JP4183318B2 - 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明性、耐候性、耐貫通性が良好で、且つ、耐湿性とトリム裁断性が改善された合わせガラス用中間膜及び合わせガラスに関する。
【従来の技術】
従来より、ガラス板に合わせガラス用中間膜が挟着されてなる合わせガラスは、衝撃を受けて破損する際、ガラスの破片が飛び散らず安全であるため、車両、航空機、建築物などの窓ガラス等に広く使用されている。上記合わせガラス用中間膜のうち、可塑剤により可塑化されたポリビニルブチラール樹脂からなる合わせガラス用中間膜は、ガラスとの優れた接着性、強靱な引張り特性、高い透明性を兼ね備えており、得られる合わせガラスは、特に車両の窓ガラスとして好適である。
【0002】
しかしながら、上記可塑化されたポリビニルブチラール樹脂膜を用いた合わせガラスは、吸湿することにより膜の含水率が上昇し、合わせガラスの周辺部が白濁し、更には、合わせガラス端部より膜とガラス板とが剥離するという問題があった。
【0003】
上記の問題点を解決したものとして、例えば、特公昭53−18207号公報には、可塑化ポリビニルブチラール樹脂に、モノ(ジ)カルボン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩及び変性シリコーンオイルが含有されるか又は付着された中間膜によって、少なくとも2枚のガラス板が貼り合わされた合わせガラスが提案されている。
【0004】
また、例えば、特開昭60−210551号公報には、可塑化ポリビニルブチラール樹脂100重量部に対して、炭素数1〜6のモノカルボン酸カリウム0. 02〜0. 4重量部及び変性シリコーンオイル0. 01〜0. 26重量部が含有されるか又は付着された中間膜によって、少なくとも2枚のガラス板が貼り合わされた合わせガラスが提案されている。
【0005】
しかしながら、これらの合わせガラスは、金属塩によっては、吸湿により白化する可能性があり、長期の耐湿性という観点からは完全なものとはいえなかった。
【0006】
また、合わせガラス製造時には、端部から中間膜がはみ出したトリムと呼ばれる部分が発生する。例えば、上記可塑化されたポリビニルブチラール樹脂膜を用いて合わせガラスを製造する手法に、オートクレーブ内で熱圧プレスする方法がある。上記可塑化ポリビニルブチラール樹脂膜に添加される可塑剤は、その種類によっては、オートクレーブ内の高温下で、膜から蒸発するものがある。この場合、製造された合わせガラスのトリム部は、可塑剤が蒸発したことで、当初の状態よりも硬くなるため、ナイフによる裁断効率が悪く、このことが生産性に悪影響を与えるという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、透明性、耐候性、耐貫通性、接着性など合わせガラスに必要な基本特性を損なうことなく、長期の吸湿による白化及びガラス端部からの剥離が発生せず、また、オートクレーブ後のトリム裁断性が良好な合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の合わせガラス用中間膜は、ブチラール化度65〜72モル%のポリビニルブチラール樹脂100重量部、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート30〜50重量部、炭素数2〜10のカルボン酸マグネシウム塩0. 01〜0. 5重量部からなるものであって、温度100〜150℃、圧力10〜15kgf/cm2 のオートクレーブ内に10〜40分間放置された後の、温度23℃、引き裂き速度500mm/分にて測定された単位断面積あたりの引き裂き破断エネルギーが50〜100kgf/cmであることを特徴とする。
【0009】
本発明において用いられるポリビニルブチラール樹脂は、ポリビニルアルコールを一般的な方法でブチラール化することにより得られるポリビニルブチラール樹脂であって、合わせガラスの中間膜として使用され得る種類のポリビニルブチラールを主原料とし、これに可塑剤を加えて得られる樹脂である。この樹脂を薄肉又は厚肉の樹脂膜に成形して合わせガラス用中間膜として用いられる。
【0010】
上記ポリビニルブチラール樹脂は、ブチラール化度が低下すると吸水特性が高くなって白化が起こり、ブチラール化度が増大すると得られる合わせガラス用中間膜の機械的強度が低下するため、65〜72モル%とされ、好ましくは66〜69モル%である。
【0011】
上記ポリビニルブチラール樹脂の製造方法としては、任意の方法が採用され得るが、例えば、ポリビニルアルコールを温水に溶解し、得られた水溶液を所定の温度、例えば0〜95℃に保持しておいて、酸触媒及びn−ブチルアルデヒドを加えてブチラール化反応を進行させ、次いで、反応温度を上げて熟成して反応を完結させ、その後、中和、水洗、乾燥を行ってポリビニルブチラール樹脂の粉末を得る沈殿法等によって得られる。
