JP4211235B2 - コンタクトホール形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、層間絶縁膜を膜厚方向にエッチングしてコンタクトホールを形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
LSI製造工程等では、層間絶縁膜の表裏に存在する配線層を接続するために、層間絶縁膜にコンタクトホールを形成することが必要とされる。このコンタクトホールを複数設け、各コンタクトホールの深さを異ならせる必要のある場合が多く存在する。このような場合にコンタクトホール形成する方法の一例を図10から図12を参照して説明する。
この方法では、図11に示すように、表面高さが低い第1配線層4と表面高さが高い第2配線層7を被覆する表面が平坦な層間絶縁膜12に、それぞれが第1配線層4と第2配線層7に達する2以上のコンタクトホール18、16を形成する。コンタクトホール18、16の深さが異なる場合に、仮に、コンタクトホール18、16を同一工程でエッチングして、第1配線層4に達するコンタクトホール18のエッチング時にコンタクトホール16をエッチングすると、図12に示すように第2配線層7が過剰にエッチングされてしまい、通電不良等が発生する。そこで、この方法ではコンタクトホール18、16を別工程でエッチングしていた。
【0003】
即ち、最初に図10に示すように、まず、層間絶縁膜12をエッチングして第2配線層7に達するコンタクトホール16をエッチングする。次に、図11に示すように層間絶縁膜12をエッチングして第1配線層4に達するコンタクトホール18をエッチングする。それぞれのエッチング条件を別に設定できることから、コンタクトホール16については、第2配線層7に達して第2配線層7を過剰にエッチングせず、コンタクトホール18については、第1配線層4に達して第1配線層4を過剰にエッチングしないようにしてコンタクトホール16、18を形成できる。
【0004】
しかしながら、上記のように2つのコンタクトホール16、18を別個に形成すると、リソグラフィ工程、エッチング工程、レジスト除去工程、エッチングの後処理工程を繰返して2回行う必要があるので、製造工程が増加し、コスト高となってしまう。また、リソグラフィ工程の際の合わせ精度のバラツキによって、歩留まりが低下してしまう。
【0005】
そこで、コンタクトホールの形成方法を簡素化すべく、特開平5−335305号公報に以下の方法が開示されている。この方法を図13〜図16を参照して説明する。
図13に示すように、リソグラフィ工程によって、第2配線層7の上方のレジスト14より、第1配線層4の上方のレジスト14の方が開口部が大きくなるようにパターニングする。その後、レジスト14をマスクとしてエッチングを行い、第2配線層7が露出するまでエッチングを行う。その後、図14に示すように、レジスト14を除去した後、層間絶縁膜12の全面に金属膜15を堆積させる。その後、図15に示すように、第1配線層4の上方の層間絶縁膜12が露出するまで金属膜15のエッチングを行う。ただし、第2配線層7の上方の金属膜15は開口しないようにしておく。その後、図16に示すように、第1配線層4が露出するまでエッチングを行う。この結果、2つのコンタクトホール16、18(コンタクトホール16は金属膜15が充填された状態)が形成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図13から図16に示すコンタクトホールの形成方法によると、2つのコンタクトホール16、18を形成するのに、リソグラフィ工程は図13に示すように1回にできるものの、エッチング工程は図13と図16に示すように依然として2回繰返さなければならない。このため、コンタクトホールの形成方法の簡素化が依然として達成されない状況にあった。
【0007】
本発明は、表面高さが低い第1配線層と表面高さが高い第2配線層が、表面が平坦な層間絶縁膜に被覆されている場合に、それぞれが第1配線層と第2配線層に達する2以上のコンタクトホールを、表面高さが高い第2配線層を過剰にエッチングせず、しかも、同一のエッチング工程で形成できる方法を開発することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用と効果】
