JP4210873B2 - インピーダンス変換回路、映像機器、オーディオ機器及び通信装置 - Google Patents

インピーダンス変換回路、映像機器、オーディオ機器及び通信装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インピーダンス変換回路、映像機器、オーディオ機器及び通信装置に関し、例えばラジオ受信機、テレビジョン受像機、衛星放送受信機、ビデオテープレコーダ、移動体通信機等に適用することができる。本発明は、第1及び第2の入力端電圧に応じてインピーダンス回路の第1及び第2の端子に駆動電流を供給すると共に、この第1及び第2の端子電圧に応じて第2及び第1の入力端より電流を流出させることにより、従来に比して高い周波数で使用でき、かつ集積回路化に適したインピーダンス変換回路と、このインピーダンス変換回路を用いた映像機器等を提案する。
【0002】
【従来の技術】
従来、オーディオ機器等の比較的周波数の低い信号を処理する機器においては、図5に示すようなインピーダンス変換回路1により所望の特性によるインピーダンスが作成され、この作成したインピーダンスによりオーディオ信号等を信号処理するようになされている。
【0003】
すなわちインピーダンス変換回路1は、5つのインピーダンス回路2〜6が直列接続され、これらインピーダンス回路2〜6間に演算増幅回路7及び8が接続される。ここで5つのインピーダンス回路2〜6は、必要とするインピーダンスに応じてそれぞれ所定のインピーダンスZA〜ZEに設定される。また第1の演算増幅回路7は、第2及び第3のインピーダンス回路3及び4の接続中点に反転入力端が接続され、第4及び第5のインピーダンス回路5及び6の接続中点に非反転入力端が接続され、出力端が第1及び第2のインピーダンス回路2及び3の接続中点に接続される。また第2の演算増幅回路8は、このインピーダンス変換回路の入力端Vinに非反転入力端が接続され、第2及び第3のインピーダンス回路3及び4の接続中点に反転入力端が接続され、出力端が第3及び第4のインピーダンス回路4及び5の接続中点に接続される。
【0004】
これによりインピーダンス変換回路1は、入力端Vinから見た入力インピーダンスZinを次式により表すことができ、これによりインピーダンス回路2〜6を種々に設定して入力インピーダンスZinを所望の値に設定できるようになされている。
【0005】
【数1】
Figure 0004210873
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところでこのインピーダンス変換回路1は、演算増幅回路7及び8により動作周波数が1〔MHz〕以下に限られる問題がある。これによりビデオ帯域等の周波数帯では信号処理回路に適用することが困難であった。
【0007】
また他の信号処理回路と一体に集積回路化する場合、演算増幅回路7及び8を集積回路化することになり、その分素子数が増大し、これにより集積回路化に不向きな問題もあった。
【0008】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、従来に比して高い周波数で使用でき、かつ集積回路化に適したインピーダンス変換回路と、このインピーダンス変換回路を用いた映像機器、オーディオ機器及び通信装置を提案しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明においては、第1及び第2の入力端の電圧に応じて、インピーダンス回路の第1及び第2の端子にそれぞれ駆動電流を供給し、またこの第1及び第2の端子の電圧に応じて、それぞれ第2及び第1の入力端より電流を流出させる。
【0010】
1及び第2の入力端の電圧に応じて、インピーダンス回路の第1及び第2の端子にそれぞれ駆動電流を供給し、またこの第1及び第2の端子の電圧に応じて、それぞれ第2及び第1の入力端より電流を流出させれば、第1及び第2の入力端より見たインピーダンスにおいては、インピーダンス回路によるインピーダンスの逆数に所定の抵抗値を乗算したインピーダンスになる。これによりインピーダンス回路のインピーダンスを変換してなる入力インピーダンスを得ることができる。このとき差動対の組み合わせによりインピーダンス変換回路が作成されることにより、演算増幅回路による場合のような周波数の制限を受けることなく、動作周波数を拡大でき、また簡易な構成により容易に集積回路化することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳述する。
