JP3966630B2 - 回路積層材料 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、プリント配線板に使用するための低誘電率、低誘電正接であり、かつ金属への接着性に優れ、プリプレグの切断等の作業時に樹脂の飛散がきわめて少ない回路積層材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子機器等に用いられている多層プリント配線板は、内層にも電気回路を有する配線板である。この多層プリント配線板は、あらかじめ回路を形成した内層回路板と外層回路用銅箔とを、プリプレグを間に挟んで熱圧成形することにより得た内層回路入り多層銅張積層板の外層に回路形成して得られる。このプリプレグには、従来、ガラスクロス基材エポキシ樹脂プリプレグが用いられている。近年、電子機器の信号スピード及び作動周波数が飛躍的に増加してきているので、高周波領域で用いられる電子機器、特に小型軽量化を要求される電子機器には、微細配線形成のために、耐熱性に優れ、低誘電率、低誘電正接の薄型の回路積層材料が望まれている。低誘電材料を使用した薄型の回路積層材料は電気信号の伝搬速度を早くすることができるため、より速いスピードで信号の処理を行うことができるようになる。
【0003】
現在、薄型の多層プリント配線板では、30〜100μm厚さの薄型ガラスクロス基材エポキシ樹脂プリプレグが用いられているが、クロス目が浮き出しやすく、さらに内層回路基板の凹凸がプリプレグ内部で吸収できず、外層表面に凹凸が現れやすいため、表面の平滑性が損なわれ、微細配線形成の障害になっている。そこで、従来のガラスクロス基材エポキシ樹脂プリプレグを使用する代わりにガラスクロスを含まない接着フィルムをプリプレグとして使用する方法、あるいは、予め外層回路用銅箔の片面に接着剤層を積層した樹脂付き銅箔を外層回路用銅箔とプリプレグとして使用する方法がある。これらの接着フィルム及び樹脂付き銅箔にはフィルム形成能を有する樹脂が使用されており、使用できる樹脂はフィルム形成能を有する樹脂に限られる。フィルム形成能を有さないと、接着フィルムの搬送、切断及び積層等の工程において、樹脂の割れや欠落等のトラブルを生じやすく、また多層板の層間接続用絶縁材料として用いる際の熱圧形成時に、層間絶縁層が内層回路存在部分で異常に薄くなったり、層間絶縁抵抗の低下やショート等のトラブルを生じやすくなる。フィルム形成能を有する樹脂としては、熱可塑性ポリイミド接着フィルム(USP4,543,295)、高分子量エポキシ樹脂(特開平4−120135)、アクリロニトリルブタジエン共重合体/フェノール樹脂(特開平4−29393)、フェノール樹脂/ブチラール樹脂(特開平4−36366)、アクリロニトリルブタジエン共重合体/エポキシ樹脂(特開平4−41581)などが提案されている。しかしこれらの樹脂は、誘電率特性に問題があり、より速いスピードで信号の処理を行うことができない。
低誘電樹脂としては、フッ素樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、熱硬化性の1,2−ポリブタジエンを主成分とするポリブタジエン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂100重量部に対し1,2−ポリブタジエン樹脂5〜20重量部、架橋性モノマー5〜10重量部およびラジカル架橋剤を配合した組成物(特開昭61−83224)などが提案されている。しかしこれらの樹脂は、耐熱性、作業性、フィルム形成能に劣り、実用上問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、プリント配線板に使用するための低誘電率、低誘電正接であり、かつ金属への接着性に優れ、フィルム形成能を有する熱硬化性低誘電樹脂組成物を用いた接着フィルムまたは該樹脂組成物を付着させた金属箔を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、剥離性フィルムまたは金属箔の一面に、成分(a)シロキサン変性ポリイミドと、成分(b)下記式(1)で示すメチルアリル基を2個含有する化合物と、成分(c)マレイミド基を2個含有する化合物とからなり、上記各成分が、成分(a)100重量部に対して、成分(b)および成分(c)の総和が10〜900重量部であり、成分(c)のマレイミド基1モル当量に対する成分(b)のアリル基またはメチルアリル基が0.1〜2.0モル当量からなる接着層を積層してなり、金属箔の材質が銅、白銅、銀、鉄、42合金、ステンレスからなる群から選ばれた少なくとも1つであり、かつ成分(c)のマレイミド基を2個含有する化合物が、下記式(4−1)ないし(4−3)で示される化合物であることを特徴とする回路積層材料を提供する。
【化5】
Figure 0003966630
【化6】
Figure 0003966630
【0006】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の樹脂組成物について説明する。
熱硬化性低誘電樹脂組成物は、(a)シロキサン変性ポリイミドと、成分(b)式(1)に示すメチルアリル基を2個含有する化合物と、成分(c)マレイミド基を2個含有する化合物とから構成される。
シロキサン変性ポリイミドを使用することにより、樹脂組成物のフィルム形成能が良くなり、プリプレグの切断当の作業時の樹脂の飛び散りがきわめて少なくなり、プリント配線板を製造する際、取り扱い性が良くなり、歩留まりが向上する。
