JP3560501B2 - 低誘電樹脂組成物及び回路積層板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント配線に使用するための低誘電率、低誘電正接で金属への接着性に優れ、打ち抜きや切断等の作業時に樹脂の飛散がきわめて少ない低誘電樹脂組成物及び積層板、金属張積層板等に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子システムの信号スピード及び作動周波数が飛躍的に増加してきているので、高周波領域で用いられる電子システムには、耐熱性に優れ、低誘電率、低誘電正接の積層板用樹脂及びプリプレグ等積層板、金属張積層板等が望まれている。低誘電材料を使用した積層板、金属張積層板等は電気信号の伝搬速度を速くすることができるため、より速いスピードで信号の処理を行うことができるようになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
誘電率の小さい樹脂として、フッ素樹脂やポリフェニレンエーテル樹脂などが提案されているが、作業性、接着性が悪く信頼性に欠ける等の問題があった。そこで、作業性、接着性を改善する目的でエポキシ変性ポリフェニレンエーテルあるいはポリフェニレンエーテル変性エポキシが提案されている。
しかし、エポキシ樹脂の誘電率が高く満足な特性が得られていない。ポリフェニレンエーテル樹脂と多官能シアン酸エステル樹脂類、さらにこれにその他の樹脂を配合し、ラジカル重合開始剤を添加し、予備反応させてなる硬化可能な樹脂組成物(特開昭57−185350号公報)が知られているが、誘電率の低下は不十分であった。
また、熱硬化性の1,2−ポリブタジエンを主成分とするポリブタジエン樹脂は低誘電率であるが、接着剤に劣り耐熱性が不十分であった。ポリフェニレンエーテル樹脂100重量部に対し1,2−ポリブタジエン樹脂5〜20重量部、架橋性モノマー5〜10重量部およびラジカル架橋剤を配合した組成物(特開昭61−83224号公報)が知られているが、分子量数千の1,2−ポリブタジエン樹脂を用いた場合には組成物から溶剤を除いた場合にベタツキが残り、ガラス基材等に塗布、含浸して得られるプリプレグがタックフリーの状態を維持できないので実用上問題があった。一方ベタツキをなくすために高分子量の1,2−ポリブタジエンを用いる方法があるが、溶媒への溶解性が低下し、溶液が高粘度になり流動性が低下し実用上問題であった。
フルオロカーボン繊維からなる布に熱硬化性樹脂を含浸した低誘電積層板、銅張積層板(特許2578097号)が提案されているが、フルオロカーボン繊維と熱硬化性樹脂との密着性を向上させるためにフルオロカーボン繊維の表面を処理しなくてはならないこと、及びフルオロカーボン繊維の価格が高いため、最終的な積層板、銅張積層板が非常に高価になってしまい実用化されずにいる。
【0004】
本発明は前記課題を解決するためになされたもので、プリント配線に使用するための低誘電率、低誘電正接で金属への接着性に優れ、作業時の樹脂の飛び散りがきわめて少ない低誘電樹脂組成物及びそれを用いた積層板、金属張積層板等を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る低誘電樹脂組成物は、成分(a)100重量部に対して、成分(b)を1〜100重量部有するものである。
成分(a):下記式(1a)で表される構造単位の少なくとも1種を100〜40モル%と、下記式(1b)で表される構造単位の少なくとも1種を0〜60モル%からなる少なくとも1つ以上のポリイミド。
成分(b):下記式(2)ないし(3)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種類。
【化4】
(式(1a)中、Arは芳香環を有する下記の構造式 (A) 〜 (I)から選ばれる二価の基を示す。式(1b)中、Rは炭素数1〜10のアルキレン基またはメチレン基がSiに結合している−CH2OC6H4−を示し、nは1〜20の整数を意味する。)
【化5】
(式中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はアルコキシ基を示すが、これら全ての基が同時に水素原子であることはない。)
【化6】
(式中、Arは芳香環を有する前記の構造から選ばれる二価の基を示し、R5、R6及びR7はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子、塩素原子、臭素原子、カルボキシル基、炭素数1〜4のアルキル基又はアルコキシ基を示す。)
【0006】
ここで、粒径1μm以下のフィラーが、全固形分の5〜70重量%含まれていることが望ましい。
また、硬化状態での誘電率が3.0以下であることが望ましい。
【0007】
本発明に係るプリプレグは、上述した低誘電樹脂組成物と繊維強化材を有するものである。
本発明の積層板は、そのプリプレグが複数枚積層しているものをいう。
本発明の金属張積層板は、上述したプリプレグまたは積層板の片面または両面に金属層が形成されているものである。
繊維強化材としては、アラミド繊維、芳香族ポリエステル繊維、テトラフルオロカーボン繊維から選択される繊維からなる織物または不織布が望ましい。
金属層としては、銅、白銅、銀、鉄、42合金、ステンレスより選ばれた少なくとも1つからなるものが望ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、第1の低誘電樹脂組成物について説明する。
第1の低誘電樹脂組成物は、成分(a)ポリイミドと、成分(b)ビスイミド系化合物とを有して構成される。
本発明に使用されるポリイミドとしては、式(1a)で表される構造単位の少なくとも1種を100〜40モル%と、式(1b)で表される構造単位の少なくとも1種を0〜60モル%含有してなるものである。即ち、成分(a)としては、式(1a)で表される構造単位からなるポリイミドのみであってもよいし、また、式(1b)で表される構造単位からなるポリイミドを60モル%以下の量で含むものでも良い。但し、式(1a)で表される構造単位からなるポリイミドが40モル%未満になると、耐熱性が低下したり、湿熱時にポリイミドの耐久性が低下するので望ましくない。