【0012】
上記ポリビニルアルコールとしては、平均重合度800〜3000のものが好ましい。平均重合度が800未満であると得られる合わせガラス用中間膜の耐貫通性能が低下することがあり、平均重合度が3000を越えると強度が強くなり過ぎて、合わせガラス用中間膜としては通常は用いられないからである。
また、ポリビニルアルコールのケン化度は、透明度、耐熱性、耐光性を良好にするために95モル%以上であることが好ましい。
【0013】
本発明において用いられる可塑剤は、それ自身の吸水性が高くなると、得られる合わせガラス用中間膜の吸水特性が高くなり、吸湿による白化が起こり易くなる。
また、可塑剤の沸点が低いと、オートクレーブ工程にて、可塑剤が膜から蒸発し易くなって、合わせガラスを製造する際のトリム部の裁断性が低下する。
更に、現場作業時にも可塑剤の蒸気が発生し、作業環境の面からも好ましくない。
よって、本発明において用いられる可塑剤は、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエートに限定される。
【0014】
上記トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエートは、トリエチレングリコールと2−エチルヘキサン酸とを接触させることにより製造することができる。具体的な製造方法としては、当業者公知の方法が挙げられるが、例えば、トリエチレングリコール1モルに対して2〜2. 5モルの2−エチルヘキサン酸を加え、必要に応じて触媒となる硫酸、塩酸、燐酸等の無機酸やp−トルエンスルホン酸、メタン酸、スルホン酸等の有機酸を前反応物質の0. 01〜5. 0重量%程度添加する。この時反応系をトルエン、キシレン等の溶媒で希釈しておいてもよい。また反応物質の2ーエチルヘキサン酸自体が触媒であってもよい。これら一連の合成は常温常圧で行ってもよいが、反応の促進及び生成する水の除去等を考慮して50〜300℃の高温で行うことが好ましい。
【0015】
本発明において用いられるポリビニルブチラール樹脂は、得られる合わせガラスの透明性、耐貫通性及び力学特性に寄与する。即ち、ポリビニルブチラール樹脂に添加されるトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエートの添加量は、ポリビニルブチラール樹脂100重量部に対して、30重量部未満であると得られる合わせガラスの耐貫通性が低下し、50重量部を越えると、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエートがブリードアウトして得られる合わせガラスの透明性が低下したり、中間膜とガラスとの接着力が低下するため30〜50重量部とされ、より好ましくは、35〜45重量部である。
【0016】
本発明において用いられるカルボン酸マグネシウム塩は、中間膜とガラスとの接着力調整剤として用いられる。このカルボン酸マグネシウム塩は、中間膜中では完全には電離せずに塩の形で存在し、水分子を引き寄せることにより、中間膜とガラスとの間の接着力が抑えられ、得られる合わせガラスの耐貫通性が良好となる。上記カルボン酸マグネシウム塩は、水分子を引き寄せる性質の最も高い金属塩として用いられる。
【0017】
また、上記カルボン酸マグネシウム塩を、中間膜中で均一に分散させることにより、効率よく中間膜とガラスとの接着力を低減させるためには、カルボン酸マグネシウム塩とポリビニルブチラール樹脂との相溶性が高いことが必要である。従って、本発明において用いられるカルボン酸マグネシウム塩の炭素数は2〜10に限定される。
これらのカルボン酸マグネシウム塩は単独で用いられてもよく、2種以上併用されてもよい。
【0018】
上記カルボン酸マグネシウム塩の添加量は、少なくなると得られる中間膜のガラスに対する接着力の低減効果が不十分になることがあり、多くなると樹脂との相溶性が不良となり得られる中間膜の透明性が低下することがあるため、ポリビニルブチラール樹脂100重量部に対して0. 01〜0. 5重量部が好ましく、より好ましくは0. 02〜0. 2重量部である。
【0019】
なお、上記トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート及びカルボン酸マグネシウム塩以外にも、ポリビニルブチラール樹脂の劣化を防止するための安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等が、ポリビニルブチラール樹脂の製造過程又はポリビニルブチラール樹脂とトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート等との混合時において、必要に応じて適宜加えられてもよい。
【0020】
上記安定剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸等の界面活性剤が挙げられる。