【0012】
(1)第1の実施の形態
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るインピーダンス変換回路を示す接続図である。このインピーダンス変換回路10は、前段に配置された所定の信号処理回路と一体に集積回路を構成し、例えばオーディオ信号の信号処理に適用される。
【0013】
このインピーダンス変換回路10において、トランジスタQ1及びQ2は、差動対を構成する。すなわちトランジスタQ1及びQ2は、コレクタが電源VCCに接続され、ベースにバイアス電源Veが接続される。またトランジスタQ1及びQ2は、それぞれエミッタに抵抗R11及びR12が接続され、この抵抗R11及びR12の他端間に、所定のインピーダンス回路11が接続される。さらにトランジスタQ1及びQ2は、この抵抗R11及びR12の他端がそれぞれトランジスタQ3及びQ4を介して接地される。
【0014】
これらトランジスタQ3及びQ4は、それぞれエミッタに電流源12及び13が接続され、またエミッタ間が抵抗R13により接続され、トランジスタQ5及びQ6にベース電圧が設定されるようになされている。
【0015】
トランジスタQ5及びQ6は、それぞれ電流源14及び15によりエミッタが接地され、またコレクタが電源VCCに接続される。またトランジスタQ5及びQ6は、インピーダンス回路11より、それぞれトランジスタQ2側及びトランジスタQ1側の端子電圧をベースに受け、このベースの接続とは逆に、各エミッタをそれぞれトランジスタQ1及びQ2側に対応するトランジスタQ3及びQ4のベースに接続する。
【0016】
これによりトランジスタQ1及びQ2は、電源Ve、電流源12〜15、トランジスタQ3〜Q6、抵抗R11〜R13と共に、インピーダンス回路11をバイアス電源Veにより決まる電圧により直流バイアスするハイインピーダンスのバイアス回路を構成する。
【0017】
ここで抵抗R11及びR12は、等しい抵抗値R0に設定され、抵抗R13は、抵抗R11及びR12の抵抗値R0の2倍の抵抗値2R0に設定されるようになされている。
【0018】
トランジスタQ7及びQ8は、それぞれエミッタに電流源16及び17が接続され、またエミッタ間が抵抗R14により接続される。また前段の信号処理回路より入力信号V1及び−V1の入力を受ける第1及び第2の入力端がそれぞれベースに接続され、各コレクタがインピーダンス回路11の各端子に接続されるようになされている。ここで抵抗R14は、抵抗値2R1に設定される。
【0019】
これによりトランジスタQ7及びQ8は、第1及び第2の入力端の電圧V1及び−V1に応じて、インピーダンス回路11の第1及び第2の端子にそれぞれ駆動電流を供給する第1の差動対を構成する。
【0020】
これに対してトランジスタQ9及びQ10は、それぞれエミッタに電流源18及び19が接続され、またエミッタ間が抵抗R15により接続される。またそれぞれコレクタを第2及び第1の入力端に接続し、各ベースをトランジスタQ5及びQ6のエミッタに接続する。これによりトランジスタQ9及びQ10は、トランジスタQ5及びQ6、電流源14、15、18、19、抵抗R15と共に、インピーダンス回路11の第1及び第2の端子の電圧に応じて、それぞれ第2及び第1の入力端より電流を流出させる第2の差動対を構成する。ここで抵抗R15は、抵抗値2R2に設定される。
【0021】
以上の構成において、前段の信号処理回路より入力される入力信号V1及び−V1は、トランジスタQ7及びQ8に入力され、このトランジスタQ7及びQ8の電流駆動により、インピーダンス回路11に駆動電流が供給される。
【0022】
ここでインピーダンス回路11の端子電圧をそれぞれV2及び−V2とし、インピーダンス回路11のトランジスタQ1側端においてキルヒホッフの定理を適用すると、このインピーダンス変換回路10においては、次式の関係式を得ることができる。なおここでi1は、抵抗R11の電流であり、i2は、インピーダンス回路11の電流である。またi3は、トランジスタQ3のコレクタ電流であり、i4は、トランジスタQ8のコレクタ電流である。またZは、インピーダンス回路11のインピーダンス2Zの1/2の値である。
