JP2000228114A - 熱硬化性低誘電樹脂組成物、それを用いたプリプレグ及び積層板 - Google Patents

熱硬化性低誘電樹脂組成物、それを用いたプリプレグ及び積層板

Info

Publication number
JP2000228114A
JP2000228114A JP2671099A JP2671099A JP2000228114A JP 2000228114 A JP2000228114 A JP 2000228114A JP 2671099 A JP2671099 A JP 2671099A JP 2671099 A JP2671099 A JP 2671099A JP 2000228114 A JP2000228114 A JP 2000228114A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin composition
group
formula
component
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2671099A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Hashimoto
武司 橋本
Masaharu Kobayashi
正治 小林
Takeshi Sato
健 佐藤
Daisuke Orino
大輔 織野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tomoegawa Co Ltd
Original Assignee
Tomoegawa Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tomoegawa Paper Co Ltd filed Critical Tomoegawa Paper Co Ltd
Priority to JP2671099A priority Critical patent/JP2000228114A/ja
Priority to US09/647,217 priority patent/US6492030B1/en
Priority to PCT/JP2000/000537 priority patent/WO2000046816A1/ja
Priority to TW89101730A priority patent/TWI228727B/zh
Priority to KR10-2000-7010754A priority patent/KR100406341B1/ko
Publication of JP2000228114A publication Critical patent/JP2000228114A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Insulating Materials (AREA)
  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリント配線に使用するための低誘電率、低
誘電正接で金属への接着性に優れ、作業時の樹脂の飛散
がきわめて少ない熱硬化性低誘電樹脂組成物及びそれを
用いたプリプレグないし積層板。 【解決手段】 成分(a):式(2a)、式(2b)式
(2c)で示される構造単位が配列したシロキサン変性
ポリイミドと、成分(b):式(b−1)等で示される
化合物と、成分(c):マレイミド基を2個以上有する
化合物とを含有する。 【化1】 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低誘電率、低誘電
正接で金属への接着性に優れ、打ち抜きや切断等の作業
時に樹脂の飛散がきわめて少ない熱硬化性低誘電樹脂組
成物及びプリント配線に使用するための積層板等に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子システムの信号スピード及び
作動周波数が飛躍的に増加してきているので、高周波領
域で用いられる電子システムに用いるプリント配線の為
には、耐熱性に優れ、低誘電率、低誘電正接での接着性
に優れたプリプレグないし積層板が必要とされている。
特に、低誘電材料からなる積層板をプリント配線に使用
することにより、電気信号の伝搬速度を速くすることが
できるため、より速いスピードで信号の処理を行うこと
ができるようになる。そこで、そのような積層板用材料
としては、誘電率の小さいフッ素樹脂やポリフェニレン
エーテル樹脂などが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の樹脂であると、作業性、接着性が悪く信頼性に欠ける
等の問題があった。そこで、この作業性、接着性を改善
する目的で、エポキシ変性ポリフェニレンエーテルある
いはポリフェニレンエーテル変性エポキシが提案されて
いる。しかしながら、エポキシ樹脂は、誘電率が高く満
足な特性が得られていない。また、ポリフェニレンエー
テル樹脂と多官能シアン酸エステル樹脂類、さらにこれ
にその他の樹脂を配合し、ラジカル重合開始剤を添加
し、予備反応させてなる硬化可能な樹脂組成物が知られ
ている(特開昭57−185350号公報)が、誘電率
の低下は不十分であった。また、熱硬化性の1,2−ポ
リブタジエンを主成分とするポリブタジエン樹脂は低誘
電率であるが、接着性および耐熱性が不十分であった。
ポリフェニレンエーテル樹脂100重量部に対し1,2
−ポリブタジエン樹脂5〜20重量部、架橋性モノマー
5〜10重量部およびラジカル架橋剤を配合した組成物
が知られている(特開昭61−83224号公報)。し
かし、分子量数千の1,2−ポリブタジエン樹脂を用い
た場合には組成物から溶剤を除いた場合にベタツキが残
り、ガラス繊維等に塗布、含浸して得られるプリプレグ
がタックフリーの状態を維持できないので実用上問題が
あった。また、ベタツキをなくすために高分子量の1,
2−ポリブタジエンを用いる方法があるが、溶媒への溶
解性が低下し、溶液が高粘度になり流動性が低下してし
まうので実用上問題があった。また、フルオロカーボン
繊維からなる布に熱硬化性樹脂を含浸した低誘電積層
板、銅張積層板(特公平8−2578097号公報)が
提案されている。しかし、フルオロカーボン繊維と熱硬
化性樹脂との密着性を向上させるためにフルオロカーボ
ン繊維の表面を処理しなくてはならず、しかも、フルオ
ロカーボン繊維は高価であるので、最終的な積層板、銅
張積層板が非常に高価になってしまい実用化されずにい
る。
【0004】本発明は前記課題を解決するためになされ
たもので、プリント配線に使用するための低誘電率、低
誘電正接で金属への接着性に優れ、作業時の樹脂の飛散
がきわめて少ない熱硬化性低誘電樹脂組成物及びそれを
用いたプリプレグないし積層板を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の熱硬化性低誘電
樹脂組成物は、成分(a):下記式(2a)で示される
構造単位、下記式(2b)で示される構造単位及び下記
式(2c)で示される構造単位が配列したシロキサン変
性ポリイミドと、 成分(b):下記式(b−1)または下記式(b−2)
で示される化合物と、 成分(c):マレイミド基を2個以上有する化合物とを
含有することを特徴とするものである。
【化5】 (上記式中、Zは、直接結合、−O−、−SO2−、−
CO−、−C(CH32−、−C(CF32−、−CO
OCH2CH2OCO−のいずれかの結合を示し、Ar1
は芳香環を有する二価の基を、Ar2は1個または2個
の水酸基またはカルボキシル基を有する二価の有機基
を、Rは炭素数1〜10のアルキレン基またはメチレン
基がSiに結合している−CH2OC64−を示し、n
は1〜20の整数を意味する。)
【化6】 (上記式(b−1)及び式(b−2)中、Rは水素原子
もしくはメチル基を示す。)
【0006】ここで、成分(a)100重量部に対し
て、成分(b)と成分(c)の総和が10〜900重量
部であり、成分(c)のマレイミド基1モル当量に対す
る成分(b)のアリル基もしくはメチルアリル基が0.
