JP4202509B2 - 回路用積層材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、低誘電率、低誘電正接で金属への接着性に優れ、作業時に樹脂の飛散がきわめて少なく、特にプリント配線板に好適な回路積層材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子機器等に用いられている多層プリント配線板は、内層にも電気回路を有する配線板である。この多層プリント配線板は、予め回路を形成した内層回路板と外層回路用銅箔とを電気絶縁性のプリプレグを間に挟んで熱圧成形して内層回路入り多層銅張積層板を製造し、その外層に所定の回路を形成する加工を施して得る場合がある。
ここで用いられるプリプレグには、従来から、厚さが30〜100μmの薄型のガラスクロスとエポキシ樹脂からなるプリプレグが用いられてきた。
しかしながら、そのようなものであると、クロス目が浮き出しやすく、また、内層回路板の凹凸がプリプレグ内部で吸収できず、外層表面に凹凸が現れやすいため、表面の平滑性が損なわれ、微細配線形成の障害になることがあった。
そこで、ガラスクロス基材エポキシ樹脂プリプレグを使用する代わりに、ガラスクロスを含まない樹脂フィルムをプリプレグとして使用する方法、あるいは、予め外層回路用銅箔の片面に接着性のある樹脂基材層を積層した樹脂基材付き銅箔を外層回路用銅箔及びプリプレグとして使用する方法がある。
これらの代替プリプレグにおいては、樹脂フィルムや樹脂基材付き銅箔の搬送、切断及び積層等の工程において、樹脂の割れや欠落等のトラブルや、多層板の層間接続用絶縁材料として用いた際の熱圧形成時に層間絶縁層が内層回路存在部分で異常に薄くなってしまうことや、層間絶縁抵抗の低下やショート等のトラブルの発生を回避する為に、その樹脂フィルム及び樹脂基材付き銅箔に用いられる樹脂にはフィルム形成能を有する樹脂が使用される。
そのようなフィルム形成能を有する樹脂としては、熱可塑性ポリイミド接着フィルム(USP4,543,295)、高分子量エポキシ樹脂(特開平4−120135号公報)、アクリロニトリルブタジエン共重合体/フェノール樹脂(特開平4−29393号公報)、フェノール樹脂/ブチラール樹脂(特開平4−36366号公報)、アクリロニトリルブタジエン共重合体/エポキシ樹脂(特開平4−41581号公報)などが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年、電子機器の信号スピード及び作動周波数が飛躍的に増加してきている。その為、高周波領域で用いられる電子機器、特に小型軽量化を要求される電子機器においては、微細配線形成に対応できるように、上述した樹脂フィルムまたは樹脂基材付き銅箔に用いられる樹脂としては、耐熱性に優れ、低誘電率、低誘電正接の薄型の電気絶縁材が望まれている。特に、低誘電材料からなる薄型の回路基板を用いることにより電気信号の伝搬速度をより速くすることができるため、より速いスピードで信号の処理を行うことができるようになる。
ところが、上述したフィルム形成能を有する樹脂は、誘電率特性が悪く、より速いスピードで信号の処理を行うことができない問題があった。
低誘電樹脂としては、フッ素樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、熱硬化性の1,2−ポリブタジエンを主成分とするポリブタジエン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂100重量部に対し1,2−ポリブタジエン樹脂5〜20重量部、架橋性モノマー5〜10重量部およびラジカル架橋剤を配合した組成物(特開昭61−83224号公報)などが提案されている。
しかしながら、これらは、耐熱性、作業性、接着性が悪く信頼性に欠け、さらにフィルム形成能に劣り、実用上、満足のいくものではなかった。
本発明は前記課題を解決するためになされたもので、プリント配線に使用するための低誘電率、低誘電正接で金属への接着性に優れ、作業時の樹脂の飛散がきわめて少なく、しかも、フィルム形成能を有する熱硬化性低誘電樹脂組成物を用いて樹脂フィルムや樹脂基材付き金属箔となる回路用積層材を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の回路用積層材は、成分(a):下記式(2a)で示される構造単位、下記式(2b)で示される構造単位及び下記式(2c)で示される構造単位が配列したシロキサン変性ポリイミドと、
成分(b):下記式(b−1)または下記式(b−2)で示される化合物と、
成分(c):マレイミド基を2個以上有する化合物とを含有する熱硬化性低誘電樹脂組成物からなる樹脂基材層と、剥離性フィルムまたは金属層とを有することを特徴とするものである。
【化7】
(上記式中、Zは、直接結合、−O−、−SO2−、−CO−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−、−COOCH2CH2OCO−のいずれかの結合を示し、Ar1は芳香環を有する二価の基を、Ar2は1個または2個の水酸基またはカルボキシル基を有する二価の有機基を、Rは炭素数1〜10のアルキレン基またはメチレン基がSiに結合している−CH2OC6H4−を示し、nは1〜20の整数を意味する。)
【化8】
(上記式(b−1)及び式(b−2)中、Rは水素原子もしくはメチル基を示す。)
【0005】
ここで、成分(a)100重量部に対して、成分(b)と成分(c)の総和が10〜900重量部であり、成分(c)のマレイミド基1モル当量に対する成分(b)のアリル基もしくはメチルアリル基が0.1〜2.0モル当量であることが望ましい。
また、成分(a)のシロキサン変性ポリイミドにおける式(2a)で示される構造単位と、式(2b)及び式(2c)で示される構造単位の合計との割合がモル比で5〜60:95〜40の範囲であり、
かつ、式(2b)で示される構造単位と式(2c)で示される構造単位との割合がモル比で1〜99:99〜1の範囲であることが望ましい。
Ar1としては下記の化学式群から選択される基が望ましい。
【化9】
(式中R1、R2、R3及びR4はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はアルコキシ基を示すが、これら全ての基が同時に水素原子であることはない。)
また、成分(a)のシロキサン変性ポリイミドは、そのガラス転移温度が150℃以下であるものが望ましく、また、重量平均分子量が5,000〜500,000であるものが望ましく、誘電率が3.0以下であるものが望ましい。
また、成分(c)のマレイミド基を2個以上有する化合物は、下記式で示される化合物の群から選択されたものが望ましい。
【化10】
(式(c−4)中、pは1ないし8の整数を表す)
さらに、樹脂基材層は、その硬化後の誘電率が3.2以下であるものが望ましい。
