JP4103165B2 - アクティブ伝送網回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばラジオ受信機やテレビジョン受信機、衛星放送受信機、ビデオレコーダ、移動体通信機等に使用して好適なアクティブ伝送網回路に関する。詳しくは例えば集積回路内にアクティブ伝送網回路を形成することにより、簡単な構成で良好な特性のアクティブフィルタ等の集積回路化を行うものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば集積回路内で様々なインピーダンスを作り出す回路として、例えば図13に示すようなジャイレータ回路が知られている。すなわち図13においては、入力信号Vinの供給される端子100が、それぞれ任意のインピーダンス(Z1 〜Z5 )を構成する例えば5個の素子101〜105を通じて接地される。そしてこれらの素子101〜105の内の例えば素子105の入力端の信号V0 が端子110に取り出される。
【0003】
また、例えば素子101、103の入力端の信号がそれぞれ演算増幅器106の反転、非反転入力に供給されて、この増幅器106の出力信号V1 が素子104の入力端に供給されると共に、端子111に取り出される。また、例えば素子102、105の入力端の信号がそれぞれ演算増幅器107の反転、非反転入力に供給されて、この増幅器107の出力信号V2 が素子102の入力端に供給されると共に、端子112に取り出される。さらに例えば素子103の入力端の信号V3 が端子113に取り出される。
【0004】
そしてこのジャイレータ回路においては、例えば5個の素子101〜105に設けられるインピーダンスによって様々なインピーダンスを作り出すことができる。すなわち、例えばインダクタンスを構成したい場合には、上述の回路で素子104をキャパシタンスにし、素子101〜103、105をいずれも抵抗にすることによって、次の数式▲1▼に示すように全体の特性をインダクタンスにした回路を実現できるものである。
【0005】
Zin=(Z1 ・Z3 ・Z5 )/Z2 /Z4 において、
Z1 =Z2 =Z3 =Z5 =R、Z4 =1/sCとすると、
∴Zin=s・C・R・R=s・L ・・・▲1▼
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが上述のジャイレータ回路では、常に2個の演算増幅器106、107が必要とされる。従ってこの回路の動作は、これらの演算増幅器106、107が充分に動作できる周波数の範囲でのみ成立するものである。すなわちこのジャイレータ回路の使用できる周波数範囲は、演算増幅器106、107のいわゆるGB積によって決定されるといっても過言ではないものである。
【0007】
このためこの回路を、例えば使用できる周波数範囲の上限付近で使用すると、回路の入出力において位相及びゲイン的にオフセットを持つことになる。同時に回路の出力インピーダンスが無視できなくなり、ジャイレータ回路としてのインダクタンスのQ値を低下させて、特に多段におよぶ従属接続は回路動作に支障をきたす恐れも生じさせることになる。
【0008】
また、例えば2個の演算増幅器106、107を用いて、例えば上述の数式▲1▼のようにインダクタンスを形成した場合には、上述の回路はいわゆる2端子素子として存在することができる。ところがこの回路を、さらに差動入力、差動出力として使用したい場合には、演算増幅器がさらにもう2個必要となり、例えばπ型の4端子網を作るためには、必要とされる回路素子数が極めて多くなる。
【0009】
また上述の回路において、例えば演算増幅器のダイナミックレンジを広げるためには、例えばpnp形のトランジスタによる直流電流源とnpn形のトランジスタによる直流電流源とが必要になる。このためこの回路を構成する場合には、供給電源の上下にバイアス電圧が必要となり、特に低電圧での駆動が要求される集積回路には不向きなものである。
【0010】
この出願はこのような点に鑑みて成されたものであって、解決しようとする問題点は、例えば集積回路内にインダクタンスを形成する場合に、例えば従来のジャイレータ回路では、使用される演算増幅器によって周波数範囲が制限され、回路のQ値を低下させて多段の従属接続は回路動作に支障をきたす恐れがある。また例えばπ型の4端子網を作るためには必要とされる素子数が極めて多くなり、さらに低電圧で駆動させる集積回路等には不向きであるというものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このため本発明においては、1種類のトランジスタと抵抗のみで構成されたハイインピーダンスバイアス回路に容量を接続することで集積回路内にアクティブインダクタンスを2端子素子として構築し、この両端に容量を接続することでπ型伝送網を形成するようにしたものであって、これによれば、簡単な構成で良好な特性のアクティブフィルタ等の集積回路化を行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
