JP4200392B2 - 光開始剤としての分子錯化合物 - Google Patents

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    • G03F7/029Inorganic compounds; Onium compounds; Organic compounds having hetero atoms other than oxygen, nitrogen or sulfur

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モノ−およびビスアシルホスフィンオキシドとα−ヒドロキシケトンとからなる分子錯化合物、および該分子錯化合物の光開始剤としての使用方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アシルホスフィンオキシドは光開始剤として文献に記載されてきた。例えば、EP−A7508はいくつかのモノアシルホスフィンオキシドの製造および用途を記載している。その他のモノアシルホスフィンオキシドおよびビスアシルホスフィンオキシドは米国特許第5218009号から公知である。ビスアシルホスフィンオキシド光開始剤の製造および用途は例えば米国特許第4737593号および同第4792632号、そしてGB−A2259704号に開示されている。トリアシルホスフィンオキシド化合物は例えばWO−A96/7662号に記載されている。光開始剤としてのα−ヒドロキシケトン化合物は例えば米国特許第4347111号および同第4672079号、そしてEP−A3002号において言及されている。アシルホスフィンオキシドとα−ヒドロキシケトンとからなる光開始剤混合物の使用は例えばGB−A2259704号またはGB−A2292740号に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
重合されるべき配合物中に容易に混入され得る、容易に得ることができ、反応性で、かつ、貯蔵安定性の光開始剤化合物に対する要望がある。
従って、本発明はこの要望に応え得る光開始剤化合物およびその使用方法等の提供を課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
種々の光開始剤化合物からなる分子錯化合物がこれらの特性を有することが今見出された。
それ故に、本発明は、モノ−、ビス−またはトリスアシルホスフィンオキシド化合物とα−ヒドロキシケトン化合物とからなる分子錯化合物(molecular complex compound)を提供する。
【0005】
分子錯化合物は、例えば溶液または溶融液法から結晶を生長させる一般的な公知方法により例えば製造され得る。そのような結晶化法は当業者に公知であり、そしてまた化学の教科書、例えばUllmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, Vol. A8, 127-131, Verlag Chemie, Weinheim-New York (1987) またはKirk-Othmer, Encyclopedia of Chemical Technology, Vol. 7, 672-81, Verlag John Wiley & Sons, New York (1979) に記載されている。溶液法の場合、分子錯化合物は、例えば2成分(すなわち、アシルホスフィンオキシド化合物およびα−ヒドロキシケトン化合物)を加熱して、または加熱せずに、適当な溶媒または溶媒混合物に溶解し、そして得られる錯化合物がより低い溶解度となる溶媒を添加するか、または溶液を非常にゆっくり冷却することにより、分子錯化合物を沈澱させることにより製造され得る。
【0006】
例えば、均一温度調節を受けた容器中の比較的高い温度で飽和された成分からなる溶液を、より低い温度まで非常にゆっくりと冷却することは賢明である。この場合、結晶の核形成は例えば容器の壁をこすることにより開始され得る。
例えば各成分の飽和溶液から蒸発等により連続的に溶媒を除去することもまた可能であり、その場合、分子錯体結晶の形成が始まる。
飽和溶液の調製において使用される温度は、使用される溶媒または溶媒混合物によって決まり、そして例えば室温ないし150℃、特に50−100℃に及ぶ。
【0007】
分子錯化合物の製造の際に、2つの成分は好ましくはモル比1:1で使用される。しかしながら、他のモル比、例えば5:1ないし1:5で成分を使用することもできる。この場合において、例えば、形成される混合物は、分子錯化合物と過剰に添加された成分とを含有することが可能である。
分子錯化合物を製造する際の溶媒の選択は、各成分の特定の融点に応じてなされる。本発明の場合、異なる光開始剤化合物のための特に適する溶媒は脂肪族炭化水素、例えばヘキサン、ペンタン、ヘプタン、オクタンおよびこれら溶媒の異性体混合物である。しかしながら、芳香族炭化水素、例えばキシレンまたはトルエン等の使用もまた可能である。
【0008】
極性添加剤を例えば1−30%、例として1−20%、特に1−5%の量で使用することが有利である。そのような添加剤の例は酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトンおよびアルコールである。
他の極性添加剤、例えば線状および環状エーテル、例としてジエチルエーテル、テトラヒドロフランまたはジオキサンの使用もまた考えられる。
例えば、極性溶媒、例としてメチルエチルケトンを使用すること、および得られる錯化合物を水で沈澱させることもまた可能である。これらの溶媒は純粋な形態で使用され得るし、また、水を例えば共沸物として包含してもよい。換言すれば、水との共沸混合物中での仕上げの過程で生じた再利用溶媒もまた適当である。
【0009】
その他の適当な溶媒の例は約3−10%の芳香族分含量を有する沸点限定石油スピリットである。これらの溶媒は例えば上記の極性溶媒と混合され得る。適当な溶媒混合物の他の例はイソオクタンと酢酸エチルとの混合物や、上記したように水を包含するもの、例えばメチルエチルケトンと水を包含するものである。
得られた分子錯体結晶は、慣用の分離手段、例えば濾過により巧妙に溶液から分離される。使用される溶媒が高沸点溶媒であるならば、その時は、結晶の乾燥を可能にするために、濾過の過程において、沈澱した分子錯化合物は低沸点溶媒、例えばヘキサンで洗浄される。この結晶はわずかに高められた温度で、そして真空を適用して、特に40−50℃および約50mbar(ミリバール)で適当に乾燥される。不純物を除去するために、結晶を洗浄することもまた賢明である。これは、例えば、結晶がその中で非常に低い溶解度を示し、かつ、母液と混和し得る溶媒を用いて行われる。
【0010】
一つの成分の調製の過程で直接、その単離の前に、そしてそれが依然として溶液中にある間に、第2の成分を添加することにより錯化合物を調製することが可能であり、そして適当な溶媒を添加することにより錯化合物を沈澱させることが可能である。アシルホスフィンオキシド化合物の製造において、例えば該化合物は酸化段階の後、適当な溶媒中に移され、α−ヒドロキシケトン化合物が添加され、そして分子錯化合物が沈澱され得る。
【0011】
例えば、アシルホスフィンオキシド化合物およびα−ヒドロキシケトン化合物を溶融し、次いでこの溶融物を徐々に冷却することにより新規分子錯化合物を得ることもまた可能である。この場合、例えば、最初に2成分の混合物を調製し、次にこの混合物を溶融することが可能であるが、各成分は個々に溶融され、そして溶融状態で化合物が混合されてもよい。温度はそれぞれの成分の融点に依存し、そして例えば約100℃ないし200℃である。いくつかの場合において、溶媒法から得られる分子錯化合物の結晶を用いて溶融物に種晶(結晶種)を入れることは賢明である。そのような種晶を入れることは、例えば溶融物が室温まで冷却されるか、または分子錯化合物の融点に冷却された後に行われる。
結晶を製造するためのこの種の溶融法は当業者には公知であり、そして例えばUllmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, Vol. A8, 121-127, Verlag Chemie, Weinheim-New York (1987) に記載されている。
【0012】
溶融物を冷却する場合、特に溶融物を急速に冷却する場合、新規分子錯化合物の不定形変形物もまた例えば得られ得る。ある種の分子錯化合物の製造のために、いくつかの化合物の場合、錯体の形成が遅いので、急速冷却が賢明であることが示されるかもしれない。急速冷却の場合、さらに、錯化合物とその成分の一方との間に混合物が形成される可能性がより高まる。
例えば、分子錯化合物の多形結晶体が形成されるか、または例えば、「ゲスト分子(guest molecule)」、例えば結晶化法に応じた溶媒を含有する分子錯化合物の結晶が形成される。しかしながら、これらの混合物はまた、光重合のための開始剤として適している。
【0013】
分子錯体は一般にヒドロキシケトンのOH基のH原子とホスフィンオキシド化合物中のP原子に結合される酸素原子との間の水素結合により会合されている。
【0014】
好ましい分子錯化合物は、その中のモノ−、ビス−またはトリスアシルホスフィンオキシド化合物が次式I:
【化12】
Figure 0004200392
〔式中、
1 およびR2 は互いに独立して炭素原子数1ないし18のアルキル基、1またはそれ以上のO原子により中断された炭素原子数2ないし18のアルキル基、フェニル置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数2ないし18のアルケニル基、未置換またはハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素原子数1ないし8のアルキル基および/または炭素原子数1ないし8のアルコキシ基により1ないし5回置換されたフェニル基、未置換またはハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素原子数1ないし8のアルキル基および/または炭素原子数1ないし8のアルコキシ基により1ないし5回置換されたナフチル基、未置換またはハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素原子数1ないし8のアルキル基および/または炭素原子数1ないし8のアルコキシ基により1ないし5回置換されたビフェニル基を表すか、または炭素原子数3ないし12のシクロアルキル基、O−,S−またはN−含有5または6員の複素環式環または次式:COR3 で表される基を表すか、または