さらに、前記剥離性フィルムは樹脂基材層上に直接形成されていることが望ましく、金属層は、その厚さが5〜300μmであるものが望ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の回路用積層材は、樹脂基材層を必須とする。その樹脂基材層は、成分(a)としてシロキサン変性ポリイミドと、成分(b)としてアリル基もしくはメチルアリル基を2個以上有する化合物と、成分(c)としてマレイミド基を2個以上有する化合物とを含有する熱硬化性低誘電樹脂組成物からなる。
[成分(a)]
本発明に使用されるシロキサン変性ポリイミドは、下記式(2a)で示される構造単位、下記式(2b)で示される構造単位及び下記式(2c)で示される構造単位が配列したものである。
【化11】
ここで、Zは、直接結合、−O−、−SO2−、−CO−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−、−COOCH2CH2OCO−のうちのいずれかの結合を示す。Ar1は芳香環を有する二価の基を、Ar2は1個または2個の水酸基またはカルボキシル基を有する二価の有機基を、Rは炭素数1〜10のアルキレン基またはメチレン基がSiに結合している−CH2OC6H4−を示し、nは1〜20の整数を意味する。
これらの各構造単位の配列は、規則的なものであっても、または、不規則的なものであってもかまわない。
【0007】
さらに、Ar1の芳香環を有する二価の基としては、下記の化学式群から選択される基が望ましい。但し、式中R1、R2、R3及びR4はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はアルコキシ基を示すが、これら全ての基が同時に水素原子であることはない。
【化12】
【0008】
従って、具体的には、以下のものが例示できる。
4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラエチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラプロピルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトライソプロピルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラブチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラメトキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラエトキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラプロポキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラブトキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメトキシジフェニルメタン、
1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、
9,9−ビス(3−アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、
1,3−ビス[1−(3−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,3−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,4−ビス[1−(3−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,4−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、
3,3’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、3,3’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、3,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、3,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、
3,3’−ビス(3−アミノフェノキシ)ジフェニルエーテル、3,3’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルエーテル、3,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ジフェニルエーテル、3,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルエーテル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ジフェニルエーテル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルエーテル、
ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、
2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、
2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン等。
【0009】
こうした成分(a)のシロキサン変性ポリイミドとしては、下記式(3a)で示される構造単位、下記式(3b)で示される構造単位及び下記式(3c)で示される構造単位が配列したシロキサン変性ポリイミドであることがより望ましい。
【化13】
式中、Armは四価の芳香族基で3,3’,4,4’−ジフェニルスルホン構造、3,3’,4,4’−ビフェニル構造、2,3’,3,4’−ビフェニル構造のいずれかを意味する。Ar1及びAr2は上記式(2a)及び式(2b)でのAr1及びAr2と同じで、Ar1は芳香環を有する二価の基を、Ar2は1個または2個の水酸基またはカルボキシル基を有する二価の有機基を意味する。Rは炭素数1〜10のアルキレン基またはメチレン基がSiに結合している−CH2OC6H4−を示し、nは1〜20の整数を意味する。
【0010】
また、本発明における成分(a)のシロキサン変性ポリイミドは、(2a)で表される構造単位の少なくとも1種を90〜40モル%と、式(2b)で表される構造単位の少なくとも1種を10〜60モル%含有するものが好ましい。
また、式(2a)で示される構造単位と、式(2b)及び式(2c)で示される構造単位の合計との割合は、モル比で5〜60:95〜40の範囲であることが望ましい。さらには、15〜60:85〜40であればより好ましく、20〜50:80〜50であればさらに好ましい。式(2a)で示される構造単位の割合が5モル%未満であると、溶剤溶解性や低誘電化が不十分となり、60モル%よりも多いと接着性が低下するからである。
