JP4305998B2 - シゾサッカロミセス・ポンベの形質転換方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、分裂酵母であるシゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)の形質転換方法、特にその染色体中に相同的組換え法で異種蛋白質構造遺伝子を導入する方法に関する。また本発明は、その形質転換方法に使用されるベクター、その方法で形質転換されたシゾサッカロミセス・ポンベ、およびその形質転換されたシゾサッカロミセス・ポンベを用いる異種蛋白質の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
遺伝子組換え技術を応用した異種蛋白質の生産は、様々な産業に用いられている。その宿主として主に大腸菌(Escherichia coli)、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)、メタノール資化性酵母(Pichia pastoris)、昆虫細胞、動物細胞などが広く用いられている。あらゆる天然・人工の蛋白質を生産の対象とすることが想定され、しかも近年は精製蛋白質のみならず、様々な化学物質の生産も試みられている。
【0003】
しかしあらゆる蛋白質または化学物質を効率良く生産できる「全能性宿主(ゼネラルホスト)」はいまだ開発されておらず、目的とする蛋白質または化学物質ごとに生産系を構築するという試行錯誤が続いている。このため、個々の発現系においても、そのさらなる技術革新が待たれている。
【0004】
異種蛋白質、特に真核生物由来の蛋白質を生産するためには、真核生物である微生物を用いた生産方法が最も良いと考えられている。酵母は人類史上長い間、特に食料品として人間の生活に密接に関与しているためなじみが深く、菌体の大量培養方法も確立しており、他の発現系に内在する、人体に悪影響を及ぼす物質も含まない。これまでに種々の酵母を宿主とした発現系が開発されてきた(Yeast,8,423(1992))。
【0005】
なかでも、分裂酵母であるシゾサッカロミセス・ポンベ(以下、S.ポンベともいう)は出芽酵母であるサッカロミセス・セレビジエをはじめとする他の酵母に比べ様々な性質、例えば細胞周期や染色体の構造、RNAスプライシングなどが動物細胞により類似しているといわれ、生産されてくる蛋白質のアセチル化、リン酸化および糖鎖の付加などの翻訳後修飾も動物細胞でのそれに近いと考えられている(Cell,45,781(1986);Nature,318,78(1985);J.Cell.Biol.,109,2693(1989))。
【0006】
しかも、S.ポンベは、真核生物でありながら遺伝学・分子生物学・細胞生物学分野での応用がきわめて容易な単細胞生物として広く研究されている(Molecular biology of the fission yeast,Academic Press(1989))。また、S.ポンベについての組換えDNA技術の研究もすでに行われている(Experiments with Fission Yeast,Cold Spring Harbor Laboratory Press(1993))。
【0007】
このため、動物細胞由来の蛋白質を発現させる宿主としてはS.ポンベが有利であると考えられる。S.ポンベを用いることによって、動物細胞の場合と同様の、より天然体に近い遺伝子産物が得られると予想される。しかし、S.ポンベを用いた遺伝子発現に関する研究は、出芽酵母にくらべて遅れており、それを用いた異種蛋白質の製造に関してはあまり多くの文献はない(特開昭61−181397、特開平2−283288、特開平4−63596参照)。この原因は強力なプロモータを持ち、菌体内に安定に存在し、かつ遺伝子を導入するのに最適かつ簡便な発現プラスミドの開発が遅れていたためである。
【0008】
最近になって、nmt1+遺伝子のプロモータ領域を用いた誘導発現ベクター(pREP1)や動物細胞ウイルス由来のプロモータ領域をもつ、非常に発現能の高い分裂酵母用ベクターが開発されたため、ようやくS.ポンベを用いての異種蛋白質の大量生産への道が開かれた(特開平5−15380、特開平7−163373、WO96/23890、特開平10−234375参照)。
