JP2010235432A - 合わせガラス用中間膜、及び、合わせガラス - Google Patents

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Abstract

【課題】常温領域と高温領域の制振性能に加え、常温領域と高温領域の中間にあたる温度領域においても制振性能に優れる合わせガラス用中間膜、及び、該合わせガラス用中間膜を用いてなる合わせガラスを提供する。
【解決手段】中間層と、前記中間層を挟持する2層の保護層とを有する合わせガラス用中間膜であって、前記中間層及び前記保護層は、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含有し、前記中間層の周波数1Hzにおける動的粘弾性の損失正接の極大値を示す温度T1が、前記保護層の周波数1Hzにおける動的粘弾性の損失正接の極大値を示す温度T2よりも低く、前記中間層に含有されるポリビニルアセタール樹脂の平均重合度が100〜1200である合わせガラス用中間膜。
【選択図】 図3

Description

本発明は、常温領域と高温領域の制振性能に加え、常温領域と高温領域の中間にあたる温度領域においても制振性能に優れる合わせガラス用中間膜、及び、該合わせガラス用中間膜を用いてなる合わせガラスに関する。
合わせガラスは、外部衝撃を受けて破損してもガラスの破片が飛散することが少なく安全である。そのため、合わせガラスは、自動車等の車両、航空機、建築物等の窓ガラス等として広く使用されている。合わせガラスは、少なくとも2枚のガラス間に、可塑化されたポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール樹脂を成形した合わせガラス用中間膜が介在されている。
近年、軽量化やコスト等の問題から、合わせガラス全体の厚さを薄くすることが試みられている。しかし、合わせガラス全体の厚さを薄くすると、遮音性が低下するという問題がある。このような合わせガラスを自動車等のフロントガラスとして用いた場合、風切り音やワイパーの駆動音等、これまでは問題とならなかった5000Hz程度の音域の音についての遮音性が問題となってきている。また、音には車の騒音や警笛の音等の空気音と、車のエンジンの振動による音等の固体音とがあるが、固体音を遮音するためには、固体音の制振性能が重要である。
遮音性に優れた合わせガラスとして、中間層と該中間層を挟持する保護層とを有する合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスが知られている(例えば、特許文献1)。このような合わせガラス用中間膜では、可塑剤を多く含有する中間層によって遮音性能が発揮される一方、保護層は、遮音層に含まれる可塑剤のブリードアウトを防止する役割を有する。
しかしながら、特許文献1に記載された合わせガラス用中間膜は、常温領域と高温領域の中間にあたる温度領域における制振性能が不充分であって、特に固体音の制振性能に劣るという問題があった。
特開平5−310449号公報
本発明は、常温領域と高温領域の制振性能に加え、常温領域と高温領域の中間にあたる温度領域においても制振性能に優れる合わせガラス用中間膜、及び、該合わせガラス用中間膜を用いてなる合わせガラスを提供することを目的とする。
本発明は、中間層と、前記中間層を挟持する2層の保護層とを有する合わせガラス用中間膜であって、前記中間層及び前記保護層は、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含有し、前記中間層の周波数1Hzにおける動的粘弾性の損失正接の極大値を示す温度T1が、前記保護層の周波数1Hzにおける動的粘弾性の損失正接の極大値を示す温度T2よりも低く、前記中間層に含有されるポリビニルアセタール樹脂の平均重合度が100〜1200である合わせガラス用中間膜である。
以下に本発明を詳述する。
合わせガラスの制振性能は、JIS G 0602に準ずる方法によって測定される損失係数(Loss Factor)により評価できる。とりわけ固体音の制振性能の評価には100〜500Hz程度の周波数における損失係数が重要となる。本発明者は、合わせガラスの周波数100Hz付近における損失係数を詳しく調べた。
図1に、1層のみからなる合わせガラス用中間膜を2枚のガラス間に挟持した合わせガラスについて、温度と損失係数との関係を示す模式図を示した。図1より、合わせガラス用中間膜に起因する温度−損失係数曲線が描かれ、温度t1において損失係数は極大値となり、温度がt1より高くなると、損失係数が低下していくことが判る。即ち、該合わせガラスは、t1付近の温度領域においては高い制振性能を発揮する一方、t1以降の高温領域においては制振性能に劣る。
図2に、中間層と、該中間層を挟持する2層の保護層とを有する合わせガラス用中間膜を2枚のガラス間に挟持した合わせガラスについて、温度と損失係数との関係を示す模式図を示した。中間層と保護層とを有する合わせガラス用中間膜を用いた場合、中間層に起因する温度−損失係数曲線と、保護層に起因する温度−損失係数曲線とが合成された温度−損失係数曲線となる。図2に描かれた温度−損失係数曲線では、t1とt2とにおいて損失係数が極大値をとる一方、t1とt2との間に損失係数の極小値が現れる。
なお、遮音合わせガラス用中間膜の場合、必ず図2に示したようにt1<t2である温度−損失係数曲線となる。これは、中間層が常温領域における遮音性能を発揮するために可塑剤の配合量を多くしてガラス転移温度を低く設定するのに対して、保護層には、中間層から可塑剤のブリードアウトを防止する役割が求められることから、可塑剤の配合量を低くしてガラス転移温度を高く設定するためである。