すなわち本発明においては、1種類のトランジスタを用いて集積回路内に構成されるアクティブ伝送網回路であって、1対のトランジスタのベースが互いに他方のトランジスタのコレクタに接続されて当該回路を構成する抵抗及びトランジスタのエミッタ抵抗より十分に高いインピーダンスとされる第1のハイインピーダンスバイアス回路を形成し、第1のハイインピーダンスバイアス回路を形成する1対のトランジスタのコレクタ間第1の容量を接続することによりアクティブインダクタを構築し、この構築されたアクティブインダクタの出力第2の容量を接続することでπ型伝送網を形成し、π型伝送網を第2のハイインピーダンスバイアス回路を介して従属に複数段連ねることによって、集積回路内に梯子型伝送網を形成してなるものである。
【0014】
ところで本願発明者は、先に1種類、例えばnpn形のトランジスタと抵抗のみで構成されたハイインピーダンスバイアス回路のハイインピーダンス部分に容量を接続することにより、例えば集積回路内にアクティブインダクタンスを作り出す回路を提案している(特願平9−260265号参照)。
【0015】
すなわち図7は、本願発明者が先に提案したアクティブインダクタンス回路の一例の構成を示す接続図である。この図7において、差動の入力信号Vin、−Vinを形成する信号源電圧源1、2が設けられ、これらの電圧源1、2の一端が互いに接続されてその接続中点が接地されると共に、信号源電圧源1、2の他端がそれぞれトランジスタ3、4のベースに接続される。さらにこれらのトランジスタ3、4のコレクタが電源Vccの電源路5に接続される。
【0016】
また、これらのトランジスタ3、4のエミッタが、それぞれ抵抗値Rの抵抗器6、7を通じて差動対を構成するトランジスタ8、9のコレクタに接続される。さらにこれらのトランジスタ8、9のエミッタがそれぞれ電流値I0 の電流源10、11を通じて接地されると共に、これらのトランジスタ8、9のエミッタ間に抵抗値2Rの抵抗器12が接続される。そしてこれらのトランジスタ8、9のコレクタ間に容量値C/2のコンデンサ13が接続される。
【0017】
さらにこれらのトランジスタ8、9のコレクタから出力信号Va とVb の出力端子14、15が導出される。
【0018】
また、これらの出力端子14、15がそれぞれトランジスタ16、17のベースに接続される。さらにこれらのトランジスタ16、17のエミッタがそれぞれ電流値I1 の電流源18、19を通じて接地されると共に、これらのトランジスタ16、17のエミッタ間に抵抗値2Re の抵抗器20が接続される。そしてこれらのトランジスタ16、17のコレクタが、それぞれ信号源電圧源1、2とトランジスタ3、4のベースの接続中点に接続される。
【0019】
この図7の回路において、線で囲った部分は電圧ドライブに構成された90度移相器である。そこでこの90度移相器において、各部の電流を図示のように値i1 、i2 、i3 、ic に定めると、トランジスタ3側では、i1 =ic +i2 から、
【数1】
Figure 0004103165
となる。
【0020】
同様に、トランジスタ4側では、i3 =−ic +i2 から、
【数2】
Figure 0004103165
となる。
【0021】
そこで〔数1〕〔数2〕から、これらを加算して
【数3】
Figure 0004103165
となり、トランジスタ3、4のベースに差動の入力信号Vinと−Vinが印加された場合には、出力信号Va 、Vb の関係も位相が反転したものになる。
【0022】
そこでこの〔数3〕を〔数1〕に代入することによって、
【数4】
Figure 0004103165
となる。
【0023】
よって、
【数5】
Figure 0004103165
となり、入力信号Vinに対して、出力信号Va 、Vb は±90度位相のずれた出力となるものである。
【0024】
そこで図7の回路において、入力信号Vinの信号源電圧源1からみた入力インピーダンスを値Zinとすると、入力電流Iinは、
【数6】
Figure 0004103165
である。
【0025】
よって、この〔数6〕と上述の〔数4〕とから
【数7】
Figure 0004103165
となる。
【0026】
すなわちこの図7の回路において、入力インピーダンスZinは、〔数7〕から明らかなように入力信号Vinに対してインダクタンスL=C・R・Re が対接地間に入っているように見えるものである。言い換えると、入力信号Vin、−Vinの信号源電圧源1、2間に、インダクタンス2L=2・C・R・Re が存在しているように見えるものである。
