JP2016188371A - ポリビニルアセタール組成物、該組成物からなるシートおよびその用途 - Google Patents

ポリビニルアセタール組成物、該組成物からなるシートおよびその用途 Download PDF

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芳聡 浅沼
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Abstract

【課題】ポリビニルアセタール、可塑剤を含む組成物であって、ポリビニルアセタール自身に比べて十分に低下したガラス転移温度を有し、かつ当該組成物のガラス転移温度におけるtanδの値が、ポリビニルアセタール自身のガラス転移温度におけるtanδと比べて十分に保持されたものである組成物の提供。
【解決手段】ガラス転移温度Tgにおける正接損失がtanδであるポリビニルアセタール100質量部に対して第一の可塑剤を3〜150質量部含むポリビニルアセタール組成物であって、該ポリビニルアセタール100質量部に対して、ガラス転移温度TgがTg−15℃となるように該第一の可塑剤X質量部を含有させた組成物(1)のTgにおける正接損失をtanδとし、ガラス転移温度TgがTg−25℃となるように該第一の可塑剤Y質量部を含有させた組成物(2)のTgにおける正接損失をtanδとしたときに、下記式(1)および式(2)を満たすポリビニルアセタール組成物。
tanδ/tanδ>0.78 式(1)
tanδ/tanδ>0.68 式(2)
【選択図】 なし

Description

本発明はポリビニルアセタールを含有する組成物、該組成物からなるシートおよびその用途に関する。
ポリビニルブチラールに代表されるポリビニルアセタールは、有機・無機基材に対する接着性や相溶性、有機溶剤への溶解性に優れており、種々の接着剤やセラミック用バインダー、各種インク、塗料等や、安全ガラス用中間膜として広範に利用されている。
合わせガラス用中間膜は通常、合わせガラスに物体が衝突した際に破れない十分な強度と、衝撃を和らげるための柔軟性とを併せ持つ必要があり、例えばポリビニルアセタールと可塑剤とからなるものが使用される。ここで使用する可塑剤としては、得られる合わせガラス用中間膜が高い透明性、また適切なガラス転移温度を得るために、ポリビニルアセタールとの相溶性に優れ、またポリビニルアセタールに対する高い可塑化効果を有するもの、例えばトリエチレングリコールジ2−エチルヘキサノエート、トリエチレングリコールジ2−エチルブチレート、アジピン酸ジヘキシルなどが使用される。
ところで近年、生活環境の質向上に対する要求の高まりと共に、遮音性能を有する合わせガラス用中間膜に対するニーズが高まっている。遮音性能を有する合わせガラス中間膜としては、例えば通常の合わせガラス用中間膜に比べて可塑剤含有量の多い、ガラス転移温度を十分に低下させた合わせガラス用中間膜(例えば特許文献1)が使用される。
特開平07−097241号公報
前記した遮音性能を有する合わせガラス用中間膜においては、合わせガラスとして使用した場合の室温付近でのコインシデンス領域における音響透過損失の低減を抑制するため、ガラス転移温度を十分に低下させ、室温付近で高い正接損失(tanδ)を有する組成物を使用する必要がある。ところがポリビニルアセタールと可塑剤を混合して組成物のガラス転移温度を低下させると、そのガラス転移温度におけるtanδの値はポリビニルアセタール自身のガラス転移温度におけるtanδの値と比較して大きく低下してしまう問題がある。このような問題を解決するためには、ポリビニルアセタールと可塑剤からなる組成物であって、十分に低下したガラス転移温度と保持されたtanδを有するものが必要であるが、ポリビニルアセタールと従来公知のポリビニルアセタール用可塑剤とからなる組成物には、これを達成できるものは皆無であった。
本発明の目的は前記課題を解決することにあり、ポリビニルアセタールと可塑剤を含む組成物であって、ポリビニルアセタール自身に比べて十分に低下したガラス転移温度を有し、かつ当該組成物のガラス転移温度におけるtanδの値が、ポリビニルアセタール自身のガラス転移温度におけるtanδと比べて十分に保持されたものであるポリビニルアセタール組成物を提供することを目的とする。
本発明の発明者らは、鋭意検討した結果、組成物ポリビニルアセタール自体のガラス転移温度と比べてわずかに、すなわち15℃又は25℃低下させるように可塑剤を添加した該ポリビニルアセタールと該可塑剤からなる2種の組成物において、それぞれの組成物のガラス転移温度におけるtanδと、前記ポリビニルアセタール自体のガラス転移温度におけるtanδとを比較した場合の保持割合を一定範囲に抑制できる可塑剤を使用することで、該ポリビニルアセタールと該可塑剤を含むポリビニルアセタール組成物であって、そのガラス転移温度をポリビニルアセタール自体よりも十分に低下させたもの、例えば30℃以上低下させたポリビニルアセタール組成物においても、ガラス転移温度におけるtanδの低下量を抑制し、ポリビニルアセタール自身と比較して十分に保持されたtanδの値を有するポリビニルアセタール組成物を得られることを見出した。
すなわち、本発明によれば上記の目的は、以下に記載する本発明の好適な態様によって達成される。
[1]ガラス転移温度Tgにおける正接損失がtanδであるポリビニルアセタール100質量部に対して第一の可塑剤を3〜150質量部含むポリビニルアセタール組成物であって、
該ポリビニルアセタール100質量部に対して、
ガラス転移温度TgがTg−15℃となるように該第一の可塑剤X質量部を含有させた組成物(1)のガラス転移温度Tgにおける正接損失をtanδとし、
ガラス転移温度TgがTg−25℃となるように該第一の可塑剤Y質量部を含有させた組成物(2)のガラス転移温度Tgにおける正接損失をtanδとしたときに、
下記式(1)および式(2)を満たすポリビニルアセタール組成物。
tanδ/tanδ>0.78 式(1)
tanδ/tanδ>0.68 式(2)
[2]X=3〜60である、[1]に記載のポリビニルアセタール組成物。
[3]Y=5〜100である、[1]または[2]に記載のポリビニルアセタール組成物。
[4]前記ポリビニルアセタール組成物のガラス転移温度Tgが−30〜35℃である、[1]〜[3]のいずれかに記載のポリビニルアセタール組成物。
[5]前記ポリビニルアセタール組成物は正接損失tanδ>0.75+0.022×Tgを満たす、[1]〜[4]のいずれかに記載のポリビニルアセタール組成物。
[6]前記ポリビニルアセタール組成物のガラス転移温度における正接損失tanδが1.5〜3.5である、[1]〜[5]のいずれかに記載のポリビニルアセタール組成物。
[7]第一の可塑剤が多価フェノールエーテル化合物及び多価フェノールエステル化合物からなる群から選ばれる化合物である、[1]〜[6]のいずれかに記載のポリビニルアセタール組成物。
[8]第一の可塑剤がビスフェノールエーテル化合物及びビスフェノールエステル化合物からなる群から選ばれる化合物である、[1]〜[6]のいずれかに記載のポリビニルアセタール組成物。
[9]ビスフェノールエーテル化合物から選ばれる化合物が化学式(1)に記載の化合物である、[8]に記載のポリビニルアセタール組成物。
Figure 2016188371

