JPH11323055A - 可塑剤 - Google Patents

可塑剤

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JPH11323055A
JPH11323055A JP13538798A JP13538798A JPH11323055A JP H11323055 A JPH11323055 A JP H11323055A JP 13538798 A JP13538798 A JP 13538798A JP 13538798 A JP13538798 A JP 13538798A JP H11323055 A JPH11323055 A JP H11323055A
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JP
Japan
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reaction
plasticizer
triethylene glycol
acid
product
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JP13538798A
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English (en)
Inventor
Maki Matsudo
真樹 松堂
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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  • Joining Of Glass To Other Materials (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ポリビニルアセタール樹脂との相溶を改善する
ことができ、また、得られた合わせガラスにおいてその
中間膜とガラス板との接着性を改善することができる可
塑剤を提供する。 【解決手段】反応器に、2−エチルヘキサン酸360.
0g(2.50モル)とトリエチレングリコール15
0.0g(1.00モル)と硫酸1.0gを仕込み、ゆ
っくりと還流する程度に減圧度を調節し、混合物を攪拌
しながら設定温度100℃で反応を行った。エステル化
反応中、所定時間毎に反応液をサンプリングし、ガスク
ロマトグラフを用いて、トリエチレングリコールのエス
テルへの転換率を求めた。反応液中のモノエステル分が
製品換算して3.4重量%に到達した時、反応を終了し
た。反応終了後、残留している酸を蒸留除去し、反応生
成物を中和、水洗、脱水した後、活性炭を添加して濾過
を行い、可塑剤製品を得た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、合わせガ
ラスの中間膜を構成する可塑化ポリビニルアセタール樹
脂組成物を得るのに用いられる可塑剤に関し、より詳し
くは、ポリビニルアセタール樹脂との相溶性、および合
わせガラスにおける中間膜とガラス板との接着力を改善
することができる可塑剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】合わせガラスは、少なくとも2枚のガラ
ス板の間に可塑化ポリビニルアセタール樹脂組成物から
なる中間膜が挾着されてなり、破損してもガラス破片が
飛散しにくい等の理由から、例えば自動車や建築物の窓
ガラスに広く利用されている。この可塑化ポリビニルア
セタール樹脂組成物はポリビニルアセタール樹脂と可塑
剤とを主成分とし、さらに紫外線吸収剤、酸化防止剤、
接着力調整剤等の添加物を含有してなるが、良好な中間
膜を得るには主成分であるポリビニルアセタール樹脂と
可塑剤との相溶性および各性能の全体的バランスが重要
である。
【0003】トリエチレングリコール・ジ−2−エチル
ヘキサノエートからなる可塑剤は公知であり、沸点が高
く(219℃/5mmHg)高温製膜時に大気中に放出
されにくいため取り扱い性がよい、耐加水分解性がよい
等の利点を有する。その反面、これは、極性が低いた
め、ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度を高く