【0027】
さらに、図7のアクティブインダクタンス回路が完全に2端子素子として存在していることを図8を用いて説明する。この図8は、入力信号Vinの信号源電圧源1とトランジスタ3のベースとの間に値Z1 のドライブインピーダンス21を挿入すると共に、トランジスタ4のベースを値Z2 のインピーダンス22にて終端したものである。
【0028】
そしてこの図8の回路において、トランジスタ3のベースポイント23の信号電位を値V1 、トランジスタ4のベースポイント24の信号電位を値V2 としたときに、値V1 、V2 間にインダクタンスが存在するように伝達関数が表されればよいことになる。
【0029】
そこで図8において、上述の〔数1〕から、
【数8】
Figure 0004103165
となる。
【0030】
同様に、〔数2〕から、
【数9】
Figure 0004103165
となる。
【0031】
従って、これらの〔数8〕〔数9〕から、
【数10】
Figure 0004103165
となる。
【0032】
また、
【数11】
Figure 0004103165
から、
【数12】
Figure 0004103165
となる。
【0033】
一方、
【数13】
Figure 0004103165
であるから、
【数14】
Figure 0004103165
となる。
【0034】
すなわち
【数15】
Figure 0004103165
ただし、
【数16】
Figure 0004103165
であるから、
【数17】
Figure 0004103165
となる。
【0035】
そしてこれらの式より、
【数18】
Figure 0004103165
が求められる。
【0036】
すなわち、この〔数18〕から明らかなように、電圧値V1 、V2 は入力信号Vinに対して同一の分母で表され、さらに入力信号Vinに対してインピーダンスの順序もZ1 、L=C・R・Re 、Z2 となっている。以上のことから、上述の図7で形成されるアクティブインダクタンス回路は、完全に2端子素子として浮いた状態で形成されることがわかるものである。なお図9には、2端子素子としてのイメージを上述の図8の回路について示す。
【0037】
従ってこの装置において、90度移相器の出力電圧を一組の差動対を介して電流に変換し、この電流を90度移相器の入力側に戻すことによって、シングル入力時に完全な2端子のインダクタンス成分として動作させることができるものである。
【0038】
さらに図10は、上述の図7の回路を2端子対(差動4端子)のインダクタンス成分として動作させる場合の構成を示す。なおこの図10において、図7と対応する部分には同一の符号を付して示し、重複の説明を省略する。また図10においては、説明の都合上、図7と同様の信号源電圧源1、2で形成される差動の入力信号を値V1 と−V1 とし、抵抗器12の抵抗値を2Rx とする。
【0039】
この図10において、図7の構成に加えて第2の差動の入力信号V2 と−V2 を形成する信号源電圧源31、32が設けられる。そしてこれらの電圧源31、32の一端が互いに接続されてその接続中点が接地されると共に、信号源電圧源31、32の他端がそれぞれトランジスタ33、34のベースに接続される。これらのトランジスタ33、34のコレクタが電源Vccの電源路5に接続される。そしてこれらのトランジスタ33、34のエミッタが、それぞれ抵抗値Rの抵抗器35、36を通じてトランジスタ8、9のコレクタに接続される。
【0040】
また出力信号Va とVb の出力端子14、15がそれぞれトランジスタ37、38のベースに接続される。さらにこれらのトランジスタ37、38のエミッタがそれぞれ電流値I1 の電流源39、40を通じて接地されると共に、これらのトランジスタ37、38のエミッタ間に抵抗値2Rp の抵抗器41が接続される。そしてこれらのトランジスタ37、38のコレクタが、それぞれ信号源電圧源31、32とトランジスタ33、34のベースの接続中点に接続される。
【0041】
すなわちこの図10の回路は、上述の図7に示したアクティブインダクタンス回路に、出力側の電圧を帰還する抵抗マトリクスを形成する部分と、電流出力を形成する差動対を追加したものである。そこでこの図10の回路において、信号源電圧源1から供給される入力電流を値Iin1 、信号源電圧源31から供給される入力電流を値Iin2 と置いて、入力電圧V1 、V2 間のインピーダンスを求める。
【0042】
ここで
【数19】
Figure 0004103165
であることを踏まえると、
【数20】
Figure 0004103165
となる。
【0043】
