JP4213372B2 - 感光材料処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、処理槽に貯留している処理液に感光材料を浸漬して処理する感光材料処理装置に関する。詳細には、処理槽内から吸引した処理液を、処理槽内に噴出することにより処理液の循環及び攪拌を行う感光材料処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動現像装置などの感光材料処理装置では、画像露光した感光材料を搬送しながら、この感光材料を処理液に浸漬したり、感光材料の表面に処理液を吹き付けるなどして、現像処理等の処理液処理を行なう。
【0003】
アルミニウム等の支持体に感光層を設けた感光材料である感光性平版印刷版(以下「PS版」と言う)を処理する自動現像装置であるPS版プロセッサーでは、PS版を現像液に浸漬して処理する現像工程に加えて、現像処理の終了したPS版の表裏面に水洗水を吹き付けて水洗処理する水洗工程、水洗処理したPS版の表裏面にガム液等の不感脂化処理液を塗布して不感脂化処理を行なう不感脂化工程等の処理工程が設けられている。
【0004】
このようなPS版プロセッサーにおいても、現像槽内にヒータを設け、現像槽内の現像液を、PS版が最適に処理される温度範囲となるように加熱するようにしたものがある。このとき、PS版プロセッサーでは、循環ポンプによって現像槽内の現像液を吸引し、吸引した現像液を、現像液中に配置しているスプレーパイプから噴出すことにより、現像液の循環及び攪拌を行って、現像槽内の現像液が均一な温度となるようにしている。
【0005】
ところで、PS版の現像処理を効率良く一定品質に仕上がるようにするためには、現像液中を搬送されるPS版の表面に新鮮な現像液を供給し、PS版の表面近傍から疲労した現像液を除去する液置換を図る必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、単に現像槽内に配置したスプレーパイプから現像液を噴出するようにしただけでは、PS版の表面近傍での確実な液置換が行われ難いという問題がある。また、現像槽内を搬送されるPS版によって、搬送路の上方側と下方側の現像液が分割されるために、現像液の温度を高精度に制御することが困難となっている。
【0007】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、処理液を温調しながら、この処理液に感光材料を浸漬して処理するときに、感光材料の表面近傍での確実な液置換及び均一な温調を可能とする感光材料処理装置を提案することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、処理槽内に形成されて斜め下方へ向けて案内した後に斜め上方へ向けて案内する搬送路に沿って感光材料を搬送しながら処理槽に貯留した処理液に浸漬して処理する感光材料処理装置であって、前記処理槽内で前記感光材料を斜め下方へ向けて搬送する前記搬送路の上流部側に設けられて、前記処理液が供給されることにより該処理液を前記感光材料の搬送方向と直交する幅方向に沿って噴出する第1の噴出手段と、前記処理槽内で前記感光材料を斜め上方へ向けて搬送する前記搬送路の下流部側に長手方向が搬送幅方向に沿うように設けられて、前記処理液が供給されることにより長手方向に沿って設けられた複数の噴出孔のそれぞれから該処理液を前記感光材料の搬送方向の下流側へ向けて噴出する第2の噴出手段と、前記処理槽の所定位置に設けられた吸込み孔から処理槽内の前記処理液を吸引して前記第1及び第2の噴出手段へ供給することにより処理槽内の処理液を循環する循環手段と、を含む。
【0009】
この発明によれば、循環手段によって吸込み孔から吸引した処理槽内の処理液を第1及び第2の噴出手段によって処理槽内の処理液中に噴出することにより処理液の循環を行う。
【0010】
このとき、第1の噴出手段は、処理槽内の上流部で搬送方向と直交する方向である搬送幅方向に沿って処理液を噴出し、搬送路を搬送される感光材料の幅方向に沿って処理液が流れるようにする。これにより、処理液による処理の初期段階で感光材料の表面に多量の処理液を供給して、挿入された感光材料による処理液の温度の変動を少なくして略均一な処理を行うことができる。
【0011】
また、第2の噴出手段は、処理槽内の下流部で搬送方向の下流側へ向けて処理液を噴出し、感光材料の表面近傍で搬送方向に沿った処理液の流れが生じるようにしている。
【0012】
これにより、感光材料の仕上がりに影響する処理液による処理の最終段階で、感光材料の搬送方向に沿った処理液の流れを作り、液疲労が進んだ処理液が滞留することがないようにするので、仕上がりムラを生じさせてしまうことがない。
【0013】
特に感光材料へ処理液を噴出した時には、噴出された処理液が感光材料に直接当たることにより処理ムラを生じさせるが、水平方向から略下方へ向けて処理液を噴出することによりこれを防止することができる。
【0014】
このような本発明では、前記吸込み孔を、前記第1の噴出手段と前記第2の噴出手段の間の前記処理槽の底部に設けることが好ましい。
【0015】
処理液を循環する吸込み孔を第1及び第2の噴出手段の間に設けて、吸込み孔の方向へ向けて処理液を噴出しないようにすることにより、第1及び第2の噴出手段から噴出した比較的新鮮な処理液が、そのまま、吸込み孔に吸い込まれて循環手段によって循環されてしまうのを防止することができる。
【0016】
