JP2000204246A - 熱硬化性低誘電樹脂組成物及びその使用 - Google Patents

熱硬化性低誘電樹脂組成物及びその使用

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JP2000204246A
JP2000204246A JP11004739A JP473999A JP2000204246A JP 2000204246 A JP2000204246 A JP 2000204246A JP 11004739 A JP11004739 A JP 11004739A JP 473999 A JP473999 A JP 473999A JP 2000204246 A JP2000204246 A JP 2000204246A
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Takeshi Hashimoto
武司 橋本
Masaharu Kobayashi
正治 小林
Takeshi Sato
健 佐藤
Daisuke Orino
大輔 織野
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Tomoegawa Co Ltd
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Tomoegawa Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリント配線に使用するための低
誘電率、低誘電正接で金属への接着性に優れ、作業時の
樹脂の飛び散りがきわめて少ない熱硬化性低誘電樹脂組
成物及びそれを用いた積層板、金属張積層板等を提供す
る。 【解決手段】 成分(a)下記式(1a)で
示される構造単位、下記式(1b)で示される構造単位
及び下記式(1c)で示される構造単位とからなるシロ
キサン変性ポリイミド、成分(b)下記式(3−1)な
いし(3−2)で示される化合物、成分(c)マレイミ
ド基を2個以上含有する化合物および成分(d)ジアミ
ン化合物又は示される両末端にアミノ基を有するポリシ
ロキサン化合物を含有することを特徴とする熱硬化性低
誘電樹脂組成物。 【化1】 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント配線に使
用するための低誘電率、低誘電正接で金属への接着性に
優れ、打ち抜きや切断等の作業時に樹脂の飛び散るがき
わめて少ない熱硬化性低誘電樹脂組成物及び積層板、金
属張積層板等に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子システムの信号スピード及び
作動周波数が飛躍的に増加してきているので、高周波領
域で用いられる電子システムには、耐熱性に優れ、低誘
電率、低誘電正接の積層板用樹脂及びプリプレグ等積層
板、金属張積層板等が望まれている。低誘電材料を使用
した積層板、金属張積層板等は電気信号の伝搬速度を早
くすることができるため、より速いスピードで信号の処
理を行うことができる。そこで、誘電率の小さいフッ素
樹脂やポリフェニレンエーテル樹脂などが提案されてい
るが、作業性、接着性が悪く信頼性に欠ける等の問題が
あった。作業性、接着性を改善する目的でエポキシ変性
ポリフェニレンエーテルあるいはポリフェニレンエーテ
ル変性エポキシが提案されている。しかしエポキシ樹脂
の誘電率が高く満足な特性が得られていない。ポリフェ
ニレンエーテル樹脂と多官能シアン酸エステル樹脂類、
さらにこれにその他の樹脂を配合し、ラジカル重合開始
剤を添加し、予備反応させてなる硬化可能な樹脂組成物
(特開昭57−185350)が知られているが、誘電
率の低下は不十分であった。
【0003】また、熱硬化性の1,2−ポリブタジエン
を主成分とするポリブタジエン樹脂は低誘電率である
が、接着性及び耐熱性が不十分であった。ポリフェニレ
ンエーテル樹脂100重量部に対し1,2−ポリブタジ
エン樹脂5〜20重量部、架橋性モノマー5〜10重量
部およびラジカル架橋剤を配合した組成物(特開昭61
−83224)が知られているが、分子量数千の1,2
−ポリブタジエン樹脂を用いた場合には組成物から溶剤
を除いた場合にベタツキが残り、ガラス基材等に塗布、
含浸して得られるプリプレグがタックフリーの状態を維
持できないので実用上問題があった。一方ベタツキをな
くすために高分子量の1,2−ポリブタジエンを用いる
方法があるが、溶媒への溶解性が低下し、溶液が高粘度
になり流動性が低下し実用上問題であった。
【0004】フルオロカーボン繊維からなる布に熱硬化
性樹脂を含浸した低誘電積層板、銅張積層板(特公平8
−2578097)が提案されているが、フルオロカー
ボン繊維と熱硬化性樹脂との密着性を向上させるために
フルオロカーボン繊維の表面を処理しなくてはならない
こと、及びフルオロカーボン繊維の価格が高いため、最
終的な積層板、銅張積層板が非常に高価になってしまい
実用化されずにいる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、プリ
ント配線に使用するための低誘電率、低誘電正接で金属
への接着性に優れ、作業時の樹脂の飛び散りがきわめて
少ない熱硬化性低誘電樹脂組成物及びそれを用いた積層
板、金属張積層板等を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の本発明は、成分
(a)下記式(1a)で示される構造単位、下記式(1
b)で示される構造単位及び下記式(1c)で示される
構造単位とからなるシロキサン変性ポリイミド、成分
(b)下記式(3−1)ないし(3−2)で示される化
合物、成分(c)マレイミド基を2個以上含有する化合
物および成分(d)下記式(4)で示されるジアミン化
合物又は下記式(5)で示される両末端にアミノ基を有
するポリシロキサン化合物を含有することを特徴とする
熱硬化性低誘電樹脂組成物を提供する。本発明における
好ましい上記各成分の配合比は、成分(a)100重量
部に対して、成分(b)、成分(c)及び成分(d)の
総和が10〜900重量部であり、成分(c)のマレイ
ミド基1モル当量に対し、成分(b)のアリル基もしく
はメチルアリル基が0.1〜2.0モル当量、成分
(d)のアミノ基が0.1〜2.0モル当量である。
【0007】
【化5】
【0008】(式中Xは、直接結合、−O−、−SO
2−、−CO−、−C(CH32−、−C(CF3
2−、−COOCH2CH2OCO−何れかの結合を示
し、Ar1は芳香環を有する下記式(2)の構造から選
ばれる二価の基を、Ar2は1個または2個の水酸基ま
たはカルボキシル基を含有する2価の有機基を、Rはメ
チレン基がSiに結合している−CH2OC64−また
は炭素数1〜10のアルキレン基を示し、nは1〜20
の整数を意味する。)、
【0009】
【化6】
【0010】(式中R1、R2、R3及びR4はそれぞれ同
じでも異なっていてもよく、水素原子、炭素原子数1〜
4のアルキル基又はアルコキシ基を示すが、これら全て
の基が同時に水素原子であることはない。)、
【0011】
【化7】
【0012】H2N−R5−NH2
(4) (ただし、式中R5は2価の脂肪族基、芳香族基、脂環
式基を表す)、 (ただし、式中のR6は、2価の脂肪族基、芳香族基、
脂環式基を表し、nは1〜8の整数を示す)。第2の本
発明は、繊維強化材に上記熱硬化性低誘電樹脂組成物を
充填したプリプレグを1枚もしくは2枚以上積層した積
層板を提供する。第3の本発明は、上記積層板の片面な
いし両面に金属箔を積層した金属張積層板を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。まず、第1の熱硬化性低誘電樹脂組成物について
説明する。本発明の熱硬化性低誘電樹脂組成物は、成分
(a)シロキサン変性ポリイミドと、成分(b)アリル
基もしくはメチルアリル基を2個以上含有する化合物
と、成分(c)マレイミド基を2個以上含有する化合物
および成分(d)ジアミン化合物または両末端にアミノ
基を有するポリシロキサン化合物とから構成される。
【0014】成分(a)のシロキサン変性ポリイミドを
使用することにより、樹脂組成物の可とう性が良くな
り、打ち抜きや切断等の作業時に樹脂の飛び散りがきわ
めて少なくなり、プリント配線板を製造する際、取り扱
い性が良くなり、歩留まりが向上する。またシロキサン
変性ポリイミドの使用は、単なるポリイミドの使用に比
して溶剤溶解性の向上に寄与し、かつ低誘電化を向上さ
せる効果がある。本発明に使用されるシロキサン変性ポ
リイミドは、上記式(1a)で表される構造単位、上記
式(1b)で表される構造単位及び上記式(1c)で表
される構造単位とからなる化合物である。これらの構造
単位の好ましい含有割合は、式(1a)で示される構造
単位と式(1b)及び式(1c)で示される構造単位の
合計量との割合がモル比で5:95〜50:50の範囲
であり、かつ式(1b)で示される構造単位と式(1
c)で示される構造単位との割合がモル比で1:99か
ら99:1の範囲である。
【0015】成分(a)のシロキサン変性ポリイミドと
してより好ましくは、下記式(6a)で表される構造単
位、下記式(6b)で表される構造単位及び下記式(6
c)で表される構造単位とからなる化合物である。これ
らの構造単位の好ましい配合割合は、式(1a)、式
(1b)及び式(1c)それぞれの配合割合と同じであ
る。
【0016】
【化8】
【0017】成分(a)のシロキサン変性ポリイミドは
重量平均分子量が5,000〜500,000、ガラス転
移点温度が150℃以下、誘電率が3.0以下のものが
好ましい。重量平均分子量が5,000〜300,00
0、ガラス転移点温度が140℃以下、誘電率が3.0
以下のものがより好ましく、重量平均分子量が10,0
00〜300,000、ガラス転移点温度が130℃以
下、誘電率が3.0以下のものがさらに好ましい。重量
平均分子量が上記範囲の下限より小さくなると熱安定性
が不良になり、耐熱性が低下し、上限より大きくなると
溶融粘度の増大により、樹脂組成物として使用した場
合、作業性、接着性が不良となる。ガラス転移点温度が
150℃より高くなると溶融温度が高くなり、作業温度
の上昇を招いたり、接着性が不良となったりする。誘電
率が3.0を超えると樹脂組成物の低誘電化の達成が困
難となり、内回路を微細化することも困難となる。
【0018】本発明に使用するシロキサン変性ポリイミ
ドは、一般的なポリイミドの製造方法を用いることによ
り得ることができる。即ち、各繰り返し構造単位に対応
するテトラカルボン酸二無水物と、各繰り返し構造単位
に対応するジアミン又はジイソシアナートとから製造が
できる。具体的には、テトラカルボン酸二無水物として
ピロメリト酸二無水物、3,3‘、4,4’−ジフェニ
ルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3‘,4,
