582AA)にて解析した。こうして得られた損失係数とガラスとの共振周波数の比とから損失係数を算出した。この結果に基づき、周波数2000Hz近辺における極小の透過損失値をTL値とした。
【0072】
【表1】
【0073】
【発明の効果】
本発明によれば、特に耐貫通性が良好であり、透明性、遮熱性、遮音性、電磁波透過性、耐湿性に優れ、かつ、ガラスとの適当な接着力を有し、安価に得ることができる合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に耐貫通性が良好であり、透明性、遮熱性、遮音性、電磁波透過性、耐湿性に優れ、かつ、ガラスとの適当な接着力を有し、安価に得ることができる合わせガラス用中間膜及び合わせガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、合わせガラスは、外部衝撃を受けて破損してもガラスの破片が飛散することが少なく安全であるため、自動車のような車両、航空機、建築物等の窓ガラス等に広く使用されている。このような合わせガラスとしては、例えば、可塑剤の添加により可塑化されたポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール樹脂からなる合わせガラス用中間膜(以下、中間膜ともいう)を少なくとも一対のガラス間に介在させ、一体化させたもの等が挙げられる。可塑剤の添加により可塑化されたポリビニルブチラール樹脂からなる中間膜は、ガラスとの優れた接着性、強靱な引っ張り強度及び高い透明性を兼ね備えており、このような中間膜を用いることにより得られる合わせガラスは、特に車両用窓ガラスとして好適である。
【0003】
車両用窓ガラスや建築用窓ガラスに用いられる合わせガラスには、強度が特に要求されるため、これらの合わせガラスに用いられる中間膜には、ガラスとの接着性、引っ張り強度、透明性、遮熱性、遮音性、電磁波透過性及び耐湿性等に優れていることに加えて、耐貫通性に優れていることが必要である。しかしながら、従来の合わせガラスでは、例えば、遮熱性を高めるために断熱性無機物質の微粒子を中間膜中に分散剤により分散した場合には、この分散剤がガラスと中間膜との間の接着力に影響を与えて耐貫通性を低下させていた。このように、耐貫通性と合わせガラスに必要とされる他の特性とを両立させた合わせガラスを得ることは困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特に耐貫通性が良好であり、透明性、遮熱性、遮音性、電磁波透過性、耐湿性に優れ、かつ、ガラスとの適当な接着力を有し、安価に得ることができる合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも、2層の(A)層と前記(A)層の間に挟着される(B)層との3層からなる積層構造を有する合わせガラス用中間膜であって、前記(A)層は、ポリビニルアセタール樹脂(P)及び可塑剤(W)を含有し、前記(B)層は、ポリビニルアセタール樹脂(Q)及び可塑剤(X)を含有し、かつ、前記(A)層よりも硬い層である合わせガラス用中間膜である。
以下に本発明を詳述する。
【0006】
本発明の合わせガラス用中間膜(以下、中間膜ともいう)は、少なくとも、2層の(A)層と(A)層の間に挟着される(B)層との3層からなる積層構造を有するものである。上記積層構造としては特に限定されず、例えば、(A)層/(B)層/(A)層、(A)層/(B)層/(A)層/(A)層、(A)層/(B)層/(A)層/(B)層/(A)層等が挙げられ、更に(A)層及び(B)層以外の中間膜が積層されてもよい。耐貫通性に優れた(B)層をガラスとの接着性等に優れた(A)層の間に挟着して積層することにより、中間膜全体として、ガラスとの接着性の低下等の悪影響を抑えつつ耐貫通性を向上させることができ、優れた耐貫通性とガラスとの接着性等の特性とを両立させることができる。また、積層構造であることにより、各層の遮音性における温度依存性を重なり合わせることができ、例えば、各層の可塑剤の添加量によりガラス転移温度を調整して広い温度範囲での良好な遮音性を得ることもできる。
【0007】
本発明の中間膜の膜厚としては特に限定されないが、得られる合わせガラスの耐貫通性や耐候性を考慮すると、好ましい下限は0.3mm、好ましい上限は0.8mmである。
【0008】
本発明の中間膜における(A)層は、ポリビニルアセタール樹脂(P)及び可塑剤(W)を含有する。