従って、
【数21】
Figure 0004103165
から、
【数22】
Figure 0004103165
となる。
【0044】
そこで入力電圧V1 、V2 間のインピーダンスを値Z12とすると、
【数23】
Figure 0004103165
となる。ただし、2Rx =Rの条件を用いる。
【0045】
さらに、図10のアクティブインダクタンス回路が完全に2端子対(差動4端子)素子として存在していることを図11を用いて説明する。この図11は、入力信号V1 と−V1 の信号源電圧源1、2とトランジスタ3、4のベースとの間に、それぞれ値Z1 のドライブインピーダンス51、52を挿入すると共に、トランジスタ33、34のベースをそれぞれ値Z2 のインピーダンス53、54にて終端したものである。
【0046】
そしてこの図11の回路において、それぞれのトランジスタ3のベースポイント55の信号電位を値V11、トランジスタ4のベースポイント56の信号電位を値V12、トランジスタ33のベースポイント57の信号電位を値V21、トランジスタ34のベースポイント58の信号電位を値V22としたときに、値V11、V12、V21、V22間にインダクタンスが存在するように伝達関数が表されればよいことになる。なおこの図11の回路において、トランジスタ8、9のエミッタ抵抗は、上述の条件に従ってRになっている。
【0047】
そこで上述の〔数20〕から、
【数24】
Figure 0004103165
となる。
【0048】
従って、この〔数24〕から、
【数25】
Figure 0004103165
となる。
【0049】
また、
【数26】
Figure 0004103165
であるから、
【数27】
Figure 0004103165
となる。
【0050】
また、
【数28】
Figure 0004103165
であるから、
【数29】
Figure 0004103165
となる。
【0051】
次に、
【数30】
Figure 0004103165
であるから、
【数31】
Figure 0004103165
となる。
【0052】
また、
【数32】
Figure 0004103165
であるから、
【数33】
Figure 0004103165
となる。
【0053】
よって、
【数34】
Figure 0004103165
となる。
【0054】
さらに〔数27〕から、
【数35】
Figure 0004103165
となる。
【0055】
従って
【数36】
Figure 0004103165
となる。
【0056】
また、〔数29〕から、
【数37】
Figure 0004103165
となる。
【0057】
すなわち、これらの〔数36〕〔数37〕から明らかなように、電圧値V11、V21は入力信号Vinに対して同一の分母で表され、さらに入力信号Vinに対してインピーダンスの順序もZ1 、L=C・R・Rp 、Z2 となっている。これは、電圧値V12、V22に対しても同様に表される。以上のことから、上述の図10で形成されるアクティブインダクタンス回路は、完全に2端子対(差動4端子)素子として浮いた状態で形成されることがわかるものである。なお図12には、2端子対素子としてのイメージを上述の図11の回路について示す。
【0058】
従ってこの装置において、90度移相器の出力電圧を2組の差動対で受け、その一方を電流に変換して90度移相器の入力側に戻すと共に、他方の出力を抵抗マトリクスを介して出力側に電圧帰還することによって、差動入力、差動出力の形態を持った2端子対(差動4端子)のインダクタンス回路を形成することができる。
【0059】
【実施例】
そこで本発明は、例えば上述の図11に示されるアクティブインダクタンス回路を用いてアクティブ伝送網回路を形成するものである。以下、図面を参照して本発明を説明するに、図1、図2は本発明によるアクティブ伝送網回路の一例の構成を示す回路図である。
【0060】
すなわち図1、図2において、本発明のアクティブ伝送網回路は、ブロック構成として、例えば入力ドライブ段、第1段、第2段…第n段の各段の伝送網、各段間を接続するハイインピーダンスバイアス回路及び終端で構成される。
【0061】
そして入力ドライブ段では、上述の図11における信号源電圧源1、2が電圧源Vin、−Vinとされ、ドライブインピーダンス51、52が抵抗器Rin、Rinとされる。また終端では終端インピーダンス53、54が抵抗器Rout 、Rout とされ、これらの他端が電圧源Ve に接続される。なお、抵抗器Rin、Rout の値は一般的には等しいものである。
【0062】