さらに、式(2b)で示される構造単位と式(2c)で示される構造単位との割合は、モル比で1〜99:99〜1の範囲であることが望ましい。
【0011】
また、成分(a)のシロキサン変性ポリイミドは重量平均分子量が5,000〜500,000、ガラス転移温度(Tg)が150℃以下、誘電率が3.0以下のものが好ましい。重量平均分子量が5,000〜300,000、ガラス転移温度が140℃以下、誘電率が3.0以下のものがより好ましく、重量平均分子量が10,000〜300,000、ガラス転移温度が130℃以下、誘電率が3.0以下のものがさらに好ましい。重量平均分子量が5,000より小さくなると熱安定性が不良になり、耐熱性が低下し、500,000より大きくなると溶融粘度の増大により、樹脂組成物として使用した場合、作業性、接着性が不良となる。ガラス転移温度が150℃より高くなると溶融温度が高くなり、作業温度の上昇を招いたり、接着性が不良となったりする。誘電率が3.0よりも大きくなると樹脂組成物の低誘電化が困難となり、内回路の微細化への対応が困難となる。
【0012】
本発明に使用するシロキサン変性ポリイミドは、一般的なポリイミドの製造方法を用いることにより得ることができる。即ち、例えば、各繰返し構造単位に対応するテトラカルボン酸二無水物と、各繰返し構造単位に対応するジアミン又はジイソシアナートとから製造ができる。
具体的には、テトラカルボン酸二無水物としてピロメリト酸二無水物、3,3’、4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、エチレングリコールビストリメリテート二無水物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物等を、より好ましくは3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物をAr1に対応する芳香族ジアミンと、Ar2に対応する水酸基またはカルボキシル基を有するジアミン化合物及び下記化学式(5)で表されるシロキサン系化合物とを反応させることにより製造することができる。
【化14】
ここで、Rは、C1〜C12のアルキレンであり、Qはアミノ基やイソシアナート基等の官能基である。
【0013】
ポリイミドの製造原料として使用する式(5)で表されるシロキサン系化合物において、官能基Qがアミノ基であるジアミン類としては、ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、ビス(10−アミノデカメチレン)テトラメチルジシロキサン、アミノプロピル末端のジメチルシロキサン4量体、8量体、ビス(3−アミノフェノキシメチル)テトラメチルジシロキサン等が挙げられ、これらを併用することも可能である。
また、式(5)で表される化合物において、官能基Qがイソシアナート基であるジイソシアナート類としては、上記に示したジアミン類において、各「アミノ」を「イソシアナート」に置き換えたものを挙げることができる。
上記式(5)で表される化合物において、官能基Qがイソシアナート基であるジイソシアナート類は、上記に例示した対応するジアミンを常法に従いホスゲンと反応させることにより容易に製造することができる。
【0014】
水酸基またはカルボキシル基を有するジアミン化合物としては、2,5−ジヒドロキシ−p−フェニレンジアミン、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,3’−ジヒドロキシ−3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、2,2’−ビス[3−ヒドロキシ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[3−ヒドロキシ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,3’−ジカルボキシ−3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジカルボキシ−3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジカルボキシベンジジン、2,2’−ビス[3−カルボキシ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[3−カルボキシ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン等が挙げられる。
その好ましいAr2の構造としては、フェニレン構造、ジフェニルエーテル構造、ベンゾフェノン構造、ジフェニルメタン構造、ジフェニルスルホン構造、ビスフェノキシフェニルプロパン構造、ビスフェノキシフェニルメタン構造、ベンジジン構造、ジフェニルヘキサフルオロプロパン構造、ジフェニルベンゼン構造、ビスフェノキシベンゼン構造、ジフェニルスルフィド構造、ビスフェノキシビフェニル構造、炭素数1〜12のアルキレンが挙げられる。
これらのジアミン化合物は2種類以上を併用しても良い。
【0015】
本発明で使用されるシロキサン変性ポリイミドは、具体的には、次のような製造例が挙げられる。
原料として、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを使用する場合、これらを有機溶媒中、必要に応じてトリブチルアミン、トリエチルアミン、亜リン酸トリフェニル等の触媒存在下(反応物の20重量部以下)で、100℃以上、好ましくは180℃以上に加熱し、直接ポリイミドを得る方法。テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを有機溶媒中、100℃以下で反応させポリイミドの前駆体であるポリアミド酸を得た後、必要に応じてp−トルエンスルホン酸等の脱水触媒(テトラカルボン酸二無水物の1〜5倍モル)を加え、加熱によりイミド化を行うことでポリイミドを得る方法。或いはこのポリアミド酸を、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水安息香酸等の酸無水物、ジシクロヘキシルカルボジイミド等のカルボジイミド化合物等の脱水閉環剤と、必要に応じてピリジン、イソキノリン、イミダゾール、トリエチルアミン等の閉環触媒(脱水閉環剤及び閉環触媒はテトラカルボン酸二無水物の2〜10倍モル)を添加して、比較的低温(室温〜100℃程度)で化学閉環させる方法等がある。