1〜2.0モル当量であることが望ましい。さらに、成
分(a)のシロキサン変性ポリイミドにおける式(2
a)で示される構造単位と、式(2b)及び式(2c)
で示される構造単位の合計との割合がモル比で5〜6
0:95〜40の範囲であり、かつ、式(2b)で示さ
れる構造単位と式(2c)で示される構造単位との割合
がモル比で1〜99:99〜1の範囲であることが望ま
しい。また、Ar1は下記の化学式群から選択される基
であることが望ましい。
【化7】 (式中R1、R2、R3及びR4はそれぞれ同じでも異なっ
ていてもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又
はアルコキシ基を示すが、これら全ての基が同時に水素
原子であることはない。) 成分(a)のシロキサン変性ポリイミドとしては、その
ガラス転移温度が150℃以下であるものが望ましく、
重量平均分子量が5,000〜500,000のものが望
ましく、誘電率が3.0以下のものが望ましい。また、
成分(c)のマレイミド基を2個以上有する化合物は、
下記式で示される化合物の群から選択されたものが望ま
しい。
【化8】 (式(c−4)中、pは1ないし8の整数を表す) この熱硬化性低誘電樹脂組成物としては、その硬化状態
での誘電率が3.2以下であるものが望ましい。
【0007】本発明のプリプレグは、上述した熱硬化性
低誘電樹脂組成物と繊維材とを有してなることを特徴と
するものである。その繊維材としては、アラミド繊維、
芳香族ポリエステル繊維、テトラフルオロカーボン繊維
のいずれかからなる織物または不織布が望ましい。本発
明の積層板は、上記プリプレグの複数枚が積層されてな
るものである。積層板としては、その熱硬化性低誘電樹
脂組成物が硬化状態のものが含まれる。また、この積層
板の片面または両面に金属層を形成することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の熱硬化性低誘電樹脂組成物は、成分
(a)としてシロキサン変性ポリイミドと、成分(b)
としてアリル基もしくはメチルアリル基を2個以上有す
る化合物と、成分(c)としてマレイミド基を2個以上
有する化合物とを有して構成される。 [成分(a)]本発明に使用されるシロキサン変性ポリ
イミドは、下記式(2a)で示される構造単位、下記式
(2b)で示される構造単位及び下記式(2c)で示さ
れる構造単位が配列したものである。
【化9】 ここで、Zは、直接結合、−O−、−SO2−、−CO
−、−C(CH32−、−C(CF32−、−COOC
2CH2OCO−のうちのいずれかの結合を示す。Ar
1は芳香環を有する二価の基を、Ar2は1個または2個
の水酸基またはカルボキシル基を有する二価の有機基
を、Rは炭素数1〜10のアルキレン基またはメチレン
基がSiに結合している−CH2OC64−を示し、n
は1〜20の整数を意味する。これらの各構造単位の配
列は、規則的なものであっても、または、不規則的なも
のであってもかまわない。
【0009】さらに、Ar1の芳香環を有する二価の基
としては、下記の化学式群から選択される基が望まし
い。但し、式中R1、R2、R3及びR4はそれぞれ同じで
も異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜4のアル
キル基又はアルコキシ基を示すが、これら全ての基が同
時に水素原子であることはない。
【化10】
【0010】従って、具体的には、以下のものが例示で
きる。4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラメ
チルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,
5,5’−テトラエチルジフェニルメタン、4,4’−ジ
アミノ−3,3’,5,5’−テトラプロピルジフェニル
メタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラ
イソプロピルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−
3,3’,5,5’−テトラブチルジフェニルメタン、4,
4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチ
ルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジ
メチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’
−ジエチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,
3’,5,5’−テトラメトキシジフェニルメタン、4,
4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラエトキシジ
フェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’
−テトラプロポキシジフェニルメタン、4,4’−ジア
ミノ−3,3’,5,5’−テトラブトキシジフェニルメ
タン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメトキシジフェ
ニルメタン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベ
ンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、
1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9
−ビス(3−アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビ
ス(4−アミノフェニル)フルオレン、1,3−ビス
[1−(3−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベ
ンゼン、1,3−ビス[1−(4−アミノフェニル)−
1−メチルエチル]ベンゼン、1,4−ビス[1−(3
−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、
1,4−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチ
ルエチル]ベンゼン、3,3’−ビス(3−アミノフェ
ノキシ)ビフェニル、3,3’−ビス(4−アミノフェ
ノキシ)ビフェニル、3,4’−ビス(3−アミノフェ
ノキシ)ビフェニル、3,4’−ビス(4−アミノフェ
ノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェ
ノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェ
ノキシ)ビフェニル、3,3’−ビス(3−アミノフェ
ノキシ)ジフェニルエーテル、3,3’−ビス(4−ア
ミノフェノキシ)ジフェニルエーテル、3,4’−ビス
(3−アミノフェノキシ)ジフェニルエーテル、3,
4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルエーテ
ル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ジフェニ
ルエーテル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)
ジフェニルエーテル、ビス[4−(3−アミノフェノキ
シ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[3−(3
−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビ
ス[3−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパ
ン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェ
ニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−(3
−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−
(3−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプ
ロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)
フェニル]ヘキサフルオロプロパン等。
【0011】こうした成分(a)のシロキサン変性ポリ
イミドとしては、下記式(3a)で示される構造単位、
下記式(3b)で示される構造単位及び下記式(3c)
で示される構造単位が配列したシロキサン変性ポリイミ
ドであることがより望ましい。
【化11】 式中、Armは四価の芳香族基で3,3’,4,4’−ジ
フェニルスルホン構造、3,3’,4,4’−ビフェニル
構造、2,3’,3,4’−ビフェニル構造のいずれかを
意味する。Ar1及びAr2は上記式(2a)及び式(2
b)でのAr1及びAr2と同じで、Ar1は芳香環を有
する二価の基を、Ar2は1個または2個の水酸基また
はカルボキシル基を有する二価の有機基を意味する。R
は炭素数1〜10のアルキレン基またはメチレン基がS
iに結合している−CH2OC64−を示し、nは1〜
20の整数を意味する。
【0012】また、本発明における成分(a)のシロキ
サン変性ポリイミドは、(2a)で表される構造単位の
少なくとも1種を90〜40モル%と、式(2b)で表
される構造単位の少なくとも1種を10〜60モル%含
有するものが好ましい。また、式(2a)で示される構
造単位と、式(2b)及び式(2c)で示される構造単
位の合計との割合は、モル比で5〜60:95〜40の
範囲であることが望ましい。さらには、15〜60:8
5〜40であればより好ましく、20〜50:80〜5
0であればさらに好ましい。式(2a)で示される構造
単位の割合が5モル%未満であると、溶剤溶解性や低誘
電化が不十分となり、60モル%よりも多いと接着性が
低下するからである。さらに、式(2b)で示される構
造単位と式(2c)で示される構造単位との割合は、モ
ル比で1〜99:99〜1の範囲であることが望まし
い。
【0013】また、成分(a)のシロキサン変性ポリイ
ミドは重量平均分子量が5,000〜500,000、ガ
ラス転移温度(Tg)が150℃以下、誘電率が3.0
以下のものが好ましい。重量平均分子量が5,000〜
300,000、ガラス転移温度が140℃以下、誘電
率が3.0以下のものがより好ましく、重量平均分子量
が10,000〜300,000、ガラス転移温度が13
0℃以下、誘電率が3.0以下のものがさらに好まし
い。重量平均分子量が5,000より小さくなると熱安
定性が不良になり、耐熱性が低下し、500,000よ
り大きくなると溶融粘度の増大により、樹脂組成物とし
て使用した場合、作業性、接着性が不良となる。ガラス
転移温度が150℃より高くなると溶融温度が高くな
り、作業温度の上昇を招いたり、接着性が不良となった
りする。誘電率が3.0よりも大きくなると樹脂組成物
の低誘電化が困難となり、内回路の微細化への対応が困
難となる。
【0014】本発明に使用するシロキサン変性ポリイミ
ドは、一般的なポリイミドの製造方法を用いることによ
り得ることができる。即ち、例えば、各繰返し構造単位
に対応するテトラカルボン酸二無水物と、各繰返し構造
単位に対応するジアミン又はジイソシアナートとから製
造ができる。具体的には、テトラカルボン酸二無水物と
してピロメリト酸二無水物、3,3’、4,4’−ジフェ
ニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,
4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,
3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、