図2より、従来の遮音合わせガラス用中間膜において常温領域と高温領域の中間にあたる温度領域において制振性能に劣る理由が、該温度領域が中間層に起因する温度−損失係数曲線と保護層に起因する温度−損失係数曲線との間に損失係数の谷間が形成されるためであることがわかった。従って、常温領域と高温領域の制振性能に加え、常温領域と高温領域の中間にあたる温度領域においても制振性能に優れる合わせガラス用中間膜とするためには、この谷間部分の損失係数を底上げする(図3)ことが重要である。
本発明者は、鋭意検討の結果、中間層に含有されるポリビニルアセタール樹脂の平均重合度を100〜1200の範囲とすることにより、上記谷間部分の損失係数を底上げできることを見出し、本発明を完成した。
これは、中間層を構成するポリビニルアセタール樹脂の平均重合度を低くすることにより、中間層に起因する温度−損失係数曲線の極大値を示す温度以降の高温領域における損失係数を高くできるためであると考えられる。また、中間層と、該中間層を挟持する2層の保護層とを有する合わせガラス用中間膜は、保護層が硬く、中間層が柔らかいという相対関係にあるために、振動を受けた際のエネルギーが柔らかい中間層に集中し、保護層の動的粘弾性特性が反映され難くなる。即ち、従来の合わせガラスでは、高温領域の制振性能が発揮され難い。本発明では、中間層の極大値を示す温度以降の高温領域における損失係数を向上させることで、中間層を高温領域における制振性能にも寄与させ、合わせガラス全体としての高温領域における制振性能をも改善することができる。
本発明の合わせガラス用中間膜は、中間層と、該中間層を挟持する2層の保護層とを有する。上記中間層と保護層とは、いずれもポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含有する。
上記中間層は、周波数1Hzにおける動的粘弾性の損失正接(tanδ)の極大値を示す温度T1の好ましい下限が−30℃、好ましい上限が15℃である。
合わせガラスの100〜500Hz程度の周波数における損失係数と、合わせガラス用中間膜の周波数1Hzにおける動的粘弾性の損失正接(tanδ)との間には相関関係があることが知られており、本発明者の行った検討によると、「合わせガラスの損失係数の極大値を示すt1=合わせガラス用中間膜の損失正接(tanδ)の極大値を示す温度T1+18℃程度」である。即ち、上記中間層の周波数1Hzにおける動的粘弾性の損失正接(tanδ)の極大値を示す温度T1を−30〜15℃とすることにより、中間層に起因する温度−損失係数曲線が極大値となる温度t1はだいたい−12〜33℃となる。温度t1を−12〜33℃とすることにより、常温領域における制振性能を発揮させることができる。
温度T1が−30℃未満であると、制振性能が充分に得られる温度領域が非常に低温側となってしまい、常温領域において充分な制振性能が得られないことがあり、15℃を超えると、制振性能が充分に得られる温度領域が非常に高温側となってしまい、常温領域において充分な制振性能が得られないことがある。温度T1のより好ましい下限は−15℃、更に好ましい下限は−8℃、特に好ましい下限は−5℃、より好ましい上限は10℃、更に好ましい上限は8℃、特に好ましい上限は5℃である。
なお、動的粘弾性測定は、一般的に1Hz等の周波数で行うことが多い。これは、多くの測定器があまり高い周波数での測定を行えなかったり、精度が低下したりするためである。上述のように、実際の合わせガラスにおける制振性能は周波数100〜5000Hzで評価することが一般的であり、動的粘弾性測定の1Hzとはかけ離れている。しかし、測定周波数を高くすると、動的粘弾性の損失正接(tanδ)の極大値を示す温度は高温側にシフトすることが知られており、1Hzの測定周波数でも、動的粘弾性の損失正接(tanδ)の極大値を示す温度の範囲を設定する事で、高周波数での動的粘弾性測定の損失正接(tanδ)の極大値を予測することは可能である。従って、合わせガラスの100〜500Hz程度の周波数における損失係数と、合わせガラス用中間膜の周波数1Hzにおける動的粘弾性の損失正接(tanδ)とを関連付けることは充分に可能である。
上記中間層の動的粘弾性の損失正接(tanδ)の極大値を示す温度T1は、以下の方法により、測定できる。
上記中間層を構成する、樹脂組成物を用いて、試験シート(直径8mm×厚さ0.8mm)を作製する。この試験シートの動的粘弾性を、JIS K 7244−6に準拠して、せん断法にて、歪み量1.0%及び周波数1Hzの条件下において、昇温速度5℃/分で動的粘弾性の温度分散の測定を行なう。得られた損失正接の最大値を示す温度をT1とする。
なお、上記中間層の周波数1Hzにおける動的粘弾性の損失正接(tanδ)が極大値を示す温度T1は、レオメトリックスサイエンティフィック社製「ARES(Advanced Rheometric Expansion System)」等の粘弾性測定装置を用いて測定できる。
本明細書において、「制振性能に優れる」とは「例えば、エンジン音等の固体音を充分に制振することができる」ことを意味する。なお、制振とは、振動を減衰する効果を意味する。
上記中間層は、温度T1よりも高い温度における損失正接(tanδ)の極小値の好ましい下限が0.25である(以下、温度T1よりも高い温度における損失正接(tanδ)が極小値を示す温度を「T3」とする。)。温度T3における損失正接(tanδ)の極小値が0.25未満であると、常温領域と高温領域の中間にあたる温度領域における制振性能を向上させることができないことがある。温度T3における損失正接(tanδ)の極小値のより好ましい下限は0.3、更に好ましい下限は0.35、特に好ましい下限は0.4である。