上記の反応に用いる有機溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ヘキサメチルリン酸トリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリドン等の非プロトン性極性溶媒、フェノール、クレゾール、キシレノール、p−クロロフェノール等のフェノール系溶媒等が挙げられる。また、必要に応じて、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム、ジグライム、メチルセロソルブ、セロソルブアセテート、メタノール、エタノール、イソプロパノール、塩化メチレン、クロロホルム、トリクレン、ニトロベンゼン等を先の溶媒に混合して用いることも可能である。
また、原料として、テトラカルボン酸二無水物とジイソシアナートとを使用する場合には、上記したポリイミドを直接得る方法に準じて製造することが可能であり、このときの反応温度は室温以上、特に60℃以上であることが好ましい。テトラカルボン酸二無水物とジアミン或いはジイソシアナートとの反応は等モル量で反応させることにより、高重合度のポリイミドを得ることが可能であるが、必要に応じていずれか一方が10モル%以下の範囲で過剰量用いてポリイミドを製造することも可能である。
【0016】
本発明においては、この特有のシロキサン変性ポリイミドを含有していることにより、その樹脂組成物のフィルム形成能が高まり、作業時の樹脂の飛散がきわめて少なくなり、プリント配線板を製造する際、取扱性が良くなり、歩留まりが向上する。特に、ポリイミドがシロキサン変性されていることで、格段に、溶剤への溶解性が向上する。さらにまた、低誘電性となり、上述した誘電率3.0以下を容易に可能ならしめることができる。
【0017】
[成分(b)]
アリル基もしくはメチルアリル基を2個以上有する化合物としては、樹脂組成物の硬化後の耐熱性、誘電率特性の点から、下記式(b−1)または(b−2)が特に好ましい。これらの化合物は一般に市販されており、容易に入手することができる。
【化15】
(式中、Rは水素原子もしくはメチル基を示す。)
特に、(b−1)においてはRがメチル基であるものが望ましい。
【0018】
[成分(c)]
マレイミド基を2個以上有する化合物としては、いずれのものも使用できるが、電気的信頼性、溶剤溶解性等の点から、下記式(c−1)ないし(c−5)で示されるものが特に好ましい。これらの化合物は一般に市販されており、容易に入手することができる。又、従来公知の方法により合成することもできる。
【化16】
(式(c−4)中、pは1ないし8の整数を表す)
【0019】
本発明の熱硬化性低誘電樹脂組成物における上記成分(a)〜(c)の配合割合は、成分(a)100重量部に対して、成分(b)および成分(c)の総和が10〜900重量部であり、50〜900重量部であればより好ましく、100〜900重量部であればさらに好ましい。成分(b)および成分(c)の総和が10重量部より少なくなると硬化した後、樹脂組成物の耐熱性、特にガラス転移温度(Tg)、ヤング率の低下が著しくなり、目的の用途に適さない。また、900重量部より多くなると、樹脂組成物を半硬化状態に硬化した際に、樹脂組成物自体が脆くなって樹脂の飛散の原因となる。
また、成分(b)と成分(c)の配合割合は、成分(c)のマレイミド基1モル当量に対する成分(b)のメチルアリル基が0.1〜2.0モル当量になるようにすることが望ましい。好ましくは0.3〜1.8モル当量、より好ましくは0.5〜1.5モル当量である。アリル基またはメチルアリル基当量が0.1モル当量より少なくなると、樹脂組成物の硬化後、電気的な信頼性が悪くなり、2.0モル当量より多くなると、混合に際してゲル化するため、接着剤を調製することができなくなる。
成分(a)、成分(b)および成分(c)の混合は、それらを溶解する溶媒中で行うこともできる。溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ヘキサメチルリン酸トリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリドン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシメタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、メチルセロソルブ、セロソルブアセテート、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトニトリル、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロエタン、トリクロロエタン等が挙げられ、これらの中から、各成分が溶解するように種類と量を適宜選択して使用する。
【0020】
熱硬化性低誘電樹脂組成物においては、乾燥時、又は加熱硬化時における反応を促進させるために、必要に応じて、ジアザビシクロオクタン、又はメチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5トリメチルヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジ−イソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−クミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、アセチルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、スクシニックアシッドパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ビス−(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−ミリスティルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−メトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ジ−アリルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカネート、クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサネート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、クミルパーオキシオクテート、t−ヘキシルパーオキシネオデカネート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオヘキサネート、アセチルシクロヘキシルスルフォニルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート等の有機過酸化物、1,2−ジメチルイミダゾール、1−メチル−2−エチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール・トリメリット酸塩、1−ベンジル−2−エチルイミダゾール、1−ベンジル−2−エチル−5−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−フェニル−4−ベンジルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−イソプロピルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾリウムトリメリテート、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2−メチルイミダゾリウムイソシアヌール酸付加物、2−フェニルイミダゾリウムイソシアヌール酸付加物、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン−イソシアヌール酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−ベンジル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、4,4’−メチレン−ビス−(2−エチル−5−メチルイミダゾール)、1−アミノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル−4,5−ジ(シアノエトキシメチル)イミダゾール、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、2−メチルイミダゾール・ベンゾトリアゾール付加物、1−アミノエチル−2−エチルイミダゾール、1−(シアノエチルアミノエチル)−2−メチルイミダゾール、N,N’−[2−メチルイミダゾリル−(1)−エチル]−アジポイルジアミド、N,N’−ビス−(2−メチルイミダゾリル−1−エチル)尿素、N−(2−メチルイミダゾリル−1−エチル)尿素、N,N’−[2−メチルイミダゾリル−(1)−エチル]ドデカンジオイルジアミド、N,N’−[2−メチルイミダゾリル−(1)−エチル]エイコサンジオイルジアミド、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール・塩化水素酸塩等のイミダゾール類、トリフェニルフォスフィン等の反応促進剤を添加することもできる。
【0021】
熱硬化性低誘電樹脂組成物にはシランカップリング剤を添加することもできる。
また、熱硬化性低誘電樹脂組成物には、樹脂組成物の流動性を安定させるために、粒径1μm以下のフィラーを含ませることが望ましい。フィラーの含有率は、全固形分の5〜70重量%、好ましくは10〜60重量%、より好ましくは20〜50重量%の範囲に設定される。含有率が5重量%よりも低くなると流動性の安定化効果が小さくなり、70重量%よりも多くなると接着強度が低下し、誘電率が上昇する。フィラーとしては、例えば、シリカ、石英粉、アルミナ、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、ダイヤモンド粉、マイカ、フッ素樹脂、ジルコン粉等が使用される。
【0022】
[回路用積層材(樹脂フィルム、樹脂基材付き金属箔)]
本発明の回路用積層材の一態様である樹脂フィルムまたは樹脂基材付き金属箔は、上記樹脂基材層と、剥離性フィルムまたは金属層とを有しなる。
樹脂フィルムにおいて、その剥離性フィルムは、仮の支持体として作用し、流通時等に樹脂基材層を保護するもので、使用に供するときには、剥がされる。この剥離性フィルムとしては、ポリプロピレンフィルム、フッ素樹脂系フィルム、ポリエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、紙、及び場合によってはそれらにシリコーン樹脂で剥離性を付与したもの等を適用でき、厚さは、1〜200μmが好ましく、10〜100μmがより好ましい。この剥離性フィルムは、90゜ピール強度が0.01〜7.0g/cmの範囲にあることが望ましい。剥離強度が0.01g/cm未満であると搬送時に剥離性フィルムが簡単に剥離する等の問題があり、7.0g/cmよりも大きい場合には剥離性フィルムが樹脂基材層からきれいに剥がれず、作業性が悪くなる。
樹脂フィルムにおいては、樹脂基材層と剥離性フィルムの他にも他の層を有することも可能であり、その際、樹脂基材層と剥離性フィルムの間に他の層を介在させることもできる。そのような他の層としては、例えば、他組成の接着剤からなるものが適用できる。しかし、剥離性フィルムを樹脂基材層上に直接形成し、樹脂基材層と剥離性フィルムとが隣接して接するようにすることで、低誘電率の回路積層材料とすることができるので望ましい。
【0023】
樹脂基材付き金属箔において、その金属層としては、厚さが5〜300μm、好ましくは200μm以下、より好ましくは100μm以下、特に好ましくは36μm以下の銅、白銅、銀、鉄、42合金、ステンレス等の箔などが使用できる。厚すぎると微細配線形成が困難になるので、300μm以下が好ましい。
なお、金属層の片面又は両面に、上記熱硬化性低誘電樹脂組成物を塗布して樹脂基材層を形成した樹脂基材付き金属箔の場合には、樹脂基材層の上に更に剥離性の保護フィルムを設けてもよい。保護フィルムとしては、上記の剥離性フィルムと同様のものが使用できる。
これらの樹脂フィルム及び樹脂基材付き金属箔は、上記の熱硬化性低誘電樹脂組成物を、剥離性フィルムの片面、または、金属層の片面若しくは両面に、塗布し、乾燥すればよい。その際、塗布厚さは、5〜100μm、とりわけ10〜70μmの範囲にあることが好ましい。5μm未満であると、回路のZ軸方向(回路間)の絶縁が不十分であり、100μmよりも厚いと内回路の微細化に対応できないからである。
これらの回路用積層材において、その樹脂基材層は、硬化後の誘電率が3.2以下であることが好ましく、3.0以下であればより好ましい。3.2以下であることにより、内回路の微細化に十分対応できるようになるからである。
【0024】
この樹脂フィルムは、剥離性フィルムを剥がして、予め回路を形成した内層回路板と外層回路用金属箔との間に挟んで熱圧成形して内層回路入り多層金属張積層板を製造し、その外層にエッチング処理等の周知一般の所定の回路を形成する加工を施すことにより、多層プリント配線板となり、樹脂基材付き金属箔は、回路を形成した内層回路板と貼り合わせて、その金属層に上記同様に所定の回路を形成する加工を施すことにより、多層プリント配線板となる。
これらの多層プリント配線板であると、クロス等の目が浮き出ることがなく、また、内層回路板の凹凸を吸収し、外層表面への凹凸の発現を防止し、表面の平滑性が高く、微細配線形成に適している。