しないと、同樹脂との相溶性に劣る嫌いがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ポリ
ビニルアセタール樹脂との相溶性を改善することがで
き、また、得られた合わせガラスにおいてその中間膜と
ガラス板との接着性を改善することができる可塑剤を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者はポリビニルア
セタール樹脂とトリエチレングリコール・ジ−2−エチ
ルヘキサノエートからなる可塑剤との相溶性を中心に検
討したところ、トリエチレングリコール・ジ−2−エチ
ルヘキサノエート生成時の未反応物質であるモノエステ
ル分、すなわちトリエチレングリコール・モノ−2−エ
チルヘキサノエートの含有量によりポリビニルアセター
ル樹脂との相溶性が変化すること、および、合わせガラ
スにおける中間膜とガラス板との接着力が変化すること
を見出した。
【0006】本発明者はまた、ポリビニルアセタール樹
脂とトリエチレングリコール・ジ−2−エチルブタノエ
ートからなる可塑剤との相溶性についても検討を加えた
ところ、トリエチレングリコール・ジ−2−エチルブタ
ノエート生成時の未反応物質であるモノエステル分、す
なわちトリエチレングリコール・モノ−2−エチルブタ
ノエートの含有量により、合わせガラスにおける中間膜
とガラス板との接着力が変化することを見出した。
【0007】本発明はこのような知見に基づいて完成さ
れたものである。
【0008】すなわち、本発明による第1の可塑剤は、
トリエチレングリコール・モノ−2−エチルヘキサノエ
ートを0.3〜5.0重量%含むトリエチレングリコー
ル・ジ−2−エチルヘキサノエートからなるものであ
る。
【0009】本発明による第2の可塑剤は、トリエチレ
ングリコール・モノ−2−エチルブタノエートを1.0
〜5.0重量%含むトリエチレングリコール・ジ−2−
エチルブタノエートからなるものである。
【0010】本発明による第1の可塑剤と第2の可塑剤
は、併用してもよい。
【0011】このようなモノエステル分の含有により効
果を発揮するものとしては、例えば特公平3−5654
5号公報に、C16〜C20の不飽和脂肪酸マルチエス
テルのモノエステル種をマルチエステルと組合せること
により、得られた合わせガラスの耐貫通性およびポリカ
ーボネートに対する中間膜の剥離接着力が向上すること
が開示されているが、本発明による可塑剤は上記公報記
載のものとは化合物種および作用効果を異にするもので
ある。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明による第1の可塑剤を得る
には、通常は、トリエチレングリコールと2−エチルヘ
キサン酸とのエステル化反応において、トリエチレング
リコール・モノ−2−エチルヘキサノエートが製品中に
0.3〜5.0重量%残留するように、同反応を完全に
は進行させず所要反応率で停止させる方法が行われる。
以下、このエステル化反応について説明をする。
【0013】本発明による第1の可塑剤は、トリエチレ
ングリコールと2−エチルヘキサン酸とを反応させるエ
ステル化において、原料の割合は、例えば、トリエチレ
ングリコール1モルに対して2−エチルヘキサン酸2〜
2.5モル程度である。反応は触媒や溶媒の不存在下で
も進行する。
【0014】トリエチレングリコールと2−エチルヘキ
サン酸のエステル化反応は、触媒の存在下に行うことに
より、反応速度が速められ、反応操作が容易になる。小
過剰の2−エチルヘキサン酸自体を触媒として作用させ
ることができる。上記エステル化に用いられる酸触媒と
しては、例えば硫酸、塩酸、燐酸等の無機酸類、パラト
ルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機スルホン
酸類、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチ
タネート等の有機金属類が例示される。触媒を用いると
きは、その添加量は一般に全反応物質の約0.01〜
5.0重量%である。上記エステル化反応は溶媒中で行
うこともできる。溶媒としては、反応物質に不活性なも
のであって、かつ反応中に生成する水と共沸混合物を形
成するものが好ましい。特に好適な溶媒はトルエン、キ
シレン、ベンゼンのような芳香族系のものである。
