JP3377848B2 - 合わせガラス用中間膜及びそれを用いた合わせガラス - Google Patents

合わせガラス用中間膜及びそれを用いた合わせガラス

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JP3377848B2
JP3377848B2 JP00042894A JP42894A JP3377848B2 JP 3377848 B2 JP3377848 B2 JP 3377848B2 JP 00042894 A JP00042894 A JP 00042894A JP 42894 A JP42894 A JP 42894A JP 3377848 B2 JP3377848 B2 JP 3377848B2
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  • Securing Of Glass Panes Or The Like (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、遮音性の優れた合わ
せガラス用中間膜及びそれを用いた合わせガラスに関す
る。
【0002】
【従来の技術】二枚の透明なガラス板の間に、可塑化ポ
リビニルブチラール樹脂からなる中間膜を接着させた合
わせガラスは、例えば、自動車や建築物の窓ガラスに広
く使用されている。
【0003】この種の合わせガラスは、破損時にガラス
破片が飛散しなくて安全性に優れているが、遮音性が劣
る。特に、周波数2000Hz付近の中高音域におい
て、コインシデンス効果によって音響透過損失量が低下
して遮音性が低下する。
【0004】コインシデンス効果とは、ガラスに音波が
入射したとき、ガラスの剛性と慣性によってガラス面上
を横波が伝導し、この横波と入射音とが共鳴し、音の透
過が起こる現象である。
【0005】遮音性に対する要求は最近ますます高ま
り、特に、建築用窓ガラスには、破損時にガラス破片が
飛散しなくて安全性に優れているほか、優れた遮音性能
を発揮するものが要求されている。
【0006】このような遮音性合わせガラス用中間膜及
び合わせガラスとして、二種の可塑化ポリビニルアセタ
ール樹脂膜を用い、これを積層して構成した少なくとも
二層の遮音性合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラ
スが提案されている(特開平4−254444号公報参
照)。
【0007】ここで、一方の樹脂膜は、ポリビニルアル
コールを炭素数6〜10のアルデヒドでアセタール化し
て得られるポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とからな
るものである。また、他方の樹脂膜は、ポリビニルアル
コールを炭素数1〜4のアルデヒドでアセタール化して
得られるポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とからなる
ものである。
【0008】この場合、ポリビニルアルコールは、いず
れも、鹸化度が95モル%以上(実施例では98.9モ
ル%及び99.2モル%)のものが用いられ、また可塑
剤は、いずれも、樹脂100重量部に対して30〜55
重量部程度(実施例では40重量部)配合される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このような遮音性合わ
せガラス用中間膜及び合わせガラスによれば、破損時に
ガラス破片が飛散しなくて安全性に優れ、しかもコイン
シデンス効果による遮音性の低下が防止され、遮音性能
が改善される。
【0010】しかし、ポリビニルアセタール樹脂に対す
る可塑剤の相溶性の違いにより、樹脂膜Bから樹脂膜A
へ可塑剤が経時的に移行し、また可塑剤が樹脂膜の表面
や界面にブリードし、その結果、樹脂膜の接着性が低下
したりすることがある。この点でまだ充分に満足のいく
ものではなく、改善すべき問題がある。
【0011】この発明は、上記の問題を解決するもの
で、その目的とするところは、破損時にガラス破片が飛
散しなくて安全性に優れ、しかもコインシデンス効果に
よる遮音性の低下を防止し、遮音性能を長期にわたって
発揮することができる合わせガラス用中間膜及び合わせ
ガラスを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明の合わせガラス
