JP4201623B2 - 固体電解コンデンサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、陽極箔と陰極箔を巻き取った固体電解コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
図2は、従来の固体電解コンデンサ(1)の断面正面図であり、図1は、コンデンサ素子(2)の斜視図である(例えば、特許文献1参照)。
これは、上面が開口したアルミニウム製のケース(3)内に、コンデンサ素子(2)を収納して、ゴム製のパッキング(30)にてケース(3)の開口を封止している。ケース(3)の上端部をカールしてパッキング(30)を固定し、ケース(3)の上面には、プラスチック製の座板(31)が取り付けられている。コンデンサ素子(2)から延びたリード線(21)(21)はパッキング(30)及び座板(31)を貫通した後、横向きに折曲されている。
コンデンサ素子(2)は、図1に示すように、誘電体酸化被膜を形成したアルミニウム箔である陽極箔(4)と、アルミニウム箔である陰極箔(5)とを、紙等の絶縁体であるセパレータ(6)を介してロール状に巻回し、テープ(26)で止めて構成され、内部にTCNQ(7、7、8、8−テトラシアノキノジメタン)錯塩等の固体電解質を含浸するか、又は導電性高分子層が形成されている。陽極箔(4)と陰極箔(5)からは一対のリードタブ(25)(25)が引き出され、該リードタブ(25)(25)から前記リード線(21)(21)が延びている。
両箔(4)(5)間に導電性高分子層を形成するには、希釈剤としてn−ブチルアルコールを含む3,4−エチレンジオキシチオフェン及びp−トルエンスルホン酸鉄(II)の混合溶液に、コンデンサ素子(2)を浸漬して、熱重合させる。
【0003】
かかる固体電解コンデンサ(1)は、広く用いられているが、市場からは大容量且つ小型のコンデンサが所望されている。そこで、以下のように陰極箔(5)に金属窒化物からなる被膜を形成したものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
陰極箔(5)に金属窒化物からなる被膜を形成して、コンデンサを大容量化する原理を説明する。一般に、陰極箔(5)上には誘電体酸化被膜を意図的には形成しないが、実際には自然酸化により酸化被膜が形成される。従って、コンデンサの静電容量Cは、陽極箔(4)側の静電容量Caと陰極箔(5)側の静電容量Ccとが直列に接続された容量となり、以下の式で示される。
【数1】
Figure 0004201623
即ち、陰極箔(5)が静電容量Ccを有すれば、コンデンサの静電容量Cは陽極箔(4)側の静電容量Caよりも小さくなる。
【0004】
しかし、図4に示すように、陰極箔(5)にスパッタリング法や蒸着により、TiN等の金属窒化物の被膜(52)を形成すれば、金属窒化物の分子が酸化被膜(51)を突き破って、陰極箔(5)のアルミニウム基材に接すると推測される。従って、基材と金属窒化物が導通し、陰極箔(5)は容量を有さない。これにより、コンデンサの外形を大きくすることなく、静電容量を大きくしている。
【0005】
【特許文献1】
特公平4−19695号(第2図)
【0006】
【特許文献2】
特開2000−114108号(明細書『0012』)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
コンデンサ素子(2)を形成する際に、金属窒化物の被膜(52)を形成した陰極箔(5)を巻回すると、該巻き取り時に陰極箔(5)に加えられる引張り力又は捻り力の為に、被膜(52)が剥離したり、被膜(52)中に亀裂を生じ、その結果、漏れ電流が大きくなる問題があった。更に、両箔(4)(5)間に導電性高分子層を形成するには、3,4−エチレンジオキシチオフェン及びp−トルエンスルホン酸鉄(II)の混合溶液に、コンデンサ素子(2)を浸漬するが、このp−トルエンスルホン酸鉄(II)の溶液は、酸性度が強いから、被膜(52)が浸食され、やはり漏れ電流が増大する問題を生じていた。