上記保護層の周波数1Hzにおける動的粘弾性の損失正接(tanδ)の極大値を示す温度T2は、上記温度T1よりも高い。これは、上記中間層が常温領域における制振性能を発揮する役割を果たすのに対して、保護層が高温領域における制振性能を発揮する役割を果たすためである。
温度T2の好ましい下限は0℃、好ましい上限は40℃である。温度T2が0℃未満であると、常温付近で加工を行う際に、保護層が非常にベタツクために著しく作業性を損なうことがある。温度T2が40℃を超えると、合わせガラスの通常の使用温度を逸脱する高温下にて制振性能を発揮することとなり、実用上の意味がないことがある。温度T2のより好ましい下限は10℃、更に好ましい下限は25℃、より好ましい上限は38℃、更に好ましい上限は35℃である。
上記温度T1と温度T2とは、20℃≦T2−T1を満たすことが好ましい。上述のように本発明の技術思想は、中間層の温度T3における損失正接を高くすることにより、中間層に起因する温度−損失係数曲線と保護層に起因する温度−損失係数曲線との間の谷間部分の損失係数を底上げすることにある。T2−T1が20℃未満であると、中間層に起因する温度−損失係数曲線と保護層に起因する温度−損失係数曲線とが重複してしまうため、中間層の温度T2における損失正接を高くしたとしても、合わせガラス全体としてき制振性能の向上にはほとんど寄与しない。また、t1とt2とが近接すると、谷間部分の制振性能こそ向上するとしても、制振性能を発揮できる温度領域が極めて狭くなってしまう。より好ましくは25℃≦T2−T1であり、更に好ましくは30℃≦T2−T1を満たすことである。
上記温度T1と温度T2とは、T2−T1≦50℃を満たすことが好ましい。T2−T1が50℃を超えると、t1とt2とが離れすぎてしまい、両者の間に制振性能の低い領域が広がることになる。中間層の温度T3における損失正接を高くする効果は認められるものの、その実用上の効果は極めて限定される。より好ましくはT2−T1≦40℃であり、更に好ましくはT2−T1≦35℃を満たすことである。
中間層と、上記中間層を挟持する2層の保護層とを有する本発明の合わせガラス中間膜が上述したような性質を有する合わせガラス用中間膜となるための具体的な態様として、例えば、以下のような合わせガラス用中間膜が挙げられる。
上記具体的態様としては、中間層は、ポリビニルアルコールを炭素数が4〜10のアルデヒドによりアセタール化して得られる、アセチル化度が30mol%以下、平均重合度が100〜1200であるポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して、可塑剤を45〜70重量部含有し、保護層は、アセタール化度が60〜75mol%、アセチル化度が15mol%以下のポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して、可塑剤を20〜45重量部含有する合わせガラス用中間膜が挙げられる。
以下、この態様の合わせガラス用中間膜について詳述する。
上記中間層は、ポリビニルアルコールを炭素数が4〜10のアルデヒドによりアセタール化して得られる、アセチル化度が30mol%以下、平均重合度が100〜1200であるポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して、可塑剤を45〜70重量部含有することが好ましい。
上記ポリビニルアルコールは、通常、ポリ酢酸ビニルをけん化することにより得られる。
上記中間層に含有されるポリビニルアセタール樹脂においては、上記ポリビニルアルコールをアセタール化するためのアルデヒドの炭素数の下限は4、上限は10であることが好ましい。アルデヒドの炭素数が4未満であると、充分な量の可塑剤を安定して含有させることができないため、疎水性が低下し、白化の原因やブリードアウトの原因となることがある。また、充分な量の可塑剤を含有させることができないことから、充分な遮音性能も得られないことがある。アルデヒドの炭素数が10を超えると、ポリビニルアセタール樹脂の合成が難しく生産性が充分確保できないことがある。
上記炭素数が4〜10のアルデヒドは特に限定されず、直鎖状のアルデヒドであってもよいし、分枝状のアルデヒドであってもよく、例えば、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、n−ヘプチルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド等が挙げられる。
上記中間層を構成するポリビニルアセタール樹脂は、アセチル化度の上限が30mol%であることが好ましい。アセチル化度が30mol%を超えると、ポリビニルアセタール樹脂の合成が難しく生産性が充分確保できないことがある。
上記中間層を構成するポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度は特に限定されないが、好ましい下限は60mol%、好ましい上限は75mol%である。アセタール化度が60mol%未満であると、中間層の疎水性が低くなり、白化の原因となったり、制振性能を発揮するのに必要な量の可塑剤を含有させることが困難となり、ブリードアウトの原因となったりすることがある。アセタール化度が75mol%を超えると、ポリビニルアセタール樹脂の合成が難しく生産性が充分確保できないことがある。
上記中間層を構成するポリビニルアセタール樹脂は、平均重合度の下限が100、上限が1200である。本発明においては、中間層を構成するポリビニルアセタール樹脂の平均重合度を一定の範囲とすることにより、中間層に起因する温度−損失係数曲線の極大値を示す温度以降の高温領域での損失係数を高くすることができる。上記中間層を構成するポリビニルアセタール樹脂の平均重合度は、本発明の重要な技術的特徴である。上記ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度は、JIS K 6728に準拠して測定できる。
