JP2016069651A - ポリイミド樹脂組成物、接着剤組成物、プライマー組成物、積層体及び樹脂付き銅箔 - Google Patents

ポリイミド樹脂組成物、接着剤組成物、プライマー組成物、積層体及び樹脂付き銅箔 Download PDF

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崇司 田崎
Takashi Tazaki
崇司 田崎
辻 雅之
Masayuki Tsuji
雅之 辻
淳 塩谷
Atsushi Shiotani
淳 塩谷
太陽 中村
Taiyou Nakamura
太陽 中村
山口 貴史
Takashi Yamaguchi
貴史 山口
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Abstract

【課題】極めて低い誘電正接と誘電率、優れた耐熱性を有し、かつ、銅配線などの回路配線パターンと、絶縁フィルムやプリプレグなどの絶縁層との両方に対する高い密着性を有するポリイミド樹脂組成物、及び前記ポリイミド樹脂組成物を用いた接着剤組成物、及びプライマー組成物の提供。【解決手段】式(1)で表される繰り返し構造を有するポリイミド樹脂及び架橋成分を有するポリイミド樹脂組成物。(nは整数1〜100)【選択図】なし

Description

本発明は、ポリイミド樹脂組成物、接着剤組成物及びプライマー組成物、積層体及び樹脂付き銅箔に関する。
近年、スマートフォン、タブレットパソコン等の高機能モバイル端末の処理データの高速化・大容量化に対応するためにデジタル信号の高周波化が進んでいる。このような高周波電子部品の高性能化のためには、伝送するプリント配線の設計が重要であり、高次の高周波を含む高速なデジタル信号の品質を損なうことなく、信号伝播速度を高速化させる必要がある。
これらのうち、高周波デジタル信号の伝送損失の低減には、誘電正接・誘電率が小さいことが必要とされている。このため、プリント配線板などの、近年の高機能モバイル端末等の高周波電子部品に用いる各材料には、極めて低い誘電正接及び誘電率が求められている。
プリント配線板は、絶縁層と銅箔を積層させ、銅箔をエッチングによって回路形成する事で得られる。絶縁層としては、一般に耐熱性および電気絶縁性に優れたポリイミド、液晶ポリマー等を素材とする耐熱性有機絶縁フィルムや、ガラスクロスにエポキシ樹脂、硬化剤、フィラーなどを含浸させて得られるプリプレグという材料が用いられる。これらと銅箔を積層させる際、基材の種類、表面状態、プリント配線板としての目標物性に応じて、接着剤層やプライマー層を使用する。
高周波電子部品に用いるプリント基板の場合、特に銅回路の周りの絶縁層に、低誘電正接・低誘電率が求められる。従って接着剤層、プライマー層には特に低誘電正接・低誘電率が求められる。さらに近年の配線密度や実装密度の格段の増加に伴い、プリント配線板の耐熱性、接着性、作業性につき一層の向上が求められている。特にフレキシブルプリント基板の場合は接着剤層、リジッド基板の場合は樹脂付き銅箔の樹脂において、銅配線などの回路配線パターンと絶縁フィルムやプリプレグなどの絶縁層の両方に対して、高い接着性が要求される。またそれに加え、電子部品の信頼性(例えば実装後の反りへの耐性など)を担保するファクターとして耐熱性も重要である。この物性は一般的に、接着層、プライマー層としてのTg(ガラス転移温度)で判断される。
プリント配線板に求められる耐熱性に対しては、本出願人が「芳香族テトラカルボン酸類(a1)および特定のダイマージアミンを30モル%以上含むジアミン類(a2)を反応させてなるポリイミド樹脂(A)、熱硬化性樹脂(B)、難燃剤(C)、ならびに有機溶剤(D)を含むポリイミド系接着剤組成物」を提案している(特許文献1参照)。しかしながら、このポリイミド系接着剤組成物における低誘電正接・低誘電率は検討されておらず、耐熱性についても改善の余地があった。
このように、各電子部品材料を貼り合せるために用いられる樹脂組成物の種類には様々なものがあるが、高い接着性と耐熱性を有しつつ、極めて低い誘電正接・誘電率を有する樹脂組成物の開発が望まれている。これに対して、「ナフタレン骨格と水酸基の水素原子がアシル基で置換された構造を有する重量平均分子量5,000〜200,000のフェノキシ樹脂(A)と、溶剤(B)とを含有することを特徴とする樹脂組成物」が提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、低誘電正接・低誘電率を有することが記載されているものの、銅配線などの回路配線パターンと、絶縁フィルムやプリプレグなどの絶縁層の両方に対する接着性については、言及されていない。また耐熱性に関しても、十分なものではなかった。
特許5534378号公報 特許5326188号公報
極めて低い誘電正接と誘電率、優れた耐熱性を有し、かつ、銅配線などの回路配線パターンと、絶縁フィルムやプリプレグなどの絶縁層との両方に対する高い密着性、高い加工性(相溶性)を有するポリイミド樹脂組成物を提供することを目的とする。また、このポリイミド樹脂組成物を用いた接着剤組成物、このポリイミド樹脂組成物を用いたプライマー組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討したところ、特定の繰り返し単位を有するポリイミド樹脂組成物を用いることにより、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、一般式(1)で表される繰り返し構造を有するポリイミド樹脂及び架橋成分を有するポリイミド樹脂組成物である(本発明1)。