上記ポリビニルアセタール樹脂(P)としては特に限定されないが、例えば、ポリビニルブチラール樹脂が好適に用いられる。ポリビニルブチラール樹脂が用いられることにより、得られる中間膜の透明性、耐候性、ガラスに対する接着性等が優れたものとなる。なお、上記ポリビニルアセタール樹脂(P)は、必要な物性に応じて、適当な組み合わせにてブレンドされたものであってもよく、アセタール化時にアルデヒドを組み合わせてアセタール化することにより得られる共ポリビニルアセタール樹脂であってもよい。
【0009】
上記ポリビニルアセタール樹脂(P)の分子量及び分子量分布は特に限定されないが、一般にアセタール化度の下限は40%、上限は85%であり、好ましい下限は60%、好ましい上限は75%である。
【0010】
上記ポリビニルブチラール樹脂は、ポリビニルアルコール樹脂をアルデヒドによりアセタール化することにより得ることができる。上記ポリビニルアルコール樹脂は、一般にポリ酢酸ビニルを鹸化することにより得られるものであり、鹸化度80〜99.8モル%のポリビニルアルコール樹脂が一般的に用いられる。上記ポリビニルアルコール樹脂の粘度平均重合度の好ましい下限は200、好ましい上限は3000である。200未満であると、得られる合わせガラスの耐貫通性が低下する。3000を超えると、樹脂膜の成形性が悪くなり、しかも樹脂膜の剛性が大きくなり過ぎ、加工性が悪くなる。より好ましい下限は500、より好ましい上限は2000である。なお、ポリビニルアルコール樹脂の粘度平均重合度及び鹸化度は、例えば、JISK6726「ポリビニルアルコール試験方法」に基づいて測定することができる。
【0011】
上記アルデヒドとしては特に限定されず、例えば、炭素数が1〜10のアルデヒド等が挙げられる。上記炭素数が1〜10のアルデヒドとしては特に限定されず、例えば、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デシルアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。なかでも、n−ブチルアルデヒド、n‐ヘキシルアルデヒド、n‐バレルアルデヒド等が好ましい。より好ましくは、炭素数が4のブチルアルデヒドである。
【0012】
上記可塑剤(W)としては特に限定されず、中間膜用の可塑剤として一般的に用いられている公知の可塑剤が挙げられ、例えば、一塩基性有機酸エステル、多塩基性有機酸エステル等の有機系可塑剤;有機リン酸系、有機亜リン酸系等のリン酸系可塑剤等が好適に用いられる。これらの可塑剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよく、ポリビニルアセタール樹脂(P)の種類に応じて相溶性等を考慮して使い分けられる。
【0013】
上記一塩基性有機酸エステルとしては特に限定されず、例えば、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール又はトリプロピレングリコール等のグリコールと、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、ヘプタン酸、ヘプチル酸、n−オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、ペラルゴン酸(n−ノニル酸)又はデシル酸等の一塩基性有機酸との反応によって得られるグリコール系エステル等が挙げられる。なかでも、トリエチレングリコールジカプロン酸エステル、トリエチレングリコールジ−2−エチル酪酸エステル、トリエチレングリコールジ−n−オクチル酸エステル、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキシル酸エステル等のトリエチレングリコールの一塩基性有機酸エステルが好適に用いられる。
【0014】
上記多塩基性有機酸エステルとしては特に限定されず、例えば、アジピン酸、セバシン酸又はアゼライン酸等の多塩基性有機酸と、炭素数4〜8の直鎖状又は分枝状アルコールとの反応によって得られるエステル等が挙げられ、なかでも、ジブチルセバシン酸エステル、ジオクチルアゼライン酸エステル、ジブチルカルビトールアジピン酸エステル等が好適に用いられる。
【0015】
上記有機リン酸系可塑剤としては特に限定されず、例えば、トリエチレングリコールジエチルブチラート、トリエチレングリコールジエチルヘキソエート、トリエチレングリコールジブチルセバケート、トリブトキシエチルホスフェート、イソデシルフェニルホスフェート、トリイソプロピルホスフェート等が挙げられる。なかでも、トリエチレングリコールジエチルブチラート、トリエチレングリコールジエチルヘキソエート、トリエチレングリコールジブチルセバケート等が好ましい。
【0016】