なお、吸込み孔の位置は、底部が好ましいが、これに限らず、第1及び第2の噴出手段から噴出された処理液が、直接入り込んでしまうことがない位置であれば、処理槽の槽壁等の任意の位置に設けることができる。
【0017】
また、本発明では、前記第2の噴出手段に形成している前記噴出孔が斜め下方へ向けられていることが好ましい。
【0018】
さらに、本発明は、前記処理液を所定温度範囲に維持する温調手段と、前記第1の噴出手段から噴出する処理液量を前記第2の噴出手段から噴出する処理液量より多くする流量分配手段と、を含む。
【0019】
この発明によれば、第1の噴出手段から、搬送路の上流部に多量の処理液を噴出するように流量分配手段を設けている。
【0020】
これにより、処理が初期段階の感光材料の表面に多量の処理液を供給し、処理液による処理の促進を図ることができる。また、搬送路の上流部の感光材料表面の感光層の温度と処理液の温度との差が大きいが、第1の噴出手段から噴出する処理液の量を多くすることにより、感光材料表面の感光層の温度を早く処理液の温度と同等にすることができ、感光材料を略均一な温度の処理液によって処理することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1には、感光材料処置装置の一例として適用した感光性平版印刷版処理装置(以下「PS版プロセッサー10」と言う)の概略構成を示している。このPS版プロセッサー10は、感光材料として図示しない露光装置によって画像露光された感光性平版印刷版(以下「PS版12」と言う)の処理液処理を行う。なお、PS版12は、アルミニウム板等の薄肉矩形平板を支持体として、この支持体に感光層を形成している。なお、PS版12としては、光接合層、光重合層及びオーバーコート層を重ねて感光層を形成し、レーザ光により画像の露光がなされることにより光重合層の画像部の重合反応が促進されるフォトポリマー版等の適用も可能である。
【0022】
PS版プロセッサー10は、PS版12を現像液によって処理するための現像部14と、現像液によって処理されたPS版12の水洗水を供給して水洗する水洗部16と、水洗後のPS版12に版面保護用のガム液を塗布して不感脂化処理する不感脂化処理部18と、PS版12を乾燥させる乾燥部20と、が配設されている。すなわち、PS版プロセッサー10では、PS版12の搬送方向(図1の矢印A)方向に沿って、現像工程、水洗工程、不感脂化処理工程及び乾燥工程が順に配置されている。
【0023】
PS版プロセッサー10内には、処理タンク22が設けられている。この処理タンク22には、処理槽として現像部14となる位置に現像槽24が形成され、水洗部16及び不感脂化処理部18となる位置に水洗槽26及び不感脂化処理槽28が形成されている。
【0024】
処理タンク22を覆う外板パネル30には、スリット状の挿入口32が形成され、処理タンク22には、現像部14の挿入口32側に挿入部34が形成されている。
【0025】
PS版プロセッサー10には、処理タンク22の上部及び乾燥部20の上部を覆うカバー36、38が設けられている。挿入口32側のカバー36は、処理タンク22の挿入部34から水洗部16の上部を覆い、カバー38は、水洗部16の上部から乾燥部20の上部の間を覆うように配置される。
【0026】
また、カバー36には、現像部14と水洗部16との間にPS版12を挿入するためのリエントリー用の挿入口(副挿入口)40が設けられている。その副挿入口40は、現像部14での処理を除くPS版プロセッサー10での処理を行うためのPS版12の挿入用となっている。
【0027】
挿入口36に隣接する挿入部34には、ゴム製の搬送ローラ対42が配設されている。画像が焼付けられたPS版12は、挿入口32から矢印A方向に沿って挿入されることにより、搬送ローラ対42の間に送り込まれる。
【0028】
搬送ローラ対42は、回転駆動されることにより、このPS版12を挿入口32から引き入れながら、水平方向に対して約15°から31°の範囲の角度で現像部14へ送り込む。なお、本実施の形態では、支持体の一方の面に感光層を形成した片面タイプのPS版12を用いており、PS版12は、感光層が上方へ向けられた状態で挿入口32からPS版プロセッサー10内へ挿入される。
【0029】
処理タンク22に形成されている現像槽24は、底部中央が下方へ向けて突出された略山形状となっており、PS版12の現像処理を行うための現像液を貯留する。この現像槽24には、PS版12の搬送方向に沿った下側にガイド板44、46が、底部に沿って配設されている。また、現像槽24には、上流部(挿入部34側)、中流部及び下流部(水洗部16側)に、搬送ローラ対48、50、52及びガイド板44、46が配設されている。
【0030】
搬送ローラ対42によって挿入口32から引き入れられたPS版12は、搬送ローラ対48の間へ送り込まれ、搬送ローラ対48は、このPS版12を現像槽24内に引き入れて、ガイド板46上へ送り出す。
【0031】
ガイド板44は、搬送ローラ対48、50の間に配置され、搬送ローラ対48によって送り出されるPS版12を、搬送ローラ対50へ向けて斜め下方へ案内する。また、ガイド板46は、搬送ローラ対50、52の間に配置されて、搬送ローラ対50から送り出されるPS版12を、現像槽24の底面に沿って斜め上方へ向けて案内する。
【0032】
これにより、PS版12は、現像槽24内を略U字状に案内搬送されながら、現像液に浸漬される。
【0033】
また、搬送ローラ対52は、例えば外周部がゴム製のローラによって形成されており、ガイド板46によって案内されるPS版12を挟持して現像槽24から引き出しながら、水洗部16へ送り込む。このとき、搬送ローラ対52は、現像槽24から引き出されたPS版12から現像液を絞り落としながら送り出す。