【0009】
これらの技術を用いることにより、多くの細胞内蛋白質は容易に生産できるようになり、発現システムとしての有用性は高い。実際すでに異種蛋白質遺伝子発現の宿主として次第に広く用いられるようになり、特にヒトを含む動物細胞由来の遺伝子の発現に適していることが知られている(Foreign gene expression in fission yeast Schizosaccharomyces pombe,R.G.Landes(1997)参照)。またゴルジ体や小胞体を含む膜構造の発達が知られており、このことから膜蛋白質の発現にも用いられ、高い発現量を示している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来、S.ポンベに発現ベクターを導入して得られた形質転換体においては、発現ベクターはS.ポンベの染色体外性遺伝体(プラスミド)として存在していた。しかし、染色体外性遺伝体は時としてS.ポンベの培養中に細胞から脱落などにより消失することがあった。このため異種蛋白質構造遺伝子を有するベクターを細胞中に安定的に存在させるためには、そのベクターをS.ポンベの染色体中に組込むことが好ましいと考えられる。通常、ベクターを染色体に組込む方法としては相同的組換え方法が使用される。相同的組換え方法により染色体に組込むことのできるベクターを以下組込み型ベクターという。
【0011】
S.ポンベの染色体に組込み型ベクターを組込むことは公知である(J.Ind.Microbiol.,4,409(1989);Appl.Microbiol.Biotechnol.,49,45(1998)参照)。しかし従来の組込み型ベクターを組込む方法で得られた形質転換S.ポンベでは異種蛋白質の発現が充分ではなかった。
【0012】
本発明者はこの原因について検討した結果、組込み型ベクターの多くが染色体に組込まれずにS.ポンベ細胞内にプラスミドとして存在し、そのためS.ポンベの染色体に組込み型ベクターが組込まれる効率が低いことがその原因の1つであることを見出した。また、一般的に組込み型ベクターは染色体の1つの遺伝子部位に対し複数の組込み型ベクターが組込まれうることが知られており、1つの遺伝子部位に対して組込まれた組込み型ベクターの数が多いほど形質転換の異種蛋白質の発現量が多くなると考えられている。しかし、本発明者は、従来の方法で得られた形質転換S.ポンベでは1つの染色体部位に対して組込まれた組込み型ベクターの数が少ないことを見出し、これがまた異種蛋白質発現量が少ない原因であると推測した。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記S.ポンベの染色体に組込み型ベクターを組込む際の組込み効率が低いこと、および、1つの遺伝子部位に組込まれる組込み型ベクターの数が少ないことの原因を種々検討した結果、組込み型ベクター中に存在する「ベクター構築の過程において必要とした、S.ポンベ以外の細胞中で機能する複製開始領域」がその原因となっていることを見出した。
【0014】
組込み型ベクター等のベクター構築にあたっては、遺伝子工学的に扱いやすい細胞を用いてベクターの複製を行うことが必須となっている。その細胞の代表例は大腸菌であり、ほとんどの場合大腸菌を用いてベクターの構築が行われている。大腸菌中でベクターの複製を行わせるためにベクター中に「ori」と呼ばれる大腸菌の複製開始領域を存在させている。本発明者は、この複製開始領域の存在がS.ポンベの染色体に組込み型ベクターを組込む際の組込み効率の低下や組込み数の減少の原因であることを見出した。
【0015】
上記知見に基づき本発明者は、S.ポンベの染色体に組込み型ベクターを組込む際に上記複製開始領域を削除してから組込みを行うことにより上記問題を解決しうることを見出した。すなわち、上記複製開始領域を有しない組込み型ベクターを組込むことにより、組込み効率を向上し、染色体の1つの遺伝子部位に組込まれる組込み型ベクターの数を増大させることができた。
【0016】
本発明は、以下の形質転換方法、ベクター、形質転換体、およびその形質転換体を用いた蛋白質の製造方法である。
【0017】