1 は−OR4 または次式:
【化13】
Figure 0004200392
で表される基を表すか、または
1 およびR2 は一緒になって炭素原子数4ないし8のアルキレン基を表すか、またはそれらが結合されているP原子と一緒になって環構造を形成し、
3 は各々が未置換であるか、または炭素原子数1ないし8のアルキル基、炭素原子数1ないし8のアルコキシ基、炭素原子数1ないし8のアルキルチオ基および/またはハロゲン原子により1ないし4回置換されている、炭素原子数1ないし18のアルキル基、炭素原子数3ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数2ないし18のアルケニル基、フェニル基、ナフチル基またはビフェニル基を表すか、またはO−、S−またはN−を含有する5−または6−員複素環式環または次式:
【化14】
Figure 0004200392
で表される基を表し、
4 は炭素原子数1ないし8のアルキル基、フェニル基、ナフチル基またはフェニル−炭素原子数1ないし8のアルキル基を表し、
Yはフェニレン基、炭素原子数1ないし12のアルキレン基、シクロペンチレン基またはシクロヘキシレン基を表し、
Xは炭素原子数1ないし18のアルキレン基、−O−,−S−,−NR5 −,
【化15】
Figure 0004200392
または−SO2 −により1回またはそれ以上中断された炭素原子数2ないし18のアルキレン基を表すか、またはCl、F、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、COOR7 、フェニル基、フェニル−炭素原子数1ないし4のアルキル基、ナフチル−炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルキルフェニル基、炭素原子数1ないし4のアルキルナフチル基、フェニル−炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、ナフチル−炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ−炭素原子数1ないし4のアルコキシ基および/またはCNにより置換された炭素原子数1ないし6のアルキレン基を表すか、または
Xは次式A:
【化16】
Figure 0004200392
で表される1または2つの基により置換された炭素原子数1ないし8のアルキレン基を表すか、または
Xは次式A1 ないしA9
【化17】
Figure 0004200392
(式中、aおよびbは互いに独立して0または1を表し、そしてdおよびfの合計は3ないし8であるが、dもfも0ではない)で表される基を表すか、またはXは次式:−CH2 −CH=CH−CH2 −または−CH2 −C≡C−CH2 −で表される基を表すか、または未置換またはCl、F、炭素原子数1ないし4のアルキル基および/または炭素原子数1ないし4のアルコキシ基により1ないし3回置換されたフェニレン基を表すか、またはキシリレン基、
【化18】
Figure 0004200392
を表すか、または
Xは次式A10ないしA13
【化19】
Figure 0004200392
で表される基を表し、
Qは単結合、CR9 10、−O−、−S−、−NR5 −、−SO2 −、−(CH2 p −または−CH=CH−を表し、
pは2ないし12の数を表し、
ZはOまたはSを表し、
5 は水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基またはフェニル基を表し、
6 は炭素原子数1ないし4のアルキル基またはフェニル基を表し、
7 は炭素原子数1ないし12のアルキル基、−O−により1回以上中断された炭素原子数2ないし18のアルキル基を表すか、またはベンジル基、フェニル基、シクロペンチル基またはシクロヘキシル基を表し、
8 は水素原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基またはハロゲン原子を表し、
9 は水素原子または炭素原子数1ないし4のアルキル基を表し、そして
10は水素原子、メチル基またはエチル基を表す〕で表される化合物であるものである。
【0015】
炭素原子数1ないし18のアルキル基は線状であっても、分岐していてもよく、そして例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、第二ブチル基、第三ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基またはオクタデシル基である。炭素原子数1ないし12、例えば炭素原子数1ないし8または炭素原子数1ないし6、特に炭素原子数1ないし4のアルキル基が好ましい。炭素原子数1ないし12、炭素原子数1ないし8および炭素原子数1ないし4のアルキル基は相当するC原子数までの上記のものと同じ意味を有し得る。
【0016】
1またはそれ以上のO原子により中断された炭素原子数2ないし18のアルキル基は、例えば1ないし5回、例として1ないし3回または1もしくは2回−O−により中断されている。これにより例えば以下のような構造単位を生じる:−O(CH2 2 OH−,−O(CH2 2 OCH3 ,−O(CH2 CH2 O)2 CH2 CH3 ,−CH2 −O−CH3 ,−CH2 CH2 −O−CH2 CH3 ,−〔CH2 CH2 O〕y −CH3 (y=1ないし5),−(CH2 CH2 O)5 CH2 CH3 ,−CH2 CH(CH3 )−O−CH2 −CH2 CH3 または−CH2 CH(CH3 )−O−CH2 −CH3
【0017】
フェニル置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基は、例えばベンジル基、2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基、α−メチルベンジル基またはα,α−ジメチルベンジル基、特にベンジル基である。
フェニル−炭素原子数1ないし8のアルキル基は、例えばベンジル基、フェニルエチル基、α−メチルベンジル基、フェニルペンチル基、フェニルヘキシル基、フェニルオクチル基またはα,α−ジメチルベンジル基、特にベンジル基である。
フェニル−炭素原子数1ないし4のアルキル基は、適当数のC原子までの上記の定義を有する。
フェニル−炭素原子数1ないし4のアルキル基、特にフェニル−炭素原子数1または2のアルキル基が好ましい。
【0018】
炭素原子数2ないし18のアルケニル基は線状または分岐していてもよく、そして分子中に1以上の不飽和結合を有していてもよい。例として、ビニル基、アリル基、メチルビニル基、ブテニル基、ブタジエニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ドデセニル基またはオクタデセニル基がある。
炭素原子数1ないし8のアルコキシ基は線状または分岐していてもよく、そして例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、第二ブトキシ基、第三ブトキシ基、ペントキシ基、イソペントキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基またはオクチルオキシ基である。例えば炭素原子数1ないし6、特に炭素原子数1ないし4のアルコキシ基が好ましい。炭素原子数1ないし6のアルコキシ基および炭素原子数1ないし4のアルコキシ基は適当数のC原子までの上記と同じ定義を有し得る。
【0019】
炭素原子数1ないし4のアルコキシ−炭素原子数1ないし4のアルコキシ基は、例えばメトキシエトキシ基、メトキシプロポキシ基、メトキシブトキシ基、エキシメトキシ基、エトキシエトキシ基、エトキシプロポキシ基、エトキシブトキシ基、プロポキシメトキシ基、プロポキシエトキシ基、プロポキシプロポキシ基、プロポキシブトキシ基、ブトキシメトキシ基、ブトキシエトキシ基、ブトキシプロポキシ基またはブトキシブトキシ基、特にメトキシエトキシ基およびエトキシエトキシ基である。
【0020】
炭素原子数1ないし8のアルキルチオ基は線状または分岐していてもよく、そして例えばメチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、第三ブチルチオ基、ヘキシルチオ基またはオクチルチオ基、特にメチルチオ基である。
ハロゲン原子は例えば塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子、特に塩素原子である。
【0021】
置換されたフェニル基は1ないし5回、例えば1回、2回または3回、特に1回または2回、フェニル環上で置換されている。置換は例えばフェニル環の2位、3位、4位、5位、2,4位、2,5位、2,6位、3,4位、3,5位、2,4,6位または3,4,5位で行われる。炭素原子数1ないし8のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし8のアルコキシ、炭素原子数1ないし8のアルキルチオおよび炭素原子数1ないし4のアルコキシ置換基は上記の定義を有し得る。置換されたフェニル基の例はトリル基、キシリル基、4−メトキシフェニル基、2,4−および2,5−ジメトキシフェニル基、エチルフェニル基および4−アルコキシ−2−メチルフェニル基である。
【0022】
炭素原子数3ないし12のシクロアルキル基の例はシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基またはシクロドデシル基であり、好ましくはシクロペンチル基およびシクロヘキシル基である。
O−、S−またはN−含有の5または6員複素環式環としてのR1 およびR2 は例えばフリル基、チエニル基、ピロリル基、オキシニル基、ジオキシニル基またはピリジル基である。
【0023】
一緒になったR1 およびR2 が炭素原子数4ないし8のアルキレン基を表すならば、それらが結合されているP原子と共に環構造を形成し、その際、該構造は単純な環および架橋された環、例えば
【化20】
Figure 0004200392
を包含し得る。
【0024】