用中間膜は、二種の可塑化ポリビニルアセタール樹脂膜
A及びBからなる少なくとも二層の積層樹脂膜であっ
て、樹脂膜Aは、ポリビニルアルコールを炭素数4〜6
のアルデヒドでアセタール化して得られ、ビニルアセテ
ート成分が5〜8モル%のポリビニルアセタール樹脂
(a) 100重量部と可塑剤55〜70重量部とからな
り、樹脂膜Bは、ポリビニルアルコールを炭素数3又は
4のアルデヒドでアセタール化して得られ、ビニルアセ
テート成分が4モル%以下のポリビニルアセタール樹脂
(b) 100重量部と可塑剤25〜55未満重量部とから
なることを特徴とする。
【0013】また、この発明の合わせガラスは、二枚の
透明なガラス板の間に、上記の合わせガラス用中間膜が
接着されていることを特徴とする。
【0014】この発明において、ポリビニルアセタール
樹脂(a) 及び(b) の調製に使用するポリビニルアルコー
ルとしては、平均重合度500〜3000のものが好ま
く、平均重合度1000〜2500のものがさらに好ま
しい。この平均重合度が500未満であると合わせガラ
スの耐貫通性が低下する。逆に、平均重合度が3000
を越えると樹脂膜の成形が難しくなり、しかも樹脂膜の
強度が強くなりすぎて適当でない。
【0015】また、ポリビニルアルコールの鹸化度は、
樹脂(a) の調製においてはビニルアセテート成分を5〜
8モル%に設定せねばならないので、鹸化度95〜92
モル%のものが用いられる。また、樹脂(b) の調製にお
いてはビニルアセテート成分を4モル%以下に設定せね
ばならないので、鹸化度96モル%以上のものが用いら
れる。
【0016】ここで、ポリビニルアルコールの平均重合
度及び鹸化度は、例えば、JISK 6726「ポリビ
ニルアルコール試験方法」に基づいて測定することがで
きる。
【0017】ポリビニルアセタール樹脂(a) の調製にお
いて、炭素数4〜6のアルデヒドとしては、n−ブチル
アルデヒド、イソブチルアルデヒド、バレルアルデヒ
ド、n−ヘキシルアルデヒド、2−エチルブチルアルデ
ヒド等が単独或いは二種以上組み合わせて用いられる。
【0018】樹脂(a) の調製において、アルデヒドの炭
素数が3以下では充分な遮音性を得ることができない。
逆に、アルデヒドの炭素数が7以上ではアセタール化の
反応性が低下し、しかも室温付近での遮音性能が充分に
発揮されない。特に、n−ブチルアルデヒド、イソブチ
ルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒドの単独或いは二
種以上組み合わせが好ましい。
【0019】また、ポリビニルアセタール樹脂(b) の調
製において、炭素数3又は4のアルデヒドとしては、プ
ロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチ
ルアルデヒド等が単独或いは二種以上組み合わせて用い
られる。
【0020】樹脂(b) の調製において、アルデヒドの炭
素数が2以下で樹脂膜の成形性が低下し、逆にアルデヒ
ドの炭素数が5以上ではアセタール化の反応性が低下
し、しかも室温付近での遮音性能が充分に発揮されな
い。特に、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒ
ドの単独或いは二種の組み合わせが好ましい。
【0021】特に、上記樹脂(a) 及び樹脂(b) は、いず
れも炭素数4のn−ブチルアルデヒドでアセタール化し
て得られたものが好ましい。n−ブチルアルデヒドでア
セタール化した樹脂の使用により、各樹脂膜の接着強度
が強くなり、また耐候性にも優れ、しかも樹脂の製造も
容易である。
【0022】ポリビニルアセタール樹脂(a) 及び(b) の
調製方法としては、公知のいかなる方法でもよい。例え
ば、ポリビニルアルコールを温水に溶解し、得られた水
溶液を所定の温度、例えば0〜95℃に保持しておい
て、所要の酸触媒及びアルデヒドを加え、攪拌しながら
アセタール化反応を進行させ、次いで反応温度を上げて
熟成し反応を完結させ、その後、中和、水洗及び乾燥を
行って樹脂(a) 及び樹脂(b) の粉末を得る。
【0023】得られるポリビニルアセタール樹脂(a) 及
び(b) は、ビニルアセタール成分とビニルアルコール成
分とビニルアセテート成分とから構成されている。これ