また、表面に金属窒化物の被膜(52)を形成した陰極箔(5)にあっては、経時変化により、表面が酸化する。従って、陰極箔(5)が静電容量を有し、固体電解コンデンサ(1)の静電容量が小さくなる虞れがあった。
本発明の目的は、漏れ電流を増大させることなく、大容量を保ち、且つ低ESR(等価直列抵抗)の固体電解コンデンサを提供することにある。
【0008】
【課題を解決する為の手段】
本発明の固体電解コンデンサ(1)は、陽極箔(4)と陰極箔(5)をセパレータ(6)を介して巻き取って構成され、内部に固体電解質層又は導電性高分子層が形成されたコンデンサ素子(2)を具えている。陰極箔(5)上には、アルミニウム、クロム、ジルコニウムの何れかとチタンを含む複合金属化合物の窒化物からなる被膜が形成されている。
また、本発明の固体電解コンデンサ ( ) は、陰極箔(5)上には窒化チタンを含む被膜が形成されており、その被膜は、窒化チタン層 (53) と、窒化チタン層(53)の内側に形成されたチタン層(54) とを有すると共に、陰極箔 ( ) に向かうにつれて窒化チタン層 (53) からチタン層 (54) へ連続的に変化している。
【0009】
【作用及び効果】
1.チタンを含む複合金属化合物の窒化物からなる被膜が陰極箔(5)上に形成された固体電解コンデンサ(1)にあっては、非化学量論的な(化学式で単純に示されない)窒素化合物を陰極箔(5)上に形成することにより、陰極箔(5)のアルミニウム基材に対する被膜の密着性が向上する。また、複合金属化合物に含まれる一部の金属が空気に触れて酸化されることにより、不働態膜化して、複合金属化合物内の金属分子間の結合力が強くなる。この結果、被膜の耐食性が向上する。
従って、陰極箔(5)の巻き取り時に、被膜が剥離したり亀裂を生じる虞れは少なくなる。また、導電性高分子層の形成時に、被膜が浸食される虞れも小さくなる。これにより、固体電解コンデンサ(1)の漏れ電流を増大させることなく、大容量化、低ESR化が達成できる。
2.陰極箔(5)上にチタン層及び窒化チタン層を設けた固体電解コンデンサ(1)にあっては、チタン層又は窒化チタン層のみを設けた陰極箔(5)を用いた固体電解コンデンサ(1)よりも、固体電解コンデンサの静電容量の経時変化は減少する。また、陰極箔(5)上にチタン層及び窒化チタン層を設けることによって、従来の固体電解コンデンサ(1)に比して、固体電解コンデンサ(1)の初期静電容量は大きくなる。
【0010】
【発明の実施の形態】
(第1実施例)
以下、本発明の一例を図を用いて詳述する。
固体電解コンデンサ(1)の全体形状は、図2に示す従来品と同様である。コンデンサ素子(2)は、図1に示すように、化成被膜を形成したアルミニウム箔である陽極箔(4)と、アルミニウム箔である陰極箔(5)を、絶縁体であるセパレータ(6)を介してロール状に巻回し、テープ(26)で止めて構成される。コンデンサ素子(2)の内部にTCNQ錯塩等の固体電解質が含浸され、又は導電性高分子層が形成されている。コンデンサ素子(2)からは一対のリード線(21)(21)が延びている。
陰極箔(5)上には、チタン(Ti)薄膜と窒化チタン薄膜である被膜が形成され、前記の如く、これにより陰極箔(5)は静電容量を有さない。
【0011】
コンデンサ素子(2)は、以下の手順で形成される。先ず、アルミニウム製シートから切り出された帯状のアルミニウム箔にエッチング処理、化成処理を行って誘電体酸化被膜(40)(図3参照)を形成し陽極箔(4)とする。エッチング処理を行うのは、陽極箔(4)の表面を粗面化して、表面積を拡大し、静電容量を大きくする為である。
