JP4266091B2 - 補充液タンク - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、処理液によって感光材料を処理する感光材料処理装置に係り、予め設定されている所定のタイミングで処理槽に補充される処理液の補充液を貯留する補充液タンクに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動現像装置などの感光材料処理装置では、画像露光した感光材料を搬送しながら、この感光材料を処理液に浸漬したり、感光材料の表面に処理液を吹き付けるなどして、現像処理等の処理液処理を行なう。
【0003】
アルミニウム等の支持体に感光層を設けた感光材料である感光性平版印刷版(以下「PS版」と言う)を処理する自動現像装置であるPS版プロセッサーでは、PS版を現像液に浸漬して処理する現像工程に加えて、現像処理の終了したPS版の表裏面に水洗水を吹き付けて水洗処理する水洗工程、水洗処理したPS版の表裏面にガム液等の不感脂化処理液を塗布して不感脂化処理を行なう不感脂化工程等の処理工程が設けられている。
【0004】
このようなPS版プロセッサーでは、PS版の処理量に応じて補充液を補充する処理補充や、経過時間に応じて補充液を補充する経時補充を行うことにより、処理槽に貯留している処理液の処理性能を、PS版を適切に仕上げることができる範囲に維持するようにしている。
【0005】
ところで、PS版プロセッサーには、補充液を貯留する補充液タンクが設けられており、補充ポンプを所定のタイミングで作動させることにより、処理槽へ補充液を補充するようになっている。また、処理槽へ補充液を補充することにより、補充液タンク内の補充液が減少したときには、補充液タンクに補充液を投入する必要がある。
【0006】
この補充液タンクに投入する補充液は、補充液ケースに封入されており、PS版プロセッサーでは、この補充液ケースに設けているキャップに、補充液タンクからの配管を接続した後、補充液ケースを倒立させて、補充液ケースから補充液タンクに補充液を流し落とすようにしたものがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、配管を接続した状態で補充液ケースを倒立させると、この配管に折れや不自然な曲がりが生じて、補充液が補充液タンク内に確実に流れ落ちずに、配管内や補充液ケース内に液残りが生じてしまうことがある。
【0008】
また、補充液が充填されている補充液ケースを倒立させながら装置下部に装填する作業は、その作業姿勢や作業高さのために、やり辛い作業となっている。
【0009】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、補充液が充填されている補充液ケースの装填を容易とすると共に、配管や補充液ケース内での液残りの発生を防止可能とする補充液タンクを提案することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、処理液によって感光材料を処理する感光材料処理装置に設けられて、処理液の補充液が貯留される補充液タンクであって、上面に前記補充液が封入されている矩形箱体形状の補充液ケースが補充液排出用のキャップを下方へ向けられた倒立状態で載置され、該補充液ケースから流下される前記補充液を貯留するタンク部と、前記タンク部の上面に平面視で略円弧状に形成されて周縁部側が開放され、下方へ向けられた前記補充液ケースの前記キャップが入り込む凹部と、前記凹部内に形成された補充液投入の開口を閉塞するホルダに、一方の端部が前記凹部内に突出され、他方の端部が前記タンク部内に挿入されて設けられ、前記凹部内に突出された端部が凹部の開放側へ向けて揺動可能とされたノズルと、一端が前記ノズルの前記凹部内に突出された前記端部に連結され、他端が前記補充液ケースの前記キャップに連結可能とされ、前記キャップに連結された状態で前記補充液ケースが倒立されて前記タンク部に載置されることにより、補充液ケース内の前記補充液を前記タンク部内へ流下可能とするフレキシブルチューブと、を含む。
【0011】
この発明によれば、補充液を貯留するタンク部の上面に形成した凹部の補充液投入口に設けているホルダにノズルが揺動可能に取付けられており、このノズルに接続しているフレキシブルチューブが、補充液ケースのキャップに接続される。この状態で、補充液ケースを倒立させて補充液ケースを補充液タンクに載せるときに、ノズルが揺動することにより、フレキシブルチューブに折れ等が生じるのを防止している。
【0012】
これにより、補充液ケースを補充液タンクに載せて、補充液を補充液ケースからタンク部に流し落とすようにすることができるので、タンク部への補充液の補給作業が楽になる。
【0013】
請求項2に係る発明は、前記タンク部を搭載して移動可能とする台車を含み、前記タンク部を前記補充液ケースが載置された状態で、前記感光材料処理装置の機枠内の収容位置と機枠外の引き出し位置との間を移動可能とされている。
【0014】
この発明によれば、補充液タンクを台車に搭載して、機枠内に設けたスペースに移動することにより、補充液タンクが機枠内に装填されるようにし、台車を機枠内から引き出すことにより、補充液タンクを機外に引き出すことができるようにしている。
これにより、補充液を補充液タンクに補充する時に、機枠外で作業を行うことができるので、補充液の補給が極めて容易となる。
【0015】