しかも、樹脂基材層は、フィルム形成能を有するので、搬送、切断及び積層等の工程において、樹脂の割れや欠落等のトラブルや、多層板の層間接続用絶縁材料として用いた際の熱圧形成時に層間絶縁層が内層回路存在部分で異常に薄くなってしまうことや、層間絶縁抵抗の低下やショート等のトラブルの発生を回避することができる。さらに、耐熱性に優れ、低誘電率、低誘電正接で金属への接着性に優れ、作業時の樹脂の飛散がきわめて少なく、薄型の回路基板でかつ電気信号の伝搬速度をより速くすることができるため、より速いスピードで信号の処理を行うことができるようになる。
【0025】
【実施例】
[シロキサン変性ポリイミド合成例]
〔合成例1〕
攪拌機を備えたフラスコに、2,2−ビス[4−(アミノフェノキシ)フェニル]プロパン16.10g(39ミリモル)と3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン1.25g(5ミリモル)と1,3−ビス(アミノフェノキシメチル)−1,1,3,3,−テトラメチルジシロキサン21.25g(56ミリモル)と3,3’,4,4’−ベンゾフェノンホンテトラカルボン酸二無水物32.22g(100ミリモル)及びN−メチル−2−ピロリドン(NMP)300mlとを氷温下で導入し攪拌を1時間続けた。次いでこの溶液を室温で3時間反応させポリアミド酸を合成した。得られたポリアミド酸に50mlのトルエンと1.0gのp−トルエンスルホン酸を加え、160℃に加熱した。トルエンと共沸して水分を分離しながらイミド化反応を3時間行った。トルエンを留去し、得られたポリイミドワニスをメタノール中に注ぎ、得られた沈殿を分離、粉砕、洗浄、乾燥させる工程を経ることにより、分子量18,000、Tg150℃、誘電率3.0のシロキサン変性ポリイミド62.5g(収率93%)を得た。
赤外吸収スペクトルを測定したところ、1718、1783cm-1に典型的なイミドの吸収が認められた。
【0026】
〔合成例2〕
2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン30.34g(74ミリモル)と3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン2.35g(8ミリモル)とアミノプロピル末端ジメチルシロキサン8量体13.64g(18ミリモル)と2,3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物29.42g(100ミリモル)及びN−メチル−2−ピロリドン(NMP)300mlとを用いて、合成例1と同様の方法で分子量25,000、Tg80℃、誘電率2.9のシロキサン変性ポリイミド67.8g(収率94%)を得た。赤外吸収スペクトルを測定したところ、1718、1783cm-1に典型的なイミドの吸収が認められた。
〔合成例3〕
2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン30.34g(74ミリモル)と3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン1.12g(4ミリモル)とアミノプロピル末端ジメチルシロキサン8量体16.85g(22ミリモル)と3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物35.83g(100ミリモル)及びN−メチル−2−ピロリドン(NMP)300mlとを用いて、合成例1と同様の方法で分子量21,000、Tg50℃、誘電率2.9のシロキサン変性ポリイミド75.0g(収率93%)を得た。
赤外吸収スペクトルを測定したところ、1718、1783cm-1に典型的なイミドの吸収が認められた。
【0027】
〔合成例4〕
1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン23.55g(81ミリモル)と3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン2.06g(9ミリモル)とアミノプロピル末端ジメチルシロキサン8量体8.05g(10ミリモル)と3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物20.02g(100ミリモル)及びN−メチル−2−ピロリドン(NMP)300mlとを用いて、合成例1と同様の方法で分子量16,000、Tg105℃、誘電率2.8のシロキサン変性ポリイミド45.6g(収率91%)を得た。
赤外吸収スペクトルを測定したところ、1718、1783cm-1に典型的なイミドの吸収が認められた。
〔合成例5〕
2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン38.37g(74ミリモル)と3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン1.12g(4ミリモル)とアミノプロピル末端ジメチルシロキサン8量体16.85g(22ミリモル)と3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物35.83g(100ミリモル)及びN−メチル−2−ピロリドン(NMP)300mlとを用いて、合成例1と同様の方法で分子量20,000、Tg55℃、誘電率2.7のシロキサン変性ポリイミド75.0g(収率93%)を得た。
赤外吸収スペクトルを測定したところ、1718、1783cm-1に典型的なイミドの吸収が認められた。
【0028】
尚、本発明においてガラス転移温度(Tg)は、下記条件で測定されるものである。
装置:剪断弾性率測定装置(HAAKE社製"Rheo Stress RS75")
測定温度範囲:−10〜300℃
昇温速度:3℃/分
測定周波数:1Hz
歪み率:0.01%±0.0025%
【0029】
[熱硬化性低誘電樹脂組成物調製例]
〔樹脂組成物調製例1〕
上記合成例3で得られたシロキサン変性ポリイミド樹脂を100重量部と、前記式(c−2)で示される化合物を52重量部と、前記式(b−1)で示される化合物においてRがメチル基である化合物を48重量部(マレイミド基1モル当量に対するメチルアリル基のモル当量は1.0)を、テトラヒドロフラン中に添加して充分に混合、溶解し、固形分率30重量%の樹脂組成物ワニスを得た。
〔樹脂組成物調製例2〕
上記樹脂組成物調製例1において、式(c−2)で示される化合物を206重量部に、式(b−1)で示される化合物であってRがメチル基である化合物を194重量部(マレイミド基1モル当量に対するメチルアリル基のモル当量は1.0)に変更した以外は樹脂組成物調製例1と同様に操作して固形分率30重量%の樹脂組成物ワニスを得た。
〔樹脂組成物調製例3〕
前記式(c−2)で示される化合物を464重量部に、前記式(b−1)で示される化合物であってRがメチル基である化合物を436重量部(マレイミド基1モル当量に対するメチルアリル基のモル当量は1.0)に変更した以外は、樹脂組成物調製例1と同様に操作して固形分率30重量%の樹脂組成物ワニスを得た。
【0030】