(一般式(1)において、nは整数1〜100を示す。)
また、本発明2は、本発明1のポリイミド樹脂組成物を含む接着剤組成物である。
本発明3は、本発明1のポリイミド樹脂組成物を含むプライマー組成物である。
本発明4は、本発明2の接着剤組成物を用いた積層体である。
本発明5は、本発明3のプライマー組成物を用いた樹脂付き銅箔である。
本発明によれば、誘電正接・誘電率が低く、銅回路配線パターンと高い接着性(剥離強度)を有し、高い耐熱性を有するポリイミド樹脂組成物を提供することができる。また、回路配線パターンと絶縁フィルムとの両方に対して高い接着性を有し、接着剤・プライマーとして優れた加工性(相溶性)を有するため、特に電子部品回路基板に用いられる接着剤組成物・プライマー組成物として好適である。また、回路配線パターンと接着剤やコーティング剤とも高い接着性を有するので、特に電子部品回路基板に用いられるプライマー組成物としても好適である。
本発明は、一般式(1)で表される繰り返し構造を有するポリイミド樹脂及び架橋成分を有するポリイミド樹脂組成物である。

(一般式(1)において、nは整数1〜100を示す。)
上記ポリイミド樹脂が有する一般式(1)の繰り返し単位は、下記一般式(2)で表される2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパンジアンヒドリド由来の部分と下記一般式(3)で表される1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン由来の部分を1:1の割合で有する。また、この繰り返し単位nは1〜100である。100を超えると架橋成分との相溶性が悪化する。
上記ポリイミド樹脂は、各種公知の方法により製造できる。例えば、先ず、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパンジアンヒドリドと1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンを、通常60〜120℃程度、好ましくは80〜100℃程度の温度において、通常0.1〜5時間程度、好ましくは0.1〜3時間程度、重付加反応させる。次いで、得られた重付加物を更に80〜250℃程度、好ましくは100〜200℃程度の温度において、0.5〜50時間程度、好ましくは1〜20時間程度イミド化反応、即ち脱水閉環反応させることにより、上記ポリイミド樹脂が得られる。
上記イミド化反応においては、各種公知の反応触媒、脱水剤、および後述する有機溶剤を使用できる。反応触媒としては、トリエチルアミン等の脂肪族第3級アミン類、ジメチルアニリン等の芳香族第3級アミン類、ピリジン、ピコリン、イソキノリン等の複素環式第3級アミン類等が挙げられる。また、脱水剤としては、例えば無水酢酸等の脂肪族酸無水物や無水安息香酸等の芳香族酸無水物などが挙げられる。
上記2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパンジアンヒドリドと1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンの仕込み比は特に限定されないが、上記ポリイミド樹脂の架橋成分への溶解性や、製膜する際に十分な平坦性が得られる点で、〔前者の使用モル数/後者の使用モル数〕が通常0.6〜1.4程度、好ましくは0.9〜1.2程度となる範囲である。より好ましくは、1.0〜1.18である。
本発明のポリイミド樹脂組成物に含まれるポリイミド樹脂の誘電正接は0.015以下である事が好ましい。より好ましくは0.01以下である。この範囲であれば、近年高性能化が求められている高周波電子部品に用いることが可能となる。
本発明のポリイミド樹脂組成物に含まれるポリイミド樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)は、130℃以上である事が好ましい。より好ましくは150℃〜200℃である。更に好ましくは、150〜180℃である。これにより本発明のポリイミド樹脂組成物は高い耐熱性を有するといえ、近年高性能化が求められている高周波電子部品に好適に用いることが可能となる。
本発明のポリイミド樹脂組成物の数平均分子量は、3,000〜50,000が好ましい。より好ましくは、4,000〜20,000である。更に好ましくは、5,000〜15,000である。
上記架橋成分としては、特に限定されず各種公知のものを使用することができる。具体的には、例えばオリゴ・フェニレン・エーテル、ビスマレイミド樹脂、エポキシ樹脂、シアネートエステル、ベンゾオキサジン等が挙げられる。これらの中でも一般的に接着性が良好である点でエポキシ樹脂、シアネートエステル及びオリゴ・フェニレン・エーテルが好ましい。