【0034】
現像槽24内には、ガイド板44、46の下面側にスプレーパイプ54、56が設けられている。また、ガイド板44、46のそれぞれには、多数の通液孔(図示省略)が穿設されている。
【0035】
スプレーパイプ54、56は、後述する循環手段によって現像槽24内に貯留されている現像液が供給されることにより、この現像液を噴出する。これにより、現像槽24内の現像液が攪拌されて、PS版12の均一な処理が可能となるようにしている。このとき、ガイド板44、46に形成さている通液孔からPS版12の搬送路側に現像液が回りこむことにより、PS版12の迅速な現像処理と処理ムラの発生を防止するようにしている。
【0036】
また、現像槽24内には、ガイド板46に対向してブラシローラ58、搬送ローラ60が設けられている。このブラシローラ58は、現像液に浸漬されながらガイド板46上を搬送されるPS版12の表面に毛材を接触させながら回転することにより、PS版12の表面をブラッシングして、PS版12の表面からの不要な感光層の除去を促進している。このとき、搬送ローラ60は、ブラシローラ58によってブラッシングされるPS版12が、ガイド板46から浮き上がるのを防止している。
【0037】
PS版12は、このようにして現像液に浸漬されながら現像槽24内を搬送されることにより、露光されることにより不要となった感光層が除去される。
【0038】
水洗部16には、水洗槽26の上方に配設された搬送ローラ対62、64によってPS版12を略水平状態で搬送する搬送路が形成されており、PS版12は、搬送ローラ対62、64に挟持されて水洗槽26の上方を水平搬送される。
【0039】
水洗部16には、搬送ローラ対62、64の間に、PS版12の搬送路を挟んで上下に対で、スプレーパイプ66、68が設けられている。スプレーパイプ66、68は軸線方向がPS版12の幅方向(搬送方向と直交する方向)に沿って配置され、PS版12の搬送路に対向する複数の吐出孔(図示省略)が、軸線方向に沿って形成されている。
【0040】
水洗槽26には、水洗水が貯留されており、この水洗水を、PS版12の搬送に同期させてスプレーパイプ66、68に供給する。これにより、水洗水が、スプレーパイプ66、68からPS版12へ向けて噴出されて、PS版12は、表面に付着している現像液が洗い流される。
【0041】
PS版12に供給された水洗水は、PS版12が搬送ローラ対64に挟持されて送り出されることにより、PS版12表裏面に付着していた現像液と共にPS版12の表裏面から絞り落とされ、水洗槽26内に回収される。なお、スプレーパイプ66、68からの水洗水の噴出方向は、スプレーパイプ66がPS版12の搬送方向上流側で、スプレーパイプ68がPS版12の搬送方向下流側としているが、これに限定されず他の方向であっても良い。
【0042】
不感脂化処理部18には、不感脂化処理槽28の上方に搬送ローラ対70が設けられ、PS版12は、搬送ローラ対64によって搬送ローラ対70へ向けて搬送されることにより、不感脂化処理部18内を搬送された後に、搬送ローラ対70によって挟持されて乾燥部20へ向けて送られる。
【0043】
不感脂化処理部18には、PS版12の搬送路の上方側にスプレーパイプ72が設けられ、搬送路の下方側にスプレーパイプ74が設けられている。スプレーパイプ72、74は、長手方向(軸線方向)がPS版12の幅方向に沿い、PS版12の搬送路を挟んで上下に配置されている。また、スプレーパイプ72、74には、PS版12の幅方向に沿って複数の吐出孔が形成されている。
【0044】
不感脂化処理槽28には、PS版12の版面保護に用いるガム液が貯留されており、このガム液がPS版12の搬送に同期してスプレーパイプ72、74に供給される。スプレーパイプ72は、このガム液をPS版12へ向けて滴下してPS版12の表面に広げて塗布する。また、スプレーパイプ74は、吐出孔からPS版12の裏面へ向けてガム液を吐出して、PS版12の裏面にガム液を塗布する。
【0045】
PS版12は、表裏面に塗布されるガム液によって保護膜が形成される。なお、スプレーパイプ72からのガム液の吐出方向は、PS版12の搬送方向下流側に限らず、他の方向であっても良く、また、整流板を設け、この整流板へ向けて噴出したガム液を、整流板でPS版12の幅方向に沿って均一に拡散させながら、PS版12の表面に流し落として塗布するようにしてもよい。また、スプレーパイプ74に換えて、吐出したガム液にPS版12が接触しながら移動することによりPS版12の裏面にガム液を塗布する吐出ユニット等を用いても良い。
【0046】
なお、不感脂化処理部18には、搬送ローラ対70の上方に洗浄スプレー76が設けられ、搬送ローラ対70の上方のローラに接触しながら回転する洗浄ローラ78が設けられており、予め設定している所定のタイミングで、この洗浄スプレー76から搬送ローラ対70の上方のローラと洗浄ローラ78の接触位置に、整流板80を介して洗浄水を滴下することにより、洗浄水を搬送ローラ対70の上方のローラの周面に均一に拡散させて、搬送ローラ対70の上下のローラの周面からガム液を洗い流し、ローラの周面にガム液が固着してPS版12を損傷させてしまうのを防止するようにしている。
【0047】
不感脂化処理部18でガム液が塗布されたPS版12は、搬送ローラ対70に挟持されて、表裏面にガム液が若干残った状態で乾燥部20へ送られる。
【0048】