【0023】
【数2】
Figure 0004210873
【0024】
【数3】
Figure 0004210873
【0025】
【数4】
Figure 0004210873
【0026】
【数5】
Figure 0004210873
【0027】
ここでトランジスタQ5及びQ6のベースにインピーダンス回路11の両端が接続され、これらトランジスタQ5及びQ6のエミッタが、他方のトランジスタQ2及びQ1に接続されたトランジスタQ4及びQ3のベースに接続されるようになされていることにより、(2)式の電流i3は、次式により表される。
【0028】
【数6】
Figure 0004210873
【0029】
これら(3)〜(6)式を(2)式に代入すれば、次式の関係式を得ることができる。
【0030】
【数7】
Figure 0004210873
【0031】
ここでトランジスタQ9及びQ10のベースがそれぞれトランジスタQ5及びQ6のエミッタに接続されていることにより、インピーダンス変換回路10は、このトランジスタQ9及びQ10により、インピーダンス回路11の端子電圧に応じて、第1及び第2の入力端より、次式で表される電流iXを流出させることになる。
【0032】
【数8】
Figure 0004210873
【0033】
ここで(7)式を(8)式に代入すれば、次式の関係式を得ることができる。
【0034】
【数9】
Figure 0004210873
【0035】
これにより入力端よりインピーダンス変換回路10を見たインピーダンスZ1は、次式により表され、図2に示すように、入力端の両端に、インピーダンスZ1が接続されていることが分かる。すなわちこのインピーダンス変換回路10の入力端より見たインピーダンスZ1においては、インピーダンス回路11のインピーダンス2Zの1/2の逆数に、差動対に配置された抵抗2R1、2R2の半分の抵抗値R14、R15の抵抗値R1、R2を乗算した値となる。またこのインピーダンスZ1の中点においては、接地されていることになる。
【0036】
【数10】
Figure 0004210873
【0037】
これによりこのインピーダンス変換回路10においては、インピーダンス回路11のインピーダンスを変換することができ、インピーダンス回路11に種々の素子を配置して、集積回路全体として所望の特性を実現できることが分かる。
【0038】
すなわちインピーダンス回路11に容量Cのコンデンサを接続すれば、インピーダンス回路11のインピーダンスZは、1/SCと表し得ることにより、(10)式に代入して、このインピーダンス変換回路10の入力インピーダンスZ1を次式により表すことができる。なおここで、Sは、ラプラス演算子である。
【0039】
【数11】
Figure 0004210873
【0040】
これによりインピーダンス回路11にコンデンサを配置して、集積回路内に、値C・R1・R2のインダクタンスを形成できることが分かる。また抵抗値R1及びR2を選択して、小容量のコンデンサにより所望のインダクタンスを形成できることが分かる。
【0041】
またこれとは逆に、インピーダンス回路11に値Lのインダクタンスを接続すれば、インピーダンス回路11のインピーダンスZは、SLと表し得ることにより、(10)式に代入して、このインピーダンス変換回路10の入力インピーダンスZ1を次式により表すことができる。
【0042】
【数12】
Figure 0004210873
【0043】
これによりインピーダンス回路11にインダクタンスを配置して、容量L/R1R2によるコンデンサを形成できることが分かる。また抵抗値R1及びR2を選択して、小容量のインダクタンスにより所望の容量によるコンデンサを形成できることが分かる。
【0044】
またインダクタンス及びコンデンサの並列接続回路をインピーダンス回路11に配置すると、このインピーダンス回路11においては、インピーダンスZを1/(SC+1/SL)で表し得ることにより、(10)式に代入して、このインピーダンス変換回路10の入力インピーダンスZ1を次式により表すことができる。
【0045】
【数13】
Figure 0004210873
【0046】
これによりこの場合には、容量L/R1R2によるコンデンサと、値CR1R2によるインダクタンスの直列接続回路によるインピーダンスZ1を形成できることが分かる。