〔化学式(1)において、R及びRは、それぞれ互いに独立して、アルキル置換基を有していてもよいジメチレン基、アルキル置換基を有していてもよいトリメチレン基、及びアルキル置換基を有していてもよいテトラメチレン基からなる群から選ばれる基を表し、R及びRは、それぞれ互いに独立して、水素原子、アシル基、及びアルキル基からなる群から選ばれる任意の基であり、R及びRは、それぞれ互いに独立して、水素原子、及び任意の有機基からなる群から選ばれる基であり、R及びRは、それぞれ互いに独立して、存在していても存在していなくてもよい任意の置換基である。〕
[10]第一の可塑剤に含まれる化学式(1)で表される化合物のうち、m+n=2もしくは3である化合物の割合が10〜100質量%である、[9]に記載のポリビニルアセタール組成物。
[11]R及びRがメチル基である、[9]または[10]に記載のポリビニルアセタール組成物。
[12]第一の可塑剤に含まれる化合物の20〜100質量%が分子量600未満である、[9]〜[11]のいずれかに記載のポリビニルアセタール組成物。
[13]ポリビニルアセタール100質量部に対して第二の可塑剤として、j価カルボン酸1分子と1価アルコールj分子のエステル化反応で得られる化合物(j=1〜4)、及び1価カルボン酸k分子とk価アルコール1分子とのエステル化反応で得られる化合物(k=1〜4)からなる群から選ばれる1種類以上の化合物を1〜100質量部含む、[1]〜[12]のいずれかに記載のポリビニルアセタール組成物。
[14]第一の可塑剤の含有量に対する、第二の可塑剤の含有量が0.03〜40質量倍である、[13]に記載のポリビニルアセタール組成物。
[15][1]〜[14]に記載のポリビニルアセタール組成物を含むシート。
[16][15]に記載のシートからなる合わせガラス用中間膜。
[17][15]に記載のシートを少なくとも一層含む合わせガラス用多層中間膜。
[18][16]に記載の合わせガラス用中間膜又は[17]に記載の合わせガラス用多層中間膜を少なくとも二枚のガラスに挟んでなる合わせガラス。
本発明によれば、ポリビニルアセタールと可塑剤を含む組成物であって、ポリビニルアセタール自身に比べて十分に低下したガラス転移温度を有し、かつ当該組成物のガラス転移温度におけるtanδの値が、ポリビニルアセタール自身のガラス転移温度におけるtanδと比べて十分に保持されたものであるポリビニルアセタール組成物を提供できる。
また、本発明のポリビニルアセタール組成物から得られるシート、とりわけ合わせガラス用中間膜は、室温付近でのコインシデンス領域における音響透過損失の低減が抑制されたものとなり、遮音性能に優れる。
まず本発明で使用するポリビニルアセタールについて説明する。本発明で使用するポリビニルアセタールは通常、ポリビニルアルコールを原料として製造される。上記ポリビニルアルコールは従来公知の手法、すなわち酢酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル化合物を重合し、得られた重合体をけん化することによって得ることができる。カルボン酸ビニルエステル化合物を重合する方法としては、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法など、従来公知の方法を適用することができる。重合開始剤としては、重合方法に応じて、アゾ系開始剤、過酸化物系開始剤、レドックス系開始剤など適宜選択できる。けん化反応は、従来公知のアルカリ触媒または酸触媒を用いた加アルコール分解反応、加水分解反応などを適用できる。
また、前記ポリビニルアルコールは本発明の主旨に反しない限り、カルボン酸ビニルエステル化合物と他の単量体とを共重合させた共重合体をけん化したものであってもよい。他の単量体としては、例えばエチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブチレンなどのα−オレフィン;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシルなどのアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシルなどのメタクリル酸エステル;アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミン、その塩およびその4級塩、N−メチロールアクリルアミドおよびその誘導体などのアクリルアミドおよびその誘導体;メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、メタクリルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミン、その塩およびその4級塩、N−メチロールメタクリルアミドおよびその誘導体などのメタクリルアミドおよびその誘導体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテルなどのビニルエーテル;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル;塩化ビニル、フッ化ビニルなどのハロゲン化ビニル;塩化ビニリデン、フッ化ビニリデンなどのハロゲン化ビニリデン;酢酸アリル、塩化アリルなどのアリル化合物;マレイン酸エステルまたはマレイン酸無水物、ビニルトリメトキシシランなどのビニルシリル化合物;酢酸イソプロペニル、などが挙げられるがこれらに限定されない。これらの他の単量体を共重合させる場合には、通常、カルボン酸ビニルエステル化合物に対して10モル%未満の割合で用いられる。
本発明に用いられるポリビニルアセタールの原料となるポリビニルアルコールの粘度平均重合度は特に限定されず、用途に応じて適宜選択されるが、150〜4000のものが好ましく、200〜2500のものがより好ましく、1500〜2500であるものがさらに好ましい。粘度平均重合度が150未満だと、本発明の組成物の力学強度が不十分となることがあり、4000を超えると溶剤への溶解性や、溶融加工時の加工性が低下することがある。
本発明に用いられるポリビニルアセタールは、例えば次のような方法によって得ることができるが、これに限定されない。まず濃度3〜30質量%のポリビニルアルコール水溶液を、80〜100℃の温度範囲で保持した後、10〜60分かけて徐々に冷却する。温度が−10〜30℃まで低下したところで、アルデヒドおよび酸触媒を添加し、温度を一定に保ちながら、30〜300分間アセタール化反応を行う。その後反応液を30〜200分かけて20〜80℃の温度まで昇温し、30〜300分保持する。次に反応液を、必要に応じてアルカリなどの中和剤を添加して中和し、樹脂を水洗、乾燥することにより、本発明で用いるポリビニルアセタールが得られる。
アセタール化反応に用いる酸触媒としては特に限定されず、有機酸および無機酸のいずれでも使用可能であり、例えば酢酸、パラトルエンスルホン酸、硝酸、硫酸、塩酸等が挙げられる。これらの中でも塩酸、硫酸、硝酸が好ましく用いられる。
