JP5208605B2 - 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス - Google Patents

合わせガラス用中間膜及び合わせガラス Download PDF

Info

Publication number
JP5208605B2
JP5208605B2 JP2008184791A JP2008184791A JP5208605B2 JP 5208605 B2 JP5208605 B2 JP 5208605B2 JP 2008184791 A JP2008184791 A JP 2008184791A JP 2008184791 A JP2008184791 A JP 2008184791A JP 5208605 B2 JP5208605 B2 JP 5208605B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
laminated glass
interlayer film
group
plasticizer
glass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008184791A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009221094A (ja
Inventor
紘史 北野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP2008184791A priority Critical patent/JP5208605B2/ja
Publication of JP2009221094A publication Critical patent/JP2009221094A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5208605B2 publication Critical patent/JP5208605B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Joining Of Glass To Other Materials (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、熱可塑性樹脂と可塑剤とを含有する合わせガラス用中間膜に関し、より詳細には、合わせガラスを構成するのに用いられ、該合わせガラスの遮音性、及び、耐湿性を高めることができる合わせガラス用中間膜、及び該合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスに関する。
合わせガラスは、外部衝撃を受けて破損した場合にガラス破片の飛散量が少なく、安全性に優れている。そのため、合わせガラスは、自動車、鉄道車両、航空機、船舶、建築物等の窓ガラスとして広く使用されている。
合わせガラスでは、一対の板ガラスの間に合わせガラス用中間膜が挟み込まれている。合わせガラス用中間膜として、通常、可塑化ポリビニルアセタール樹脂膜、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂膜、エチレン−アクリル共重合体樹脂膜、ポリウレタン樹脂膜、硫黄元素を含むポリウレタン樹脂膜、またはポリビニルアルコール樹脂膜等が用いられている。
上記可塑化ポリビニルアセタール樹脂膜の一例として、下記の特許文献1には、ポリビニルアセタール樹脂100重量部と、トリエチレングリコールモノ−2−エチルヘキサノエートとトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエートとの混合物20〜60重量部とを含有する合わせガラス用中間膜が開示されている。
また、下記の特許文献2には、アセタール化度が60〜85モル%のポリビニルアセタール樹脂100重量部と、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩の内の少なくとも一方の金属塩0.001〜1.0重量部と、30重量部以上の可塑剤とを含む遮音層が開示されている。この遮音層は、単層で合わせガラス用中間膜として用いられ得る。
さらに、特許文献2には、上記遮音層と他の層とが積層された合わせガラス用中間膜も記載されている。遮音層に積層される他の層は、アセタール化度が60〜85モル%のポリビニルアセタール樹脂100重量部と、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩の内の少なくとも一方の金属塩0.001〜1.0重量部と、30重量部以下の可塑剤とを含む。
特開2001−097745号公報 特開2007−070200号公報
特許文献1に記載の合わせガラス用中間膜を用いて合わせガラスを構成した場合には、合わせガラスの2000Hz付近の周波数領域における遮音性が充分ではなく、従ってコインシデンス効果による遮音性の低下を避けることができなかった。この合わせガラスでは、特に、20℃付近での遮音性が充分ではなかった。
ここで、コインシデンス効果とは、ガラス板に音波が入射したとき、ガラス板の剛性と慣性によって、ガラス面上を横波が伝播して横波と入射音とが共鳴し、その結果、音の透過が起こる現象をいう。
近年、合わせガラスの20℃付近での遮音性を高めるために、合わせガラス用中間膜に過剰量の可塑剤を含有させることが検討されてきている。合わせガラス用中間膜に過剰量の可塑剤を含有させることにより、合わせガラスの遮音性を改善することができる。しかしながら、過剰量の可塑剤を用いた場合には、合わせガラス用中間膜の表面に可塑剤がブリードアウトすることがあった。また、可塑剤の選択によって、合わせガラスの20℃付近での遮音性をある程度高めることができたものの、得られた合わせガラスの耐湿性が低いという問題があった。そのため、合わせガラスが高温高湿下に晒されると、合わせガラスの周辺部に白化が生じることがあった。
一方、特許文献2に記載の遮音層を単層で合わせガラス用中間膜として用いて合わせガラスを構成した場合には、合わせガラスの20℃付近での遮音性が十分ではなかった。
また、特許文献2に記載の遮音層と他の層とが積層された合わせガラス用中間膜を用いて合わせガラスを構成した場合には、合わせガラスの20℃付近での遮音性をある程度高めることができる。しかし、合わせガラス用中間膜が上記積層構造を有するため、合わせガラス用中間膜に光学歪みが生じることがあった。さらに、合わせガラス用中間膜の製造が煩雑となり、コストが高くなるという問題があった。
本発明の目的は、合わせガラスを構成するのに用いられた場合に、得られた合わせガラスの20℃付近での遮音性を高めることができるだけでなく、該合わせガラスの周辺部に白化が生じるのを抑制できる合わせガラス用中間膜、及び該合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスを提供することにある。