【0021】
上記酸化防止剤としては、例えば、t−ブチル−ヒドロキシトルエン(BHT)、テトラキス−[メチレン−3−(3' −5' −ジ−t−ブチル−4' −ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(チバガイギー社製、商品名:イルガノックス1010)等が挙げられる。
【0022】
上記紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2' −ヒドロキシ−5' −メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(チバガイギー社製、商品名:チヌビンP)、2−(2' −ヒドロキシ−3' ,5' −ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール(チバガイギー社製、商品名:チヌビン320)、2−(2' −ヒドロキシ−3' −t−ブチル−5' −メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(チバガイギー社製、商品名:チヌビン326)、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール(チバガイギー社製、商品名:チヌビン328)等のベンゾトリアゾール系、及び、アデカアーガス社製、商品名:LA−57等のヒンダードアミン系のものなどが挙げられる。
【0023】
本発明の合わせガラス用中間膜は、例えば、以下のようにして製造することができる。即ち、ポリビニルブチラール樹脂と添加剤とをミキシングロールに供給し、混練して得られた混練物をプレス成形機、カレンダーロール、押出し機等でシート状に成形して製造される。
【0024】
本発明の合わせガラス用中間膜を用いて合わせガラスを製造する方法としては、従来から用いられている方法が採用されるが、例えば、合わせガラス用中間膜をフロートガラスの間に挟着し、この挟着体を真空バックに入れて真空にした状態でオーブン内で温度90℃で30分間保持し、真空バッグから取り出した挟着体を、オートクレーブ内で熱圧プレスし、透明な合わせガラスを得る方法等が挙げられる。
【0025】
上記オートクレーブの条件は、製造された合わせガラスの透明性が良好で、且つ、発泡等の外観不良がないことから、温度100〜150℃、圧力10〜15kgf/cm2 で10〜40分間の範囲に設定される。
【0026】
本発明においては、合わせガラスのトリム裁断性の評価方法として、JIS K 7128「プラスチックフィルム及びシートの引裂試験方法」が用いられる。該試験方法において用いられる試験片は、幅50mm長さ150mmの短冊状で、幅50mmの半分の位置から長さ方向に75mmまで切り込みが入った形態である。試験に際しては、切り込み部の両端を上下に引張ることにより、引き裂きを中間膜に伝えるのに要する力が測定できるため、トリム裁断性の代替評価になる。
【0027】
上記評価試験においては、切り込み部の両端を上下に引張った時に、引き裂き進行距離と荷重の曲線が計測される。本発明の合わせガラス用中間膜におけるトリム裁断性の指標には、上記得られた曲線の引き裂き開始位置から引き裂き終了位置までの囲まれた面積を引き裂き破断エネルギーとし、これを単位断面積あたりのエネルギーに換算して用いる。
【0028】
この単位面積あたりの引き裂き破断エネルギーは、小さ過ぎると中間膜が柔らか過ぎて力学物性が低く、得られる合わせガラスの耐貫通性が確保できず、高過ぎるとトリム裁断性が悪く、生産性に悪影響を与えるため、単位断面積あたりの引き裂き破断エネルギーは、50〜100kgf/cmの範囲に限定され、好ましくは60〜90kgf/cmである。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0030】
実施例1
<樹脂膜の調製>
ポリビニルブチラール樹脂として、ブチラール化度が68. 5モル%(平均重合度1700,ケン化度99. 2%のポリビニルアルコールを使用し、沈殿法により合成)のポリビニルブチラール樹脂を50g採取し、これに可塑剤としてトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエートを20g(樹脂100重量部に対し、40重量部)、酸化防止剤としてt−ブチル−ヒドロキシトルエン0. 1g(0. 2重量部)、紫外線吸収剤として2−(2' −ヒドロキシ−5' −メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(チヌビンP、チバガイギ−社製)0. 1g(0. 2重量部)、及びポリエーテル変性シリコンオイル0. 025g(0. 05重量部)を加え、更に、カルボン酸マグネシウム塩として2−エチル酪酸マグネシウム0. 065g(0. 13重量部)を加え、ロールミルに供給し、温度120℃で溶融混練して樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物をプレス成形機にて温度150℃、圧力120kgf/cm2 で30分間熱プレス成形し、厚さ0. 8mmの樹脂膜を得た。