上記オリゴ・フェニレン・エーテルは、特に限定されず、具体的に、市販品の2官能型のコアの両末端にポリフェニレンエーテルが結合したもの(オリゴ・フェニレン・エーテル、OPE、三菱ガス化学株式会社製)、OPEのエポキシ誘導体(三菱ガス化学株式会社製)、OPEのスチレン誘導体(三菱ガス化学株式会社製)等が挙げられる。これらは2種以上を組み合わせてもよい。
上記ビスマレイミド樹脂は、特に限定されず、具体的には4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、m−フェニレンビスマレイミド、ビスフェノールAジフェニルエーテルビスマレイミド、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド、1,6’−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサン、4,4’−ジフェニルエーテルビスマレイミド、4,4’−ジフェニルスルフォンビスマレイミド等が挙げられる。また、市販品としては例えば、JFEケミカル(株)社製の「BAF−BMI」等が挙げられ、これらは2種以上を組み合わせてもよい。
上記エポキシ樹脂としては、例えばフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリアジン骨格含有エポキシ樹脂、フルオレン骨格含有エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有エポキシ樹脂、ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂、アリールアルキレン型エポキシ樹脂、これらエポキシ樹脂をダイマー酸で変性してなる変性エポキシ樹脂、ダイマー酸ジグリシジルエステル等が挙げられ、当該接着剤組成物の接着性、樹脂相溶性の観点よりビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂および脂環式エポキシ樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。また、市販品としては例えば、三菱化学(株)製の「jER828」や「jER834」、「jER807」、新日鐵化学(株)製の「ST−3000」、ダイセル化学工業(株)製の「セロキサイド2021P」、新日鐵化学(株)製の「YD172−X75」等が挙げられ、これらは2種以上を組み合わせてもよい。
上記シアネートエステルは、特に限定されず、具体的には2−アリルフェノールシアネートエステル、4−メトキシフェノールシアネートエステル、2,2−ビス(4−シアナトフェノール)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビスフェノールAシアネートエステル、ジアリルビスフェノールAシアネートエステル、4−フェニルフェノールシアネートエステル、1,1,1−トリス(4−シアナトフェニル)エタン、4−クミルフェノールシアネートエステル、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)エタン、4,4’−ビスフェノールシアネートエステル、および2,2‐ビス(4‐シアナトフェニル)プロパン等が挙げられ、例えば「PRIMASET BTP−6020S(ロンザジャパン(株)製)」等の市販品を使用できる。これらは2種以上を組み合わせてもよい。
上記ベンゾオキサジン樹脂としては、例えば、6,6−(1−メチルエチリデン)ビス(3,4−ジヒドロ−3−フェニル−2H−1,3−ベンゾオキサジン)、6,6−(1−メチルエチリデン)ビス(3,4−ジヒドロ−3−メチル−2H−1,3−ベンゾオキサジン)等が挙げられる。なお、オキサジン環の窒素にはフェニル基、メチル基、シクロヘキシル基等が結合していてもよい。また、市販品としては例えば、四国化成工業(株)社製の「ベンゾオキサジンF−a型」や「ベンゾオキサジンP−d型」、エア・ウォ−タ−社製の「RLV−100」等が挙げられ、これらは2種以上を組み合わせてもよい。
なお、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合には、各種公知のエポキシ樹脂用硬化剤を併用できる。具体的には、例えば、無水コハク酸、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸、あるいは4−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸とヘキサヒドロ無水フタル酸との混合物、テトラヒドロ無水フタル酸、メチル−テトラヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸、ノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチルノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物等の酸無水物系硬化剤;ジシアンジアミド(DICY)、芳香族ジアミン等のアミン系硬化剤;フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールA型ノボラック樹脂、トリアジン変性フェノールノボラック樹脂、フェノール性水酸基含有ホスファゼン(大塚化学(株)製の商品名「SPH−100」等)等のフェノール系硬化剤、環状ホスファゼン系化合物等が挙げられる。これらの中でもフェノール系硬化剤、特にフェノール性水酸基含有ホスファゼン系硬化剤は、本発明の積層体に難燃性を付与しやすくなるため好ましい。これら硬化剤の使用量は特に制限されないが、ポットライフと反応性のバランスの観点から、通常、本発明のポリイミド樹脂組成物の固形分を100重量%とした場合において0.01〜5重量%程度である。