これとは別に、陰極箔(5)の表面に、真空中でチタンを蒸着することによりチタンを積層し、更に真空中で窒化チタンを蒸着することにより窒化チタンを積層する。窒化チタンの蒸着は、窒素又はアンモニア雰囲気中でチタンを蒸着することにより行われる。チタン積層後に酸化層が形成されることを防ぐために、チタン積層後、引き続き真空チャンバー内に窒素等を導入してチタンを蒸着することによって窒化チタンが積層される。チタン及び窒化チタンの積層においては、電子ビーム蒸着、又はアークプラズマ蒸着等の蒸着法を用いることができ、さらには、蒸着法ではなく、スパッタリング法やCVD法等の積層方法を用いてもよい。
【0012】
陽極箔(4)と、陰極箔(5)を、絶縁体であるセパレータ(6)を介してロール状に巻回し、テープ(26)で止める。陽極箔(4)は、前記の如く、アルミニウム製シートから切り出されて作成されるので、陽極箔(4)の端面には、誘電体酸化被膜が形成されていない。従って、コンデンサ素子(2)の切り口化成を行って、陽極箔(4)の端面に誘電体酸化被膜を形成する。この後、コンデンサ素子(2)を280℃で熱処理して、誘電体酸化被膜の特性を安定させる。
次に、希釈剤としてn−ブチルアルコールを含む3,4−エチレンジオキシチオフェン及びp−トルエンスルホン酸鉄(II)の混合溶液に、コンデンサ素子(2)を浸漬後、熱重合して両箔(4)(5)間に導電性高分子層(50)を形成し、コンデンサ素子(2)が完成する。従来と同様に、コンデンサ素子(2)を前記ケース(3)に封入して、固体電解コンデンサ(1)が完成する。
本例では、ポリチオフェン系の導電性高分子で導電性高分子層(50)を形成しているが、ポリピロール系又はポリアニリン系の導電性高分子を用いてもよい。また、導電性高分子層に代えて、TCNQ錯塩等の固体電解質層を形成してもよい。
【0013】
図3は、含浸工程後のコンデンサ素子(2)の一部断面図である。陰極箔(5)の表面には、真空中でチタンを蒸着することによりチタンが積層され、更に真空中で窒化チタンを蒸着することにより窒化チタンが積層されている。陰極箔(5)の断面を分析すると、陰極箔(5)上に形成された薄膜は、図3に示すように、陰極箔(5)に向かうにつれて窒化チタン層(53)からチタン層(54)へ連続的に変化しており、これらの層の境界は明確に現れてはいなかった。チタン層上に付着した窒化チタンの窒素が、窒化チタン蒸着時、又はその後の固体電解コンデンサの製造工程においてチタン層中に拡散したことが原因であると考えられる。
【0014】
以下、本発明の固体電解コンデンサ及び従来構造の固体電解コンデンサを実際に製造して、試験を行った結果について述べる。
表1は、製造した固体電解コンデンサの初期(製造直後の)状態における電気特性値を示している。従来例1は、エッチングされたアルミニウム箔を陰極箔に使用した固体電解コンデンサ、従来例2は、チタン薄膜を形成したアルミニウム箔を陰極箔として使用した固体電解コンデンサ、従来例3は、窒化チタン薄膜を形成したアルミニウム箔を陰極箔として使用した固体電解コンデンサである。実施例は、先に説明した本発明の固体電解コンデンサである。固体電解コンデンサ(1)の直径は何れも6.3mm、高さは6.0mm、定格電圧は4V、定格容量は150μFである
【0015】
表1において、Capはコンデンサの静電容量(単位:μF)、tanδは誘電損失(単位:%)、ESRは等価直列抵抗(単位:mΩ)、LCは漏れ電流(単位:μA)を意味する。表1に記載の各測定値は、40個のサンプルについて算出した平均値である。静電容量及び誘電損失は、120Hzの周波数にて測定した。等価直列抵抗は、100kHzの周波数にて測定した。漏れ電流は、定格の直流電圧を固体電解コンデンサ(1)に印加して2分経過後の値を測定した。
【0016】
【表1】
Figure 0004201623
【0017】