成分(a)のポリイミドは重量平均分子量が5,000〜500,000のものが好ましい。重量平均分子量が5,000より小さくなると熱安定性が不良になり、耐熱性が低下し、500,000より大きくなると溶融粘度の増大により、樹脂組成物として使用した場合、作業性、接着性が不良となる。
【0009】
本発明に使用するポリイミドは、一般的なポリイミドの製造方法を用いることにより得ることができる。即ち例えば、各繰り返し構造単位に対応するテトラカルボン酸二無水物と、各繰り返し構造単位に対応するジアミン又はジイソシアナートとから製造ができる。
具体的には、テトラカルボン酸二無水物として3,3’、4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物を式(4)で表される化合物及び又は下記式(5)で表されるシロキサン系化合物とを反応させることにより製造することができる。
Q−Ar−Q ・・・ (4)
(式中Arは芳香環を有する前記の構造から選ばれた二価の基、Qはアミノ基またはイソシアナート基を示す。)
【化7】
(式中、Rは炭素数1〜10のアルキレン基またはメチレン基がSiに結合している−CH2OC6H4−を示し、nは1〜20の整数を意味する。Qはアミノ基またはイソシアナート基を示す。)
【0010】
上記式(4)で表される化合物において、官能基Qがアミノ基であるジアミン類としては、具体的には次のものが挙げられる。
3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,3−ビス[1−(3−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,3−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,4−ビス[1−(3−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,4−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3’−ビス(3−アミノフェノキシ)ジフェニルエーテル、3,3’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルエーテル、3,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ジフェニルエーテル、3,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルエーテル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ジフェニルエーテル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルエーテル、3,3’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、3,3’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、3,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、3,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、9,9−ビス(3−アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、3,3’−ジアミノ−2,2’,4,4’−テトラメチルジフェニルメタン、3,3’−ジアミノ−2,2’,4,4’−テトラエチルジフェニルメタン、3,3’−ジアミノ−2,2’,4,4’−テトラプロピルジフェニルメタン、3,3’−ジアミノ−2,2’,4,4’−テトライソプロピルジフェニルメタン、3,3’−ジアミノ−2,2’,4,4’−テトラブチルジフェニルメタン、3,4’−ジアミノ−2,3’,4,5’−テトラメチルジフェニルメタン、3,4’−ジアミノ−2,3’,4,5’−テトラエチルジフェニルメタン、3,4’−ジアミノ−2,3’,4,5’−テトラプロピルジフェニルメタン、3,4’−ジアミノ−2,3’,4,5’−テトライソプロピルジフェニルメタン、3,4’−ジアミノ−2,3’,4,5’−テトラブチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラエチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラプロピルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトライソプロピルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラブチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラメトキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラエトキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラプロポキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトライソプロポキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラブトキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメトキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエトキシジフェニルメタン等である。
【0011】
また、式(4)で表される化合物において、官能基Qがイソシアナート基であるジイソシアナート類としては、上記に示したジアミン類において、「アミノ」を「イソシアナート」に置き換えたものを挙げることができる。
上記式(4)で表される化合物において、官能基Qがイソシアナート基であるジイソシアナート類は、上記に例示した対応するジアミンを常法に従いホスゲンと反応させることにより容易に製造することができる。
【0012】