また第1段、第2段…第n段の伝送網では、それぞれ図11におけるトランジスタ3、4、34、33、15、16、8、9、38、37がトランジスタQ10〜Q19、Q20〜Q29…Qn0〜Qn9とされる。また、コンデンサ13がコンデンサC11/2、C21/2…Cn1/2とされる。さらに抵抗器6、7、36、35が抵抗器R11、R21…Rn1とされ、抵抗器12が抵抗器2R11、2R21…2Rn1とされ、抵抗器20、41が抵抗器2R12、2R22…2Rn2とされる。なおこれらのコンデンサ及び抵抗器の符号は、それぞれの素子の値も示している。
【0063】
そしてこの回路において、各伝送網のそれぞれ入出力の2端子間に、それぞれがπ型の伝送網を形成するためのコンデンサC1 /2、C2 /2…Cn /2及びCn+1 /2が設けられる。なおこれらのコンデンサの符号も、それぞれの符号であると共に、それぞれの素子の値も示しているものである。
【0064】
さらに各段間を接続するハイインピーダンスバイアス回路では、それぞれ各伝送網の入出力の2端子である信号路にそれぞれ終端インピーダンス53、54に相当する抵抗器R、Rが設けられる。そしてこれらの2信号路がそれぞれトランジスタQa 、Qb のコレクタ−エミッタ間を通じて電流源に接続され、これらのトランジスタQa 、Qb のベースが互いに他方のコレクタに接続されると共に、トランジスタQa 、Qb のエミッタ間に抵抗器2Rが接続される。
【0065】
ここで各段間を接続するハイインピーダンスバイアス回路では、そのエミッタ間の抵抗2Rと、コレクタ抵抗Rとにより、コレクタ抵抗Rに対してエミッタ間の抵抗が−2Rと見えるようになっている。このため直流バイアスをハイインピーダンス状態のまま信号の伝達を行うことができる。これによって、例えば前段のインダクタンスから供給された信号電流は、そのまま次段のπ型伝送網に供給されるものである。
【0066】
一方、この回路において、第1段の伝送網のインダクタンス値L1 は、
L1 =s・C11・R11・R12 ・・・▲2▼
で表され、同様に一般形として第n段の伝送網のインダクタンス値Ln は、
Ln =s・Cn1・Rn1・Rn2 ・・・▲3▼
で表される。すなわちこの回路において、インダクタンスL及びコンデンサCによるπ型伝送網が形成されるものである。
【0067】
またこの回路において、各段の出力直流バイアスを見ると、これらは全てハイインピーダンスバイアス回路のコレクタ抵抗Rを流れるバイアス電流によって決定されている。また同時に、全てのバイアスがnpn形のトランジスタによる差動回路と抵抗によって作り出されている。これによってこの回路において、出力に直流のオフセットが発生せず、特に多段にわたる従属接続を行っても回路動作に支障等をきたす恐れがなくなるものである。
【0068】
さらにこの回路においては、回路素子として周波数特性の良いnpn形のトランジスタを用いているので、使用周波数帯域を広げることができる。また演算増幅器等を用いないので、余分のバイアス電圧等を必要とせず、特に低電圧での駆動が要求される集積回路に好適である。さらに電流源回路等も含めて全ての回路を一種類のトランジスタで形成することができるので、特に集積回路を製造する場合のプロセス等も簡単にすることができる。
【0069】
従ってこの回路において、1種類のトランジスタと抵抗のみで構成されたハイインピーダンスバイアス回路に容量を接続することで集積回路内にアクティブインダクタンスを2端子素子として構築し、この両端に容量を接続することでπ型伝送網を形成することによって、簡単な構成で良好な特性のアクティブフィルタ等の集積回路化を行うことができる。なお、図1、図2の全体の等価回路を図3に示す。
【0070】
すなわちこの回路において、集積回路内に作り出したアクティブインダクタンスを非接地型インダクタンスとして用いることにより、入出力の直流オフセットを無くすことを実現し、そのインダクタンスの両端に容量を接続してπ型伝送網を作って差動入力の差動出力である2端子対網を実現すると共に、それを何段も従属接続することを、直流オフセットを生じることなく、また周波数帯域を狭める演算増幅器を用いずに少ない素子数で実現するものである。
【0071】
また、回路的にはpnp形のトランジスタを用いずnpn形のトランジスタのみで構成するため、従来の回路に比して使用周波数帯域が広く、低電圧、低消費電力を可能とする。同時に、例えば集積回路化した場合のチップ面積の縮小が期待でき、集積回路の製品コスト及び製造コストの大幅な削減を可能にすることができるものである。
【0072】
さらに図4、図5は、例えば図6に全体の等価回路を示すように、図1〜図3の回路のインダクタンスLに並列に容量を付加した場合の構成を示す。すなわち図4、図5において、トランジスタQ10、Q13、Q20、Q23…Qn0、Qn3のベース間と、トランジスタQ11、Q12、Q21、Q22…Qn1、Qn2のベース間に、それぞれコンデンサC12、C22…Cn2を接続する。これにより図6に示すような梯子型伝送網回路を形成することができる。