本発明によれば、熱可塑性樹脂と、下記式(1)で表される構造を有する可塑剤とを含有することを特徴とする、合わせガラス用中間膜が提供される。
Figure 0005208605
上記式(1)中、R1は炭素数1〜18のアルキレン基を表し、R2は炭素数4〜10の分岐構造を有するアルキレン基を表し、R3は炭素数1〜18のアルキレン基を表し、m及びnは合計で2〜10の範囲内の数である。
本発明の合わせガラス用中間膜のある特定の局面では、前記式(1)において、R1は炭素数2〜5のアルキレン基であり、R2は炭素数5〜10の分岐構造を有するアルキレン基であり、かつR3は炭素数2〜5のアルキレン基である。
前記分岐構造を有するアルキレン基は、主鎖から分岐している側鎖を有し、該側鎖が炭素数2以上のアルキル基であることが好ましい。この場合には、合わせガラス用中間膜を用いて構成された合わせガラスが高温高湿下に晒されたときに、該合わせガラスの周辺部に白化がより一層生じ難い。
本発明に係る合わせガラスは、本発明に従って構成された合わせガラス用中間膜が、少なくとも2枚のガラス板の間に挟み込まれていることを特徴とする。
本発明に係る合わせガラス用中間膜は、熱可塑性樹脂と、上記式(1)で表される構造を有する可塑剤とを含有するので、合わせガラスを構成するのに用いられた場合に、得られた合わせガラスの20℃付近での遮音性、及び、耐湿性を高めることができる。また、本発明に係る合わせガラス用中間膜を単層で用いて合わせガラスを構成しても、合わせガラスの20℃付近での遮音性、及び、耐湿性を高めることができる。
また、本発明に係る合わせガラス用中間膜を、少なくとも2枚のガラス板の間に挟み込ませることにより、20℃付近での遮音性、及び、耐湿性が高められた合わせガラスを提供することができる。
本願発明者は、熱可塑性樹脂と、上記式(1)で表される可塑剤とを含む組成を採用することにより、合わせガラス用中間膜を用いて合わせガラスを構成した場合に、得られた合わせガラスの20℃付近での遮音性を極めて高めることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
さらに、本願発明者は、上記特定の組成を採用することにより、合わせガラス用中間膜を単層で用いて合わせガラスを構成した場合でも、合わせガラスの20℃付近での遮音性を充分に高めることができることも見出した。
加えて、本願発明者は、上記特定の組成を採用することにより、合わせガラスが高温高湿下に晒されたときに、該合わせガラスの周辺部に白化が生じ難くなることも見出した。
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明に係る合わせガラス用中間膜は、熱可塑性樹脂と、上記式(1)で表される構造を有する可塑剤とを含有する。
上記熱可塑性樹脂は特に限定されない。上記熱可塑性樹脂として、例えば、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−アクリル共重合体樹脂、ポリウレタン樹脂、硫黄元素を含有するポリウレタン樹脂、またはポリビニルアルコール樹脂等が挙げられる。なかでも、上記可塑剤との併用により、合わせガラス用中間膜とガラス板との接着力を高めることができるので、ポリビニルアセタール樹脂が好適に用いられる。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコール樹脂(PVA)をアルデヒドでアセタール化して得られた樹脂である。
上記ポリビニルアセタール樹脂の製造方法は特に限定されない。例えば、ポリビニルアルコール樹脂を温水もしくは熱水に溶解し、得られた水溶液を0〜95℃程度の所定の温度に保持する。水溶液に、アルデヒド及び酸触媒を添加し、攪拌しながらアセタール化反応を進行させる。次いで、反応温度を上げて熟成することにより反応を完結させる。その後、中和、水洗及び乾燥の諸工程を行う。このようにして、粉末状のポリビニルアセタール樹脂を得ることができる。
上記ポリビニルアセタール樹脂の製造に用いられるポリビニルアルコール樹脂は、平均重合度500〜5000のポリビニルアルコール樹脂であることが好ましい。なかでも、平均重合度1000〜3000のポリビニルアルコール樹脂がより好ましい。平均重合度が500未満であると、中間膜の強度が弱くなりすぎて、この中間膜を備えた合わせガラスの耐貫通性が低下することがある。平均重合度が5000を超えると、合わせガラス用中間膜の成形が困難なことがある。さらに、合わせガラス用中間膜の強度が強くなりすぎて、この中間膜を備えた合わせガラスの耐貫通性が低下することがある。
なお、ポリビニルアルコール樹脂の平均重合度は、例えば、JIS K 6726「ポリビニルアルコール試験方法」に基づいて測定され得る。
上記ポリビニルアセタール樹脂の製造に用いられるアルデヒドは特に限定されない。上記アルデヒドとして、例えば、炭素数1〜10のアルデヒド等が挙げられる。上記アルデヒドの具体例として、例えば、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デシルアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド又はベンズアルデヒド等が挙げられる。これらのアルデヒドは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なかでも、n−ブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、またはn−バレルアルデヒドが好ましく、炭素数4のn−ブチルアルデヒドがより好ましい。
上記ポリビニルアセタール樹脂は特に限定されない。上記ポリビニルアセタール樹脂として、ポリビニルアルコール樹脂とホルムアルデヒドとを反応させて得られたポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂とアセトアルデヒドとを反応させて得られた狭義のポリビニルアセタール樹脂、又はポリビニルアルコール樹脂とn−ブチルアルデヒドとを反応させて得られたポリビニルブチラール樹脂等が挙げられる。これらのポリビニルアセタール樹脂は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ポリビニルアセタール樹脂として、ポリビニルブチラール樹脂(PVB)が好適に用いられる。ポリビニルブチラール樹脂を用いることにより、合わせガラス用中間膜の透明性、耐候性、及びガラス板に対する接着性等を高めることができる。
上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度は、60〜85モル%の範囲内にあることが好ましく、63〜70モル%の範囲内にあることがより好ましい。アセタール化度が60モル%未満であると、可塑剤とポリビニルアセタール樹脂との相溶性が低いことがあり、かつ合わせガラス用中間膜のガラス転移温度が十分に低下しないことがある。そのため、低温領域における遮音性能が十分に高くならないことがある。アセタール化度が85モル%を超えると、ポリビニルアセタール樹脂を製造するために必要な反応時間が長くなることがある。