【0047】
またインダクタンス及びコンデンサの直列接続回路をインピーダンス回路11に配置すると、このインピーダンス回路11においては、インピーダンスZを1/SC+SLで表し得ることにより、(10)式に代入して、このインピーダンス変換回路10の入力インピーダンスZ1を次式により表すことができる。
【0048】
【数14】
Figure 0004210873
【0049】
これによりこの場合には、容量L/R1R2によるコンデンサと、値CR1R2によるインダクタンスの並列接続回路によるインピーダンスZ1を形成できることが分かる。
【0050】
以上の構成によれば、第1及び第2の入力端電圧V1及び−V1に応じてインピーダンス回路11の第1及び第2の端子に駆動電流を供給すると共に、この第1及び第2の端子電圧に応じて第2及び第1の入力端より電流を流出させることにより、複数対の差動対によりインピーダンス変換回路を構成することができる。これにより従来に比して高い周波数で使用でき、かつ集積回路化に適したインピーダンス変換回路を得ることができる。
【0051】
またNPN型トランジスタの差動対により構成することにより、全体構成を簡略化でき、また従来に比して動作可能な電源電圧VCCを低減することができる。
【0052】
(2)第2の実施の形態
図3は、本発明の第2の実施の形態に係るインピーダンス変換回路を示す接続図である。この実施の形態においては、このインピーダンス変換回路20が所定の信号処理回路と共に集積回路化される。なおこの図3に示す構成において、図1について上述した構成と同一の構成は、対応する符号を付して示し、重複した説明は省略する。
【0053】
このインピーダンス変換回路20は、前段の信号処理回路より入力信号V1及び−V1の入力を受ける第1及び第2の入力端に対応して、後段の信号処理回路に出力信号V3及び−V3を送出する出力端が配置される。さらにこの入力端に対する出力端の配置に対応するように、トランジスタQ7及びQ8の差動対に対応するトランジスタQ17及びQ18による差動対、このトランジスタQ17及びQ18の各エミッタを接地する電流源26、27、トランジスタQ17及びQ18のエミッタ間を接続する抵抗R24が配置される。これらトランジスタQ17及びQ18は、トランジスタQ7及びQ8に対応するように、出力端、インピーダンス回路11等に接続され、抵抗R24の抵抗値が抵抗R14と等しい抵抗値に設定される。
【0054】
またインピーダンス変換回路20は、この入力端に対する出力端の配置に対応するように、トランジスタQ9及びQ10の差動対に対応するトランジスタQ19及びQ20による差動対、このトランジスタQ19及びQ20の各エミッタを接地する電流源28、29、トランジスタQ19及びQ20のエミッタ間を接続する抵抗R25が配置される。これらトランジスタQ19及びQ20は、トランジスタQ9及びQ10に対応するように、出力端、インピーダンス回路11等に接続され、また抵抗R25の抵抗値が抵抗R15と等しい抵抗値に設定される。
【0055】
図3に示す構成において、第1の実施の形態と同様に、インピーダンス回路11の一端についてキルヒホッフの定理を適用すると、次式の関係式を得ることができる。なおここでi5は、トランジスタQ18のコレクタ電流である。
【0056】
【数15】
Figure 0004210873
【0057】
【数16】
Figure 0004210873
【0058】
この(16)式を(3)〜(6)式と共に(15)式に代入すれば、次式の関係式を得ることができる。
【0059】
【数17】
Figure 0004210873
【0060】
この場合、トランジスタQ9及びQ10は、(8)式について上述した電流値iXに代えて、次式により表される電流iX1を第1及び第2の出力端より流出させ、トランジスタQ19及びQ20は、同様に電流iX2を出力端より流出させることになる。
【0061】
【数18】
Figure 0004210873
【0062】
【数19】
Figure 0004210873
【0063】
これによりこの実施の形態においては、入力電圧V1でなる第1の入力端と、対応する出力電圧V3でなる第1の出力端においては、異なる向きにより等しい電流値iX1(iX2)が流れ、また同様に入力電圧−V1でなる第2の入力端と、対応する出力電圧−V3でなる第2の出力端においても、異なる向きにより等しい電流値iX1(iX2)が流れることが分かる。