また、エポキシ樹脂とその硬化剤の反応を促進するための触媒として、例えば、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの三級アミン類;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾールなどのイミダゾ−ル類;トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィンなどの有機ホスフィン類;テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレートなどのテトラフェニルボロン塩等を使用することができ、これらは2種以上を組み合わせてもよい。また、当該触媒の使用量は特に制限されないが、通常、本発明のポリイミド樹脂組成物の固形分を100重量%とした場合において0.01〜5重量%程度である。
本発明のポリイミド樹脂組成物中の上記ポリイミド樹脂と上記架橋成分の配合割合は、ポリイミド樹脂:架橋成分が60〜90重量%:10〜40重量%であることが好ましい。より好ましくは、70〜90重量%:10〜30重量%ある。さらに好ましくは、80〜90重量%:10〜20重量%である。この配合割合とすることで、接着性、耐熱性、誘電特性及び加工性(相溶性)のバランスを両立させたポリイミド樹脂組成物を得ることが可能となる。
上記ポリイミド樹脂組成物は、ポリイミド樹脂と、架橋成分を常温で混合することにより得られる。順序、混合時の温度に特に制限は無い。また架橋成分とポリイミド樹脂との相溶性や、作業性を向上させるために、希釈溶剤を使用することもできる。その種類に制限は無いが、溶解性と乾燥性の面から、トルエン、ケトン系溶剤、DMAcなどが好ましい。
本発明のポリイミド樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で他の反応成分を追加しても良い。また、必要に応じて、有機又は無機のフィラー、消泡材、レベリング材、安定剤、酸化防止剤などの各種添加剤を添加してもよい。
上記の他のモノマーとしては、例えば酸無水物としては、各種公知の芳香族テトラカルボン酸無水物を使用できる。具体的には、例えば、ピロメリット酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,3’,4,4’−テトラカルボキシフェニル)テトラフルオロプロパン二無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシフェニル)スルホン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸無水物、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸無水物及び4,4’−[プロパン−2,2−ジイルビス(1,4−フェニレンオキシ)]ジフタル酸二無水物等が挙げられ、またジアミンとしては、α,ω−ビス(2−アミノエチル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(4−アミノブチル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(5−アミノペンチル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス[3−(2−アミノフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス[3−(4−アミノフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサン等の脂環式ジアミンや、ダイマージアミンなどの脂肪族系ジアミンや、ジアミノシクロヘキサン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、ジメチル−ジアミノジシクロヘキシルメタン、テトラメチル−ジアミノジシクロヘキシルメタン、ジアミノジシクロヘキシルプロパン、ジアミノビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビス(アミノメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、3(4),8(9)−ビス(アミノメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、イソホロンジアミンなどが例示される。