上記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル基量は、0.5〜30モル%の範囲内にあることが好ましい。アセチル基量は、0.5〜25モル%の範囲内にあることがより好ましく、0.5〜20モル%の範囲内にあることがさらに好ましい。
上記アセチル基量が0.5モル%未満であると、上記可塑剤とポリビニルアセタール樹脂との相溶性が低下することがある。また、得られたポリビニルアセタール樹脂のガラス転移温度が十分に低下しないことがある。そのため、低温領域における遮音性能が十分に高くならないことがある。アセチル基量が30モル%を超えるポリビニルアセタール樹脂を製造しようとすると、例えばポリビニルアルコール樹脂とアルデヒドとの反応性が著しく低下することがある。
上記ポリビニルアセタール樹脂における上記アセタール化度と上記アセチル基量との合計は、65モル%以上であることが好ましく、68モル%以上であることがより好ましい。アセタール化度とアセチル基量との合計が65モル%未満であると、上記可塑剤とポリビニルアセタール樹脂との相溶性が低下することがある。また、得られたポリビニルアセタール樹脂のガラス転移温度が十分に低下しないことがある。そのため、低温領域における遮音性能が十分に高くならないことがある。
また、ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度は、JIS K 6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により、又は核磁気共鳴法(NMR)を用いた方法により、アセチル基量とビニルアルコール量とを測定し、得られた測定結果からモル分率を算出し、ついで、100モル%からアセチル基量とビニルアルコール量とを差し引くことにより算出され得る。
なお、ポリビニルアセタール樹脂がポリビニルブチラール樹脂である場合は、上記アセタール化度(ブチラール化度)およびアセチル基量は、JIS K 6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法、又は赤外線吸収スペクトル(IR)や核磁気共鳴法(NMR)を用いた方法により測定された結果から算出され得る。
本発明に係る合わせガラス用中間膜には、上記熱可塑性樹脂に加えて、下記式(1)で表される構造を有する可塑剤が含有される。
Figure 0005208605
上記式(1)中、R1は炭素数1〜18のアルキレン基を表し、R2は炭素数4〜10の分岐構造を有するアルキレン基を表し、R3は炭素数1〜18のアルキレン基を表し、m及びnは合計(m+n)で2〜10の範囲内の数である。
上記式(1)中のR1は炭素数1〜18のアルキレン基を表す。上記R1の炭素数が18を超えると、上記熱可塑性樹脂と上記可塑剤とが相溶しないことがある。上記R1は、炭素数1〜18のアルキレン基であれば特に限定されない。上記R1として、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、またはオクタデシレン基等が挙げられる。上記アルキレン基は直鎖構造を有するアルキレン基であってもよく、分岐構造を有するアルキレン基であってもよい。
なかでも、遮音性により一層優れた合わせガラスを得ることができるため、上記R1は、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、またはヘキシレン基等の炭素数1〜6のアルキレン基であることが好ましく、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、またはペンチレン基等の炭素数2〜5のアルキレン基であることがより好ましい。
上記式(1)中のR2は炭素数4〜10の分岐構造を有するアルキレン基を表す。上記R2の炭素数が10を超えると、上記熱可塑性樹脂と上記可塑剤とが相溶しないことがある。上記R2は、炭素数4〜10の分岐構造を有するアルキレン基であれば特に限定されない。上記R2として、例えば、2−メチルプロピレン基、2−エチルプロピレン基、2−プロピルプロピレン基、2,2−ジメチルプロピレン基、2,2−ジエチルプロピレン基、2,2−ジプロピルプロピレン基、2−メチルブチレン基、2−エチルブチレン基、2−プロピルブチレン基、2,3−ジメチルブチレン基、2,3−ジエチルブチレン基、2,3−ジプロピルブチレン基又は2−ブチル−2−エチルプロピレン基等が挙げられる。
なかでも、遮音性がより一層高く、耐湿性に優れた合わせガラスを得ることができるため、上記R2は、2,2−ジメチルプロピレン基、2,2−ジエチルプロピレン基、2,2−ジプロピルプロピレン基、2,3−ジメチルブチレン基、2,3−ジエチルブチレン基、2,3−ジプロピルブチレン基又は2−ブチル−2−エチルプロピレン基等の炭素数5〜10の分岐構造を有するアルキレン基であることが好ましい。
さらに、高温高湿下に晒された合わせガラスの周辺部に白化がより一層生じ難くなるため、上記R2は、2,2−ジエチルプロピレン基、2,2−ジプロピルプロピレン基、2,3−ジメチルブチレン基、2,3−ジエチルブチレン基、2,3−ジプロピルブチレン基又は2−ブチル−2−エチルプロピレン基等の炭素数6〜10の分岐構造を有するアルキレン基であることがより好ましく、2−ブチル−2−エチルプロピレン基であることがさらに好ましい。
上記2−ブチル−2−エチルプロピレン基は、下記式(11)で表される。
Figure 0005208605
また、上記式(1)中のR2が炭素数4〜10の分岐構造を有するアルキレン基であり、かつ該アルキレン基は主鎖から分岐している側鎖を有し、該側鎖が炭素数2以上のアルキル基であることが好ましい。この場合には、合わせガラス用中間膜を用いて構成された合わせガラスが高温高湿下に晒されたときに、特に、該合わせガラスの周辺部に白化が生じ難くなる。上記アルキレン基は、上記分岐している側鎖として、炭素数2以上のアルキル基を少なくとも1つ有していればよく、該アルキル基を複数有していてもよい。上記アルキレン基は、上記分岐している側鎖として炭素数2以上のアルキル基を複数有することが好ましい。上記炭素数2以上のアルキル基は、直鎖構造であることが好ましい。
上記分岐構造を有するアルキレン基は、主鎖から分岐している側鎖として、炭素数3以上のアルキル基を有することが好ましく、炭素数4以上のアルキル基を有することが好ましい。この場合には、高温高湿下に晒された合わせガラスの周辺部に白化がより一層生じ難くなる。
上記式(1)中のR3は炭素数1〜18のアルキレン基を表す。上記R3の炭素数が18を超えると、上記熱可塑性樹脂と上記可塑剤とが相溶しないことがある。上記R3は炭素数1〜18のアルキレン基であれば特に限定されない。上記R3として、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、またはオクタデシレン基等が挙げられる。上記アルキレン基は直鎖構造を有するアルキレン基であってもよく、分岐構造を有するアルキレン基であってもよい。なかでも、遮音性により一層優れた合わせガラスを得ることができるため、上記R3は、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、またはヘキシレン基等の炭素数1〜6のアルキレン基であることが好ましく、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、またはペンチレン基等の炭素数2〜5のアルキレン基であることがより好ましい。