上記可塑剤(W)の配合量としては特に限定されないが、ポリビニルアセタール樹脂(P)100重量部に対する配合量の好ましい下限は20重量部、好ましい上限は100重量部である。20重量部未満であると、ITO粒子等の添加剤を充分に分散できず、耐貫通性が低下することがある。100重量部を超えると、ブリードアウトを生じ、(A)層の透明性や接着性が低下し、得られる合わせガラスの光学歪みが大きくなることがある。より好ましい下限は30重量部、より好ましい上限は60重量部である。
【0017】
上記(A)層は、錫ドープ酸化インジウム(以下、ITOともいう)粒子を含有することが好ましい。上記ITO粒子を含有することにより、(A)層は、赤外線を遮断する効果が高まり、優れた遮熱性を付与することができる。
上記ITO粒子は、上記(A)層中における平均2次凝集粒子径が80nm以下であることが好ましい。80nmを超えると、ITO粒子による可視光線の散乱が顕著になり、(A)層の透明性が損なわれることがある。その結果、合わせガラスとした時にヘイズ(曇価)が悪化して、例えば、自動車のフロントガラス等で要求されるような高度な透明性が得られなくなる。
【0018】
上記ITO粒子は、2次凝集粒子径100nm以上の粒子が(A)層中に1個/μm2以下の密度となるよう分散されていることが好ましい。すなわち、透過型電子顕微鏡で(A)層を撮影、観察したときに、粒子径が100μm以上のITO粒子が観察されないか、又は、観察された場合には1μm2の枠の中心に粒子径100μm以上のITO粒子を置くと、この1μm2の枠内に粒子径100μm以上のITO粒子が他に観察されない状態となるよう分散されているものである。これにより、合わせガラスにしたときに、低ヘイズで透明性に優れ、遮熱性は(A)層全体に渡って高いものとなり、更に、ガラスと中間膜との接着力を調節可能であることにより耐貫通性も優れたものになる。なお、透過型電子顕微鏡による観察は、日立製作所社製H−7100FA型透過型電子顕微鏡を用いて、加速電圧100kVで撮影することにより行うことができる。
【0019】
上記ITO粒子の配合量の好ましい下限は、(A)層中にポリビニルアセタール樹脂(P)100重量部に対して0.01重量部、好ましい上限は3.0重量部である。0.01重量部未満であると、赤外線カット効果が不充分なことがある。3.0重量部を超えると、可視光線への透過性が低下することがあり、ヘイズも大きくなることがある。
【0020】
中間膜のような高い可視光透過率が必須である透明樹脂に可視光波長と同等以上の大きさの添加剤を添加すると、通常添加剤により可視光が強く散乱されるため、可視光透過率の低下やヘイズの増加が懸念される。上記ITO粒子は、可視光波長よりもはるかに小さいナノスケールの超微粒子の状態で均一に分散され、かつ、赤外吸収を有するので、(A)層内部に加えられても、可視光に対し散乱を起こさずに透過性を保持するのでヘイズは非常に小さく、赤外線を吸収する機能を(A)層に付与する。また、通信波長帯においても反射を起こさずに(A)層は電磁波透過性を有するので、従来の蒸着やコーティングにより得られる熱線反射合わせガラスとは異なり、通信機能を阻害しない。
【0021】
上記(A)層には、必要に応じて、接着力調整剤が含有されていてもよい。
上記接着力調整剤としては特に限定されず、例えば、有機酸又は無機酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、変成シリコーンオイル等が挙げられる。
上記有機酸としては特に限定されず、例えば、オクチル酸、ヘキシル酸、酪酸、酢酸、蟻酸等のカルボン酸等が挙げられる。上記無機酸としては特に限定されず、例えば、塩酸、硝酸等が挙げられる。上記アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩としては特に限定されず、例えば、カリウム、ナトリウム、マグネシウム等の塩が挙げられる。
【0022】
上記有機酸又は無機酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩のなかでも、炭素数2〜16の有機酸のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩が好ましく、より好ましくは、炭素数2〜16のカルボン酸のカリウム塩及びマグネシウム塩である。
【0023】
上記炭素数2〜16のカルボン酸のカリウム塩及びマグネシウム塩としては特に限定されないが、例えば、酢酸マグネシウム、酢酸カリウム、プロピオン酸マグネシウム、プロピオン酸カリウム、2−エチルブタン酸マグネシウム、2−エチルブタン酸カリウム、2−エチルヘキサン酸マグネシウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等が好適である。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0024】
