JP4211603B2 - シゾサッカロマイセス・ポンベ(Schizosaccharomycespombe)宿主の構築方法および異種タンパク質の製造方法 - Google Patents

シゾサッカロマイセス・ポンベ(Schizosaccharomycespombe)宿主の構築方法および異種タンパク質の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シゾサッカロマイセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe、以下S.pombeともいう。)宿主の形質転換体による異種タンパク質の産生効率を向上させることを目的としてS.pombeの特定遺伝子を改変した該宿主、該宿主の構築方法、該宿主の形質転換体、および該形質転換体を用いたタンパク質の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
組換えDNA技術を用いた異種タンパク質の生産はエッシェリシア・コリ(Escherichia coli、以下E.coliという)をはじめとした様々な微生物や動物細胞を宿主として行われている。また様々な生物由来のタンパク質(本明細書では、ポリペプチドを含む意味で使用する)が生産対象とされ、既に多くのものが工業的に生産され、医薬品等に用いられている。
【0003】
異種タンパク質生産のための種々の宿主が開発されてきた中で酵母は真核細胞であるため、転写、翻訳などの点で動植物と共通性が高く動植物のタンパク質発現が良好であると考えられ、パン酵母(Saccharomyces cerevisiae)などが宿主として広く使用されている。酵母のうちでも特にS.pombeは進化過程で他の酵母とは早い時期に分かれ、別の進化をとげた結果、出芽ではなく分裂という手段で増殖することからもわかるように、動物細胞に近い性質を持つことが知られている。このため異種タンパク質を発現させる宿主としてS.pombeを用いることによって、動物細胞の場合と同様の、より天然体に近い遺伝子産物が得られることが期待される。
【0004】
S.pombeを用いた遺伝子発現に関する研究は遅れていたが、最近S.pombeで働く強力なプロモーターの発見がなされたため、S.pombeを宿主とした発現系の開発が急速に進み、さらにより安定な効率の良い発現システムを開発するために発現ベクターに種々の改良が加えられている(特許2776085、特開平07−163373、特開平10−215867、特開平10−234375、特開平11−192094、特開平2000−136199、特開平2000−262284等参照)。その結果、現在S.pombeを宿主とした発現系としては高い生産能力を示すに至った。
【0005】
酵母などの真核細胞微生物を用いた異種タンパク質生産系は、既に知られている微生物学の方法と組換えDNA技術を用いて容易に実施でき、かつ高い生産能力を示すため、既に大容量の培養も実施されて実生産に急速に利用されてきている。実生産にあたり、実験室で得られた菌体あたりの高い産生効率はスケールアップ後も維持される。
【0006】
しかしながら、実生産の場合にしばしば求められる、より低コストの生産法を考えた場合、菌体の増殖効率そのものの向上、目的異種タンパク質の分解の抑制、真核細胞微生物特有の修飾の効率的実施、栄養源の利用効率の向上、などの異種タンパク質の産生効率を向上させる方策が必要と考えられる。たとえば、生育のために培地に添加した炭素源から目的とする異種タンパク質への変換効率をより高めることができれば、菌体増殖ひいては異種タンパク質の産生効率が格段に上昇することが期待される。なぜなら、菌体自身の生育や目的異種タンパク質の産生に不要である代謝系(たとえばエタノール醗酵系)に培地中の炭素源が消費(たとえばエタノール生産に使用)されることにより、目的異種タンパク質の産生のための炭素源の利用効率が低下していると考えられるからである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は以上の点に鑑み検討を行った結果、形質転換体の異種タンパク質産生に不要または有害な宿主ゲノム部分の一部または全部を削除または不活化することにより異種タンパク質の産生効率を向上させうることを見い出した。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、異種タンパク質の産生効率を向上させることを目的とした、S.pombe宿主の構築方法、その構築方法により構築された宿主、その宿主に異種タンパク質をコードする遺伝子を導入した形質転換体、およびその形質転換体を用いた異種タンパク質の製造方法にかかわる下記の発明である。