PS版プロセッサー10には、不感脂化処理部18と乾燥部20の間に、仕切り板82が設けられている。この仕切り板82は、PS版12の搬送路の上方に、処理タンク22の上端と対向するように配置されており、これにより、不感脂化処理部18と乾燥部20の間にスリット状の挿通口84が形成されている。なお、仕切り板82は、二重構造となっており、これにより、挿通口84の乾燥部20側に溝状の通気路が形成され、乾燥部20内の空気がこの通気路内に入り込むことにより、乾燥部20内の空気が挿通口84から不感脂化処理部18内に入り込んでしまうのを防止している。
【0049】
乾燥部20内には、挿通口84の近傍に、PS版12を支持する支持ローラ86が配設され、また、PS版12の搬送方向の中央部及び、排出口88の近傍には、搬送ローラ対90及び搬送ローラ対92が配設されている。PS版12は、支持ローラ86及び搬送ローラ対90、92によって乾燥部20内を搬送される。
【0050】
支持ローラ86と搬送ローラ対90との間、及び搬送ローラ対90と搬送ローラ対92との間には、PS版12の搬送路を挟んで対でダクト94、96が配設されている。ダクト94、96は、長手方向がPS版12の幅方向に沿って配設されており、PS版12の搬送路に対向する面にスリット孔98が設けられている。
【0051】
ダクト94、96は、図示しない乾燥風発生手段によって発生された乾燥風が、長手方向の一端側から供給されると、この乾燥風をスリット孔98からPS版12の搬送路へ向けて吐出し、PS版12に吹き付ける。これにより、PS版12は、表裏面に塗布されているガム液が乾燥され、保護膜が形成される。
【0052】
一方、現像部14には、下面が現像槽24に貯留される現像液の液面より下方となるように遮蔽蓋100が配置され、現像槽24内の現像液の液面が空気と接触する面積を狭めている。また、カバー36の副挿入口(リエントリー用の挿入口)40には、図示しない遮蔽部材によって閉塞されており、この遮蔽部材によって外気が現像部14内に入り込むのを防止している。さらに、遮蔽蓋100は、液面から突出する搬送ローラ対48、52の上側のローラ等との間が狭められており、これにより、現像槽24内の現像液が空気中の炭酸ガス等と接触してしまうことによる劣化を防止するようにしている。なお、遮蔽蓋100及び処理タンク22と搬送ローラ対48、52等の間にシリコンゴム等によって形成したブレード状の遮蔽部材を設けて、現像槽24内の現像液が新鮮な外気と接触したり、現像液中の水分が蒸発してしまうのを防止してもよい。
【0053】
図2には、PS版プロセッサー10での処理液の配管系統を示している。PS版プロセッサー10の処理タンク22には、現像槽24の底部に配管102の一端が接続されている。この配管102の他端は、現像槽24内に配置しているスプレーパイプ54、56に接続し、中間部に、循環ポンプ104及びフィルタ106が設けられている。これにより、循環ポンプ104が作動することにより、現像槽24内の現像液がスプレーパイプ54、56に供給され、スプレーパイプ54、56から現像槽24内に噴出されることにより、現像液の循環および攪拌を行う。このとき、現像液は、フィルタ106を通過するときに浮遊物が除去される。
【0054】
水洗槽26の底部には、配管110の一端が接続している。この配管110の他端は、スプレーパイプ66、68に接続しており、また、中間部に循環ポンプ112及びフィルタ114が設けられている。これにより、循環ポンプ112の作動によって水洗槽26内の水洗水が、フィルタ114によって浮遊物が除去されながらスプレーパイプ66、68に供給される。
【0055】
また、不感脂化処理槽28には、底部に配管116の一端が接続している。この配管116は、他端がスプレーパイプ72、74に接続し、中間部に循環ポンプ118及びフィルタ120が設けられている。これにより、循環ポンプ118が作動すると、不感脂化処理槽28内のガム液がフィルタ120によって浮遊物が除去されながらスプレーパイプ72、74に供給される。
【0056】
現像槽24には、オーバーフロー管122が設けられている。このオーバーフロー管122には、配管124の一端が接続しており、配管124の他端が図示しない廃液タンクに接続している。また、水洗槽26には、オーバーフロー管126が設けられ、不感脂化処理槽28には、オーバーフロー管128が設けられている。オーバーフロー管126、128のそれぞれには、配管130、132の一端が接続しており、配管130、132の他端が図示しない廃液タンクに接続している。
【0057】
これにより、現像槽24、水洗槽26及び不感脂化処理槽28で余剰となった現像液、水洗水及びガム液が、オーバーフロー管122、126、128に流れ込むことにより廃液タンクに排出される。
【0058】
現像液の循環用の配管102は、循環ポンプ104の入り側で分岐され、廃液バルブ134を介して配管124に接続している。また、水洗水の循環用の配管110及び、ガム液の循環用の配管116は、循環ポンプ112、118の入り側で分岐され、廃液バルブ136、138を介して配管130、132に接続している。
【0059】
これにより、廃液バルブ134、136、138を開放することにより、現像槽24内の現像液、水洗槽26内の水洗水及び不感脂化処理槽28内のガム液を排出することができるようになっている。
【0060】