4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,
3‘,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、2,3‘,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エー
テル二無水物、4,4‘−ビス(3,4−ジカルボキシ
フェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、エチレング
リコールビストリメリテート二無水物、2,2−ビス
[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]
プロパン二無水物等を、より好ましくは3,3’,4,
4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物、2,3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物を前記の式(2)で表される化合物、水酸基
またはカルボキシル基を有するジアミン化合物及び下記
式(8)で表されるシロキサン系化合物及び/又は芳香
族ジアミン化合物とを反応させることにより製造するこ
とができる。
【0019】 (式中、Rは式(1a)のRと同義であり、Yはアミノ基又
はイソシアナート基を示し、nは1〜20の整数を示
す)。
【0020】ポリイミドの製造原料として使用する式
(8)で表されるシロキサン系化合物において、官能基
Yがアミノ基であるジアミン類としては、ビス(3−ア
ミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、ビス(10
−アミノデカメチレン)テトラメチルジシロキサン、ア
ミノプロピル末端のジメチルシロキサン4量体、8量
体、ビス(3−アミノフェノキシメチル)テトラメチル
ジシロキサン等が挙げられ、これらを併用することも可
能である。また、式(8)で表される化合物において、
官能基Yがイソシアナート基であるジイソシアナート類
としては、上記に示したジアミン類において、「アミ
ノ」を「イソシアナート」に置き換えたものを挙げるこ
とができる。上記式(8)で表される化合物において、
官能基Yがイソシアナート基であるジイソシアナート類
は、上記に例示した対応するジアミンを常法に従いホス
ゲンと反応させることにより容易に製造することができ
る。
【0021】水酸基またはカルボキシル基を有するジア
ミン化合物としては、2,5−ジヒドロキシ−p−フェ
ニレンジアミン、3,3‘−ジヒドロキシ−4,4’−
ジアミノジフェニルエーテル、4,3‘−ジヒドロキシ
−3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3‘−
ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、
3,3‘−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノジフェニ
ルメタン、3,3‘−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミ
ノジフェニルスルホン、4,4‘−ジヒドロキシ−3,
3’−ジアミノジフェニルスルホン、2,2‘−ビス
[3−ヒドロキシ−4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル]プロパン、ビス[3−ヒドロキシ−4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェニル]メタン、3,3‘−ジカル
ボキシ−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,
3‘−ジカルボキシ−3,4’−ジアミノジフェニルエ
ーテル、3,3‘−ジヒカルボキシ−4,4’−ジアミ
ノベンゾフェノン、3,3‘−ジカルボキシ−4,4’
−ジアミノジフェニルメタン、3,3‘−ジカルボキシ
−4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4‘−
ジカルボキシ−3,3’−ジアミノジフェニルスルホ
ン、3,3‘−ジカルボキシベンジジン、2,2‘−ビ
ス[3−カルボキシ−4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル]プロパン、ビス[3−カルボキシ−4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル]メタン等が挙げられる。
これらのジアミン化合物は2種類以上を併用しても良
い。
【0022】本発明で使用されるシロキサン変性ポリイ
ミドの製造法をより具体的に説明する。原料として、テ
トラカルボン酸二無水物と式(8)で示すジアミン及び
/又は芳香族ジアミンとを使用する場合、これらを有機
溶媒中、必要に応じてトリブチルアミン、トリエチルア
ミン、亜リン酸トリフェニル等の触媒存在下(反応物の
20重量部以下)で、100℃以上、好ましくは180
℃以上に加熱し、直接ポリイミドを得る方法、テトラカ
ルボン酸二無水物とジアミンとを有機溶媒中、100℃
以下で反応させポリイミドの前駆体であるポリアミド酸
を得た後、必要に応じてp−トルエンスルホン酸等の脱
水触媒(テトラカルボン酸二無水物の1〜5倍モル)を
加え、加熱によりイミド化を行うことでポリイミドを得
る方法、或いはこのポリアミド酸を、無水酢酸、無水プ
ロピオン酸、無水安息香酸等の酸無水物、ジシクロヘキ
シルカルボジイミド等のカルボジイミド化合物等の脱水
閉環剤と、必要に応じてピリジン、イソキノリン、イミ
ダゾール、トリエチルアミン等の閉環触媒(脱水閉環剤
及び閉環触媒はテトラカルボン酸二無水物の2〜10倍
モル)を添加して、比較的低温(室温〜100℃程度)
で化学閉環させる方法等がある。
【0023】上記の反応に用いる有機溶媒としては、N
−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトア
ミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホ
キシド、スルホラン、ヘキサメチルリン酸トリアミド、
1,3−ジメチル−2−イミダゾリドン等の非プロトン
性極性溶媒、フェノール、クレゾール、キシレノール、
p−クロロフェノール等のフェノール系溶媒等が挙げら
れる。また、必要に応じて、ベンゼン、トルエン、キシ
レン、メチルエチルケトン、アセトン、テトラヒドロフ
ラン、ジオキサン、モノグライム、ジグライム、メチル
セロソルブ、セロソルブアセテート、メタノール、エタ
ノール、イソプロパノール、塩化メチレン、クロロホル
ム、トリクレン、ニトロベンゼン等を先の溶媒に混合し
て用いることも可能である。
【0024】また、原料として、テトラカルボン酸二無
水物とジイソシアナートとを使用する場合には、上記し
たポリイミドを直接得る方法に準じて製造することが可
能であり、このときの反応温度は室温以上、特に60℃
以上であることが好ましい。テトラカルボン酸二無水物
とジアミン或いはジイソシアナートとの反応は等モル量
で反応させることにより、高重合度のポリイミドを得る
ことが可能であるが、必要に応じて何れか一方が10モ
ル%以下の範囲で過剰量用いてポリイミドを製造するこ
とも可能である。
【0025】成分(b)のアリル基もしくはメチルアリ
ル基を2個以上含有する化合物としては、下記式(3−
1)または式(3−2)に示される化合物がある。これ
らの化合物は樹脂組成物の硬化後の耐熱性、誘電率特性
を向上させる。またこれらの化合物は一般に市販されて
おり、容易に入手することができる。
【0026】成分(c)のマレイミド基を2個以上含有
する化合物としては、いずれのものも使用できるが、電
気的信頼性、溶剤溶解性等の点から、下記式(7−1)
から式(7−5)に示される化合物が特に好ましい。こ
れらの化合物は一般に市販されており、容易に入手する
ことができる。又従来公知の方法により合成することも
できる。
【0027】
【化9】
【0028】成分(d)としては、上記式(4)で示す
ジアミン化合物または上記式(5)で示す両末端にアミ
ノ基を有するポリシロキサン化合物が使用される。
【0029】式(4)に示すジアミン化合物としては以
下のものが例示される。3,3’−ジアミノビフェニ
ル、3,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミ
ノビフェニル、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、
3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジア
ミノジフェニルメタン、2,2−(3,3’−ジアミノ
ジフェニル)プロパン、2,2−(3,4’−ジアミノ
ジフェニル)プロパン、2,2−(4,4’−ジアミノ
ジフェニル)プロパン、2,2−(3,3’−ジアミノ
ジフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−(3,
4’−ジアミノジフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
2,2−(4,4’−ジアミノジフェニル)ヘキサフル
オロプロパン、3,3’−オキシジアニリン、3,4’
−オキシジアニリン、4,4’−オキシジアニリン、
3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−
ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジ
フェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルス
ルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,
4’−ジアミノジフェニルスルホン、1,3−ビス[1
−(3−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼ
ン、1,3−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−
メチルエチル]ベンゼン、1,4−ビス[1−(3−ア
ミノフェニル]ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフ
ェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノ
キシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)
ベンゼン、3,3’−ビス(3−アミノフェノキシ)ジ
フェニルエーテル、3,3’−ビス(4−アミノフェノ
キシ)ジフェニルエーテル、3,4’−ビス(3−アミ
ノフェノキシ)ジフェニルエーテル、3,4’−ビス