〔樹脂組成物調製例4〕
前記式(c−2)で示される化合物を272重量部に、前記式(b−1)で示される化合物であってRがメチル基である化合物を128重量部(マレイミド基1モル当量に対するメチルアリル基のモル当量は0.5)に変更した以外は、樹脂組成物調製例1と同様に操作して固形分率30重量%の樹脂組成物ワニスを得た。
〔樹脂組成物調製例5〕
前記式(c−2)で示される化合物を166重量部に、前記式(b−1)で示される化合物であってRがメチル基である化合物を234重量部(マレイミド基1モル当量に対するメチルアリル基のモル当量は1.5)に変更した以外は、樹脂組成物調製例1と同様に操作して固形分率30重量%の樹脂組成物ワニスを得た。
〔樹脂組成物調製例6〕
前記式(c−2)で示される化合物を259重量部に、前記式(b−1)で示される化合物であってRがメチル基である化合物48重量部を前記式(b−2)で示される化合物においてRがメチル基である化合物141重量部(マレイミド基1モル当量に対するメチルアリル基のモル当量は1.0)に変更した以外は樹脂組成物調製例1と同様に操作して固形分率30重量%の樹脂組成物ワニスを得た。
【0031】
〔樹脂組成物調製例7〕
前記式(c−2)で示される化合物を273重量部に、前記式(b−1)で示される化合物であってRがメチル基である化合物48重量部を前記式(b−2)で示される化合物であってRが水素である化合物127重量部(マレイミド基1モル当量に対するアリル基のモル当量は1.0)に変更した以外は樹脂組成物調製例1と同様に操作して固形分率30重量%の樹脂組成物ワニスを得た。
〔樹脂組成物調製例8〕
前記式(c−2)で示される化合物を215重量部に、前記式(b−1)で示される化合物のであってRがメチル基である化合物48重量部をRが水素である化合物185重量部(マレイミド基1モル当量に対するアリル基のモル当量は1.0)に変更した以外は樹脂組成物調製例1と同様に操作して固形分率30重量%の樹脂組成物ワニスを得た。
〔樹脂組成物調製例9〕
前記式(c−2)で示される化合物52重量部を前記式(c−1)で示される化合物252重量部に、前記式(b−1)で示される化合物であってRがメチル基である化合物を148重量部(マレイミド基1モル当量に対するメチルアリル基のモル当量は1.0)に変更した以外は樹脂組成物調製例1と同様に操作して固形分率30重量%の樹脂組成物ワニスを得た。
【0032】
〔樹脂組成物調製例10〕
前記式(c−2)で示される化合物52重量部を前記式(c−3)で示される化合物227重量部に、前記式(b−1)で示される化合物であってRがメチル基である化合物を173重量部(マレイミド基1モル当量に対するメチルアリル基のモル当量は1.0)に変更した以外は樹脂組成物調製例1と同様に操作して固形分率30重量%の樹脂組成物ワニスを得た。
〔樹脂組成物調製例11〕
前記式(c−2)で示される化合物52重量部を前記式(c−4)で示される化合物においてpが1である化合物219重量部に、前記式(b−1)で示される化合物であってRがメチル基である化合物を181重量部(マレイミド基1モル当量に対するメチルアリル基のモル当量は1.0)に変更した以外は樹脂組成物調製例1と同様に操作して固形分率30重量%の樹脂組成物ワニスを得た。
〔樹脂組成物調製例12〕
前記式(c−2)で示される化合物52重量部を前記式(c−4)で示される化合物においてpが8である化合物296重量部に、前記式(b−1)で示される化合物であってRがメチル基である化合物を104重量部(マレイミド基1モル当量に対するメチルアリル基のモル当量は1.0)に変更した以外は樹脂組成物調製例1と同様に操作して固形分率30重量%の樹脂組成物ワニスを得た。
〔樹脂組成物調製例13〕
前記式(c−2)で示される化合物52重量部を前記式(c−5)で示される化合物246重量部に、前記式(b−1)で示される化合物であってRがメチル基である化合物を154重量部(マレイミド基1モル当量に対するメチルアリル基のモル当量は1.0)に変更した以外は樹脂組成物調製例1と同様に操作して固形分率30重量%の樹脂組成物ワニスを得た。
【0033】
〔樹脂組成物調製例14〕
樹脂組成物調製例2で得られた樹脂組成物ワニスに、シリカフィラー150重量部を分散して樹脂組成物ワニスを得た。
〔樹脂組成物調製例15〕
樹脂組成物調製例2で得られた樹脂組成物ワニスに、シリカフィラー300重量部を分散して樹脂組成物ワニスを得た。
〔樹脂組成物調製例16〕
合成例3で得られたシロキサン変性ポリイミドを合成例1で得られたシロキサン変性ポリイミドに代えた以外は樹脂組成物調製例2と同様に操作して樹脂組成物ワニスを得た。
〔樹脂組成物調製例17〕
合成例3で得られたシロキサン変性ポリイミドを合成例2で得られたシロキサン変性ポリイミドに代えた以外は樹脂組成物調製例2と同様に操作して樹脂組成物ワニスを得た。
〔樹脂組成物調製例18〕
合成例3で得られたシロキサン変性ポリイミドを合成例4で得られたシロキサン変性ポリイミドに代えた以外は樹脂組成物調製例2と同様に操作して樹脂組成物ワニスを得た。
〔樹脂組成物調製例19〕
合成例3で得られたシロキサン変性ポリイミドを合成例5で得られたシロキサン変性ポリイミドに代えた以外は樹脂組成物調製例2と同様に操作して樹脂組成物ワニスを得た。
【0034】
[参考例1〜17、実施例1、2]
上記樹脂組成物調製例1〜19で得られた各樹脂組成物ワニスを厚さ18μmの銅箔の片面に、乾燥後の樹脂基材層の厚さが60μmになるように塗布し、熱風循環型乾燥機中にて140℃で5分間乾燥して、種々の樹脂基材付き銅箔を作成した。
さらに、絶縁層の厚さが0.1mm、銅箔厚さ18μmの両面銅張積層板の両面に所定の回路を形成した内層回路板の両面に、得られた樹脂基材付き銅箔の樹脂面が内層回路に向き合うようにして重ね、20kg/cm2の圧力で、200℃で2時間の加熱条件で成形し、内層回路入り多層銅張積層板を作成した。
[参考例18]
上記樹脂組成物調製例2で得られた樹脂を使用し、厚さ18μmの銅箔を厚さ18μmの42合金箔に代えた以外は参考例2と同様に操作して内層回路入り多層銅張積層板を作成した。
[参考例19]
上記樹脂組成物調製例2で得られた樹脂組成物ワニスを乾燥後の樹脂基材層の厚さが60μmになるように、剥離処理を施した厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(剥離性フィルム)の片面に塗布し、熱風循環型乾燥機中にて140℃で5分間乾燥して、樹脂フィルムを作成した。
さらに、絶縁層の厚さが0.1mm、銅箔厚さ18μmの両面銅張積層板の両面に所定の回路を形成した内層回路板の両面に、得られた樹脂フィルムを内層回路に重ね、さらに、剥離性フィルムを剥がして厚さ18μmの銅箔を重ね、20kg/cm2の圧力で、200℃で2時間の加熱条件で成形し、内層回路入り多層銅張積層板を作成した。
【0035】
[比較例1]