このような本発明では、前記ノズルが前記凹部の前記開口内で、前記揺動方向に沿って移動可能とされて前記ホルダに装着されていることが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1には、感光材料処置装置の一例として適用した感光性平版印刷版処理装置(以下「PS版プロセッサー10」と言う)の概略構成を示している。このPS版プロセッサー10は、感光材料として図示しない露光装置によって画像露光された感光性平版印刷版(以下「PS版12」と言う)の処理液処理を行う。なお、PS版12は、アルミニウム板等の薄肉矩形平板を支持体として、この支持体に感光層を形成している。なお、PS版12としては、光接合層、光重合層及びオーバーコート層を重ねて感光層を形成し、レーザ光により画像の露光がなされることにより光重合層の画像部の重合反応が促進されるフォトポリマー版等の適用も可能である。
【0018】
PS版プロセッサー10は、PS版12を現像液によって処理するための現像部14と、現像液によって処理されたPS版12に水洗水を供給して水洗する水洗部16と、水洗後のPS版12に版面保護用のガム液を塗布して不感脂化処理する不感脂化処理部18と、PS版12を乾燥させる乾燥部20と、が配設されている。すなわち、PS版プロセッサー10では、PS版12の搬送方向(図1の矢印A)方向に沿って、現像工程、水洗工程、不感脂化処理工程及び乾燥工程が順に配置されている。
【0019】
PS版プロセッサー10内には、処理タンク22が設けられている。この処理タンク22には、処理槽として現像部14となる位置に現像槽24が形成され、水洗部16及び不感脂化処理部18となる位置に水洗槽26及び不感脂化処理槽28が形成されている。
【0020】
処理タンク22を覆う外板パネル30には、スリット状の挿入口32が形成され、処理タンク22には、現像部14の挿入口32側に挿入部34が形成されている。
【0021】
PS版プロセッサー10には、処理タンク22の上部及び乾燥部20の上部を覆うカバー36、38が設けられている。挿入口32側のカバー36は、処理タンク22の挿入部34から水洗部16の上部を覆い、カバー38は、水洗部16の上部から乾燥部20の上部の間を覆うように配置される。
【0022】
また、カバー36には、現像部14と水洗部16との間にPS版12を挿入するためのリエントリー用の挿入口(副挿入口)40が設けられている。その副挿入口40は、現像部14での処理を除くPS版プロセッサー10での処理を行うためのPS版12の挿入用となっている。
【0023】
挿入口32に隣接する挿入部34には、ゴム製の搬送ローラ対42が配設されている。画像が焼付けられたPS版12は、挿入口32から矢印A方向に沿って挿入されることにより、搬送ローラ対42の間に送り込まれる。
【0024】
搬送ローラ対42は、回転駆動されることにより、このPS版12を挿入口32から引き入れながら、水平方向に対して約15°から31°の範囲の角度で現像部14へ送り込む。なお、本実施の形態では、支持体の一方の面に感光層を形成した片面タイプのPS版12を用いており、PS版12は、感光層が上方へ向けられた状態で挿入口32からPS版プロセッサー10内へ挿入される。
【0025】
処理タンク22に形成されている現像槽24は、底部中央が下方へ向けて突出された略山形状となっており、PS版12の現像処理を行うための現像液を貯留する。この現像槽24には、PS版12の搬送方向に沿った下側にガイド板44、46が、底部に沿って配設されている。また、現像槽24には、上流部(挿入部34側)、中流部及び下流部(水洗部16側)に、搬送ローラ対48、50、52及びガイド板44、46が配設されている。
【0026】
搬送ローラ対42によって挿入口32から引き入れられたPS版12は、搬送ローラ対48の間へ送り込まれ、搬送ローラ対48は、このPS版12を現像槽24内に引き入れて、ガイド板46上へ送り出す。
【0027】
ガイド板44は、搬送ローラ対48、50の間に配置され、搬送ローラ対48によって送り出されるPS版12を、搬送ローラ対50へ向けて斜め下方へ案内する。また、ガイド板46は、搬送ローラ対50、52の間に配置されて、搬送ローラ対50から送り出されるPS版12を、現像槽24の底面に沿って斜め上方へ向けて案内する。
【0028】
これにより、PS版12は、現像槽24内を略U字状に案内搬送されながら、現像液に浸漬される。
【0029】
また、搬送ローラ対52は、例えば外周部がゴム製のローラによって形成されており、ガイド板46によって案内されるPS版12を挟持して現像槽24から引き出しながら、水洗部16へ送り込む。このとき、搬送ローラ対52は、現像槽24から引き出されたPS版12から現像液を絞り落としながら送り出す。
【0030】
現像槽24内には、ガイド板44、46の下面側にスプレーパイプ54、56が設けられている。また、ガイド板44、46のそれぞれには、多数の通液孔(図示省略)が穿設されている。
【0031】
スプレーパイプ54、56は、後述する循環手段によって現像槽24内に貯留されている現像液が供給されることにより、この現像液を噴出する。これにより、現像槽24内の現像液が攪拌されて、PS版12の均一な処理が可能となるようにしている。このとき、ガイド板44、46に形成さている通液孔からPS版12の搬送路側に現像液を回り込ませることにより、PS版12の迅速な現像処理と処理ムラの発生を防止するようにしている。
【0032】
また、現像槽24内には、ガイド板46に対向してブラシローラ58、搬送ローラ60が設けられている。このブラシローラ58は、現像液に浸漬されながらガイド板46上を搬送されるPS版12の表面に毛材を接触させながら回転することにより、PS版12の表面をブラッシングして、PS版12の表面からの不要な感光層の除去を促進している。このとき、搬送ローラ60は、ブラシローラ58によってブラッシングされるPS版12が、ガイド板46から浮き上がるのを防止している。
【0033】
PS版12は、このようにして現像液に浸漬されながら現像槽24内を搬送されることにより、露光されることにより不要となった感光層が除去される。