本発明に使用されるシロキサン変性ポリイミドは、下記式(2a)で表される構造単位の少なくとも1種を90〜40モル%と、下記式(2b)で表される構造単位の少なくとも1種を10〜60モル%含有するものである。
【0007】
【化7】
Figure 0003966630
【0008】
(式中Xは、四価の芳香族基で3,3’,4,4’−ジフェニルスルホン構造、3,3’,4,4’−ビフェニル構造、2,3’,3,4’−ビフェニル構造の何れかを、Arは下記式(3)の構造を有する基群から選ばれる二価の基を、Rは炭素数1〜10のアルキレン基またはメチレン基がSiに結合している−CHOC−を示し、nは1〜20の整数を意味する。)
【0009】
【化8】
Figure 0003966630
【0010】
(式中R、R、R及びRはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はアルコキシ基を示すが、これら全ての基が同時に水素原子であることはない。)
シロキサン変性ポリイミドは、重量平均分子量が5,000〜500,000、ガラス転移点温度が150℃以下、誘電率が3.0以下のものが好ましい。重量平均分子量が5,000〜300,000、ガラス転移点温度が140℃以下、誘電率が3.0以下のもがより好ましく、重量平均分子量が10,000〜300,000、ガラス転移点温度が130℃以下、誘電率が3.0以下のもがさらに好ましい。重量平均分子量が上記範囲の下限より小さくなると熱安定性が不良になり、耐熱性が低下する。上限を超えると溶融粘度が増大し、樹脂組成物として使用した場合、作業性、接着性が不良となる。ガラス転移点温度が150℃より高くなると溶融温度が高くなり、作業温度の上昇を招いたり、接着性が不良となったりする。誘電率が3.0以上になると樹脂組成物の低誘電化を達成できず、高速度の信号処理に不向きである。
なお本発明において、ガラス転移点温度(Tg)は、次のようにして測定された温度である。
ガラス転移点温度(Tg)の測定条件:
装置:剪断弾性率測定装置(HAAKE社製Rheo Stress RS75)
測定温度範囲:−10℃〜300℃
昇温速度:3℃/min.
測定周波数:1Hz
歪み率:0.01%±0.0025%。
【0011】
本発明に使用するシロキサン変性ポリイミドは、一般的なポリイミドの製造方法を用いることにより得ることができる。即ち、各繰り返し構造単位に対応するテトラカルボン酸二無水物と、各繰り返し構造単位に対応するジアミン又はジイソシアナートとから製造ができる。
具体的には、テトラカルボン酸二無水物としてピロメリト酸二無水物、3,3‘、4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3‘,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3‘,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3‘,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、4,4‘−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、エチレングリコールビストリメリテート二無水物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物等を、より好ましくは3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を前記の式(2)で表される化合物及び下記式(5)で表されるシロキサン系化合物とを反応させることにより製造することができる。
CH CH
│ │
Y−R−Si−(OSi)−R−Y (5)
| |
CH CH
(式中、Rは式(2b)のRと同義である)。
【0012】
ポリイミドの製造原料として使用する式(5)で表されるシロキサン系化合物において、官能基Yがアミノ基であるジアミン類としては、ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、ビス(10−アミノデカメチレン)テトラメチルジシロキサン、アミノプロピル末端のジメチルシロキサン4量体、8量体、ビス(3−アミノフェノキシメチル)テトラメチルジシロキサン等が挙げられ、これらを併用することも可能である。
【0013】
また、式(5)で表される化合物において、官能基Yがイソシアナート基であるジイソシアナート類としては、上記に示したジアミン類において、「アミノ」を「イソシアナート」に置き換えたものを挙げることができる。
上記式(5)で表される化合物において、官能基Yがイソシアナート基であるジイソシアナート類は、上記に例示した対応するジアミンを常法に従いホスゲンと反応させることにより容易に製造することができる。
【0014】
シロキサン変性ポリイミドは、式(2a)で示される構成単位の少なくとも一種を90〜40モル%と、式(2b)で示される構成単位の少なくとも一種を10〜60モル%含有することが好ましい。式(2a)で示されるArを構成できるジアミン類をさらに具体的に例示すると次の通りである。
1、3−ビス[1−(3−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1、3−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1、4−ビス[1−(3−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1、4−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2、2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2、2−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2、2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2、2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2、2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2、2−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2、2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2、2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4、4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラエチルジフェニメタン、4,4’−ジアミノー3,3’,5,5’−テトラプロピルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトライソプロピルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラブチルジフェニルメタン、4、4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、4,4−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5−5’−テトラメトキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラエトキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラプロポキシジフェニルメタン、4,4−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラブトキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノー3,3’−ジメトキシジフェニルメタン、等である。
【0015】
本発明で使用されるシロキサン変性ポリイミドは、次の様にして製造することができる。
原料として、テトラカルボン酸二無水物とジアミン(シロキサン系化合物を含む)とを使用する場合、これらを有機溶媒中、必要に応じてトリブチルアミン、トリエチルアミン、亜リン酸トリフェニル等の触媒存在下(反応物の20重量部以下)で、100℃以上、好ましくは180℃以上に加熱し、直接ポリイミドを得る方法、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを有機溶媒中、100℃以下で反応させポリイミドの前駆体であるポリアミド酸を得た後、必要に応じてp−トルエンスルホン酸等の脱水触媒(テトラカルボン酸二無水物の1〜5倍モル)を加え、加熱によりイミド化を行うことでポリイミドを得る方法、或いはこのポリアミド酸を、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水安息香酸等の酸無水物、ジシクロヘキシルカルボジイミド等のカルボジイミド化合物等の脱水閉環剤と、必要に応じてピリジン、イソキノリン、イミダゾール、トリエチルアミン等の閉環触媒(脱水閉環剤及び閉環触媒はテトラカルボン酸二無水物の2〜10倍モル)を添加して、比較的低温(室温〜100℃程度)で化学閉環させる方法等がある。
【0016】
上記の反応に用いる有機溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ヘキサメチルリン酸トリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリドン等の非プロトン性極性溶媒、フェノール、クレゾール、キシレノール、p−クロロフェノール等のフェノール系溶媒等が挙げられる。また、必要に応じて、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム、ジグライム、メチルセロソルブ、セロソルブアセテート、メタノール、エタノール、イソプロパノール、塩化メチレン、クロロホルム、トリクレン、ニトロベンゼン等を先の溶媒に混合して用いることも可能である。
【0017】
また、原料として、テトラカルボン酸二無水物とジイソシアナートとを使用する場合には、上記したポリイミドを直接得る方法に準じて製造することが可能であり、このときの反応温度は室温以上、特に60℃以上であることが好ましい。テトラカルボン酸二無水物とジアミン或いはジイソシアナートとの反応は等モル量で反応させることにより、高重合度のポリイミドを得ることが可能であるが、必要に応じて何れか一方が10モル%以下の範囲で過剰量用いてポリイミドを製造することも可能である。
成分(b)の式(1)に示すメチルアリル基を2個含有する化合物は、樹脂組成物の硬化後の耐熱性、誘電率特性を向上させる点において有用である。この化合物は一般に市販されており、容易に入手することができる。