炭素原子数1ないし18のアルキレン基としてのXは線状または分岐アルキレン基、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、第二ブチレン、イソブチレン基、第三ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ドデシレン基、テトラデシレン基、ヘプタデシレン基またはオクタデシレン基である。特に、Xは炭素原子数1ないし12のアルキレン基、例えばエチレン基、デシレン基、
【化21】
Figure 0004200392
である。
【0025】
−O−,−S−,−NR5 −,
【化22】
Figure 0004200392
または−SO2 −による炭素原子数2ないし18のアルキレン基としてのXの中断は、例えば以下のような構造単位を生じる:
【化23】
Figure 0004200392
【0026】
式Aで表される基1または2個により置換された炭素原子数1ないし8のアルキレン基の例は次式:
【化24】
Figure 0004200392
(式中、R3 は上記と同じ意味を表す)で表されるものである。
【0027】
ナフチル−炭素原子数1ないし4のアルキル基は、例えばナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ナフチル(1−メチル)エチ−1−イル基またはナフチル(1,1−ジメチル)エチ−1−イル基、特にナフチルメチル基である。
炭素原子数1ないし4のアルキルフェニル基は、例えばトリル基、キシリル基メシチル基、エチルフェニル基またはジエチルフェニル基、好ましくはトリル基またはメシチル基である。
炭素原子数1ないし4のアルキルナフチル基はメチル基、エチル基および/またはプロピル基またはブチル基により置換されたナフチル基である。
フェニル−炭素原子数1ないし4のアルコキシ基は、例えばベンジルオキシ基、フェニルエチルオキシ基、α−メチルベンジルオキシ基またはα,α−ジメチルベンジルオキシ基、特にベンジルオキシ基である。
ナフチル−炭素原子数1ないし4のアルコキシ基は、例えばナフチルメチルオキシ基またはナフチルエチルオキシ基である。
【0028】
式A1 中のdおよびfの合計が3ないし8である基の例は以下のとおりである:
【化25】
Figure 0004200392
その中で好ましいのは以下のとおりである:
【化26】
Figure 0004200392
式A10で表される好ましい基は次式:
【化27】
Figure 0004200392
で表されるものである。
【0029】
式Iで表されるアシルホスフィンオキシド化合物の製造は当業者に公知であり、そして例えばEP−A7508に、米国特許第5218009号、同第4737593号および同第4792632号に、GB−A2259704に、そしてWO−A96/7662に記載されている。
【0030】
好ましいのは、式I中、R1 およびR2 は互いに独立して炭素原子数1ないし12のアルキル基、ベンジル基、未置換またはハロゲン原子、特にCl、炭素原子数1ないし8のアルキル基および/または炭素原子数1ないし8のアルコキシ基により1ないし4回置換されたフェニル基を表すか、またはシクロヘキシル基または次式:COR3 で表される基を表すか、またはR1 は−OR4 または次式:
【化28】
Figure 0004200392
で表される基を表し、
3 は未置換または炭素原子数1ないし8のアルキル基、特に炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし8のアルコキシ基、炭素原子数1ないし8のアルキルチオ基、特に炭素原子数1ないし4のアルキルチオ基、および/またはハロゲン原子、特に塩素原子により1ないし4回置換されたフェニル基を表すか、または次式:
【化29】
Figure 0004200392
で表される基を表し、
4 は炭素原子数1ないし8のアルキル基、特に炭素原子数1ないし4のアルキル基、フェニル基またはベンジル基を表し、
Xは炭素原子数1ないし18のアルキレン基、特に炭素原子数6ないし10のアルキレン基または次式:
【化30】
Figure 0004200392
で表される基を表し、そして
Yはフェニレン基、炭素原子数2ないし12のアルキレン基またはシクロヘキシレン基を表す)で表される化合物である。
【0031】
興味深い式Iで表される他の化合物は、式中、R1 およびR2 が互いに独立して炭素原子数1ないし8のアルキル基、未置換または炭素原子数1ないし4のアルキル基および/または炭素原子数1ないし8のアルコキシ基により1ないし4回置換されたフェニル基を表すか、またはシクロヘキシル基または次式:COR3 で表される基を表すか、またはR1 が次式:
【化31】
Figure 0004200392
または−OR4 で表される基を表し、R3 が未置換またはメチル基および/またはメトキシ基により1ないし4回置換されたフェニル基を表し、R4 がメチル基、エチル基またはフェニル基を表し、そしてXが炭素原子数6ないし10のアルキレン基または
【化32】
Figure 0004200392
で表される基を表すものである。
【0032】
式Iで表される重要な化合物は、式中、R1 がCOR3 を表し、R2 が炭素原子数1ないし18のアルキル基を表し、そしてR3 が炭素原子数1ないし4のアルキル基または炭素原子数1ないし4のアルコキシ基により2または3回置換されたフェニル基を表すものである。
また、式I中、R1 がCOR3 を表し、R2 が未置換または炭素原子数1ないし4のアルキル基および/または炭素原子数1ないし4のアルコキシ基により置換されたフェニルを表し、そしてR3 が炭素原子数1ないし4のアルキル基または炭素原子数1ないし4のアルコキシ基により2または3回置換されたフェニル基を表す化合物が特に興味深い。
式Iで表される化合物は、フェニル基としてのR3 の置換が2,6位または2,4,6位にある場合、特に興味深い。
【0033】
分子錯化合物を製造するために適している式Iで表される化合物の例は以下のとおりである:
ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、
ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィンオキシド、
ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−n−ブチルホスフィンオキシド、
ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(2−メチルプロピ−1−イル)ホスフィンオキシド、
ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(1−メチルプロピ−1−イル)ホスフィンオキシド、
ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−t−ブチルホスフィンオキシド、
ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)シクロヘキシルホスフィンオキシド、
ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)オクチルホスフィンオキシド、
ビス(2−メトキシベンゾイル)(2−メチルプロピ−1−イル)ホスフィンオキシド、
ビス(2−メトキシベンゾイル)(1−メチルプロピ−1−イル)ホスフィンオキシド、
ビス(2,6−ジエトキシベンゾイル)(2−メチルプロピ−1−イル)ホスフィンオキシド、
ビス(2,6−ジエトキシベンゾイル)(1−メチルプロピ−1−イル)ホスフィンオキシド、
ビス(2,6−ジブトキシベンゾイル)(2−メチルプロピ−1−イル)ホスフィンオキシド、
ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)(2−メチルプロピ−1−イル)ホスフィンオキシド、
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)(2,4−ジペントキシフェニル)ホスフィンオキシド、
ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)ベンジルホスフィンオキシド、
ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2−フェニルプロピルホスフィンオキシド、
ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2−フェニルエチルホスフィンオキシド、
ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)ベンジルホスフィンオキシド、
ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2−フェニルプロピルホスフィンオキシド、
ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2−フェニルエチルホスフィンオキシド、
2,6−ジメトキシベンゾイルベンジルブチルホスフィンオキシド、
2,6−ジメトキシベンゾイルベンジルオクチルホスフィンオキシド、
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)イソブチルホスフィンオキシドおよび
2,6−ジメトキシベンゾイル−2,4,6−トリメチルベンゾイル−n−ブチルホスフィンオキシド。
【0034】
α−ヒドロキシケトン化合物は、特に、次式II:
【化33】
Figure 0004200392
(式中、
11およびR12は互いに独立して水素原子、炭素原子数1ないし6のアルキル基、フェニル基、炭素原子数1ないし6のアルコキシ基、OSiR16(R172 または−O(CH2 CH2 O)q −炭素原子数1ないし6のアルキル基を表すか、または
11およびR12はそれらが結合されている炭素原子と一緒になってシクロヘキシル環を形成し、
qは1ないし20の数を表し、
13はOH、炭素原子数1ないし16のアルコキシ基または−O(CH2 CH2 O)q −炭素原子数1ないし6のアルキル基を表し、
14は水素原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基、炭素原子数1ないし18のアルコキシ基、−OCH2 CH2 −OR15、次式:CH2 =C(CH3 )−または