ポリイミドの製造原料として使用する式(5)で表されるシロキサン系化合物において、官能基Qがアミノ基であるジアミン類としては、ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、ビス(10−アミノデカメチレン)テトラメチルジシロキサン、アミノプロピル末端のジメチルシロキサン4量体、8量体、ビス(3−アミノフェノキシメチレン)テトラメチルジシロキサン等が挙げられ、これらを併用することも可能である。
原料として、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを使用する場合、これらを有機溶媒中、必要に応じてトリブチルアミン、トリエチルアミン、亜リン酸トリフェニル等の触媒存在下(反応物の20重量部以下)で、100℃以上、好ましくは180℃以上に加熱し、直接ポリイミドを得る方法、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを有機溶媒中、100℃以下で反応させポリイミドの前駆体であるポリアミド酸を得た後、必要に応じてp−トルエンスルホン酸等の脱水触媒(テトラカルボン酸二無水物の1〜5倍モル)を加え、加熱によりイミド化を行うことでポリイミドを得る方法、或いはこのポリアミド酸を、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水安息香酸等の酸無水物、ジシクロヘキシルカルボジイミド等のカルボジイミド化合物等の脱水閉環剤と、必要に応じてピリジン、イソキノリン、イミダゾール、トリエチルアミン等の閉環触媒(脱水閉環剤及び閉環触媒はテトラカルボン酸二無水物の2〜10倍モル)を添加して、比較的低温(室温〜100℃程度)で化学閉環させる方法等がある。
【0013】
上記の反応に用いる有機溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ヘキサメチルリン酸トリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリドン等の非プロトン性極性溶媒、フェノール、クレゾール、キシレノール、p−クロロフェノール等のフェノール系溶媒等が挙げられる。また、必要に応じて、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム、ジグライム、メチルセロソルブ、セロソルブアセテート、メタノール、エタノール、イソプロパノール、塩化メチレン、クロロホルム、トリクレン、ニトロベンゼン等を先の溶媒に混合して用いることも可能である。
また、原料として、テトラカルボン酸二無水物とジイソシアナートとを使用する場合には、上記したポリイミドを直接得る方法に準じて製造することが可能であり、このときの反応温度は室温以上、特に60℃以上であることが好ましい。テトラカルボン酸二無水物とジアミン或いはジイソシアナートとの反応は等モル量で反応させることにより、高重合度のポリイミドを得ることが可能であるが、必要に応じて何れか一方が10モル%以下の範囲で過剰量用いてポリイミドを製造することも可能である。
【0014】
本発明に使用される前記の式(2)のビスイミド化合物は、無水フタル酸または4−メチルフタル酸無水物、4−エチルフタル酸無水物、4−メトキシフタル酸無水物、4−クロロフタル酸無水物、4−ブロモフタル酸無水物、ピロメリト酸無水物等の無水フタル酸誘導体と、前記の式(4)で表される化合物とを反応させることにより製造することができる。
一方、前記の式(3)のビスマレイミド化合物は、無水マレイン酸またはメチルマレイン酸無水物、エチルマレイン酸無水物、2,3−ジメチルマレイン酸無水物、クロロマレイン酸無水物、ブロモマレイン酸無水物、2,3−ジクロロマレイン酸無水物等の無水マレイン酸誘導体と、前記の式(4)で表される化合物とを反応させることにより製造することができる。
【0015】
本発明で使用される前記式(2)で表されるビスイミド化合物はより具体的には例えば、次のようにして製造することができる。ジアミンに対し2倍モル以上の無水フタル酸または無水フタル酸誘導体を有機溶媒中、必要に応じてトリブチルアミン、トリエチルアミン、亜リン酸トリフェニル等の触媒存在下(反応物の20重量部以下)で、100℃以上、好ましくは180℃以上に加熱し、直接ビスイミドを得る方法、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを有機溶媒中、100℃以下で反応させポリイミドの前駆体であるポリアミド酸を得た後、必要に応じてp−トルエンスルホン酸等の脱水触媒(無水フタル酸または無水フタル酸誘導体の1〜5倍モル)を加え、加熱によりイミド化を行うことでポリイミドを得る方法、或いはこのポリアミド酸を、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水安息香酸等の酸無水物、ジシクロヘキシルカルボジイミド等のカルボジイミド化合物等の脱水閉環剤と、必要に応じてピリジン、イソキノリン、イミダゾール、トリエチルアミン等の閉環触媒(脱水閉環剤及び閉環触媒は無水フタル酸または無水フタル酸誘導体の2〜10倍モル)を添加して、比較的低温(室温〜100℃程度)で化学閉環させる方法等がある。
いずれの場合も閉環反応終了後、反応液をその10倍量程度のメタノールに注ぎ込んで生成物を析出させ、メタノールで洗浄・乾燥してビスイミド化合物を得ることが可能である。
上記の反応に用いる有機溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ヘキサメチルリン酸トリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリドン等の非プロトン性極性溶媒、フェノール、クレゾール、キシレノール、p−クロロフェノール等のフェノール系溶媒等が挙げられる。また、必要に応じて、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム、ジグライム、メチルセロソルブ、セロソルブアセテート、メタノール、エタノール、イソプロパノール、塩化メチレン、クロロホルム、トリクレン、ニトロベンゼン等を先の溶媒に混合して用いることも可能である。
また、原料として、無水フタル酸または無水フタル酸誘導体とジイソシアナートとを使用する場合には、上記したビスイミドを直接得る方法に準じて製造することが可能であり、このときの反応温度は室温以上、特に60℃以上であることが好ましい。