上記式(1)において、R1が炭素数2〜5のアルキレン基であり、R2が炭素数5〜10の分岐構造を有するアルキレン基であり、かつR3が炭素数2〜5のアルキレン基であることが好ましい。この場合には、合わせガラスの20℃付近での遮音性をより一層高めることができ、かつ耐湿性を高めることができる。
上記式(1)で表される可塑剤として、具体的には、ネオペンチルグリコールエトキシレート、ネオペンチルグリコールプロポキシレート又は2−ブチル−2−エチル−1,3−β−ヒドロキシエトキシ−プロパン等が挙げられる。
上記式(1)で表される可塑剤は、ネオペンチルグリコールエトキシレート、ネオペンチルグリコールプロポキシレート、又は2−ブチル−2−エチル−1,3−β−ヒドロキシエトキシ−プロパンであることが好ましい。なかでも、遮音性がより一層高く、耐湿性に優れた合わせガラスを得ることができるため、ネオペンチルグリコールエトキシレート、又は2−ブチル−2−エチル−1,3−β−ヒドロキシエトキシ−プロパンがより好ましい。さらに、合わせガラスの周辺部に白化がより一層生じ難くなるので、2−ブチル−2−エチル−1,3−β−ヒドロキシエトキシ−プロパンがさらに好ましい。
上記ネオペンチルグリコールエトキシレートは、下記式(2)で表される構造を有する。
Figure 0005208605
上記式(2)中、s及びtは合計(s+t)で2〜10の範囲内の数である。
上記2−ブチル−2−エチル−1,3−β−ヒドロキシエトキシ−プロパンは、上記式(1)中のR2が炭素数9の分岐構造を有するアルキレン基である。また、このアルキレン基は、主鎖から分岐している側鎖として、炭素数2のエチル基と炭素数4のn−ブチル基とを有する。
上記2−ブチル−2−エチル−1,3−β−ヒドロキシエトキシ−プロパンは、下記式(3)で表される構造を有する。
Figure 0005208605
上記式(3)中、s及びtは合計(s+t)で2〜10の範囲内の数である。
なお、m、n、s及びtは平均付加モル数を示す。m及びnの合計(m+n)並びにs及びtの合計(s+t)は、3〜9の範囲内の数であることが好ましく、4〜8の範囲内の数であることがより好ましい。
上記熱可塑性樹脂100重量部に対して、上記式(1)で表される構造を有する可塑剤は、30〜100重量部の範囲内で含有されることが好ましい。上記可塑剤の量が30重量部未満であると、合わせガラス用中間膜の溶融粘度が高くなり、合わせガラス製造時の脱気性が低下することがある。上記可塑剤の量が100重量部を超えると、本発明の合わせガラス用中間膜を備えた合わせガラスの耐貫通性が低下することがある。上記熱可塑性樹脂100重量部に対して、上記可塑剤は、35〜90重量部の範囲内で含有されることがより好ましい。上記熱可塑性樹脂100重量部に対する上記可塑剤の配合量のより好ましい下限は40重量部、さらに好ましい下限は45重量部、より好ましい上限は65重量部である。
上記式(1)中のR2が、炭素数4〜10の分岐構造を有するアルキレン基であり、分岐している側鎖が炭素数2以上のアルキル基である可塑剤を用いる場合には、上記熱可塑性樹脂100重量部に対して、上記可塑剤は45〜90重量部の範囲内で含有されることが好ましく、さらに45〜80重量部の範囲内で含有されることがより好ましい。この範囲内で可塑剤を用いることにより、合わせガラスの周辺部に白化が生じるのをより一層抑制できる。
特に上記式(3)で表される可塑剤である2−ブチル−2−エチル−1,3−β−ヒドロキシエトキシ−プロパンを用いる場合には、上記熱可塑性樹脂100重量部に対して、上記可塑剤は45〜90重量部の範囲内で含有されることが好ましく、さらに45〜80重量部の範囲内で含有されることがより好ましい。この範囲内で可塑剤を用いることにより、合わせガラスの周辺部に白化が生じるのをさらに一層抑制できる。
なお、従来、合わせガラス用中間膜を構成するに際し、一般的に使用されている可塑剤の配合量を多くすると、合わせガラスの遮音性を改善することができる。しかし、合わせガラス用中間膜の表面に可塑剤のブリードアウトが生じやすかった。
本発明の合わせガラス用中間膜は、熱可塑性樹脂と上記特定の可塑剤とを含有しているため、合わせガラス用中間膜の表面にブリードアウトが生じ難い。しかも、合わせガラス用中間膜を用いて合わせガラスを構成した場合に、得られた合わせガラスの遮音性を極めて高めることができる。
本発明の合わせガラス用中間膜の厚さを760μmとし、該合わせガラス用中間膜を厚さ2.0mmの2枚のクリアガラスで挟み込むことにより得られた合わせガラスは、20〜30℃の環境下において、周波数1000〜3000Hzにおける損失係数が、0.1以上であることが好ましい。上記損失係数が0.1未満であると、遮音性に優れた合わせガラスを得ることができないことがある。上記損失係数は0.12以上であることが好ましく、0.14以上であることがより好ましい。
上記損失係数を測定する装置は特に限定されない。この装置として、例えば、機械インピーダンス測定装置(リオン社製「XG−81」)等が挙げられる。
また、従来、一般的に使用されている可塑剤を含む合わせガラス用中間膜を用いて合わせガラスを構成した場合、得られた合わせガラスが高温高湿下に晒されると、合わせガラスの周辺部に白化が生じやすかった。
本発明において、上記式(1)中のR2が分岐構造を有するアルキレン基であり、かつ該アルキレン記が分岐している側鎖として炭素数2以上のアルキル基を有する可塑剤を用いた場合には、特に2−ブチル−2−エチル−1,3−β−ヒドロキシエトキシ−プロパンを用いた場合には、高温高湿下に晒された合わせガラスの周辺部に白化が生じるのをより一層抑制できる。
本発明の合わせガラス用中間膜は、必要に応じて、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、難燃剤、帯電防止剤、接着力調整剤、耐湿剤、青色顔料、青色染料、緑色顔料、緑色染料、蛍光増白剤、赤外線吸収剤等の添加剤を含有してもよい。
上記赤外線吸収剤は、赤外線を遮蔽する性能を有すれば特に限定されない。本発明に係る合わせガラス用中間膜は、錫ドープ酸化インジウム微粒子、アンチモンドープ酸化錫微粒子、金属元素がドープされた酸化亜鉛微粒子、六ホウ化ランタン微粒子、アンチモン酸亜鉛微粒子及びフタロシアニン構造を有する赤外線吸収剤からなる群より選択された少なくとも1種の赤外線吸収剤を含有することが好ましい。
上記熱可塑性樹脂100重量部に対して、上記赤外線吸収剤の配合量の好ましい下限は0.001重量部、好ましい上限は5重量部である。上記赤外線吸収剤の配合量が0.001重量部未満であると、合わせガラス用中間膜が赤外線を充分に遮蔽することができないことがある。上記赤外線吸収剤の配合量が5重量部を超えると、合わせガラスの透明性が低下することがある。