【0073】
すなわちこの回路において、いわゆる梯子型伝送網回路を、例えば集積回路内に直流オフセット無く構築することができる。これによって例えば集積回路内に、例えばチェビシェフフィルタのような急峻なロールオフ特性を持つフィルタの設計を行うことができるものである。
【0074】
こうして上述のアクティブ伝送網回路によれば、1種類のトランジスタと抵抗のみで構成されたハイインピーダンスバイアス回路のハイインピーダンス部分に容量を接続することにより作り出すアクティブインダクタンスを、2端子対回路を用いて2端子素子として集積回路内に構築し、この構築されたアクティブインダクタンスの両端に容量を接続することでπ型伝送網を形成することにより、簡単な構成で良好な特性のアクティブフィルタ等の集積回路化を行うことができるものである。
【0075】
なお本発明は、上述の説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の精神を逸脱することなく種々の変形が可能とされるものである。
【0076】
【発明の効果】
従って本発明のアクティブ伝送網回路によれば、1種類のトランジスタを用いて集積回路内に構成されるアクティブ伝送網回路であって、1対のトランジスタのベースが互いに他方のトランジスタのコレクタに接続されて当該回路を構成する抵抗及びトランジスタのエミッタ抵抗より十分に高いインピーダンスとされる第1のハイインピーダンスバイアス回路を形成し、第1のハイインピーダンスバイアス回路を形成する1対のトランジスタのコレクタ間第1の容量を接続することによりアクティブインダクタを構築し、この構築されたアクティブインダクタの出力第2の容量を接続することでπ型伝送網を形成し、π型伝送網を第2のハイインピーダンスバイアス回路を介して従属に複数段連ねることによって、集積回路内に梯子型伝送網を形成することによって、簡単な構成で良好な特性のアクティブフィルタ等の集積回路化を行うことができるものである。
【0077】
すなわち本発明によれば、直流的な帰還ループを用いないので出力オフセットの心配が全く無く、また差動入力の差動出力であるため回路の諸性能、特にSN比や回路の安定度が各段に改善され、さらに回路内にpnp形のトランジスタを用いないため低電圧駆動が可能となる。従って、従来に比して少ない素子数で高性能のアクティブフィルタが供給でき、特に集積回路のチップ面積の縮小、低消費電力を実現し、結果としてコストダウンを促すことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の適用されるアクティブ伝送網回路の一例の一部の構成図である。
【図2】本発明の適用されるアクティブ伝送網回路の一例の他部の構成図である。
【図3】その説明のための等価回路図である。
【図4】本発明の適用されるアクティブ伝送網回路の他の例の一部の構成図である。
【図5】本発明の適用されるアクティブ伝送網回路の他の例の他部の構成図である。
【図6】その説明のための等価回路図である。
【図7】本願発明者が先に提案したアクティブインダクタンス回路の一例の構成を示す接続図である。
【図8】その説明のための図である。
【図9】その説明のための等価回路図である。
【図10】本願発明者が先に提案したアクティブインダクタンス回路の他の例の構成を示す接続図である。
【図11】その説明のための図である。
【図12】その説明のための等価回路図である。
【図13】従来技術としてのジャイレータ回路の説明のための図である。
【符号の説明】
V…電圧源、R…抵抗器、C…コンデンサ、Q…トランジスタ

Claims (1)

  1. 1種類のトランジスタを用いて集積回路内に構成されるアクティブ伝送網回路であって、
    1対の前記トランジスタのベースが互いに他方のトランジスタのコレクタに接続されて当該回路を構成する抵抗及び前記トランジスタのエミッタ抵抗より十分に高いインピーダンスとされる第1のハイインピーダンスバイアス回路を形成し、
    前記第1のハイインピーダンスバイアス回路を形成する前記1対のトランジスタのコレクタ間第1の容量を接続することによりアクティブインダクタを構築し、
    この構築されたアクティブインダクタの出力第2の容量を接続することでπ型伝送網を形成し、
    前記π型伝送網を第2のハイインピーダンスバイアス回路を介して従属に複数段連ねることによって、
    前記集積回路内に梯子型伝送網を形成する
    ことを特徴とするアクティブ伝送網回路。
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