2,3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二
無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキ
シ)ジフェニルスルホン二無水物、エチレングリコール
ビストリメリテート二無水物、2,2−ビス[4−(3,
4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無
水物等を、より好ましくは3,3’,4,4’−ジフェニ
ルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3’,
3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物をAr1
に対応する芳香族ジアミン、Ar2に対応する水酸基ま
たはカルボキシル基を有するジアミン化合物及び下記化
学式(5)で表されるシロキサン系化合物とを反応させ
ることにより製造することができる。
【化12】 ここで、Rは、C1〜C12のアルキレンであり、Qはア
ミノ基やイソシアナート基等の官能基である。
【0015】ポリイミドの製造原料として使用する式
(5)で表されるシロキサン系化合物において、官能基
Qがアミノ基であるジアミン類としては、ビス(3−ア
ミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、ビス(10
−アミノデカメチレン)テトラメチルジシロキサン、ア
ミノプロピル末端のジメチルシロキサン4量体、8量
体、ビス(3−アミノフェノキシメチル)テトラメチル
ジシロキサン等が挙げられ、これらを併用することも可
能である。また、式(5)で表される化合物において、
官能基Qがイソシアナート基であるジイソシアナート類
としては、上記に示したジアミン類において、各「アミ
ノ」を「イソシアナート」に置き換えたものを挙げるこ
とができる。上記式(5)で表される化合物において、
官能基Qがイソシアナート基であるジイソシアナート類
は、上記に例示した対応するジアミンを常法に従いホス
ゲンと反応させることにより容易に製造することができ
る。
【0016】水酸基またはカルボキシル基を有するジア
ミン化合物としては、2,5−ジヒドロキシ−p−フェ
ニレンジアミン、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジ
アミノジフェニルエーテル、4,3’−ジヒドロキシ−
3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジヒ
ドロキシ−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’
−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタ
ン、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノジフェ
ニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジア
ミノジフェニルスルホン、2,2’−ビス[3−ヒドロ
キシ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパ
ン、ビス[3−ヒドロキシ−4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル]メタン、3,3’−ジカルボキシ−4,
4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,3’−ジカル
ボキシ−3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,
3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノベンゾフェノ
ン、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノジフェ
ニルメタン、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミ
ノジフェニルスルホン、4,4’−ジカルボキシ−3,
3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジカル
ボキシベンジジン、2,2’−ビス[3−カルボキシ−
4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビ
ス[3−カルボキシ−4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル]メタン等が挙げられる。その好ましいAr2
構造としては、フェニレン構造、ジフェニルエーテル構
造、ベンゾフェノン構造、ジフェニルメタン構造、ジフ
ェニルスルホン構造、ビスフェノキシフェニルプロパン
構造、ビスフェノキシフェニルメタン構造、ベンジジン
構造、ジフェニルヘキサフルオロプロパン構造、ジフェ
ニルベンゼン構造、ビスフェノキシベンゼン構造、ジフ
ェニルスルフィド構造、ビスフェノキシビフェニル構
造、炭素数1〜12のアルキレンが挙げられる。これら
のジアミン化合物は2種類以上を併用しても良い。
【0017】本発明で使用されるシロキサン変性ポリイ
ミドは、具体的には、次のような製造例が挙げられる。
原料として、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを
使用する場合、これらを有機溶媒中、必要に応じてトリ
ブチルアミン、トリエチルアミン、亜リン酸トリフェニ
ル等の触媒存在下(反応物の20重量部以下)で、10
0℃以上、好ましくは180℃以上に加熱し、直接ポリ
イミドを得る方法。テトラカルボン酸二無水物とジアミ
ンとを有機溶媒中、100℃以下で反応させポリイミド
の前駆体であるポリアミド酸を得た後、必要に応じてp
−トルエンスルホン酸等の脱水触媒(テトラカルボン酸
二無水物の1〜5倍モル)を加え、加熱によりイミド化
を行うことでポリイミドを得る方法。或いはこのポリア
ミド酸を、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水安息香酸
等の酸無水物、ジシクロヘキシルカルボジイミド等のカ
ルボジイミド化合物等の脱水閉環剤と、必要に応じてピ
リジン、イソキノリン、イミダゾール、トリエチルアミ
ン等の閉環触媒(脱水閉環剤及び閉環触媒はテトラカル
ボン酸二無水物の2〜10倍モル)を添加して、比較的
低温(室温〜100℃程度)で化学閉環させる方法等が
ある。上記の反応に用いる有機溶媒としては、N−メチ
ル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、
N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、スルホラン、ヘキサメチルリン酸トリアミド、1,
3−ジメチル−2−イミダゾリドン等の非プロトン性極
性溶媒、フェノール、クレゾール、キシレノール、p−
クロロフェノール等のフェノール系溶媒等が挙げられ
る。また、必要に応じて、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、メチルエチルケトン、アセトン、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、モノグライム、ジグライム、メチルセ
ロソルブ、セロソルブアセテート、メタノール、エタノ
ール、イソプロパノール、塩化メチレン、クロロホル
ム、トリクレン、ニトロベンゼン等を先の溶媒に混合し
て用いることも可能である。また、原料として、テトラ
カルボン酸二無水物とジイソシアナートとを使用する場
合には、上記したポリイミドを直接得る方法に準じて製
造することが可能であり、このときの反応温度は室温以
上、特に60℃以上であることが好ましい。テトラカル
ボン酸二無水物とジアミン或いはジイソシアナートとの
反応は等モル量で反応させることにより、高重合度のポ
リイミドを得ることが可能であるが、必要に応じていず
れか一方が10モル%以下の範囲で過剰量用いてポリイ
ミドを製造することも可能である。
【0018】本発明においては、この特有のシロキサン
変性ポリイミドを含有していることにより、その樹脂組
成物からなる成形物の可撓性が良くなり、打ち抜きや切
断等の作業時に樹脂の飛散がきわめて少なくなり、プリ
ント配線板を製造する際、取扱性が良くなり、歩留まり
が向上する。特に、ポリイミドがシロキサン変性されて
いることで、格段に、溶剤への溶解性が向上する。さら
にまた、低誘電性となり、上述した誘電率3.0以下を
容易に可能ならしめることができる。
【0019】[成分(b)]アリル基もしくはメチルア
リル基を2個以上有する化合物としては、樹脂組成物の
硬化後の耐熱性、誘電率特性の点から、下記式(b−
1)または(b−2)が特に好ましい。これらの化合物
は一般に市販されており、容易に入手することができ
る。
【化13】 (式中、Rは水素原子もしくはメチル基を示す。) 特に、(b−1)においてはRがメチル基であるものが
望ましい。
【0020】[成分(c)]マレイミド基を2個以上有
する化合物としては、いずれのものも使用できるが、電
気的信頼性、溶剤溶解性等の点から、下記式(c−1)
ないし(c−5)で示されるものが特に好ましい。これ
らの化合物は一般に市販されており、容易に入手するこ
とができる。又、従来公知の方法により合成することも
できる。
【化14】 (式(c−4)中、pは1ないし8の整数を表す)
【0021】本発明の熱硬化性低誘電樹脂組成物におけ
る上記成分(a)〜(c)の配合割合は、成分(a)1
00重量部に対して、成分(b)および成分(c)の総
和が10〜900重量部であり、50〜900重量部で
あればより好ましく、100〜900重量部であればさ
らに好ましい。成分(b)および成分(c)の総和が1
0重量部より少なくなると硬化した後、樹脂組成物の耐
熱性、特にガラス転移温度(Tg)、ヤング率の低下が
著しくなり、目的の用途に適さない。また、900重量
部より多くなると、樹脂組成物を半硬化状態に硬化した
際に、樹脂組成物自体が脆くなって樹脂の飛散の原因と
なる。また、成分(b)と成分(c)の配合割合は、成
分(c)のマレイミド基1モル当量に対する成分(b)
のメチルアリル基が0.1〜2.0モル当量になるように
することが望ましい。好ましくは0.3〜1.8モル当
量、より好ましくは0.5〜1.5モル当量である。アリ
ル基またはメチルアリル基当量が0.1モル当量より少
なくなると、樹脂組成物の硬化後、電気的な信頼性が悪
くなり、2.0モル当量より多くなると、混合に際して
ゲル化するため、接着剤を調製することができなくな
る。成分(a)、成分(b)および成分(c)の混合
は、それらを溶解する溶媒中で行うこともできる。溶媒
としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,
N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ヘキサメチ
ルリン酸トリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾ
リドン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メ
チルエチルケトン、アセトン、ジエチルエーテル、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシメタ
ン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、メチルセ
ロソルブ、セロソルブアセテート、メタノール、エタノ
ール、プロパノール、イソプロパノール、酢酸メチル、
酢酸エチル、アセトニトリル、塩化メチレン、クロロホ
ルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼ
ン、ジクロロエタン、トリクロロエタン等が挙げられ、
これらの中から、各成分が溶解するように種類と量を適
宜選択して使用する。