上記中間層を構成するポリビニルアセタール樹脂の平均重合度が1200を超えると、温度T3における損失正接(tanδ)の極小値が著しく低くなるため、得られる合わせガラスの極大値を示す温度以降の高温領域での損失係数が著しく低下してしまう。上記中間層を構成するポリビニルアセタール樹脂の平均重合度が1200以下になると、温度T3における損失正接(tanδ)の極小値が向上し、得られる合わせガラスの極大値を示す温度以降の高温領域での損失係数が向上することにより、常温領域と高温領域の中間にあたる温度領域における制振性能が向上する。上記中間層を構成するポリビニルアセタール樹脂の平均重合度の好ましい上限は1000であり、より好ましい上限は800であり、特に好ましい上限は500である。制振性能の点からは上記中間層を構成するポリビニルアセタール樹脂の平均重合度が低い方が好ましいが、100未満であると、機械物性が著しく低下し、シートとしての形状を保持することが困難となる。また、高温下で合わせガラスのガラスズレが発生し易くなることから実使用に耐え難い。
上記中間層は、可塑剤を含有する。
上記可塑剤は特に限定されず、例えば、一塩基性有機酸エステル、多塩基性有機酸エステル等の有機エステル可塑剤、有機リン酸可塑剤、有機亜リン酸可塑剤等のリン酸可塑剤等が挙げられる。
上記一塩基性有機酸エステルは特に限定されず、例えば、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコールと、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、ヘプチル酸、n−オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、ペラルゴン酸(n−ノニル酸)、デシル酸等の一塩基性有機酸との反応によって得られたグリコールエステル等が挙げられる。
上記多塩基性有機酸エステルは特に限定されず、例えば、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等の多塩基性有機酸と、炭素数4〜8の直鎖又は分岐構造を有するアルコールとのエステル化合物が挙げられる。
上記有機エステル可塑剤は特に限定されず、例えば、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールジ−n−オクタノエート、トリエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、テトラエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルカルビトールアジペート、エチレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,3−プロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,4−ブチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、ジプロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルペンタノエート、テトラエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジカプリエート、トリエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、テトラエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールビス(2−エチルブチレート)、トリエチレングリコールジヘプタノエート、テトラエチレングリコールジヘプタノエート、ジヘキシルアジペート、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ヘキシルシクロヘキシル、アジピン酸ヘプチルとアジピン酸ノニルとの混合物、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ヘプチルノニル、セバシン酸ジブチル等が挙げられる。
上記有機リン酸可塑剤は特に限定されず、例えば、トリブトキシエチルホスフェート、イソデシルフェニルホスフェート、トリイソプロピルホスフェート等が挙げられる。
上記可塑剤は、なかでも、ジヘキシルアジペート(DHA)、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)、テトラエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(4GO)、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート(3GH)、テトラエチレングリコールジ−2−エチルブチレート(4GH)、テトラエチレングリコールジヘプタノエート(4G7)及びトリエチレングリコールジヘプタノエート(3G7)からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
更に、上記可塑剤は加水分解しにくいため、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート(3GH)、テトラエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(4GO)、ジヘキシルアジペート(DHA)が好ましく、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)がより好ましい。