上記有機酸又は無機酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩の配合量の好ましい下限は、ポリビニルアセタール樹脂(P)100重量部に対して0.001重量部、好ましい上限は0.5重量部である。0.001重量部未満であると、高湿度雰囲気下で周辺部の接着力が低下することがある。0.5重量部を超えると、接着力が低くなりすぎるうえに膜の透明性が失われることがある。より好ましい下限は0.01重量部、より好ましい上限は0.2重量部である。
【0025】
上記変成シリコーンオイルとしては特に限定されず、例えば、エポキシ変成シリコーンオイル、エーテル変性シリコーンオイル、エステル変性シリコーンオイル、アミン変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル等が挙げられる。これらは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なお、これらの変性シリコーンオイルは、一般にポリシロキサンに変性すべき化合物を反応させることにより得られる。
【0026】
上記変性シリコーンオイルの分子量の好ましい下限は800、好ましい上限は5000である。800未満であると、表面への局在化が不充分なことがある。5000を超えると、樹脂との相溶性が低下し、膜表面にブリードアウトしてガラスとの接着力が低下することがある。より好ましい下限は1500、より好ましい上限は4000である。
【0027】
上記変性シリコーンオイルの配合量の好ましい下限は、ポリビニルアセタール樹脂(P)100重量部に対して0.01重量部、好ましい上限は0.2重量部である。0.01重量部未満であると、吸湿による白化を防止する効果が不充分となることがある。0.2重量部を超えると、樹脂との相溶性が低下し、膜表面にブリードアウトして樹脂とガラスとの接着力が低下することがある。より好ましい下限は0.03重量部、より好ましい上限は0.1重量部である。
【0028】
上記(A)層には、更に、必要に応じて、押出機中での熱による変質を防止するための酸化防止剤、耐候性や耐光性を改善するための紫外線吸収剤や光安定剤、界面活性剤、難燃剤、帯電防止剤、耐湿剤、熱線反射剤、熱線吸収剤等の添加剤が添加されていてもよい。
【0029】
上記酸化防止剤としては特に限定されないが、例えば、フェノール系のものが好ましく、例えば、住友化学工業社製の商品名「スミライダーBHT」やチバガイギー社製の商品名「イルガノックス1010」等が挙げられる。
【0030】
上記紫外線吸収剤としては特に限定されないが、例えば、ベンゾトリアゾール系のものが好ましく、例えば、チバガイギー社製の商品名「チヌビンP」、「チヌビン320」、「チヌビン326」、「チヌビン328」等が挙げられる。
【0031】
上記光安定剤としては特に限定されないが、例えば、ヒンダードアミン系のものが好ましく、例えば、旭電化工業社製の商品名「アデカスタブLA−57」等が挙げられる。
【0032】
上記界面活性剤としては特に限定されず、例えば、ラウリル酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸等が挙げられる。
【0033】
上記(A)層は、可塑剤を含有させた接着性樹脂を溶融混練した後、製膜する方法等により形成することができる。上記ITO粒子を含有する場合には、一般に、ITO粒子を分散剤により有機溶媒中に均一に分散させた分散液を、溶融混練する前の可塑剤を含有させた接着性樹脂に添加する。
上記分散に用いる主分散媒としては特に限定されず、例えば、(A)層に使用される可塑剤と同種の可塑剤、一般に無機微粒子の分散剤として用いられる有機及び無機界面活性剤等の分散安定剤等が挙げられ、なかでも、(A)層に使用される可塑剤と同種の可塑剤が好ましい。上記分散安定剤としては特に限定されず、例えば、硫酸系エステル化合物、リン酸系エステル化合物、ポリカルボン酸塩、多価アルコール型界面活性剤等が挙げられる。
【0034】
上記主分散媒の配合量の好ましい下限は、ITO粒子1.0重量部に対して0.001重量部、好ましい上限は5重量部である。0.001重量部未満であると、効果が期待出来ないことがある。5重量部を超えると、製膜時及び合わせガラス作製時に発泡を生じたり、中間膜とガラスとの接着力が上がりすぎたりすることがある。より好ましい下限は0.05重量部、より好ましい上限は1.0重量部である。
【0035】