【0031】
<合わせガラスの製造>
得られた樹脂膜を、1辺300mm、厚さ2. 5mmのフロートガラス2枚にて挟着し、この挟着体を真空バッグに入れて真空度20torrで20分間保持した後、真空にした状態でオーブン内で温度90℃で30分間保持した。この後、取り出した挟着体をオートクレーブ内で圧力12kgf/cm2 、温度135℃にて20分間熱プレスし、透明な合わせガラスを得た。また、この時に樹脂膜のみもオートクレーブ内に放置しておき、引き裂き破断強度測定用の試料を得た。
得られた合わせガラス及び引き裂き破断強度測定用試料を用いて、耐湿性試験、耐貫通性試験、及び引き裂き強度試験を行い、得られた結果を表1に示した。
【0032】
<引き裂き破断強度試験>
JIS K 7128「プラスチックフィルム及びシートの引き裂き試験方法」に準拠した以下の方法で評価を行った。
上記得られた試料から、長さ150mm、幅50mmの短冊片状に切り取り、これを所定の温度、圧力に設定されたオートクレーブ内に一定時間放置した。一定時間放置した後、オートクレーブから短冊片を取り出し、これに幅50mmの半分の位置から長さ方向に75mmの位置まで、切り込みを入れたものを試験片とした。該試験片は、温度23℃、湿度50%RH下に24時間以上放置して調整した。
【0033】
上記引き裂き試験は、オリエンテック社製万能型材料試験機UTA−500を用い、温度23℃、湿度50%RHの雰囲気下で行った。試験方法は、切り込み部の両端を上下方向に500mm/分で引張り、試験片を引き裂くのに要した荷重とその引き裂き進行距離とを計測する方法である。トリム裁断の指標には、得られた進行距離と荷重曲線の、引き裂き開始位置から破断位置までの囲まれた面積を引き裂き破断エネルギーとし、これを単位断面積あたりの値に変換して用いた。
【0034】
<耐湿性試験>
JIS R 3212(1985)「自動車用安全ガラス試験方法」に準拠した以下の方法で評価を行った。即ち、合わせガラスを温度50±2℃で相対湿度95±4%に保った恒温恒湿槽内で2週間静置し、合わせガラス周辺の中間膜白化部の程度をガラスエッジからの距離で表し、耐湿性の評価とした。エッジからの白化距離が長いほど、その合わせガラスの耐湿性は悪いことを表す。
【0035】
<耐貫通性試験>
JIS R 3212(1985) 「自動車用安全ガラス試験方法」に準拠した以下の方法で評価を行った。即ち、合わせガラスの縁を支持枠に固定してこれを水平に保持し、重さ2. 26kgの鋼球を4mの高さから、合わせガラスの中央に自由落下させた。6枚の合わせガラスについて、6枚とも衝撃後5秒以内に鋼球が貫通しない場合は合格、1枚でも貫通した場合は不合格とした。
【0036】
更に、鋼球を落下させる高さを0. 5m単位で変化させ、同じ高さで繰り返し試験を行った。合わせガラスの数の50%において鋼球の貫通が妨げられる高さを求め、この時の鋼球とガラス板面との距離をもって「平均落球高さ」とした。従って、平均落球高さの数値が大きい程、耐貫通性は優れていることを示している。なお、この試験は合わせガラスの温度を23℃に保持して実施した。
【0037】
<トリム裁断性>
得られた合わせガラスには、端部から若干中間膜がはみ出したトリムと呼ばれる部分が発生する。このトリム部をカッターナイフで裁断する作業性について評価した。楽に裁断できた場合を○、硬くて裁断しにくい場合を×とした。
【0038】
実施例2
ポリビニルブチラール樹脂として、ブチラール化度が69. 0モル%のものを使用し、可塑剤としてトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエートを42重量部添加したこと以外は実施例1と同様にして、オートクレーブ後の引き裂き破断エネルギーが78. 0kgf/cmである樹脂膜を作製した。
続いて得られた樹脂膜を用いて合わせガラスを作製し各評価を行った。得られた結果を表1に示した。
【0039】
実施例3
カルボン酸マグネシウム塩として、2−エチルヘキサン酸マグネシウムを0. 115g(0. 23重量部)添加したこと以外は実施例1と同様にして、オートクレーブ後の引き裂き破断エネルギーが87. 5kgf/cmの樹脂膜を作製し、続いて合わせガラスを作製して各評価を行った。得られた結果を表1に示した。
【0040】
実施例4
ポリビニルブチラール樹脂として、ブチラール化度が67. 5モル%のものを用い、可塑剤としてトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエートを37重量部添加したこと以外は実施例1と同様にして、オートクレーブ後の引き裂き破断エネルギーが85. 0kgf/cmである樹脂膜を作製した。続いて得られた樹脂膜を用いて合わせガラスを作製し各評価を行った。得られた結果を表1に示した。