上記中間層における上記可塑剤の含有量は、上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して下限が45重量部、上限が70重量部である。上記中間層における上記可塑剤の含有量が45重量部未満であると、低温から常温環境下における制振性能が低下することがある。上記中間層における上記可塑剤の含有量が70重量部を超えると、可塑剤のブリードアウトが生じて、合わせガラス用中間膜の透明性や接着性が低下することがある。上記中間層における上記可塑剤の含有量の好ましい下限は50重量部、上限は65重量部である。
上記中間層は、上記保護層を構成する樹脂組成物と同一の樹脂組成物により構成される領域を有していてもよい。上記中間層は、上述のように平均重合度が100〜1200であるポリビニルアセタール樹脂を含有する。このような低重合度のポリビニルアセタール樹脂を含有する中間層を用いた場合、高温下において合わせガラスのガラスズレが発生する恐れがある。上記中間層の一部に上記保護層と同じ樹脂組成物により構成される領域を設けることにより、高温下での合わせガラスのガラスズレの発生を防止することができる。
上記中間層に上記保護層を構成する樹脂組成物と同一の樹脂組成物により構成される領域を設ける場合、上記保護層を構成する樹脂組成物と同一の樹脂組成物により構成される領域が帯状に中間層に存在する形態が好ましい。このような形態は、押出し機を用いた生産性に優れる。また、光学特性を考慮すると、上記保護層を構成する樹脂組成物と同一の樹脂組成物により構成される領域が中間層の端部に帯状に配置されることが好ましい。なかでも、上記保護層を構成する樹脂組成物と同一の樹脂組成物により構成される領域は合わせガラス用中間膜の両端に配置されることが好ましい。
上記中間層に上記保護層を構成する樹脂組成物と同一の樹脂組成物により構成される領域を設ける場合、中間層における保護層を構成する樹脂組成物と同一の樹脂組成物により構成される領域の面積の比率は30%以下が好ましい。上記保護層を構成する樹脂組成物と同一の樹脂組成物により構成される領域が30%を超えると、充分な制振性能の向上効果が得られないことがある。面積の比率は20%以下であることが好ましい。なお、面積の比率は、合わせガラス用中間層の水平方向における面積に対する、上記保護層を構成する樹脂組成物のみにより構成される領域の面積の割合を意味する。
上記保護層は、アセタール化度が60〜75mol%、アセチル化度が15mol%以下のポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して、可塑剤を20〜45重量部含有することが好ましい。
上記保護層を構成するポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルブチラール樹脂が好適である。
上記保護層を構成するポリビニルアセタール樹脂は、アセタール化度の下限が60mol%、上限が75mol%であることが好ましい。上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度が60mol%未満であると、充分な耐貫通性を発揮するのに必要な量の可塑剤を含有させることが困難となり、ブリードアウトの原因となることがある。上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度が75mol%を超えると、上記保護層とガラスとの接着力が著しく低下することがある。上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度の好ましい下限は65mol%、好ましい上限は69mol%である。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、アセチル化度の上限が15mol%であることが好ましい。上記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度の上限が15mol%を超えると、保護層の疎水性が低くなりすぎ、白化の原因となることがある。上記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度の好ましい上限は5mol%である。また、上記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度の下限は特に限定されないが、好ましい下限は1mol%である。
上記保護層における上記可塑剤の含有量は、上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して下限が20重量部、上限が45重量部であることが好ましい。上記保護層における上記可塑剤の含有量が20重量部未満であると、耐貫通性が低下することがある。上記保護層における上記可塑剤の含有量が45重量部を超えると、可塑剤のブリードアウトが生じて、合わせガラス用中間膜の透明性や接着性が低下し、得られる合わせガラスの光学歪みが大きくなることがある。上記保護層における上記可塑剤の含有量の好ましい下限は25重量部、好ましい上限は40重量部である。
上記保護層における可塑剤は、上述した中間層における可塑剤と同様の可塑剤を用いればよい。
上記中間層及び上記保護層は、分散助剤、酸化防止剤、光安定剤、難燃剤、帯電防止剤、接着力調整剤、耐湿剤、熱線反射剤、熱線吸収剤、蛍光増白剤、青色顔料等の添加剤を含有してもよい。
本発明の合わせガラス用中間膜は、上記保護層、上記中間層、及び、上記保護層が順次積層されていればよく、上記保護層と上記中間層との間に、ポリエチレンテレフタレート樹脂層や熱可塑性樹脂を含む樹脂層が挟み込まれていてもよい。