S.ポンベの染色体に、異種蛋白質構造遺伝子とプロモータとを含む発現カセットおよび染色体に対して相同的組換えを行わせる遺伝子部位を有するベクターであって、かつベクター構築の過程において必要とした、大腸菌の複製開始領域を有しないベクターを、相同的組換え法で組込むことを特徴とする、S.ポンベの形質転換方法。
【0018】
異種蛋白質構造遺伝子とプロモータとを含む発現カセット、S.ポンベの染色体に対して相同的組換えを行わせる遺伝子部位および大腸菌の複製開始領域を有する相同的組換えベクターを大腸菌を使用して構築し、次いでそのベクターを大腸菌の複製開始領域を除いてS.ポンベの染色体に組込むことを特徴とする、S.ポンベの形質転換方法。
【0019】
異種蛋白質構造遺伝子とプロモータとを含む発現カセットおよびS.ポンベの染色体に対して相同的組換えを行わせる遺伝子部位を有するベクターであって、かつベクター構築の過程において必要とした、大腸菌の複製開始領域を有しないベクターであることを特徴とする、相同的組換え法でS.ポンベの染色体に異種蛋白質構造遺伝子を導入するためのベクター。
上記の方法で得られた形質転換されたS.ポンベ。
上記の形質転換されたS.ポンベを培養し、産生された異種蛋白質を取得することを特徴とする異種蛋白質の製造方法。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明において「発現カセット」とは、S.ポンベの染色体に組込まれた場合その異種蛋白質構造遺伝子がコードする異種蛋白質が発現されるために必要なDNAのセットをいう。この発現カセットは異種蛋白質構造遺伝子とその遺伝子の発現を促進するプロモータを含む。通常はさらに、ターミネータ、5’−非翻訳領域、3’−非翻訳領域のいずれか1以上を含み、好ましくは異種蛋白質構造遺伝子、プロモータ、ターミネータ、5’−非翻訳領域、3’−非翻訳領域のすべてを含む。また、異種蛋白質構造遺伝子に結合した分泌シグナル遺伝子を含んでいてもよい。
【0021】
なお、「異種蛋白質」とは、S.ポンベが本来産生しない(その蛋白質をコードする遺伝子を有しない)蛋白質をいい、産業的価値から見てそのような蛋白質としてはヒトや他の哺乳動物が産生する蛋白質が好ましい。本発明は最終的にはこの異種蛋白質の製造を目的とする。
【0022】
本発明において「S.ポンベの染色体に対して相同的組換えを行わせる遺伝子部位」とは、S.ポンベの染色体中に存在する遺伝子と相同な遺伝子をいう。相同的組換えは、S.ポンベの染色体中に存在する遺伝子とベクター中の相同な遺伝子部位との対合に基づく遺伝子交換によって起こる。ベクター中のこの遺伝子部位がターゲットとするS.ポンベの染色体中の遺伝子は染色体に1個存在すればよいが、複数個存在していてもよい。ターゲットとなる遺伝子が多いほど多数のベクターが組込まれると考えられるが、1個であっても組込み効率が高くかつそこに多数のベクターが組込まれるものであれば充分である。
【0023】
ターゲットとなる遺伝子としては、S.ポンベの栄養要求性マーカーとなる遺伝子が好ましい。そのような遺伝子としては、特に限定されないが、例えば、S.ポンベの、イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ遺伝子、オロチジンリン酸デカルボキシラーゼ遺伝子、ヒスチジノールリン酸アミノトランスフェラーゼ遺伝子、ホスホリボシルAMPシクロヒドラーゼ遺伝子が好ましい。ベクターが組込まれるS.ポンベ中のこれら遺伝子は栄養要求性マーカーとなっていること、すなわちその機能が失われていること、が好ましい。一方、ベクター中のこれら遺伝子に対して相同な遺伝子部位の遺伝子は、S.ポンベの栄養要求性を回復する(機能を回復する)遺伝子であることが好ましい。
【0024】
ベクター中の上記遺伝子部位における遺伝子としては、特に、S.ポンベの野生型遺伝子である、イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ遺伝子(leu1+)、オロチジンリン酸デカルボキシラーゼ遺伝子(ura4+)、ヒスチジノールリン酸アミノトランスフェラーゼ遺伝子(his3+)、ホスホリボシルAMPシクロヒドラーゼ遺伝子(his7+)が好ましい。本発明における(および本発明の)ベクターにおけるこの遺伝子部位を以下「相同遺伝子部位」ともいう。
【0025】