一方、PS版プロセッサー10には、現像槽24へ現像液の補充液として供給する現像補充液を貯留する補充液タンク140と、不感脂化処理槽28へガム液の補充液として供給するガム補充液を貯留する補充液タンク142と、水を貯留する補充水タンク144が設けられている。補充水タンク144に貯留される水は、現像補充液やガム補充液の希釈及び水洗槽26への水洗水の補充に用いられる。なお、この補充水タンク144には、図示しない配管を介して水道水が供給されることにより、貯留している水の量が所定範囲に維持されている。
【0061】
また、PS版プロセッサー10には、現像槽24の近傍に混合槽146が設けられている。この混合槽146には、配管148、150の一端が開口している。配管148の他端は、補充液タンク140に接続しており、中間部に補充ポンプ152が設けられている。また、配管150の他端は、補充水タンク144に挿入されており、中間部に補充水ポンプ154が設けられている。
【0062】
PS版プロセッサー10では、現像槽24へ補充液を補充するときに、補充ポンプ152及び補充水ポンプ154を所定のタイミングで作動させ、混合槽146内に現像補充液とこの現像補充液を所定の比率で希釈する水(希釈水)を補充液として供給する。
【0063】
混合槽146の底部には、配管156の一端が接続している。この配管156の他端は、循環ポンプ104の入り側に接続している。これにより、混合槽146に供給された補充液が、循環ポンプ104が作動することにより吸引されて、現像槽24内の現像液と混合されながらスプレーパイプ54、56に供給される。
【0064】
また、PS版プロセッサー10には、水洗槽26及び不感脂化処理槽28のそれぞれに隣接して補助槽158、160が設けられている。水洗槽26側の補助槽158には、配管162の一端が開口し、この配管162の他端が補充水タンク144内に開口している。また、不感脂化処理槽28側の補助槽160には、配管164、166の一端が開口し、配管164の他端が補充液タンク142に接続していると共に、配管166の他端が補充水タンク144内に開口している。
【0065】
配管162、166には、中間部に補充水ポンプ168、170が設けられ、配管164には、中間部に補充ポンプ172が設けられている。
【0066】
これにより、補充水ポンプ168が作動することにより補助槽156に補充水タンク144内の水が水洗水の新液として供給され、補充ポンプ172及び補充水ポンプ170が作動することにより、補助槽158に補充タンク142内のガム補充液とこのガム補充液を所定比率で希釈する水が、不感脂化処理槽28へのガム液の補充液として供給される。
【0067】
補助槽156には、底部に配管174の一端が接続され、この配管174の他端が、循環ポンプ112の入り側に接続している。また、補助槽158には、底部に配管176の一端が接続され、この配管176の他端が循環ポンプ118の入り側に接続している。
【0068】
これにより、循環ポンプ112が作動することにより、補助槽156内の水が水洗槽26内の水洗水と混合されながらスプレーパイプ66、68に供給され、循環ポンプ118が作動することにより、補助槽158内の補充液が不感脂化処理槽28内のガム液と混合されながらスプレーパイプ72、74に供給される。
【0069】
PS版プロセッサー10では、予め設定された条件に基づいて循環ポンプ104、112、118、補充ポンプ152、172及び補充水ポンプ154、168、170の作動を制御することにより、現像液、水洗水及びガム液の循環、現像槽24、水洗槽26及び不感脂化処理槽28への補充液の補充を行う。
【0070】
なお、この制御は、従来公知の方法を適用でき、本実施の形態では詳細な説明を省略する。
【0071】
また、PS版プロセッサー10には、一端が洗浄スプレー76に接続して、他端が補充水タンク144内に開口している配管178が設けられ、この配管178の中間部に洗浄ポンプ180が設けられており、洗浄ポンプ180が作動することにより、補充水タンク144内の水を洗浄ノズル76に供給して、不感脂化処理処理槽28の搬送ローラ対70の洗浄が行われるようにしている。
【0072】
このとき、搬送ローラ対70を洗浄した水を不感脂化処理槽28に回収するようにして、不感脂化処理槽28に回収した水を、ガム補充液の希釈に用いるようにしているが、配管166及び補充水ポンプ170を省略して、洗浄水ポンプ180を用いてガム補充液を希釈する水を供給するようにしても良い。
【0073】
ところで、循環ポンプ104によって現像槽24内から吸い込まれた現像液は、第1の噴出手段として設けられているスプレーパイプ54と、第2の噴出手段として設けられているスプレーパイプ56に供給されることにより、スプレーパイプ54、56から現像槽24内の現像液中に噴出される。
【0074】
図3に詳細に示すように、スプレーパイプ54は、現像槽24の上流部で、ガイド板44の下方に設けられている。また、図4に示すように、このスプレーパイプ54は、現像槽24の搬送幅方向の一端側から、搬送幅方向の他端側へ向けて延設され、搬送幅方向に沿った中間部で開口されている。
【0075】
スプレーパイプ54は、循環ポンプ104によって吸引された現像液を、PS版12の搬送幅方向に沿って噴出するようになっている。
【0076】
これにより、現像槽24内では、PS版12の搬送路の上流部で、PS版12の幅方向に沿った現像液の流れが形成される。すなわち、スプレーパイプ54から噴出された現像液は、現像槽24に配置しているラック側板200や現像槽24の側壁202によって折り返されることにより、搬送幅方向に沿って流れる。したがって、現像槽24内の現像液は、現像槽24の上流部を搬送されるPS版12の表面に沿って、幅方向の一端側から他端側に流れて、PS版12の表面近傍で液置換を行う。