【0015】上記エステル化反応は常温常圧下で行うこ
とができるが、反応を促進し、エステル化反応の結果生
じた水の除去を容易に行うには、反応を50〜300℃
の高温で行うことが好ましい。特に好ましい反応温度
は、水と2−エチルヘキサン酸または溶媒との共沸混合
物の沸点に等しい温度である。エステル化反応によって
生成した水は、反応速度を増加させ反応を完結させるた
め、および、発生した水の量の測定によってその進行状
況を知るため、反応の間に反応系から除くのが好まし
い。水の除去は、通常は水と酸または溶媒の共沸混合物
の蒸留によって行う。
【0016】このようにして反応の進行状況をみなが
ら、エステル化反応を行い、製品中のモノエステル分残
留量が0.3〜5.0重量%、好ましくは1〜3重量%
に達した時点で、同反応を停止させる。
【0017】該モノエステル分の残留量が少なすぎる
と、可塑剤とポリビニルアセタール樹脂との相溶性が低
下し、多過ぎると、この可塑剤を用いて得られた可塑化
ポリビニルアセタール樹脂からなる合わせガラス用中間
膜とガラス板との接着力が経時的に低下する。
【0018】また、モノエステル分の残留量が上記範囲
未満になるようにエステル化を進行させるには、多くの
エネルギーが必要となるため不経済である。反応速度が
速い時点で反応を停止するとモノエステル分の残留量が
多くなるが、このように反応速度が速い時点で反応を停
止するタイミングの見極めが困難である。また、モノエ
ステル分は該ジエステルに対して低沸点物質であるため
高温製膜時に大気中に放出される可能性があるため、モ
ノエステル分の残留量が多すぎるのは好ましくない。
【0019】反応停止後、反応生成物の中和、水洗、脱
水、減圧乾燥または蒸留処理等の処理を行い、モノエス
テル分を0.3〜5.0重量%含むトリエチレングリコ
ール・ジ−2−エチルヘキサノエートを得る。
【0020】本発明による第1の可塑剤を得るには、上
記方法の外、例えば高純度のトリエチレングリコール・
ジ−2−エチルヘキサノエートと、モノエステル分を多
量に含むトリエチレングリコール・ジ−2−エチルヘキ
サノエートとを混合する方法でも、または、トリエチレ
ングリコール・ジ−2−エチルヘキサノエートにトリエ
チレングリコール・モノ−2−エチルヘキサノエートを
0.3〜5.0重量%添加する方法でもよい。
【0021】本発明による第2の可塑剤を得るには、通
常は、トリエチレングリコールと2−エチルブタン酸の
エステル化反応において、トリエチレングリコール・モ
ノ−2−エチルブタノエートが製品中に1.0〜5.0
重量%残留するように、同反応を完全には進行させず所
要反応率で停止させる方法が行われる。以下、このエス
テル化反応について説明をする。
【0022】本発明による第2の可塑剤は、トリエチレ
ングリコールと2−エチルブタン酸とを反応させるエス
テル化において、原料の割合は、例えば、トリエチレン
グリコール1モルに対して2−エチルブタン酸2〜2.
5モル程度である。反応は触媒や溶媒の不存在下でも進
行する。
【0023】トリエチレングリコールと2−エチルブタ
ン酸とのエステル化反応は、触媒の存在下に行うことに
より、反応速度が速められ、反応操作が容易になる。小
過剰の2−エチルブタン酸自体を触媒として作用させる
ことができる。上記エステル化に用いられる酸触媒とし
ては、例えば硫酸、塩酸、燐酸等の無機酸類、パラトル
エンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機スルホン酸
類、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタ
ネート等の有機金属類が例示される。触媒を用いるとき
は、その添加量は一般に全反応物質の約0.01〜5.
0重量%である。上記エステル化反応は溶媒中で行うこ
ともできる。溶媒としては、反応物質に不活性なもので
あって、かつ反応中に生成する水と共沸混合物を形成す
るものが好ましい。特に好適な溶媒はトルエン、キシレ
ン、ベンゼンのような芳香族系のものである。
【0024】上記エステル化反応は常温常圧下で行うこ
とができるが、反応を促進し、反応で生成した水の除去
を容易に行うには、反応を50〜300℃の高温で行う
ことが好ましい。特に好ましい反応温度は、水と2−エ
チルブタン酸または溶媒との共沸混合物の沸点に等しい
温度である。エステル化反応によって生成した水は、反