(4−アミノフェノキシ)ジフェニルエーテル、4,
4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ジフェニルエーテ
ル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニ
ルエーテル、1,4−ビス[1−(4−アミノフェニ
ル)−1−メチルエチル−ビス(3−アミノフェノキ
シ)]ビフェニル、3,3’−ビス(4−アミノフェノ
キシ)ビフェニル、3,4’−ビス(3−アミノフェノ
キシ)ビフェニル、3,4’−ビス(4−アミノフェノ
キシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノ
キシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノ
キシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキ
シ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[3−(3
−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビ
ス[3−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパ
ン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェ
ニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−(3
−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−
(3−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプ
ロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)
フェニル]ヘキサフルオロプロパン、9,9−ビス(3
−アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ア
ミノフェニル)フルオレン、メチレンジアミン、ヘキサ
メチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン等。式
(4)におけるR5の好ましい構造としては、次のものが
挙げられる。ビフェニル構造、ジフェニルメタン構造、
ジフェニルプロパン構造、ジフェニルヘキサフルオロプ
ロパン構造、ジフェニルエーテル構造、ジフェニルスル
フィド構造、ジフェニルスルホン構造、ジフェニルベン
ゼン構造、ビスフェノキシベンゼン構造、ビスフェノキ
シジフェニルエーテル構造、ビス(フェニルビスフェノ
キシ)ビフェニル構造、ビスフェノキシビフェニル構
造、ビス(フェノキシフェニル)スルホン構造、ビス
(フェノキシフェニル)プロパン構造、ビス(フェノキ
シフェニル)ヘキサフルオロプロパン構造、ジフェニル
フルオレン構造、炭素原子数1〜12のアルキレン基が
例示される。
【0030】式(5)で示す、両末端にアミノ基を有す
るポリシロキサン化合物としては、例えば、ビス(3−
アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、アミノプ
ロピル末端のジメチルシロキサン4量体、8量体、ビス
(3−アミノフェノキシメチル)テトラメチルジシロキ
サン等が挙げられ、これらを混合して用いることも可能
である。式(5)におけるR6の好ましい構造としては、
炭素原子数1〜4のアルキレン基、二価のフェニル構
造、フェノキシ構造が挙げられる。
【0031】熱硬化性低誘電樹脂組成物の配合割合は、
成分(a)100重量部に対して、成分(b)、成分
(c)及び成分(d)の総和が10〜900重量部、好
ましくは50〜900重量部、より好ましくは100〜
900重量部に設定する。成分(b)、成分(c)及び
成分(d)の総和が上記範囲の下限より少なくなると硬
化した後、樹脂組成物の耐熱性、特にTg、ヤング率の
低下が著しくなり、目的の用途に適さない。また、90
0重量部より多くなると、樹脂組成物をBステージまで
硬化した際に、樹脂組成物自体が脆くなって樹脂の飛び
散りの原因となる。また、成分(b)と成分(c)の配
合割合は、成分(c)のマレイミド基1モル当量に対す
る成分(b)のメチルアリル基が0.1〜2.0モル当
量、好ましくは0.3〜1.8モル当量、より好ましく
は0.5〜1.5モル当量に設定する。アリル基または
メチルアリル基当量が0.1モル当量より少なくなる
と、樹脂組成物の硬化後、電気的な信頼性が悪くなり、
上記範囲より多くなると、混合に際してゲル化するた
め、接着剤を調製することができなくなる。成分(c)
と成分(d)の配合割合は、成分(c)のマレイミド基
1モル当量に対する成分(d)のアミノ基が0.1〜
2.0モル当量、好ましくは0.1〜1.5モル当量、
より好ましくは0.1〜1.0モル当量に設定する。ア
ミノ基当量が0.1モル当量より少なくなると、樹脂組
成物の硬化後、誘電特性が悪くなり、上記範囲より多く
なると、混合に際してゲル化するため、接着剤を調製す
ることができなくなる。
【0032】成分(a)、成分(b)、成分(c)及び
成分(d)の混合は、それらを溶解する溶媒中で行うこ
ともできる。溶媒としては、例えば、N−メチル−2−
ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホ
ラン、ヘキサメチルリン酸トリアミド、1,3−ジメチ
ル−2−イミダゾリドン、ヘキサン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、ジエチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2
−ジメトキシメタン、ジエチレングリコールジメチルエ
ーテル、メチルセロソルブ、セロソルブアセテート、メ
タノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノー
ル、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトニトリル、塩化メ
チレン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、
ジクロロベンゼン、ジクロロエタン、トリクロロエタン
等が挙げられ、これらの中から、各成分が溶解するよう
に種類と量を適宜選択して使用する。
【0033】熱硬化性低誘電樹脂組成物においては、乾
燥時、又は加熱硬化時における反応を促進させるため
に、必要に応じて、ジアザビシクロオクタン、又はメチ
ルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサンパーオ
キサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパー
オキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、
メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルアセ
トンパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオ
キシ)−3,3,5トリメチルヘキサン、1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)−シクロヘキサン、2,2−
ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−
4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレート、2,2
−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハ
イドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイ
ド、ジ−イソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイ
ド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジ
メチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、
1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサ
イド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミ
ルパーオキサイド、ジ−クミルパーオキサイド、α,
α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピ
ル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチ
ルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、アセチルパーオキ
サイド、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパー
オキサイド、デカノイルパーオキサイド、ベンゾイルパ
ーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−
トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、スクシニック
アシッドパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイル
パーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド、ジ−
イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチ
ルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピ
ルパーオキシジカーボネート、ビス−(4−t−ブチル
シクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−ミリ
スティルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシ
エチルパーオキシジカーボネート、ジ−メトキシイソプ
ロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3
−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ジ−ア
リルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシ
アセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t
−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ
ネオデカネート、クミルパーオキシネオデカネート、t
−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、t−ブ
チルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサネート、
t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキ
シベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレ
ート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオ
キシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t
−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、クミル
パーオキシオクテート、t−ヘキシルパーオキシネオデ
カネート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブ
チルパーオキシネオヘキサネート、アセチルシクロヘキ
シルスルフォニルパーオキサイド、t−ブチルパーオキ
シアリルカーボネート等の有機過酸化物、1,2−ジメ
チルイミダゾール、1−メチル−2−エチルイミダゾー
ル、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチル
イミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプ
タデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1
−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−
2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニ
ルイミダゾール・トリメリット酸塩、1−ベンジル−2
−エチルイミダゾール、1−ベンジル−2−エチル−5
−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−
イソプロピルイミダゾール、2−フェニル−4−ベンジ
ルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダ
ゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイ
ミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダ
ゾール、1−シアノエチル−2−イソプロピルイミダゾ
ール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、
1−シアノエチル−2−メチルイミダゾリウムトリメリ
テート、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウ
ムトリメリテート、2,4−ジアミノ−6−[2’−メ
チルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジ
ン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4−メチ
ルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジ
ン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダ
ゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2−メ
チルイミダゾリウムイソシアヌール酸付加物、2−フェ
ニルイミダゾリウムイソシアヌール酸付加物、2,4−
ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−
(1’)]−エチル−s−トリアジン−イソシアヌール
酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチル
イミダゾール、2−フェニル−4−ベンジル−5−ヒド
ロキシメチルイミダゾール、4,4’−メチレン−ビス
−(2−エチル−5−メチルイミダゾール)、1−アミ
ノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル
−2−フェニル−4,5−ジ(シアノエトキシメチル)
イミダゾール、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジ
ルイミダゾリウムクロライド、2−メチルイミダゾール
・ベンゾトリアゾール付加物、1−アミノエチル−2−
エチルイミダゾール、1−(シアノエチルアミノエチ
ル)−2−メチルイミダゾール、N,N’−[2−メチ
ルイミダゾリル−(1)−エチル]−アジポイルジアミ
ド、N,N’−ビス−(2−メチルイミダゾリル−1−
エチル)尿素、N−(2−メチルイミダゾリル−1−エ
チル)尿素、N,N’−[2−メチルイミダゾリル−
(1)−エチル]ドデカンジオイルジアミド、N,N’
−[2−メチルイミダゾリル−(1)−エチル]エイコ
サンジオイルジアミド、1−ベンジル−2−フェニルイ
ミダゾール・塩化水素酸塩等のイミダゾール類、トリフ
ェニルフォスフィン等の反応促進剤を添加することもで
きる。
【0034】熱硬化性低誘電樹脂組成物にシランカップ
リング剤を添加することもできる。また、熱硬化性低誘
電樹脂組成物には、積層板あるいは金属箔張積層板に適
用した場合、樹脂組成物の流動性を安定させるために、
平均粒径1μm以下のフィラーを含ませることができ
る。フィラーの含有率は、全固形分の5〜70重量%、
好ましくは10〜60重量%、より好ましくは20〜5
0重量%の範囲に設定される。含有率が5重量%よりも
低くなると流動性の安定化効果が小さくなり、70重量
%よりも多くなると積層板の接着強度が低下し、誘電率
が上昇する。フィラーとしては、例えば、シリカ、石英
粉、アルミナ、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、ダ
イヤモンド粉、マイカ、フッ素樹脂、ジルコン粉等が使
用される。
【0035】次に、上記の熱硬化性低誘電樹脂組成物を
使用した本発明の積層板及び金属張積層板について説明
する。第2の本発明の繊維強化材に半硬化状態の上記樹
脂組成物を充填した積層板を作製するには、上記の上記
有機溶剤に溶解した熱硬化性低誘電樹脂組成物ワニス
を、繊維強化材に塗布、含浸させ、乾燥すればよい。も
しくは、樹脂組成物からフィルムを作製後、そのフィル
ムを熱圧プレスにより繊維強化材の空孔に充填させる。
その際、乾燥後の樹脂組成物量は繊維強化材、例えば布
の空隙を充填できる量が好ましい。繊維強化材の厚さ
は、0.05〜1mm、好ましくは、0.1〜0.5m
m、より好ましくは0.1〜0.2mmの範囲に設定す
る。薄すぎる場合には繊維強化材の強度が不充分にな
り、厚すぎる場合には、樹脂組成物ワニスの塗布、含浸
が困難となる。
【0036】繊維強化材に用いる材料としては耐熱性繊
維であることが好ましく、具体的には炭素繊維、ガラス
繊維、アラミド繊維、芳香族ポリエステル繊維、ボロン
繊維、シリカ繊維あるいはテトラフルオロカーボン繊維
等を挙げることができる。これらの繊維は、長繊維、短
繊維の何れであっても良く、織布、不織布を使用しても
良い。これらの繊維は、単独で使用しても、2種以上を
併用しても良いが、特にアラミド繊維、芳香族ポリエス
テル繊維あるいはテトラフルオロカーボン繊維が好まし
い。樹脂組成物ワニスを繊維強化材に塗布、含浸させて
作製した積層板は、熱ラミネーター、カレンダー等を使
用して積層板の表面を平滑にしても良い。
【0037】第3の本発明の繊維強化材に半硬化状態の
上記熱硬化性低誘電樹脂組成物を充填した積層板の片面
ないし両面に金属箔を積層一体化した金属箔張積層板を
作製するには、プレス機、真空プレス機又は熱ラミネー
ター等を使用して半硬化状樹脂組成物を充填した上記積
層板の片面ないし両面に金属箔を張り合わせて積層一体
化すればよい。金属箔としては厚さ5μm〜200μm
の銅、白銅、銀、鉄、42合金、ステンレスが好ましく
使用できる。
【0038】上記熱硬化性低誘電樹脂組成物が硬化状態
である金属箔張積層板を作製するには、基材に半硬化状
態の上記熱硬化性低誘電樹脂組成物を充填した積層板と
金属箔を加熱加圧により積層一体化すればよい。金属箔
としては上記のものが使用できる。なお、繊維強化材
に、上記樹脂組成物を充填した半硬化状態の積層板の片
面に金属箔を積層一体化した片面金属箔張積層板の樹脂
組成物面の上に剥離性の保護フィルムを設けてもよい。
保護フィルムとしては、ポリプロピレンフィルム、フッ
素樹脂系フィルム、ポリエチレンフィルム、ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム、紙、及び場合によってはそ
れらにシリコーン樹脂で剥離性を付与したもの等が挙げ
られる。これらの剥離性フィルムは、90゜ピール強度
が0.01〜7.0g/cmの範囲にあることが望まし
い。剥離強度が0.01g/cmより小さい場合には積
層板および片面金属張積層板の搬送時に剥離性フィルム
が簡単に剥離する等の問題があり、7.0g/cmより
大きい場合には剥離性フィルムが積層板および片面金属
張積層板からきれいに剥がれず、作業性が悪くなる。こ
うして得られた低誘電熱硬化性樹脂組成物、積層板及び
金属張積層板(金属を除外した部分)の誘電率は3.0
以下であることが好ましくさらに好ましくは、2.8以
下である。3.0を超えると内回路を微細化することが
困難となる。
【0039】以下、本発明を実施例に基づいてより詳細
に説明する。
【実施例】(シロキサン変性ポリイミド合成例) 合成例1 攪拌機を備えたフラスコに、2,2−ビス[4−(アミ
ノフェノキシ)フェニル]プロパン16.10g(39
ミリモル)と3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジア
ミノジフェニルメタン1.25g(5ミリモル)と1,
3−ビス(アミノフェノキシメチル)−1,1,3,
3,−テトラメチルジシロキサン21.25g(56ミ
リモル)と3,3’,4,4’−ベンゾフェノンホンテ
トラカルボン酸二無水物32.22g(100ミリモ
ル)及びN−メチル−2−ピロリドン(NMP)300
mlとを氷温下で導入し攪拌を1時間続けた。次いでこ
の溶液を室温で3時間反応させポリアミド酸を合成し
た。得られたポリアミド酸に50mlのトルエンと1.