本発明の合わせガラス用中間膜の厚さは特に限定されない。合わせガラス用中間膜の厚さの好ましい下限は0.1mm、好ましい上限は3mmである。合わせガラス用中間膜の厚さが0.1mm未満であると、合わせガラスの耐貫通性が低下することがある。合わせガラス用中間膜の厚さが3mmを超えると、合わせガラス用中間膜の透明性が低下することがある。合わせガラス用中間膜の厚さのより好ましい下限は0.25mm、より好ましい上限は1.5mmである。
本発明の合わせガラス用中間膜の厚さを760μmとし、該合わせガラス用中間膜を厚さ2.0mmの2枚のクリアガラスで挟み込むことにより得られた合わせガラスは、JIS R 3106に準拠した方法で測定された可視光線透過率Tvが60%以上であることが好ましい。可視光線透過率Tvが60%未満であると、合わせガラス用中間膜を用いて合わせガラスを構成した場合に、合わせガラスの透明性が低下することがある。上記可視光線透過率Tvは70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、さらに85%以上であることがより好ましい。
なお、上記可視光線透過率Tvを測定する装置は特に限定されない。この装置として、例えば、分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製「U−4000」)等が挙げられる。
本発明の合わせガラス用中間膜は、合わせガラス用中間膜のガラス板に対する接着性を高めることができることから、110℃における溶融粘度が10000Pa・s以上であり、かつ、140℃における溶融粘度が100000Pa・s以下であることが好ましい。
合わせガラス用中間膜の110℃における溶融粘度が10000Pa・s未満であると、合わせガラスの製造の際に、ガラス板のずれが生じることがある。また、合わせガラス用中間膜の強度が弱くなりすぎて、この中間膜を備えた合わせガラスの耐貫通性が低下することがある。また、合わせガラス用中間膜の140℃における溶融粘度が100000Pa・sを超えると、合わせガラス用中間膜を安定して成形することが困難となることがある。また、合わせガラス用中間膜の強度が強くなりすぎて、この中間膜を備えた合わせガラスの耐貫通性が低下することがある。
本発明の合わせガラス用中間膜を製造する方法として、上記式(1)で表される構造を有する可塑剤に、必要に応じて上記赤外線吸収剤等の添加剤を加えて組成物を得た後、該組成物と、ポリビニルアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂とを充分に混練し、合わせガラス用中間膜を成形する方法等が挙げられる。
上記組成物と上記熱可塑性樹脂とを混練する方法は特に限定されない。この方法として、例えば、押出機、プラストグラフ、ニーダー、バンバリーミキサー、またはカレンダーロール等を用いる方法が挙げられる。なかでも、連続的な生産に適しているため、押出機を用いる方法が好適であり、二軸押出機を用いる方法がより好適である。
本発明の合わせガラスは、本発明の合わせガラス用中間膜と、少なくとも2枚のガラス板とを備えている。本発明の合わせガラスでは、本発明の合わせガラス用中間膜が少なくとも2枚のガラス板の間に挟み込まれている。本発明の合わせガラスは、少なくとも2枚のガラス板の間に、本発明の合わせガラス用中間膜を介在させ、一体化させることにより作製され得る。
上記ガラス板は、一般に使用されている透明板ガラスを使用することができ特に限定されない。ガラス板として、例えば、フロート板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、網入りガラス、線入り板ガラス、着色された板ガラス、熱線吸収ガラス、熱線反射ガラス、またはグリーンガラス等の無機ガラスが挙げられる。
合わせガラスを構成するに際して、2種以上のガラス板を用いてもよい。例えば、透明フロート板ガラスと、グリーンガラスなどの着色された板ガラスとの間に、本発明の合わせガラス用中間膜を挟み込むことにより、合わせガラスを構成することができる。
本発明の合わせガラスを自動車用ガラスとして使用する場合は、フロントガラス、サイドガラス、リアガラス、ルーフガラス、またはパノラマガラスとして、合わせガラスを用いることができる。
また、本発明の合わせガラスの製造方法は、従来公知の製造方法を用いることができ特に限定されない。
なお、ガラス板に代えて、ポリカーボネートやポリアクリレート等の有機プラスチックス板を用いて、2枚の有機プラスチックス板を本発明の合わせガラス用中間膜を介して積層することにより合わせガラスを製造してもよい。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明する。本発明はこれら実施例のみに限定されない。
参考例1)実施例1は欠番とする
(1)合わせガラス用中間膜の作製
ポリビニルブチラール樹脂(アセタール化度69.0モル%;アセチル基量0.6モル%;平均重合度1700)100重量部に、可塑剤として上記式(1)で表される構造を有する可塑剤に相当するネオペンチルグリコールエトキシレート(四日市合成社製「NGE−04」)(式(1)中、R1=エチレン基、R2=2,2−ジメチルプロピレン基、R3=エチレン基、m+n(平均付加モル数)=4.5)40重量部を添加し、ミキシングロールで均一に溶融混練した。その後、押出機を用いて合わせガラス用中間膜を成形し、膜厚が760μmの合わせガラス用中間膜を作製した。
(2)合わせガラスの作製
得られた合わせガラス用中間膜を2枚のクリアガラス(縦300mm×横300mm×厚さ2.0mm)の間に、挟み込ませることにより、積層体を得た。得られた積層体を、真空バッグ内に設置し、常温で933.2hPaの減圧度にて真空バッグ内を脱気した。次いで、脱気状態を維持しながら、真空バッグ内を100℃まで加熱し、100℃に到達した後20分間脱気状態を保持した。その後、真空バッグを自然冷却させ、仮圧着された合わせガラスを得た。仮圧着された合わせガラスを、オートクレーブを用いて135℃及び圧力1.2MPaの条件で20分間圧着し、合わせガラスを作製した。
参考例2)実施例2は欠番とする
可塑剤としてのネオペンチルグリコールエトキシレート(四日市合成社製「NGE−04」)の配合量を65重量部に変更したこと以外は参考例1と同様にして、合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを作製した。
参考例3)実施例3は欠番とする
可塑剤としてのネオペンチルグリコールエトキシレート(四日市合成社製「NGE−04」)の配合量を35重量部に変更したこと以外は参考例1と同様にして、合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを作製した。
参考例4)実施例4は欠番とする