【化34】
Figure 0004200392
で表される基を表し、
lは2ないし10の数を表し、
Bは次式:
【化35】
Figure 0004200392
で表される基を表し、
15は水素原子、
【化36】
Figure 0004200392
で表される基を表し、そして
16およびR17は互いに独立して炭素原子数1ないし8のアルキル基またはフェニル基を表す)で表される化合物である。
【0035】
炭素原子数1ないし18のアルキル基、炭素原子数1ないし6のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし18のアルコキシ基および炭素原子数1ないし6のアルコキシ基の例は上記されたものである。
式IIで表されるα−ヒドロキシケトン化合物の製造は当業者にはよく知られており、そして例えば米国特許第4347111号および同第4672079号およびEP−A3002に記載されている。
【0036】
興味深い式IIで表される化合物は、式中、R11およびR12が互いに独立して水素原子、炭素原子数1ないし6のアルキル基またはフェニル基を表すか、またはR11およびR12がそれらが結合されている炭素原子と一緒になってシクロヘキシル環を形成し、R13がOHを表し、そしてR14が水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基、炭素原子数1ないし12のアルコキシ基、特に炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、−OCH2 CH2 −OR15、次式:CH2 =C(CH3 )−または
【化37】
Figure 0004200392
で表される基を表す)ものである。
【0037】
好ましいのは、式II中、R11およびR12が互いに独立してメチル基またはエチル基を表すか、またはR11およびR12がそれらが結合されている炭素原子と一緒になってシクロヘキシル環を形成し、R13が水素原子を表し、そしてR14が水素原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基または−OCH2 CH2 OHを表す化合物である。
【0038】
分子錯化合物を製造するのに適している式IIで表される化合物の例は以下のとおりである:
α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパノン、
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−イソプロピルフェニル)プロパノン、
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−ドデシルフェニル)プロパノンおよび
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパノン。
【0039】
好ましい分子錯化合物は、次式I:
【化38】
Figure 0004200392
(式中、
1 およびR2 は互いに独立して炭素原子数1ないし12のアルキル基、未置換または炭素原子数1ないし8のアルキル基および/または炭素原子数1ないし8のアルコキシ基により1または2回置換されたフェニル基を表すか、または次式:COR3 で表される基を表し、
3 は次式:
【化39】
Figure 0004200392
で表される基を表し、
18は炭素原子数1ないし4のアルキル基、特にメチル基、または炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、特にメトキシ基を表し、そして
19は水素原子または炭素原子数1ないし4のアルキル基、特にメチル基を表す)で表されるモノ−またはビスアシルホスフィンオキシド化合物と、次式II:
【化40】
Figure 0004200392
(式中、
11およびR12は互いに独立して炭素原子数1ないし4のアルキル基を表すか、またはR11およびR12はそれらが結合されている炭素原子と一緒になってシクロヘキシル環を形成し、そして
14は水素原子を表す)で表されるα−ヒドロキシケトン化合物とからなる化合物である。
【0040】
好ましいのは、さらに、アシルホスフィンオキシド化合物がビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィンオキシドまたは2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドであり、そしてα−ヒドロキシケトン化合物が式II中、R11およびR12が炭素原子数1ないし4のアルキル基を表すか、またはR11およびR12がそれらが結合されている炭素原子と一緒になってシクロヘキシル環を形成し、R13がOHを表し、そしてR14が水素原子を表す化合物である分子錯化合物である。
【0041】
特に興味深いのは、また、アシルホスフィンオキシド化合物がビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)(2,4−ジヘキシルオキシフェニル)ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)(4−エトキシフェニル)ホスフィンオキシドまたは2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドであり、そしてα−ヒドロキシケトン化合物がα−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンまたは2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンである分子錯化合物である。
【0042】
特に興味深いのは以下の組合せからなる分子錯化合物である:
ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィンオキシドと2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパノン;
ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィンオキシドとα−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン;
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドとα−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン;
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドと2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパノン;
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドとα−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン;
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドと2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパノン;
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)(4−エトキシフェニル)ホスフィンオキシドとα−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン;
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)(2,4−ジペントキシフェニル)ホスフィンオキシドとα−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン;
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)(2,4−ジヘキシルオキシフェニル)ホスフィンオキシドとα−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン;
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)(2,4−ジペントキシフェニル)ホスフィンオキシドと2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパノン;
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)(2−メチルプロピル)ホスフィンオキシドとα−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン;
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)(2−メチルプロピル)ホスフィンオキシドと2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパノン;
ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)(2−メチルプロピル)ホスフィンオキシドと2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパノン;および
ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)(2−メチルプロピル)ホスフィンオキシドとα−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン。
【0043】
本発明によれば、分子錯化合物は、エチレン性不飽和化合物または該化合物を含有する混合物の光重合のための光開始剤として使用され得る。
この使用はまた、別の光開始剤および/または他の添加剤と組み合わせて実施されてもよい。
それ故に、本発明はまた、
(a)少なくとも1種のエチレン性不飽和光重合性化合物、および