【0009】
(1)遺伝子組換え法により導入した遺伝子がコードする異種タンパク質を産生させるためのS.pombe宿主を構築する方法において、ピルビン酸デカルボキシラーゼ遺伝子pdcl(SPAC1F8.07c)、セリンプロテアーゼ遺伝子isp6(SPAC4A8.04)、アミノペプチダーゼ遺伝子(SPAC4F10.02)またはカルボキシペプチダーゼ遺伝子(SPBC16G5.09)を削除または不活化することを特徴とするS.pombe宿主の構築方法。
【0010】
(2)上記の構築方法で構築された、遺伝子組換え法により導入された遺伝子がコードする異種タンパク質を産生させるためのS.pombe宿主。
【0011】
(3)ピルビン酸デカルボキシラーゼ遺伝子pdcl(SPAC1F8.07c)、セリンプロテアーゼ遺伝子isp6(SPAC4A8.04)、アミノペプチダーゼ遺伝子(SPAC4F10.02)またはカルボキシペプチダーゼ遺伝子(SPBC16G5.09)を削除または不活化したS.pombe宿主に、異種タンパク質をコードする構造遺伝子を導入してなる形質転換体。
【0012】
(4)S.pombe宿主が本来有しない異種タンパク質をコードする遺伝子を導入した該宿主の形質転換体に該異種タンパク質を産生させ、該異種タンパク質を採取する方法において、ピルビン酸デカルボキシラーゼ遺伝子pdcl(SPAC1F8.07c)、セリンプロテアーゼ遺伝子isp6(SPAC4A8.04)、アミノペプチダーゼ遺伝子(SPAC4F10.02)またはカルボキシペプチダーゼ遺伝子(SPBC16G5.09)を削除または不活化したS.pombe宿主を用いて該形質転換体の異種タンパク質産生効率を向上させることを特徴とする異種タンパク質の製造方法。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の説明において宿主とは特に言及しない限りS.pombeからなる宿主をいう。
【0014】
宿主にその宿主が本来有しないタンパク質(すなわち、異種タンパク質)をコードする遺伝子(以下、異種遺伝子という)を遺伝子組換え法により導入し、異種遺伝子を導入した宿主(すなわち、形質転換体)にその異種タンパク質を産生させ、その異種タンパク質を採取する方法は近年広く行われている。
【0015】
形質転換体を培養して異種タンパク質を産生させる場合、形質転換体の培養環境下において異種タンパク質の産生に不要または有害なゲノム部分が存在する。このゲノム部分は遺伝子であってもよく非遺伝子部分であってもよい。好ましくは、ゲノムの遺伝子部分であり、その遺伝子を削除または不活性化して形質転換体の異種タンパク質の産生効率を向上させる。このような不要または有害な遺伝子はゲノムに多数存在すると考えられる。
【0016】
本発明においてはピルビン酸デカルボキシラーゼ遺伝子pdcl(SPAC1F8.07c)、セリンプロテアーゼ遺伝子isp6(SPAC4A8.04)、アミノペプチダーゼ遺伝子(SPAC4F10.02)またはカルボキシペプチダーゼ遺伝子(SPBC16G5.09)を削除または不活性化することによって充分目的を達成する。
【0017】
形質転換体の異種タンパク質の産生に不要または有害なゲノム部分は宿主が野生の環境下において生存、増殖するために必須の遺伝子であってもよい。そのような必須の遺伝子は、形質転換体培養環境下においては必ずしも必須とされないからである。例えば、炭素源からある栄養源に転換するために必要な遺伝子は、培養環境(培養液)にその栄養源を添加することにより不要となる場合がある。また、酵母などにおいては、増殖は出芽や分裂によって行われ、減数分裂を経ることなく増殖可能である。したがって、減数分裂に関連する遺伝子群は形質転換体の培養環境下においては必ずしも必要とされない。このような不要な遺伝子の存在は形質転換体の増殖や異種タンパク質の産生に負荷となり、したがって、このような遺伝子を削除または不活性化することにより負荷が低減され、異種タンパク質の産生効率を向上できる。