【0034】
水洗部16には、水洗槽26の上方に配設された搬送ローラ対62、64によってPS版12を略水平状態で搬送する搬送路が形成されており、PS版12は、搬送ローラ対62、64に挟持されて水洗槽26の上方を水平搬送される。
【0035】
水洗部16には、搬送ローラ対62、64の間に、PS版12の搬送路を挟んで上下に対で、スプレーパイプ66、68が設けられている。スプレーパイプ66、68は軸線方向がPS版12の幅方向(搬送方向と直交する方向)に沿って配置され、PS版12の搬送路に対向する複数の吐出孔(図示省略)が、軸線方向に沿って形成されている。
【0036】
水洗槽26には、水洗水が貯留されており、この水洗水を、PS版12の搬送に同期させてスプレーパイプ66、68に供給する。これにより、水洗水が、スプレーパイプ66、68からPS版12へ向けて噴出されて、PS版12は、表面に付着している現像液が洗い流される。
【0037】
PS版12に供給された水洗水は、PS版12が搬送ローラ対64に挟持されて送り出されることにより、PS版12表裏面に付着していた現像液と共にPS版12の表裏面から絞り落とされ、水洗槽26内に回収される。なお、スプレーパイプ66、68からの水洗水の噴出方向は、スプレーパイプ66がPS版12の搬送方向上流側で、スプレーパイプ68がPS版12の搬送方向下流側としているが、これに限定されず他の方向であっても良い。
【0038】
不感脂化処理部18には、不感脂化処理槽28の上方に搬送ローラ対70が設けられ、PS版12は、搬送ローラ対64によって搬送ローラ対70へ向けて搬送されることにより、不感脂化処理部18内を搬送された後に、搬送ローラ対70によって挟持されて乾燥部20へ向けて送られる。
【0039】
不感脂化処理部18には、PS版12の搬送路の上方側にスプレーパイプ72が設けられ、搬送路の下方側にスプレーパイプ74が設けられている。スプレーパイプ72、74は、長手方向(軸線方向)がPS版12の幅方向に沿い、PS版12の搬送路を挟んで上下に配置されている。また、スプレーパイプ72、74には、PS版12の幅方向に沿って複数の吐出孔が形成されている。
【0040】
不感脂化処理槽28には、PS版12の版面保護に用いるガム液が貯留されており、このガム液がPS版12の搬送に同期してスプレーパイプ72、74に供給される。スプレーパイプ72は、このガム液をPS版12へ向けて滴下してPS版12の表面に広げて塗布する。また、スプレーパイプ74は、吐出孔からPS版12の裏面へ向けてガム液を吐出して、PS版12の裏面にガム液を塗布する。
【0041】
PS版12は、表裏面に塗布されるガム液によって保護膜が形成される。なお、スプレーパイプ72からのガム液の吐出方向は、PS版12の搬送方向下流側に限らず、他の方向であっても良く、また、整流板を設け、この整流板へ向けて噴出したガム液を、整流板でPS版12の幅方向に沿って均一に拡散させながら、PS版12の表面に流し落として塗布するようにしてもよい。また、スプレーパイプ74に換えて、吐出したガム液にPS版12が接触しながら移動することによりPS版12の裏面にガム液を塗布する吐出ユニット等を用いても良い。
【0042】
なお、不感脂化処理部18には、搬送ローラ対70の上方に洗浄スプレー76が設けられ、搬送ローラ対70の上方のローラに接触しながら回転する洗浄ローラ78が設けられており、予め設定している所定のタイミングで、この洗浄スプレー76から搬送ローラ対70の上方のローラと洗浄ローラ78の接触位置に、整流板80を介して洗浄水を滴下することにより、洗浄水を搬送ローラ対70の上方のローラの周面に均一に拡散させて、搬送ローラ対70の上下のローラの周面からガム液を洗い流し、ローラの周面にガム液が固着してPS版12を損傷させてしまうのを防止するようにしている。
【0043】
不感脂化処理部18でガム液が塗布されたPS版12は、搬送ローラ対70に挟持されて、表裏面にガム液が若干残った状態で乾燥部20へ送られる。
【0044】
PS版プロセッサー10には、不感脂化処理部18と乾燥部20の間に、仕切り板82が設けられている。この仕切り板82は、PS版12の搬送路の上方に、処理タンク22の上端と対向するように配置されており、これにより、不感脂化処理部18と乾燥部20の間にスリット状の挿通口84が形成されている。なお、仕切り板82は、二重構造となっており、これにより、挿通口84の乾燥部20側に溝状の通気路が形成され、乾燥部20内の空気がこの通気路内に入り込むことにより、乾燥部20内の空気が挿通口84から不感脂化処理部18内に入り込んでしまうのを防止している。
【0045】
乾燥部20内には、挿通口84の近傍に、PS版12を支持する支持ローラ86が配設され、また、PS版12の搬送方向の中央部及び、排出口88の近傍には、搬送ローラ対90及び搬送ローラ対92が配設されている。PS版12は、支持ローラ86及び搬送ローラ対90、92によって乾燥部20内を搬送される。
【0046】
支持ローラ86と搬送ローラ対90との間、及び搬送ローラ対90と搬送ローラ対92との間には、PS版12の搬送路を挟んで対でダクト94、96が配設されている。ダクト94、96は、長手方向がPS版12の幅方向に沿って配設されており、PS版12の搬送路に対向する面にスリット孔98が設けられている。
【0047】
ダクト94、96は、図示しない乾燥風発生手段によって発生された乾燥風が、長手方向の一端側から供給されると、この乾燥風をスリット孔98からPS版12の搬送路へ向けて吐出し、PS版12に吹き付ける。これにより、PS版12は、表裏面に塗布されているガム液が乾燥され、保護膜が形成される。
【0048】