【0016】
本発明で使用される前記式(3)で表されるビスマレイミド化合物は次のようにして製造することができる。ジアミンに対し2倍モル以上の無水マレイン酸または無水マレイン酸誘導体とジアミンとを有機溶媒中、100℃以下で反応させビスマレイミドの前駆体であるビスマレアミド酸を得た後、必要に応じてp−トルエンスルホン酸等の脱水触媒(無水マレイン酸または無水マレイン酸誘導体の1〜5倍モル)を加え、150℃程度の加熱によりイミド化を行うことでビスマレイミドを得る方法、或いはこのビスマレアミド酸を、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水安息香酸等の酸無水物、ジシクロヘキシルカルボジイミド等のカルボジイミド化合物等の脱水閉環剤と、必要に応じてピリジン、イソキノリン、イミダゾール、トリエチルアミン等の閉環触媒(脱水閉環剤及び閉環触媒は無水マレイン酸または無水マレイン酸誘導体の2〜10倍モル)を添加して、比較的低温(室温〜100℃程度)で化学閉環させる方法等がある。何れの方法でも、イミド化反応(脱水閉環反応)はマレイミド基部分の二重結合が反応性に富んでいるので150℃以下の低温で行うことが好ましい。
いずれの場合も閉環反応終了後、反応液をその10倍量程度のメタノールに注ぎ込んで生成物を析出させ、メタノールで洗浄・乾燥してビスマレイミド化合物を得ることが可能である。
上記の反応に用いる有機溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ヘキサメチルリン酸トリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリドン等の非プロトン性極性溶媒、フェノール、クレゾール、キシレノール、p−クロロフェノール等のフェノール系溶媒等が挙げられる。また、必要に応じて、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム、ジグライム、メチルセロソルブ、セロソルブアセテート、メタノール、エタノール、イソプロパノール、塩化メチレン、クロロホルム、トリクレン、ニトロベンゼン等を先の溶媒に混合して用いることも可能である。
【0017】
低誘電樹脂組成物の配合割合は、成分(a)100重量部に対して、成分(b)が1〜100重量部、好ましくは10〜80、より好ましくは10〜50である。成分(b)が1重量部より少なくなると誘電率が高くなり、目的の用途に適さない。また、100重量部より多くなると、樹脂組成物をBステージ(半硬化)まで硬化した際に、樹脂組成物自体が脆くなって樹脂の飛散の原因となる。
成分(a)、成分(b)の混合は、それらを溶解する溶媒中で行うこともできる。溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ヘキサメチルリン酸トリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリドン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシメタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、メチルセロソルブ、セロソルブアセテート、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトニトリル、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロエタン、トリクロロエタン等が挙げられ、これらの中から、各成分が溶解するように種類と量を適宜選択して使用する。
低誘電樹脂組成物にシランカップリング剤を添加することもできる。
【0018】
また、低誘電樹脂組成物には、積層板あるいは金属張積層板に適用した場合、樹脂組成物の流動性を安定させるために、粒径1μm以下のフィラーを含ませることができる。フィラーの含有率は、全固形分の5〜70重量%、好ましくは10〜60重量%、より好ましくは20〜50重量%の範囲である。含有率が5重量%よりも低くなると流動性の安定化効果が小さくなり、70重量%よりも多くなると積層板の接着強度が低下し、誘電率が上昇する。フィラーとしては、例えば、シリカ、石英粉、アルミナ、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、ダイヤモンド粉、マイカ、フッ素樹脂、ジルコン粉等が使用される。
本発明の低誘電樹脂組成物は、その硬化状態での誘電率を3.0以下とすることができ、また、好ましい。誘電率が3.0以下であることにより、内回路の微細化に充分に対応できるようになる。
【0019】
本発明のプリプレグは、上述した低誘電樹脂組成物が繊維強化材に充填されたものであり、本発明に係る積層板は、そのプリプレグの複数枚が積層した構成のもので、これらは、上記の上記有機溶剤に溶解した低誘電樹脂組成物ワニスを、繊維強化材に塗布、含浸させ、乾燥することにより製造される。
樹脂組成物量は、乾燥後において布の空隙を充填できる量であることが好ましい。
繊維強化材の厚さは、0.05〜1mm、好ましくは、0.1〜0.5mm、より好ましくは0.1〜0.2mmの範囲に設定する。薄すぎる場合には布の強度が不充分になり、厚すぎる場合には、樹脂組成物ワニスの塗布、含浸が困難となる。 繊維強化材としては、耐熱性繊維、具体的には炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、芳香族ポリエステル繊維、ボロン繊維、シリカ繊維あるいはテトラフルオロカーボン繊維等を挙げることができる。これらの繊維は、長繊維、短繊維の何れであっても良く、織布、不織布を使用しても良い。これらの強化繊維は、単独で使用しても、2種以上を併用しても良いが、特にアラミド繊維、芳香族ポリエステル繊維あるいはテトラフルオロカーボン繊維が好ましい。
樹脂組成物ワニスを布に塗布、含浸させて作製したプリプレグまたは積層板は、熱ラミネーター、カレンダー等を使用してそれらの表面を平滑にしたものでも良い。
【0020】