【0064】
これは第1及び第2の入力端間で入出力する電流値と等しい電流値が第1及び第2の出力端間で入出力することを意味し、これにより図4に示すように、このインピーダンス変換回路20においては、入力端及び出力端間に所定インピーダンスZ2による2端子対の回路網が形成されることを意味する。
【0065】
これにより入力電圧V1及び出力電圧V3間の電位差(V1−V3)について、次式の関係式により、これら2端子対回路網によるインピーダンスZ2を計算することができる。
【0066】
【数20】
Figure 0004210873
【0067】
すなわちこのインピーダンス変換回路20においては、入力端及び出力端間に所定インピーダンスZ2が接続され、このインピーダンスZ2が、インピーダンス回路11のインピーダンス2Zの1/2の逆数に、差動対に配置された抵抗2R1、2R2の半分の抵抗値R14、R15の抵抗値R1、R2を乗算した値となる。
【0068】
またこの(20)式によるインピーダンスZ2は、(10)式について説明したインピーダンスZ1と等しいことにより、この実施の形態においても、(11)〜(14)式の関係が成立し、インピーダンス回路11にキャパシタンス、インダクタンスを適用した場合には、インダクタンス、キャパシタンスをそれぞれ配置した場合と同様のインピーダンスZ2を得ることができ、またキャパシタンス、インダクタンスの並列接続、直列接続の場合には、これらを直並列変換ができることがわかる。
【0069】
図3に示す構成によれば、第1の実施の構成に加えて、第3及び第4の入力端でなる第1及び第2の出力端の電圧に応じて、インピーダンス回路11の第1及び第2の端子にそれぞれ駆動電流を供給する第3の差動対と、インピーダンス回路11の第1及び第2の端子の電圧に応じて、それぞれ第2及び第1の入力端より電流を流出させる第4の差動対とを配置することにより、所望のインピーダンスによる2端子対回路網を形成して、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0070】
また従来困難であったインダクタンスとキャパシタンスとの梯子型伝送網をIC内に構築することができ、これにより楕円関数を用いたT型の回路を実現することができる。また同時に少ない素子数で高いQ値のフィルターを2端子対回路網で実現することができる。
【0071】
また2端子対を形成できることにより、インピーダンス変換回路を完全差動で動作させることができる。これにより従来のアクティブフィルターでは実現困難な差動動作のアクティブフィルターを構築することができる。さらにこのような差動動作型によって、回路内に信号電流のループを形成することができ、インピーダンス変換回路として安定度を向上することができ、また消費電力を低減し、チップ面積を縮小することができる。
【0072】
(3)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、本発明をオーディオ信号の信号処理回路に適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、種々のオーディオ機器、ビデオテープレコーダ等の映像機器、さらには携帯電話等の無線通信装置、ケーブルテレビ等の有線による通信装置に広く適用することができる。
【0073】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、第1及び第2の入力端電圧に応じてインピーダンス回路の第1及び第2の端子に駆動電流を供給すると共に、この第1及び第2の端子電圧に応じて第2及び第1の入力端より電流を流出させることにより、従来に比して高い周波数で使用でき、かつ集積回路化に適したインピーダンス変換回路と、このインピーダンス変換回路を用いた映像機器等を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るインピーダンス変換回路を示す接続図である。
【図2】図1のインピーダンス変換回路の等化回路を示す接続図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係るインピーダンス変換回路を示す接続図である。