本発明における「ベクター構築の過程において必要とした、大腸菌の複製開始領域」とは、前記のような複製開始領域をいう。すなわち、大腸菌の細胞中で組込み型ベクターの構築を行う際に必須である複製開始領域をいう。ベクター構築のために実際的に遺伝子工学において使用されている細胞としては大腸菌がほぼ唯一であり、かつ大腸菌中での複製のためにベクターに存在させる複製開始領域は「ori」と呼ばれる複製開始領域がほぼ唯一と認められる。以下の説明では、この大腸菌の複製開始領域を以下単に「複製開始領域」ともいう。
【0026】
上記発現カセットおよび相同遺伝子部位を有しかつ複製開始領域を有しない、本発明における(および本発明の)ベクターを以下「本組込み型ベクター」という。本組込み型ベクターは上記発現カセット、相同遺伝子部位および複製開始領域を有するベクターから複製開始領域を除くことにより得られる。以下この複製開始領域を有するベクターを「本前駆ベクター」という。本前駆ベクターは染色体組込み型ではない(S.ポンベの染色体外に導入する)発現ベクターと同様の方法で構築しうる。そのような発現ベクターが相同遺伝子部位を有しないものである場合は発現ベクターの構築過程で相同遺伝子部位を導入して本前駆ベクターを構築することができる。
【0027】
本前駆ベクターの構築に適用しうる発現ベクターやその構築方法としては、特に限定されないが、S.ポンベの形質転換に使用されるものが適当である。特に、前記特開平5−15380、特開平7−163373、WO96/23890、特開平10−234375などに記載された発現ベクターやその構築方法を適用して本前駆ベクターを構築することが好ましい。本前駆ベクターを構築後そこから通常の遺伝子工学的手法で複製開始領域を削除することにより本組込み型ベクターを得ることができる。
【0028】
本発明において本組込み型ベクターとは環状DNA構造または線状DNA構造を有するものをいう。組込み型ベクターを染色体に組込むためには線状DNA構造を有するベクターを細胞に導入するする必要がある。また、上記構築方法で得られる組込み型ベクターは通常環状DNA構造を有するベクターである。したがって、通常は環状の本組込み型ベクターを得た後線状に切り開き、線状の本組込み型ベクターをS.ポンベの細胞に導入する。この際、環状の本組込み型ベクターを切り開く切断箇所は相同遺伝子部位内である必要がある。すなわち、切り開かれた線状の本組込み型ベクターの一端には相同遺伝子部位の一部が存在し、他端には相同遺伝子部位の他の一部が存在する必要がある。線状の本組込み型ベクターがこのような構造を有するものであるかぎり、線状の本組込み型ベクターは環状の本組込み型ベクターの切り開き以外の手段で構築することもできる。
【0029】
本発明者は上記構造の線状の本組込み型ベクターを容易に得る方法も見出した。通常の方法では環状の本前駆ベクターから複製開始領域を除去して環状の本組込み型ベクターを製造し、その後環状の本組込み型ベクターを上記のように切り開く方法が用いられる。しかし、環状の本前駆ベクターから複製開始領域を除去して環状の本組込み型ベクターとする操作は繁雑である。
【0030】
本発明者は本前駆ベクターからの複製開始領域を除去と線状の本組込み型ベクターの製造を1工程で行う方法を見出した。この方法は、相同遺伝子部位の切断箇所に(すなわち線状の本組込み型ベクターの両端となる部分の間に)複製開始領域を存在させた環状の本前駆ベクターを構築し、この環状の本前駆ベクターから複製開始領域を切り取ることにより線状の本組込み型ベクターを得る方法である。本前駆ベクターの構築の際には相同遺伝子部位の遺伝子は通常機能させる必要がないことより、このような本前駆ベクターを容易に構築することができる。
【0031】
本組込み型ベクターは上記したような発現カセットと相同遺伝子部位以外にさらに複製開始領域以外の遺伝子を有していてもよい。例えば、複製開始領域以外のベクター構築に使用された遺伝子を有していてもよい。そのような遺伝子としては例えばベクター選択マーカーである抗生物質耐性遺伝子(ネオマイシン耐性遺伝子等)がある。逆に、このようなベクター構築に使用された遺伝子を染色体組込み前に複製開始領域と同様に除去してもよい。
【0032】