等の各成分量は、例えば、JIS K 6728「ポリ
ビニルブチラール試験方法」に基づいて測定することが
できる。
【0024】なお、ポリビニルブチラール樹脂以外のポ
リビニルアセタール樹脂の場合は、ビニルアルコール成
分量とビニルアセテート成分量とを測定し、残りのビニ
ルアセタール成分量は100から上記両成分量を差し引
くことにより算出することができる。
【0025】また、アセタール化度も上記試験方法に基
づいて測定することができる。ここで、樹脂(a) のアセ
タール化度は40モル%以上が好ましい。このアセター
ル化度が40モル%未満では、可塑剤との相溶性が良く
なく、遮音性能を発揮するのに必要な可塑剤量を含有さ
せることが難しくなる。より好ましいアセタール化度は
50モル%以上である。
【0026】また、樹脂(b) のアセタール化度は、50
モル%以上が好ましい。このアセタール化度が50モル
%未満では、可塑剤との相溶性が良くなく、耐貫通性確
保に必要な可塑剤量を含有させることが難しくなる。
【0027】この発明においては、樹脂(a) のビニルア
セテート成分の含有量は5〜8モル%でなければならな
い。このビニルアセテート成分の含有量が5モル%未満
では遮音性能が充分に発揮されず、逆にビニルアセテー
ト成分の含有量が8モル%を超えると樹脂の製造時にブ
ロッキングを起こし易くなり、製造に困難をともなう。
特に、このビニルアセテート成分の含有量は6〜8モル
%が好ましい。
【0028】また、樹脂(b) のビニルアセテート成分の
含有量は4モル%以下でなければならない。このビニル
アセテート成分の含有量が4モル%を超えると、樹脂膜
A及びBとの粘弾性的性質が類似したものとなり、広い
温度領域での遮音性能が充分に発揮されない。特に、こ
のビニルアセテート成分の含有量は0〜2モル%が好ま
しい。
【0029】このようにして調製されたポリビニルアセ
タール樹脂(a) とポリビニルアセタール樹脂(b) に、そ
れぞれ所定量の可塑剤が配合され、これを押出法、カレ
ンダー法、プレス法等によりシート状に製膜して樹脂膜
Aと樹脂膜Bとを成形する。また、上記樹脂(a) と樹脂
(b) に、それぞれ所定量の可塑剤を混合し、これを多層
押出法により一体に成形することもできる。
【0030】可塑剤としては、この種の中間膜に用いら
れている公知の可塑剤、例えば、一塩基酸エステル、多
塩基酸エステル等の有機系可塑剤や、有機リン酸系、有
機亜リン酸系等のリン酸系可塑剤等が用いられる。
【0031】一塩基酸エステルの中では、例えば、トリ
エチレングリコールと、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、
2−エチル酪酸、ヘプタン酸、n−オクチル酸、2−エ
チルヘキシル酸、ペラルゴン酸(n−ノニル酸)、デシ
ル酸等の有機酸との反応によって得られたグリコール系
エステルが好ましい。その他、テトラエチレングリコー
ル、トリプロピレングリコールと上記の如き有機酸との
エステルも用いられる。
【0032】多塩基酸エステルとしては、例えば、アジ
ピン酸、セバチン酸、アゼライン酸等の有機酸と炭素数
4〜8の直鎖状又は分枝状アルコールとのエステルが好
ましい。また、リン酸系可塑剤としては、トリブトキシ
エチルフォスフェート、イソデシルフェニルホスフェー
ト、トリイソプロピルホスファイト等が好ましい。
【0033】特に、トリエチレングリコールジ−2−エ
チルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチ
ルヘキソエート、トリエチレングリコールジカプリレー
ト、トリエチレングリコールジ─n−オクトエート、ト
リエチレングリコールジ−n−ヘプトエート、テトラエ
チレングリコールジ−n−ヘプトエート、その他ジブチ
ルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルカルビ
トールアジペートが好適に用いられる。
【0034】そして、ポリビニルアセタール樹脂(a)
に配合される可塑剤量は、ポリビニルアセタール樹脂
(a)100重量部に対して55〜70重量部とされ
る。この可塑剤量が55重量部未満であると遮音性が充
分に得られず、逆に可塑剤量が70重量部を超えると可
塑剤がブリードして、合わせガラスの透明性やガラス板
との接着性が損なわれる。特に、この可塑剤量は55〜