【0022】熱硬化性低誘電樹脂組成物においては、乾
燥時、又は加熱硬化時における反応を促進させるため
に、必要に応じて、ジアザビシクロオクタン、又はメチ
ルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサンパーオ
キサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパー
オキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、
メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルアセ
トンパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオ
キシ)−3,3,5トリメチルヘキサン、1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)−シクロヘキサン、2,2−
ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−
4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレート、2,2
−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハ
イドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイ
ド、ジ−イソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイ
ド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジ
メチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、
1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサ
イド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミ
ルパーオキサイド、ジ−クミルパーオキサイド、α,
α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピ
ル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチ
ルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、アセチルパーオキ
サイド、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパー
オキサイド、デカノイルパーオキサイド、ベンゾイルパ
ーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−
トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、スクシニック
アシッドパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイル
パーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド、ジ−
イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチ
ルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピ
ルパーオキシジカーボネート、ビス−(4−t−ブチル
シクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−ミリ
スティルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシ
エチルパーオキシジカーボネート、ジ−メトキシイソプ
ロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3
−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ジ−ア
リルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシ
アセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t
−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ
ネオデカネート、クミルパーオキシネオデカネート、t
−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、t−ブ
チルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサネート、
t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキ
シベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレ
ート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオ
キシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t
−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、クミル
パーオキシオクテート、t−ヘキシルパーオキシネオデ
カネート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブ
チルパーオキシネオヘキサネート、アセチルシクロヘキ
シルスルフォニルパーオキサイド、t−ブチルパーオキ
シアリルカーボネート等の有機過酸化物、1,2−ジメ
チルイミダゾール、1−メチル−2−エチルイミダゾー
ル、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチル
イミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプ
タデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1
−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−
2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニ
ルイミダゾール・トリメリット酸塩、1−ベンジル−2
−エチルイミダゾール、1−ベンジル−2−エチル−5
−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−
イソプロピルイミダゾール、2−フェニル−4−ベンジ
ルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダ
ゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイ
ミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダ
ゾール、1−シアノエチル−2−イソプロピルイミダゾ
ール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、
1−シアノエチル−2−メチルイミダゾリウムトリメリ
テート、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウ
ムトリメリテート、2,4−ジアミノ−6−[2’−メ
チルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジ
ン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4−メチ
ルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジ
ン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダ
ゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2−メ
チルイミダゾリウムイソシアヌール酸付加物、2−フェ
ニルイミダゾリウムイソシアヌール酸付加物、2,4−
ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−
(1’)]−エチル−s−トリアジン−イソシアヌール
酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチル
イミダゾール、2−フェニル−4−ベンジル−5−ヒド
ロキシメチルイミダゾール、4,4’−メチレン−ビス
−(2−エチル−5−メチルイミダゾール)、1−アミ
ノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル
−2−フェニル−4,5−ジ(シアノエトキシメチル)
イミダゾール、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジ
ルイミダゾリウムクロライド、2−メチルイミダゾール
・ベンゾトリアゾール付加物、1−アミノエチル−2−
エチルイミダゾール、1−(シアノエチルアミノエチ
ル)−2−メチルイミダゾール、N,N’−[2−メチ
ルイミダゾリル−(1)−エチル]−アジポイルジアミ
ド、N,N’−ビス−(2−メチルイミダゾリル−1−
エチル)尿素、N−(2−メチルイミダゾリル−1−エ
チル)尿素、N,N’−[2−メチルイミダゾリル−
(1)−エチル]ドデカンジオイルジアミド、N,N’
−[2−メチルイミダゾリル−(1)−エチル]エイコ
サンジオイルジアミド、1−ベンジル−2−フェニルイ
ミダゾール・塩化水素酸塩等のイミダゾール類、トリフ
ェニルフォスフィン等の反応促進剤を添加することもで
きる。
【0023】熱硬化性低誘電樹脂組成物にはシランカッ
プリング剤を添加することもできる。また、熱硬化性低
誘電樹脂組成物には、積層板ないし金属張積層板に適用
した場合、樹脂組成物の流動性を安定させるために、粒
径1μm以下のフィラーを含ませることが望ましい。フ
ィラーの含有率は、全固形分の5〜70重量%、好まし
くは10〜60重量%、より好ましくは20〜50重量
%の範囲に設定される。含有率が5重量%よりも低くな
ると流動性の安定化効果が小さくなり、70重量%より
も多くなると積層板の接着強度が低下し、誘電率が上昇
する。フィラーとしては、例えば、シリカ、石英粉、ア
ルミナ、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、ダイヤモ
ンド粉、マイカ、フッ素樹脂、ジルコン粉等が使用され
る。
【0024】[プリプレグ、積層板、金属張積層板]本
発明のプリプレグは、上記樹脂組成物と繊維材とを有す
るもので、これを製造するには、本発明に係る熱硬化性
低誘電樹脂組成物を上記有機溶剤に溶解してワニスと
し、これを繊維材に塗布、含浸させて、乾燥すればよ
い。その際、乾燥後の樹脂組成物量は繊維材の空隙を充
填できる量が好ましい。または、上記樹脂組成物を半硬
化させてフィルム状とし、それと繊維材とを熱プレス等
により圧着することによっても製造される。繊維材に用
いる材料としては耐熱性繊維であることが好ましく、具
体的には炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、芳香族
ポリエステル繊維、ボロン繊維、シリカ繊維あるいはテ
トラフルオロカーボン繊維等を挙げることができる。こ
れらの繊維材は、単独で使用しても、2種以上を併用し
ても良いが、特にアラミド繊維、芳香族ポリエステル繊
維あるいはテトラフルオロカーボン繊維が好ましい。こ
れらの繊維は、長繊維、短繊維の何れであっても良く、
織布または不織布として使用しても良い。そのような
(不)織布の厚さは、0.05〜1mmが好ましく、0.