一方、現像部14には、下面が現像槽24に貯留される現像液の液面より下方となるように遮蔽蓋100が配置され、現像槽24内の現像液の液面が空気と接触する面積を狭めている。また、カバー36の副挿入口(リエントリー用の挿入口)40には、図示しない遮蔽部材によって閉塞されており、この遮蔽部材によって外気が現像部14内に入り込むのを防止している。さらに、遮蔽蓋100は、液面から突出する搬送ローラ対48、52の上側のローラ等との間が狭められており、これにより、現像槽24内の現像液が空気中の炭酸ガス等と接触してしまうことによる劣化を防止するようにしている。なお、遮蔽蓋100及び処理タンク22と搬送ローラ対48、52等の間にシリコンゴム等によって形成したブレード状の遮蔽部材を設けて、現像槽24内の現像液が新鮮な外気と接触したり、現像液中の水分が蒸発してしまうのを防止してもよい。
【0049】
図2には、PS版プロセッサー10での処理液の配管系統を示している。PS版プロセッサー10の処理タンク22には、現像槽24の底部に配管102の一端が接続されている。この配管102の他端は、現像槽24内に配置しているスプレーパイプ54、56に接続し、中間部に、循環ポンプ104及びフィルタ106が設けられている。これにより、循環ポンプ104が作動することにより、現像槽24内の現像液がスプレーパイプ54、56に供給され、スプレーパイプ54、56から現像槽24内に噴出されることにより、現像液の循環および攪拌を行う。このとき、現像液は、フィルタ106を通過するときに浮遊物が除去される。
【0050】
水洗槽26の底部には、配管110の一端が接続している。この配管110の他端は、スプレーパイプ66、68に接続しており、また、中間部に循環ポンプ112及びフィルタ114が設けられている。これにより、循環ポンプ112の作動によって水洗槽26内の水洗水が、フィルタ114によって浮遊物が除去されながらスプレーパイプ66、68に供給される。
【0051】
また、不感脂化処理槽28には、底部に配管116の一端が接続している。この配管116は、他端がスプレーパイプ72、74に接続し、中間部に循環ポンプ118及びフィルタ120が設けられている。これにより、循環ポンプ118が作動すると、不感脂化処理槽28内のガム液がフィルタ120によって浮遊物が除去されながらスプレーパイプ72、74に供給される。
【0052】
現像槽24には、オーバーフロー管122が設けられている。このオーバーフロー管122には、配管124の一端が接続しており、配管124の他端が図示しない廃液タンクに接続している。また、水洗槽26には、オーバーフロー管126が設けられ、不感脂化処理槽28には、オーバーフロー管128が設けられている。オーバーフロー管126、128のそれぞれには、配管130、132の一端が接続しており、配管130、132の他端が図示しない廃液タンクに接続している。
【0053】
これにより、現像槽24、水洗槽26及び不感脂化処理槽28で余剰となった現像液、水洗水及びガム液が、オーバーフロー管122、126、128に流れ込むことにより廃液タンクに排出される。
【0054】
現像液の循環用の配管102は、循環ポンプ104の入り側で分岐され、廃液バルブ134を介して配管124に接続している。また、水洗水の循環用の配管110及び、ガム液の循環用の配管116は、循環ポンプ112、118の入り側で分岐され、廃液バルブ136、138を介して配管130、132に接続している。
【0055】
これにより、廃液バルブ134、136、138を開放することにより、現像槽24内の現像液、水洗槽26内の水洗水及び不感脂化処理槽28内のガム液を排出することができるようになっている。
【0056】
一方、PS版プロセッサー10には、現像槽24へ現像液の補充液として供給する現像補充液を貯留する補充液タンク140と、不感脂化処理槽28へガム液の補充液として供給するガム補充液を貯留する補充液タンク142と、水を貯留する補充水タンク144が設けられている。補充水タンク144に貯留される水は、現像補充液やガム補充液の希釈及び水洗槽26への水洗水の補充に用いられる。なお、この補充水タンク144には、図示しない配管を介して水道水が供給されることにより、貯留している水の量が所定範囲に維持されている。
【0057】
また、PS版プロセッサー10には、現像槽24の近傍に混合槽146が設けられている。この混合槽146には、配管148、150の一端が開口している。配管148の他端は、補充液タンク140に接続しており、中間部に補充ポンプ152が設けられている。また、配管150の他端は、補充水タンク144に挿入されており、中間部に補充水ポンプ154が設けられている。
【0058】
PS版プロセッサー10では、現像槽24へ補充液を補充するときに、補充ポンプ152及び補充水ポンプ154を所定のタイミングで作動させ、混合槽146内に現像補充液とこの現像補充液を所定の比率で希釈する水(希釈水)を補充液として供給する。
【0059】
混合槽146の底部には、配管156の一端が接続している。この配管156の他端は、循環ポンプ104の入り側に接続している。これにより、混合槽146に供給された補充液が、循環ポンプ104が作動することにより吸引されて、現像槽24内の現像液と混合されながらスプレーパイプ54、56に供給される。
【0060】
また、PS版プロセッサー10には、水洗槽26及び不感脂化処理槽28のそれぞれに隣接して補助槽158、160が設けられている。水洗槽26側の補助槽158には、配管162の一端が開口し、この配管162の他端が補充水タンク144内に開口している。また、不感脂化処理槽28側の補助槽160には、配管164、166の一端が開口し、配管164の他端が補充液タンク142に接続していると共に、配管166の他端が補充水タンク144内に開口している。
【0061】
配管162、166には、中間部に補充水ポンプ168、170が設けられ、配管164には、中間部に補充ポンプ172が設けられている。