65重量部が好ましい。
【0035】また、ポリビニルアセタール樹脂(b)に
配合される可塑剤量は、ポリビニルアセタール樹脂
(b)100重量部に対して25〜55未満重量部とさ
れる。この可塑剤量は、通常の可塑化ポリビニルブチラ
ール樹脂からなる中間膜に用いられている可塑剤量と同
程度である。この可塑剤量が25重量部未満であると耐
貫通性が低下し、逆にこの可塑剤量が55重量部以上で
は、可塑剤がブリードして合わせガラスの透明性やガラ
ス板との接着性が損なわれる。特に、この可塑剤量は3
0〜45重量部が好ましい。
【0036】なお、樹脂(a) 又は樹脂(b) には、紫外線
吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、接着性調整剤、界面活
性剤、着色剤など合わせガラス用中間膜に使用されてい
る公知の添加剤を配合することができる。
【0037】紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾー
ル系のもの、例えば、チバガイギー社製のチヌビンP
(商品名)、チヌビン320(商品名)、チヌビン32
6(商品名)、チヌビン328(商品名)等が挙げられ
る。光安定剤としては、ヒンダードアミン系のもの、例
えば、旭電化社製のアデカスタブLA−57(商品名)
等が挙げられる。
【0038】酸化防止剤としては、フェノール系のも
の、例えば、住友化学社製のスミライザーBHT(商品
名)、チバガイギー社製のイルガノックス1010(商
品名)等が挙げられる。
【0039】接着性調整剤としては、カルボン酸の金属
塩、例えば、オクチル酸、ヘキシル酸、酪酸、酢酸、蟻
酸等のカリウム塩やナトリウム塩が挙げられる。また、
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキ
ルベンゼンスルホン酸等が挙げられる。
【0040】この発明の合わせガラス用中間膜は、前述
のように樹脂膜AとBとを多層押出法により一体成形す
る方法、或いは別々に成形した樹脂膜AとBとを重ねて
加熱加圧することにより一体化する方法、或いは、樹脂
膜AとBとを二枚のガラス板の間に重ねて加熱加圧する
ことにより一体化して、合わせガラスの製造と同時に成
形する方法等により製造することができる。
【0041】二枚のガラス板が、各樹脂膜或いは一体化
された中間膜を介して接着された合わせガラスを製造す
るには、通常の合わせガラスの製法が採用される。
【0042】例えば、二枚の透明なガラス板の間に上記
中間膜或いは樹脂膜AとBを挟み、これをゴムバックに
入れ減圧吸引しながら約70〜110℃で予備接着し、
次いで、オートクレーブを用いるか或いはプレスを用
い、約120〜150℃で、約10〜15 kg/cm2の圧
力で本接着を行うことにより製造される。
【0043】樹脂膜AとBによる積層構成は、例えば、
下記のような積層構成とされる。樹脂膜A/樹脂膜Bの
2層積層構成。樹脂膜A/樹脂膜B/樹脂膜A、又は樹
脂膜B/樹脂膜A/樹脂膜Bの3層積層構成。樹脂膜A
/樹脂膜B/樹脂膜A/樹脂膜Bの4層積層構成。な
お、上記樹脂膜A及びBには、例えば、樹脂膜A/樹脂
膜A、樹脂膜B/樹脂膜Bのように同種の樹脂膜を重ね
て使用してもよい。
【0044】また、樹脂膜Aと樹脂膜Bとを、可塑剤を
浸透しないフィルム、例えば、無装飾又は装飾印刷を施
したポリエチレンテレフタレートフィルムを介して接着
させてもよい。この場合、例えば、下記のような積層構
成とされる。
【0045】樹脂膜A/フィルム/樹脂膜Bの3層積層
構成。樹脂膜B/樹脂膜A/フィルム/樹脂膜B、又は
樹脂膜A/フィルム/樹脂A/樹脂膜Bの4層積層構
成。
【0046】上記いずれの積層構成においても、両側の
最外層には樹脂膜Bが配置されるように積層するのが好
ましい。この配置により、ガラス板と中間膜の合わせ加
工に当たり、ポリビニルブチラール系中間膜の場合に匹
敵する良好な作業性が得られ、従来の技術をそのまま利
用できる。また、ガラスとの接着性及び耐候性の点でも
好ましい。
【0047】樹脂膜A及び樹脂膜Bの膜厚は、いずれも
0.05mm以上が好ましい。この膜厚が0.05mm未満
では、良好な遮音性能や耐候性を発揮するのに充分でな
い。また、全体の膜厚は、厚いほうが遮音性はよいが、
実用的には通常の合わせガラス用中間膜における膜厚と