発現カセットにおけるプロモータとしては、特に限定されない。しかし異種蛋白質構造遺伝子の発現を促進する活性の高いプロモータが好ましく、そのようなプロモータとしては前記特開平5−15380、特開平7−163373、特開平10−234375に記載されている動物細胞ウイルス由来のプロモータがある。特にCMVプロモータやSV40プロモータが好ましい。また、異種蛋白質構造遺伝子の上流側にはS.ポンベにおいて機能する分泌シグナル遺伝子を存在させることもできる。そのような分泌シグナル遺伝子としては、前記WO96/23890に記載された分泌シグナル遺伝子が好ましい。
【0033】
本発明において、本組込み型ベクター中の発現カセットの数は2個以上であってもよい。S.ポンベ染色体中の本組込み型ベクターが組込まれる部位が1箇所であっても、その位置に2個以上の本組込み型ベクターが組込まれることがある。したがって、この場合本組込み型ベクターが発現カセットを1個有していても染色体に複数の発現カセットが組込まれる。本組込み型ベクターが発現カセットを複数有している場合はさらに多数の発現カセットが組込まれる。また、染色体中に2以上のベクター組込み位置がある場合にはさらに多数の発現カセットが組込まれる。染色体中の発現カセットの数が多いほど異種蛋白質の発現はより効率的である。
【0034】
本組込み型ベクター中の発現カセットの数は、特に限定されない。しかし、あまりに多数の場合は本組込み型ベクターが大きくなりすぎて組込み効率が低下するおそれが予想され、本組込み型ベクター中の発現カセットの数は20個以下が好ましく10個以下が特に好ましい。また、S.ポンベ染色体中に組込まれる全発現カセットの数も特に限定されない。しかしあまりに多すぎると発現効率の低下も予想されることより、50個以下が好ましく、特に30個以下が好ましい。
【0035】
相同遺伝子部位の遺伝子としては、特にS.ポンベの野生型遺伝子である、イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ遺伝子(leu1+)と相同の遺伝子が好ましい。このイソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ遺伝子はS.ポンベの染色体中に1箇所存在する。しかし、本組込み型ベクターはこの部位に多数組込まれ得るため、異種蛋白質の発現効率の高い形質転換S.ポンベを得ることができる。形質転換されるS.ポンベとしては形質転換体選択のために栄養要求性マーカーを有するS.ポンベが好ましい。例えば、イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ遺伝子の機能が失われたロイシン要求性のS.ポンベ株(例えばleu1−32変異株)に上記野生型イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ遺伝子(leu1+)を相同遺伝子部位とする組込み型ベクターを導入することによりロイシン要求性が消失することから、この栄養要求性の変化を利用して形質転換体を選択することができる。
【0036】
以下に後述の例に記載した本発明の実施例等の概略を説明する。
まず、公知のleu1+遺伝子を入手し、既存の発現ベクター(前記複製開始領域「ori」を有するベクター)に組込んだ。得られた組込み型ベクターを用い、S.ポンベのleu1−32変異株(ロイシン要求性株)を形質転換し、ロイシン非要求性の株をスクリーニングすることによって目的異種蛋白質構造遺伝子を含む発現カセットを組込んだ形質転換体を取得した。その結果、安定な組込み体が得られたが、目的異種蛋白質の生産レベルは低かった。同時に、導入した組込み型ベクターがプラスミドの形で存在する株が多数得られ、染色体に多くの発現カセットを持った株の取得は比較的困難であった(例1、例2参照)。
【0037】
次に、大腸菌の複製開始領域を含まない組込み型ベクターを構築した。すなわち、leu1+遺伝子内の制限酵素SplI消化部位に複製開始領域を移動させた組込み型ベクターを作製した。得られた組込み型ベクターを用い、その複製開始領域を切り取って線状の組込み型ベクターを製造し、そのベクターでS.ポンベのleu1−32変異株を形質転換し、ロイシン非要求性の株をスクリーニングすることによって目的異種蛋白質構造遺伝子の発現カセットを組込んだ形質転換体を取得した。その結果、安定な組込み体でありかつ、目的異種蛋白質の生産レベルが高い株、すなわち染色体外型発現ベクターを用いた生産時のレベルと同等またはそれを凌駕する生産レベルを示す株が得られた(例3〜6参照)。