1〜0.5mmであればより好ましく、より好ましくは
0.1〜0.2mmである。薄すぎる場合には布の強度が
不充分になり、厚すぎる場合には、樹脂組成物ワニスの
塗布、含浸が困難となる。
【0025】このプリプレグを2枚以上積層することに
より本発明の積層板が得られる。プリプレグまたは積層
板は、熱ラミネーター、カレンダー等を使用して、その
表面を平滑にしても良い。さらに、積層板の片面または
両面に金属箔等からなる金属層を形成することにより、
金属張積層板が製造される。用いる金属層としては、
銅、白銅、銀、鉄、42合金、ステンレス等からなる厚
さ5μm〜200μmの金属箔が好適である。
【0026】繊維材に半硬化状態の上記熱硬化性低誘電
樹脂組成物を充填した積層板の片面若しくは両面に金属
箔を積層一体化した金属張積層板を作製するには、プレ
ス機、真空プレス機又は熱ラミネーター等を使用して半
硬化状樹脂組成物を充填した上記積層板の片面ないし両
面に金属箔を貼り合わせて積層一体化すればよい。ま
た、繊維材に硬化状態の上記熱硬化性低誘電樹脂組成物
を充填した積層板の片面ないし両面に金属箔を積層一体
化した金属張積層板を作製するには、繊維材に半硬化状
態の上記熱硬化性低誘電樹脂組成物を充填した積層板と
金属箔を加熱加圧により積層一体化すればよい。なお、
これら積層板には、その表面に剥離性の保護フィルムを
設けてもよい。保護フィルムとしては、ポリプロピレン
フィルム、フッ素樹脂系フィルム、ポリエチレンフィル
ム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、紙、及び場
合によってはそれらにシリコーン樹脂等で剥離性を付与
したもの等が挙げられる。これらの剥離性フィルムは、
90゜ピール強度が0.01〜10.0g/cmの範囲に
あることが望ましい。剥離強度が0.01g/cmより
小さい場合には積層板および片面金属張積層板の搬送時
に剥離性フィルムが簡単に剥離し易く、10.0g/c
mより大きい場合には剥離性フィルムが積層板および片
面金属張積層板からきれいに剥がれず、作業性が悪くな
る。こうして得られた低誘電熱硬化性樹脂組成物、積層
板等の硬化した樹脂組成物の誘電率は、3.2以下であ
ることが好ましく、3.0以下であればより好ましい。
3.2以下であることにより、内回路の微細化に十分対
応できるようになるからである。上述した金属張積層板
は、その金属層に対してエッチング処理等の周知一般の
処理を施すことにより、各種所定のプリント配線板とな
る。
【0027】
【実施例】[シロキサン変性ポリイミド合成例] 〔合成例1〕攪拌機を備えたフラスコに、2,2−ビス
[4−(アミノフェノキシ)フェニル]プロパン16.
10g(39ミリモル)と3,3’−ジカルボキシ−4,
4’−ジアミノジフェニルメタン1.25g(5ミリモ
ル)と1,3−ビス(アミノフェノキシメチル)−1,
1,3,3,−テトラメチルジシロキサン21.25g(5
6ミリモル)と3,3’,4,4’−ベンゾフェノンホン
テトラカルボン酸二無水物32.22g(100ミリモ
ル)及びN−メチル−2−ピロリドン(NMP)300
mlとを氷温下で導入し攪拌を1時間続けた。次いでこ
の溶液を室温で3時間反応させポリアミド酸を合成し
た。得られたポリアミド酸に50mlのトルエンと1.
0gのp−トルエンスルホン酸を加え、160℃に加熱
した。トルエンと共沸して水分を分離しながらイミド化
反応を3時間行った。トルエンを留去し、得られたポリ
イミドワニスをメタノール中に注ぎ、得られた沈殿を分
離、粉砕、洗浄、乾燥させる工程を経ることにより、分
子量18,000、Tg150℃、誘電率3.0のシロキ
サン変性ポリイミド62.5g(収率93%)を得た。
赤外吸収スペクトルを測定したところ、1718、17
83cm-1に典型的なイミドの吸収が認められた。
【0028】〔合成例2〕2,2−ビス[4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェニル]プロパン30.34g(7
4ミリモル)と3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジア
ミノジフェニルメタン2.35g(8ミリモル)とアミ
ノプロピル末端ジメチルシロキサン8量体13.64g
(18ミリモル)と2,3’,3,4’−ビフェニルテト
ラカルボン酸二無水物29.42g(100ミリモル)
及びN−メチル−2−ピロリドン(NMP)300ml
とを用いて、合成例1と同様の方法で分子量25,00
0、Tg80℃、誘電率2.9のシロキサン変性ポリイ
ミド67.8g(収率94%)を得た。赤外吸収スペク
トルを測定したところ、1718、1783cm-1に典
型的なイミドの吸収が認められた。 〔合成例3〕2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル]プロパンを30.34g(74ミリモ
ル)と3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノジフ
ェニルメタン1.12g(4ミリモル)とアミノプロピ
ル末端ジメチルシロキサン8量体16.85g(22ミ
リモル)と3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテト
ラカルボン酸二無水物35.83g(100ミリモル)
及びN−メチル−2−ピロリドン(NMP)300ml
とを用いて、合成例1と同様の方法で分子量21,00
0、Tg50℃、誘電率2.9のシロキサン変性ポリイ
ミド75.0g(収率93%)を得た。赤外吸収スペク
トルを測定したところ、1718、1783cm-1に典
型的なイミドの吸収が認められた。
【0029】〔合成例4〕1,3−ビス(3−アミノフ
ェノキシ)ベンゼン23.55g(81ミリモル)と3,
3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメ
タン2.06g(9ミリモル)とアミノプロピル末端ジ
メチルシロキサン8量体8.05g(10ミリモル)と
3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン
酸二無水物20.02g(100ミリモル)及びN−メ
チル−2−ピロリドン(NMP)300mlとを用い
て、合成例1と同様の方法で分子量16,000、Tg
105℃、誘電率2.8のシロキサン変性ポリイミド4
5.6g(収率91%)を得た。赤外吸収スペクトルを
測定したところ、1718、1783cm-1に典型的な
イミドの吸収が認められた。 〔合成例5〕2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン38.37g(7
4ミリモル)と3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジア
ミノジフェニルメタン1.12g(4ミリモル)とアミ
ノプロピル末端ジメチルシロキサン8量体16.85g
(22ミリモル)と3,3’,4,4’−ジフェニルスル
ホンテトラカルボン酸二無水物35.83g(100ミ
リモル)及びN−メチル−2−ピロリドン(NMP)3
00mlとを用いて、合成例1と同様の方法で分子量2
0,000、Tg55℃、誘電率2.7のシロキサン変性
ポリイミド75.0g(収率93%)を得た。赤外吸収
スペクトルを測定したところ、1718、1783cm
-1に典型的なイミドの吸収が認められた。
【0030】尚、本発明においてガラス転移温度(T
g)は、下記条件で測定されるものである。 装置:剪断弾性率測定装置(HAAKE社製"Rheo Stress RS
75") 測定温度範囲:−10〜300℃ 昇温速度:3℃/分 測定周波数:1Hz 歪み率:0.01%±0.0025%
【0031】[熱硬化性低誘電樹脂組成物調製例] 〔樹脂組成物調製例1〕上記合成例3で得られたシロキ
サン変性ポリイミド樹脂を100重量部と、前記式(c
−2)で示される化合物を52重量部と、前記式(b−
1)で示される化合物においてRがメチル基である化合
物を48重量部(マレイミド基1モル当量に対するメチ
ルアリル基のモル当量は1.0)を、テトラヒドロフラ
ン中に添加して充分に混合、溶解し、固形分率30重量
%の樹脂組成物ワニスを得た。 〔樹脂組成物調製例2〕上記樹脂組成物調製例1におい
て、式(c−2)で示される化合物を206重量部に、