【0077】
なお、図3では、遮蔽蓋100等の図示を省略し、図4では、スプレーパイプ54、56の上方側のガイド板44、46及び搬送ローラ60等の図示を省略している。
【0078】
図3及び図4に示すように、スプレーパイプ56は、現像槽24の下流部で、ガイド板46の下方に配置されている。図4に示すように、スプレーパイプ56は、長手方向がPS版12の搬送幅方向に沿って配置されている。また、このスプレーパイプ56には、多数の噴出孔204が形成されている。噴出孔204は、スプレーパイプ56の長手方向に沿って所定間隔で形成されている。また、図3及び図4に示すように、噴出孔204は、PS版12の搬送方向の下流側で、斜め下方へ向けられている。なお、噴出孔204の相互の間隔は、スプレーパイプ56からPS版12の搬送幅方向に現像液が略均一に噴出可能となる間隔であればよい。
【0079】
これにより、循環ポンプ104からスプレーパイプ56に供給される現像液は、スプレーパイプ56からPS版12の搬送方向の下流側へ向けて噴出されて、PS版12の搬送路の下流部で、PS版12の搬送方向に沿った現像液の流れを形成する。すなわち、スプレーパイプ56から噴出された現像液は、現像槽24の底部ないし現像槽24の下流側の槽壁206で折り返されることにより、PS版12の搬送方向に沿った流れを形成する。
【0080】
ガイド板46上を搬送されるPS版12には、この現像液の流れによって、PS版12の搬送幅方向に沿って処理性能が均一となる現像液が供給されて、表面近傍での液置換が行われる。
【0081】
一方、図3に示すように、現像槽24の底部には、スプレーパイプ54、56の間の最も低い底板208に、吸込み孔210が形成されており、循環ポンプ104が作動することにより、この吸込み孔210から現像槽24内の現像液が吸引されるようになっている。また、現像槽24には、吸込み孔210の近傍に、現像液の加熱に用いるヒータ212が温調手段として設けられている。
【0082】
これにより、吸込み口210には、主にヒータ212によって加熱された現像液が流れ込むようにしている。
【0083】
PS版プロセッサー10では、ヒータ212によって加熱した現像液をスプレーパイプ54、56から噴出すことにより、現像槽24内の現像液が略均一な温度となるようにしている。なお、吸込み孔210は、スプレーパイプ54、56から噴出される現像液が直接入り込まない位置ならば、スプレーパイプ54、56の間の底板208に限らず、現像槽24の槽壁等の他の場所に設けてもよい。
【0084】
なお、ヒータ212を用いた現像液の温調制御は、従来公知の方法を用いることができ、本実施の形態では詳細な説明を省略する。また、ヒータ212を現像槽24内に設けず、現像液を循環させる配管102の途中に設けても良く、また、ヒータ212に加えて、現像液の冷却ないし温調を図る熱交換器等を配管102に設けても良い。
【0085】
図2に示すように、配管102には、スプレーパイプ54とスプレーパイプ56の分岐部に分岐管214が設けられている。この分岐部214には、例えばオリフィス(図示省略)等の流量制限手段が設けられており、スプレーパイプ54に供給する現像液の量がスプレーパイプ56に供給する現像液の量より多くなるようにしている。なお、本実施の形態では、一例としてスプレーパイプ54とスプレーパイプ56との現像液の吐出量の比が、6:4〜8:2となるようにしている。
【0086】
このように構成されているPS版プロセッサー10では、図示しない焼付装置によって露光されることにより画像が記録されたPS版12が、挿入口32から挿入されると、搬送ローラ42を回転駆動させる。これにより、PS版12は、搬送ローラ対42によって挟持されて、PS版プロセッサー10内に引き入れられる。
【0087】
なお、PS版プロセッサー10では、挿入口32の近傍に、挿入口32を通過するPS版12を検出するセンサが設けられており、このセンサがPS版12の挿入を検出することにより、搬送ローラ対42等の回転駆動を開始するとともに、このセンサによるPS版12の検出に基づいたタイミングで、水洗部16のスプレーパイプ66、68からの水洗水の吐出及び不感脂化処理部18のスプレーパイプ72、74からのガム液の吐出を行うようにしている。
【0088】
搬送ローラ対42は、挿入口32から引き入れたPS版12を、水平方向に対して15°〜31°の範囲の挿入角度で、現像槽24へ送り込む。これにより、PS版12は、ガイド板44、46によって案内されながら搬送ローラ対48〜52によって現像槽24内を搬送されて、現像槽24内に貯留されている現像液に浸漬され、17°〜31°の範囲の排出角度で、現像液中から送り出される。
【0089】
PS版12は、現像槽24内で現像液に浸漬されることにより、露光画像に応じて不要な感光層が膨潤し、膨潤した感光層が支持体から除去される。このとき、PS版プロセッサー10では、現像槽24内に配置しているブラシローラ58によってPS版12の表面(感光層側の面)がブラッシングされることにより、PS版12の表面からの不要な感光層の除去を促進するようにしている。
【0090】
なお、PS版プロセッサー10としては、複数のブラシローラを用いてPS版12の表面をブラッシングするものであってもよく、また、ブラシローラを用いずにPS版12の処理を行うものであっても良い。
【0091】
現像処理が行われて、現像槽24から送り出されるPS版12は、搬送ローラ対52によって水洗部16へ送られる。このとき、搬送ローラ対52は、PS版12の表裏面に付着している現像液を、絞り落とす。