【0018】
成分(c)のマレイミド基を2個含有する化合物としては、電気的信頼性、溶剤溶解性等の点から、下記式(4−1)ないし(4−3)が特に好ましい。これらの化合物は一般に市販されており、容易に入手することができる。又従来公知の方法により合成することもできる。
【0019】
【化9】
Figure 0003966630
【0020】
熱硬化性低誘電樹脂組成物の配合割合は、成分(a)100重量部に対して、成分(b)および成分(c)の総和が10〜900重量部、好ましくは50〜900重量部、より好ましくは100〜900重量部に設定する。成分(b)および成分(c)の総和が10重量部より少なくなると硬化した後、樹脂組成物の耐熱性、特にTg、ヤング率の低下が著しくなり、目的の用途に適さない。また、900重量部より多くなると、樹脂組成物をBステージまで硬化した際に、樹脂組成物自体が脆くなって樹脂の飛び散りの原因となる。
また、成分(b)と成分(c)の配合割合は、成分(c)のマレイミド基1モル当量に対する成分(b)のメチルアリル基が0.1〜2.0モル当量になるようにする必要があり、好ましくは0.3〜1.8モル当量、より好ましくは0.5〜1.5モル当量に設定する。メチルアリル基当量が上記範囲の下限より少なくなると、樹脂組成物の硬化後、電気的な信頼性が悪くなり、上限より多くなると、混合に際してゲル化するため、接着剤を調製することができなくなる。
【0021】
成分(a)、成分(b)及び成分(c)の混合は、それらを溶解する溶媒中で行うこともできる。溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ヘキサメチルリン酸トリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリドン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシメタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、メチルセロソルブ、セロソルブアセテート、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトニトリル、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロエタン、トリクロロエタン等が挙げられ、これらの中から、各成分が溶解するように種類と量を適宜選択して使用する。
【0022】
熱硬化性低誘電樹脂組成物においては、乾燥時、又は加熱硬化時における反応を促進させるために、必要に応じて、ジアザビシクロオクタン、又はメチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5トリメチルヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジ−イソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−クミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、アセチルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、スクシニックアシッドパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ビス−(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−ミリスティルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−メトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ジ−アリルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカネート、クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサネート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、クミルパーオキシオクテート、t−ヘキシルパーオキシネオデカネート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオヘキサネート、アセチルシクロヘキシルスルフォニルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート等の有機過酸化物、1,2−ジメチルイミダゾール、1−メチル−2−エチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール・トリメリット酸塩、1−ベンジル−2−エチルイミダゾール、1−ベンジル−2−エチル−5−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−フェニル−4−ベンジルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−イソプロピルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾリウムトリメリテート、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