【0018】
一方、例えば、プロテアーゼ関連遺伝子群の遺伝子は、異種タンパク質の産生に対し阻害要因となりやすい。異種タンパク質は本来宿主にとって不要な産生物であることより、形質転換体は産生した異種タンパク質をプロテアーゼにより分解する傾向がある。異種タンパク質の分解は異種タンパク質の産生効率を低下させる要因の一つと考えられ、したがって、このようなプロテアーゼを産生する遺伝子を削除または不活性化することにより異種タンパク質の産生効率を向上できる。
【0019】
宿主のゲノム部分の削除や不活性化は公知の方法で行うことができる。また、削除や不活性化を行う部分はゲノムの1ヶ所であってもよく、2ヶ所以上の部分であってもよい。削除や不活性化を行う部分が遺伝子の場合、1つの遺伝子について削除や不活性化を行ってもよく、2以上の遺伝子のそれぞれについて削除や不活性化を行ってもよい。また遺伝子の削除や不活性化を行う部分は構造配列部分であってもよく、調節配列部分であってもよい。
【0020】
遺伝子の削除は遺伝子の全体を削除してもよく、遺伝子の一部を削除して遺伝子を不活性化してもよい。また遺伝子の不活性化は、遺伝子の一部を削除することに限られず、遺伝子を削除なしに改変する場合も意味する。また、不活性化の対象である遺伝子の配列の中に他の遺伝子やDNAを挿入して遺伝子を不活性化することもできる。いずれの場合も、対象遺伝子を活性のないタンパク質をコードするものとしたり、対象遺伝子が転写や翻訳できないものにしたりして、不活性なものとする。
【0021】
異種タンパク質としては、限定されるものではないが、多細胞生物である動物や植物が産生するタンパク質が好ましい。特に哺乳動物(ヒトを含む)の産生するタンパク質が好ましい。このようなタンパク質はE.coliなどの原核細胞微生物宿主を用いて製造した場合活性の高いタンパク質が得られない場合が多く、またCHOなどの動物細胞を宿主として用いた場合には通常産生効率が低い。本発明における遺伝子改変したS.pombeを宿主とする場合はこれらの問題が解決されると考えられる。
【0022】
【実施例】
以下に本発明を具体的な実施例によりさらに詳細に説明する。
【0023】
[実施例1](ピルビン酸デカルボキシラーゼ遺伝子pdc1の不活化による、オワンクラゲ由来の緑色蛍光タンパク質の産生効率の向上)
分裂酵母S.pombeのピルビン酸デカルボキシラーゼをコードする遺伝子pdc1(SPAC1F8.07c)のORF(タンパク質をコードする部分)1785bp内にS.pombeのオロチジンリン酸デカルボキシラーゼ遺伝子断片1.8kbpを挿入し、該遺伝子破壊ベクターを作製した。本ベクターを用いてウラシル要求性緑色螢光タンパク質生産株(特開2000−262284公報記載の8重組込み型生産系における酵母菌株に対してそのオロチジンリン酸デカルボキシラーゼ活性を遺伝子破壊法によって不活性化したもの)を形質転換した。最小培地にコロニーを形成するウラシル非要求性の株を取得し、PCR増幅法によってそのゲノムDNAを調べたところ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ遺伝子が破壊されていた。
【0024】
この形質転換体を用いた緑色螢光タンパク質生産試験を、培地をYPD液体(酵母エキス(DIFCO社製)1%、バクトペプトン(DIFCO社製)2%、ブドウ糖(和光純薬社製)2%)とし、培養器の形状を試験管にて行ったところ、単位菌体あたりの生産量が元株に比べて増加していた。すなわち、マイクロプレートリーダー(コロナ社製MTP-32+MTPF2)を用いた励起波長490nm螢光波長530nmの観察において、その値が上昇した。
【0025】
[実施例2](セリンプロテアーゼ遺伝子isp6の不活化による、オワンクラゲ由来の緑色蛍光タンパク質の産生効率の向上)