これらの中でも、ジアミノシクロヘキサン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、ジメチル−ジアミノジシクロヘキシルメタン、ジアミノビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビス(アミノメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、3(4),8(9)−ビス(アミノメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、イソホロンジアミン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン及び1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンなどのシリコーンジアミン等が挙げられ、これらは二種以上組み合わせてもよい。
本発明のポリイミド樹脂組成物の硬化物の誘電正接は、特に限定されないが0.015以下であることが好ましい。この範囲であれば、近年高性能化が求められている高周波電子部品に好適に用いることが可能となる。より好ましくは0.01以下である。
上記誘電正接の測定方法は、開放型共振器法、ストリップライン共振器法、マイクロストリップライン共振法、摂動方式空洞共振器法を用いて行うのが好ましい。
上記ポリイミド樹脂組成物を含む接着剤組成物もまた本発明の1つである。接着剤組成物は、上記ポリイミド樹脂組成物のほか難燃剤、フィラー、イオン捕捉剤などを含むことができる。
上記難燃剤としてはフェノキシフォスファゼン、ポリリン酸メラミン、フィラーとしてはシリカフィラー、銀粉、イオン捕捉剤としては有機イオン交換樹脂、ゼオライトなどが挙げられる。
上記接着剤組成物は、極めて低い誘電正接、優れた耐熱性を有し、かつ、絶縁フィルムと回路配線パターンとの高い密着性を有することから、例えば、電子部品用のプリント配線基板における、絶縁フィルムと回路配線パターンとを接着するのに用いることができる。
上記絶縁フィルムとしては、例えば、ポリイミド、ポリイミド−シリカハイブリッド、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、ポリスチレン樹脂(PSt)、ポリカーボネート樹脂(PC)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS)、エチレンテレフタレートやフェノール、フタル酸、ヒドロキシナフトエ酸等とパラヒドロキシ安息香酸とから得られる芳香族系ポリエステル樹脂(所謂液晶ポリマー;(株)クラレ製、「ベクスター」等)などの有機基材が挙げられる。
上記ポリイミド樹脂組成物を含むプライマー組成物もまた本発明の1つである。プライマー組成物は、上記ポリイミド樹脂組成物のほか難燃剤、フィラー、イオン捕捉剤など等の他の成分を含むことができる。
上記難燃剤としては、フェノキシフォスファゼン、ポリリン酸メラミンが挙げられる。フィラーとしてはシリカフィラー、銀粉が挙げられる。イオン捕捉剤としては有機イオン交換樹脂、ゼオライトなどが挙げられる。
上記ポリイミド樹脂組成物と難燃剤・導電フィラー・イオン捕捉剤等の他の成分の配合割合は100重量部:1〜42重量部である。
上記プライマー組成物は、極めて低い誘電正接、優れた耐熱性を有し、銅配線などの金属導電層や、絶縁フィルムやプリプレグなどの絶縁層に対し高い接着性を有することから、例えば、メインボード、パッケージ基板に使用される樹脂付き銅箔(RCC)の樹脂組成物に好適である。
本発明の接着剤組成物を用いた積層体もまた本発明の1つである。本発明の積層体は、本発明の接着剤組成物のシート状未硬化物の接着面にシート基材を熱圧着させることにより得られる。このような積層体(接着シート)は、耐熱性、接着性、電気特性が良好であることから、高周波基板に好適に使用することができる。
上記シート基材としては、ガラス、鉄、アルミ、42アロイ、銅等の金属や、ITO、シリコンおよびシリコンカーバイド等の無機基材が好適でありその厚みは用途に応じて適宜設定できる。また、当該積層体は、更に加熱処理したものであってよい。
本発明のプライマー組成物を用いた樹脂付き銅箔もまた本発明の1つである。これは、銅箔にプライマー組成物を塗工、乾燥などで形成することで製造することができる。本発明の樹脂付き銅箔は、耐熱性、接着性、電気特性が良好であることから、高周波基板用のメインボード、パッケージ基板に好適に使用することができる。
上記銅箔としては、電解銅箔、圧延銅箔、アルミニウム箔またはステンレス箔等を例示する事ができる。これらの中でも電解銅箔や圧延銅箔が導電性、耐熱性、力学強度、表面平滑性が優れており好ましい。一般にFPCやTAB用には接着剤との密着性を得る目的で、銅箔の接着面の表面粗度を上げた表面処理銅箔が使用されているが、本発明のプライマー組成物から得られる硬化物は、接着剤を使用しなくても銅箔との密着性が極めて優れているため、また特に表面粗化の必要がなく、未処理銅箔やファインピッチ、高周波対応の粗度の低い銅箔でも充分な密着性が得られる。そのため、銅箔として、表面粗度の余り大きくない、特に金属箔積層体としては表面粗さ(Rz)が7μm以下、特にRzが2.2μm以下の銅箔を用いるのが好ましい。金属箔の厚さは特に制限はないが、ファインピッチ基板に用いるには70μm以下、特に20μm以下であることが好ましい。