2−メチルイミダゾリウムイソシアヌール酸付加物、2−フェニルイミダゾリウムイソシアヌール酸付加物、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン−イソシアヌール酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−ベンジル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、4,4’−メチレン−ビス−(2−エチル−5−メチルイミダゾール)、1−アミノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル−4,5−ジ(シアノエトキシメチル)イミダゾール、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、2−メチルイミダゾール・ベンゾトリアゾール付加物、1−アミノエチル−2−エチルイミダゾール、1−(シアノエチルアミノエチル)−2−メチルイミダゾール、N,N’−[2−メチルイミダゾリル−(1)−エチル]−アジポイルジアミド、N,N’−ビス−(2−メチルイミダゾリル−1−エチル)尿素、N−(2−メチルイミダゾリル−1−エチル)尿素、N,N’−[2−メチルイミダゾリル−(1)−エチル]ドデカンジオイルジアミド、N,N’−[2−メチ
ルイミダゾリル−(1)−エチル]エイコサンジオイルジアミド、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール・塩化水素酸塩等のイミダゾール類、トリフェニルフォスフィン等の反応促進剤を添加することもできる。
【0023】
また、熱硬化性低誘電樹脂組成物には、樹脂組成物の流動性を安定させるために、平均粒径1μm以下のフィラーを含ませることができる。フィラーの含有率は、全固形分の5〜70重量%、好ましくは10〜60重量%、より好ましくは20〜50重量%の範囲に設定される。含有率が上記範囲の下限よりも低くなると流動性の安定化効果が小さくなり、上限よりも多くなると積層板の接着強度が低下し、誘電率が上昇する。フィラーとしては、例えば、シリカ、石英粉、アルミナ、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、ダイヤモンド粉、マイカ、フッ素樹脂、ジルコン粉等が使用される。
【0024】
次に、上記の熱硬化性低誘電樹脂組成物を使用した本発明の接着フィルム及び樹脂付き金属箔について説明する。
本発明の接着フィルム及び樹脂付き金属箔を作製するには、上記の樹脂組成物を、金属箔の片面、又は両面に、あるいは、剥離性フィルムの片面に塗布し、乾燥すればよい。その際、塗布厚さは、5〜100μm、とりわけ10〜70μmの範囲にあることが好ましい。金属箔としては厚さ5〜200μm、好ましくは100μm以下、特に好ましくは36μm以下の銅、白銅、銀、鉄、42合金、ステンレスが使用される。厚すぎる場合には微細配線形成が困難になるので、上記の範囲が好ましい。
本発明の接着フィルムに使用される剥離性フィルムとしては、厚さ1〜200μm、好ましくは、10〜100μmの範囲のものが使用され、仮の支持体として作用する。使用可能な剥離性フィルムとしては、ポリプロピレンフィルム、フッ素樹脂系フィルム、ポリエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、紙、及び場合によってはそれらにシリコーン樹脂で剥離性を付与したもの等が挙げられる。
これらの剥離性フィルムは、90゜ピール強度が0.01〜7.0g/cmの範囲にあることが望ましい。剥離強度が上記の範囲より小さい場合には接着テープ搬送時に剥離性フィルムが簡単に剥離する等の問題があり、上記の範囲より大きい場合には剥離性フィルムが接着剤層からきれいに剥がれず、作業性が悪くなる。なお、金属箔の片面又は両面に、上記樹脂組成物を塗布して接着層を形成した樹脂付き金属場合には、接着層の上に更に剥離性の保護フィルムを設けてもよい。保護フィルムとしては、上記の剥離性フィルムと同様のものが使用できる。
【0025】
以下、本発明を実施例に基づいてより詳細に説明する。
【実施例】
(シロキサン変性ポリイミド合成例)
合成例1
2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン29.42g(72ミリモル)と前記式(5)においてY=NH、R=プロピル、n=1で表されるジアミノシロキサン6.96g(28ミリモル)と3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物35.83g(100ミリモル)及びN−メチル−2−ピロリドン(以下、「NMP」と記す。)300mlとを氷温下に導入し、1時間攪拌を続けた。次いで、この溶液を室温で2時間反応させポリアミド酸を合成した。得られたポリアミド酸に50mlのトルエンと1.0gのp−トルエンスルホン酸を加え、160℃に加熱し、反応の進行に伴ってトルエンと共沸してきた水分を分離しながら、3時間イミド化反応を行った。その後トルエンを留去し、得られたシロキサン変性ポリイミドワニスをメタノール中に注いで、得られた沈殿物を分離、粉砕、洗浄、乾燥させる工程を経ることにより、上記した式で表される各構成単位のモル比が(2a):(2b)=72:28で示される分子量18,000、Tg30℃、誘電率2.8のシロキサン変性ポリイミド78.4g(収率94%)を得た。