本発明の金属張積層板は、上述したプリプレグまたは積層板の片面または両面に、金属箔又は金属板からなる金属層をさらに形成したものである。このような金属張積層板を作製するには、プレス機、真空プレス機又は熱ラミネーター等を使用して樹脂組成物を充填した上記プリプレグまたは積層板の片面ないし両面に、金属箔又は金属板を張り合わせて積層一体化すればよい。金属箔又は金属板としては厚さ5μm〜200μmの銅、白銅、銀、鉄、42合金、ステンレスが使用できる。
【0021】
上述したプリプレグ、積層板の片面または両面に、または、金属張積層の樹脂組成物面の上には、剥離性の保護フィルムを設けてもよい。保護フィルムとしては、ポリプロピレンフィルム、フッ素樹脂系フィルム、ポリエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、紙、及び場合によってはそれらにシリコーン樹脂で剥離性を付与したもの等が挙げられる。
これらの剥離性フィルムは、90゜ピール強度が0.01〜7.0g/cmの範囲にあることが望ましい。剥離強度が0.01g/cmより小さい場合には積層板等および片面金属張積層板の搬送時に剥離性フィルムが簡単に剥離する等の問題があり、7.0g/cmより大きい場合には剥離性フィルムが積層板等および片面金属張積層板からきれいに剥がれず、作業性が悪くなる。
【0022】
【実施例】
[ポリイミド合成例]
〔合成例1〕
攪拌機を備えたフラスコに、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン19.58g(67ミリモル)と1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3,−テトラメチルジシロキサン8.20g(33ミリモル)と3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物35.83g(100ミリモル)とN−メチル−2−ピロリドン(以下、「NMP」と記す。)300mlとを氷温下に導入し、1時間攪拌を続けた。次いで、この溶液を室温で2時間反応させポリアミド酸を合成した。得られたポリアミド酸に50mlのトルエンと1.0gのp−トルエンスルホン酸を加え、160℃に加熱し、反応の進行に伴ってトルエンと共沸してきた水分を分離しながら、3時間イミド化反応を行った。その後トルエンを留去し、得られたポリイミドワニスをメタノール中に注いで、得られた沈殿物を分離、粉砕、洗浄、乾燥させる工程を経ることにより、上記式(1a)と(1b)とが各構成単位のモル比が(1a):(1b)=67:33で示されるポリイミド58.0g(収率97%)を得た。
得られたポリイミドの赤外吸収スペクトルを測定したところ、1718cm−1及び1783cm−1に典型的なイミドの吸収が認められた。
【0023】
〔合成例2〕
1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン19.58g(67ミリモル)と1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3,−テトラメチルジシロキサン8.20g(33ミリモル)と3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物35.83g(100ミリモル)及びNMP300mlを用いて、合成例1と同様の方法で、各構成単位のモル比が(1a):(1b)=67:33で示されるポリイミド58.0g(収率97%)を得た。
得られたポリイミドの赤外吸収スペクトルを測定したところ、1718cm−1及び1783cm−1に典型的なイミドの吸収が認められた。
〔合成例3〕
1,3−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン23.08g(67ミリモル)と1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3,−テトラメチルジシロキサン8.20g(33ミリモル)と3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物35.83g(100ミリモル)及びNMP300mlを用いて、合成例1と同様の方法で、各構成単位のモル比が(1a):(1b)=67:33で示されるポリイミド62.5g(収率98%)を得た。
得られたポリイミドの赤外吸収スペクトルを測定したところ、1718cm−1及び1783cm−1に典型的なイミドの吸収が認められた。
【0024】
〔合成例4〕
4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル24.68g(67ミリモル)と1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3,−テトラメチルジシロキサン8.20g(33ミリモル)と3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物35.83g(100ミリモル)及びNMP300mlを用いて、合成例1と同様の方法で、各構成単位のモル比が(1a):(1b)=67:33で示されるポリイミド64.0g(収率98%)を得た。
得られたポリイミドの赤外吸収スペクトルを測定したところ、1718cm−1及び1783cm−1に典型的なイミドの吸収が認められた。
〔合成例5〕
ビス[(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル25.75g(67ミリモル)と1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3,−テトラメチルジシロキサン8.20g(33ミリモル)と3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物35.83g(100ミリモル)及びNMP300mlを用いて、合成例1と同様の方法で、各構成単位のモル比が(1a):(1b)=67:33で示されるポリイミド64.0g(収率97%)を得た。
得られたポリイミドの赤外吸収スペクトルを測定したところ、1718cm−1及び1783cm−1に典型的なイミドの吸収が認められた。
【0025】
〔合成例6〕
ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン28.98g(67ミリモル)と1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3,−テトラメチルジシロキサン8.20g(33ミリモル)と3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物35.83g(100ミリモル)及びNMP300mlを用いて、合成例1と同様の方法で、各構成単位のモル比が(1a):(1b)=67:33で示されるポリイミド65.0g(収率94%)を得た。
得られたポリイミドの赤外吸収スペクトルを測定したところ、1718cm−1及び1783cm−1に典型的なイミドの吸収が認められた。
〔合成例7〕
2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン27.50g(67ミリモル)と1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3,−テトラメチルジシロキサン8.20g(33ミリモル)と3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物35.83g(100ミリモル)及びNMP300mlを用いて、合成例1と同様の方法で、各構成単位のモル比が(1a):(1b)=67:33で示されるポリイミド65.0g(収率96%)を得た。
得られたポリイミドの赤外吸収スペクトルを測定したところ、1718cm−1及び1783cm−1に典型的なイミドの吸収が認められた。
【0026】
〔合成例8〕
2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン34.74g(67ミリモル)と1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3,−テトラメチルジシロキサン8.20g(33ミリモル)と3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物35.83g(100ミリモル)及びNMP300mlを用いて、合成例1と同様の方法で、各構成単位のモル比が(1a):(1b)=67:33で示されるポリイミド74.0g(収率98%)を得た。
得られたポリイミドの赤外吸収スペクトルを測定したところ、1718cm−1及び1783cm−1に典型的なイミドの吸収が認められた。
〔合成例9〕
9,9−ビス(4−アミノフェノキシ)フルオレン23.35g(67ミリモル)と1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3,−テトラメチルジシロキサン8.20g(33ミリモル)と3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物35.83g(100ミリモル)及びNMP300mlを用いて、合成例1と同様の方法で、各構成単位のモル比が(1a):(1b)=67:33で示されるポリイミド60.5g(収率95%)を得た。
得られたポリイミドの赤外吸収スペクトルを測定したところ、1718cm−1及び1783cm−1に典型的なイミドの吸収が認められた。
【0027】
〔合成例10〕
2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン20.53g(50ミリモル)と1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3,−テトラメチルジシロキサン12.43g(50ミリモル)と3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物35.83g(100ミリモル)及びNMP300mlを用いて、合成例1と同様の方法で、各構成単位のモル比が(1a):(1b)=50:50で示されるポリイミド61.0g(収率93%)を得た。 得られたポリイミドの赤外吸収スペクトルを測定したところ、1718cm−1及び1783cm−1に典型的なイミドの吸収が認められた。
〔合成例11〕
2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン30.79g(75ミリモル)と1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3,−テトラメチルジシロキサン6.21g(25ミリモル)と3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物35.83g(100ミリモル)及びNMP300mlを用いて、合成例1と同様の方法で、各構成単位のモル比が(1a):(1b)=75:25で示されるポリイミド65.0g(収率94%)を得た。
得られたポリイミドの赤外吸収スペクトルを測定したところ、1718cm−1及び1783cm−1に典型的なイミドの吸収が認められた。
【0028】
〔合成例12〕
2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン32.84g(80ミリモル)と1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3,−テトラメチルジシロキサン4.97g(20ミリモル)と3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物35.83g(100ミリモル)及びNMP300mlを用いて、合成例1と同様の方法で、各構成単位のモル比が(1a):(1b)=80:20で示されるポリイミド68.0g(収率97%)を得た。
得られたポリイミドの赤外吸収スペクトルを測定したところ、1718cm−1及び1783cm−1に典型的なイミドの吸収が認められた。
〔合成例13〕
2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン30.79g(75ミリモル)と1,3−ビス[(アミノフェノキシ)メチル]−1,1,3,3,−テトラメチルジシロキサン9.42g(25ミリモル)と3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物35.83g(100ミリモル)及びNMP300mlを用いて、合成例1と同様の方法で各構成単位のモル比が(1a):(1b)=75:25で示されるポリイミド69.0g(収率95%)を得た。