0gのp−トルエンスルホン酸を加え、160℃に加熱
する。トルエンと共沸してきた水分を分離しながらイミ
ド化反応を3時間行った。トルエンを留去し、得られた
ポリイミドワニスをメタノール中に注ぎ、得られた沈殿
を分離、粉砕、洗浄、乾燥させる工程を経ることによ
り、分子量18,000、Tg150℃、誘電率3.0
のシロキサン変性ポリイミド62.5g(収率93%)
を得た。赤外吸収スペクトルを測定したところ、171
8、1783cm−1に典型的なイミドの吸収が認めら
れた。
【0040】合成例2 2,2−ビス[4−(アミノフェノキシ)フェニル]プ
ロパン30.38g(74ミリモル)と3,3’−ジカ
ルボキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン2.3
5g(8ミリモル)とアミノプロピル末端ジメチルシロ
キサン8量体13.64g(18ミリモル)と2,
3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
29.42g(100ミリモル)及びN−メチル−2−
ピロリドン(NMP)300mlとを用いて、合成例1
と同様の方法で分子量25,000、Tg80℃、誘電
率2.9のシロキサン変性ポリイミド67.8g(収率
94%)を得た。
【0041】合成例3 2,2−ビス[4−(アミノフェノキシ)フェニル]プ
ロパン30.44g(74ミリモル)と3,3’−ジカ
ルボキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン1.1
2g(4ミリモル)とアミノプロピル末端ジメチルシロ
キサン8量体16.85g(22ミリモル)と3,
3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸
二無水物35.83g(100ミリモル)及びN−メチ
ル−2−ピロリドン(NMP)300mlとを用いて、
合成例1と同様の方法で分子量21,000、Tg50
℃、誘電率2.9のシロキサン変性ポリイミド75.0
g(収率93%)を得た。 赤外吸収スペクトルを測定
したところ、1718、1783cm−1に典型的なイ
ミドの吸収が認められた。
【0042】合成例4 1、3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン23.
55g(81ミリモル)と3,3’−ジヒドロキシ−
4,4’−ジアミノジフェニルメタン2.06g(9ミ
リモル)とアミノプロピル末端ジメチルシロキサン8量
体8.05g(10ミリモル)と3,3’,4,4’−
ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物20.0
2g(100ミリモル)及びN−メチル−2−ピロリド
ン(NMP)300mlとを用いて、合成例1と同様の
方法で分子量16,000、Tg105℃、誘電率2.
8のシロキサン変性ポリイミド45.6g(収率91
%)を得た。赤外吸収スペクトルを測定したところ、1
718、1783cm−1に典型的なイミドの吸収が認
められた。
【0043】合成例5 2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]
ヘキサフルオロプロパン38.37g(74ミリモル)
と3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノジフェ
ニルメタン1.12g(4ミリモル)とアミノプロピル
末端ジメチルシロキサン8量体16.85g(22ミリ
モル)と3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテト
ラカルボン酸二無水物35.83g(100ミリモル)
及びN−メチル−2−ピロリドン(NMP)300ml
とを用いて、合成例1と同様の方法で分子量20,00
0、Tg55℃、誘電率2.7のシロキサン変性ポリイ
ミド75.0g(収率93%)を得た。赤外吸収スペク
トルを測定したところ、1718、1783cm−1に
典型的なイミドの吸収が認められた。
【0044】(熱硬化性低誘電樹脂組成物作成例) 樹脂組成物作成例1 合成例3で得られたシロキサン変性ポリイミド樹脂10
0重量部、前記式(7−2)で示される化合物69重量
部、前記式(3−1)で示される化合物の内Rがメチル
基である化合物24重量部(マレイミド基1モル当量に
対するメチルアリル基のモル当量は1.0)、前記式
(5)で示される化合物の内R2がプロピレンnが(ゼ
ロ)である化合物7重量部(マレイミド基1モル当量に
対するアミノ基のモル当量は0.25)を、テトラヒド
ロフラン中に添加して充分に混合、溶解し、固形分率3
0重量%の樹脂組成物ワニスを得た。
【0045】樹脂組成物作成例2 前記式(7−2)で示される化合物69重量部を273
重量部に、前記式(3−1)で示される化合物の内Rが
メチル基である化合物24重量部を97重量部に(マレ
イミド基1モル当量に対するメチルアリル基のモル当量
は1.0)、前記式(5)で示される化合物の内R2
プロピレンnが(ゼロ)である化合物7重量部を30重
量部(マレイミド基1モル当量に対するアミノ基のモル
当量は0.25)に変更した以外は樹脂組成物作成例1
と同様に操作して固形分率30重量%の樹脂組成物ワニ
スを得た。
【0046】樹脂組成物作成例3 前記式(7−2)で示される化合物69重量部を616
重量部に、前記式(3−1)で示される化合物の内Rが
メチル基である化合物24重量部を218重量部に(マ
レイミド基1モル当量に対するメチルアリル基のモル当
量は1.0)、前記式(5)で示される化合物の内R2
がプロピレンnが(ゼロ)である化合物7重量部を60
重量部(マレイミド基1モル当量に対するアミノ基のモ
ル当量は0.25)に変更した以外は樹脂組成物作成例
1と同様に操作して固形分率30重量%の樹脂組成物ワ
ニスを得た。
【0047】樹脂組成物作成例4 前記式(7−2)で示される化合物69重量部を306
重量部に、前記式(3−1)で示される化合物の内Rが
メチル基である化合物24重量部を64重量部に(マレ
イミド基1モル当量に対するメチルアリル基のモル当量
は0.5)、前記式(5)で示される化合物の内R2
プロピレンnが(ゼロ)である化合物7重量部を30重
量部(マレイミド基1モル当量に対するアミノ基のモル
当量は0.25)に変更した以外は樹脂組成物作成例1
と同様に操作して固形分率30重量%の樹脂組成物ワニ
スを得た。
【0048】樹脂組成物作成例5 前記式(7−2)で示される化合物69重量部を253
重量部に、前記式(3−1)で示される化合物の内Rが
メチル基である化合物24重量部を117重量部に(マ
レイミド基1モル当量に対するメチルアリル基のモル当
量は1.5)、前記式(5)で示される化合物の内R2
がプロピレンnが(ゼロ)である化合物7重量部を30
重量部(マレイミド基1モル当量に対するアミノ基のモ
ル当量は0.25)に変更した以外は樹脂組成物作成例
1と同様に操作して固形分率30重量%の樹脂組成物ワ
ニスを得た。
【0049】樹脂組成物作成例6 前記式(7−2)で示される化合物69重量部を233
重量部に、前記式(3−1)で示される化合物の内Rが
メチル基である化合物24重量部を155重量部に(マ
レイミド基1モル当量に対するメチルアリル基のモル当
量は1.0)、前記式(5)で示される化合物の内R2
がプロピレンnが(ゼロ)である化合物7重量部を80
重量部(マレイミド基1モル当量に対するアミノ基のモ
ル当量は0.25)に変更した以外は樹脂組成物作成例