式(b−1)で示される化合物であってRがメチル基で
ある化合物を194重量部(マレイミド基1モル当量に
対するメチルアリル基のモル当量は1.0)に変更した
以外は樹脂組成物調製例1と同様に操作して固形分率3
0重量%の樹脂組成物ワニスを得た。 〔樹脂組成物調製例3〕前記式(c−2)で示される化
合物を464重量部に、前記式(b−1)で示される化
合物であってRがメチル基である化合物を436重量部
(マレイミド基1モル当量に対するメチルアリル基のモ
ル当量は1.0)に変更した以外は、樹脂組成物調製例
1と同様に操作して固形分率30重量%の樹脂組成物ワ
ニスを得た。
【0032】〔樹脂組成物調製例4〕前記式(c−2)
で示される化合物を272重量部に、前記式(b−1)
で示される化合物であってRがメチル基である化合物を
128重量部(マレイミド基1モル当量に対するメチル
アリル基のモル当量は0.5)に変更した以外は、樹脂
組成物調製例1と同様に操作して固形分率30重量%の
樹脂組成物ワニスを得た。 〔樹脂組成物調製例5〕前記式(c−2)で示される化
合物を166重量部に、前記式(b−1)で示される化
合物であってRがメチル基である化合物を234重量部
(マレイミド基1モル当量に対するメチルアリル基のモ
ル当量は1.5)に変更した以外は、樹脂組成物調製例
1と同様に操作して固形分率30重量%の樹脂組成物ワ
ニスを得た。 〔樹脂組成物調製例6〕前記式(c−2)で示される化
合物を259重量部に、前記式(b−1)で示される化
合物であってRがメチル基である化合物48重量部を前
記式(b−2)で示される化合物においてRがメチル基
である化合物141重量部(マレイミド基1モル当量に
対するメチルアリル基のモル当量は1.0)に変更した
以外は樹脂組成物調製例1と同様に操作して固形分率3
0重量%の樹脂組成物ワニスを得た。
【0033】〔樹脂組成物調製例7〕前記式(c−2)
で示される化合物を273重量部に、前記式(b−1)
で示される化合物であってRがメチル基である化合物4
8重量部を前記式(b−2)で示される化合物であって
Rが水素である化合物127重量部(マレイミド基1モ
ル当量に対するアリル基のモル当量は1.0)に変更し
た以外は樹脂組成物調製例1と同様に操作して固形分率
30重量%の樹脂組成物ワニスを得た。 〔樹脂組成物調製例8〕前記式(c−2)で示される化
合物を215重量部に、前記式(b−1)で示される化
合物であってRがメチル基である化合物48重量部をR
が水素である化合物185重量部(マレイミド基1モル
当量に対するアリル基のモル当量は1.0)に変更した
以外は樹脂組成物調製例1と同様に操作して固形分率3
0重量%の樹脂組成物ワニスを得た。 〔樹脂組成物調製例9〕前記式(c−2)で示される化
合物52重量部を前記式(c−1)で示される化合物2
52重量部に、前記式(b−1)で示される化合物であ
ってRがメチル基である化合物を148重量部(マレイ
ミド基1モル当量に対するメチルアリル基のモル当量は
1.0)に変更した以外は樹脂組成物調製例1と同様に
操作して固形分率30重量%の樹脂組成物ワニスを得
た。
【0034】〔樹脂組成物調製例10〕前記式(c−
2)で示される化合物52重量部を前記式(c−3)で
示される化合物227重量部に、前記式(b−1)で示
される化合物であってRがメチル基である化合物を17
3重量部(マレイミド基1モル当量に対するメチルアリ
ル基のモル当量は1.0)に変更した以外は樹脂組成物
調製例1と同様に操作して固形分率30重量%の樹脂組
成物ワニスを得た。 〔樹脂組成物調製例11〕前記式(c−2)で示される
化合物52重量部を前記式(c−4)で示される化合物
においてpが1である化合物219重量部に、前記式
(b−1)で示される化合物であってRがメチル基であ
る化合物を181重量部(マレイミド基1モル当量に対
するメチルアリル基のモル当量は1.0)に変更した以
外は樹脂組成物調製例1と同様に操作して固形分率30
重量%の樹脂組成物ワニスを得た。 〔樹脂組成物調製例12〕前記式(c−2)で示される
化合物52重量部を前記式(c−4)で示される化合物
においてpが8である化合物296重量部に、前記式
(b−1)で示される化合物であってRがメチル基であ
る化合物を104重量部(マレイミド基1モル当量に対
するメチルアリル基のモル当量は1.0)に変更した以
外は樹脂組成物調製例1と同様に操作して固形分率30
重量%の樹脂組成物ワニスを得た。 〔樹脂組成物調製例13〕前記式(c−2)で示される
化合物52重量部を前記式(c−5)で示される化合物
246重量部に、前記式(b−1)で示される化合物で
あってRがメチル基である化合物を154重量部(マレ
イミド基1モル当量に対するメチルアリル基のモル当量
は1.0)に変更した以外は樹脂組成物調製例1と同様
に操作して固形分率30重量%の樹脂組成物ワニスを得
た。
【0035】〔樹脂組成物調製例14〕樹脂組成物調製
例2で得られた樹脂組成物ワニスに、シリカフィラー1
50重量部を分散して樹脂組成物ワニスを得た。 〔樹脂組成物調製例15〕樹脂組成物調製例2で得られ
た樹脂組成物ワニスに、シリカフィラー300重量部を
分散して樹脂組成物ワニスを得た。 〔樹脂組成物調製例16〕合成例3で得られたシロキサ
ン変性ポリイミドを合成例1で得られたシロキサン変性
ポリイミドに代えた以外は樹脂組成物調製例2と同様に
操作して樹脂組成物ワニスを得た。 〔樹脂組成物調製例17〕合成例3で得られたシロキサ
ン変性ポリイミドを合成例2で得られたシロキサン変性
ポリイミドに代え以外は樹脂組成物調製例2と同様に操
作して樹脂組成物ワニスを得た。 〔樹脂組成物調製例18〕合成例3で得られたシロキサ
ン変性ポリイミドを合成例4で得られたシロキサン変性
ポリイミドに代え以外は樹脂組成物調製例2と同様に操
作して樹脂組成物ワニスを得た。 〔樹脂組成物調製例19〕合成例3で得られたシロキサ
ン変性ポリイミドを合成例5で得られたシロキサン変性
ポリイミドに代え以外は樹脂組成物調製例2と同様に操
作して樹脂組成物ワニスを得た。
【0036】[実施例1〜19]上記樹脂組成物調製例
1〜19で得られた各樹脂組成物ワニスを芳香族ポリエ
ステル不織布(厚さ0.1mm、クラレ社製)100重
量部に、樹脂組成物を固形分で120重量部含浸させて
140℃の乾燥器中で5分間乾燥させ、19種のプリプ
レグを調製した。得られたプリプレグはタックフリーで
可撓性を有しており作業性に優れていた。このプリプレ
グを4枚重ね合わせ、さらに上下の最外層に18μmの
銅箔を配して、20kg/cm2の圧力で、200℃2
時間の加熱条件で成形し、厚さ0.4mmの両面銅張積
層板を得た。 [実施例20]芳香族ポリエステル不織布をアラミド不
織布(厚さ0.1mm、デュポン社製)に代えた以外は
実施例1と同様に操作して厚さ0.4mmの両面銅張積
層板を得た。 [実施例21]芳香族ポリエステル不織布をテトラフル
オロカーボン不織布(厚さ0.1mm、(株)巴川製紙
所製)に代えた以外は実施例1と同様に操作して厚さ
0.4mmの両面銅張積層板を得た。 [実施例22]厚さ18μmの銅箔を厚さ18μmの4
2合金箔に代えた以外は実施例1と同様に操作して厚さ
0.4mmの両面銅張積層板を得た。
【0037】[比較例1]合成例3で得られたシロキサ
ン変性ポリイミド樹脂100重量部と前記式(c−2)
で示される化合物400重量部を、テトラヒドロフラン
中に添加して充分に混合、溶解し、固形分率30重量%
の樹脂組成物を調製した。この樹脂組成物ワニスを用い
て、実施例1と同様に操作して厚さ0.4mmの両面銅
張積層板を得た。 [比較例2]合成例3で得られたシロキサン変性ポリイ
ミドをアクリロニトリル−ブタジエン共重合体に代えた
以外は樹脂組成物調製例1と同様に操作して樹脂組成物
ワニスを調製した。この樹脂組成物ワニスを用いて、実
施例1と同様に操作して厚さ0.4mmの両面銅張積層
板を得た。 [比較例3]合成例3で得られたシロキサン変性ポリイ
ミドを2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル]プロパン32.74g(80ミリモル)と、前記式
(5)においてQ=NH2、R=プロピレン、n=8で
表されるジアミノシロキサンを15.54g(20ミリ
モル)と、2,3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物を29.42g(100ミリモル)と、N
