JP4213929B2 - 建設機械の収納箱 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建設機械に設置される物品の収納箱に関する。
【0002】
【従来の技術】
建設機械には、工具、給脂具、作業用具など、種々の物品を出し入れ自在に収納する収納箱が備えられている。この収納箱は、例えば、機体のエンジンルーム内、あるいは運転室内などに設置されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したとおりの従来の収納箱には、次のとおりの解決すべき課題がある。
【0004】
(1)設置空間が限られる:
建設機械は、運転者の視界を良好にし、また周囲の障害物と干渉しにくいようにし、能率良く稼働できるように、機体を可能な限り小型化することが望まれている。したがって、物品の収納箱の設置空間が限られている。また、収納箱の大型化、増設も難しい。
【0005】
(2)機体形状が複雑になる:
収納箱を限られた機体空間内に、例えば機体の点検整備などの作業の邪魔にならないように設置すると、機体の形状が複雑になる。
【0006】
本発明は上記事実に鑑みてなされたもので、その技術的課題は、機体を基本的に大きくすることなく、また機体形状を複雑にすることなく、収納箱を設置できるようにした、建設機械の収納箱を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明によれば、上記技術的課題を解決するために、物品の収納箱が、扁平の略直方体に形成され、建設機械の下部走行体上に旋回自在に取付けた機体である上部旋回体の、上部を覆う平坦な機体上面に、上面の一部である燃料タンクの上を通り形成された通路の上に設置され、該収納箱が、機体上面に載置された底部と、この底部に揺動開閉を自在に取付けられ底部の上を覆って収納箱の上面を形成する、底部を主として覆う主蓋と、主蓋に並び設けられた副蓋とを備えている、ことを特徴とする建設機械の収納箱が提供される。
【0008】
そして、機体の通路上の空間を利用して、機体を基本的に大きくすることなしに、また機体形状を複雑にすることなしに、収納箱を設置する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に従って構成された建設機械の収納箱について、典型的な建設機械である油圧ショベルにおける好適実施形態を図示している添付図面を参照して、さらに詳細に説明する。
【0012】
図1を参照して説明すると、全体を番号2で示す油圧ショベルは、左右一対のトラック4、4を有した下部走行体6と、下部走行体6上に旋回自在に取付けられた上部旋回体8を備えている。機体である上部旋回体8には、前部左側に運転室10が、右側に燃料タンク12及びその前側にバッテリなどの収納室14が設置されている。上部旋回体8にはまた、中央部にエンジン、油圧機器などを収容した機器室16が、前部中央に作業腕18が、後部にカウンタウエイト20が配設されている。
【0013】
機体である上部旋回体8の上面は機体の上部を覆う平坦な機体上面Fを形成し、作業者の乗降が可能に形成されている。作業者はこの機体上面Fに上って、機器室16内のエンジン、油圧機器の保守点検などの作業を行うことができる。
【0014】
図1と共に図1の右前部部分拡大詳細図である図2を参照して説明する。バッテリなどの収納室14には、前面下部に乗降ステップ14aが、前面上部に乗降ステップ14bが、そして上面に滑り止め手段を施した踏面14cが備えられている。そしてこれらによって、乗降ステップ14a、14b、踏面14c、機体上面Fの一部である燃料タンク12の上を通り、機体上面Fに乗降するための通路Wが形成されている。
【0015】
本願発明に係る物品の収納箱22が、通路Wの機体上面Fに位置した、燃料タンク12の上の部分に設置されている。
【0016】
収納箱22について、その斜視図である図3及び上方から見た平面図である図4を参照して説明する。収納箱22は偏平の略直方体に形成され、機体上面Fに載置される底部24と、底部24の上を覆って収納箱22の上面を形成する、底部24に揺動開閉を自在に取付けられた一対の蓋、主蓋26及び副蓋28を備えている。
【0017】
底部24は、略矩形状の底板24aと、底板24aの周縁の一部(図4の左側部)に立設された縦壁24bと、底板24aの一側(図4の上側)に位置しボルト孔を有した一対のボス24c、24cとを備えている。底部24は、このボス24c、24cにボルト(図示していない)が通されて通路Wが位置する機体上面F上に取付けられている。
【0018】