1と同様に操作して固形分率30重量%の樹脂組成物ワ
ニスを得た。
【0050】樹脂組成物作成例7 前記式(7−2)で示される化合物69重量部を314
重量部に、前記式(3−1)で示される化合物の内Rが
メチル基である化合物24重量部を39重量部に(マレ
イミド基1モル当量に対するメチルアリル基のモル当量
は1.0)、前記式(5)で示される化合物の内R2
プロピレンnが(ゼロ)である化合物7重量部を47重
量部(マレイミド基1モル当量に対するアミノ基のモル
当量は0.25)に変更した以外は樹脂組成物作成例1
と同様に操作して固形分率30重量%の樹脂組成物ワニ
スを得た。
【0051】樹脂組成物作成例8 前記式(7−2)で示される化合物69重量部を252
重量部に、前記式(3−1)で示される化合物の内Rが
メチル基である化合物24重量部を97重量部に(マレ
イミド基1モル当量に対するメチルアリル基のモル当量
は1.0)、前記式(5)で示される化合物の内R2
プロピレンnが(ゼロ)である化合物7重量部を51重
量部(マレイミド基1モル当量に対するアミノ基のモル
当量は0.5)に変更した以外は樹脂組成物作成例1と
同様に操作して固形分率30重量%の樹脂組成物ワニス
を得た。
【0052】樹脂組成物作成例9 前記式(7−2)で示される化合物69重量部を300
重量部に、前記式(3−1)で示される化合物の内Rが
メチル基である化合物24重量部を前記式(3−2)で
示される化合物の内Rがメチル基である化合物70重量
部に(マレイミド基1モル当量に対するメチルアリル基
のモル当量は1.0)、前記式(5)で示される化合物
の内R2がプロピレンnが(ゼロ)である化合物7重量
部を30重量部(マレイミド基1モル当量に対するアミ
ノ基のモル当量は0.25)に変更した以外は樹脂組成
物作成例1と同様に操作して固形分率30重量%の樹脂
組成物ワニスを得た。
【0053】樹脂組成物作成例10 前記式(7−2)で示される化合物69重量部を307
重量部に、前記式(3−1)で示される化合物の内Rが
メチル基である化合物24重量部を前記式(3−2)で
示される化合物の内Rが水素である化合物63重量部に
(マレイミド基1モル当量に対するメチルアリル基のモ
ル当量は1.0)、前記式(5)で示される化合物の内
2がプロピレンnが(ゼロ)である化合物7重量部を
30重量部(マレイミド基1モル当量に対するアミノ基
のモル当量は0.25)に変更した以外は樹脂組成物作
成例1と同様に操作して固形分率30重量%の樹脂組成
物ワニスを得た。
【0054】樹脂組成物作成例11 前記式(7−2)で示される化合物69重量部を278
重量部に、前記式(1)で示される化合物の内Rがメチ
ル基である化合物24重量部を水素である化合物92重
量部に(マレイミド基1モル当量に対するメチルアリル
基のモル当量は1.0)、前記式(5)で示される化合
物の内R2がプロピレンnが(ゼロ)である化合物7重
量部を30重量部(マレイミド基1モル当量に対するア
ミノ基のモル当量は0.25)に変更した以外は樹脂組
成物作成例1と同様に操作して固形分率30重量%の樹
脂組成物ワニスを得た。
【0055】樹脂組成物作成例12 前記式(7−2)で示される化合物69重量部を前記式
(7−1)で示される化合物306重量部に、前記式
(1)で示される化合物の内Rがメチル基である化合物
24重量部を74重量部に(マレイミド基1モル当量に
対するメチルアリル基のモル当量は1.0)、前記式
(5)で示される化合物の内R2がプロピレンnが(ゼ
ロ)である化合物7重量部を20重量部(マレイミド基
1モル当量に対するアミノ基のモル当量は0.25)に
変更した以外は樹脂組成物作成例1と同様に操作して固
形分率30重量%の樹脂組成物ワニスを得た。
【0056】樹脂組成物作成例13 前記式(7−2)で示される化合物69重量部を前記式
(7−3)で示される化合物289重量部に、前記式
(1)で示される化合物の内Rがメチル基である化合物
24重量部を86重量部に(マレイミド基1モル当量に
対するメチルアリル基のモル当量は1.0)、前記式
(5)で示される化合物の内R2がプロピレンnが(ゼ
ロ)である化合物7重量部を25重量部(マレイミド基
1モル当量に対するアミノ基のモル当量は0.25)に
変更した以外は樹脂組成物作成例1と同様に操作して固
形分率30重量%の樹脂組成物ワニスを得た。
【0057】樹脂組成物作成例14 前記式(7−2)で示される化合物69重量部を前記式
(7−4)で示される化合物の内pが0(ゼロ)である
化合物284重量部に、前記式(1)で示される化合物
の内Rがメチル基である化合物24重量部を90重量部
に(マレイミド基1モル当量に対するメチルアリル基の
モル当量は1.0)、前記式(5)で示される化合物の
内R2がプロピレンnが(ゼロ)である化合物7重量部
を26重量部(マレイミド基1モル当量に対するアミノ
基のモル当量は0.25)に変更した以外は樹脂組成物
作成例1と同様に操作して固形分率30重量%の樹脂組
成物ワニスを得た。
【0058】樹脂組成物作成例15 前記式(7−2)で示される化合物69重量部を前記式
(7−4)で示される化合物の内pが8である化合物3
36重量部に、前記式(1)で示される化合物の内Rが
メチル基である化合物24重量部を52重量部に(マレ
イミド基1モル当量に対するメチルアリル基のモル当量
は1.0)、前記式(5)で示される化合物の内R2
プロピレンnが(ゼロ)である化合物7重量部を12重
量部(マレイミド基1モル当量に対するアミノ基のモル
当量は0.25)に変更した以外は樹脂組成物作成例1
と同様に操作して固形分率30重量%の樹脂組成物ワニ
スを得た。
【0059】樹脂組成物作成例16 前記式(7−2)で示される化合物69重量部を前記式
(7−5)で示される化合物302重量部に、前記式
(1)で示される化合物の内Rがメチル基である化合物
24重量部を77重量部に(マレイミド基1モル当量に
対するメチルアリル基のモル当量は1.0)、前記式
(5)で示される化合物の内R2がプロピレンnが(ゼ
ロ)である化合物7重量部を21重量部(マレイミド基
1モル当量に対するアミノ基のモル当量は0.25)に
変更した以外は樹脂組成物作成例1と同様に操作して固
形分率30重量%の樹脂組成物ワニスを得た。
【0060】樹脂組成物作成例17 前記式(7−2)で示される化合物69重量部を231
重量部に、前記式(1)で示される化合物の内Rがメチ
ル基である化合物24重量部を97重量部に(マレイミ
ド基1モル当量に対するメチルアリル基のモル当量は
1.0)、前記式(5)で示される化合物の内R2がプ
ロピレンnが(ゼロ)である化合物7重量部をnが8で
ある化合物72重量部(マレイミド基1モル当量に対す
るアミノ基のモル当量は0.25)に変更した以外は樹
脂組成物作成例1と同様に操作して固形分率30重量%
の樹脂組成物ワニスを得た。
【0061】樹脂組成物作成例18 前記式(7−2)で示される化合物69重量部を273
重量部に、前記式(1)で示される化合物の内Rがメチ
ル基である化合物24重量部を97重量部に(マレイミ
ド基1モル当量に対するメチルアリル基のモル当量は
1.0)、前記式(5)で示される化合物の内R2がプ
ロピレンnが(ゼロ)である化合物7重量部をヘキサメ
チレンジアミン15重量部(マレイミド基1モル当量に
対するアミノ基のモル当量は0.25)に変更した以外
は樹脂組成物作成例1と同様に操作して固形分率30重
量%の樹脂組成物ワニスを得た。
【0062】樹脂組成物作成例19 樹脂組成物作成例2で得られた樹脂組成物ワニスにシリ