【0038】
【実施例】
以下本発明を例をもって具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されない。なお、例1、2は参考例であり、例3〜6は実施例である。また、各例において、構築したベクターを増幅する段階は大腸菌DH5株(東洋紡社製)を用いた(例3に具体的に記載、他の例では省略)。
【0039】
[例1](プラスミド型生産系の構築)
クロンテック社より購入したオワンクラゲ由来緑色蛍光蛋白質変異体(以下、EGFPという)遺伝子を含むベクターpEGFP−1をテンプレートとして、開始コドンから終止コドンまでの720bpの領域をPCR増幅した。得られた断片の末端を5’−末端側のプライマに付加したNcoI−タグ、3’−末端側のプライマに付加したHindIII−タグを用いてトリミングし、マルチクローニングベクターpTL2M5(特開平7−163373記載のマルチクローニングベクターpTL2Mから、3’−UTR下流に存在したポリdA配列ならびにSV40ターミネータ領域を除いたもので、大腸菌の複製領域を含む。4657bp)のAflIII−HindIII間に挿入し、組換えベクターpTL2EGFPを得た。
【0040】
得られたpTL2EGFPを用いて特開平7−163373記載の方法でS.ポンベの形質転換体ASP170株を作製し、YPD100培地(バクトイーストエキス(ディフコ社製)1wt%、バクトペプトン(ディフコ社製)2wt%、グルコース(和光純薬社製)2wt%をそれぞれ含み、かつ100μg/Lのジェネティシン(ライフテクノロジー社製)を含有する液体培地)で培養し、EGFPの生産量を調べた。
【0041】
その結果、100μL培養物あたり143CU(コロナユニット、コロナ電気社製マイクロプレートリーダーMTP−32で測定した590nm励起光による630nmの蛍光値)の生産量、286CU/gの生産効率(1mL培養物の示す蛍光値を乾燥菌体重量あたりに換算したもの)を示した。この生産量ならびに生産効率はYPD100培地下では50世代継代後も安定であったが、YPD培地(バクトイーストエキス(ディフコ社製)1wt%、バクトペプトン(ディフコ社製)2wt%、グルコース(和光純薬社製)2wt%をそれぞれ含む液体培地)下では26CUの生産量、53.2CU/gの生産効率にとどまった。
【0042】
[例2](従来法による組込み型生産系の構築)
公知のプラスミドpYK320(Curr.Genet.,14,375(1988))を制限酵素AccI(東洋紡社製)で消化し、leu1+を含む約3.5kbpの断片をゲルから切り出し、ガラスパウダー法(宝酒造社製EASYTRAP)で精製した。この断片を組換えベクターpTL2EGFPの制限酵素Bst1107I(宝酒造社製)消化断片(約5.0kbp)とライゲーションキット(宝酒造社製)を用いてライゲーション(連結)した。大腸菌DH5株を形質転換して、目的の組換えベクターpTL2EGFP−LR(9047bp)を得た。制限酵素SplI(宝酒造社製)で消化した組換えベクターpTL2EGFP−LRの1μgを用いて特開平7−163373記載の方法でS.ポンベの形質転換体ASP218株およびASP219株を作製し、YPD培地で培養した際のEGFPの生産量を調べた。
【0043】
その結果、11CUの生産量、24.3CU/gの生産効率を示した。この生産量ならびに生産効率は50世代継代後も安定であった。さらに生産量の多いクローンの取得を試みたが、プラスミドとして菌体内に滞留(パルスフィールドゲル電気泳動法によるゲノム解析により確認)するベクターを持つ株が優先的に採取されるため、より高い生産量を示しかつ50世代継代後も安定な株を取得することはできなかった。
【0044】
[例3](組込み型生産系の構築)