以下、実施例及び比較例をあげて本発明方法を更に詳しく説明するが、本発明がこれらに限定されないことはもとよりである。なお、実施例中、部または%は重量基準である。
製造例1
撹拌機、分水器、温度計及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシシフェノキシ)フェニル]プロパンジアンヒドリド(商品名「BisDA‐1000」、SABICイノベーティブプラスチックスジャパン合同会社製。以下、単にジイルビスフェニレンオキシジフタル酸二無水物という。)を455.00g、メチルシクロヘキサンを130.43g、ジメチルアセトアミドを782.60g仕込み、溶液を100℃まで加熱した。ついで、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(三菱ガス化学(株)製)113.15gを徐々に添加した後、130℃まで加熱し、36時間かけてイミド化反応を実施したのち、ジメチルアセトアミドを添加し、不揮発分を30.0%に調整したポリイミド樹脂の溶液を得た。なお、酸成分/アミン成分のモル比は1.10であった。数平均分子量は8,000だった。
製造例2
撹拌機、分水器、温度計及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、ジイルビスフェニレンオキシジフタル酸二無水物を455.00g、メチルシクロヘキサンを130.43g、ジメチルアセトアミドを782.60g仕込み、溶液を100℃まで加熱した。ついで、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン 108.23gを徐々に添加した後、130℃まで加熱し、36時間かけてイミド化反応を実施したのち、ジメチルアセトアミドを添加し、ポリイミド樹脂の溶液(不揮発分30.0%)を得た。なお、酸成分/アミン成分のモル比は1.15であった。数平均分子量は9,000だった。
製造例3
撹拌機、分水器、温度計及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、ジイルビスフェニレンオキシジフタル酸二無水物を455.00g、メチルシクロヘキサンを130.43g、ジメチルアセトアミドを782.60g仕込み、溶液を100℃まで加熱した。ついで、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン 118.53gを徐々に添加した後、130℃まで加熱し、36時間かけてイミド化反応を実施したのち、ジメチルアセトアミドを添加し、ポリイミド樹脂の溶液(不揮発分30.0%)を得た。なお、酸成分/アミン成分のモル比は1.05であった。数平均分子量は12,000だった。
比較製造例1
撹拌機、分水器、温度計及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、ジイルビスフェニレンオキシジフタル酸二無水物を455.00g、メチルシクロヘキサンを130.43g、ジメチルアセトアミドを782.60g仕込み、溶液を100℃まで加熱した。ついで、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン 118.53gを徐々に添加した後、130℃まで加熱し、36時間かけてイミド化反応を実施したのち、ジメチルアセトアミドを添加し、ポリイミド樹脂の溶液(不揮発分30.0%)を得た。なお、酸成分/アミン成分のモル比は1.20であった。数平均分子量は6,000だった。
比較製造例2
撹拌機、分水器、温度計及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、ジイルビスフェニレンオキシジフタル酸二無水物を455.00g、メチルシクロヘキサンを130.43g、ジメチルアセトアミドを782.60g仕込み、溶液を100℃まで加熱した。ついで、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン118.53gを徐々に添加した後、130℃まで加熱し、イミド化を試みたが、反応容器内で白濁し、凝集が発生し、透明な液を得ることができなかった。なお、酸成分/アミン成分のモル比は1.05であった。
比較製造例3
撹拌機、分水器、温度計及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(商品名「BTDA」、ダイセル化学工業(株)製。以下、単にベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物という。)53.00g、シクロヘキサノン185.50g、メチルシクロヘキサン37.10gを仕込み、溶液を60℃まで加熱した。ついで、ダイマージアミン(商品名「PRIAMINE1075」、クローダジャパン(株)製。以下、単にダイマージアミンという。)85.40gを滴下した後、140℃で1時間かけてイミド化反応させることにより、ポリイミド樹脂の溶液(不揮発分38.0%)を得た。なお、酸成分/アミン成分のモル比は1.04であった。