応速度を増加させ反応を完結させるため、および、発生
した水の量の測定によってその進行状況を知るため、反
応の間に反応系から除くのが好ましい。水の除去は、通
常は水と酸または溶媒の共沸混合物の蒸留によって行
う。
【0025】このようにして反応の進行状況をみなが
ら、エステル化反応を行い、製品中のモノエステル分残
留量が1.0〜5.0重量%、好ましくは1.5〜3重
量%に達した時点で、同反応を停止させる。
【0026】モノエステル分の残留量が少なすぎると、
この可塑剤を用いて得られた可塑化ポリビニルアセター
ル樹脂からなる合わせガラス用中間膜とガラス板との初
期接着性がよくなく、多過ぎると、同中間膜とガラス板
との接着力が経時的に低下する。
【0027】また、モノエステル分の残留量が上記範囲
未満になるようにエステル化を進行させるには、多くの
エネルギーが必要となるため不経済である。反応速度が
速い時点で反応を停止するとモノエステル分の残留量が
多くなるが、このように反応速度が速い時点で反応を停
止するタイミングの見極めが困難である。また、モノエ
ステル分は該ジエステルに対して低沸点物質であるため
高温製膜時に大気中に放出される可能性があるため、モ
ノエステル分の残留量が多すぎるのは好ましくない。
【0028】反応停止後、反応生成物の中和、水洗、脱
水、減圧乾燥または蒸留処理等の処理を行い、モノエス
テル分を1.0〜5.0重量%含むトリエチレングリコ
ール・ジ−2−エチルブタノエートを得る。
【0029】本発明による第2の可塑剤を得るには、上
記方法の外、例えば高純度のトリエチレングリコール・
ジ−2−エチルブタノエートと、モノエステル分を多量
に含むトリエチレングリコール・ジ−2−エチルブタノ
エートとを混合する方法でも、または、トリエチレング
リコール・ジ−2−エチルブタノエートにトリエチレン
グリコール・モノ−2−エチルブタノエートを1.0〜
5.0重量%添加する方法でもよい。
【0030】本発明による第1および第2の可塑剤を用
いて、可塑化ポリビニルアセタール樹脂が調製され、こ
れから合わせガラス用中間膜が形成され、更にこれを用
いて合わせガラスが作製される。
【0031】中間膜の主体をなすポリビニルアセタール
樹脂は、例えば、ポリビニルアルコールを温水に溶解
し、得られた水溶液を所定の温度、例えば0〜95℃に
保持しておいて、この溶液に酸触媒およびアルデヒド
(例えば、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド等)を
加えてアセタール化反応を進行させ、次いで反応温度を
上げて熟成を行って反応を完結させ、その後、中和、水
洗、乾燥等の処理を行ってポリビニルアセタール樹脂の
粉末を得る沈殿法などによって得られる。得られるポリ
ビニルアセタール樹脂としては、例えば、ポリビニルブ
チラール樹脂が好適に用いられる。上記方法に用いるポ
リビニルアルコールとしては平均重合度500〜300
0のものが好ましく、平均重合度1000〜2500の
ものがより好ましい。ポリビニルアルコールの平均重合
度が500未満であると、作製した合わせガラスの耐貫
通性が低下し、3000を越えるとポリビニルアセター
ル樹脂の製造が困難になる嫌いがある。また、ポリビニ
ルアセタール樹脂のケン化度は透明性や耐熱性の点から
好ましくは70mol%以上である。同樹脂の平均アセ
タール化度は好ましくは40〜75mol%である。こ
の平均アセタール化度が40mol%未満であると同樹
脂と可塑剤との相溶性が低下することがあり、75mo
l%を越えると樹脂の製造プロセスが長時間を要するこ
とがあり、いずれも好ましくない。
【0032】合わせガラス用中間膜を製造するに際して
の可塑剤の量は、ポリビニルアセタール樹脂100重量
部に対して好ましくは20〜60重量部である。これよ
りも少ないと合わせガラスの耐貫通性が低下し、多いと
可塑剤がブリードしたり、膜の透明性や接着性が低下す
るなどの問題が起きる恐れがある。
【0033】合わせガラス用中間膜を製造するための組
成物には、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、接着
力調整剤、界面活性剤、着色剤などの公知の添加剤の1
種もしくは2種以上を加えることができる。
【0034】紫外線吸収剤の代表的なものとしてはベン