例2で構築したpTL2EGFP−LRを制限酵素SplIで消化し、別にPCR増幅によって得た両端にSplI−タグを付加したpBR322由来の大腸菌の複製開始起点とアンピシリン耐性遺伝子を含む領域を挿入し、大腸菌DH5株を用いて組換えベクターpTL2EGFP−LR(OAIF)(11.7kbp)を得た。pTL2EGFP−LR(OAIF)を制限酵素AccIで消化しさらに末端を平滑化(宝酒造社製DNA Blunting Kit使用)した断片と、pTL2EGFP−LR(OAIF)を制限酵素HpaI(宝酒造社製)で部分消化しかつ制限酵素Bst1107Iで完全消化して得られた断片を連結し、大腸菌DH5株を用いて組換えベクターpTL2EGFP−XLRF(9.1kbp)を得た。pTL2EGFP−XLRFを制限酵素SpeI(宝酒造社製)およびAccIII(東洋紡社製)で二重消化して得られた断片と、pTL2EGFP−LRを制限酵素SpeIおよびAccIIIで二重消化して得られた断片を連結し、大腸菌DH5株を用いて組換えベクターpTL2EGFP−XL(9048bp)を得た。
【0045】
制限酵素SplI(宝酒造社製)で消化した組換えベクターpTL2EGFP−XLを1μg用いて特開平7−163373記載の方法でS.ポンベの形質転換を行い、形質転換体ASP285株5種類を得た。これらをYPD培地で培養し、EGFPの生産量を調べた。
【0046】
その結果、生産量の少ないものから、生産量と生産効率の組合わせが、12CUと28.0CU/g、25CUと51.8CU/g、40CUと78.1CU/g、59CUと115.7CU/g、81CUと167.9CU/gであった。これら段階的な生産量ならびに生産効率はすなわち1コピーの組込みにとどまらず、多コピーの組込み体が得られたことを示している。またこの生産量と生産効率は50世代継代後も安定であった。さらに、パルスフィールドゲル電気泳動法によるゲノム解析によりEGFPは染色体に複数個存在していることを確認した。
【0047】
[例4](二重組込み型生産系の構築)
例3に示した組換えベクターpTL2EGFP−XLを制限酵素PvuI(宝酒造社製)およびSpeIで二重消化しさらに末端を平滑化した断片と、pTL2EGFP−XLを制限酵素PvuIおよびAccIで二重消化しさらに末端を平滑化した断片を連結し、組換えベクターpTL2EGFP−2XL(10790bp)を得た。制限酵素SplIで消化した組換えベクターpTL2EGFP−2XLを1μg用いて特開平7−163373記載の方法でS.ポンベの形質転換を行い、形質転換体ASP356株を得た。この株をYPD培地で培養し、EGFPの生産量を調べた。
【0048】
その結果、59CUの生産量、118.2CU/gの生産効率を示した。この生産量ならびに生産効率はすなわち二重に重複した発現カセットが1コピーの組込みにとどまらず、多コピーの組込み体が得られたことを示し、また50世代継代後も安定であった。
【0049】
[例5](四重組込み型生産系の構築)
例4に示した組換えベクターpTL2EGFP−2XLを制限酵素PvuI(宝酒造社製)およびSpeIで二重消化しさらに末端を平滑化した断片と、pTL2EGFP−2XLを制限酵素PvuIおよびAccIで二重消化しさらに末端を平滑化した断片を連結し、組換えベクターpTL2EGFP−4XL(1427bp)を得た。制限酵素SplIで消化した組換えベクターpTL2EGFP−4XLを1μg用いて特開平7−163373記載の方法でS.ポンベの形質転換を行い、形質転換体ASP357株を得た。この株をYPD培地で培養し、EGFPの生産量を調べた。
【0050】
その結果、103CUの生産量、192.5CU/gの生産効率を示した。この生産量ならびに生産効率はすなわち四重に重複した発現カセットが1コピーの組込みにとどまらず、多コピーの組込み体が得られたことを示し、また50世代継代後も安定であった。
【0051】
[例6](八重組込み型生産系の構築)
例5に示した組換えベクターpTL2EGFP−4XLを制限酵素PvuI(宝酒造社製)およびSpeIで二重消化しさらに末端を平滑化した断片と、pTL2EGFP−4XLを制限酵素PvuIおよびAccIで二重消化しさらに末端を平滑化した断片を連結し、組換えベクターpTL2EGFP−8XL(21242bp)を得た。制限酵素SplIで消化した組換えベクターpTL2EGFP−8XLを1μg用いて特開平7−163373記載の方法でS.ポンベの形質転換を行い、形質転換体ASP358株2種類得た。これらの株をYPD培地で培養し、EGFPの生産量を調べた。
【0052】
その結果、生産量と生産効率がそれぞれ99CUと202.5CU/g、173CUと329.8CU/gであった。この生産量ならびに生産効率はすなわち八重に重複した発現カセットが1コピーの組込みにとどまらず、多コピーの組込み体が得られたことを示し、例1に示すプラスミド型(染色体型)生産系を凌駕する値を得た。また50世代継代後もこれらの値は安定であった。