アセタール化反応に用いるアルデヒドは特に限定されないが、炭素数1〜8のアルデヒドを用いることが好ましい。炭素数1〜8のアルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−ペンチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、n−ヘプチルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、2−エチルヘキシルアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられ、これらは単独で使用されてもよく、二種以上が併用されてもよい。これらの中でも炭素数2〜5のアルデヒド、特にn−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド等炭素数4のアルデヒド、特にn−ブチルアルデヒドが入手容易であり、アセタール化反応後に残存するアルデヒドの水洗や乾燥による除去が容易で、また得られるポリビニルアセタールの取り扱い性と力学特性のバランスに優れるため、好ましく用いられる。したがって本発明で使用されるポリビニルアセタールとしては、特にポリビニルブチラールが好適である。
本発明で使用するポリビニルアセタールの平均残存水酸基量は特に限定されないが、10〜50モル%であることが好ましく、12〜42モル%であることがより好ましく、14〜35モル%であることがさらに好ましく、16〜33モル%であることが特に好ましい。平均残存水酸基量が10モル%未満であると、本発明の組成物の力学強度が不十分となったりあるいは第一の可塑剤との相溶性が低下したりすることがあり好ましくなく、またそのようなポリビニルアセタールは安価に入手することが困難である点においても好ましくない。また50モル%を超えると、本発明の組成物が吸水しやすくなったり、本発明で使用する第一の可塑剤との相溶性が低下したりすることがあり好ましくない。
本発明で使用するポリビニルアセタールの平均アセタール化度は特に限定されないが、40〜86モル%であることが好ましく、45〜84モル%であることがより好ましく、50〜82モル%であることがさらに好ましく、60〜82モル%であることが特に好ましく、68〜82モル%であることが最適である。ポリビニルアセタールの平均アセタール化度が40モル%未満となると、可塑剤化合物との相溶性が低下することがあり、86モル%を超えるものは工業的に安価に生産することが困難であり、また得られる組成物の力学強度が低下することがある。
本発明で使用するポリビニルアセタールの平均残存ビニルエステル基量は特に限定されないが、0.1〜30モル%であることが好ましく、0.1〜15モル%であることがより好ましく、0.1〜12モル%であることがさらに好ましい。平均残存ビニルエステル基量が0.1モル%未満のものは工業的に安価に生産することが困難であり、30モル%を越えるものは、長期間使用した場合に着色して外観が損なわれる可能性がある。
本発明のポリビニルアセタール組成物は、ガラス転移温度Tgにおける正接損失がtanδであるポリビニルアセタール100質量部に対して第一の可塑剤を3〜150質量部含むポリビニルアセタール組成物であって、該ポリビニルアセタール100質量部に対して、ガラス転移温度Tg1がTg−15℃となるように該第一の可塑剤X質量部を含有させた組成物(1)のガラス転移温度Tg1における正接損失をtanδとし、ガラス転移温度TgがTg−25℃となるように該第一の可塑剤Y質量部を含有させた組成物(2)のガラス転移温度Tgにおける正接損失をtanδとしたときに、下記式(1)および式(2)を満たすポリビニルアセタール組成物である。
tanδ/tanδ>0.78 式(1)
tanδ/tanδ>0.68 式(2)
前記式(1)は、本発明で使用するポリビニルアセタール100質量部に対して、ガラス転移温度TgがTg−15℃となるように該第一の可塑剤を少量、すなわちX質量部含有させた組成物(1)のガラス転移温度Tgにおける正接損失tanδが、前記ポリビニルアセタールのガラス転移温度Tgにおける正接損失tanδと比較して、0.78倍よりも高い水準に保持されていることを示している。また式(2)は、本発明で使用するポリビニルアセタール100質量部に対して、ガラス転移温度TgがTg−15℃となるように該第一の可塑剤を中量、すなわちY質量部含有させた組成物(1)のガラス転移温度Tgにおける正接損失tanδが、前記ポリビニルアセタールのガラス転移温度Tgにおける正接損失tanδと比較して、0.68倍よりも高い水準に保持されていることを示している。
本発明の組成物では、第一の可塑剤として前記規定を満たすものを使用することで、例えば合わせガラス用中間膜、とりわけ遮音性を有する合わせガラス用中間膜のような、ポリビニルアセタールおよび可塑剤を含むポリビニルアセタール組成物であって、そのガラス転移温度が前記ポリビニルアセタールに比べて十分に低下した組成物、例えば30〜90℃、好ましくは35〜85℃、より好ましくは40〜80℃、さらに好ましくは50〜80℃低下した組成物であっても、そのガラス転移温度における正接損失が高い水準に保持されるため好適である。その観点では式(1)において、tanδ/tanδは0.80より大きいことが好ましく、0.85より大きいことがより好ましく、0.90より大きいことがさらに好ましく、0.93より大きいことが最適であり、また式(2)において、tanδ/tanδは0.70より大きいことが好ましく、0.75より大きいことがより好ましく、0.8より大きいことがさらに好ましく、0.85より大きいことが特に好ましく、0.90より大きいことが最適である。式(1)におけるtanδ/tanδは、通常は2以下であり、ある場合には1.5以下、別の場合には1.2以下、更に別の場合には1以下である。また式(2)におけるtanδ/tanδは、通常は2以下であり、ある場合には1.5以下、別の場合には1.2以下、更に別の場合には1以下である。なお本発明においてX、Yの値は、ポリビニルアセタール100質量部に対して第一の可塑剤の添加量を変更した組成物、例えば10〜100質量部の範囲内で異なる可塑剤量の組成物を複数種類作製し、それらのガラス転移温度を測定し、ガラス転移温度がそれぞれTg=Tg−15(℃)、Tg=Tg−25(℃)となる組成物における第一の可塑剤の添加量を求めることで決定される。
なお前記Xは任意の正数であるが、3〜60であることが好ましく、5〜55であることがより好ましく、7〜45であることがさらに好ましく、10〜40であることが特に好ましく、15〜35であることが最適である。また前記Yは任意の正数であるが、5〜100であることが好ましく、7〜90であることがより好ましく、10〜80であることがさらに好ましく、15〜70であることが特に好ましく、20〜50であることが最適である。Xが3未満である、またはYが5未満であると、本発明の組成物を高温で溶融させて成形する際の溶融粘度が高くなりすぎ、取り扱い性が悪くなることがあり、 Xが60を超える、またはYが100を超えると、本発明の組成物を例えば合わせガラス用中間膜、特に遮音性合わせガラス用中間膜のような、ガラス転移温度を大きく低下させて使用する場合に、第一の可塑剤の添加量が著しく多くなりすぎ、本発明の組成物から第一の可塑剤、またはその他任意に添加される成分がブリードすることがある。