【0062】
これにより、補充水ポンプ168が作動することにより補助槽156に補充水タンク144内の水が水洗水の新液として供給され、補充ポンプ172及び補充水ポンプ170が作動することにより、補助槽158に補充液タンク142内のガム補充液とこのガム補充液を所定比率で希釈する水が、不感脂化処理槽28へのガム液の補充液として供給される。
【0063】
補助槽156には、底部に配管174の一端が接続され、この配管174の他端が、循環ポンプ112の入り側に接続している。また、補助槽158には、底部に配管176の一端が接続され、この配管176の他端が循環ポンプ118の入り側に接続している。
【0064】
これにより、循環ポンプ112が作動することにより、補助槽156内の水が水洗槽26内の水洗水と混合されながらスプレーパイプ66、68に供給され、循環ポンプ118が作動することにより、補助槽158内の補充液が不感脂化処理槽28内のガム液と混合されながらスプレーパイプ72、74に供給される。
【0065】
PS版プロセッサー10では、予め設定された条件に基づいて循環ポンプ104、112、118、補充ポンプ152、172及び補充水ポンプ154、168、170の作動を制御することにより、現像液、水洗水及びガム液の循環、現像槽24、水洗槽26及び不感脂化処理槽28への補充液の補充を行う。
【0066】
なお、この制御は、従来公知の方法を適用でき、本実施の形態では詳細な説明を省略する。
【0067】
また、PS版プロセッサー10には、一端が洗浄スプレー76に接続して、他端が補充水タンク144内に開口している配管178が設けられ、この配管178の中間部に洗浄ポンプ180が設けられており、洗浄ポンプ180が作動することにより、補充水タンク144内の水を洗浄ノズル76に供給して、不感脂化処理処理槽28の搬送ローラ対70の洗浄が行われるようにしている。
【0068】
このとき、搬送ローラ対70を洗浄した水を不感脂化処理槽28に回収するようにして、不感脂化処理槽28に回収した水を、ガム補充液の希釈に用いるようにしているが、配管166及び補充水ポンプ170を省略して、洗浄水ポンプ180を用いてガム補充液を希釈する水を供給するようにしても良い。
【0069】
ところで、図1に示すように、PS版プロセッサー10では、PS版12を搬送しながら処理する現像部14から乾燥部20が設けられている処理タンク22が、装置上部に配置されている。すなわち、PS版12を搬送しながら処理液処理及び乾燥処理を行うPS版処理部200が、装置上部に配置されている。
【0070】
また、図3乃至図5に示すように、PS版プロセッサー10は、外板パネル30に囲われて、上部にPS版処理部200が設けられている機枠202を備えている。また、外板パネル30は、PS版12の搬送方向と直交する幅方向の一端側(以下「外板パネル30A(図3参照)」とする)が取り外し可能となっている。なお、図4及び図5は、外板パネル30Aを取り外した状態を示している。
【0071】
図4及び図5に示すように、PS版プロセッサー10は、外板パネル30Aを取外すことにより装置下部の機枠202内が解放される。
【0072】
PS版プロセッサー10には、この機枠202内に現像槽24等から排出される現像液等を回収する廃液タンク204が装填される。また、この機枠202内には、台車206が装填されるようになっている。なお、PS版プロセッサー10では、一例として、現像槽24側に二つの廃液タンク204が収容され、乾燥部20側に台車206が装填可能となっている。
【0073】
図6に示すように、台車206は、平面形状が略矩形形状の基台208を備え、この基台208の四隅にキャスタ210が取り付けられており、このキャスタ210によってPS版プロセッサー10が設置されている床面上を移動可能となっている。また、台車206には、基台210の一辺側に、把手212が形成されており、この把手212を把持して機枠202内の装填位置と、機枠202からの引き出し位置の間を移動することができるようになっている。
【0074】
この台車206には、基台208上に補充液タンク140、142が搭載されている。これにより、補充液タンク140、142は、台車206を機枠202内に装填することにより、機枠202内に配置される。なお、台車206の基台208には、補充液タンク140、142に加えて、PS版プロセッサー10で使用する薬剤を収容している薬剤タンク182が搭載可能となっている。
【0075】
一方、補充液タンク140、142は、補充液(現像補充液、ガム補充液)が収容されるタンク部214と、タンク部214の上部に、側面形状が略台形形状の載置部216が一体に形成されている。ここで、補充液タンク140、142は、同一形状となっているので、主に補充液タンク140について説明する。なお、補充液タンク140、142に収容している補充液はそれぞれ、現像補充液、ガム補充液である。
【0076】
載置部216は、上面218が平面状となっており、この上面218に補充液が封入された補充液ケースであるキュービテーナ220が載置される。
【0077】
キュービテーナ220は、例えばダンボール製の外箱内に樹脂製の密封容器を収容し、この樹脂製の密封容器内に補充液(現像補充液又はガム補充液)が封入されている。
【0078】
補充液タンク140には、タンク部214の上部に接続ノズル222が設けられている。この接続ノズル222は、タンク部214の上面に取付けられているホルダ224に装着されている。
【0079】
ホルダ224は、タンク部214の上面の一端部に取り付けられており、補充液タンク140は、このホルダ224側が把手212側となるように台車206の基台208上に並べて搭載される。
【0080】