上記ITO粒子を添加した接着性樹脂を溶融混練する場合には、混練物中にキレート剤及び/又は少なくとも1つ以上のカルボキシル基をもつ化合物を添加することにより、ヘイズを更に良化させることができる。上記キレート剤は、ITO粒子に配位してITO粒子の凝集を防ぐ作用により、上記1つ以上のカルボキシル基を有する化合物は、高い分散能を有しITO粒子を均一に分散する作用により、ヘイズを良化させることができると考えられる。
【0036】
上記キレート剤としては特に限定されず、例えば、EDTA類及びβ−ジケトン類等が挙げられる。なかでも、β−ジケトン類は、可塑剤や樹脂との相溶性のよいことから好ましく、特にアセチルアセトンが好適である。アセチルアセトン以外にもベンゾイルトリフルオロアセトンやジピバロイルメタン等を用いてもよい。
【0037】
上記キレート剤の配合量の好ましい下限は、混練物中のITO粒子1.0重量部に対して0.001重量部、好ましい上限は2重量部である。0.001重量部未満であると、効果が期待できないことがある。2重量部を超えると、製膜時及び合わせガラス作製時に発泡を生じることがある。より好ましい下限は0.01重量部、より好ましい上限は1重量部である。
【0038】
上記1つ以上のカルボキシル基をもつ化合物としては特に限定されず、例えば、脂肪族カルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、芳香族カルボン酸、芳香族ジカルボン酸、ヒドロキシ酸等が挙げられ、より具体的には、安息香酸、フタル酸、サリチル酸、リシノール酸等が挙げられる。なかでも、炭素数2〜18の脂肪族カルボン酸が好ましく、より好ましくは炭素数2〜10の脂肪族カルボン酸であり、例えば、酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、2エチル酪酸、n−ヘキサン酸、2エチルヘキサン酸、n−オクタン酸等が挙げられる。
【0039】
上記1つ以上のカルボキシル基をもつ化合物の配合量の好ましい下限は、混練物中のITO粒子1.0重量部に対して0.001重量部、好ましい上限は2重量部である。0.001重量部未満であると、効果が期待できないことがある。2重量部を超えると、(A)層が黄変することがあり、また、ガラスと(A)層との接着力を損なうことがある。より好ましい下限は0.01重量部、より好ましい上限は1重量部である。
【0040】
本発明の中間膜における(B)層は、2枚の(A)層の間に挟着されるものであり、本発明の中間膜に主に耐貫通性を付与するものである。上記(B)層は、ポリビニルアセタール樹脂(Q)及び可塑剤(X)を含有し、かつ、前記(A)層よりも硬い層である。
【0041】
上記ポリビニルアセタール樹脂(Q)としては特に限定されないが、ポリビニルブチラール樹脂が好適に用いられる。ポリビニルブチラール樹脂が用いられることにより、得られる中間膜の透明性、耐候性、ガラスに対する接着性等が優れたものとなる。なお、上記ポリビニルアセタール樹脂(Q)は、必要な物性に応じて、適当な組み合わせにてブレンドされたものであってもよく、アセタール化時にアルデヒドを組み合わせてアセタール化することにより得られる共ポリビニルアセタール樹脂であってもよい。
【0042】
上記ポリビニルアセタール樹脂(Q)の粘度平均重合度は1500以上であることが好ましい。1500未満であると、機械的強度が不充分なために合わせガラスとしての耐衝撃性が劣ることがあり、また、遮音性が不充分なことがある。
【0043】
上記ポリビニルアセタール樹脂(Q)は、例えば、ポリビニルアルコール樹脂を熱水に溶解した水溶液を所定温度に保持した後、これにアルデヒドと触媒とを加えアセタール化反応を進行させ、その後、反応液を所定温度で高温保持した後に中和、水洗、乾燥等の工程を経て樹脂粉末にする方法等により得られる。
【0044】
上記ポリビニルアルコール樹脂としては特に限定されないが、粘度平均重合度の好ましい下限は500、好ましい上限は5000である。500未満であると、得られる中間膜の強度が弱すぎて、合わせガラスとしたときの耐貫通性や衝撃エネルギー吸収性が不充分となることがある。5000を超えると、樹脂の成形が困難となることがあり、また、得られる中間膜の強度が強くなりすぎて、合わせガラスとしたときの耐貫通性や衝撃エネルギー吸収性が不充分となることがある。より好ましい下限は1000である。
【0045】
上記アルデヒドとしては特に限定されず、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、シンナムアルデヒド等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0046】