本発明の合わせガラス用中間膜の厚さは特に限定されないが、好ましい下限は300μm、好ましい上限は2000μmである。本発明の合わせガラス用中間膜の厚さが300μm未満であると、充分な耐貫通性が得られないことがある。本発明の合わせガラス用中間膜の厚さが2000μmを超えると、合わせガラス用中間膜として用いられる厚さを越えてしまうことがある。本発明の合わせガラス用中間膜の厚さのより好ましい下限は400μm、より好ましい上限は1000μmである。
上記中間層、保護層のそれぞれの厚さは特に限定されないが、中間層の好ましい下限は30μm、好ましい上限は200μmであり、保護層の好ましい下限は200μm、好ましい上限は1600μmである。
また、2層の保護層の厚さは同一であってもよいし、異なっていてもよいが、厚さの差が30μm以下であることが好ましい。2層の保護層の厚さの差が30μmを超えると、加熱したときに合わせガラス用中間膜が反ることがある。
本発明の合わせガラス用中間膜の製造方法は特に限定されず、例えば、上記中間層を構成する樹脂組成物、及び、上記保護層を構成する樹脂組成物を、各押出機を用いて、押出法により作製する方法、上記中間層を構成する樹脂組成物、及び、上記保護層を構成する樹脂組成物をプレス成形することにより、シートを作製し、シートを積層させる方法等が挙げられる。
本発明の合わせガラス用中間膜を用いてなる合わせガラスもまた、本発明の1つである。
本発明の合わせガラスに用いられるガラス板は特に限定されず、一般に使用されている透明板ガラスを使用することができる。例えば、フロート板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、網入りガラス、線入り板ガラス、着色された板ガラス、熱線吸収ガラス等が挙げられる。また、ポリカーボネート板、ポリエチレンテレフタレート板、アクリル板等の有機プラスチックス板を用いてもよい。
本発明の合わせガラスの製造方法は特に限定されず、従来公知の製造方法を用いることができる。
本発明によれば、常温領域と高温領域の制振性能に加え、常温領域と高温領域の中間にあたる温度領域においても制振性能に優れる合わせガラス用中間膜、及び、該合わせガラス用中間膜を用いてなる合わせガラスを提供することができる。
1層のみからなる合わせガラス用中間膜を2枚のガラス間に挟持した合わせガラスについて、温度と損失係数との関係を示す模式図である。 中間層と、該中間層を挟持する2層の保護層とを有する合わせガラス用中間膜を2枚のガラス間に挟持した合わせガラスについて、温度と損失係数との関係を示す模式図である。 本発明の原理を説明する模式図である。 実施例1及び比較例1で作製した合わせガラス用中間膜について、損失係数(Loss factor)と温度との関係を示した図である。 実施例1及び比較例1で作製した中間層について、損失正接(tanδ)と温度との関係を示した図である。 実施例1及び比較例1で作製した合わせガラス用中間膜について、損失正接(tanδ)と温度との関係を示した図である。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されない。
(実施例1)
(1)保護層を構成する樹脂組成物の調製
アセチル化度が1mol%、ブチラール化度が68mol%のポリビニルブチラール樹脂100重量部に対して、可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)40重量部を添加し、ミキシングロールで充分に混練することにより、樹脂組成物を調製した。
(2)中間層を構成する樹脂組成物の調製
アセチル化度が5mol%、ブチラール化度が73mol%、平均重合度800のポリビニルブチラール樹脂100重量部に対して、可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)60重量部を添加し、ミキシングロールで充分に混練することにより、樹脂組成物を調製した。
なお、平均重合度はJIS K 6728に準拠して測定した。以下、同様である。
(3)合わせガラス用中間膜の作製
保護層を構成する樹脂組成物を、0.35mmのクリアランス板が配置された2枚のテフロン(登録商標)シート間に配置し、保護層を構成する樹脂組成物を150℃にてプレス成形し、厚さ0.35mmのシートAを得た。また、中間層を構成する樹脂組成物は同様の条件で、0.1mmのクリアランス板を用い、厚さ0.1mmのシートBを得た。
得られたシートA、シートBをA/B/Aの順に積層し、積層体を得た。得られた積層体を、0.8mmのクリアランス板が配置された2枚のテフロン(登録商標)シート間に配置し、150℃にてプレス成形し、厚さ0.8mmの合わせガラス用中間膜を得た。
(実施例2)
実施例1と同様にして保護層を構成する樹脂組成物及び中間層を構成する樹脂組成物を調製した。
得られた保護層を構成する樹脂組成物と中間層を構成する樹脂組成物とを用いて、下記の方法により中間層を形成した。
即ち、中間層を構成する樹脂組成物を2枚のテフロン(登録商標)シート間に0.1mmのクリアランス板を介して挟み込み、150℃にてプレス成形して、厚さ0.1mmのシートBを得た。保護層を構成する樹脂組成物を2枚のテフロン(登録商標)シート間に0.1mmのクリアランス板を介して挟み込み、150℃にてプレス成形して、厚さ0.1mmのシートA2を得た。
得られたシートA2を400mm×400mmの長方形状に切り出し、更に、周辺部に15mmを残して内側をくり抜き、外寸法400mm×400mm、内寸法370mm×370mmの枠状体を作製した。
得られたシートBから370mm×370mmの長方形状体を切り出した。
シートBの長方形状体を、上記シートA2により形成されている枠状体の枠の内側にはめ込んで中間層用シートを得た。