図7乃至図9に示すように、ホルダ224は、平面形状が略円板状に形成されており、中心部に接続ノズル222の取付け孔226(図7では図示省略)が形成されている。図6に示すように、この取付け孔226の長手方向の一端側が台車206の把手212側で、他端側が載置部216側となるようにホルダ224がタンク部214上に取付けられている。
【0081】
図7及び図9に示すように、ホルダ224のタンク部214内側には、ガイド228が対で突設されている。このガイド228は、取付け孔226の幅方向の両側に設けられて略半円板状に形成されている。すなわち、ガイド228は、取付け孔226を挟むように対で形成されている。
【0082】
一方、図7乃至図9に示すように、接続ノズル222は、内部に管路が形成されて棒状となっており、一端側が、フレキシブルチューブ230に挿入されて接続される接続部232となっている。また、図7に示すように、接続ノズル222は、中間部から他端側が拡径部234となっている。
【0083】
接続ノズル222は、接続部232側の外径が、ホルダ224に形成している取付け孔226の開口幅より小さくなっているが、拡径部234側の外径が、取付け孔226の開口幅より大きくなっている。また、フレキシブルチューブ230は、外径がホルダ224の取付け孔226の開口幅より大きく、ホルダ224に対で形成しているガイド228の間隔が、接続ノズル222の拡径部234の外径よりも僅かに広くなっている。
【0084】
この接続ノズル222は、接続部232側がタンク部214の上方に突出するように、接続部232側からホルダ224の取付け孔226に挿入されて、接続部232にフレキシブルチューブ230が接続される。
【0085】
接続ノズル222は、取付け孔226に挿入された状態でフレキシブルチューブ230が接続されることにより、取付け孔226から抜けないようになっている。
【0086】
また、接続ノズル222は、拡径部234が一対のガイド228の間に配置されることにより、取付け孔226の長手方向に移動可能となっていると共に、取付け孔226の長手方向に沿って揺動可能となっている。すなわち、接続ノズル222は、取付け孔226内で取付け孔226の幅方向側への傾倒が制限され、ホルダ224から上方に突出している接続部232が、載置部216側と、載置部216と反対方向側であるPS版プロセッサー10の外方側のそれぞれに傾倒可能となっている。
【0087】
一方、図6に示すように、キュービテーナ220には、補充液の流出口にキャップ236が取付けられており、このキャップ236に、フレキシブルチューブ230が接続される。キュービテーナ220は、キャップ236にフレキシブルチューブ230を接続して、補充液タンク140のタンク部214より高い位置で、キャップ236が下側となるように倒立させることにより、内部の補充液が補充液タンク140内に流出するようになっている。
【0088】
図5及び図6に示すように、補充液タンク140(142)の載置部216には、接続ノズル222側の端部に平面形状が半円状の凹部238が形成されている。この凹部238には、キャップ236を下方に向けた状態で、キュービテーナ220を載置部216の上面218上に載置したときに、キャップ236が入り込むようになっている。
【0089】
また、図6に示すように、補充液タンク140の載置部216には、接続ノズル222と反対側の端部に略矩形形状の凹部240が形成されており、この凹部240内に吸出しノズル242が設けられている。また、台車206には、基台208に、内部の管路が略L字形状に屈曲された複数のエルボ244が取り付けられている。
【0090】
補充液タンク140の吸出しノズル242のそれぞれは、配管246によってエルボ244の一端側に接続している。また、エルボ244には、補充ポンプ152の入り側に接続している配管148(148A)と、補充ポンプ152の入り側に接続している配管148(148A)が接続している。これにより、補充ポンプ152が作動することにより、補充液タンク140内から現像補充液が吸出され、また、同様に補充ポンプ172が作動することにより補充液タンク142からガム補充液が吸い出される。
【0091】
なお、エルボ244と補充ポンプ152、172を接続する配管148A、164Aのそれぞれには、予め所定の弛みが設けられており、台車206を機枠202内の装填位置から機枠202外の引き出し位置に移動させたときに、配管148A、164Aが無理に引っ張られてしまったり、台車206の移動を阻んでしまうことがないようにしている。
【0092】
このように構成されているPS版プロセッサー10では、図示しない焼付装置によって露光されることにより画像が記録されたPS版12が、挿入口32から挿入されると、搬送ローラ42を回転駆動させる。これにより、PS版12は、搬送ローラ対42によって挟持されて、PS版プロセッサー10内に引き入れられる。
【0093】
なお、PS版プロセッサー10では、挿入口32の近傍に、挿入口32を通過するPS版12を検出するセンサが設けられており、このセンサがPS版12の挿入を検出することにより、搬送ローラ対42等の回転駆動を開始するとともに、このセンサによるPS版12の検出に基づいたタイミングで、水洗部16のスプレーパイプ66、68からの水洗水の吐出及び不感脂化処理部18のスプレーパイプ72、74からのガム液の吐出を行うようにしている。
【0094】
搬送ローラ対42は、挿入口32から引き入れたPS版12を、水平方向に対して15°〜31°の範囲の挿入角度で、現像槽24へ送り込む。これにより、PS版12は、ガイド板44、46によって案内されながら搬送ローラ対48〜52によって現像槽24内を搬送されて、現像槽24内に貯留されている現像液に浸漬され、17°〜31°の範囲の排出角度で、現像液中から送り出される。
【0095】