可塑剤としてのネオペンチルグリコールエトキシレート(四日市合成社製「NGE−04」)の配合量を90重量部に変更したこと以外は参考例1と同様にして、合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを作製した。
参考例5)実施例5は欠番とする
(1)顔料分散可塑剤の作製
フタロシアニン構造を有する青色顔料5重量部を、可塑剤としてのネオペンチルグリコールエトキシレート(四日市合成社製「NGE−04」)100重量部に添加し、ビーズミルを用いて混合し、顔料分散可塑剤を作製した。
(2)合わせガラス用中間膜の作製
ポリビニルブチラール樹脂(アセタール化度69.0モル%;アセチル基量0.6モル%;平均重合度1700)100重量部に、顔料分散可塑剤5重量部を添加し、さらに、ポリビニルブチラール樹脂100重量部に対して、可塑剤としてのネオペンチルグリコールエトキシレート(四日市合成社製「NGE−04」)の配合量が65重量部となるように該ネオペンチルグリコールエトキシレートを添加し、ミキシングロールで均一に溶融混練した。その後、押出機を用いて合わせガラス用中間膜を成形し、膜厚が760μmの合わせガラス用中間膜を作製した。
(3)合わせガラスの作製
得られた合わせガラス用中間膜を2枚のクリアガラス(縦300mm×横300mm×厚さ2.0mm)の間に挟み込ませることにより、積層体を得た。得られた積層体を、真空バッグ内に設置し、常温で933.2hPaの減圧度にて真空バッグ内を脱気した。次いで、脱気状態を維持しながら、真空バッグ内を100℃まで加熱し、100℃に到達した後20分間脱気状態を保持した。その後、真空バッグを自然冷却させ、仮圧着された合わせガラスを得た。仮圧着された合わせガラスを、オートクレーブを用いて135℃及び圧力1.2MPaの条件で20分間圧着し、合わせガラスを作製した。
(比較例1)
可塑剤としてのネオペンチルグリコールエトキシレート(四日市合成社製「NGE−04」)を、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)に変更したこと以外は参考例1と同様にして、合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを作製した。
(比較例2)
トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)の配合量を65重量部に変更したこと以外は、比較例1と同様にして、合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを作製した。
(遮音性の評価)
参考例及び比較例で得られた合わせガラスを、縦25mm×横300mmの大きさに切断し、遮音性評価用の合わせガラスを作製した。この遮音性評価用の合わせガラスをダンピング試験用の振動発生機(リオン製「発振機VP−50」)により加振し、そこから得られた振動特性を機械インピーダンス測定装置(リオン社製「XG−81」)にて増幅し、振動スペクトルをFFTスペクトラムアナライザー(リオン社製「多チャンネル分析処理器SA01A2」)により解析し、10℃、20℃及び30℃の各温度における、1000Hz、1500Hz、2000Hz、2500Hz及び3000Hzでの合わせガラスの損失係数を算出した。結果を下記の表1に示した。
(ブリードアウトの評価)
参考例及び比較例で得られた合わせガラス用中間膜を、赤色の油性マジックを用いてそれぞれマーキングした。マーキングされた合わせガラス用中間膜を温度25±2℃、湿度23±3%の条件で一週間保管した。保管後の合わせガラス用中間膜を目視で観察した。ブリードアウトした可塑剤によるマーキングの滲みの発生の有無を確認することにより、合わせガラス用中間膜の表面に可塑剤のブリートアウトが生じているか否かを評価した。可塑剤のブリードアウトが生じていない場合を「○」、可塑剤のブリードアウトが生じている場合を「×」として結果を下記の表1に示した。
(耐湿性の評価)
参考例及び比較例で得られた合わせガラスをそれぞれ、80℃及び相対湿度95%の雰囲気下に放置した。2週間放置した後に、合わせガラスを取り出して、合わせガラスの周辺部における白化距離を測定した。結果を下記の表1に示した。
Figure 0005208605
(実施例6)
可塑剤としてのネオペンチルグリコールエトキシレート(四日市合成社製「NGE−04」)を、上記式(1)で表される構造を有する可塑剤に相当する2−ブチル−2−エチル−1,3−β−ヒドロキシエトキシ−プロパン(日本乳化剤社製「DMH−40」)(式(1)中、R1=エチレン基、R2=2−ブチル−2−エチルプロピレン基、R3=エチレン基、m+n(平均付加モル数)=4.5)に変更し、その配合量を45重量部としたこと以外は参考例1と同様にして、合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを作製した。
(実施例7)
可塑剤としての2−ブチル−2−エチル−1,3−β−ヒドロキシエトキシ−プロパン(日本乳化剤社製「DMH−40」)の配合量を50重量部に変更したこと以外は実施例6と同様にして、合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを作製した。
(実施例8)
可塑剤としての2−ブチル−2−エチル−1,3−β−ヒドロキシエトキシ−プロパン(日本乳化剤社製「DMH−40」)の配合量を60重量部に変更したこと以外は実施例6と同様にして、合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを作製した。
(実施例9)
可塑剤としての2−ブチル−2−エチル−1,3−β−ヒドロキシエトキシ−プロパン(日本乳化剤社製「DMH−40」)の配合量を80重量部に変更したこと以外は実施例6と同様にして、合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを作製した。
(比較例3)
可塑剤としてのネオペンチルグリコールエトキシレート(四日市合成社製「NGE−04」)を、ペンタエリスリトールポリオキシエチレンエーテル(日本乳化剤社製「PNT−40」)に変更したこと以外は参考例1と同様にして、合わせガラス用中間膜を作製しようと試みた。しかし、なお、合わせガラス用中間膜が成形できなかった。このため、遮音性、ブリードアウト、及び、耐湿性の評価は行なわなかった。
(比較例4)
可塑剤としてのネオペンチルグリコールエトキシレート(四日市合成社製「NGE−04」)を、トリメチロールプロパントリポリオキシエチレンエーテル(日本乳化剤社製「TMP−30」)に変更したこと以外は参考例1と同様にして、合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを作製した。
(評価)
実施例6〜9及び比較例4の合わせガラス用中間膜及び合わせガラスについて、参考例1〜5及び比較例1,2の合わせガラス用中間膜及び合わせガラスと同様の評価を行った。
結果を下記の表2に示す。
Figure 0005208605