上記合成例3で得られたシロキサン変性ポリイミド樹脂100重量部と前記式(c−2)で示される化合物400重量部を、テトラヒドロフラン中に添加して充分に混合、溶解し、得られた固形分率30重量%の樹脂組成物を用いたこと以外は、参考例1と同様に操作して内層回路入り多層銅張積層板を作成した。
[比較例2]
シロキサン変性ポリイミドをアクリロニトリル−ブタジエン共重合体に代えた以外は上記樹脂組成物調製例1と同様に操作して樹脂組成物ワニスを調製した。得られた樹脂組成物ワニスを用いて、参考例1と同様に操作して内層回路入り多層銅張積層板を作成した。
[比較例3]
シロキサン変性ポリイミドを2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン32.74g(80ミリモル)と前記式(5)においてY=NH2、R=プロピル、n=8で表されるジメチルシロキサン15.54g(20ミリモル)と2,3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物29.42g(100ミリモル)及びNMP300mlから得られた分子量10,000、Tg60℃、誘電率2.9のシロキサン変性ポリイミドに代えた以外は上記樹脂組成物調製例1と同様に操作して樹脂組成物ワニスを調製した。
得られた樹脂組成物ワニスを用いて、参考例1と同様に操作して厚さ0.4mmの両面銅張積層板を得た。
【0036】
[評価]
上記各実施例、参考例、及び比較例1〜3の積層板について、誘電率、ピール強度、はんだ耐熱性、飛散性、PCBTによる電気的信頼性を測定、評価した。
〔誘電率〕
実施例、参考例および比較例に使用した樹脂フィルムまたは樹脂基材層の静電容量をJIS C6481(比誘電率および誘電正接)に準じて行い周波数1MHzで測定して求めた。
〔ピール強度〕
JIS C6481(引きはがし強さ)に準じて測定した。
〔はんだ耐熱性〕
JIS C6481(はんだ耐熱性)に準じて測定し、260℃での外観異常の有無を調べた。
〔飛散性〕
カッターナイフによる切断時に切断箇所近傍の樹脂が飛び散るかどうかを観察した。
〔PCBT(Pressure Cooker Bias Test)〕
積層板の外層の銅箔にエッチングで線間100μmのパターンを作成し、そのパターンの上に厚さ0.1mmの対応する実施例、参考例及び比較例の組成のプリプレグを積層し、圧力20kg/cm2、温度200℃で2時間加熱加圧成形を行い試験体を作成した。
そして、試験体に5V印加、121℃、2気圧、100%RH、1000時間の条件でPCBTを実施し、パターン間のショートの有無を調べた。
【0037】
【表1】
【0038】
表1から、本実施例の積層材であると、低誘電性で、耐熱性が高く、信頼性の高いものであることがわかる。また、カッターナイフによる切断時にも、その切断箇所近傍の樹脂に樹脂割れ及び飛散は無く、取扱性は良好であった。
対して、本発明に係る成分(b)を含有しない樹脂組成物を用いた比較例1の積層材であると、銅箔がふくれてしまい、シロキサン変性ポリイミドを含有しない樹脂組成物を用いた比較例2の積層材であると、誘電率が大きく、本発明に係るAr2を満足する成分(2c)をもたない樹脂組成物を用いた比較例3の積層材であると、ピール強度が低下してしまっている。
【0039】
【発明の効果】
本発明の回路積層材であると、低誘電率、耐熱性、作業性等に優れ、室温において十分なピール強度を発揮し、特にプリント配線板に好適なものである。
特に、上記成分(a)に対して、成分(b)及び成分(c)の総和を特定量とすることにより、耐熱性やヤング率が向上すると共に、樹脂の飛散を防止できる。さらに、成分(c)のマレイミド基1モル当量に対する成分(b)のメチルアリル基が0.1〜2.0モル当量とすることによって電気的信頼性等が向上すると共に、作業性が向上する。
また、成分(a)のシロキサン変性ポリイミドについて、ガラス転移温度が150℃以下であれば、溶融温度が低くなり、作業温度が低下し、また、接着性が向上する。また、重量平均分子量が5,000〜500,000であれば、熱安定性が向上し、耐熱性が改善すると共に、作業性、接着性が改善される。
さらに、樹脂基材層の硬化状態における誘電率が3.2以下であることにより、内回路の微細化に対応できる。
Claims (12)
- 成分(a):下記式(2a)で示される構造単位、下記式(2b)で示される構造単位及び下記式(2c)で示される構造単位が配列したシロキサン変性ポリイミドと、
成分(b):下記式(b−2)で示される化合物と、
成分(c):マレイミド基を2個以上有する化合物とを含有する熱硬化性低誘電樹脂組成物からなる樹脂基材層と、剥離性フィルムとを有することを特徴とする回路用積層材。
- 成分(a):下記式(2a)で示される構造単位、下記式(2b)で示される構造単位及び下記式(2c)で示される構造単位が配列したシロキサン変性ポリイミドと、
成分(b):下記式(b−2)で示される化合物と、
成分(c):マレイミド基を2個以上有する化合物とを含有する熱硬化性低誘電樹脂組成物からなる樹脂基材層と、金属層とを有することを特徴とする回路用積層材。
- 前記成分(a)100重量部に対して、成分(b)と成分(c)の総和が10〜900重量部であり、成分(c)のマレイミド基1モル当量に対する成分(b)のアリル基もしくはメチルアリル基が0.1〜2.0モル当量であることを特徴とする請求項1または2記載の回路用積層材。
- 前記成分(a)のシロキサン変性ポリイミドにおける式(2a)で示される構造単位と、式(2b)及び式(2c)で示される構造単位の合計との割合がモル比で5〜60:95〜40の範囲であり、
かつ、式(2b)で示される構造単位と式(2c)で示される構造単位との割合がモル比で1〜99:99〜1の範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の回路用積層材。 - 前記成分(a)のシロキサン変性ポリイミドのガラス転移温度が150℃以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の回路用積層材。
- 前記成分(a)のシロキサン変性ポリイミドの重量平均分子量が5,000〜500,000であることを特徴とする請求項1または2に記載の回路用積層材。
- 前記成分(a)のシロキサン変性ポリイミドの誘電率が3.0以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の回路用積層材。
- 硬化後の樹脂基材層の誘電率が3.2以下であることを特徴とする請求項1または2記載の回路用積層材。
- 前記剥離性フィルムは樹脂基材層上に直接形成されていることを特徴とする請求項1記載の回路用積層材。
- 前記金属層の厚さが5〜300μmであることを特徴とする請求項2記載の回路用積層材。
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