上記ポリビニルアセタール樹脂(Q)のアセタール化度の好ましい下限は60モル%、好ましい上限は85モル%である。60モル%未満であると、可塑剤との相溶性が悪くなり、合わせガラスの耐貫通性の確保に必要な量の可塑剤を添加すること及び特に低温域での遮音性を得ることが困難になることがある。85モル%を超えると、ポリビニルアセタール樹脂(Q)を得るために長時間の反応が必要となることがある。好ましい下限は63モル%、好ましい上限は70モル%である。
【0047】
上記ポリビニルアセタール樹脂(Q)のアセチル基量の好ましい下限は8モル%、好ましい上限は30モル%である。8モル%未満であると、可塑剤との相溶性が悪くなり、また、得られる樹脂のガラス転移温度が充分に低下せず、低温域での遮音性が充分に得られない。30モル%を超えると、ポリビニルアルコールとアルデヒドとの反応性が著しく低下するので充分にポリビニルアセタール樹脂(Q)が得られないことがある。好ましい下限は10モル%、好ましい上限は24モル%である。
【0048】
上記ポリビニルアセタール樹脂(Q)は、アセタール化度とアセチル基量との合計が75モル%以上であることが好ましい。75モル%未満であると、可塑剤(X)との相溶性が不充分なことがあり、低温域での遮音性が充分でないことがある。より好ましくは、77モル%以上である。
【0049】
ポリビニルアセタール樹脂は、ビニルアセタール成分とビニルアルコール成分とから構成されるものであり、アセタール化度、アセチル基量等の成分量は、例えば、JISK6728「ポリビニルブチラール試験方法」や赤外線吸収スペクトル(IR)に基づいて測定することができる。なお、本明細書において、アセタール化度とは、アセタール基をアセタール化された2つの水酸基として数えた場合のアセタール化度である。
また、ポリビニルアセタール樹脂の粘度平均分子量は、例えば、JISK6728「ポリビニルブチラール試験方法」に基づいて測定することができる。
【0050】
上記可塑剤(X)としては特に限定されず、可塑剤(W)と同一であっても異なっていてもよく、例えば、一塩基性有機酸エステル、多塩基性有機酸エステル等の有機系可塑剤;有機リン酸系、有機亜リン酸系等のリン酸系可塑剤等が挙げられる。なかでも、例えば、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート(3GH)、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)、テトラエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(4GO)、トリエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート(3G7)、テトラエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート(4G7)、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールジ−n−オクタノエート、テトラエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、テトラエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、ジヘキシルアジペート、ジベンジルフタレート等が好ましい。より好ましくは、3GO、3GH、3G7等である。なお、上記可塑剤は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0051】
上記可塑剤(X)の配合量の好ましい下限は、ポリビニルアセタール樹脂(Q)100重量部に対して30重量部、好ましい上限は70重量部である。30重量部未満であると、ポリビニルアセタール樹脂(Q)の可塑化が不充分となることがあり、(B)層の遮音性が不充分となることがある。70重量部を超えると、(B)層の機械的強度が低下することにより耐貫通性が低下することがある。
【0052】
上記(B)層には、(A)層と同様に、必要に応じて、例えば、ITO、接着力調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤や光安定剤、界面活性剤、難燃剤、帯電防止剤、耐湿剤、熱線反射剤、熱線吸収剤等の添加剤が更に添加されていてもよい。
【0053】
本発明の中間膜を成形する方法としては特に限定されず、例えば、共押し出し法やプレラミ法等による押し出し法、カレンダー法、プレス法等により製膜できるが、好ましくは2軸同方向の押し出し法によるものであり、ヘイズを更に良化させることができる。
【0054】
少なくとも、2層の(A)層と、上記(A)層の間に挟着される(B)層との3層からなる積層構造に対して、更に(A)層及び(B)層以外の中間膜が積層されてもよい。例えば、更にポリビニルアセタール樹脂(R)と可塑剤(Y)とからなる(C)層を積層してなる中間膜が耐貫通性の向上等の必要に応じて用いられる。