MPを300mlとから、分子量10,000、Tg6
0℃、誘電率2.9のシロキサン変性ポリイミドを合成
した。このシロキサン変性ポリイミドを用いたこと以外
は樹脂組成物調製例9と同様に操作して樹脂組成物ワニ
スを調製した。この樹脂組成物ワニスを用いて、実施例
1と同様に操作して厚さ0.4mmの両面銅張積層板を
得た。
【0038】[評価]上記各実施例1〜22及び比較例
1〜3の積層板について、誘電率、ピール強度、はんだ
耐熱性、PCBTによる電気的信頼性を測定、評価し
た。 〔誘電率〕硬化後の樹脂層の静電容量をJIS C64
81(比誘電率および誘電正接)に準じて行い周波数1
MHzで測定して求めた。 〔ピール強度〕JIS C6481(引きはがし強さ)
に準じて測定した。 〔はんだ耐熱性〕JIS C6481(はんだ耐熱性)
に準じて測定し、260℃での外観異常の有無を調べ
た。 〔PCBT(Pressure Cooker Bias Test)〕積層板の
表面にエッチングで線間100μmのパターンを作成
し、そのパターンの上に厚さ0.1mmのプリプレグを
積層し、圧力20kg/cm2、温度200℃で2時間
加熱加圧成形を行い試験体を作成した。そして、試験体
に5V印加、121℃、2気圧、100%RH、100
0時間の条件でPCBTを実施し、パターン間のショー
トの有無を調べた。
【0039】
【表1】
【0040】表1から、本実施例の積層板であると、低
誘電性で、耐熱性が高く、信頼性の高いものであること
がわかる。対して、本発明に係る成分(b)を含有しな
い樹脂組成物からなる比較例1の積層板であると、銅箔
がふくれてしまい、シロキサン変性ポリイミドを含有し
ない樹脂組成物からなる比較例2の積層板であると、誘
電率が大きく、本発明に係るAr2を満足する成分(2
c)をもたない樹脂組成物からなる比較例3の積層板で
あると、ピール強度が低下してしまっている。
【0041】
【発明の効果】本発明の熱硬化性低誘電樹脂組成物は、
低誘電率、耐熱性、作業性等に優れ、この樹脂組成物を
用いたプリプレグないし積層板は、室温において十分な
ピール強度を発揮し、特にプリント配線板等の積層材と
して好適に使用することができる。特に、上記成分
(a)に対して、成分(b)及び成分(c)の総和を特
定量とすることにより、耐熱性やヤング率が向上すると
共に、樹脂の飛散を防止できる。さらに、成分(c)の
マレイミド基1モル当量に対する成分(b)のメチルア
リル基が0.1〜2.0モル当量とすることによって電気
的信頼性等が向上すると共に、作業性が向上する。ま
た、成分(a)のシロキサン変性ポリイミドについて、
ガラス転移温度が150℃以下であれば、溶融温度が低
くなり、作業温度が低下し、また、接着性が向上する。
また、重量平均分子量が5,000〜500,000であ
れば、熱安定性が向上し、耐熱性が改善すると共に、作
業性、接着性が改善される。さらに、熱硬化性低誘電樹
脂組成物の硬化状態における誘電率が3.2以下である
ことにより、内回路の微細化に対応できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 27/12 B32B 27/12 27/34 27/34 C08J 5/24 CFG C08J 5/24 CFG C08K 5/13 C08K 5/13 5/3415 5/3415 5/3462 5/3462 C08L 79/08 C08L 79/08 B // H05K 1/03 610 H05K 1/03 610N (72)発明者 佐藤 健 静岡県静岡市用宗巴町3番1号 株式会社 巴川製紙所電子材料事業部内 (72)発明者 織野 大輔 静岡県静岡市用宗巴町3番1号 株式会社 巴川製紙所電子材料事業部内 Fターム(参考) 4F072 AB04 AB05 AB06 AD45 AD47 AG03 AH02 AH31 AJ04 AK05 AL12 AL13 4F100 AA20H AB01B AB01C AD11A AK18A AK41 AK43A AK47A AK49A AL05A AL08A BA02 BA03 BA06 BA07 BA10B BA10C CA23 DG12A DG15A DH01A GB43 JA05A JB12A JB13A JG05 JG05A JK10 JK17 JL02 JL11 YY00A YY00H 4J002 BD152 CF162 CL062 CM041 CP171 EJ036 EU027 EU196 EX077 FA042 GF00 GQ01 5G305 AA06 AA11 AA12 AA20 AB10 AB34 AB36 BA07 BA09 BA21 BA25 CA25 CA40 CA46 CA51 CA55

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成分(a):下記式(2a)で示される
    構造単位、下記式(2b)で示される構造単位及び下記
    式(2c)で示される構造単位が配列したシロキサン変
    性ポリイミドと、 成分(b):下記式(b−1)または下記式(b−2)
    で示される化合物と、 成分(c):マレイミド基を2個以上有する化合物とを
    含有することを特徴とする熱硬化性低誘電樹脂組成物。 【化1】 (上記式中、Zは、直接結合、−O−、−SO2−、−
    CO−、−C(CH32−、−C(CF32−、−CO
    OCH2CH2OCO−のいずれかの結合を示し、Ar1
    は芳香環を有する二価の基を、Ar2は1個または2個
    の水酸基またはカルボキシル基を有する二価の有機基
    を、Rは炭素数1〜10のアルキレン基またはメチレン
    基がSiに結合している−CH2OC64−を示し、n
    は1〜20の整数を意味する。) 【化2】 (上記式(b−1)及び式(b−2)中、Rは水素原子
    もしくはメチル基を示す。)
  2. 【請求項2】 前記成分(a)100重量部に対して、
    成分(b)と成分(c)の総和が10〜900重量部で
    あり、成分(c)のマレイミド基1モル当量に対する成
    分(b)のアリル基もしくはメチルアリル基が0.1〜
    2.0モル当量であることを特徴とする請求項1記載の
    熱硬化性低誘電樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記成分(a)のシロキサン変性ポリイ
    ミドにおける式(2a)で示される構造単位と、式(2
    b)及び式(2c)で示される構造単位の合計との割合
    がモル比で5〜60:95〜40の範囲であり、かつ、
    式(2b)で示される構造単位と式(2c)で示される
    構造単位との割合がモル比で1〜99:99〜1の範囲
    であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱硬
    化性低誘電樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 前記Ar1は下記の化学式群から選択さ
    れる基であることを特徴とする請求項1または2記載の
    熱硬化性低誘電樹脂組成物。 【化3】 (式中R1、R2、R3及びR4はそれぞれ同じでも異なっ
    ていてもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又
    はアルコキシ基を示すが、これら全ての基が同時に水素
    原子であることはない。)
  5. 【請求項5】 前記成分(a)のシロキサン変性ポリイ
    ミドのガラス転移温度が150℃以下であることを特徴
    とする請求項1または2に記載の熱硬化性低誘電樹脂組
    成物。
  6. 【請求項6】 前記成分(a)のシロキサン変性ポリイ
    ミドの重量平均分子量が5,000〜500,000であ
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の熱硬化性
    低誘電樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 前記成分(a)のシロキサン変性ポリイ
    ミドの誘電率が3.0以下であることを特徴とする請求
    項1または2に記載の熱硬化性低誘電樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 前記成分(c)のマレイミド基を2個以