本発明のコンタクトホール形成方法は、表面高さが低い第1配線層と表面高さが高い第2配線層を被覆する表面が平坦な層間絶縁膜に、それぞれが第1配線層と第2配線層に達する2以上のコンタクトホールを形成する方法であり、第2配線層上にPCVDまたは熱CVDによってSiO 2 からなる所定厚のエッチング遅延層を積層し、その後に、エッチング遅延層よりエッチング速度が速いSiO 2 からなる層間絶縁膜を積層する工程と、第1配線層上では層間絶縁膜を、第2配線層上では層間絶縁膜とエッチング遅延層を、同一工程でエッチングする工程と、を有する。
この方法によると、第2配線層上に所定厚のエッチング遅延層を積層することで、表面高さが低い第1配線層と表面高さが高い第2配線層が、表面が平坦な層間絶縁膜に被覆されている場合に、それぞれが第1配線層と第2配線層に達する2以上のコンタクトホールを、表面高さが高い第2配線層を過剰にエッチングせず、しかも、同一のエッチング工程で形成できる。
【0009】
このコンタクトホール形成方法では、エッチング遅延層を積層する工程において、エッチング遅延層の上面と第1配線層の上面との間の高さの差をDa、層間絶縁膜のエッチング速度をra、エッチング遅延層の層厚をDb、エッチング遅延層のエッチング速度をrbとしたときに、エッチング遅延層の層厚Dbを(Da/ra)×rbと近似的に等しくすることが好ましい。
この方法によると、エッチング遅延層のエッチングされる時間が、エッチング遅延層の上面と第1配線層の上面の間の層間絶縁膜のエッチングされる時間と近似的に等しくなるので、エッチング遅延層の下に形成された第2配線層が過剰にエッチングされることを確実に防止できる。
【0010】
このコンタクトホール形成方法では、第2配線層をパターニングする前にエッチング遅延層を積層し、そのエッチング遅延層上に第2配線層のパターンに等しいパターンを持つレジスト層を積層し、そのレジスト層をマスクとして、エッチング遅延層と第2配線層をパターニングする工程をさらに有することが好ましい。
この方法によると、第2配線層をパターニングするために別途レジストを積層する必要がなくなるので、製造工程をより簡素化できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本実施例のコンタクトホール形成方法を図1〜図8を参照して説明する。図1から図8は、本実施例のコンタクトホール形成方法を説明するための半導体装置の断面図を工程順に示した図である。
まず、図1に示すように、シリコン基板22にLOCOS(選択酸化)法で素子分離用のフィールド酸化膜(SiO2)形成領域のみでSiを酸化させ、選択酸化層30を形成する。その後、シリコン基板22にイオン注入法や熱拡散法により下部拡散層(第1配線層の一例)24を形成する。その後、選択酸化層30とシリコン基板22上に50nmのTiNと、200nmのAlCuと、50nmのTiをスパッタ蒸着法や真空蒸着法等によって蒸着し、下部電極層(第2配線層一例)26を形成する。なお、下部電極層26は、ポリSiや、AlSi、W、Mo、Ta、シリサイド等で形成されていてもよい。その後、下部電極層26上にCVD法等でポリSiを堆積させてエッチング遅延層28を形成する。なお、エッチング遅延層28は、SiN、WSi、高温形成のPCVDによるSiO2、熱CVDによるSiO2等で形成されていてもよい。これらの材料は後記する層間絶縁膜32の材料よりエッチング速度が遅い。
【0012】
その後、図2に示すように、エッチング遅延層28上に下部電極層26のパターンに等しいパターンを持つレジスト層29を積層する。その後、そのレジスト層29をマスクとしてエッチング遅延層28と下部電極層26をドライエッチングしてパターニングすると図3の状態となる。その後、ドライエッチングの後処理(洗浄等)を行う。以上のようにして本実施例では、表面高さが低い下部拡散層24と表面高さが高い下部電極層26が形成される。
【0013】
その後、図4に示すように、シラン(SiH4)と、酸素または一酸化二窒素(N2O)等を熱して、シリコン基板22と、エッチング遅延層28と、下部電極層26と、選択酸化層30を覆うようにCVD法等でSiO2を堆積させて層間絶縁膜32を形成する。なお、層間絶縁膜32は、単なる酸化膜で形成してもよいが、軟化する温度の低い、Pを含んだ酸化膜(PSG)やPとBを含んだ酸化膜(BPSG)等で形成してもよい。また、Si(OC2H5)4(TEOS)とO2の反応を用いたプラズマCVD法や、O2の代わりにオゾン(O3)を用いて形成した酸化膜等で形成してもよい。この方法によると、低温で段部の被覆性の良い層間絶縁膜32を得ることができる。その後、CMP(化学的機械的研磨)法によって層間絶縁膜32を研磨し平坦化する。