分裂酵母S.pombeのセリンプロテアーゼ遺伝子をコードする遺伝子isp6(SPAC4A8.04)のORF(1404bp)内にS.pombeのオロチジンリン酸デカルボキシラーゼ遺伝子断片1.8kbpを挿入し、該遺伝子破壊ベクターを作製した。本ベクターを用いて実施例1と同じウラシル要求性緑色螢光タンパク質生産株を形質転換した。最小培地にコロニーを形成するウラシル非要求性の株を取得し、PCR増幅法によってそのゲノムDNAを調べたところ、セリンプロテアーゼ遺伝子が破壊されていた。
【0026】
この形質転換体を用いた緑色螢光タンパク質生産試験を、実施例1と同様に培養したところ、単位菌体あたりの生産量が元株に比べて増加していた。すなわち、マイクロプレートリーダー(コロナ社製MTP-32+MTPF2)を用いた励起波長490nm螢光波長530nmの観察において、その値が上昇した。
【0027】
[実施例3](アミノペプチダーゼ遺伝子SPAC4F10.02 (aminopeptidase I)の不活性化による、オワンクラゲ由来緑色蛍光タンパク質の産生効率の向上)
分裂酵母S.pombeのアミノペプチダーゼをコードする遺伝子SPAC4F10.02 (Nature 415, 871-880 (2002))のORF(1500bp)に隣接する5'側および3'側の400bpのゲノムDNA配列をそれぞれ、塩基配列[ACAAGCAGATCTCCCAGTCA]と[AGCCAGTGGGATTTGTAGCTTTTTCCATGTAATTGCATTT]および塩基配列[AAAAGTTTCGTCAATATCACTTTACCAAGTTTGTTTATGT]と[GCTTTCGTTGAAAGACTTG]をプライマーとしてPCR増幅法で作製した。さらに塩基配列[ACAAGCAGATCTCCCAGTCA]と[GCTTTCGTTGAAAGACTTG]をプライマーとしたPCR増幅法によってこれらのDNA断片とマーカー遺伝子であるura4遺伝子断片1.8kbpとを連結することにより、アミノペプチダーゼ遺伝子のORFがura4遺伝子と入れ替わったゲノムDNA配列に相当する遺伝子破壊ベクターを作製した。
【0028】
本ベクターを用いてS.pombe(leu1-32, ura4-D18)菌株を形質転換した。最少培地にコロニーを形成するウラシル非要求性の株を取得し、PCR増幅法により目的遺伝子が破壊されていた場合のみDNA断片が増幅する方法でゲノムDNAを調べたところ、アミノペプチダーゼ遺伝子SPAC4F10.02が破壊されていた。
【0029】
さらに、分裂酵母用発現ベクター(特開平7-163373)にオワンクラゲ由来緑色螢光タンパク質遺伝子を挿入してできた発現ベクターで上記形質転換体を形質転換し、スクリーニング後、発現培地を100mg/Lの抗生物質G418を含んだYPD液体とし、培養器の形状を試験管にて培養を行なったところ、単位菌体あたりの生産量が元株に比べて増加していた。すなわち、マイクロプレートリーダー(コロナ社製MTP-32+MTPF2)を用いた励起波長490nm螢光波長530nmの観察において、その値が231を示し、非破壊株に同じ遺伝子を導入した株での発現量の2倍程度上昇した。
【0030】
[実施例4](カルボキシペプチダーゼSPBC16G5.09 (carboxypeptidase)の不活性化による、オワンクラゲ由来緑色蛍光タンパク質の産生効率の向上)
分裂酵母S.pombeのカルボキシペプチダーゼをコードする遺伝子SPBC16G5.09 (Nature 415, 871-880 (2002))のORF(1647bp)に隣接する5'側および3'側の400bpのゲノムDNA配列をそれぞれ塩基配列[CGTATTAGCGATTGAACTG]と[AGCCAGTGGGATTTGTAGCTGCTCTCACAATCAAATCGAC]および塩基配列[AAAAGTTTCGTCAATATCACACTGTATATAAATCTTTTCT]と[CAGGGAAGAACGTTCCAAGA]をプライマーとしてPCR増幅法で作製した。さらに塩基配列[CGTATTAGCGATTGAACTG]と[CAGGGAAGAACGTTCCAAGA]をプライマーとしたPCR増幅法によってこれらのDNA断片とマーカー遺伝子であるura4遺伝子断片1.8kbpとを連結することにより、カルボキシペプチダーゼ遺伝子のORFがura4遺伝子と入れ替わったゲノムDNA配列に相当する遺伝子破壊ベクターを作製した。
【0031】