    上有する化合物が、下記式で示される化合物の群から選
    択されたものであることを特徴とする請求項1または2
    に記載の熱硬化性低誘電樹脂組成物。 【化4】 (式(c−4)中、pは1ないし8の整数を表す)
  9. 【請求項9】 硬化状態での誘電率が3.2以下である
    ことを特徴とする請求項1または2記載の熱硬化性低誘
    電樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の熱硬
    化性低誘電樹脂組成物と繊維材とを有してなることを特
    徴とするプリプレグ。
  11. 【請求項11】 前記繊維材が、アラミド繊維、芳香族
    ポリエステル繊維、テトラフルオロカーボン繊維のいず
    れかからなる織物または不織布であることを特徴とする
    請求項10記載のプリプレグ。
  12. 【請求項12】 請求項10記載のプリプレグが複数枚
    積層されていることを特徴とする積層板。
  13. 【請求項13】 積層板の熱硬化性低誘電樹脂組成物が
    硬化状態であることを特徴とする請求項12に記載の積
    層板。
  14. 【請求項14】 請求項12または13に記載の積層板
    の片面または両面に金属層が形成されていることを特徴
    とする積層板。
JP2671099A 1999-02-03 1999-02-03 熱硬化性低誘電樹脂組成物、それを用いたプリプレグ及び積層板 Pending JP2000228114A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2671099A JP2000228114A (ja) 1999-02-03 1999-02-03 熱硬化性低誘電樹脂組成物、それを用いたプリプレグ及び積層板
US09/647,217 US6492030B1 (en) 1999-02-03 2000-02-01 Thermoplastic resin composition having low permittivity, prepreg, laminated plate and laminated material for circuit using the same
PCT/JP2000/000537 WO2000046816A1 (fr) 1999-02-03 2000-02-01 Composition de resine thermoplastique dotee d'une faible permittivite, preimpregne, plaque stratifiee et matiere stratifiee pour circuit a base d'une telle composition
TW89101730A TWI228727B (en) 1999-02-03 2000-02-01 Thermosetting low dielectric resin composition, and prepreg, laminate, and laminate for circuit employing said resin composition
KR10-2000-7010754A KR100406341B1 (ko) 1999-02-03 2000-02-01 열경화성 저유전수지조성물, 그것을 이용한 프리프레그,적층판 및 회로용 적층재

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2671099A JP2000228114A (ja) 1999-02-03 1999-02-03 熱硬化性低誘電樹脂組成物、それを用いたプリプレグ及び積層板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000228114A true JP2000228114A (ja) 2000-08-15

Family

ID=12200933

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2671099A Pending JP2000228114A (ja) 1999-02-03 1999-02-03 熱硬化性低誘電樹脂組成物、それを用いたプリプレグ及び積層板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000228114A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009299015A (ja) * 2008-05-16 2009-12-24 Nippon Shokubai Co Ltd 熱硬化性樹脂組成物、繊維複合樹脂組成物及びそれを硬化して得られる成型体
JP5469062B2 (ja) * 2008-05-20 2014-04-09 株式会社カネカ 新規なポリイミド前駆体組成物、その利用及びそれらの製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009299015A (ja) * 2008-05-16 2009-12-24 Nippon Shokubai Co Ltd 熱硬化性樹脂組成物、繊維複合樹脂組成物及びそれを硬化して得られる成型体
JP5469062B2 (ja) * 2008-05-20 2014-04-09 株式会社カネカ 新規なポリイミド前駆体組成物、その利用及びそれらの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7450488B2 (ja) ポリアミック酸樹脂、ポリイミド樹脂およびこれらを含む樹脂組成物
TWI716524B (zh) 覆銅積層體及印刷線路板
CN107113968B (zh) 挠性印刷布线板用树脂膜、带有树脂的金属箔、覆盖膜、粘结片和挠性印刷布线板
CN106010421B (zh) 胶粘剂组合物、膜状胶粘材料、胶粘层、胶粘片、覆铜层叠板、布线板和印刷电路板
JP5594144B2 (ja) プリント配線板用樹脂組成物
JP5499544B2 (ja) 熱硬化性絶縁樹脂組成物、並びにこれを用いたプリプレグ、樹脂付フィルム、積層板、及び多層プリント配線板
JP2000063788A (ja) 電子部品用接着剤および電子部品用接着テープ
KR100406341B1 (ko) 열경화성 저유전수지조성물, 그것을 이용한 프리프레그,적층판 및 회로용 적층재
US6346598B1 (en) Thermosetting low-dielectric resin composition and use thereof
WO2022004583A1 (ja) イソシアネート変性ポリイミド樹脂、樹脂組成物及びその硬化物
JP2004179514A (ja) プリント回路基板用耐熱接着フィルム及びその製造方法
JP4202509B2 (ja) 回路用積層材
JP2000204251A (ja) 熱硬化性低誘電樹脂組成物及び回路積層板
JP3966629B2 (ja) 熱硬化性低誘電樹脂組成物及び回路積層板
JP3560501B2 (ja) 低誘電樹脂組成物及び回路積層板
JP2000228114A (ja) 熱硬化性低誘電樹脂組成物、それを用いたプリプレグ及び積層板
JP4749606B2 (ja) エポキシ基含有ポリイミド共重合体及びその硬化物
JP3966630B2 (ja) 回路積層材料
JP4392767B2 (ja) 熱硬化性低誘電樹脂組成物及び回路積層板
JP2000204246A (ja) 熱硬化性低誘電樹脂組成物及びその使用
WO2023276379A1 (ja) 樹脂組成物、ワニス、積層板、プリント配線基板および成形品
JP2001348556A (ja) ボンディングシート
JP2000143983A5 (ja)
JP2000143983A (ja) 回路積層材料
JP3701512B2 (ja) 回路用積層材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20051221

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080930

A02 Decision of refusal

Effective date: 20090224

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02