実施例1
ポリイミド樹脂として製造例1のポリイミド樹脂の溶液6.00g、架橋成分としてフェノールノボラック型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)製、商品名「YDPN638」)0.45gおよび有機溶剤としてトルエン1.04g加え、よく撹拌することによって、不揮発分30.0%の接着剤組成物を得た。
実施例2
ポリイミド樹脂として製造例2のポリイミド樹脂の溶液6.00g、架橋成分としてフェノールノボラック型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)製、商品名「YDPN638」)0.45gおよび有機溶剤としてトルエン1.04g加え、よく撹拌することによって、不揮発分30.0%の接着剤組成物を得た。
実施例3
ポリイミド樹脂として製造例3のポリイミド樹脂の溶液6.00g、架橋成分としてフェノールノボラック型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)製、商品名「YDPN638」)0.45gおよび有機溶剤としてトルエン1.04g加え、よく撹拌することによって、不揮発分30.0%の接着剤組成物を得た。
実施例4
ポリイミド樹脂として製造例1のポリイミド樹脂の溶液6.00g、架橋成分としてフェノールノボラック型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)製、商品名「YDPN638」)0.20gおよび有機溶剤としてトルエン0.47g加え、よく撹拌することによって、不揮発分30.0%の接着剤組成物を得た。
実施例5
ポリイミド樹脂として製造例1のポリイミド樹脂の溶液6.00g、架橋成分としてフェノールノボラック型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)製、商品名「YDPN638」)0.77gおよび有機溶剤としてトルエン1.80g加え、よく撹拌することによって、不揮発分30.0%の接着剤組成物を得た。
実施例6
ポリイミド樹脂として製造例1のポリイミド樹脂の溶液6.00g、架橋成分としてフェノールノボラック型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)製、商品名「YDPN638」)1.20gおよび有機溶剤としてトルエン2.80g加え、よく撹拌することによって、不揮発分30.0%の接着剤組成物を得た。
実施例7
ポリイミド樹脂として製造例1のポリイミド樹脂の溶液6.00g、架橋成分として多官能エポキシ樹脂(三菱瓦斯化学(株)製、商品名「TetradX」)0.45gおよび有機溶剤としてトルエン1.04g加え、よく撹拌することによって、不揮発分30.0%の接着剤組成物を得た。
実施例8
ポリイミド樹脂として製造例1のポリイミド樹脂の溶液6.00g、架橋成分として多官能エポキシ樹脂(三菱化学(株)製、商品名「jER630」)0.45gおよび有機溶剤としてトルエン1.04g加え、よく撹拌することによって、不揮発分30.0%の接着剤組成物を得た。
実施例9
ポリイミド樹脂として製造例1のポリイミド樹脂の溶液6.00g、架橋成分として液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製、商品名「jER828」)0.20g、水酸基含有フェノキシフォスファゼン(大塚化学(株)製、商品名「SPH−100」)0.25g、イミダゾール(四国化成(株)製、商品名「C11Z−CN」)0.002g、および有機溶剤としてトルエン0.5g、メチルエチルケトン0.56g加え、よく撹拌することによって、不揮発分30.0%の接着剤組成物を得た。
比較例1
ポリイミド樹脂として比較製造例1のポリイミド樹脂の溶液6.00g、架橋成分としてフェノールノボラック型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)製、商品名「YDPN638」)0.45gおよび有機溶剤としてトルエン1.04g加え、よく撹拌することによって、不揮発分30.0%の接着剤組成物を得た。
比較例2
ポリイミド樹脂として比較製造例3のポリイミド樹脂の溶液6.00g、架橋成分としてフェノールノボラック型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)製、商品名「YDPN638」)0.57gおよび有機溶剤としてトルエン2.94g加え、よく撹拌することによって、不揮発分30.0%の接着剤組成物を得た。
比較例3
ポリイミド樹脂として製造例1のポリイミド樹脂の溶液6.00g、架橋成分としてフェノールノボラック型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)製、商品名「YDPN638」)1.80gおよび有機溶剤としてトルエン4.20g加え、よく撹拌することによって、不揮発分30.0%の接着剤組成物を得た。
<接着剤硬化物(粘弾性測定、誘電率測定用)の作製>