表1から、実施例の静電容量は、従来例2及び従来例3と比較して1割程度大きいことが分かる。実施例の誘電損失は、従来例と比べて若干減少している。実施例の等価直列抵抗は従来例と比べて増加しているが、増加量は極めて微小である。実施例の漏れ電流は、チタン薄膜のみをアルミニウム箔に形成した従来例2と同程度であり、従来例1及び従来例3と比較してかなり小さい値となっている。このように、本発明によれば、誘電損失等の電気特性を悪化させることなく、固体電解コンデンサ(1)の初期静電容量を大きくすることができる。
【0018】
表1に示した測定の後、従来例と実施例のコンデンサに耐久性試験を行った。耐久性試験は、125℃の温度で1000時間、コンデンサに定格電圧4Vを印加することにより行った。表2に、試験前後の静電容量と等価直列抵抗の値、及び静電容量の変化率ΔC/Cを示す。表1と同じく、各測定値は40個のサンプルについて算出した平均値である。表2から、本発明の固体電解コンデンサでは、静電容量の変化率の絶対値が従来の固体電解コンデンサよりも小さく、耐久性試験後においても、大きな静電容量の値を保持していることが分かる。また、耐久試験後の等価直列抵抗は、従来例及び実施例共に同程度の値になっており、本発明によれば、等価直列抵抗を従来例よりも悪化させることなく、固体電解コンデンサ(1)の静電容量の経時変化を小さくできる。
【0019】
【表2】
Figure 0004201623
【0020】
(第2実施例)
本例にあっては、陰極箔(5)として、アルミニウム箔の表面に、イオンプレーティング法により、窒化アルミニウムチタン(TiAlN)、窒化クロムチタン(TiCrN)等のチタンを含む複合金属化合物の窒化物からなる被膜を形成したことを特徴とする。アルミニウム箔は、予めエッチング処理されていても、されていなくてもよい。陽極箔(4)と陰極箔(5)を巻回して形成したコンデンサ素子(2)に、導電性高分子と酸化剤を含浸させる工程は、第1実施例と同様であり、酸化剤溶液として、40−60重量パーセントのp−トルエンスルホン酸鉄(II)のアルコール溶液を用いる。
また、被膜の形成方法は、イオンプレーティング法による蒸着であり、このイオンプレーティング法も、直流法、高周波法、クラスタ・イオンビーム蒸着法、熱陰極法の何れでもよい。また、イオンプレーティング法に代えて、真空蒸着法、スパッタリング法、熱CVD、プラズマCVD、光CVD、レーザーCVDを用いて、被膜を形成してもよい。但し、イオンプレーティング法は、スパッタリング法よりも、被膜がアルミニウム基材に密着する強度を強くできると推定される。
【0021】
出願人は、窒化アルミニウムチタン(TiAlN)からなる被膜を形成した陰極箔(5)を用いて、コンデンサ素子(2)を作成し、固体電解コンデンサ(1)を完成させ、これを実施例1とした。
また、出願人は、窒化クロムチタン(TiCrN)からなる被膜を形成した陰極箔(5)を用いて、コンデンサ素子(2)を作成し、固体電解コンデンサ(1)を完成させ、これを実施例2とした。また、前記第1実施例の従来例3にて使用したように、窒化チタン薄膜を形成したアルミニウム箔を陰極箔(5)とした固体電解コンデンサ(1)を従来例とした。
固体電解コンデンサ(1)は、何れも定格電圧6.3Vで、静電容量180μF、ケース(3)の外形寸法が直径6.3mmで高さ6.0mmのコンデンサである。
【0022】
実施例及び従来例のコンデンサに120Hzの周波数にて、静電容量(Cap、単位:μF)を測定し、100kHzの周波数にて、等価直列抵抗(ESR、単位:mΩ)を測定した。また、直流定格電圧を2分印加した後に、漏れ電流(LC、単位:μA)を測定した。測定結果を表3に示す。電気的特性値は、20ヶの平均値である。
【0023】
【表3】
Figure 0004201623
【0024】
ここで、スクラッチテストとは、図5に示すように、陰極箔(5)上に楔形のダイヤモンド刃(9)を押し当てて、一定速度(約2mm/sec)で引き、該ダイヤモンド刃(9)の上から荷重を加え、被膜が剥離するときの荷重を測定している。