ゾトリアゾール系のものがあり、市販品ではチバ・ガイ
ギー社製の「チヌビンP」、「チヌビン320」、「チ
ヌビン326」、「チヌビン328」等が例示される。
【0035】光安定剤としてはヒンダードアミン系のも
のがあり、市販品では例えば旭電化社製の「アデカスタ
ブLA−57」等が例示される。
【0036】酸化防止剤としては、フェノール系のも
の、例えば住友化学工業社製の「スミライザーBH
T」、チバ・ガイギー社製の「イルガノックス101
0」等が例示される。
【0037】接着力調整剤としては、カルボン酸等の有
機酸の金属塩、例えばオクタン酸、ヘキサン酸、酪酸、
酢酸、蟻酸等の、カリウム塩、ナトリウム塩、マグネシ
ウム塩等が例示され、他には硝酸、塩酸等の無機酸の金
属塩等も使用可能である。
【0038】界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリ
ウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等が例示
される。
【0039】合わせガラス用中間膜の製造法としては、
ポリビニルアセタール樹脂に所定量の可塑剤および必要
に応じて各種添加剤を配合し、これらを均一に混練りし
た後、混練物を押し出し法、カレンダー法、プレス法、
キャスティング法、インフレーション法等によりシート
状に製膜する方法が一般的である。得られた樹脂膜は、
単層で中間膜としてもよいし、2層以上を積層して中間
膜としてもよい。
【0040】上記中間膜の全体の膜厚は、合わせガラス
として最小限必要な耐貫通性や耐候性などを考えると
0.3〜1.6mmの範囲であることが好ましい。
【0041】合わせガラス製造に用いるガラス板として
は、フロート板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、網
入り板ガラス、線入り板ガラス、熱線吸収板ガラス、着
色板ガラス等の無機板ガラス、およびポリカーボネート
板、ポリメチルメタクリレート板等の有機板ガラスも使
用することができる。
【0042】合わせガラスの製造法としては、例えば2
枚のガラス板の間に合わせガラス用中間膜を挾み、これ
をゴムバックに入れ減圧吸引しながら約70〜110℃
の温度で予備接着し、次いでオートクレーブもしくはプ
レスを用いて、約120〜150℃の温度で10〜15
kg/cm2 の圧力で本接着を行う方法が一般的であ
る。
【0043】
【実施例】以下に実施例について述べるが、本発明は下
記の実施例に限定されるものではない。
【0044】実施例1 (1) 可塑剤の合成 ジーンスターク型油水分離機を備えた反応器に、2−エ
チルヘキサン酸360.0g(2.50モル)とトリエ
チレングリコール150.0g(1.00モル)と硫酸
1.0gを仕込み、ゆっくりと還流する程度に減圧度を
調節し、混合物を攪拌しながら設定温度100℃で反応
を行った。エステル化反応中、所定時間毎に反応液をサ
ンプリングし、ガスクロマトグラフを用いて、トリエチ
レングリコールのエステルへの転換率を求めた。反応液
中のモノエステル分が製品換算して3.4重量%に到達
した時点で、反応を終了した。反応終了後、残留してい
る酸を蒸留除去し、反応生成物を中和、水洗、脱水した
後、活性炭を添加して濾過を行い、可塑剤製品を得た。
最終製品の組成の確認はガスクロマトグラフィーで行っ
た。
【0045】(2) ポリビニルアセタール樹脂の合成 純水2700gに平均重合度1700、ケン化度99.
0%のポリビニルアルコール250gを加えて95℃に
加温し溶解させた。次いでこの溶液を11℃に冷却し攪
拌しながら、35%塩酸173gとn−ブチルアルデヒ
ド141gを添加してこの温度を保持し、反応生成物を
析出させた。その後、反応系を60℃まで昇温し、この
温度で2時間保持して、反応を完結させた。反応液を3
0℃まで冷却して水酸化ナトリウムで中和した後、反応
生成物を濾別し、過剰の水で12時間洗浄し、乾燥して
ポリビニルブチラール樹脂の粉末を得た。この樹脂の平
均ブチラール化度は67.5mol%であった。
【0046】(3) 合わせガラス用中間膜の製造 工程(2) で得られたポリビニルブチラール樹脂100部
に対し、工程(1) で得られた可塑剤を40部、紫外線吸
収剤としてチバ・ガイギー社製「チヌビン328」を
0.2部、酸化防止剤として住友化学工業社製「スミラ