本発明のポリビニルアセタール組成物のガラス転移温度Tgは特に限定されないが、合わせガラス用中間膜として使用する場合には、−30〜35℃であることが好ましく、−20〜33℃であることがより好ましく、−10〜30℃であることがさらに好ましい。また遮音性の合わせガラス用中間膜に使用する場合には、−30〜20℃であることが好ましく、−30〜18℃であることがより好ましく、−30〜15℃であることがさらに好ましく、−30〜10℃であることが特に好ましく、−30〜8℃であることが最適である。ガラス転移温度Tgを前記温度範囲にすることで、合わせガラス用中間膜としての耐衝撃性に優れ、また遮音性も発現するため好適である。
本発明のポリビニルアセタール組成物を例えば遮音性合わせガラス用中間膜として使用する場合、ガラス転移温度Tgにおける正接損失は1.5〜3.5であることが好ましく、1.6〜3.5であることがより好ましく、1.7〜3.5であることがさらに好ましく、1.8〜3.5であることが特に好ましく、1.9〜3.5であることが最適である。ガラス転移温度Tgにおける正接損失を前記範囲にすることで、本発明の組成物を合わせガラス用中間膜として使用した場合に、特に優れた遮音性能を発現する。
また本発明のポリビニルアセタール組成物を遮音性合わせガラス用中間膜として使用する場合、優れた遮音性能を発現させる観点では、本発明のポリビニルアセタール組成物のガラス転移温度をTgとした場合、本発明の組成物の正接損失tanδが、下記式(3)を満たすものであることが好ましい。
tanδ>0.75+0.022×Tg (3)
本発明において、ポリビニルアセタール、及び特定量の第一の可塑剤を含む組成物が前記規定を満たすものであれば、使用する第一の可塑剤の種類は特に限定されないが、ポリビニルアセタールとの相溶性、ポリビニルアセタールへの可塑化効果に優れ、またガラス転移温度を十分に低下させた場合であっても保持されたtanδの値を有する点で、多価フェノールエーテル化合物(分子内に2つ以上のフェノールエーテル結合を有する化合物)、多価フェノールエステル化合物(分子内に2つ以上のフェノールエステル結合を有する化合物)から選ばれる化合物が好ましく、これらの中でも特にビスフェノールエーテル化合物、ビスフェノールエステル化合物から選ばれる化合物であることが好ましく、ビスフェノールエーテル化合物がより好ましい。次にビスフェノールエーテル化合物、ビスフェノールエステル化合物について説明する。
本発明で第一の可塑剤として使用するビスフェノールエーテル化合物としては、ビスフェノール化合物が有する2つのフェノール性水酸基が、それぞれアルコール化合物が有する水酸基との間で脱水縮合してエーテル結合を形成している化合物と同じ化学構造を有する化合物を挙げることができ、そのような化合物であれば、その製造方法は限定されず、例えばビスフェノール化合物とアルコール化合物との脱水縮合で得られるものでもよいし、ビスフェノール化合物のフェノール性水酸基にエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドなどのアルキレンオキシド化合物を付加反応、付加重合反応させて得られる化合物でもよい。また第一の可塑剤として使用するビスフェノールエステル化合物としては、ビスフェノール化合物が有する2つの水酸基が、それぞれカルボン酸化合物が有するカルボキシル基との間で脱水縮合してエステル結合を形成している化合物と同じ化学構造を有する化合物を挙げることができ、そのような化合物であれば、その製造方法は特に限定されない。
ビスフェノール化合物としては従来公知のビスフェノール化合物が挙げられ、例えばビスフェノールA(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン)、ビスフェノールB(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン)、ビスフェノールF(ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン)、ビスフェノールAP(1,1、−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン)、ビスフェノールAF(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン)、ビスフェノールBP(ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン)、ビスフェノールC(2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン)、ビスフェノールC(ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−ジクロロエチレン)、ビスフェノールE(1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン)、ビスフェノールG(2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパン)、ビスフェノールM(1,3−ビス(2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル)ベンゼン)、ビスフェノールS(ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン)、ビスフェノールP(1,4−ビス(2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル)ベンゼン)、ビスフェノールPH(5,5‘−(1−メチルエチリデン)−ビス(1,1’−(ビスフェニル)−2−オール)プロパン)、ビスフェノールTMC(1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン)、ビスフェノールZ(1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン)などが挙げられるがこれらに限定されない。これらのうちビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールBが、得られる組成物のガラス転移温度を十分に低下させた場合であっても保持されたtanδの値を有する点で好ましい。
本発明で使用する第一の可塑剤がビスフェノールエーテル化合物、ビスフェノールエステル化合物から選ばれる化合物であるとき、特にビスフェノールエーテル化合物であることが好ましく、ビスフェノールエーテル化合物としては、とりわけ化学式(1)に記載の化合物であることが、ポリビニルアセタールとの相溶性、ポリビニルアセタールへの可塑化効果、またガラス転移温度を十分に低下させた場合であっても保持されたtanδの値を有する点で好ましいので次にこれを説明する。
Figure 2016188371
〔化学式(1)においてR及びRはそれぞれ互いに独立してアルキル置換基を有していてもよいジメチレン基、アルキル置換基を有していてもよいトリメチレン基、及びアルキル置換基を有していてもよいテトラメチレン基から選ばれる基を表す。R及びRは、それぞれ互いに独立して水素原子、アシル基、及びアルキル基から選ばれる基であり、R及びRは、それぞれ互いに独立して水素原子、有機基から選ばれる基であり、またR及びRは、それぞれ互いに独立して存在していても存在していなくてもよい任意の置換基である。〕