カフィラー150重量部を分散し樹脂組成物ワニスを得
た。
【0063】樹脂組成物作成例20 樹脂組成物作成例2で得られた樹脂組成物ワニスにシリ
カフィラー300重量部を分散し樹脂組成物ワニスを得
た。
【0064】樹脂組成物作成例21 合成例3で得られたシロキサン変性ポリイミドを合成例
1で得られたシロキサン変性ポリイミドに代え以外は樹
脂組成物作成例2と同様に操作して樹脂組成物ワニスを
得た。
【0065】樹脂組成物作成例22 合成例3で得られたシロキサン変性ポリイミドを合成例
2で得られたシロキサン変性ポリイミドに代え以外は樹
脂組成物作成例2と同様に操作して樹脂組成物ワニスを
得た。
【0066】樹脂組成物作成例23 合成例3で得られたシロキサン変性ポリイミドを合成例
4で得られたシロキサン変性ポリイミドに代え以外は樹
脂組成物作成例2と同様に操作して樹脂組成物ワニスを
得た。
【0067】樹脂組成物作成例24 合成例3で得られたシロキサン変性ポリイミドを合成例
5で得られたシロキサン変性ポリイミドに代え以外は樹
脂組成物作成例2と同様に操作して樹脂組成物ワニスを
得た。
【0068】(実施例) 実施例1〜24 樹脂作成例1〜24で得られた樹脂組成物ワニスを芳香
族ポリエステル不織布(厚さ0.1mm、クラレ社製)
100重量部に樹脂組成物を固形分で120重量部含浸
させて140℃の乾燥路中で5分間乾燥させ、プリプレ
グを作成した。得られたプリプレグはタックフリーで可
とう性を有しており作業性に優れていた。このプリプレ
グを4枚重ね合わせ、さらに上下の最外層に18μmの
銅箔を配して、20kg/cm2の圧力で、200℃2
時間の加熱条件で成形し、0.4mmの両面銅張積層板
を得た。得られた積層板の試験結果を表1に示す。
【0069】実施例25 芳香族ポリエステル不織布をアラミド不織布(厚さ0.
1mm、デュポン社製)に代えた以外は実施例1〜24
と同様に操作して0.4mmの両面銅張積層板を得た。
得られた積層板の試験結果を表1に示す。
【0070】実施例26 芳香族ポリエステル不織布をテトラフルオロカーボン不
織布(厚さ0.1mm、巴川社製)に代えた以外は実施
例1〜24と同様に操作して0.4mmの両面銅張積層
板を得た。得られた積層板の試験結果を表1に示す。
【0071】実施例27 厚さ18μmの銅箔を厚さ18μmの42材箔に代えた
以外は実施例1〜24と同様に操作して0.4mmの両
面銅張積層板を得た。得られた積層板の試験結果を表1
に示す。
【0072】比較例1 合成例3で得られたシロキサン変性ポリイミド樹脂10
0重量部と前記式(7−2)で示される化合物400重
量部を、テトラヒドロフラン中に添加して充分に混合、
溶解し、得られた固形分率30重量%の樹脂組成物を用
いて、実施例1〜24と同様に操作して0.4mmの両
面銅張積層板を得た。得られた積層板の試験結果を表1
に示す。
【0073】比較例2 合成例3で得られたシロキサン変性ポリイミド樹脂10
0重量部、式(9)で示される化合物412重量部、前
記式(3−1)の内Rが水素原子である化合物193重
量部(マレイミド基1モル当量に対するメチルアリル基
のモル当量は1.0)を、テトラヒドロフラン中に添加
して充分に混合、溶解した、固形分率30重量%の樹脂
組成物ワニスを用いて、実施例1〜24と同様に操作し
て0.4mmの両面銅張積層板を得た。得られた積層板
の試験結果を表1に示す。
【0074】
【化10】
【0075】比較例3 合成例3で得られたシロキサン変性ポリイミドをアクリ
ロニトリル−ブタジエン共重合体に代えた以外は樹脂組
成物作成例1と同様に操作して樹脂組成物ワニスを用い
て、実施例1〜24と同様に操作して0.4mmの両面
銅張積層板を得た。得られた積層板の試験結果を表1に
示す。
【0076】比較例4 合成例3で得られたシロキサン変性ポリイミドを2,2
−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパ
ン32.74g(80ミリモル)と前記式(8)におい
てY=NH2、R=プロピレン、n=8で表されるジア
ミノシロキサン15.54g(20ミリモル)と2,
3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
29.42g(100ミリモル)及びNMP300ml
から得られた分子量10,000、Tg60℃、誘電率
2.9のシロキサン変性ポリイミドに代えた以外は樹脂
組成物作成例1と同様に操作して樹脂組成物ワニスを用
いて、実施例1〜24と同様に操作して0.4mmの両
面銅張積層板を得た。得られた積層板の試験結果を表1
に示す。 表1 誘電率 ヒ゜ール強度 はんだ耐熱性 PCBT 実施例1 2.4 1.5 kg/cm 異常なし ショート無し 実施例2 2.5 1.5 kg/cm 異常なし ショート無し 実施例3 2.5 1.6 kg/cm 異常なし ショート無し 実施例4 2.5 1.6 kg/cm 異常なし ショート無し 実施例5 2.5 1.5 kg/cm 異常なし ショート無し 実施例6 2.4 1.7 kg/cm 異常なし ショート無し 実施例7 2.4 1.6 kg/cm 異常なし ショート無し 実施例8 2.5 1.5 kg/cm 異常なし ショート無し 実施例9 2.5 1.6 kg/cm 異常なし ショート無し 実施例10 2.6 1.5 kg/cm 異常なし ショート無し 実施例11 2.5 1.5 kg/cm 異常なし ショート無し 実施例12 2.4 1.7 kg/cm 異常なし ショート無し 実施例13 2.6 1.7 kg/cm 異常なし ショート無し 実施例14 2.5 1.6 kg/cm 異常なし ショート無し 実施例15 2.5 1.5 kg/cm 異常なし ショート無し 実施例16 2.4 1.6 kg/cm 異常なし ショート無し 実施例17 2.5 1.7 kg/cm 異常なし ショート無し 実施例18 2.4 1.5 kg/cm 異常なし ショート無し 実施例19 2.4 1.5 kg/cm 異常なし ショート無し 実施例20 2.5 1.5 kg/cm 異常なし ショート無し 実施例21 2.6 1.6 kg/cm 異常なし ショート無し 実施例22 2.5 1.5 kg/cm 異常なし ショート無し 実施例23 2.5 1.6 kg/cm 異常なし ショート無し 実施例24 2.3 1.5 kg/cm 異常なし ショート無し 表1(続) 誘電率 ヒ゜ール強度 はんだ耐熱性 PCBT 実施例25 2.4 1.5 kg/cm 異常なし ショート無し 実施例26 2.5 1.5 kg/cm 異常なし ショート無し 実施例27 2.4 1.7 kg/cm 異常なし ショート無し 比較例1 3.3 1.7 kg/cm 銅箔ふくれ ショート無し 比較例2 3.8 1.6 kg/cm 異常なし ショート無し 比較例3 3.5 1.5 kg/cm 異常なし ショート無し 比較例4 2.4 0.9 kg/cm 異常なし ショート無し (評価方法) 誘電率:JIS C6481(比誘電率及び誘電正接)
に準じて行い周波数1MHzの静電容量を測定して求め
た。 ピール強度:JIS C6481(引きはがし強さ)に
準じて測定した。 はんだ耐熱:JIS C6481(はんだ耐熱性)に準じて測定
し、260℃での外観異常の有無を調べた。 PCBT:積層板の表面にエッチングで線間100μm
のパターンを作成し、そのパターンの上に厚さ0.1m
mのプリプレグを積層し、圧力20kg/cm2、温度
200℃で2時間加熱加圧成形を行い試験体を作成し