(b)光開始剤として、モノ−、ビス−またはトリスアシルホスフィンオキシド化合物とα−ヒドロキシケトン化合物とからなる少なくとも1種の分子錯化合物を含有する光重合性組成物を提供し、該組成物は成分(b)の他に、別の光開始剤および/または他の添加剤を含有することができる。
【0044】
不飽和化合物は1またはそれ以上のオレフィン性二重結合を含有し得る。それらは低分子量のもの(モノマー性)であっても、比較的高分子量のもの(オリゴマー性)であってもよい。二重結合を含有するモノマーの例は、アルキルまたはヒドロキシアルキルアクリレートまたはメタクリレート、例えばメチル、エチル、ブチル、2−エチルヘキシルもしくは2−ヒドロキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、またはメチルもしくはエチルメタクリレートである。シリコーンアクリレートもまた興味深い。その他の例はアクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−置換(メタ)アクリルアミド、ビニルエステル例として酢酸ビニル、ビニルエーテル例としてイソブチルビニルエーテル、スチレン、アルキルおよびハロスチレン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニルまたは塩化ビニリデンである。
【0045】
2またはそれ以上の二重結合を含有するモノマーの例は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコールおよびビスフェノールAのジアクリレート、4,4’−ビス(2−アクリロイルオキシエトキシ)ジフェニルプロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレートまたはテトラアクリレート、ビニルアクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルスクシネート、ジアリルフタレート、トリアリルホスフェート、トリアリルイソシアヌレートまたはトリス(2−アクリロイルエチル)イソシアヌレートである。
【0046】
比較的高分子量の(オリゴマー性)ポリ不飽和化合物の例は、アクリル化されたエポキシ樹脂、およびアクリル化されるか、またはビニルエーテルもしくはエポキシ基を含有するポリエステル、ポリウレタンおよびポリエーテルである。不飽和オリゴマーのその他の例はマレイン酸、フタル酸および1以上のジオールから主として製造され、そして約500ないし3000の分子量を有する不飽和ポリエステル樹脂である。さらに、ビニルエーテルモノマーおよびビニルエーテルオリゴマー、そしてまた、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリビニルエーテルおよびエポキシ主鎖(骨格)を有するマレエートを末端とするオリゴマーを使用することも可能である。WO90/01512に記載されるようなビニルエーテル基含有オリゴマーとポリマーとの組合せが特に適している。しかしながら、ビニルエーテルとマレイン酸官能化モノマーとのコポリマーもまた適している。そのような不飽和オリゴマーはまた、プレポリマーとも記載され得る。
【0047】
特に適する化合物は、例えばエチレン性不飽和カルボン酸とポリオールまたはポリエポキシドとのエステル、および主鎖または側鎖にエチレン性不飽和基を含有するポリマー、例えば不飽和ポリエステル、ポリアミドおよびポリウレタンおよびそれらのコポリマー、ポリブタジエンおよびブタジエンコポリマー、ポリイソプレンおよびイソプレンコポリマー、側鎖に(メタ)アクリル基を含有するポリマーおよびコポリマー、および上記ポリマー1種またはそれ以上の混合物である。
【0048】
不飽和カルボン酸の例はアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸およびケイ皮酸、および不飽和脂肪酸、例えばリノレン酸またはオレイン酸である。アクリル酸およびメタクリル酸が好ましい。
適当なポリオールは芳香族ポリオール、そして特に脂肪族ポリオールおよび環状脂肪族ポリオールである。芳香族ポリオールの例はヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ジ(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、およびノボラックおよびレゾールである。ポリエポキシドの例は上記ポリオールをベースとするもの、特に芳香族ポリオールとエピクロロヒドリンである。他の適当なポリオールは、ポリマー鎖または側鎖にヒドロキシル基を含有するポリマーおよびコポリマー、例えばポリビニルアルコールおよびそれらのコポリマーまたはポリ(ヒドロキシアルキルメタクリレート)またはそれらのコポリマーを包含する。その他の適当なポリオールはヒドロキシル末端基を含有するオリゴエステルである。
【0049】
脂肪族および環状脂肪族ポリオールの例はアルキレンジオール、好ましくは2ないし12個の炭素原子を有するアルキレンジオール、例えばエチレングリコール、1,2−または1,3−プロパンジオール、1,2−、1,3−または1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ドデカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、分子量200ないし1500を有するものが好ましいポリエチレングリコール、1,3−シクロペンタンジオール、1,2−、1,3−または1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサン、グリセロール、トリス(β−ヒドロキシエチル)アミン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトールおよびソルビトールである。
上記ポリオールは一部または全体を1種または数種の異なる不飽和カルボン酸でエステル化されてもよく、部分エステルの場合、遊離ヒドロキシル基は修飾されてもよく、例えばエーテル化または他のカルボン酸でエステル化されてもよい。
【0050】
エステルの例を以下に挙げる:トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリトリトールジアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ジペンタエリトリトールジアクリレート、ジペンタエリトリトールトリアクリレート、ジペンタエリトリトールテトラアクリレート、ジペンタエリトリトールペンタアクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサアクリレート、トリペンタエリトリトールオクタアクリレート、ペンタエリトリトールジメタクリレート、ペンタエリトリトールトリメタクリレート、ジペンタエリトリトールジメタクリレート、ジペンタエリトリトールテトラメタクリレート、トリペンタエリトリトールオクタメタクリレート、ペンタエリトリトールジイタコネート、ジペンタエリトリトールトリスイタコネート、ジペンタエリトリトールペンタイタコネート、ジペンタエリトリトールヘキサイタコネート、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ペンタエリトリトール変性トリアクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、オリゴエステルアクリレートおよびメタクリレート、グリセロールジ−およびトリアクリレート、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、分子量200ないし1500を有するポリエチレングリコールのビスアクリレートおよびビスメタクリレート、またはそれらの混合物。
【0051】
その他の適当な成分(a)は、同一または異なる不飽和カルボン酸と好ましくは2ないし6個、特に2ないし4個のアミノ基を有する芳香族、環状脂肪族および脂肪族ポリアミンとのアミドである。そのようなポリアミンの例はエチレンジアミン、1,2−または1,3−プロピレンジアミン、1,2−、1,3−または1,4−ブチレンジアミン、1,5−ペンチレンジアミン、1,6−ヘキシレンジアミン、オクチレンジアミン、ドデシレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、フェニレンジアミン、ビスフェニレンジアミン、ジ−β−アミノエチルエーテル、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジ(β−アミノエトキシ)−またはジ(β−アミノプロポキシ)エタンである。他の適当なポリアミンは側鎖に追加のアミノ基を有するか、または有しないポリマーおよびコポリマー、およびアミノ末端基を有するオリゴアミドである。不飽和アミドの例は以下のものである:メチレンビスアクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、ジエチレントリアミントリスメタクリルアミド、ビス(メタクリルアミドプロポキシ)エタン、β−メタクリルアミドエチルメタクリレートおよびN−〔(β−ヒドロキシエトキシ)エチル〕アクリルアミド。
【0052】
適当な不飽和ポリエステルおよびポリアミドは、例えばマレイン酸とジオールまたはジアミンとから誘導される。マレイン酸の一部は他のジカルボン酸により置き換えられてもよい。それらはエチレン性不飽和コモノマー、例えばスチレンと一緒に使用され得る。上記ポリエステルおよびポリアミドは、ジカルボン酸とエチレン性不飽和ジオールまたはジアミン、特に、例えば炭素原子を6ないし20個含有する比較的長鎖の化合物から誘導されてもよい。ポリウレタンの例は飽和または不飽和ジイソシアネートから、および不飽和または飽和ジオールから構築されたものである。
【0053】
ポリブタジエンおよびポリイソプレンおよびそれらのコポリマーは公知である。適当なコモノマーの例はオレフィン、例えばエチレン、プロペン、ブテン、ヘキセン、(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、スチレンおよび塩化ビニルである。側鎖に(メタ)アクリレート基を含有するポリマーはまた公知である。これらはノボラックをベースとするエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物、(メタ)アクリル酸を用いてエステル化されたビニルアルコールまたはそれらのヒドロキシアルキル誘導体のホモポリマーもしくはコポリマー、またはヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを用いてエステル化された(メタ)アクリレートのホモポリマーおよびコポリマーであってよい。