同様であり、一般に0.3〜1.6mmの範囲とされる。
【0048】なお、ガラス板としては、無機ガラス板の
みならず、ポリカーボネート板、ポリメチルメタクリレ
ート板等の有機ガラス板も使用することができる。
【0049】
【作用】合わせガラス用中間膜が、二種の可塑化ポリビ
ニルアセタール樹脂膜A及びBからなる少なくとも二層
の積層樹脂膜であって、樹脂膜Aが、ポリビニルアルコ
ールを炭素数4〜6のアルデヒドでアセタール化して得
られ、ビニルアセテート成分が5〜8モル%のポリビニ
ルアセタール樹脂(a) 100重量部と可塑剤55〜70
重量部とから構成され、樹脂膜Bが、ポリビニルアルコ
ールを炭素数3又は4のアルデヒドでアセタール化して
得られ、ビニルアセテート成分が4モル%以下のポリビ
ニルアセタール樹脂(b) 100重量部と可塑剤25〜5
5未満重量部とから構成され、このような中間膜を用い
た合わせガラスによれば、樹脂膜Aの特異な剛性と、粘
弾性的に挙動の異なる樹脂膜AとBの間の内部摩擦効果
により音エネルギーが熱エネルギーに効果的に変換吸収
され、特に、2000Hz付近の中高音域おいてコイン
シデンス効果による遮音性の低下が防止される。
【0050】しかも、樹脂膜Aの可塑剤量は、樹脂膜B
の可塑剤量よりも多く含有されており、樹脂膜AとBと
の積層樹脂膜を合わせガラスの中間膜として用いると、
樹脂膜A、B間での可塑剤の移行が抑えられ、接着性の
低下が防止される。
【0051】
【実施例】以下、この発明の実施例及び比較例を示す。実施例1 樹脂(a) 及び樹脂膜Aの調製 純水2890gに、平均重合度1700、ケン化度9
2.8モル%のポリビニルアルコール275gを加えて
加温溶解した。反応系を12℃に温度調節し、35重量
%の塩酸触媒201gとn−ブチルアルデヒド148g
を加え、この温度を保持して反応物を析出させた。
【0052】その後、反応系を45℃で3時間保持して
反応を完了させ、過剰の水で洗浄して未反応のn−ブチ
ルアルデヒドを洗い流し、塩酸触媒を中和し、水洗及び
乾燥を経て、白色粉末状のポリビニルブチラール樹脂
(a) を得た。この樹脂(a) のブチラール化度は63.0
モル%、ビニルアセテート成分は7.2モル%であっ
た。
【0053】上記樹脂(a) 100重量部と、可塑剤とし
てトリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート6
0重量部と、酸化防止剤としてテトラキス〔メチレン−
3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート〕メタン(商品名:イルガノ
ックス1010)0.36重量部とを混合し、これをミ
キシングロールで充分に溶融混練した後、プレス成形機
で150℃、30分間プレス成形して、厚さ0.20mm
の樹脂膜Aを得た。
【0054】樹脂(b) 及び樹脂膜Bの調製 純水2910gに、平均重合度1700、ケン化度9
9.1モル%のポリビニルアルコール281gを加えて
加温溶解した。反応系を12℃に温度調節し、35重量
%の塩酸触媒201gとn−ブチルアルデヒド148g
を加え、この温度を保持して反応物を析出させた。
【0055】その後、反応系を45℃で3時間保持して
反応を完了させ、過剰の水で洗浄して未反応のn−ブチ
ルアルデヒドを洗い流し、塩酸触媒を中和し、水洗及び
乾燥を経て、白色粉末状のポリビニルブチラール樹脂
(b) を得た。この樹脂(b) のブチラール化度は65.5
モル%、ビニルアセテート成分は0.9モル%であっ
た。
【0056】上記樹脂(b) 100重量部と、可塑剤とし
てトリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート4
0重量部と、紫外線吸収剤として2−(2’−ヒドロキ
シ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(商品
名:チヌビンP)0.2重量部とを混合し、これをミキ
シングロールで充分に溶融混練した後、プレス成形機で
150℃、30分間プレス成形して、厚さ0.20mmの
樹脂膜Bを得た。
【0057】中間膜及び合わせガラスの作製 上記樹脂膜AとBを用い、これを樹脂膜B/樹脂膜A/
樹脂膜Bの順に重ね合わせ、両側から透明なフロートガ
ラス(縦30cm×横30cm×厚さ3mm)で挟み、これを