PS版12は、現像槽24内で現像液に浸漬されることにより、露光画像に応じて不要な感光層が膨潤し、膨潤した感光層が支持体から除去される。このとき、PS版プロセッサー10では、現像槽24内に配置しているブラシローラ58によってPS版12の表面(感光層側の面)がブラッシングされることにより、PS版12の表面からの不要な感光層の除去を促進するようにしている。
【0096】
なお、PS版プロセッサー10としては、複数のブラシローラを用いてPS版12の表面をブラッシングするものであってもよく、また、ブラシローラを用いずにPS版12の処理を行うものであっても良い。
【0097】
現像処理が行われて、現像槽24から送り出されるPS版12は、搬送ローラ対52によって水洗部16へ送られる。このとき、搬送ローラ対52は、PS版12の表裏面に付着している現像液を、絞り落とす。
【0098】
水洗部16では、このPS版12を搬送ローラ対62、64によって挟持して略水平状態で搬送しながら、スプレーパイプ66、68から水洗水を噴出する。また、PS版12の搬送方向の下流側に配置している搬送ローラ対64は、PS版12の表裏面に供給した水洗水を、搬送ローラ対52によって絞り切れずに残った現像液とともに絞り落としながら、このPS版12を不感脂化処理部18へ送り出す。
【0099】
これにより、PS版12は、水洗部16を通過するときに、表裏面に残っている現像液が洗い落とされる。
【0100】
不感脂化処理部18へ送られたPS版12は、スプレーパイプ72、74の間を通過し、搬送ローラ対70に挟持されることにより、この搬送ローラ対70によって不感脂化処理部18から送り出される。
【0101】
このとき、不感脂化処理部18では、スプレーパイプ72、74からガム液を吐出して、PS版12の表裏面にガム液を拡散させながら均一に塗布する。搬送ローラ対70は、PS版12を挟持搬送して、余剰となったガム液をPS版12の表裏面から絞り落とすことにより、PS版12の表裏面にガム液の均一な薄膜を形成する。
【0102】
ガム液が塗布されたPS版12は、搬送ローラ対70によって挿通口84からから乾燥部20へ送り込まれる。なお、挿通口84にシャッタを設けているときには、PS版12の処理開始のタイミングないしPS版12が不感脂化処理部18から送り出されるタイミングで、シャッタを作動させて、挿通口84を開放し、PS版12の非通過時に乾燥部20の乾燥風が不必要に不感脂化処理部18へ入り込んで、搬送ローラ対70にガム液が固着してしまうのを防止すると共に、挿通口84から空気が入り込み、現像部14にまで及んで空気中の炭酸ガスにより現像液が劣化するのを防止したり、現像液中の水分や水洗水さらにガム液中の水分が蒸発して挿通口84から出てしまうのを防止している。
【0103】
乾燥部20では、支持ローラ86及び搬送ローラ対90、92によってPS版12を搬送しながら、ダクト94、96からこのPS版12の表裏面に乾燥風を吹き付ける。これにより、PS版12は、表面に塗布されているガム液による保護膜が形成されて排出口88から排出される。
【0104】
ところで、PS版プロセッサー10では、例えばPS版12の処理量に応じて、補充ポンプ152及び補充水ポンプ154を作動させて、現像槽24へ現像補充液とこの現像補充液を所定の比率で希釈する水を供給することにより、補充液を補充する。また、PS版プロセッサー10では、水洗槽26に水洗水の新液(水)を補充すると共に、補充ポンプ172と補充水ポンプ170を作動させて不感脂化処理槽28へガム補充液とこのガム補充液を所定比率で希釈する希釈水を供給することによりガム液の補充を行う。
【0105】
現像槽24への現像補充液の供給及び不感脂化処理槽28へのガム補充液の供給を行うことにより補充液タンク140内の現像補充液及び補充液タンク142内のガム補充液が減少するので、現像補充液及びガム補充液の補給を行う必要が生じる。
【0106】
PS版プロセッサー10で、補充液タンク140、142に現像補充液及びガム補充液を補給するときには、まず、外板パネル30Aを外して機枠202内を解放したのち、機枠202内に装填している台車206を機枠202外に引き出す。
【0107】
これにより、PS版プロセッサー10内に装填されていた補充液タンク140、142と、キュービテーナ220を機外に引き出すことができ、空になっているキュービテーナ220を、容易に取り外すことができる。
【0108】
一方、補充液タンク140に補充液を補給するときには、空のキュービテーナ220を外したのちに、新たなキュービテーナ220のキャップ236に、補充液タンク140の接続ノズル222に接続しているフレキシブルチューブ230を接続する。これにより、キュービテーナ220から補充液を補充液タンク140へ流し込むことができるようになる。
【0109】
この後に、キュービテーナ220を傾倒させて反転させ、補充液タンク140の上部に形成している載置部216の上面218に載置する。これにより、キュービテーナ220から補充液が、補充液タンク140内に流れ出す。
【0110】
この時、キュービテーナ220のキャップ236と補充液タンク140の接続ノズル222を接続しているフレキシブルチューブ230の移動にあわせて、接続ノズル222が、ホルダ224の取付け孔226内をその長手方向に沿って移動しながら、さらに傾倒することにより、フレキシブルチューブ230に無理な曲がりや折れなどが生じないようにしている。
【0111】
したがって、キュービテーナ220内に、補充液が残ってしまったり、キュービテーナ220から補充液が流れ落ちない状態となるのを確実に防止することができる。
【0112】
このようにして、キュービテーナ220を補充液タンク140に載せたのちに、台車206を機枠202内へ移動させて、補充液タンク140と共にキュービテーナ220をPS版プロセッサー10に装填し、外板パネル30Aによって閉じる。