赤外吸収スペクトルを測定したところ、1720、1783cm−1に典型的なイミドの吸収が認められた。
【0029】
〔合成例14〕
2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン30.79g(75ミリモル)と下記一般式(5)で示されるアミノプロピル末端のジメチルシロキサン4量体(Q=NH2、R=プロピレン、n=3)10.72g(25ミリモル)と、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物35.83g(100ミリモル)及びNMP300mlを用いて、合成例1と同様の方法で各構成単位のモル比が(1a):(1b)=75:25で示されるポリイミド67.0g(収率91%)を得た。
赤外吸収スペクトルを測定したところ、1712、1783cm−1に典型的なイミドの吸収が認められた。
【0030】
【化8】
【0031】
〔合成例15〕
4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラエチルジフェニルメタン7.76g(25ミリモル)とビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン6.21g(25ミリモル)と3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物17.91g(50ミリモル)及びNMP150mlを用いて、合成例1と同様の方法で各構成単位のモル比が(1a):(1b)=50:50で示されるポリイミド27.4g(収率91%)を得た。
赤外吸収スペクトルを測定したところ、1720、1780cm−1に典型的なイミドの吸収が認められた。
〔合成例16〕
4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラエチルジフェニルメタン11.64g(37.5ミリモル)とビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン3.11g(12.5ミリモル)と3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物17.91g(50ミリモル)及びNMP150mlを用いて、合成例1と同様の方法で各構成単位のモル比が(1a):(1b)=75:25で示されるポリイミド29.6g(収率92%)を得た。
赤外吸収スペクトルを測定したところ、1720、1780cm−1に典型的なイミドの吸収が認められた。
【0032】
〔合成例17〕
2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン29.42g(72ミリモル)と前記式(5)においてQ=NH2、R=プロピル、n=7で表されるジメチルシロキサン21.75g(28ミリモル)と3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物35.83g(100ミリモル)及びNMP300mlを用いて、合成例1と同様の方法で、各構成単位のモル比が(1a):(1b)=72:28で示されるポリイミド78.4g(収率94%)を得た。
得られたポリイミドの赤外吸収スペクトルを測定したところ、1718cm−1及び1783cm−1に典型的なイミドの吸収が認められた。
【0033】
[ビスイミド系化合物合成例]
〔合成例18〕
攪拌機を備えたフラスコに、4、4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル36.8g(100ミリモル)と無水フタル酸31.1g(210ミリモル)とNMP500mlとを氷温下に導入し、1時間攪拌を続けた。次いで、この溶液を室温で2時間反応させアミド酸を合成した。得られたアミド酸にトリエチルアミン40.4g(400ミリモル)と無水酢酸30.6g(300ミリモル)をゆっくりと滴下し、室温で2時間撹拌を続けた。得られた溶液を、メタノールに注ぎ、沈殿物を濾過する。この沈殿物をメタノールで洗浄し、150℃で2時間乾燥し、47.5g(ジアミンに対する収率76%)の上記式(2)で表されるビスイミド系化合物を得た。
赤外吸収スペクトルを測定したところ、1720、1780cm−1に典型的なイミドの吸収が、1240cm−1にエーテルの吸収が認められた。
〔合成例19〕
2,2−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン41.1g(100ミリモル)と無水フタル酸31.1g(210ミリモル)とNMP500mlを用いて、合成例18と同様の方法で53.5g(ジアミンに対する収率80%)の上記式(2)で表されるビスイミド系化合物を得た。
赤外吸収スペクトルを測定したところ、1720、1780cm−1に典型的なイミドの吸収が、1240cm−1にエーテルの吸収が認められた。
【0034】
〔合成例20〕
1,3−ビス(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン34.4g(100ミリモル)と無水フタル酸31.1g(210ミリモル)とNMP500mlを用いて、合成例18と同様の方法で58.0g(ジアミンに対する収率96%)の上記式(2)で表されるビスイミド系化合物を得た。
赤外吸収スペクトルを測定したところ、1720、1780cm−1に典型的なイミドの吸収が認められた。
〔合成例21〕
4、4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル36.8g(100ミリモル)と無水フタル酸31.1g(210ミリモル)とNMP500mlを用いて、合成例18と同様の方法で56.5g(ジアミンに対する収率90%)の上記式(2)で表されるビスイミド系化合物を得た。
赤外吸収スペクトルを測定したところ、1720、1780cm−1に典型的なイミドの吸収が、1240cm−1にエーテルの吸収が認められた。
【0035】
〔合成例22〕
2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン41.1g(100ミリモル)と無水フタル酸31.1g(210ミリモル)とNMP500mlを用いて、合成例18と同様の方法で62.3g(ジアミンに対する収率93%)の上記式(2)で表されるビスイミド系化合物を得た。