イザーBHT」を0.2部、接着力調整剤として2−エ
チルヘキサン酸マグネシウムを0.08部添加した。こ
の混合物をミキシングロールで溶融混練した後、混練物
をプレス成型機にて150℃、100kg/cm2 の条
件で30分間プレス成形し、厚さ0.8mmの合わせガ
ラス用中間膜を得た。この中間膜の状態で相溶性の評価
を行った。
【0047】(4) 合わせガラスの製造 (3) で得られた合わせガラス用中間膜を両側からフロー
ト板ガラスで挾み、これをゴムバック内に20Torr
の真空度で20分間保持した後、真空のままオーブン内
で90℃で30分間保持した。真空バックから取り出し
た接着体をオートクレーブで温度150℃、圧力13k
g/cm2 の条件で、熱プレスし合わせガラスを得た。
【0048】実施例2 実施例1における可塑剤の合成工程(1) において、反応
液中のモノエステル分分が製品換算して0.4重量%に
到達した時点で、反応を終了した以外は実施例1と同様
にして可塑剤を得た。
【0049】この可塑剤を用いて、実施例1と同様にし
て中間膜および合わせガラスを製造した。
【0050】実施例3 実施例1における可塑剤の合成工程(1) において、反応
液中のモノエステル分が製品換算して1.7重量%に到
達した時点で、反応を終了した以外は実施例1と同様に
して可塑剤を得た。
【0051】この可塑剤を用いて、実施例1と同様にし
て中間膜および合わせガラスを製造した。
【0052】実施例4 実施例1における可塑剤の合成工程(1) において、反応
液中のモノエステル分が製品換算して4.6重量%に到
達した時点で、反応を終了した以外は実施例1と同様に
して可塑剤を得た。
【0053】この可塑剤を用いて、実施例1と同様にし
て中間膜および合わせガラスを製造した。
【0054】比較例1 実施例1における可塑剤の合成工程(1) において、反応
液中のトリエチレングリコール・モノ−2−エチルヘキ
サノエート分が製品換算して0.1重量%に到達した時
点で、反応を終了した以外は実施例1と同様にして可塑
剤を得た。
【0055】この可塑剤を用いて、実施例1と同様にし
て中間膜および合わせガラスを製造した。
【0056】比較例2 実施例1における可塑剤の合成工程(1) において、反応
液中のモノエステル分が製品換算して5.5重量%に到
達した時点で、反応を終了した以外は実施例1と同様に
して可塑剤を得た。
【0057】この可塑剤を用いて、実施例1と同様にし
て中間膜および合わせガラスを製造した。
【0058】実施例5 (1) 可塑剤の合成 ジーンスターク型油水分離機を備えた反応器に、2−エ
チルブタン酸290.0g(2.50モル)とトリエチ
レングリコール150.0g(1.00モル)と硫酸
1.0gを仕込み、ゆっくりと還流する程度に減圧度を
調節し、混合物を攪拌しながら設定温度100℃で反応
を行った。エステル化反応中、所定時間毎に反応液をサ
ンプリングし、ガスクロマトグラフを用いて、トリエチ
レングリコールのエステルへの転換率を求めた。反応液
中のモノエステル分が製品換算して1.5重量%に到達
した時点で、反応を終了した。反応終了後、残留してい
る酸を蒸留除去し、反応生成物を中和、水洗、脱水した
後、活性炭を添加して濾過を行い、可塑剤製品を得た。
最終製品の組成の確認はガスクロマトグラフィーで行っ
た。
【0059】この可塑剤を用いて、実施例1と同様にし
て中間膜および合わせガラスを製造した。
【0060】実施例6 実施例5における可塑剤の合成工程(1) において、反応
液中のモノエステル分が製品換算して1.0重量%に到
達した時点で、反応を終了した以外は実施例5と同様に
して可塑剤を得た。
【0061】この可塑剤を用いて、実施例5と同様にし
て中間膜および合わせガラスを製造した。
【0062】実施例7 実施例5における可塑剤の合成工程(1) において、反応
液中のモノエステル分が製品換算して3.5重量%に到
達した時点で、反応を終了した以外は実施例5と同様に
して可塑剤を得た。
【0063】この可塑剤を用いて、実施例5と同様にし
て中間膜および合わせガラスを製造した。
【0064】実施例8 実施例5における可塑剤の合成工程(1) において、反応
液中のモノエステル分が製品換算して4.5重量%に到
達した時点で、反応を終了した以外は実施例5と同様に
して可塑剤を得た。
【0065】この可塑剤を用いて、実施例5と同様にし