【図4】図3のインピーダンス変換回路の等化回路を示す接続図である。
【図5】従来のインピーダンス変換回路を示すブロック図である。
【符号の説明】
1、10、20……インピーダンス変換回路、Q1〜Q20……トランジスタ、R11〜R25……抵抗

Claims (8)

  1. 第1及び第2の端子を有する所定インピーダンスのインピーダンス回路と、
    エミッタ間を抵抗により接続し、第1及び第2の入力端の電圧に応じて、前記インピーダンス回路の第1及び第2の端子にそれぞれ駆動電流を供給する第1の差動対と、
    エミッタ間を抵抗により接続し、前記インピーダンス回路の第1及び第2の端子の電圧に応じて、それぞれ前記第2及び第1の入力端より電流を流出させる第2の差動対と、
    ベース電圧が所定電圧に保持され、それぞれ抵抗を介してエミッタ間を前記インピーダンス回路により接続することにより、前記インピーダンス回路の第1及び第2の端子を直流的に前記所定電圧で決まる電圧に保持する第3の差動対と、
    エミッタ間を抵抗により接続してそれぞれ定電流源に接続し、前記インピーダンス回路の第1及び第2の端子から電流を流出させる第4の差動対と、
    前記インピーダンス回路の第1及び第2の端子をそれぞれベースに接続し、前記インピーダンス回路の第1及び第2の端子電圧に応じてベース電圧をそれぞれ可変する第1及び第2のトランジスタとを有し、
    前記第1の差動対の1組のトランジスタのベースに、それぞれ前記第1及び第2の入力端が接続されると共に、前記第2の差動対の1組のトランジスタのコレクタがそれぞれ接続され、
    前記第2の差動対の1組のトランジスタのベースが、前記第2及び第1のトランジスタのエミッタ及び前記第4の差動対の1組のトランジスタのベースに接続された
    ことを特徴とするインピーダンス変換回路。
  2. エミッタ間を抵抗により接続し、第3及び第4の入力端の電圧に応じて、前記インピーダンス回路の第1及び第2の端子にそれぞれ駆動電流を供給する第5の差動対と、
    エミッタ間を抵抗により接続し、前記インピーダンス回路の第1及び第2の端子の電圧に応じて、それぞれ前記第4及び第3の入力端より電流を流出させる第6の差動対とを有する
    ことを特徴とする請求項1に記載のインピーダンス変換回路。
  3. インピーダンス変換回路を有する映像機器であって、
    前記インピーダンス変換回路は、
    第1及び第2の端子を有する所定インピーダンスのインピーダンス回路と、
    エミッタ間を抵抗により接続し、第1及び第2の入力端の電圧に応じて、前記インピーダンス回路の第1及び第2の端子にそれぞれ駆動電流を供給する第1の差動対と、
    エミッタ間を抵抗により接続し、前記インピーダンス回路の第1及び第2の端子の電圧に応じて、それぞれ前記第2及び第1の入力端より電流を流出させる第2の差動対と、
    ベース電圧が所定電圧に保持され、それぞれ抵抗を介してエミッタ間を前記インピーダンス回路により接続することにより、前記インピーダンス回路の第1及び第2の端子を直流的に前記所定電圧で決まる電圧に保持する第3の差動対と、
    エミッタ間を抵抗により接続してそれぞれ定電流源に接続し、前記インピーダンス回路の第1及び第2の端子から電流を流出させる第4の差動対と、
    前記インピーダンス回路の第1及び第2の端子をそれぞれベースに接続し、前記インピーダンス回路の第1及び第2の端子電圧に応じてベース電圧をそれぞれ可変する第1及び第2のトランジスタとを有し、
    前記第1の差動対の1組のトランジスタのベースに、それぞれ前記第1及び第2の入力端が接続されると共に、前記第2の差動対の1組のトランジスタのコレクタがそれぞれ接続され、
    前記第2の差動対の1組のトランジスタのベースが、前記第2及び第1のトランジスタのエミッタ及び前記第4の差動対の1組のトランジスタのベースに接続された
    ことを特徴とする映像機器。
  4. エミッタ間を抵抗により接続し、第3及び第4の入力端の電圧に応じて、前記インピーダンス回路の第1及び第2の端子にそれぞれ駆動電流を供給する第5の差動対と、
    エミッタ間を抵抗により接続し、前記インピーダンス回路の第1及び第2の端子の電圧に応じて、それぞれ前記第4及び第3の入力端より電流を流出させる第6の差動対とを有する