得られたシロキサン変性ポリイミドの赤外吸収スペクトルを測定したところ、1718cm−1及び1783cm−1に典型的なイミドの吸収が認められた。
【0026】
合成例2
2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン30.39g(74ミリモル)と前記式(5)においてY=NH、R=プロピル、n=8で表されるジアミノシロキサン19.94g(26ミリモル)と3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物29.42g(100ミリモル)及びNMP300mlを用いて、合成例1と同様の方法で、各構成単位のモル比が(2a):(2b)=74:26で示される分子量19,000、Tg45℃、誘電率2.9のシロキサン変性ポリイミド72.3g(収率95%)を得た。
得られたシロキサン変性ポリイミドの赤外吸収スペクトルを測定したところ、1718cm−1及び1783cm−1に典型的なイミドの吸収が認められた。
【0027】
合成例3
2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン41.48g(80ミリモル)と前記式(5)においてY=NH、R=プロピル、n=8で表されるジアミノシロキサン15.54g(20ミリモル)と2,3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物29.42g(100ミリモル)及びNMP300mlを用いて、合成例1と同様の方法で、各構成単位のモル比が(3a):(3b)=80:20で示される分子量10,000、Tg60℃、誘電率2.9のシロキサン変性ポリイミド81.2g(収率94%)を得た。
得られたシロキサン変性ポリイミドの赤外吸収スペクトルを測定したところ、1718cm−1及び1783cm−1に典型的なイミドの吸収が認められた。
本願明細書には、成分( c )のマレイミド基を2個含有する化合物として下記式(4−4)及び式(4−5)に示す化合物を使用した例を参考例として記載した。
【化10】
Figure 0003966630
【0028】
(熱硬化性低誘電樹脂組成物作成例)
樹脂組成物作成例1
合成例3で得られたシロキサン変性ポリイミド樹脂100重量部、前記式(4−5)で示される化合物272重量部、前記式(1)で示される化合物128重量部(マレイミド基1モル当量に対するメチルアリル基のモル当量は0.5)を、テトラヒドロフラン中に添加して充分に混合、溶解し、固形分率30重量%の樹脂組成物ワニスを得た。
【0029】
樹脂組成物作成例2
前記式(4−5)で示される化合物を206重量部に、前記式(1)で示される化合物を193重量部(マレイミド基1モル当量に対するメチルアリル基のモル当量は1.0)に代えた以外は樹脂組成物作成例1と同様に操作して樹脂組成物ワニスを得た。
【0030】
樹脂組成物作成例3
前記式(4−5)で示される化合物を166重量部に、前記式(1)で示される化合物を234重量部(マレイミド基1モル当量に対するメチルアリル基のモル当量は1.5)に代えた以外は樹脂組成物作成例1と同様に操作して樹脂組成物ワニスを得た。
【0031】
樹脂組成物作成例4
前記式(4−5)で示される化合物を52重量部に、前記式(1)で示される化合物を49重量部(マレイミド基1モル当量に対するメチルアリル基のモル当量は1.0)に代えた以外は樹脂組成物作成例1と同様に操作して樹脂組成物ワニスを得た。
【0032】
樹脂組成物作成例5
前記式(4−5)で示される化合物を464重量部に、前記式(1)で示される化合物を435重量部(マレイミド基1モル当量に対するメチルアリル基のモル当量は1.0)に代えた以外は樹脂組成物作成例1と同様に操作して樹脂組成物ワニスを得た。
【0033】
樹脂組成物作成例6
前記式(4−5)で示される化合物272重量部を前記式(4−4)で示される化合物251重量部に、前記式(1)で示される化合物128重量部を148重量部(マレイミド基1モル当量に対するメチルアリル基のモル当量は1.0)に代えた以外は樹脂組成物作成例1と同様に操作して樹脂組成物ワニスを得た。
【0034】
樹脂組成物作成例7
前記式(4−5)で示される化合物272重量部を前記式(4−1)で示される化合物228重量部に、前記式(1)で示される化合物128重量部を173重量部(マレイミド基1モル当量に対するメチルアリル基のモル当量は1.0)に代えた以外は樹脂組成物作成例1と同様に操作して樹脂組成物ワニスを得た。
【0035】
樹脂組成物作成例8
前記式(4−5)で示される化合物272重量部を前記式(4−2)で示される化合物の内pが0(ゼロ)である化合物218重量部に、前記式(1)で示さる化合物128重量部を180重量部(マレイミド基1モル当量に対するメチルアリル基のモル当量は1.0)に代えた以外は樹脂組成物作成例1と同様に操作して樹脂組成物ワニスを得た。
【0036】
樹脂組成物作成例9
前記式(4−5)で示される化合物272重量部を前記式(4−2)で示される化合物の内pが4である化合物266重量部に、前記式(1)で示される化合物128重量部を134重量部(マレイミド基1モル当量に対するメチルアリル基のモル当量は1.0)に代えた以外は樹脂組成物作成例1と同様に操作して樹脂組成物ワニスを得た。
【0037】
樹脂組成物作成例10