【0014】
その後、図5に示すように、層間絶縁膜32上にレジスト34を積層する。その後、図6に示すように、リソグラフィ工程によって下部配線層26上のレジスト34(薄い膜厚のコンタクトホール形成領域A)と、下部拡散層24上のレジスト34(厚い膜厚のコンタクトホール形成領域B)に開口を設ける。その後、図7に示すように、レジスト34をマスクとしてドライエッチングを行い、下部配線層26上の薄い膜厚のコンタクトホール形成領域Aにコンタクトホール36を形成するとともに、下部拡散層24上の厚い膜厚のコンタクトホール形成領域Bにコンタクトホール38を形成する。コンタクトホール38が形成される際には、層間絶縁膜32のみエッチングされるが、コンタクトホール36が形成される際には、層間絶縁膜32のみならず、エッチング遅延層28もエッチングされる。その後、図8に示すように、レジスト34を除去し、ドライエッチングの後処理(洗浄等)を行う。
【0015】
本実施例では、上記したコンタクトホール36と38を形成する際のドライエッチングとして、異方性エッチングの可能な反応性イオンエッチングを用いている。コンタクトホールを形成する際には、横方向へのエッチングが進行しないように異方性エッチングで行うことが望ましいからである。しかしながら、異方性エッチングであるが故に、層間絶縁膜(SiO2等)32のみをエッチングして下部電極層(TiN、AlCu、Ti等)26をエッチングしないということは難しい。このような場合に、エッチング遅延層28を形成することは特に有用である。
なお、ドライエッチングは、上記した反応性イオンエッチングの他にも、ダウンフローエッチングや、プラズマエッチングや、反応性イオンビームエッチング(RIBE)や、スパッタエッチング等で行ってもよい。また、異方性のエッチングではなく、等方性のエッチングで行ってもよい。
【0016】
エッチングガスには、CF4、CHF3、C2F6、C4F8、CH2F2等の各種のフロロカーボンガスや、これらのガスにH2、CO、Ar、O2、、Cl、HBr等を混合したガスを用いることが好ましい。また、C4F8、CO、Ar、O2等の混合ガスや、CHF3、CF4、Ar、O2等の混合ガスに例示されるような各ガスを3以上組合せた混合ガスを用いることが好ましい。エッチングガスとしてこれらのガスを用いると、異方性エッチングを行う場合であっても、層間絶縁膜(SiO2等)32に対する下部電極層(TiN、AlCu、Ti等)26の選択性を向上させることができる。エッチング遅延層28を形成した場合でも、エッチング遅延層28の厚さによっては下部電極層26が若干エッチングされる場合がある。このため、エッチング遅延層28を形成した場合でも、層間絶縁膜32に対する下部電極層26の選択性はできる限り高くしておいた方がよい。
【0017】
本実施例では、図9に示すエッチング遅延層28の層厚Dbは100nmとした。下部電極層26の層厚Dcは300nmとした。選択酸化層30のシリコン基板22から突出した長さDdは200nmとした。従って、エッチング遅延層28の上面と下部拡散層24の上面の間の層間絶縁膜32の膜厚DaはDb+Dc+Dd=600nmとなる。エッチングガスとして上記したCF4、CHF3、Ar等の混合ガスを用いた場合、エッチング遅延層(ポリSi)28のエッチング速度rbは約0.05μm/minとなる。層間絶縁膜(SiO2)32のエッチング速度raは約0.3μm/minとなる。
DbとDa、ra、rbの間には、以下の関係が成り立つ
Db≒(Da/ra)×rb⇔100≒(600/約0.3)×約0.05
即ち、本実施例では、エッチング遅延層28のエッチングされる時間が、エッチング遅延層28の上面と下部拡散層24の上面の間の層間絶縁膜32のエッチングされる時間と近似的に等しくなるようにエッチング遅延層28の層厚Dbが設定されているので、エッチング遅延層28の下に形成された下部電極層26が過剰にエッチングされることを確実に防止できる。
【0018】
ドライエッチングの際に下部電極層26が除去されても下部電極層26の通電不良が生じないように下部電極層26を厚くするという方法も考えられる。しかし、下部電極層26を厚くしすぎると、下部電極層26の下面と接触している層(選択酸化層30やシリコン基板22)との密着性が悪くなり、下部電極層26が剥がれ易くなるという問題がある。