主蓋26は、底部24を主として覆う大きさの略矩形に形成され、一端側(図4の上側)は底板24aに向けて折り曲げられその部分が一対のヒンジ30、30により底板24aに取付けられている。主蓋26の他端側(図4の下側)は、底板24aに向けた折曲部26aを有し、折曲部26aには一対の、ボルト穴を有したアングル26b、26bが備えられている。このアングル26b、26bが底板24aに備えられたねじ穴付きのボス24d、24dに、それぞれボルト(図示していない)によって取付けられ、主蓋26は収納箱22を閉じた状態にして底部24上に固定される。
【0019】
副蓋28は、主蓋26上に端部が重ねられて並べられて設けられている。一端側(図4の上側)は底板24aに向けて折り曲げられその部分がヒンジ31により、主蓋26と同様に、底板24aに取付けられている。他端側(図4の下側)及び主蓋26と重ならない反対側端(図4の右側端)はそれぞれ、底板24aに向けた折曲部28a、28bを有している。副蓋28の上面には、主蓋26に備えられたブラケット26cの穴にピンを抜き差し自在にしたロック32が取付けられている。折曲部28bには取手孔28cが形成されており、取手孔28cの周縁には合成ゴム製のグロメット29が嵌められている。
【0020】
収納箱22の主蓋26及び副蓋28の上面及びその縁部には、滑り止め手段が施されている。主蓋26及び副蓋28の上面には、滑り止め手段としての、複数個の星型突起が形成された滑り止め板34、36がそれぞれリベットにより取付けられている。また、主蓋26のヒンジ30が備えられた折曲部及び副蓋28の折曲部28bそれぞれの折曲角には、滑り止め手段としての、複数個の突起38が一体的に成形されている。
【0021】
かくして収納箱22には、収納箱22としての収納空間が、底板24a、その縦板24b、主蓋26、その折曲部26a、副蓋28、その折曲部28a、28bによって形成されている。副蓋28は、ロック32のピンをブラケット26cの穴から抜き、取手孔28cを用いて、ヒンジ31を中心に揺動させることにより開閉される。また、主蓋26は、副蓋28を開けた後に、そのブラケット26bをボス24dに止めているボルト(図示していない)を外しヒンジ30、30を中心に揺動させることにより開閉される。
【0022】
上述したとおりの建設機械の収納箱の作用について説明する。
【0023】
(1)設置空間:
収納箱22を機体の既存の通路W上に設置したので、従来の収納箱の設置空間が限られる問題を除くことができる。また、収納箱のレイアウトが自由であり、収納箱の大型化、増設も容易である。
【0024】
(2)機体形状:
収納箱22の設置は、通路Wの高さを部分的に底上げすることで機体上部の空間を有効に利用でき機体形状を基本的に変更しないので、機体形状が複雑にならない。
【0025】
(3)機体上面に設置:
特に、収納箱22を機体上部を覆う機体上面Fの通路に設置することにより、機体の上面を有効に活用することができる。
【0026】
(4)滑り止め手段:
収納箱22の上面及びその縁部に滑り止め加工を施すことにより、収納箱22の収納機能に加え、収納箱22を通路Wの一部として効果的に用いることができる。
【0027】
(5)アクセス:
収納箱22が通路Wに設置されているので、収納箱22への物品の出し入れのアクセスが容易である。
【0031】
【発明の効果】
本発明に従って構成された建設機械の収納箱によれば、機体を基本的に大きくすることなく、また機体形状を複雑にすることなく、収納箱を設置できるようにした、建設機械の収納箱が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って構成された建設機械の収納箱を備えた建設機械の典型例である油圧ショベルの概略斜視図。
【図2】図1の収納箱設置部分の拡大図。
【図3】図2の収納箱の拡大斜視図。
【図4】図3の矢印A方向に見た収納箱の拡大平面図。
【符号の説明】
2:油圧ショベル(建設機械)
8:上部旋回体(機体)
22:収納箱
34:滑り止め板(滑り止め手段)
36:滑り止め板(滑り止め手段)
38:突起(滑り止め手段)
F:機体上面
W:通路
Claims (1)
- 物品の収納箱が、扁平の略直方体に形成され、建設機械の下部走行体上に旋回自在に取付けた機体である上部旋回体の、上部を覆う平坦な機体上面に、上面の一部である燃料タンクの上を通り形成された通路の上に設置され、該収納箱が、機体上面に載置された底部と、この底部に揺動開閉を自在に取付けられ底部の上を覆って収納箱の上面を形成する、底部を主として覆う主蓋と、主蓋に並び設けられた副蓋とを備えている、ことを特徴とする建設機械の収納箱。
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