Claims (4)

  1. 熱可塑性樹脂と、下記式(1)で表される構造を有する可塑剤とを含有することを特徴とする、合わせガラス用中間膜。
    Figure 0005208605
    上記式(1)中、R1は炭素数1〜18のアルキレン基を表し、R2は炭素数4〜10の分岐構造を有するアルキレン基を表し、R3は炭素数1〜18のアルキレン基を表し、m及びnは合計で2〜10の範囲内の数である。上記式(1)中、R2が表す前記炭素数4〜10の分岐構造を有するアルキレン基は、主鎖から分岐している側鎖を有し、該側鎖の少なくとも1つが炭素数2以上のアルキル基である。
  2. 前記式(1)において、R1が炭素数2〜5のアルキレン基であり、R2が炭素数5〜10の分岐構造を有するアルキレン基であり、かつR3が炭素数2〜5のアルキレン基である、請求項1に記載の合わせガラス用中間膜。
  3. 前記分岐構造を有するアルキレン基は、主鎖から分岐している側鎖を有し、該側鎖が炭素数2以上のアルキル基である、請求項1または2に記載の合わせガラス用中間膜。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜が、少なくとも2枚のガラス板の間に挟み込まれていることを特徴とする、合わせガラス。
JP2008184791A 2008-02-22 2008-07-16 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス Active JP5208605B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008184791A JP5208605B2 (ja) 2008-02-22 2008-07-16 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008041879 2008-02-22
JP2008041879 2008-02-22
JP2008184791A JP5208605B2 (ja) 2008-02-22 2008-07-16 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009221094A JP2009221094A (ja) 2009-10-01
JP5208605B2 true JP5208605B2 (ja) 2013-06-12