また、下部電極層26がエッチングされた際に発生する生成物AlCu等がレジスト34やコンタクトホール36の周面に付着してしまうという問題がある。この生成物は導電性のものであれば、電流の漏れや短絡等を引き起こす原因となる。絶縁性のものであれば、下部電極層26の通電不良や高抵抗化を発生させる。
さらに、下部電極層26を厚くすると、下部電極層26と下部拡散層24の段差が大きくなる。このため、層間絶縁膜32の膜厚を厚くし、かつ、CMP法での除去量を大きくする必要がある。しかし、層間絶縁膜32の膜厚を厚くし、かつ、CMP法での除去量を大きくすると、層間絶縁膜32の膜厚のバラツキが大きくなり、歩留まり低下の要因となるという問題がある。
以上の理由から、ドライエッチングの際に下部電極層26が除去されても下部電極層26の通電不良が生じないように下部電極層26を厚くするという方法は望ましくない。
【0019】
本実施例の方法によると、下部電極層26に上記した厚さDbのエッチング遅延層28を積層することで、表面高さが低い下部拡散層24と表面高さが高い下部電極層26が、表面が平坦な層間絶縁膜32に被覆されている場合に、それぞれが下部拡散層24に達するコンタクトホール38と下部電極層26に達するコンタクトホール36を、表面高さが高い下部電極層26を過剰にエッチングせず、しかも、同一のエッチング工程で形成できる。
この結果、下部電極層26を厚くする必要がなくなるので、下部電極層26を厚くすることで生じる上記した問題の発生を防止できる。
また、2つのコンタクトホール36と38を形成する際に、図6と図7に示すようにリソグラフィ工程とドライエッチング工程を1回で済ませることができるので、リソグラフィ工程の後のレジスト除去や、ドライエッチング工程の後の洗浄処理等も1回で済ませることができる。
【0020】
以上、本発明の実施例のコンタクトホール形成方法について説明したが、本発明の適用範囲は上記の実施例になんら限定されるものではない。すなわち、本発明は、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
例えば、本実施例では、2つのコンタクトホール36と38を形成する場合について示したが、形成されるコンタクトホールの数に制限はない。第1配線層より表面高さが高い複数の第2配線層群が存在する場合は、各第2配線層上にエッチング遅延層を設ければよい。この場合、形成すべきコンタクトホールの数が多くても、1回のリソグラフィ工程とドライエッチング工程でコンタクトホールを形成することができる。また、各第2配線層上に形成するエッチング遅延層の層厚は、各第2配線層の高さに応じて変えることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例のコンタクトホール形成方法を説明するための半導体装置の断面図(1)。
【図2】同半導体装置の断面図(2)。
【図3】同半導体装置の断面図(3)。
【図4】同半導体装置の断面図(4)。
【図5】同半導体装置の断面図(5)。
【図6】同半導体装置の断面図(6)。
【図7】同半導体装置の断面図(7)。
【図8】同半導体装置の断面図(8)。
【図9】同半導体装置の断面図(9)。
【図10】第1の従来技術のコンタクトホール形成方法を説明するための半導体装置の断面図(1)。
【図11】同半導体装置の断面図(2)。
【図12】同半導体装置の断面図(3)。
【図13】第2の従来技術のコンタクトホール形成方法を説明するための半導体装置の断面図(1)。
【図14】同半導体装置の断面図(2)。
【図15】同半導体装置の断面図(3)。
【図16】同半導体装置の断面図(4)。
【符号の説明】
22:シリコン基板
24:下部拡散層(第1配線層の一例)
26:下部電極層(第2配線層の一例)
28:エッチング遅延層
30:選択酸化層
32:層間絶縁膜
34:レジスト
36、38:コンタクトホール
Claims (1)
- 表面高さが低い第1配線層と表面高さが高い第2配線層を被覆する表面が平坦な層間絶縁膜に、それぞれが第1配線層と第2配線層に達する2以上のコンタクトホールを形成する方法であり、
第2配線層上にPCVDまたは熱CVDによってSiO 2 からなる所定厚のエッチング遅延層を積層し、その後に、エッチング遅延層よりエッチング速度が速いSiO 2 からなる層間絶縁膜を積層する工程と、
第1配線層上では層間絶縁膜を、第2配線層上では層間絶縁膜とエッチング遅延層を、同一工程でエッチングする工程と、
を有するコンタクトホール形成方法。
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