なお、ポリビニルアセタール樹脂(R)としては特に限定されず、例えば、ポリビニルアセタール樹脂(P)、ポリビニルアセタール樹脂(Q)と同じものであってもよい。上記可塑剤(Z)としては特に限定されず、例えば、可塑剤(W)、可塑剤(X)と同じものであってもよい。
【0055】
少なくとも一対のガラスの間に本発明の中間膜を介在させ、一体化させてなる合わせガラスもまた本発明の1つである。
上記ガラスとしては特に限定されず、例えば、一般に使用されている透明板ガラス等が挙げられる。好ましくは900nm〜1300nmの全波長域において透過率が65%以下の熱線吸収ガラスである。ITOの赤外線カット効果が1300nmより長波長側で大きく、900nm〜1300nmの領域では比較的小さいことから、本発明の中間膜にITOを含有させて熱線吸収ガラスと合わせることにより、クリアガラスと合わせる場合と比べて、同じ可視光線透過率であっても日射透過率を低くでき、高い遮熱性を得ることができる。
【0056】
本発明の合わせガラスの用途としては特に限定されないが、例えば、車両用窓ガラスや建築用窓ガラスとして用いた場合に有用であり、車両用サイドガラスとして用いた場合に特に有用である。
【0057】
本発明の合わせガラスは、少なくとも一対のガラスの間に本発明の中間膜を介在させ、一体化させてなることにより、特に耐貫通性が良好であり、透明性、遮熱性、遮音性、電磁波透過性、耐湿性に優れ、かつ、ガラスとの適当な接着力を有し、安価に得ることができる。
【0058】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0059】
(実施例1)
<ポリビニルブチラール樹脂の合成>
純水2890gに、平均重合度1700、鹸化度99.2モル%のポリビニルアルコール275gを加えて加熱溶解した。この溶解液を15℃に温度調節し、濃度35重量%の塩酸201gとn−ブチルアルデヒド157gとを加え、15℃を保持して反応物を析出させた。次いで、反応系を60℃で3時間保持して反応を完了させ、過剰の水で洗浄して未反応のn−ブチルアルデヒドを洗い流し、塩酸を水酸化ナトリウム水溶液で中和し、更に、過剰の水で2時間水洗、乾燥後、白色粉末状のポリビニルブチラール樹脂(以下、PVBともいう)を得た。この樹脂のアセタール化度は68.9モル%、アセチル基量は0.9モル%であった。
【0060】
<ITO分散可塑剤の作製>
トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(以下、3GOともいう)39重量部に対し、ITO微粒子(三菱マテリアル社製)を0.63重量部仕込み、分散剤としてポリリン酸エステル塩を用い、水平型のマイクロビ−ズミルにて、3GO中にITO微粒子を分散させた。この分散液を攪拌しながら、アセチルアセトン0.1重量部を添加し、ITO分散可塑剤を得た。ITO分散可塑剤中のITO微粒子の平均粒径は35μmであった。
【0061】
<膜(A)の作製>
上記PVB100重量部に対して、上記ITO分散可塑剤を39重量部、2−エチル酪酸マグネシウムを全系に対してマグネシウム含有量が60ppmとなるように適量、酸化防止剤としてスミライダーBHT(住友化学社製)を0.1重量部、UV吸収剤等として2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(チバガイギー社製、Tinuvin 326)を0.1重量部添加混合した。この混合物をミキシングロールで充分に混練した後、プレス成形機で150℃、30分間プレス成形して厚さ0.3mmの膜(A)を作製した。
【0062】
<膜(B)の作製>
粘度平均重合度が2000のPVAに、粘度平均重合度が3500のPVAを50重量%となるように添加混合した。この混合されたPVAより、アセタール化度が63.6モル%、アセチル基量が14.3モル%のPVBを合成した。得られたPVB100重量部に対し、可塑剤として3GOを60重量部、2−エチル酪酸マグネシウムを全系に対してマグネシウム含有量が60ppmとなるように適量、酸化防止剤としてスミライダーBHT(住友化学社製)を0.1重量部、UV吸収剤等として2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(チバガイギー社製、Tinuvin 326)を0.1重量部添加混合した。これをミキシングロールで充分に溶融混練した後、プレス成形機で150℃、30分間プレス成形して厚さ0.16mmの膜(B)を作製した。
【0063】
<中間膜の作製>