【0041】
比較例1
ポリビニルブチラール樹脂として、ブチラール化度が61. 0モル%のものを使用し、可塑剤としてトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエートを30重量部添加したこと以外は実施例1と同様にして、オートクレーブ後の引き裂き破断エネルギーが58. 0kgf/cmである樹脂膜を作製した。続いて得られた樹脂膜を用いて合わせガラスを作製し各評価を行った。得られた結果を表1に示した。
【0042】
比較例2
ポリビニルブチラール樹脂として、ブチラール化度が75. 0モル%のものを用い、可塑剤としてトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエートを40重量部添加したこと以外は実施例1と同様にして、オートクレーブ後の引き裂き破断エネルギーが23. 0kgf/cmである樹脂膜を作製した。続いて得られた樹脂膜を用いて合わせガラスを作製し各評価を行った。得られた結果を表1に示した。
【0043】
比較例3
可塑剤としてトリエチレングリコールジ−2−エチルブチレートを35重量部添加したこと以外は実施例1と同様にして、オートクレーブ後の引き裂き破断エネルギーが110. 0kgf/cmである樹脂膜を作製した。続いて得られた樹脂膜を用いて合わせガラスを作製し各評価を行った。得られた結果を表1に示した。
【0044】
比較例4
可塑剤としてトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエートを25重量部添加したこと以外は実施例1と同様にして、オートクレーブ後の引き裂き破断エネルギーが180. 0kgf/cmである樹脂膜を作製した。続いて得られた樹脂膜を用いて合わせガラスを作製し各評価を行った。得られた結果を表1に示した。
【0045】
比較例5
可塑剤としてトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエートを55重量部添加したこと以外は実施例1と同様にして、オートクレーブ後の引き裂き破断エネルギーが45. 0kgf/cmである樹脂膜を作製した。続いて得られた樹脂膜を用いて合わせガラスを作製し各評価を行った。得られた結果を表1に示した。
【0046】
比較例6
カルボン酸マグネシウム塩の代わりに酢酸カリウムを0. 5重量部添加したこと以外は実施例1と同様にして、オートクレーブ後の引き裂き破断エネルギーが87. 0kgf/cmである樹脂膜を作製した。続いて得られた樹脂膜を用いて合わせガラスを作製し各評価を行った。得られた結果を表1に示した。
【0047】
比較例7
カルボン酸マグネシウム塩の代わりに2−エチル酪酸マグネシウムを0. 005重量部添加したこと以外は実施例1と同様にして、オートクレーブ後の引き裂き破断エネルギーが87. 0kgf/cmである樹脂膜を作製した。続いて得られた樹脂膜を用いて合わせガラスを作製し各評価を行った。得られた結果を表1に示した。
【0048】
比較例8
カルボン酸マグネシウム塩の代わりに2−エチル酪酸マグネシウムを1. 0重量部添加したこと以外は、実施例1と同様にして、オートクレーブ後の引き裂き破断エネルギーが87. 0kgf/cmである樹脂膜を作製した。続いて得られた樹脂膜を用いて合わせガラスを作製し各評価を行った。得られた結果を表1に示した。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】
上述の通り、本発明の合わせガラス用中間膜及び合わせガラスは、透明性、耐候性、耐貫通性、接着性など合わせガラスに必要な基本特性を損なうことなく、長期の吸湿による白化及びガラス端部からの剥離が発生せず、またオートクレーブ後のトリム裁断性が良好である。
Claims (2)
- ブチラール化度65〜72モル%のポリビニルブチラール樹脂100重量部、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート30〜50重量部、炭素数2〜10のカルボン酸マグネシウム塩0. 01〜0. 5重量部からなる合わせガラス用中間膜であって、
温度100〜150℃、圧力10〜15kgf/cm2 のオートクレーブ内に10〜40分間放置された後の、温度23℃、引き裂き速度500mm/分にて測定された単位断面積あたりの引き裂き破断エネルギーが50〜100kgf/cmであることを特徴とする合わせガラス用中間膜。 - 請求項1記載の合わせガラス用中間膜が用いられていることを特徴とする合わせガラス。
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