一方、保護層を構成する樹脂組成物を2枚のテフロン(登録商標)シート間に0.35mmのクリアランス板を介して挟み込み、150℃にてプレス成形して、厚さ0.35mmのシートA1を得た。得られたシートA1から400mm×400mmの長方形状体を切り出した。
得られた中間層用シートを、2枚のシートA1により形成されている長方形状体の間に挟み込んで積層体を得た。
得られた積層体を2枚のテフロン(登録商標)シート間に0.8mmのクリアランス板を介して挟み込み、150℃にてプレス成形して、厚さ0.8mmの合わせガラス用中間膜を得た。
(実施例3)
中間層を構成する樹脂組成物をアセチル化度が5mol%、ブチラール化度が73mol%、平均重合度1000のポリビニルブチラール樹脂100重量部に対して、可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート(3GH)60重量部を添加し、ミキシングロールで充分に混練することにより、樹脂組成物を調製したこと以外は実施例1と同様の方法で合わせガラス用中間膜を得た。
(実施例4)
中間層を構成する樹脂組成物をアセチル化度が13mol%、ブチラール化度が65mol%、平均重合度720のポリビニルブチラール樹脂100重量部に対して、可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)60重量部を添加し、ミキシングロールで充分に混練することにより、樹脂組成物を調製したこと以外は実施例1と同様の方法で合わせガラス用中間膜を得た。
(実施例5)
中間層を構成する樹脂組成物をアセチル化度が13mol%、オクチラール化度が55mol%、平均重合度600のポリビニルブチラール樹脂100重量部に対して、可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)60重量部を添加し、ミキシングロールで充分に混練することにより、樹脂組成物を調製したこと以外は実施例1と同様の方法で合わせガラス用中間膜を得た。
(実施例6)
中間層を構成する樹脂組成物をアセチル化度が25mol%、ブチラール化度が55mol%、平均重合度490のポリビニルブチラール樹脂100重量部に対して、可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)70重量部を添加し、ミキシングロールで充分に混練することにより、樹脂組成物を調製したこと以外は実施例2と同様の方法で合わせガラス用中間膜を得た。
(実施例7)
中間層を構成する樹脂組成物をアセチル化度が13mol%、ブチラール化度が65mol%、平均重合度360のポリビニルブチラール樹脂100重量部に対して、可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)60重量部を添加し、ミキシングロールで充分に混練することにより、樹脂組成物を調製したこと以外は実施例1と同様の方法で合わせガラス用中間膜を得た。
(実施例8)
中間層を構成する樹脂組成物をアセチル化度が0.5mol%、ヘキサラール化度が78mol%、平均重合度240のポリビニルブチラール樹脂100重量部に対して、可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)60重量部を添加し、ミキシングロールで充分に混練することにより、樹脂組成物を調製したこと以外は実施例1と同様の方法で合わせガラス用中間膜を得た。
(実施例9)
保護層を構成する樹脂組成物をアセチル化度が5mol%、ブチラール化度が68mol%のポリビニルブチラール樹脂100重量部に対して、可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)45重量部を添加し、中間層を構成する樹脂組成物をアセチル化度が13mol%、ブチラール化度が65mol%、平均重合度720のポリビニルブチラール樹脂100重量部に対して、可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)60重量部を添加し、ミキシングロールで充分に混練することにより、樹脂組成物を調製したこと以外は実施例1と同様の方法で合わせガラス用中間膜を得た。
(実施例10)
中間層を構成する樹脂組成物をアセチル化度が0.5mol%、ヘキサラール化度が78mol%、平均重合度120のポリビニルブチラール樹脂100重量部に対して、可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)60重量部を添加し、ミキシングロールで充分に混練することにより、樹脂組成物を調製したこと以外は実施例1と同様の方法で合わせガラス用中間膜を得た。
(実施例11)
中間層を構成する樹脂組成物をアセチル化度が5mol%、ブチラール化度が73mol%、平均重合度1200のポリビニルブチラール樹脂100重量部に対して、可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート(3GH)60重量部を添加し、ミキシングロールで充分に混練することにより、樹脂組成物を調製したこと以外は実施例1と同様の方法で合わせガラス用中間膜を得た。
(実施例12)
保護層を構成する樹脂組成物をアセチル化度が5mol%、ブチラール化度が70mol%のポリビニルブチラール樹脂100重量部に対して、可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)25重量部を添加し、中間層を構成する樹脂組成物をアセチル化度が13mol%、ブチラール化度が68mol%、平均重合度600のポリビニルブチラール樹脂100重量部に対して、可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)45重量部を添加し、ミキシングロールで充分に混練することにより、樹脂組成物を調製したこと以外は実施例1と同様の方法で合わせガラス用中間膜を得た。