得られた膜(A)2枚と膜(B)とを用いて、膜(A)/膜(B)/膜(A)となるよう膜(A)の間に膜(B)を挟着した3層構造の中間膜を作製した。
【0064】
<合わせガラスの作製>
得られた中間膜を、300mm×300mm×厚さ3mmのフロート板ガラス2枚により両側から挟着し、この未圧着の挟着体をゴムバッグへ入れ、2.7kPaの真空度で20分間脱気した後、脱気状態のまま90℃のオーブンに移し、この温度で30分間保持した。こうして真空プレスにより仮接着された挟着体を、次いでオートクレーブ中で圧力1.2MPa、温度135℃で熱圧着し、透明な合わせガラスを作製した。
【0065】
(評価)
実施例1で作製された合わせガラスについて、以下の項目の評価を行い、結果を表1に示した。
【0066】
(1)耐貫通性
常法に従い、耐貫通性を評価した。
【0067】
(2)光学特性
直記分光光度計(島津製作所社製、UV3100)を使用して合わせガラスの300〜2500nmの波長領域での透過率を測定し、JIS Z 8722及びJIS R 3106(1998)に準拠して380〜780nmの波長領域での可視光透過率(Tv)、300〜2500nmの波長領域での日射透過率(Ts)を求めた。
【0068】
(3)ヘイズ(Hz)
JIS K6714に準拠して測定した。
【0069】
(4)ITO微粒子の中間膜中の分散状態
切片作製装置(ウルトラミクロト−ム ライカ社製、EM−ULTRACUT・S;FC−S型凍結切削システム ライカ社製、REICHERT−NISSEI−FCS;ナイフ DIATOME社製、DIATOME ULTRA CRYO DRY)により、中間膜の薄片を作製した後、透過型電子顕微鏡(日立製作所社製、H−7100FA型、TEM)を使用して、加速電圧100kVで10μm×10μmの範囲を写真撮影し、ITO微粒子の分散状態を観察した。ITO微粒子の粒子径は、写真中のITO微粒子の最も長い径とした。上記撮影範囲中の全ITO微粒子について粒子径を測定し、体積換算平均により、平均粒子径を求めた。また、上記撮影範囲中に存在する粒子径100nm以上の粒子数を求め、撮影面積100μm2で除することにより、1μm2当たりの粒子径100nm以上の粒子数を算出した。
【0070】
(5)電磁波透過性
近傍界の電磁波シールド効果測定法(KEC法)により、0.1〜10MHzの周波数領域での反射損失値(dB)を測定し、厚さ2.5mmの通常のフロートガラス単板から得られる値と比較した。また、遠方界の電磁波シールド効果測定法として、送信受信用の1対のアンテナ間に合わせガラス600mm角を立て、電波信号発生装置からの電波をスペクトルアナライザーで受信することにより、2〜26.5GHzの周波数領域での反射損失値(dB)を測定し、厚さ2.5mmの通常のフロートガラス単板から得られる値と比較した。測定周波数領域全体での比較の結果、両者の差(ΔdB)の最小値〜最大値を表1に示した。
【0071】
(6)遮音性
0℃、10℃、20℃、及び、30℃の各温度において、合わせガラスをダンピング試験用の振動発生機(振研社製、加振機 G21−005D)により加振し、得られた振動特性を機械インピーダンスアンプ(リオン社製、XG−81)にて増幅し、振動スペクトルをFFTアナライザー(横河ヒューレットパッカー社製、FFTスペクトラムアナライザー HP−3582AA)にて解析した。こうして得られた損失係数とガラスとの共振周波数の比とから損失係数を算出した。この結果に基づき、周波数2000Hz近辺における極小の透過損失値をTL値とした。
【0072】
【表1】
【0073】
【発明の効果】
本発明によれば、特に耐貫通性が良好であり、透明性、遮熱性、遮音性、電磁波透過性、耐湿性に優れ、かつ、ガラスとの適当な接着力を有し、安価に得ることができる合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを提供することができる。
Claims (3)
- 少なくとも、2層の(A)層と前記(A)層の間に挟着される(B)層との3層からなる積層構造を有する合わせガラス用中間膜であって、
前記(A)層は、ポリビニルアセタール樹脂(P)及び可塑剤(W)を含有し、前記(B)層は、ポリビニルアセタール樹脂(Q)及び可塑剤(X)を含有し、かつ、前記(A)層よりも硬い層である
ことを特徴とする合わせガラス用中間膜。 - 前記(A)層は、更に錫ドープ酸化インジウム粒子を含有することを特徴とする請求項1記載の合わせガラス用中間膜。
- 少なくとも一対のガラスの間に請求項1又は2記載の合わせガラス用中間膜を介在させ、一体化させてなることを特徴とする合わせガラス。
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