光重合し得る化合物は単独で、またはあらゆる所望の混合物で使用され得る。ポリオール(メタ)アクリレートの混合物が好ましい。
【0054】
本発明に係る組成物に結合剤(バインダー)を添加することもまた可能である。光重合し得る化合物が液体であるか、または粘性の物質である場合に、このことは特に賢明である。上記結合剤の量は全体の固体含量を基準として、例えば5−95重量%、好ましくは10−90重量%、そして特に40−90重量%であってよい。この結合剤は適用分野およびそれに要求される特性、例えば水性または有機性溶媒系中での展開のしやすさ、基材への接着性および酸素に対する感受性に応じて選択される。
【0055】
適当な結合剤の例は分子量約5000−2000000、好ましくは10000−1000000を有するポリマーである。例えば、ホモ−およびコポリマー性アクリレートおよびメタクリレート、例としてメチルメタクリレート/エチルアクリレート/メタクリル酸のコポリマー、ポリ(アルキルメタクリレート)、ポリ(アルキルアクリレート);セルロースエステルおよびセルロースエーテル、例えば酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、メチルセルロースおよびエチルセルロース;ポリビニルブチラル、ポリビニルホルマル、環化ゴム、ポリエーテル、例えばポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドおよびポリテトラヒドロフラン;ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリウレタン、塩素化ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/塩化ビニリデンのコポリマー、塩化ビニリデンとアクリロニトリルとのコポリマー、メチルメタクリレートおよび酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニル、コポリ(エチレン/酢酸ビニル)、ポリマー、例えばポリカプロラクタムおよびポリ(ヘキサメチレンアジパミド)、およびポリエステル、例えばポリ(エチレングリコールテレフタレート)およびポリ(ヘキサメチレングリコールスクシネート)である。
【0056】
不飽和化合物はまた、光重合性ではないフィルム形成性成分との混合物で使用されてもよい。これらは、例えば有機溶媒中の物理的乾燥性ポリマーまたはそれらの溶液、例えばニトロセルロースまたはセルロースアセトブチレートであってよい。しかしながら、これらは化学的硬化性または熱硬化性樹脂、例えばポリイソシアネート、ポリエポキシドまたはメラミン樹脂であってよい。熱硬化性樹脂の追加の使用は、第1段階で光重合されて、そして第2段階での熱後処理により架橋される、いわゆるハイブリッド系における使用のために重要である。
【0057】
本発明に係る光開始剤はまた、例えばLehrbuch der Lacke und Beshichtungen〔ペイントおよびコーティングの教科書〕Volume III, 296-328, Verlag W.A. Colomb in der Heenemann GmbH, Berlin-Oberschwandorf (1976) に記載されるような酸化的乾燥性系の硬化のための開始剤として適している。
【0058】
光重合性混合物は光開始剤の他に種々の添加剤を含有し得る。それらの例は、早期重合を防止することが意図されている熱阻害剤、例えばヒドロキノン、ヒドロキノン誘導体、p−メトキシフェノール、β−ナフトールまたは立体障害性フェノール、例として2,6−ジ(第三ブチル)−p−クレゾールである。暗所での保存寿命は、例えば銅化合物、例としてナフテン酸銅、ステアリン酸銅またはオクタン酸銅、リン化合物、例えばトリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリエチルホスフィット、トリフェニルホスフィットまたはトリベンジルホスフィット、第四アンモニウム化合物、例えばテトラメチルアンモニウムクロリドまたはトリメチルベンジルアンモニウムクロリド、またはヒドロキシアミン誘導体、例えばN−ジエチルヒドロキシアミンを使用することにより延長させることができる。重合の間に大気中の酸素を排除するために、パラフィンまたは同様のワックス状物質が添加され得る。これらのポリマー中でのその低い溶解度の故に重合の開始の際に表面に移行し、そして空気の進入を防止する透明表面層を形成する。同様に、酸素不透過層が適用されてもよい。添加され得る光安定剤はUV吸収剤、例えばヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール、ヒドロキシフェニルベンゾフェノン、オキサルアミドまたはヒドロキシフェニル−s−トリアジン型のものである。これらの化合物は個々に使用されても、また立体障害性アミン(HALS)を用いる、または用いない混合物として使用されてもよい。
【0059】
そのようなUV吸収剤および光安定剤の例を以下に示す。
1.2−( 2’−ヒドロキシフェニル) ベンゾトリアゾールの例
2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5’−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第二ブチル−5’−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ第三アミル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−5’−〔2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル〕−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−5’−〔2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル〕−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールおよび2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾールの混合物、2,2’−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イルフェノール〕;2−〔3’−第三ブチル−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−2’−ヒドロキシフェニル〕ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル交換体;次式:〔R−CH2 CH2 −COO(CH2 3 2 (式中、Rは3’−第三ブチル−4’−ヒドロキシ−5’−2H−ベンゾトリアゾール−2−イルフェニル基を表す)で表される化合物。
【0060】
2.2−ヒドロキシベンゾフェノンの例
4−ヒドロキシ−、4−メトキシ−、4−オクトキシ−、4−デシルオキシ−、4−ドデシルオキシ−、4−ベンジルオキシ−、4,2’,4’−トリヒドロキシ−および2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ誘導体。
【0061】
3.置換されたおよび非置換安息香酸のエステルの例
4−第三ブチルフェニルサリチレート、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−第三ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4−ジ−第三ブチルフェニル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−メチル−4,6−ジ第三ブチルフェニル3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート。
【0062】
4.アクリレートの例
エチルα−シアノ−β, β−ジフェニルアクリレートまたはイソオクチルα−シアノ−β, β−ジフェニルアクリレート、メチルα−カルボメトキシシンナメート、メチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメートまたはブチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、メチルα−カルボメトキシ−p−メトキシシンナメートおよびN−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル) −2−メチルインドリン。
【0063】
5.立体障害性アミンの例
ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)n−ブチル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロネート、1−ヒドロキシエチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合生成物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−第三オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−s−トリアジンとの縮合生成物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラオエート、1,1’−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルベンジル)マロネート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4.5〕デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシネート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合生成物、2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合生成物、2−クロロ−4,6−ジ(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合生成物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4.5〕デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン。