ゴムバッグ内に入れ20torrの真空度で20分間脱
気した後、脱気したまま90℃のオーブンに移し、さら
に90℃で30分間保持しつつ真空プレスした。
【0058】このようにして予備接着された合わせガラ
スを、エアー式オートクレーブ中で圧力12 kg/cm2
温度135℃の条件で20分間本接着を行い、中間膜の
作製と合わせガラスの作製とを同時に行った。
【0059】この合わせガラスについて、遮音性及び接
着性を、次の方法で評価した。その結果をまとめて表2
に示す。
【0060】<遮音性の評価>上記合わせガラスから試
料を切り出し、この試料をダンピング試験用の振動発生
機(振研社製の加振機「G21−005D」)により加
振し、そこから得られる振動特性を、機械インピーダン
スアンプ(リオン社製の「XG−81」)にて増幅し、
振動スペクトルをFFTアナライザー(横河ヒューレッ
トパッカード社製の「FFTスペクトラムアナライザー
HP 3582A」)により解析した。
【0061】こうして得られた損失係数と、ガラスとの
共振周波数との比から、20℃における音周波数(H
z)と音響透過損失(dB)との関係を示すグラフを作
成し、音周波数2000Hz近辺における極小の音響透
過損失(TL値)を求めた。このTL値により、合わせ
ガラスの遮音性が判断できる。
【0062】<パンメル試験>上記合わせガラスを、−
18℃±0.6℃の温度に16時間放置し、この合わせ
ガラスの中央部(縦150mm×横150mmの部分)を
0.45 kgのヘッドを有するハンマーで打って、ガラ
スの粒径が6mm以下になるまで粉砕し、ガラスが部分剥
離した後の膜の露出度を、表1によってパンメル値で判
定した。このパンメル値により、ガラスとの接着力(破
損時のガラスの飛散防止性)が判断できる。
【0063】
【表1】
【0064】実施例2〜4及び比較例1〜4 ポリビニルアルコール、アルデヒド、可塑剤量及び膜厚
を変えたこと以外は実施例1と同様な方法で、表2(実
施例)及び表3(比較例)に示すような樹脂膜A及び樹
脂膜Bを調製した。この樹脂膜A及び樹脂膜Bを用い、
表2及び表3に示すような積層構成としたこと以外は実
施例1と同様に行った。その結果をまとめて表2及び表
3に示す。
【0065】
【表2】
【0066】
【表3】
【0067】
【発明の効果】上述の通り、この発明の合わせガラスの
中間膜を用いた合わせガラスによれば、樹脂膜Aの特異
な剛性と、粘弾性的に挙動の異なる樹脂膜AとBの間の
内部摩擦効果により音エネルギーが熱エネルギーに効果
的に変換吸収され、特に、2000Hz付近の中高音域
おいてコインシデンス効果による遮音性の低下が防止さ
れ、しかも、樹脂膜Aの可塑剤量は、樹脂膜Bの可塑剤
量よりも多く含有されているので、樹脂膜A、B間で可
塑剤の移行が抑えられて、ガラスとの接着性が良好であ
る。
【0068】それゆえ、破損時にガラス破片が飛散しな
くて安全性に優れ、しかもコインシデンス効果による遮
音性の低下を防止し、遮音性能を長期にわたって発揮す
ることができる。
【0069】したがって、この発明の合わせガラスの中
間膜及び合わせガラスは、特に、高い遮音性能が要求さ
れる建築物の窓ガラス等に好適に使用される。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二種の可塑化ポリビニルアセタール樹脂
    膜A及びBからなる少なくとも二層の積層樹脂膜であっ
    て、樹脂膜Aは、ポリビニルアルコールを炭素数4〜6
    のアルデヒドでアセタール化して得られ、ビニルアセテ
    ート成分が5〜8モル%のポリビニルアセタール樹脂
    (a) 100重量部と可塑剤55〜70重量部とからな
    り、樹脂膜Bは、ポリビニルアルコールを炭素数3又は
    4のアルデヒドでアセタール化して得られ、ビニルアセ
    テート成分が4モル%以下のポリビニルアセタール樹脂
    (b) 100重量部と可塑剤25〜55未満重量部とから
    なることを特徴とする合わせガラス用中間膜。
  2. 【請求項2】 二枚の透明なガラス板が、請求項1記載
    の合わせガラス用中間膜を介して接着されていることを
    特徴とする合わせガラス。
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