化学式(1)において、R及びRは、それぞれ互いに独立して、アルキル置換基を有していてもよいジメチレン基、アルキル置換基を有していてもよいトリメチレン基、アルキル置換基を有していてもよいテトラメチレン基から選ばれる基を表す。ジメチレン基とは−CH−CH−で表される基であり、アルキル置換基を有していてもよいジメチレン基とは、ジメチレン基、アルキル置換基を有するジメチレン基から選ばれる基であり、アルキル置換基を有するジメチレン基とは、ジメチレン基に含まれる任意の水素原子1個以上、好ましくは1個をアルキル基、より好ましくは炭素数1〜20のアルキル基、さらに好ましくはメチル基で置換したジメチレン基を表す。トリメチレン基とは−CH−CH−CH−で表される基であり、アルキル置換基を有していてもよいトリメチレン基とは、トリメチレン基、アルキル置換基を有するトリメチレン基から選ばれる基であり、アルキル置換基を有するトリメチレン基とは、トリメチレン基に含まれる任意の水素原子1個以上、好ましくは1個をアルキル基、より好ましくは炭素数1〜20のアルキル基、更に好ましくはメチル基で置換したトリメチレン基を表す。テトラメチレン基とは−CH−CH−CH−CH−で表される基であり、アルキル置換基を有していてもよいテトラメチレン基とは、テトラメチレン基、アルキル置換基を有するテトラメチレン基から選ばれる基であり、アルキル置換基を有するテトラメチレン基とは、テトラメチレン基に含まれる任意の水素原子1個以上、好ましくは1個をアルキル基、より好ましくは炭素数1〜20のアルキル基、さらに好ましくはメチル基で置換したテトラメチレン基を表す。これらの中でも特にアルキル置換基を有していてもよいジメチレン基が好ましく、ジメチレン基、メチル置換基を1個有するジメチレン基すなわち−CH−CH(−CH)−が、本発明で使用する第一の可塑剤に含まれる化学式(1)の構造を有する化合物が含有するRとRの合計量の50〜100モル%をジメチレン基、メチル置換基を1個有するジメチレン基から選ばれる基とする観点で好ましい。
ビスフェノールエーテル化合物から選ばれる化合物に含まれるR及びRは本発明の主旨に反しない限り限定されないが、第一の可塑剤に含まれる化学式(1)の構造を有する化合物が含有するRとRの合計量の50〜100モル%、好ましくは70〜100モル%、より好ましくは90〜100モル%がジメチレン基、メチル置換基を1個有するジメチレン基から選ばれる基であることが、第一の可塑剤とポリビニルアセタールとの相溶性、第一の可塑剤のポリビニルアセタールへの可塑化効果、また本発明の組成物において、ガラス転移温度を十分に低下させた場合であっても保持されたtanδの値を有する観点から好ましい。
及びRは、それぞれ互いに独立して、水素原子、アシル基、アルキル基から選ばれる基である。アシル基としては炭素数2〜20のアシル基が好ましく、2〜8のアシル基がより好ましい。例えばアセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、3−ペンチルカルボニル基、3−ヘプチルカルボニル基などが挙げられる。アルキル基としては炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基がより好ましい。例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基(2−エチルヘキシル基などの分岐した基を含む)などが挙げられる。これらのアルキル基は直鎖状でも分岐状でもよい。R及びRは、それぞれ互いに独立して、これらの中から任意に選択可能であるが、本発明の組成物において第一の可塑剤とポリビニルアセタールとの相溶性をより高くする観点では、RとRの合計量の5〜100モル%が水素原子であることが好ましく、10〜100質量%が水素原子であることがより好ましく、30〜100質量%が水素原子であることがさらに好ましく、50〜100質量%が水素原子であることがいっそう好ましく、80〜100質量%が水素原子であることが特に好ましく、90〜100質量%が水素原子であることが最適である。
及びRは、それぞれ互いに独立して、水素原子、有機基から選ばれる基であり、またR、Rが直接結合し、環状の構造を形成しているものでもかまわないが、第一の可塑剤の可塑化効果の観点からは環状の構造を形成していないものであることが好ましい。有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、トリフルオロメチル基などの脂肪族基;フェニル基などの芳香族基などが挙げられる。これらの中でもR及びRとしては特にメチル基が、化学式(1)で示される化合物が安価に入手可能であり、また本発明の組成物のガラス転移温度を十分に低下させつつ、保持されたtanδを有する点で好ましい。
化学式(1)において、R及びRは、それぞれ互いに独立して、存在していても存在していなくてもよい任意の置換基である。R、Rが存在する場合、芳香環上におけるその結合位置や数は限定されず、2つ以上の基が存在する場合にはそれらは互いに同一であっても異なっていてもよい。R及びRを具体的に例示すると、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基などの脂肪族基;フェニル基などの芳香族基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子が挙げられるがこれらに限定されない。
m、nは任意の自然数であるが、ポリビニルアセタールとの相溶性、ポリビニルアセタールへの可塑化効果、またガラス転移温度を十分に低下させた場合であっても保持されたtanδの値を有する観点で、第一の可塑剤に含まれる、化学式(1)で表される化合物1分子あたりの(m+n)の平均は2〜10であることが好ましく、2〜8であることがより好ましく、2〜6であることがさらに好ましく、2〜5であることが特に好ましく、2〜4であることが最適である。
また第一の可塑剤に含まれる化学式(1)で表される化合物のうち、m+n=2もしくは3である化合物の割合は10〜100質量%が好ましく、30〜100質量%であることがより好ましく、50〜100質量%であることがさらに好ましい。m+n=2もしくは3である化合物の割合が前記範囲を満たすことで、第一の可塑剤とポリビニルアセタールとの相溶性、第一の可塑剤のポリビニルアセタールへの可塑化効果にさらに優れ、また本発明の組成物のガラス転移温度を低下させつつ、tanδの値を高いものとすることができるので好適である。
さらに第一の可塑剤の取り扱い性の観点、また第一の可塑剤のポリビニルアセタールに対する可塑化効果の観点では、化学式(1)で表される化合物に占めるm+n=2である化合物の割合は0〜80質量%であることが好ましく、0〜70質量%であることがより好ましく、0〜60質量%であることがさらに好ましく、0〜50質量%であることが特に好ましく、1〜48質量%であることがとりわけ好ましい。
本発明で使用する第一の可塑剤の水酸基価は特に限定されないが、150〜400mgKOH/gとすることが好ましく、200〜350mgKOH/gとすることがより好ましい。第一の可塑剤の水酸基価を前記範囲とすることで、第一の可塑剤とポリビニルアセタールとの相溶性を高いものとする観点で好適であり、とりわけ本発明の組成物を5℃以下など低温で使用、保管した場合に可塑剤のブリードを抑制できるので好適である。