【0092】
水洗部16では、このPS版12を搬送ローラ対62、64によって挟持して略水平状態で搬送しながら、スプレーパイプ66、68から水洗水を噴出する。また、PS版12の搬送方向の下流側に配置している搬送ローラ対64は、PS版12の表裏面に供給した水洗水を、搬送ローラ対52によって絞り切れずに残った現像液とともに絞り落としながら、このPS版12を不感脂化処理部18へ送り出す。
【0093】
これにより、PS版12は、水洗部16を通過するときに、表裏面に残っている現像液が洗い落とされる。
【0094】
不感脂化処理部18へ送られたPS版12は、スプレーパイプ72、74の間を通過し、搬送ローラ対70に挟持されることにより、この搬送ローラ対70によって不感脂化処理部18から送り出される。
【0095】
このとき、不感脂化処理部18では、スプレーパイプ72、74からガム液を吐出して、PS版12の表裏面にガム液を拡散させながら均一に塗布する。搬送ローラ対70は、PS版12を挟持搬送して、余剰となったガム液をPS版12の表裏面から絞り落とすことにより、PS版12の表裏面にガム液の均一な薄膜を形成する。
【0096】
ガム液が塗布されたPS版12は、搬送ローラ対70によって挿通口84からから乾燥部20へ送り込まれる。なお、挿通口84にシャッタを設けているときには、PS版12の処理開始のタイミングないしPS版12が不感脂化処理部18から送り出されるタイミングで、シャッタを作動させて、挿通口84を開放し、PS版12の非通過時に乾燥部20の乾燥風が不必要に不感脂化処理部18へ入り込んで、搬送ローラ対70にガム液が固着してしまうのを防止すると共に、挿通口84から空気が入り込み、現像部14にまで及んで空気中の炭酸ガスにより現像液が劣化するのを防止したり、現像液中の水分や水洗水さらにガム液中の水分が蒸発して挿通口84から出てしまうのを防止している。
【0097】
乾燥部20では、支持ローラ86及び搬送ローラ対90、92によってPS版12を搬送しながら、ダクト94、96からこのPS版12の表裏面に乾燥風を吹き付ける。これにより、PS版12は、表面に塗布されているガム液による保護膜が形成されて排出口88から排出される。
【0098】
ところで、PS版プロセッサー10では、現像槽24内の現像液をヒータ212によって加熱しながら、循環ポンプ104によって循環することにより攪拌して、PS版12を最適に仕上げることができる所定の温度範囲に維持するようにしている。
【0099】
PS版プロセッサー10では、循環ポンプ104を作動させることにより、現像槽24の底板208に形成している吸込み孔210から現像液を吸い込む。この現像液は、配管102を介して、スプレーパイプ54、56に供給され、スプレーパイプ54、56から現像槽24内に噴出される。
【0100】
一方、スプレーパイプ54は、現像槽24の上流部に設けられて、PS版12の搬送幅方向に沿って現像液を噴出し、ガイド板44の近傍で、PS版12の搬送幅方向に沿った現像液の流れを形成するようにしている。
【0101】
これにより、挿入部34から挿入されてガイド板44上を案内搬送されるPS版12の表裏面には、搬送幅方向に沿って流れる現像液によって、表面近傍の現像液が排出されながら、新たな現像液が供給される液置換が行われる。
【0102】
このとき、PS版プロセッサー10では、現像液を循環させる配管102に分岐管214を設け、スプレーパイプ54から多量の現像液が噴出されるようにしている。これにより、ガイド板44上を搬送されるPS版12の表裏面では、迅速な液置換が行われて、現像液によりPS版12の現像処理の促進が図られる。
【0103】
また、現像槽24に挿入されるPS版12の温度は、PS版12を最適に処理する時の現像液の温度と異なり、一般に現像液の温度より低い。このために、現像液中に挿入された当初のPS版12の表面近傍では、現像液の温度がPS版12の温度の影響を受けて、PS版12を最適に処理する温度範囲を外れてしまう。
【0104】
このとき、PS版プロセッサー10では、現像槽24の上流部に設けているスプレーパイプ54から多量の現像液を噴出することにより、PS版12の表裏面近傍の現像液の温度がPS版12の温度の影響を受けて変化するのを防止している。
【0105】
すなわち、スプレーパイプ54から多量の現像液を噴出することにより、PS版12の温度の影響を受けて温度が低下したPS版12の表面近傍の現像液を迅速に排除するように、現像槽24の上流部の現像液がPS版12の温度の影響を受けて変化してしまうのを防止しながら、PS版12の効率的な現像処理を開始することができるようにしている。
【0106】
これにより、現像槽24内の現像液の液温が適正に保たれるようにしている。すなわち、現像槽24の上流部に多量の現像液を噴出することにより、現像液の高精度の温調が可能となるようにしている。
【0107】
また、PS版プロセッサー10では、現像槽24の下流部に設けているスプレーパイプ56から、PS版12の搬送方向の下流側へ向けて現像液を噴出するようにしている。これにより、下流部に設けたガイド板46上を搬送されるPS版の表裏面の近傍には、PS版12の搬送方向に沿った現像液の流れが形成され、PS版12は、この現像液により表面近傍での液置換が行われる。
【0108】
一方、現像槽24の下流部を通過する現像液は、比較的現像処理が進行しており、現像液の処理性能の差が現像処理の仕上がりに影響する。このとき、PS版プロセッサー10では、スプレーパイプ56から噴出された現像液が、PS版12の表裏面に直接当たることにより生じる仕上がりムラを防止するために、搬送方向の下流側で、斜め下方へ向けて現像液を噴出するようにしている。