実施例、比較例で調製した接着剤組成物溶液をPETフィルムに塗布、80℃×3hで乾燥後、PETから剥離させ、金属枠に固定し、180℃×6hで硬化させ、膜厚約100μmの接着剤硬化物を得た。
<積層体1(接着剤組成物評価用サンプル)の作製>
実施例1の接着剤組成物を、ブロック共重合ポリイミド−シリカハイブリッドフィルム(商品名「ポミランN25」、荒川化学工業(株)製;熱膨張係数=18ppm、引張弾性率=5.9GPa、膜厚25μm)に、乾燥後の厚みが10μmとなるようギャップコーターにて塗布した後、200℃で3分間乾燥させることによって接着シートを得た。比較例の接着剤組成物についても同様にして接着シートを得た。次いで、接着シートの接着面に、18μm厚の電解銅箔(商品名「F2−WS」、古河サーキットフォイル(株)製)の処理面を重ね合わせ、圧力4.5MPa、200℃及び30分間の条件で加熱プレスすることにより、積層体1を作製した。比較例1の接着剤組成物についても同様にして積層体1を得た。
<積層体2(プライマー組成物評価用サンプル)の作製>
実施例1の接着剤組成物を、18μm厚の電解銅箔鏡面に、乾燥後の厚みが5μmとなるようギャップコーターにて塗布した後、200℃で3分間乾燥させることによってプライマー付き銅箔を得た。次いで、プライマー付き銅箔のプライマー面に、80μm厚のエポキシプリプレグ(商品名「5100」、(株)寺岡製作所製)を重ね合わせ、圧力4.5MPa、200℃及び30分間の条件で加熱プレスすることにより、積層体2を作製した。比較例1の接着剤組成物についても同様にして積層体2を得た。
<接着性試験>
実施例および比較例の各積層体について、JIS C−6481に準じて剥離強度を測定した。結果を表1に示す。
<粘弾性測定試験>
動的粘弾性測定装置(製品名「EXTAR6000 DMS6100」、セイコーインスツル(株)製)を用いて、実施例、比較例の接着剤硬化物の粘弾性を測定した(昇温速度5℃/min)。損失係数tanδ(貯蔵弾性率と損失弾性率の比)のピークをTgとし、確認した。結果を表2に示す。
<誘電率測定試験>
接着剤硬化物について、ベクトルネットワークアナライザWiltron37169A(Wiltron製)を用いて、測定周波数10GHzで比誘電率、誘電正接の測定を行った。結果を表2に示す。
<はんだ耐熱性試験>
実施例および比較例の接着剤組成物評価用サンプルをそれぞれ120℃で5分間加熱した後、プラスチック基材面を上にして300℃のはんだ浴に1分間浮かべた後、接着剤層の発泡や金属基材の剥がれを確認した。結果を表2に示す。
<塗工性試験>
各実施例、比較例の接着剤組成物を、ブロック共重合ポリイミド−シリカハイブリッドフィルム(商品名「ポミランN25」、荒川化学工業(株)製;熱膨張係数=18ppm、引張弾性率=5.9GPa、膜厚25μm)に、乾燥後の厚みが10μmとなるようギャップコーターにて塗布した後、塗膜の状態を目視で確認した。塗膜が平坦で、はじきのないものを○とし、不均一で、はじきのあるものを「はじき」、とした。結果を表2に示す。
<フレキシブルプリント配線板の作製>
実施例に係る接着剤組成物を、ポミランN25に乾燥後の厚みが30μmとなるようギャップコーターにて塗布し、200℃で3分間乾燥させることによって、接着シートを得た。次いで、該接着シートの接着剤面に前記電解銅箔(F2−WS)の処理面を重ね合わせ、200℃のラミネートロールで圧着した後、200℃,2時間処理することによってフレキシブル銅張積層板を得た。この銅張積層板の銅表面をソフトエッチング処理し、銅回路を形成し、その上にさらに前記方法で得た積層体1(実施例に係る本発明の接着剤組成物の使用)を重ねあわせ、圧力10MPa、200℃及び1分間の条件で加熱プレスした後、更に200℃で1時間加熱することにより、フレキシブルプリント配線板を作製することができた。
<リジッドプリント配線板の作製>
実施例に係る接着剤組成物を、前記電解銅箔(F2−WS)の処理面に乾燥後の厚みが5μmになるようギャップコーターにて塗布し、200℃×3分間乾燥させることによって、プライマー付き銅箔を得た。次いで、該プライマー付き銅箔のプライマー面に、前記エポキシプリプレグ(5100)を重ね合わせ、圧力10MPa、200℃及び30分間の条件で加熱プレスすることによって片面及び両面銅張積層板を得た。両面銅張積層板の銅をエッチング処理し、銅回路を形成し、内層基板を作製した。この内層基板と、外層基板用片面銅張積層板を前記のプリプレグを用いて積層した。これをドリル加工、スルーホールめっきにより外層と内層を電気的に接続させた。その後外層の銅をエッチング処理することによって銅回路を形成し、多層プリント配線板を作製することができた。

Claims (5)

  1. 一般式(1)で表される繰り返し構造を有するポリイミド樹脂及び架橋成分を有するポリイミド樹脂組成物。
    (一般式(1)において、nは整数1〜100を示す。)
  2. 請求項1記載のポリイミド樹脂組成物を含む接着剤組成物。
  3. 請求項1記載のポリイミド樹脂組成物を含むプライマー組成物。
  4. 請求項2記載の接着剤組成物を用いた積層体。
  5. 請求項3記載のプライマー組成物を用いた樹脂付き銅箔。
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