第一の可塑剤に含まれる化合物の分子量は特に限定されないが、第一の可塑剤とポリビニルアセタールとの相溶性、ポリビニルアセタールへの可塑化効果、またガラス転移温度を十分に低下させた場合であっても保持されたtanδの値を有する点で、第一の可塑剤に含まれる化合物の20〜100質量%が分子量600未満であることが好ましく、30〜100質量%が分子量600未満であることがより好ましく、50〜100質量%が分子量600未満であることがさらに好ましく、70〜100質量%が分子量600未満であることが特に好ましい。また第一の可塑剤に含まれる化合物の20〜100質量%が分子量550未満であることがより好ましく、20〜100質量%が分子量500未満であることがさらに好ましく、20〜100質量%が450未満であることが特に好ましい。
本発明のポリビニルアセタール組成物におけるこのような第一の可塑剤の含有量は、ポリビニルアセタールとの相溶性の点、及び、ポリビニルアセタールに所望のガラス転移温度Tgと正接損失tanδを付与する等の点から、ガラス転移温度Tgにおける正接損失がtanδであるポリビニルアセタール100質量部に対して3質量部以上であり、10質量部以上であることが好ましく、20質量部以上であることがより好ましく、30質量部以上であることがさらに好ましく、40質量部以上であることがいっそう好ましく、50質量部以上であることが特に好ましく、60質量部以上であることが最も好ましい。また、第一の可塑剤の含有量はポリビニルアセタール100質量部に対して150質量部以下であり、140質量部以下であることが好ましく、130質量部以下であることがさらに好ましく、120質量部以下であることが特に好ましい。
本発明のポリビニルアセタール組成物は、ポリビニルアセタールへ更なる可塑化効果を付与する等の目的で、単独で添加した場合に、上記式(1)および(2)のいずれか又は両方を満たさない種類の可塑剤(以下、第二の可塑剤と称する)を含んでいてもよい。第二の可塑剤を含む場合、ポリビニルアセタール100質量部に対して1〜100質量部含むことが好ましく、3〜70質量部含むことがより好ましく、5〜60質量部含むことがさらに好ましく、10〜50質量部含むことが特に好ましい。1質量部未満では第二の可塑剤を含むことによる効果が発現せず、100質量部を超えると、本発明の組成物から第一の可塑剤、第二の可塑剤がブリードすることがある。第二の可塑剤を含む場合、第一の可塑剤と第二の可塑剤の混合物の状態で上記式(1)と(2)を満たすように、種類および添加率を選択することが好ましい。なお第二の可塑剤を使用する場合、第一の可塑剤と第二の可塑剤を本発明の組成物に用いる比率で混合した場合に、23℃において均一に混合していることが、本発明で使用する可塑剤の取り扱い性の観点、すなわちポリビニルアセタールと可塑剤を混合する際に、これらの比率を適切に調節する観点で好適である。
本発明の組成物に第二の可塑剤を添加する場合、得られる組成物のガラス転移温度を低下させつつ、ガラス転移温度における正接損失を高い水準に保持する観点で、第一の可塑剤の含有量に対する、第二の可塑剤の含有量の割合は0.03〜40質量倍であることが好ましく、0.05〜20質量倍であることがより好ましく、0.08〜15質量倍であることがさらに好ましく、0.1〜10質量倍であることが特に好ましく、0.2〜5質量倍であることがとりわけ好適である。
本発明において使用する第二の可塑剤は、ポリビニルアセタールとの相溶性、ポリビニルアセタールへの可塑化効果に優れるものであれば特に限定されず、例えば従来公知のポリビニルアセタール用可塑剤が使用されるが、これらの中でも特にj価カルボン酸1分子と1価アルコールj分子のエステル化反応で得られる化合物(j=1〜4)、1価カルボン酸k分子とk価アルコール1分子とのエステル化反応で得られる化合物(k=1〜4)から選ばれる1種類以上の化合物が好適に使用される。
j価カルボン酸1分子と1価アルコールj分子のエステル化反応で得られる化合物(j=1〜4)を具体的に例示するとアジピン酸ジヘキシル、アジピン酸ジ2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ(ブトキシエチル)、アジピン酸ジ(ブトキシエトキシエチル)、アジピン酸ジノニル、セバシン酸ブチル、セバシン酸ヘキシル、セバシン酸ジ(ブトキシエチル)、シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニルエステル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジ2−エチルヘキシル、トリメット酸トリ2−エチルヘキシルなどが挙げられるが、これらに限定されない。また1価カルボン酸k分子とk価アルコール1分子とのエステル価反応で得られる化合物(k=1〜4)を具体的に例示すると、トリエチレングリコールジ2−エチルブタノエート、トリエチレングリコールジ2−エチルヘキサノエート、トリエチレングリコールジノネート、テトラエチレングリコールジ2−エチルブチレート、テトラエチレングリコールジ2−エチルヘキサノエート、グリセリントリブチル、グリセリントリヘキシル、グリセリントリ(ブトキシエチル)、グリセリントリ2−エチルヘキシルなどが上げられるがこれらに限定されない。これらの中でも特にトリエチレングリコールジ2−エチルヘキサノエートが、ポリビニルアセタールとの相溶性とポリビニルアセタールへの可塑化効果に特に優れるので好適である。
本発明の組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、従来公知の更なる可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、その他添加剤を含んでいてもよい。
本発明の組成物を合わせガラス用中間膜など、ガラスとの接着性を適切に調節して使用する用途に用いる場合、接着性改良剤(接着性調整剤)を添加してもよい。接着性改良剤としては酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸マグネシウム、酪酸マグネシウムなどのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩といった、従来公知の接着性改良剤を使用できる。その添加量も特に限定されず、例えばパンメル試験により得られるパンメル値が目的に応じた値になるように添加量を調節することができる。
本発明のポリビニルアセタール組成物は、ポリビニルアセタール、第一の可塑剤、その他成分を従来公知の方法で混合することにより得られる。混合方法としては、例えばミキシングロール、プラストミル、押し出し機などを用いた溶融混練、あるいは各成分を適当な有機溶剤に溶解した後、溶剤を留去する方法などが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明のポリビニルアセタール組成物を成形(例えば押出成形、プレス成形など)して得られるシートは、特に合わせガラス用中間膜用途に好適に使用される。とりわけ遮音性合わせガラス用中間膜として好適に使用され、これらも本発明の範囲に含まれるものである。
本発明のシートを少なくとも一層および熱可塑性樹脂を含有する他の層を少なくとも一層有する合わせガラス用多層中間膜も好適である。熱可塑性樹脂を含有する他の層は、熱可塑性樹脂としてポリビニルアセタールまたはその他樹脂を含有するものであってもよいし、可塑剤を含有するものであってもよい。可塑剤は、本発明のポリビニルアセタール組成物に含有される第一の可塑剤であってもよいし第二の可塑剤であってもよい。少なくとも一層の前記本発明のシートおよび/または少なくとも一層の前記他の層は、本発明の目的を阻害しない限り、第一の可塑剤と第二の可塑剤のうち一方または両方を複数含有してもよい。