前記式(4−5)で示される化合物272重量部を前記式(4−2)で示される化合物の内pが8である化合物298重量部に、前記式(1)で示される化合物128重量部を104重量部(マレイミド基1モル当量に対するメチルアリル基のモル当量は1.0)に代えた以外は樹脂組成物作成例1と同様に操作して樹脂組成物ワニスを得た。
【0038】
樹脂組成物作成例11
前記式(4−5)で示される化合物272重量部を前記式(4−3)で示される化合物247重量部に、前記式(1)で示される化合物128重量部を155重量部(マレイミド基1モル当量に対するメチルアリル基のモル当量は1.0)に代えた以外は樹脂組成物作成例1と同様に操作して樹脂組成物ワニスを得た。
【0039】
樹脂組成物作成例12
合成例3で得られたシロキサン変性ポリイミドを合成例1で得られたシロキサン変性ポリイミドに代えた以外は樹脂組成物作成例2と同様に操作して樹脂組成物ワニスを得た。
【0040】
樹脂組成物作成例13
合成例3で得られたシロキサン変性ポリイミドを合成例2で得られたシロキサン変性ポリイミドに代えた以外は樹脂組成物作成例2と同様に操作して樹脂組成物ワニスを得た。
【0041】
樹脂組成物作成例14
樹脂組成物作成例2で得られた樹脂組成物ワニスにシリカフィラー150重量部を分散し、樹脂組成物ワニスを得た。
【0042】
樹脂組成物作成例15
樹脂組成物作成例2で得られた樹脂組成物ワニスにシリカフィラー300重量部を分散し、樹脂組成物ワニスを得た。
【0043】
(実施例)
実施例1〜5、参考例1〜10
樹脂組成物作成例1〜15で得られた樹脂組成物ワニスを乾燥後の接着剤層の厚さが60μmになるように厚さ18μmの銅箔の片面に塗布し、熱風循環型乾燥機中にて140℃で5分間乾燥して、樹脂付き銅箔を作成した。
一方、樹脂組成物作成例1〜15で得られた樹脂組成物ワニスを、芳香族ポリエステル不織布(厚さ0.1mm、クラレ社製)100重量部に対して固形分で120重量部となるように含浸させて140℃の乾燥炉中で5分間乾燥させプリプレグを作成した。このプリプレグを4枚重ね合わせ、さらに上下の最外層の面に18μmの銅箔を配して、20kg/cmの圧力で、200℃の加熱条件で成形し、厚さ0.4mmの両面銅張積層板を得、さらに該両面の銅箔の不要な箇所をエッチング除去して内層回路板を作成した。ついで、前記樹脂付き銅箔の樹脂面が内層回路に向き合うようにして重ね、20kg/cm、200℃、2時間の加熱条件下で成形し、多層銅張積層板を作成した。試験結果を表−1に示す。
【0044】
参考例11
樹脂組成物作成例2で得られたワニスを使用し、厚さ18μmの銅箔を厚さ18μmの42合金箔に代えた以外は実施例1〜5、参考例1〜10と同様に操作して内層回路入り多層金属張積層板を作成した。試験結果を表−1に示す。
【0045】
参考例12
樹脂組成物作成例2で得られた樹脂組成物ワニスを乾燥後の接着剤層の厚さが60μmになるように剥離処理を施した厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム片面に塗布し、熱風循環型乾燥機中にて140℃で5分間乾燥して、接着フィルムを作成した。作成した接着フィルムは、カッターナイフによる切断時に切断箇所近傍の樹脂に樹脂割れ及び飛散が無く、取り扱い性は良好であった。
一方、樹脂組成物作成例2で得られた樹脂組成物ワニスを、芳香族ポリエステル不織布(厚さ0.1mm、クラレ社製)100重量部に対して固形分で120重量部となるように含浸させて140℃の乾燥炉中で5分間乾燥させプリプレグを作成した。このプリプレグを4枚重ね合わせ、さらに上下の最外層の面に18μmの銅箔を配して、20kg/cmの圧力で、200℃の加熱条件で成形し、厚さ0.4mmの両面銅張積層板を得、さらに該両面の銅箔の不要な箇所をエッチング除去して内層回路板を作成した。ついで、前記樹脂付き銅箔の樹脂面が内層回路に向き合うように該内層回路板の両面に重ねた後、剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、しかる後最外層に厚さ18μmの銅箔を重ね、20kg/cm、200℃、2時間の加熱条件下で成形し、内層回路入り多層銅張積層板を作成した。試験結果を表−1に示す。
【0046】
比較例1
合成例3で得られたシロキサン変性ポリイミド樹脂100重量部と前記式(4−2)で示される化合物400重量部を、テトラヒドロフラン中に添加して充分に混合、溶解し、得られた固形分率30重量%の樹脂組成物を用いて、実施例1〜5、参考例1〜10と同様に操作して内層回路入り多層銅張積層板を作成した。試験結果を表−1に示す。
【0047】
比較例2
前記式(4−5)で示される化合物179重量部と前記式(1)で示される化合物168重量部(マレイミド基1モル当量に対するメチルアリル基のモル当量は1.0)を、テトラヒドロフラン中に添加して充分に混合、溶解し、固形分率30重量%の樹脂組成物を用いて、実施例1〜5、参考例1〜10と同様に操作して内層回路入り多層銅張積層板を作成した。試験結果を表−1に示す。
【0048】
比較例3
合成例3で得られたシロキサン変性ポリイミドをアクリロニトリル−ブタジエン共重合体に代えた以外は樹脂組成物作成例1と同様に操作して得られた樹脂組成物ワニスを用いて、実施例1〜5、参考例1〜10と同様に操作して内層回路入り多層銅張積層板を作成した。試験結果を表−1に示す。
【0049】
表−1
特性
誘電率 ヒ゜ール強度 ハンタ゛耐熱性 飛散性 PCBT
参考例1 3.0 1.2 kg/cm 異常なし ハ゛リ無し ショート無し
参考例2 2.9 1.2 kg/cm 異常なし ハ゛リ無し ショート無し