て中間膜および合わせガラスを製造した。
【0066】比較例3 実施例5における可塑剤の合成工程(1) において、反応
液中のモノエステル分が製品換算して0.5重量%に到
達した時点で、反応を終了した以外は実施例5と同様に
して可塑剤を得た。
【0067】この可塑剤を用いて、実施例5と同様にし
て中間膜および合わせガラスを製造した。
【0068】比較例4 実施例5における可塑剤の合成工程(1) において、反応
液中のモノエステル分が製品換算して5.5重量%に到
達した時点で、反応を終了した以外は実施例5と同様に
して可塑剤を得た。
【0069】この可塑剤を用いて、実施例5と同様にし
て中間膜および合わせガラスを製造した。
【0070】評価試験 相溶性:実施例1〜4および比較例1と2で得られた合
わせガラス用中間膜を20℃、湿度25%の状態で3日
間放置した後、膜表面を吸い取り紙で拭いてシミの状態
を調べた。この結果を表2に示す。
【0071】接着性:実施例1〜8および比較例1〜4
で得られた合わせガラスにおいて、中間膜とガラス板と
の接着性をパンメル値で評価した。すなわち、工程(4)
で得られた合わせガラスを−18℃±0.6℃の温度に
16時間放置し、これを頭部が0.45kgのハンマー
で打ってガラスの粒径が6mm以下になるまで粉砕し
た。ガラスが部分剥離した後の膜の露出度を、予めグレ
ード付けした限度基準(表1)に基づいて判定し、この
結果をパンメル値とした。表1に示すようにパンメル値
が高いほどガラスとの接着力は大きい。さらに、上記試
験後の合わせガラスを50℃で4週間放置した後にも上
記と同様の評価試験を行った。評価結果を表2および表
3に示す。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】
【表3】
【0075】表2および表3からわかるように、実施例
1〜4において合成された可塑剤を用いて得られた中間
膜は膜表面にシミが無く、ポリビニルブチラール樹脂と
可塑剤との相溶性が良好なものであった。また、実施例
1〜8において合成された可塑剤を用いて得られた合わ
せガラスにおけるガラス板との接着性は、パンメル値6
を示し、これも良好であった。さらに長期保存後の合わ
せガラスにおけるガラス板との接着性もパンメル値はや
はり6であり、経時変化がないことが確認された。
【0076】これに対し、比較例1のように可塑剤中の
モノエステル分が少なすぎるものは相溶性が悪く、比較
例2のように可塑剤中のモノエステル分が多すぎるもの
は中間膜とガラス板との接着力が経時的に低下した。ま
た、比較例3のように可塑剤中のモノエステル分が少な
すぎるものは、合わせガラス用中間膜とガラス板との初
期接着性がよくなく、比較例4のように可塑剤中のモノ
エステル分が多すぎるものは、同中間膜とガラス板との
接着力が経時的に低下した。
【0077】
【発明の効果】第1の発明により、ポリビニルアセター
ル樹脂との相溶性を改善し、かつ、得られた合わせガラ
スにおいてその中間膜とガラス板との接着性を改善する
可塑剤を提供することができる。
【0078】第2の発明により、得られた合わせガラス
においてその中間膜とガラス板との接着性を改善する可
塑剤を提供することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トリエチレングリコール・モノ−2−エ
    チルヘキサノエートを0.3〜5.0重量%含むトリエ
    チレングリコール・ジ−2−エチルヘキサノエートから
    なることを特徴とする可塑剤。
  2. 【請求項2】 トリエチレングリコール・モノ−2−エ
    チルブタノエートを1.0〜5.0重量%含むトリエチ
    レングリコール・ジ−2−エチルブタノエートからなる
    ことを特徴とする可塑剤。
  3. 【請求項3】 トリエチレングリコール・モノ−2−エ
    チルヘキサノエートを0.3〜5.0重量%含むトリエ
    チレングリコール・ジ−2−エチルヘキサノエートと、
    トリエチレングリコール・モノ−2−エチルブタノエー
    トを1.0〜5.0重量%含むトリエチレングリコール
    ・ジ−2−エチルブタノエートとからなることを特徴と
    する可塑剤。
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