【0064】
6.オキサルアミドの例
4,4’−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’−ジエトキシオキサニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ第三ブチルオキサニリド、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ第三ブチルオキサニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサルアミド、2−エトキシ−5−第三ブチル−2’−エチルオキサニリドおよび該化合物と2−エトキシ−2’−エチル−5,4’−ジ第三ブチルオキサニリドとの混合物、o−およびp−メトキシ−二置換オキサニリドの混合物およびo−およびp−エトキシ−二置換オキサニリドの混合物。
【0065】
7.2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンの例
2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル) −1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル) −4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル) −4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロポキシ)フェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2−(4−ドデシル/トリデシルオキシ(2−ヒドロキシプロピル)オキシ−2−ヒドロキシフェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン。
【0066】
8.ホスフィットおよびホスホナイトの例
トリフェニルホスフィット、ジフェニルアルキルホスフィット、フェニルジアルキルホスフィット、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、トリラウリルホスフィット、トリオクタデシルホスフィット、ジステアリルペンタエリトリトールジホスフィット、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスフィット、ジイソデシルペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビスイソデシルオキシペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ第三ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4,6−トリ第三ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、トリステアリールソルビトールトリホスフィット、テトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ第三ブチル−12H−ジベンゾ〔d,g〕−1,3,2−ジオキサホスホシン、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ第三ブチル−12−メチルジベンゾ〔d,g〕−1,3,2−ジオキサホスホシン、ビス(2,4−ジ第三ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスフィット、ビス(2,4−ジ第三ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスフィット。
【0067】
それ故に本発明はまた、モノ−、ビス−またはトリスアシルホスフィンオキシド化合物とα−ヒドロキシケトン化合物とからなる少なくとも1種の分子錯化合物を光開始剤として、そしてまたヒドロキシフェニル−s−トリアジンおよび/またはヒドロキシ−フェニルベンゾトリアゾールおよび/または2,2,6,6−テトラメチルピペリジンをベースとする立体障害性アミンの類からのUV吸収剤を含有する光重合性組成物を提供する。
【0068】
光重合を促進するために、アミン、例えばトリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、エチルp−ジメチルアミノベンゾンゾエートまたはミヒラーケトンを添加することが可能である。アミンの作用はベンゾフェノン型の芳香族ケトンの添加により強化され得る。酸素スカベンジャーとして使用され得るアミンの例はEP−A−339841に記載されるような置換されたN,N−ジアルキルアニリンである。その他の促進剤、補助開始剤および自動酸化剤は、例えばEP−A−438123およびGB−A−2180358に記載されるようなチオール、チオエーテル、ジスルフィドおよびホスフィンである。
光重合はまた、スペクトル感度をシフトまたは広げる光増感剤の添加により促進され得る。これらは、特に、芳香族カルボニル化合物、例えばベンゾフェノン誘導体、チオキサントン誘導体、アントラキノン誘導体および3−アシルクマリン誘導体および3−(アロイルメチレン)チアゾリン、そしてまた、エオシン、ローダミンおよびエリスロシン染料である。
【0069】
硬化工程は、特に、着色された(例えばTiO2 を用いて)組成物により補助されるが、また、加熱条件下でフリーラジカルを形成する成分、例えばアゾ化合物、例として2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、トリアジン、ジアゾスルフィド、ペンタザジエンまたはパーオキシ化合物、例としてヒドロペルオキシドまたはペルオキシカーボネート、例えば第三ブチルヒドロペルオキシド、例えばEP−A−245639に記載されるようなものを添加することによっても補助され得る。
【0070】
本発明に係る組成物はまた、光還元性染料、例えばキサンテン、ベンゾキサンテン、ベンゾチオキサンテン、チアジン、ピロニン、ポルフィリンまたはアクリジン染料、および/または照射により切断され得るトリハロメチル化合物を含有し得る。同様の成分は例えばEP−A−445624に記載されている。
他の慣用の添加剤は、目的とする用途に応じて、蛍光増白剤、充填剤、顔料、染料、水和剤またはレベル(均展)助剤である。
厚い、そして着色されたコーティングは、例えばUS−A−5013768に記載されるようなガラスマイクロビーズまたは粉末化ガラス繊維の添加により適当に硬化され得る。
【0071】
本発明はまた、成分(a)として水に乳化または溶解される少なくとも1種のエチレン性不飽和光重合性化合物を含有する組成物に関する。
このタイプの放射線硬化性の水性プレポリマー分散系は多くの変形で市販のものが利用可能である。この用語は水とその中に分散した少なくとも1種のプレポリマーの分散体を意味するものである。これらの系における水の濃度は、例えば5ないし80重量%、特に30ないし60重量%である。放射線硬化性のプレポリマーまたはプレポリマー混合物は、例えば95ないし20重量%、特に70ないし40重量%の濃度で存在する。これらの組成物において水およびプレポリマーに対して示された百分率(%)の合計は各々の場合において100であり、用途に応じて種々の量で助剤および添加剤が100%となるまで添加される。
【0072】
しばしば溶解される放射線硬化性の水分散されたフィルム形成性プレポリマーは、水性プレポリマー分散体に対し、それ自体公知である単官能価または多官能価のエチレン性不飽和プレポリマーであり、フリーラジカルにより開始され得、そして例えばプレポリマー100gあたり重合性二重結合0.01ないし1.0モルを含有し、そして少なくとも400、特に500ないし10000の平均分子量を有する。しかしながら、目的とする用途によって、より高分子量のプレポリマーもまた適当である。
【0073】
例えば、EP−A−12339に記載されているような、重合性C−C二重結合を含み、そして最大酸価10を有するポリエステル、重合性C−C二重結合を含むポリエーテル、分子あたり少なくとも2個のエポキシ基を含むポリエポキシドと少なくとも1種のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸とのヒドロキシ基含有反応生成物、ポリウレタン(メタ)アクリレートおよびアクリル基を含有するα,β−エチレン性不飽和アクリル酸コポリマーが使用される。これらのプレポリマーの混合物もまた使用され得る。EP−A−33896に記載される重合性プレポリマーもまた適しており、それらは、少なくとも600の平均分子量、0.2ないし15%のカルボキシル基含量およびプレポリマー100gあたり0.01ないし0.8モルの重合性C−C二重結合の含量を有する重合性プレポリマーのチオエーテル付加物である。特定のアルキル(メタ)アクリレートポリマーをベースとする他の適当な水性分散系はEP−A−41125に記載されており、そしてウレタンアクリレートから製造される適当な水分散性の放射線硬化性プレポリマーはDE−A−2936039に開示されている。
【0074】
上記放射線硬化性の水性プレポリマー分散系は、その他の添加剤として、分散助剤、乳化剤、酸化防止剤、光安定剤、染料、顔料、充填剤、例えばタルク、石膏、シリカ、ルチル、カーボンブラック、酸化亜鉛および酸化鉄、反応促進剤、均展剤、滑剤、水和剤、増粘剤、艶消剤、消泡剤および表面コーティング技術において慣用的な他の助剤を含有してもよい。適当な分散助剤は、極性基を含有する水溶性の高分子量有機化合物、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンおよびセルロースエーテルである。使用され得る乳化剤は非イオン性乳化剤であるが、イオン性乳化剤もまた使用可能である。