本ベクターを用いてS.pombe(leu1-32, ura4-D18)菌株を形質転換した。最少培地にコロニーを形成するウラシル非要求性の株を取得し、PCR増幅法により目的遺伝子が破壊されていた場合のみDNA断片が増幅する方法でゲノムDNAを調べたところ、カルボキシペプチダーゼSPBC16G5.09が破壊されていた。
【0032】
さらに、分裂酵母用発現ベクター(特開平7-163373)に緑色螢光タンパク質を挿入してできた発現ベクターで上記形質転換体を形質転換し、スクリーニング後、発現培地を100mg/Lの抗生物質G418を含んだYPD液体とし、培養器の形状を試験管にて培養を行なったところ、単位菌体あたりの生産量が元株に比べて増加していた。すなわち、マイクロプレートリーダー(コロナ社製MTP-32+MTPF2)を用いた励起波長490nm螢光波長530nmの観察において、その値が215を示し、非破壊株に同じ遺伝子を導入した株での発現量の1.6倍程度上昇した。
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【発明の効果】
分裂酵母S.pombeのピルビン酸デカルボキシラーゼ遺伝子やプロテアーゼ遺伝子を不活性化することにより、分裂酵母S.pombeを宿主とする形質転換体の異種タンパク質の産生効率が向上した。このように、S.pombeを宿主とし、遺伝子組換え法により異種タンパク質をコードする遺伝子を導入した形質転換体の異種タンパク質生産系において、形質転換体の培養環境下において異種タンパク質の産生に不要または有害なゲノム部分を削除または不活性化することにより、異種タンパク質の産生効率が向上する。
【配列表】
Figure 0004211603
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Claims (4)

  1. 遺伝子組換え法により導入した遺伝子がコードする異種タンパク質を産生させるためのシゾサッカロマイセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)宿主を構築する方法において、ピルビン酸デカルボキシラーゼ遺伝子pdcl(SPAC1F8.07c)、セリンプロテアーゼ遺伝子isp6(SPAC4A8.04)、アミノペプチダーゼ遺伝子(SPAC4F10.02)またはカルボキシペプチダーゼ遺伝子(SPBC16G5.09)を削除または不活化することを特徴とするシゾサッカロマイセス・ポンベ宿主の構築方法。
  2. 請求項1に記載の構築方法で構築された、遺伝子組換え法により導入された遺伝子がコードする異種タンパク質を産生させるためのシゾサッカロマイセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)宿主。
  3. ピルビン酸デカルボキシラーゼ遺伝子pdcl(SPAC1F8.07c)、セリンプロテアーゼ遺伝子isp6(SPAC4A8.04)、アミノペプチダーゼ遺伝子(SPAC4F10.02)またはカルボキシペプチダーゼ遺伝子(SPBC16G5.09)を削除または不活化したシゾサッカロマイセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)宿主に、異種タンパク質をコードする構造遺伝子を導入してなる形質転換体。
  4. シゾサッカロマイセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)宿主が本来有しない異種タンパク質をコードする遺伝子を導入した該宿主の形質転換体に該異種タンパク質を産生させ、該異種タンパク質を採取する方法において、ピルビン酸デカルボキシラーゼ遺伝子pdcl(SPAC1F8.07c)、セリンプロテアーゼ遺伝子isp6(SPAC4A8.04)、アミノペプチダーゼ遺伝子(SPAC4F10.02)またはカルボキシペプチダーゼ遺伝子(SPBC16G5.09)を削除または不活化したシゾサッカロマイセス・ポンベ宿主を用いて該形質転換体の異種タンパク質産生効率を向上させることを特徴とする異種タンパク質の製造方法。
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