上記の比較結果から、アルミニウム基材に対する被膜の密着強度を向上させれば、固体電解コンデンサ(1)の容量を大きくでき、等価直列抵抗及び漏れ電流を小さくできることが判る。尚、上記の測定に用いた固体電解コンデンサ(1)のコンデンサ素子(2)は、窒化クロムチタンからなる被膜を形成した陰極箔(5)から形成されているが、陰極箔(5)に窒化ジルコニウムチタン(TiZrN) らなる被膜を形成しても、同様の結果が得られると推定される。
即ち、チタンを含む複合金属化合物の窒化物からなる被膜が陰極箔(5)上に形成された固体電解コンデンサ(1)にあっては、非化学量論的な(化学式で単純に示されない)窒素化合物を陰極箔(5)上に形成することにより、陰極箔(5)のアルミニウム基材に対する被膜の密着性が向上する。また、複合金属化合物に含まれる一部の金属が空気に触れて酸化されることにより、不働態膜化して、複合金属内の金属分子間の結合力が強くなる。この結果、被膜の耐食性が向上する。
従って、陰極箔(5)の巻き取り時に、被膜が剥離したり亀裂を生じる虞れは少なくなる。また、導電性高分子層の形成時に、被膜が浸食される虞れも小さくなる。これにより、固体電解コンデンサ(1)の漏れ電流を増大させることなく、大容量化、低ESR化が達成できる。
【0025】
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
例えば、ケース(3)の上面開口は、エポキシ樹脂で塞いでも構わない。更に、コンデンサの形状は、ラジアルリードタイプでもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のコンデンサ素子の斜視図である。
【図2】従来の固体電解コンデンサの断面正面図である。
【図3】コンデンサ素子の一部断面を示す概略図である。
【図4】金属窒化物の被膜が酸化被膜を突き破って基材に達する状態を示す断面図である。
【図5】スクラッチテストを示す斜視図である。
【符号の説明】
(2) コンデンサ素子
(4) 陽極箔
(5) 陰極箔
(6) セパレータ

Claims (4)

  1. 陽極箔(4)と陰極箔(5)をセパレータ(6)を介して巻き取って構成され、内部に固体電解質層又は導電性高分子層が形成されたコンデンサ素子(2)を具えた固体電解コンデンサに於いて、
    陰極箔(5)上には、アルミニウム、クロム、ジルコニウムの何れかとチタンを含む複合金属化合物の窒化物からなる被膜が形成されたことを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 前記複合金属化合物の窒化物は、窒化アルミニウムチタン、窒化クロムチタン、窒化ジルコニウムチタン何れかである請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 陽極箔(4)と陰極箔(5)をセパレータ(6)を介して巻き取って構成され、内部に固体電解質層又は導電性高分子層が形成されたコンデンサ素子(2)を具え、陰極箔(5)上には窒化チタンを含む被膜が形成された固体電解コンデンサに於いて、
    前記被膜は、窒化チタン層 (53) と、前記窒化チタン層(53)の内側に形成されたチタン層(54) とを有すると共に、陰極箔 ( ) に向かうにつれて窒化チタン層 (53) からチタン層 (54) へ連続的に変化していることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  4. コンデンサ素子(2)内の電解質は、ポリチオフェン系導電性高分子を用いる請求項1乃至3の何れかに記載の固体電解コンデンサ。
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