【0109】
このように、PS版プロセッサー10では、現像槽24の下流部でPS版12の搬送方向に沿った現像液の流れを形成することにより、PS版12の搬送幅方向に沿ってPS版12に処理性能が均一な現像液が供給されるようにしている。
【0110】
これにより、PS版プロセッサー10では、PS版12の表面近傍の現像液の処理性能の差が、PS版12の搬送幅方向に沿って生じるのを防止し、現像処理による仕上がりにムラが生じないようにしている。
【0111】
このように、PS版プロセッサー10では、現像槽24の上流部でスプレーパイプ54からPS版の搬送幅方向に沿って多量の現像液を噴出することにより、現像液の温調精度の向上を図ると共に、上流部を搬送されるPS版12の表裏面の近傍で迅速な液置換を行うことにより、現像処理の促進を図るようにしている。
【0112】
また、PS版プロセッサー10では、現像槽24の下流部でPS版12の搬送方向に沿った現像液の流れが生じるようにスプレーパイプ56から現像液を噴出するようにしているので、PS版12の仕上がりにムラが生じることなく現像処理を行うことができる。
【0113】
さらに、PS版プロセッサー10では、スプレーパイプ54、56のそれぞれが、循環ポンプ104によって現像槽24内の現像液を吸い込む吸込み口210へ向けて現像液を噴出しないようにしているため、スプレーパイプ54、56から噴出された比較的新鮮な現像液が、そのまま、吸込み口210へ吸い込まれてしまうのを抑え、この比較的新鮮な現像液によってPS版12の現像処理が行われるようにしている。
【0114】
これにより、現像槽24内に貯留している現像液を用いてPS版12を効率的で高品質に仕上げることができるようにしている。
【0115】
なお、以上説明した本実施の形態は、本発明の構成を限定するものではない。例えば、本実施の形態では、処理液としてPS版12の現像処理を行う現像槽24内の現像液を例に説明したが、これに限らず、PS版12を処理液に浸漬しながら搬送して処理する任意の処理槽に適用することができる。
【0116】
また、本実施の形態では、感光材料としてPS版12を用い、このPS版12を処理液処理するPS版プロセッサー10を例に説明したが、本発明は、PS版12等の印刷版に限らず、印画紙や写真フィルム等の他の感光材料を処理液に浸漬しながら搬送して処理する任意の構成の感光材料処理装置に適用することができる。
【0117】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、処理槽の上流部に設けた第1の噴出手段によって処理液を感光材料の搬送幅方向に沿って噴出すると共に、処理槽の下流部に設けた第2の噴出手段によって処理液を感光材料の搬送方向の下流側へ向けて噴出することにより、感光材料を効率的に処理液処理して高品質に仕上げることができるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に適用したPS版プロセサーの概略構成図である。
【図2】PS版プロセッサーの配管系統を示す概略図である。
【図3】PS版プロセッサーの現像槽を示す概略構成図である。
【図4】PS版プロセッサーの現像槽の概略構成を示す処理タンクの要部斜視図である。
【符号の説明】
10 PS版プロセッサー(感光材料処理装置)
12 PS版(感光材料)
14 現像部
22 処理タンク
24 現像槽(処理槽)
44、46 ガイド板
48、50、52 搬送ローラ対
54 スプレーパイプ(第1の噴出手段)
56 スプレーパイプ(第2の噴出手段)
102 配管(循環手段)
104 循環ポンプ(循環手段)
204 噴出し孔
210 吸込み孔
212 ヒータ(温調手段)
214 分岐管(流量制御手段)
Claims (4)
- 処理槽内に形成されて斜め下方へ向けて案内した後に斜め上方へ向けて案内する搬送路に沿って感光材料を搬送しながら処理槽に貯留した処理液に浸漬して処理する感光材料処理装置であって、
前記処理槽内で前記感光材料を斜め下方へ向けて搬送する前記搬送路の上流部側に設けられて、前記処理液が供給されることにより該処理液を前記感光材料の搬送方向と直交する幅方向に沿って噴出する第1の噴出手段と、
前記処理槽内で前記感光材料を斜め上方へ向けて搬送する前記搬送路の下流部側に長手方向が搬送幅方向に沿うように設けられて、前記処理液が供給されることにより長手方向に沿って設けられた複数の噴出孔のそれぞれから該処理液を前記感光材料の搬送方向の下流側へ向けて噴出する第2の噴出手段と、
前記処理槽の所定位置に設けられた吸込み孔から処理槽内の前記処理液を吸引して前記第1及び第2の噴出手段へ供給することにより処理槽内の処理液を循環する循環手段と、
を含む感光材料処理装置。 - 前記吸込み孔を、前記第1の噴出手段と前記第2の噴出手段の間の前記処理槽の底部に設けた請求項1に記載の感光材料処理装置。
- 前記第2の噴出手段に形成している前記噴出孔が斜め下方へ向けられている請求項1又は請求項2に記載の感光材料処理装置。
- 前記処理液を所定温度範囲に維持する温調手段と、前記第1の噴出手段から噴出する処理液量を前記第2の噴出手段から噴出する処理液量より多くする流量分配手段と、を含む請求項1から請求項3の何れか1項に記載の感光材料処理装置。
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