【0053】
【発明の効果】
大腸菌の複製開始領域を有しない組込み型ベクターをS.ポンベの染色体に組込むことにより、ベクターが高い効率で染色体に組込まれる。また、発現カセットを複数有する組込み型ベクターを組込むことにより、より多数の発現カセットを組込むことができる。その結果、異種蛋白質の生産量、生産効率を著しく高めることができた。
Claims (12)
- シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)の染色体に、異種蛋白質構造遺伝子とプロモータとを含む発現カセットおよび染色体に対して相同的組換えを行わせる遺伝子部位を有するベクターであって、かつベクター構築の過程において必要とした、大腸菌の複製開始領域を有しないベクターを、相同的組換え法で組込むことを特徴とする、シゾサッカロミセス・ポンベの形質転換方法。
- 複製開始領域が、シゾサッカロミセス・ポンベの染色体に対して相同的組換えを行わせる遺伝子部位の中に存在していた、請求項1に記載の方法。
- 異種蛋白質構造遺伝子とプロモータとを含む発現カセット、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)の染色体に対して相同的組換えを行わせる遺伝子部位および大腸菌の複製開始領域を有する相同的組換えベクターを大腸菌を使用して構築し、次いでそのベクターを大腸菌の複製開始領域を除いてシゾサッカロミセス・ポンベの染色体に組込むことを特徴とする、シゾサッカロミセス・ポンベの形質転換方法。
- 複製開始領域が、シゾサッカロミセス・ポンベの染色体に対して相同的組換えを行わせる遺伝子部位の中に存在する、請求項3に記載の方法。
- 染色体に対して相同的組換えを行わせる遺伝子部位が、シゾサッカロミセス・ポンベのイソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ遺伝子、オロチジンリン酸デカルボキシラーゼ遺伝子、ヒスチジノールリン酸アミノトランスフェラーゼ遺伝子またはホスホリボシルAMPシクロヒドラーゼ遺伝子と相同の遺伝子部位である、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
- ベクターが2以上の発現カセットを有する、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
- 異種蛋白質構造遺伝子とプロモータとを含む発現カセットおよびシゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)の染色体に対して相同的組換えを行わせる遺伝子部位を有するベクターであって、かつベクター構築の過程において必要とした、大腸菌の複製開始領域を有しないベクターであることを特徴とする、相同的組換え法でシゾサッカロミセス・ポンベの染色体に異種蛋白質構造遺伝子を導入するためのベクター。
- 染色体に対して相同的組換えを行わせる遺伝子部位が、シゾサッカロミセス・ポンベのイソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ遺伝子、オロチジンリン酸デカルボキシラーゼ遺伝子、ヒスチジノールリン酸アミノトランスフェラーゼ遺伝子またはホスホリボシルAMPシクロヒドラーゼ遺伝子と相同の遺伝子部位である、請求項7に記載のベクター。
- 大腸菌の複製開始領域が、シゾサッカロミセス・ポンベの染色体に対して相同的組換えを行わせる遺伝子部位の中に存在する、請求項7または8に記載のベクター。
- ベクターが2以上の発現カセットを有する、請求項7〜9のいずれかに記載のベクター。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の方法で得られた形質転換されたシゾサッカロミセス・ポンベ。
- 請求項11に記載の形質転換されたシゾサッカロミセス・ポンベを培養し、産生された異種蛋白質を取得することを特徴とする異種蛋白質の製造方法。
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