【0113】
補充液タンク140に載せたキュービテーナ220からは、補充液タンク140内の補充液の量にあわせて補充液が流れ落ちる。すなわち、補充液タンク140内の補充液の液面が上昇して、接続ノズル222の拡径部234側の端部開口が、補充液の液面に接すると、補充液の流出が停止する。したがって、補充液タンク140内の補充液の量にあわせてキュービテーナ220から補充液の補給を行うことができる。
【0114】
このようにPS版プロセッサー10では、補充液タンク140、142と、補充液タンク140、142のそれぞれへ補給する補充液が封入されているキュービテーナ220を台車206に搭載して、機枠202内に装填するようにしているので、キュービテーナ220を機外で扱うことができ、補充液タンク140、142への現像補充液及びガム補充液の補給作業が極めて容易となる。
【0115】
また、補充液タンク140、142に設けている接続ノズル222を、キュービテーナ220を傾倒する方向に沿って揺動可能としているため、補充液タンク140、142のそれぞれとキュービテーナ220を接続しているフレキシブルチューブ230に無理な曲がりや折れ等を生じさせてしまうことがないため、フレキシブルチューブ230の折れや無理な曲がりが原因となって、キュービテーナ内に現像補充液やガム補充液が残ってしまうのを確実に防止することができる。
【0116】
これにより、キュービテーナ220の交換を行うときに、キュービテーナ220に残っている現像補充液やガム補充液を補充液タンク140、142に流し込む作業が不要となり、補充液の補給作業を、より一層容易な作業にすることができる。
【0117】
なお、以上説明した本実施の形態は、本発明の構成を限定するものではない。本実施の形態では、感光材料処理装置として、PS版12を処理するPS版プロセッサー10を例に説明したが、本発明はこれに限らず、写真フィルムや印画紙等の各種感光材料を処理液によって処理する任意の構成の感光材料処理装置に摘要することができる。
【0118】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、補充液タンクのタンク部に補充液を封入している補充液ケースを搭載して、補充液ケース内の補充液をタンク部内に流下するときに、タンク部に設けているノズルを揺動可能としているので、補充液ケースと接続しているフレキシブルチューブに折れ等が生じるのを防止して、補充液ケース内の補充液が、残らず補充液タンクに流れ落ちるようにすることができるという優れた効果が得られる。また、本発明は、補充液ケースとタンク部とを、台車に搭載して、機枠外に引き出すことができるので、補充液タンクに補充液を補給する作業が極めて容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に摘要したPS版プロセッサーの概略構成図である、
【図2】PS版プロセッサーでの処理液の循環及び補充液の補充を行う配管系統を示す概略図である。
【図3】PS版プロセッサーの概観を示す概略斜視図である。
【図4】機枠内を開放した状態を示すPS版プロセッサーの概略斜視図である。
【図5】機枠内を開放した状態を示すPS版プロセッサーの概略側面図である。
【図6】台車と台車に搭載している補充液タンクを示す概略斜視図である。
【図7】本実施の形態に係るホルダとノズルをホルダの一方(上方)側から見た概略斜視図である。
【図8】本実施の形態に係るホルダとノズルをホルダの他方(下方)側から見た概略斜視図である。
【図9】ホルダとノズルの概略側面図である。
【符号の説明】
10 PS版プロセッサー(感光材料処理装置)
12 PS版(感光材料)
14 現像部
18 不感脂化処理部
24 現像槽
28 不感脂化処理槽
140、142 補充液タンク
152、172 補充ポンプ
200 PS版処理部
202 機枠
206 台車
208 基台
210 キャスタ
214 タンク部
216 載置部
220 キュービテーナ(補充液ケース)
222 接続ノズル
224 ホルダ
230 フレキシブルチューブ
Claims (3)
- 処理液によって感光材料を処理する感光材料処理装置に設けられて、処理液の補充液が貯留される補充液タンクであって、
上面に前記補充液が封入されている矩形箱体形状の補充液ケースが補充液排出用のキャップを下方へ向けられた倒立状態で載置され、該補充液ケースから流下される前記補充液を貯留するタンク部と、
前記タンク部の上面に平面視で略円弧状に形成されて周縁部側が開放され、下方へ向けられた前記補充液ケースの前記キャップが入り込む凹部と、
前記凹部内に形成された補充液投入の開口を閉塞するホルダに、一方の端部が前記凹部内に突出され、他方の端部が前記タンク部内に挿入されて設けられ、前記凹部内に突出された端部が凹部の開放側へ向けて揺動可能とされたノズルと、
一端が前記ノズルの前記凹部内に突出された前記端部に連結され、他端が前記補充液ケースの前記キャップに連結可能とされ、前記キャップに連結された状態で前記補充液ケースが倒立されて前記タンク部に載置されることにより、補充液ケース内の前記補充液を前記タンク部内へ流下可能とするフレキシブルチューブと、
を含む補充液タンク。 - 前記タンク部を搭載して移動可能とする台車を含み、前記タンク部を前記補充液ケースが載置された状態で、前記感光材料処理装置の機枠内の収容位置と機枠外の引き出し位置との間を移動可能とされた請求項1に記載の補充液タンク。
- 前記ノズルが前記凹部の前記開口内で、前記揺動方向に沿って移動可能とされて前記ホルダに装着されている請求項1又は請求項2に記載の補充液タンク。
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