(比較例1)
(1)保護層の作製
アセチル化度が1mol%、ブチラール化度が68mol%のポリビニルブチラール樹脂100重量部に対して、可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)40重量部を添加し、ミキシングロールで充分に混練することにより、樹脂組成物を調製した。
(2)中間層の作製
アセチル化度が13mol%、ブチラール化度が65mol%、平均重合度2300のポリビニルブチラール樹脂100重量部に対して、可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)60重量部を添加し、ミキシングロールで充分に混練することにより、樹脂組成物を調製した。
(3)合わせガラス用中間膜の作製
実施例1と同様にして厚さ0.8mmの合わせガラス用中間膜を作製した。
(比較例2)
中間層を構成する樹脂組成物を平均重合度2300としたこと以外は実施例9と同様の方法で合わせガラス用中間膜を得た。
(比較例3)
中間層を構成する樹脂組成物を平均重合度1300としたこと以外は比較例1と同様の方法で合わせガラス用中間膜を得た。
(比較例4)
中間層を構成する樹脂組成物を平均重合度75としたこと以外は比較例1と同様の方法で合わせガラス用中間膜を得ようとしたが、合わせガラス用中間膜を成形することができなかった。
<評価>
実施例及び比較例で作製した中間層及び合わせガラス用中間膜について以下の評価を行った。
結果を表1に示した。
(1)損失係数(Loss factor)測定
得られた合わせガラス用中間膜を30mm×320mmに切り出し、透明なフロートガラス(25mm×305mm×2.0mm)で挟み込み、真空ラミネーターにて90℃下、30分保持しつつ、真空プレスを行ない、評価用サンプルを作製した。ただし、実施例2、6は、中間層として、シートA2を含まないように30mm×320mmに切り出し、フロートガラスの間に挟み込むことで評価用サンプルを作製した。
評価用サンプルを、測定装置(リオン社製、商品名「SA−01」)を用いて、評価用サンプルの損失係数を10℃から60℃の範囲内で、5℃刻みで、中央加振法により測定した。
得られた損失係数の共振周波数の1次モード(100Hz近傍)の損失係数を評価指標とした。得られたデータをもとに、t1とt2との間における損失係数の最小値を求めた。
また、図4に実施例1及び比較例1で作製した合わせガラス用中間膜について、損失係数(Loss factor)と温度との関係を示した図を示した。
(2)損失正接(tanδ)評価
次の条件により動的粘弾性測定を行い、温度T1、温度T2、及び、温度T3における損失正接(tanδ)の極小値を求めた。
また、図5に実施例1及び比較例1で作製した中間層について、損失正接(tanδ)と温度との関係を示した図を示した。更に、図6に実施例1及び比較例1で作製した合わせガラス用中間膜について、損失正接(tanδ)と温度との関係を示した図を示した。
測定装置:レオメトリックス社製、ARES
歪み1%、周波数1Hzで温度分散を測定
昇温速度:5℃/min
本発明によれば、常温領域と高温領域の制振性能に加え、常温領域と高温領域の中間にあたる温度領域においても制振性能に優れる合わせガラス用中間膜、及び、該合わせガラス用中間膜を用いてなる合わせガラスを提供することができる。

Claims (8)

  1. 中間層と、前記中間層を挟持する2層の保護層とを有する合わせガラス用中間膜であって、
    前記中間層及び前記保護層は、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含有し、
    前記中間層の周波数1Hzにおける動的粘弾性の損失正接の極大値を示す温度T1が、前記保護層の周波数1Hzにおける動的粘弾性の損失正接の極大値を示す温度T2よりも低く、
    前記中間層に含有されるポリビニルアセタール樹脂の平均重合度が100〜1200である
    ことを特徴とする合わせガラス用中間膜。
  2. 温度T1が−30〜10℃であることを特徴とする請求項1記載の合わせガラス用中間膜。
  3. 前記T1とT2とが、20℃≦T2−T1を満たすことを特徴とする請求項1又は2記載の合わせガラス用中間膜。
  4. 中間層は、ポリビニルアルコールを炭素数4〜10のアルデヒドによりアセタール化して得られる、アセチル化度が30mol%以下、平均重合度が100〜1200であるポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して、可塑剤を45〜70重量部含有することを特徴とする請求項1又は2記載の合わせガラス用中間膜。
  5. 保護層は、ブチラール化度が60〜75mol%、アセチル化度が15mol%以下のポリビニルブチラール樹脂100重量部に対して、可塑剤を20〜45重量部含有することを特徴とする請求項1又は2記載の合わせガラス用中間膜。
  6. 中間層は、保護層を構成する樹脂組成物と同一の樹脂組成物により構成される領域を有することを特徴とする請求項1又は2記載の合わせガラス用中間膜。
  7. 中間層における保護層を構成する樹脂組成物と同一の樹脂組成物により構成される領域の面積の比率が30%以下であることを特徴とする請求項6記載の合わせガラス用中間膜。
  8. 請求項1又は2記載の合わせガラス用中間膜を用いてなることを特徴とする合わせガラス。
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