参考例3 3.0 1.3 kg/cm 異常なし ハ゛リ無し ショート無し
参考例4 3.0 1.3 kg/cm 異常なし ハ゛リ無し ショート無し
参考例5 3.0 1.2 kg/cm 異常なし ハ゛リ無し ショート無し
参考例6 3.0 1.4 kg/cm 異常なし ハ゛リ無し ショート無し
実施例 2.9 1.3 kg/cm 異常なし ハ゛リ無し ショート無し
実施例 2.8 1.2 kg/cm 異常なし ハ゛リ無し ショート無し
実施例 2.9 1.3 kg/cm 異常なし ハ゛リ無し ショート無し
実施例 3.0 1.2 kg/cm 異常なし ハ゛リ無し ショート無し
実施例 2.9 1.2 kg/cm 異常なし ハ゛リ無し ショート無し
参考例7 2.8 1.4 kg/cm 異常なし ハ゛リ無し ショート無し
参考例8 2.9 1.4 kg/cm 異常なし ハ゛リ無し ショート無し
参考例9 3.0 1.3 kg/cm 異常なし ハ゛リ無し ショート無し
参考例10 3.0 1.2 kg/cm 異常なし ハ゛リ無し ショート無し
参考例11 2.9 1.2 kg/cm 異常なし ハ゛リ無し ショート無し
参考例12 3.0 1.2 kg/cm 異常なし ハ゛リ無し ショート無し
比較例1 3.3 1.4 kg/cm 銅箔ふくれ ハ゛リ無し ショート無し
比較例2 2.8 1.3 kg/cm 異常なし ハ゛リ有り ショート無し
比較例3 3.5 1.2 kg/cm 異常なし ハ゛リ無し ショート無し
【0050】
(評価方法)
誘電率: JIS C6481(比誘電率および誘電正接)に準じて行い周波数1MHzの静電容量を測定して求めた。
ピール強度: JIS C6481(引き剥がし強さ)に準じて測定した。
はんだ耐熱性:JIS C6481(はんだ耐熱性)に準じて測定し、260℃での外観の異常の有無を調べた。
PCBT: 積層板の表面にエッチングで線間100μmのパターンを作成し、そのパターンの上に厚さ0.1mmのプリプレグを積層し、圧力20kg/cm2、温度200℃で2時間加熱加圧成形を行い試験体を作成した。試験体に5V印加、121℃、2気圧、100%RH、1000時間の条件でパターン間のショート有無を調べた。
飛散性:半硬化状樹脂付銅箔を金型にて打ち抜き、その端面を観察した。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、低誘電率、耐熱性に優れ、かつ室温において十分なピール強度を有し、切断時に切断箇所近傍の樹脂に樹脂割れ及び飛散が無く、取り扱い性が良好である回路積層材料が提供される。

Claims (8)

  1. 剥離性フィルムまたは金属箔の一面に、成分(a)シロキサン変性ポリイミドと、成分(b)下記式(1)で示すメチルアリル基を2個含有する化合物と、成分(c)マレイミド基を2個含有する化合物とからなり、上記各成分が、成分(a)100重量部に対して、成分(b)および成分(c)の総和が10〜900重量部であり、成分(c)のマレイミド基1モル当量に対する成分(b)のメチルアリル基が0.1〜2.0モル当量からなる接着層を積層してなり、金属箔の材質が銅、白銅、銀、鉄、42合金、ステンレスからなる群から選ばれた少なくとも1つであり、かつ成分(c)のマレイミド基を2個含有する化合物が、下記式(4−1)ないし(4−3)で示される化合物であることを特徴とする回路積層材料
    Figure 0003966630
    Figure 0003966630
  2. 成分(a)のシロキサン変性ポリイミドが、下記式(2a)で表される構造単位の少なくとも1種を90〜40モル%と、下記式(2b)で表される構造単位の少なくとも1種を10〜60モル%含有することを特徴とする請求項1記載の回路積層材料。
    Figure 0003966630
    (式中Xは、四価の芳香族基で3,3’,4,4’−ジフェニルスルホン構造、3,3’,4,4’−ビフェニル構造、2,3’,3,4’−ビフェニル構造の何れかを、Arは下記式(3)の構造を有する基群から選ばれる二価の基を、Rはメチレン基がSiに結合している−CHOC−または炭素数1〜10のアルキレン基を示し、nは1〜20の整数を意味する。)
    式(3)
    Figure 0003966630
    (式中R、R、R及びRはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はアルコキシ基を示すが、これら全ての基が同時に水素原子であることはない。)
  3. 成分(a)のシロキサン変性ポリイミドの誘電率が、3.0以下であることを特徴とする請求項1に記載の回路積層材料。
  4. 成分(a)のシロキサン変性ポリイミドのガラス転移点温度が、150℃以下であることを特徴とする請求項1記載の回路積層材料。
  5. 成分(a)のシロキサン変性ポリイミドの重量平均分子量が5,000〜500,000であることを特徴とする請求項1記載の回路積層材料。
  6. 平均粒径1μm以下のフィラーが、樹脂全固形分の5〜70%含まれていることを特徴とする請求項1記載の回路積層材料。
  7. 金属箔の厚さが10μm〜300μmの範囲にあることを特徴とする請求項1記載の回路積層材料。
  8. 請求項1記載の回路積層材料の接着層の表面に、剥離性フィルムを設けていることを特徴とする回路積層材料。
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