本発明のシートの厚さは特に限定されないが、通常、その下限は0.005mm、好ましくは0.01mm、より好ましくは0.02mm、さらに好ましくは0.04mm、特に好ましくは0.07mm、いっそう好ましくは0.1mm、特別好ましくは0.15mm、最適には0.2mmである。またその上限は5mm、好ましくは4mm、より好ましくは2mm、さらに好ましくは1.6mm、特に好ましくは1.2mm、いっそう好ましくは1.1mm、特別好ましくは1mm、最適には0.79mmである。また本発明のあわせガラス用多層中間膜の厚さは、通常、その下限は0.1mm、好ましくは0.2mm、より好ましくは0.3mm、さらに好ましくは0.4mm、特に好ましくは0.5mm、いっそう好ましくは0.6mm、特別好ましくは0.7mm、最適には0.75mmである。またその上限は5mm、好ましくは4mm、より好ましくは2mm、さらに好ましくは1.6mm、特に好ましくは1.2mm、いっそう好ましくは1.1mm、特別好ましくは1mm、最適には0.79mmである。
本発明の合わせガラス用中間膜又は合わせガラス用多層膜と積層させるガラスは特に限定されず、フロート板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、網入り板ガラス、熱線吸収板ガラスなどの無機ガラスのほか、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネートなどの従来公知の有機ガラス等を制限なく使用できる。これらは無色または有色のいずれであってもよい。これらは一種を使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、ガラスの厚みは特に限定されないが、通常、100mm以下であることが好ましい。
本発明の合わせガラス用中間膜又は合わせガラス用多層中間膜の表面の形状は特に限定されないが、凹凸構造を形成させたものであると、合わせガラス用中間膜又は合わせガラス用多層中間膜とガラスとを熱圧着する際の泡抜け性に優れるため好ましい。
本発明の合わせガラス用中間膜又は合わせガラス用多層中間膜を二枚のガラスに挟んでなる合わせガラスもまた、本発明を構成する。かかる合わせガラスは従来公知の方法で製造できる。例えば真空ラミネーター装置を用いる方法、真空バッグを用いる方法、真空リングを用いる方法、ニップロールを用いる方法等が挙げられる。また上記方法により仮圧着した後に、オートクレーブに投入して本接着する方法も挙げられる。また、三枚以上のガラスを合わせガラスに使用する場合、ガラスとガラスとの間にそれぞれ本発明の中間膜または多層中間膜を配置できる。
以下に、実施例等により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されない。
(製造例1)
還流冷却器、温度計、イカリ型攪拌翼を備えた5リットルガラス容器に、イオン交換水4000g、ポリビニルアルコール(粘度平均重合度1700、けん化度99モル%)400gを仕込み、95℃に昇温してポリビニルアルコールを完全に溶解させた。得られた溶液を120rpmで攪拌下、10℃まで約30分かけて徐々に冷却後、ブチルアルデヒド228gおよび20%塩酸水溶液200mLを添加した。その後、60分かけて70℃まで昇温し、70℃にて100分間保持した後、室温まで冷却した。得られた樹脂をイオン交換水で洗浄後、水酸化ナトリウム水溶液を添加して残存する酸を中和し、さらに過剰のイオン交換水で洗浄、乾燥してポリビニルブチラール(PVB−1)を得た。PVB−1をJIS K6728に従って分析したところ、平均ブチラール化度(平均アセタール化度)は69モル%、平均残存ビニルエステル基量は1モル%であり、平均残存水酸基量は30モル%であった。
(製造例2)
製造例1において、ブチルアルデヒドの使用量を250gに変更した以外は同様にしてポリビニルブチラール(PVB−2)を得た。PVB−2をJIS K6728に従って分析したところ、平均ブチラール化度は75モル%、平均残存ビニルエステル基量は1モル%であり、平均残存水酸基量は24モル%であった。
(製造例3)
製造例1において、ポリビニルアルコールを粘度平均重合度2400、けん化度92モル%400gに変更し、またブチルアルデヒドの使用量を231gに変更した以外は同様にしてポリビニルブチラール(PVB−3)を得た。PVB−3をJIS K6728に従って分析したところ、平均ブチラール化度(平均アセタール化度)は74モル%、ビニルエステル単位の含有量は7モル%であり、平均残存水酸基量は19モル%であった。
(動的粘弾性によるガラス転移温度、ガラス転移温度における正接損失の測定)
PVB−1を熱プレス機を使用して180℃、100kgf/cmでプレスして、厚さ0.8mmのシートを得た。これを幅3mmに切断し、動的粘弾性装置(株式会社ユービーエム製Rheogel−E4000)を使用し、−10から100℃まで、1℃/分で昇温しながら、チャック間距離20mm、周波数0.3Hz、変位75.9μm、自動静荷重26g、引張モードで分析し、正接損失(=損失弾性率/貯蔵弾性率)が最大になる温度をガラス転移温度とし、またガラス転移温度における正接損失の値を求めたところ、ガラス転移温度(PVB−1のTg)は70℃、ガラス転移温度における正接損失(PVB−1のtanδ)は2.35であった。
(第一の可塑剤−1の評価)
PVB−1と第一の可塑剤−1(化学式(1)に記載の化合物からなる。表2を参照)をラボプラストミルで150℃、60rpm、5分溶融混錬し、ガラス転移温度が55℃(=Tg=Tg−15℃)である組成物(PVB−1と第一の可塑剤を100:22の質量比で混合。すなわちX=22)、またガラス転移温度が45℃(=Tg=Tg−25℃)である組成物(PVB−1と第一の可塑剤を100:38の質量比で混合。すなわちY=38)を作製した。これら組成物の動的粘弾性を前記PVB−1の測定と同様の方法で測定したところ、TgおよびTgにおける正接損失tanδおよびtanδは、それぞれ2.27および2.18であり、tanδ/tanδ=0.97、tanδ/tanδ=0.93であった。なおガラス転移温度、正接損失は、前記PVB−1と同様に評価した。結果を表3に示す。
(第一の可塑剤−2〜第一の可塑剤−6、その他可塑剤の評価)
第一の可塑剤−1と同様に第一の可塑剤−2〜第一の可塑剤−6、また表2に記載の可塑剤、すなわちトリエチレングリコールジ2−エチルヘキサノエート、トリエチレングリコールジ2−エチルブチレート、ジヘキシルアジペート、ビス(2−(2−ブトキシエトキシ)エチル)アジペート、ひまし油、ポリエステルジオール(アジピン酸と3−メチル−1,5−ペンタンジオールとの交互共重合体からなるジオール、水酸基価=140mgKOH/g)、ペンタエチレングリコールモノ(ノニルフェニル)エーテルのTgにおけるtanδおよびTgにおけるtanδを求めた。なお第一の可塑剤2〜5は化学式(1)に記載の化合物からなり(表2参照)、第一の可塑剤−6はビスフェノールAジアセテートである。また第一の可塑剤−1、トリエチレングリコールジ2−エチルヘキサノエートについては、PVB−2およびPVB−3との組み合わせについてもTgにおけるtanδ、Tgにおけるtanδをそれぞれ求めた。結果を表3に示す。