赤外吸収スペクトルを測定したところ、1720、1780cm−1に典型的なイミドの吸収が、1240cm−1にエーテルの吸収が認められた。
〔合成例23〕
4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラエチルジフェニルメタン31.0g(100ミリモル)と無水フタル酸31.1g(210ミリモル)とNMP500mlを用いて、合成例18と同様の方法で47.4g(ジアミンに対する収率83%)の上記式(2)で表されるビスイミド系化合物を得た。
赤外吸収スペクトルを測定したところ、1720、1780cm−1に典型的なイミドの吸収が認められた。
【0036】
〔合成例24〕
ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン43.2g(100ミリモル)と無水フタル酸31.1g(210ミリモル)とNMP500mlを用いて、合成例18と同様の方法で59.6g(ジアミンに対する収率86%)の上記式(2)で表されるビスイミド系化合物を得た。
赤外吸収スペクトルを測定したところ、1720、1780cm−1に典型的なイミドの吸収が、1240cm−1にエーテルの吸収が認められた。
【0037】
〔合成例25〕
上記式(3)を満たす下記化学式のビスイミド系化合物(「BMI−80」ケイ・アイ化成社製)。
【化9】
【0038】
[樹脂組成物実施例]
合成例1〜17で得られたポリイミド樹脂100重量部と合成例18〜25で得られたビスイミド系化合物を、テトラヒドロフラン中に添加して充分に混合、溶解し、表1に示す種々の低誘電樹脂組成物からなるワニスを得た。尚、樹脂組成物実施例27のシリカフィラーは、平均粒子径が0.07μmのもの(荒川化学社製)である。
【0039】
【表1】
【0040】
[実施例1〜27]
樹脂組成物実施例1〜27で得られた樹脂組成物ワニスを芳香族ポリエステル不織布(厚さ0.1mm、クラレ社製)100重量部に、樹脂組成物を固形分で120重量部含浸させて140℃の乾燥路中で5分間乾燥させ、プリプレグを作成した。
得られたプリプレグはタックフリーで可撓性を有しており作業性に優れていた。このプリプレグを4枚重ね合わせ、さらに上下の最外層に18μmの銅箔を配して、20kg/cm2の圧力で、200℃で1時間の加熱条件で成形し、0.4mmの両面銅張積層板を得た。
得られた積層板について、誘電率、ピール強度、はんだ耐熱性、PCBTを試験した。試験結果を表2に示す。
[実施例28]
芳香族ポリエステル不織布をアラミド不織布(厚さ0.1mm、デュポン社製)に代えた以外は実施例1と同様に操作して0.4mmの両面銅張積層板を得た。 得られた積層板の試験結果を表2に示す。
[実施例29]
芳香族ポリエステル不織布をテトラフルオロカーボン不織布(厚さ0.1mm、(株)巴川製紙所製)に代えた以外は実施例1と同様に操作して0.4mmの両面銅張積層板を得た。得られた積層板の試験結果を表2に示す。
[実施例30]
厚さ18μmの銅箔を厚さ18μmの42合金箔に代えた以外は実施例1と同様に操作して0.4mmの両面銅張積層板を得た。得られた積層板の試験結果を表2に示す。
【0041】
[比較例1]
樹脂組成物に三井東圧化学社製「ラークTPI」を使用した以外は実施例1と同様に操作して0.4mmの両面銅張積層板を得た。得られた積層板の試験結果を表2に示す。
【0042】
[評価方法]
〔誘電率〕
JIS C6481(比誘電率及び誘電正接)に準じて行い周波数1MHzの静電容量を測定して求めた。
〔ピール強度〕
JIS C6481(引き剥がし強さ)に準じて測定した。
〔はんだ耐熱性〕
JIS C6481(はんだ耐熱性)に準じて測定し、260℃での外観異常の有無を調べた。
〔PCBT(Pressure Cooker Biasd Test)〕
積層板の表面にエッチングで線間100μmのパターンを作成し、そのパターンの上に厚さ0.1mmのプリプレグを積層し、圧力20kg/cm2、温度200℃で2時間加熱加圧成形を行い試験体を作成した。試験体に5V印加、121℃、2気圧、100%RHの条件で、パターン間のショートの有無を調べた。
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】
本発明の樹脂組成物は低誘電率、耐熱性に優れ、その樹脂組成物を用いたプリプレグ、積層板、金属張積層板は、誘電率が低く、耐熱性に優れ、室温において十分なピール強度を有するため、プリント配線板等の回路積層板として好適に使用することができる。
Claims (8)
- 成分(a):下記式(1a)で表される構造単位の少なくとも1種を100〜40モル%と、下記式(1b)で表される構造単位の少なくとも1種を0〜60モル%からなる少なくとも1つ以上のポリイミドと、
成分(b):下記式(2)ないし(3)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種類とを有し、
前記成分(a)100重量部に対して、前記成分(b)が1〜100重量部配合されていることを特徴とする低誘電樹脂組成物。
- 粒径1μm以下のフィラーが、全固形分の5〜70重量%含まれていることを特徴とする請求項1に記載の低誘電樹脂組成物。
- 硬化状態での誘電率が3.0以下であることを特徴とする請求項1または2記載の低誘電樹脂組成物。
- 請求項1または2に記載の低誘電樹脂組成物と繊維強化材を有することを特徴とするプリプレグ。
- 請求項4記載のプリプレグが複数枚積層していることを特徴とする積層板。
- 請求項4記載のプリプレグまたは請求項5記載の積層板の片面または両面に金属層が形成されていることを特徴とする金属張積層板。
- 前記繊維強化材が、アラミド繊維、芳香族ポリエステル繊維、テトラフルオロカーボン繊維から選択される繊維からなる織物または不織布であることを特徴とする請求項4記載のプリプレグ。
- 前記金属層が、銅、白銅、銀、鉄、42合金、ステンレスより選ばれた少なくとも1つからなることを特徴とする請求項6に記載の金属張積層板。
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