た。試験体に5V印加、121℃、2気圧、100%R
H、1000時間の条件でパターン間のショート有無を
調べた。
【0077】
【発明の効果】本発明によれば、低誘電率、耐熱性に優
れ、かつ室温において十分なピール強度を有するため、
プリント配線板等の積層用材料として好適に使用できる
熱硬化性低誘電樹脂組成物及び該樹脂組成物を使用した
積層板が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 健 静岡県静岡市用宗巴町3番1号 株式会社 巴川製紙所電子材料事業部内 (72)発明者 織野 大輔 静岡県静岡市用宗巴町3番1号 株式会社 巴川製紙所電子材料事業部内 Fターム(参考) 4F100 AB01B AB01C AB17 AB33 AB33B AB33C AH02A AH03A AH06A AK43 AK49A AK52A AL06A BA02 BA03 BA06 BA07 BA10A BA10B BA10C DG01A DG15 DH01 EJ20 EJ82 EJ82A GB43 JB13A JG05 JJ03 JL01 JL11 YY00A 4J002 BD152 CF162 CL062 CM041 EJ026 EN038 EU017 EU196 FA042 GF00 GQ00 4J043 PA05 QB15 QB26 QC02 QC07 QC11 RA08 RA35 SA62 SA71 SA72 SB01 SB03 SB04 TA22 TA73 UA122 UA131 UA132 UA141 UA151 UA152 UA221 UB011 UB012 UB022 UB061 UB121 UB122 UB131 UB132 UB141 UB152 UB172 UB281 UB302 UB351 VA021 VA031 VA032 VA052 YA06 ZA02 ZA43 ZB50

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成分(a)下記式(1a)で示される構
    造単位、下記式(1b)で示される構造単位及び下記式
    (1c)で示される構造単位とからなるシロキサン変性
    ポリイミド、成分(b)下記式(3−1)ないし(3−
    2)で示される化合物、成分(c)マレイミド基を2個
    以上含有する化合物および成分(d)下記式(4)で示
    されるジアミン化合物又は下記式(5)で示される両末
    端にアミノ基を有するポリシロキサン化合物を含有する
    ことを特徴とする熱硬化性低誘電樹脂組成物、 【化1】 (式中Xは、直接結合、−O−、−SO2−、−CO−、
    −C(CH32−、−C(CF32−、−COOCH2
    CH2OCO−何れかの結合を示し、Ar1は芳香環を有
    する下記式(2)の構造から選ばれる二価の基を、Ar
    2は1個または2個の水酸基またはカルボキシル基を含
    有する2価の有機基を、Rはメチレン基がSiに結合し
    ている−CH2OC64−または炭素数1〜10のアル
    キレン基を示し、nは1〜20の整数を意味する。)、 【化2】 (式中R1、R2、R3及びR4はそれぞれ同じでも異なっ
    ていてもよく、水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル
    基又はアルコキシ基を示すが、これら全ての基が同時に
    水素原子であることはない。)、 【化3】 2N−R5−NH2 (4) (ただし、式中R5は2価の脂肪族基、芳香族基、脂環
    式基を表す)、 (ただし、式中のR6は、2価の脂肪族基、芳香族基、
    脂環式基を表し、nは1〜8の整数を示す)。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の各成分が、成分(a)1
    00重量部に対して、成分(b)、成分(c)及び成分
    (d)の総和が10〜900重量部であり、成分(c)
    のマレイミド基1モル当量に対し、成分(b)のアリル
    基もしくはメチルアリル基が0.1〜2.0モル当量、
    成分(d)のアミノ基が0.1〜2.0モル当量である
    ことを特徴とする請求項1記載の熱硬化性低誘電樹脂組
    成物。
  3. 【請求項3】 成分(a)のシロキサン変性ポリイミド
    における式(1a)で示される構造単位と式(1b)及
    び式(1c)で示される構造単位の合計量との割合がモ
    ル比で5:95〜50:50の範囲であり、かつ式(1
    b)で示される構造単位と式(1c)で示される構造単
    位との割合がモル比で1:99から99:1の範囲であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の熱硬化性低誘電樹
    脂組成物。
  4. 【請求項4】 成分(a)のシロキサン変性ポリイミド
    の誘電率が3.0以下であることを特徴とする請求項1
    記載の熱硬化性低誘電樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 成分(a)のシロキサン変性ポリイミド
    のガラス転移点温度が150℃以下であることを特徴と
    する請求項1記載の熱硬化性低誘電樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 成分(a)のシロキサン変性ポリイミド
    の重量平均分子量が5,000〜500,000であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の熱硬化性低誘電樹脂組
    成物。
  7. 【請求項7】 成分(c)のマレイミド基を2個以上含
    有する化合物が、下記式(7−1)ないし(7−5) 【化4】 で示される化合物であることを特徴とする請求項1に記
    載の熱硬化性低誘電樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 繊維強化材に、請求項1〜8記載の半硬
    化状態の熱硬化性低誘電樹脂組成物を充填したプリプレ
    グを1枚もしくは2枚以上積層したことを特徴とする積
    層板。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の積層板の片面ないし両面
    に金属箔が積層されていることを特徴とする金属箔張積
    層板。
  10. 【請求項10】 積層板の熱硬化性低誘電樹脂組成物が
    硬化状態であることを特徴とする請求項9記載の金属箔
    張積層板。
  11. 【請求項11】 請求項8〜10記載の繊維強化材がア
    ラミド繊維、芳香族ポリエステル繊維、テトラフルオロ
    カーボン繊維の織物または不織布であることを特徴とす
    る積層板または金属箔張積層板。
  12. 【請求項12】 硬化状態である熱硬化性低誘電樹脂組
    成物層の誘電率が3.0以下であることを特徴とする請
    求項10記載の積層板または金属箔張積層板
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014019796A (ja) * 2012-07-18 2014-02-03 Hitachi Chemical Co Ltd 熱硬化性樹脂組成物、これを用いたプリプレグ、積層板及びプリント配線板

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