(実施例1)
PVB−1を100質量部、第一の可塑剤−1を100質量部、酸化防止剤としてBHT(2,6−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシトルエン)を0.08質量部、紫外線吸収剤としてチヌビン328を0.15質量部用意し、ビーカー内で撹拌して粗混合した後、ラボプラストミルで溶融混練(150℃、5分)して、ポリビニルアセタール組成物−1を得た。組成物−1を120℃、50kg/cm、30分プレスして厚さ0.8mmのシート−1を作製した。シート−1を厚さ3mmのフロートガラス2枚に挟み、ニップロールで仮接着後、オートクレーブ中で140℃、1.2MPa、30分処理して合わせガラス−1を得た。組成物−1の組成を表4に示す。
(ガラス転移温度、正接損失の測定)
前記シート−1を幅3mmに切断し、前記PVB−1の測定と同様の方法により動的粘弾性によりガラス転移温度Tgと正接損失tanδを測定したところ、ガラス転移温度は25.1℃、tanδは2.18であった。評価結果を表5に示す。
(合わせガラスの透明性評価)
合わせガラス−1のヘイズを評価したところ、0.5%であった。結果を表5に示す。
(低温ブリード試験)
シート−1を含水率0.5質量%に調湿した後、5℃で1週間処理した。シート−1表面をティッシュペーパーで軽くふき取り、ティッシュペーパーに可塑剤が付着していた場合はブリード有り、付着していなかった場合はブリード無しとして評価したところ、ブリード無しであった。
(実施例2〜16、比較例1〜9)
PVBの種類、第一の可塑剤の種類、量、第二の可塑剤の種類、量を表4に記載のとおり変更した以外は実施例1と同様にしてポリビニルアセタール組成物−2〜16、シート−2〜16、合わせガラス−2〜16および比較ポリビニルアセタール組成物−1〜9、比較シート−1〜9、比較合わせガラス1〜9を作製し、評価した。結果を表5に示す。なお実施例2、3、5、6、12、13、15、16については、次に記載する方法により、第一の可塑剤と第二の可塑剤の相溶性を評価した。
(第一の可塑剤と第二の可塑剤の相溶性評価)
第一の可塑剤と第二の可塑剤を、本発明の組成物に含まれる割合で混合し、23℃で24時間攪拌した。得られた混合物を目視で確認し、均一に相溶しているものを相溶とし、均一に相溶していないものを非相溶として評価した。ここで、第一の可塑剤と第二の可塑剤が「均一に相溶」しているか否かは、目視により、第一の可塑剤および/または第二の可塑剤の析出、混合物における相分離の有無、濁りの有無を観察することにより判断した。結果を表5に示す。
Figure 2016188371
Figure 2016188371
Figure 2016188371
Figure 2016188371
Figure 2016188371

Claims (18)

  1. ガラス転移温度Tgにおける正接損失がtanδであるポリビニルアセタール100質量部に対して第一の可塑剤を3〜150質量部含むポリビニルアセタール組成物であって、
    該ポリビニルアセタール100質量部に対して、
    ガラス転移温度TgがTg−15℃となるように該第一の可塑剤X質量部を含有させた組成物(1)のガラス転移温度Tgにおける正接損失をtanδとし、
    ガラス転移温度TgがTg−25℃となるように該第一の可塑剤Y質量部を含有させた組成物(2)のガラス転移温度Tgにおける正接損失をtanδとしたときに、
    下記式(1)および式(2)を満たすポリビニルアセタール組成物。
    tanδ/tanδ>0.78 式(1)
    tanδ/tanδ>0.68 式(2)
  2. X=3〜60である、請求項1に記載のポリビニルアセタール組成物。
  3. Y=5〜100である、請求項1または2に記載のポリビニルアセタール組成物。
  4. 前記ポリビニルアセタール組成物のガラス転移温度Tgが−30〜35℃である、請求項1〜3のいずれかに記載のポリビニルアセタール組成物。
  5. 前記ポリビニルアセタール組成物は正接損失tanδ>0.75+0.022×Tgを満たす、請求項1〜4のいずれかに記載のポリビニルアセタール組成物。
  6. 前記ポリビニルアセタール組成物のガラス転移温度における正接損失tanδが1.5〜3.5である、請求項1〜5のいずれかに記載のポリビニルアセタール組成物。
  7. 第一の可塑剤が多価フェノールエーテル化合物及び多価フェノールエステル化合物からなる群から選ばれる化合物である、請求項1〜6のいずれかに記載のポリビニルアセタール組成物。
  8. 第一の可塑剤がビスフェノールエーテル化合物及びビスフェノールエステル化合物からなる群から選ばれる化合物である、請求項1〜6のいずれかに記載のポリビニルアセタール組成物。
  9. ビスフェノールエーテル化合物から選ばれる化合物が化学式(1)に記載の化合物である、請求項8に記載のポリビニルアセタール組成物。
    Figure 2016188371

    〔化学式(1)において、R及びRは、それぞれ互いに独立して、アルキル置換基を有していてもよいジメチレン基、アルキル置換基を有していてもよいトリメチレン基、及びアルキル置換基を有していてもよいテトラメチレン基からなる群から選ばれる基を表し、R及びRは、それぞれ互いに独立して、水素原子、アシル基、及びアルキル基からなる群から選ばれる任意の基であり、R及びRは、それぞれ互いに独立して、水素原子、及び任意の有機基からなる群から選ばれる基であり、R及びRは、それぞれ互いに独立して、存在していても存在していなくてもよい任意の置換基である。〕
  10. 第一の可塑剤に含まれる化学式(1)で表される化合物のうち、m+n=2もしくは3である化合物の割合が10〜100質量%である、請求項9に記載のポリビニルアセタール組成物。
  11. 及びRがメチル基である、請求項9または10に記載のポリビニルアセタール組成物。
  12. 第一の可塑剤に含まれる化合物の20〜100質量%が分子量600未満である、請求項9〜11のいずれかに記載のポリビニルアセタール組成物。
  13. ポリビニルアセタール100質量部に対して第二の可塑剤として、j価カルボン酸1分子と1価アルコールj分子のエステル化反応で得られる化合物(j=1〜4)、及び1価カルボン酸k分子とk価アルコール1分子とのエステル化反応で得られる化合物(k=1〜4)からなる群から選ばれる1種類以上の化合物を1〜100質量部含む、請求項1〜12のいずれかに記載のポリビニルアセタール組成物。
  14. 第一の可塑剤の含有量に対する、第二の可塑剤の含有量が0.03〜40質量倍である、請求項13に記載のポリビニルアセタール組成物。
  15. 請求項1〜14のいずれかに記載のポリビニルアセタール組成物を含むシート。
  16. 請求項15に記載のシートからなる合わせガラス用中間膜。
  17. 請求項15に記載のシートを少なくとも一層含む合わせガラス用多層中間膜。
  18. 請求項16に記載の合わせガラス用中間膜又は請求項17に記載の合わせガラス用多層中間膜を少なくとも二枚のガラスに挟んでなる合わせガラス。
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