    ことを特徴とする請求項3に記載の映像機器。
  5. インピーダンス変換回路を有するオーディオ機器であって、
    前記インピーダンス変換回路は、
    第1及び第2の端子を有する所定インピーダンスのインピーダンス回路と、
    エミッタ間を抵抗により接続し、第1及び第2の入力端の電圧に応じて、前記インピーダンス回路の第1及び第2の端子にそれぞれ駆動電流を供給する第1の差動対と、
    エミッタ間を抵抗により接続し、前記インピーダンス回路の第1及び第2の端子の電圧に応じて、それぞれ前記第2及び第1の入力端より電流を流出させる第2の差動対と、
    ベース電圧が所定電圧に保持され、それぞれ抵抗を介してエミッタ間を前記インピーダンス回路により接続することにより、前記インピーダンス回路の第1及び第2の端子を直流的に前記所定電圧で決まる電圧に保持する第3の差動対と、
    エミッタ間を抵抗により接続してそれぞれ定電流源に接続し、前記インピーダンス回路の第1及び第2の端子から電流を流出させる第4の差動対と、
    前記インピーダンス回路の第1及び第2の端子をそれぞれベースに接続し、前記インピーダンス回路の第1及び第2の端子電圧に応じてベース電圧をそれぞれ可変する第1及び第2のトランジスタとを有し、
    前記第1の差動対の1組のトランジスタのベースに、それぞれ前記第1及び第2の入力端が接続されると共に、前記第2の差動対の1組のトランジスタのコレクタがそれぞれ接続され、
    前記第2の差動対の1組のトランジスタのベースが、前記第2及び第1のトランジスタのエミッタ及び前記第4の差動対の1組のトランジスタのベースに接続された
    ことを特徴とするオーディオ機器。
  6. エミッタ間を抵抗により接続し、第3及び第4の入力端の電圧に応じて、前記インピーダンス回路の第1及び第2の端子にそれぞれ駆動電流を供給する第5の差動対と、
    エミッタ間を抵抗により接続し、前記インピーダンス回路の第1及び第2の端子の電圧に応じて、それぞれ前記第4及び第3の入力端より電流を流出させる第6の差動対とを有する
    ことを特徴とする請求項5に記載のオーディオ機器。
  7. インピーダンス変換回路を有する通信装置であって、
    前記インピーダンス変換回路は、
    第1及び第2の端子を有する所定インピーダンスのインピーダンス回路と、
    エミッタ間を抵抗により接続し、第1及び第2の入力端の電圧に応じて、前記インピーダンス回路の第1及び第2の端子にそれぞれ駆動電流を供給する第1の差動対と、
    エミッタ間を抵抗により接続し、前記インピーダンス回路の第1及び第2の端子の電圧に応じて、それぞれ前記第2及び第1の入力端より電流を流出させる第2の差動対と、
    ベース電圧が所定電圧に保持され、それぞれ抵抗を介してエミッタ間を前記インピーダンス回路により接続することにより、前記インピーダンス回路の第1及び第2の端子を直流的に前記所定電圧で決まる電圧に保持する第3の差動対と、
    エミッタ間を抵抗により接続してそれぞれ定電流源に接続し、前記インピーダンス回路の第1及び第2の端子から電流を流出させる第4の差動対と、
    前記インピーダンス回路の第1及び第2の端子をそれぞれベースに接続し、前記インピーダンス回路の第1及び第2の端子電圧に応じてベース電圧をそれぞれ可変する第1及び第2のトランジスタとを有し、
    前記第1の差動対の1組のトランジスタのベースに、それぞれ前記第1及び第2の入力端が接続されると共に、前記第2の差動対の1組のトランジスタのコレクタがそれぞれ接続され、
    前記第2の差動対の1組のトランジスタのベースが、前記第2及び第1のトランジスタのエミッタ及び前記第4の差動対の1組のトランジスタのベースに接続された
    ことを特徴とする通信装置。
  8. エミッタ間を抵抗により接続し、第3及び第4の入力端の電圧に応じて、前記インピーダンス回路の第1及び第2の端子にそれぞれ駆動電流を供給する第5の差動対と、
    エミッタ間を抵抗により接続し、前記インピーダンス回路の第1及び第2の端子の電圧に応じて、それぞれ前記第4及び第3の入力端より電流を流出させる第6の差動対とを有する
    ことを特徴とする請求項7に記載の通信装置。
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