Family

ID=41238284

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008184791A Active JP5208605B2 (ja) 2008-02-22 2008-07-16 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5208605B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10438575B2 (en) 2017-11-20 2019-10-08 Chang Chun Petrochemical Co., Ltd. Multilayer film, interlayer film comprising the multilayer film and laminated glass and sound-insulating glass laminate comprising the interlayer film

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018182030A1 (ja) * 2017-03-31 2018-10-04 積水化学工業株式会社 熱可塑性樹脂膜及びガラス板含有積層体

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4293615A (en) * 1980-05-30 1981-10-06 E. I. Du Pont De Nemours And Company Polyvinyl butyral laminates
JPH05213637A (ja) * 1992-02-03 1993-08-24 Nissan Motor Co Ltd フォトクロミック合わせガラス
JP4216969B2 (ja) * 1999-09-30 2009-01-28 積水化学工業株式会社 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
JP4052769B2 (ja) * 1999-11-04 2008-02-27 積水化学工業株式会社 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
JP4339485B2 (ja) * 2000-02-28 2009-10-07 積水化学工業株式会社 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
JP2007070200A (ja) * 2005-09-09 2007-03-22 Asahi Glass Co Ltd 合わせガラス
JP4465334B2 (ja) * 2006-06-13 2010-05-19 積水化学工業株式会社 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10438575B2 (en) 2017-11-20 2019-10-08 Chang Chun Petrochemical Co., Ltd. Multilayer film, interlayer film comprising the multilayer film and laminated glass and sound-insulating glass laminate comprising the interlayer film

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009221094A (ja) 2009-10-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5416839B2 (ja) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
JP6487771B2 (ja) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
JP6255520B2 (ja) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
JP4686636B2 (ja) 合わせガラス用中間膜
CA2400987C (en) Interlayer film for laminated glass and laminated glass
JP5913102B2 (ja) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
CN104470869A (zh) 夹层玻璃及夹层玻璃的安装方法
WO2017057630A1 (ja) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
MX2013006489A (es) Intercapa para vidrio laminado y vidrio laminado.
JP2013006725A (ja) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
RU2681154C2 (ru) Межслоевая пленка для ламинированного стекла, а также ламинированное стекло
JP2007055822A (ja) 合わせガラス用中間膜および合わせガラス
KR20190132623A (ko) 접합 유리
JP5208605B2 (ja) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
JP2013163616A (ja) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
WO2018198677A1 (ja) 合わせガラス
JP2013006723A (ja) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
JP2007039300A (ja) 合わせガラス用中間膜および合わせガラス
JP2004002108A (ja) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
JP2007008796A (ja) 合わせガラス用中間膜および合わせガラス
JP2013006724A (ja) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
KR20220035873A (ko) 접합 유리용 중간막 및 접합 유리
KR20220035872A (ko) 접합 유리용 중간막 및 접합 유리
JP2012131659A (ja) 合わせガラス及び合わせガラスの取り付け方法
JP2011046559A (ja) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110527

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120410

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121017

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121023

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121221

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130122

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130220

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160301

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5208605

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160301

Year of fee payment: 3