【0075】
上記光重合性組成物は、光開始剤(b)を該組成物を基準として0.05ないし15重量%、好ましくは0.1ないし5重量%の量で含有するのが好都合である。
ある種の場合において、本発明の分子錯体光開始剤化合物の他に、別の公知光開始剤、例えばベンゾフェノン、ベンゾフェノン誘導体、アセトフェノン、アセトフェノン誘導体、例えばα−ヒドロキシシクロアルキルフェニルケトン、ジアルコキシアセトフェノン、α−ヒドロキシ−またはα−アミノアセトフェノン、4−アロイル−1,3−ジオキソラン、ベンゾインアルキルエーテルおよびベンジルケタール、モノアシルホスフィンオキシド、ビスアシルホスフィンオキシド、フェロセンまたはチタノセンを使用することが有利であり得る。
【0076】
本発明に係る分子錯体光開始剤はハイブリッド系において使用される場合、カチオン性光開始剤、例えばベンゾイルペルオキシド、芳香族スルホニウム、ホスホニウムもしくはヨードニウム塩またはシクロペンタジエニルアレーン鉄(II)錯塩が本発明に係るフリーラジカル硬化剤の他に使用される。
【0077】
上記光重合性組成物は種々の目的、例えば印刷インキとして、ワニスまたはクリヤコートとして、白色塗料として(例えば木材または金属用)、塗料、特に紙、木材、金属またはプラスチック用の塗料として、建築および道路標識用昼光硬化性塗料として、写真再現法のため、ホログラフ記録材料のため、有機溶媒または水性アルカリ媒体を用いて現像され得る画像記録法または印刷版製造のため、スクリーン印刷用マスク製造のため、歯科用充填材として、接着剤として、感圧接着剤として、積層樹脂として、電子回路のためのエッチングレジストまたは永久レジストおよびソルダーマスクとして、例えば米国特許第4575330号に記載されるような、バルク硬化(透明型内でのUV硬化)または立体リソグラフ法による三次元物品の製造のため、複合材料(例えばガラス繊維および他の助剤を含有してもよいスチレンポリエステル)および他の肉厚層組成物の製造のため、電子部品のコーティングまたは封入のため、または光学繊維に対するコーティングとして使用され得る。
【0078】
本発明に係る分子錯化合物はまた、乳化重合の開始剤として、液体−結晶モノ−およびオリゴマーの秩序ある状態の固定のための重合の開始剤として、および染料の有機材料への固定のための開始剤として使用され得る。
表面コーティングにおいて、モノ不飽和モノマーを含有し得るプレポリマーとポリ不飽和モノマーとの混合物はしばしば使用される。ここでプレポリマーはコーティングフィルム(皮膜)の特性に主として関連し、そしてそれらの変形は当業者が硬化フィルムの特性に影響を及ぼすことを可能にする。ポリ不飽和モノマーはコーティングフィルムを不溶性にする架橋剤として作用する。モノ不飽和モノマーは反応性希釈剤として作用し、それにより溶媒を使用せずに粘度を低下させる。
【0079】
不飽和ポリエステル樹脂は、モノ不飽和モノマー、好ましくはスチレンと組み合わせた二成分系で主として使用される。フォトレジストのために、特定の一成分系、例えばDE−A−2308830に記載されるようなポリマレイミド、ポリチャルコンまたはポリイミドは頻繁に使用される。
【0080】
本発明に係る分子錯化合物は、放射線硬化性粉体塗料(粉末被覆)のためのフリーラジカル光開始剤または光開始系としてさらに使用され得る。粉体塗料は固体樹脂および反応性二重結合を含むモノマー、例えばマレエート、ビニルエーテル、アクリレート、アクリルアミドおよびそれらの混合物をベースとすることができる。フリーラジカル的なUV硬化性粉体塗料は不飽和ポリエステル樹脂を固体アクリルアミド(例えばメチルメタクリルアミドグリコレート)および本発明に係るフリーラジカル光開始剤と混合することにより、例えばM. Wittig およびTh. Gohmann による論文“Radiation Curing of Power Coating", Conference Proceedings, Radtech Europe 1993に記載されるように、製造され得る。同様に、フリーラジカル的なUV硬化性粉体塗料は不飽和ポリエステル樹脂を固体アクリレート、メタクリレートまたはビニルエーテルおよび本発明に係る光開始剤と混合することにより製造され得る。粉体塗料はまた、例えばDE−A−4228514およびEP−A−636669に記載されるような結合剤を含有し得る。UV硬化性粉体塗料はまた、白色または着色顔料を含有してもよい。従って、例えば、好ましくは二酸化ルチルチタンは、良好な被覆力を有する硬化された粉末被覆を与えるために、50重量%までの濃度で使用され得る。通常、この工程は基材、例えば金属または木材上に粉末を静電吹付またはトリボスタティック吹付し、加熱により粉末を溶融し、そして平滑皮膜が形成された後に、紫外線および/または可視光線を用いて、例えば中圧水銀灯、金属ハライド灯またはキセノン灯で上記皮膜を放射線硬化させることからなる。放射線硬化性粉体塗料がその熱硬化性の同等物に比べて特に優れている点は、平滑な高光沢コーティングの形成を確実に行うために、粉体粒子溶融後のフロー時間が選択的に延長され得ることである。熱硬化性の系とは異なり、放射線硬化性粉体塗料は寿命の短縮という不所望の影響なしに製造され得、その結果、それらは比較的低い温度で溶融する。このため、それらはまた、熱感受性基材、例えば木材またはプラスチックに対する塗料として適している。本発明に係る分子錯体光開始剤の他に、粉体塗料配合物はまたUV吸収剤を包含し得る。適当な例は上の項1−8に列挙した。
【0081】
本発明に係る光硬化性組成物は、例えば木材、織物、紙、セラミック、ガラス、プラスチック、例としてポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィンまたは酢酸セルロース、特にフィルムの形態にあるもの、そして金属、例としてAl,Cu,Ni,Fe,Zn,MgまたはCoおよびGaAs,SiまたはSiO2 等のあらゆる種類の基材のためのコーティング物質として例えば適しており、そのコーティングの上には保護コーティングや画像様露光により画像を施すことが望ましい。
【0082】
基材は該基材に液体組成物、すなわち溶液または懸濁液を適用することによりコーティングされ得る。溶媒および濃度の選択は組成物およびコーティング方法のタイプに主に依存する。溶媒は不活性であるべきである。換言すれば、それは各成分と何らかの化学反応を起こすべきではなく、そしてコーティング操作の後、乾燥工程において再び除去されるべきである。適当な溶媒の例はケトン、エーテルおよびエステル、例えばメチルエチルケトン、イソブチルメチルケトン、シクロペタノン、シクロヘキサノン、N−メチルピロリドン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1,2−ジメトキシエタン、酢酸エチル、酢酸n−ブチルおよび3−エトキシプロピオン酸エチルである。
公知コーティング方法を用いて、例えば回転コーティング、浸漬コーティング、ナイフコーティング、カーテンコーティング(流し塗)、ハケ塗、吹付(特に静電吹付)およびリバースロールコーティングにより溶液は基材に均一に塗布される。一時的な可撓性支持材に感光性層を適用し、次いで最終的な基材、例えば銅張回路板を、積層(ラミネーション)を介する層移動によりコーティングすることができる。
【0083】
適用される量(層の厚さ)および基材(層支持材)の性質は所望の用途に応じて決まる。皮膜(コーティング)の厚さの範囲は一般に約0.1μmから10μm以上に及ぶ。
本発明に係る放射線感受性組成物は、非常に高い感光性を有し、そして水性アルカリ媒体中で膨潤せずに現像され得るネガ型レジストとして用途を見出す。それらはエレクトロニクス(ガルバノレジスト,エッチングレジストおよびソルダーレジスト)、印刷版、例えばオフセット印刷版またはスクリーン印刷形態の製造のためのフォトレジストとして適しており、そして化学的ミルのため、または集積回路の製造におけるマイクロレジストとして使用され得る。可能な層支持材およびコーティングされた基材に対する加工条件において対応する広範囲の変形がある。写真情報記録のための層支持材の例はポリエステル、酢酸セルロースまたはプラスチック被覆紙からなるフィルムであり;オフセット印刷版、特に処理されたアルミニウムのため;印刷回路、銅面積層体の製造のため、および集積回路、シリコンウェーハの製造のためのものである。写真材料およびオフセット印刷のための層の厚さは通常約0.5μmないし10μmであり、印刷回路に対しては0.4μmないし約2μmである。
【0084】
基材のコーティングに続いて、溶媒は、乾燥により一般に除去され、基材上にフォトレジストの層を残す。
「画像様露光」という用語は、予め決められたパターンを有するフォトマスク、例えばスライドを介する露光、コンピュータからの制御下で移動されるレーザービームによる例えばコーティングされた基材の表面上への露光(それにより画像を生成する)およびコンピュータ制御された電子線での照射の両方に関する。
材料の画像様露光に続いて、現像の前に、露光された部分だけが熱硬化される短い熱処理を行うことが有利であり得る。使用される温度は通常50−150℃であり、好ましくは80−130℃であり、熱処理の時間は一般に0.25分から10分の間である。
【0085】
光硬化性組成物はまた、例えばDE−A−4013358に記載されるような印刷版またはフォトレジストの製造方法において使用され得る。この方法において、組成物は画像様照射の前、同時または後に露光されるが、該露光はマスクを用いずに少なくとも400nmの波長を有する可視光線で短時間行われる。
露光および任意の熱処理に続いて、フォトレジストの未露光領域はそれ自体公知の現像剤を用いて除去される。
【0086】
上記したように、本発明に係る組成物は水性アルカリ媒体により現像さ得る。適当な水性アルカリ現像剤溶液は、特に水酸化テトラアルキルアンモニウムの水性溶液またはアルカリ金属シリケート、ホスフェート、ヒドロキシドおよびカーボネートの水性溶液である。比較的少量の水和剤および/または有機溶媒が、所望するならば上記溶液に添加されてもよい。現像液に少量で添加されてもよい典型的な有機溶媒の例はシクロヘキサノン、2−エトキシエタノール、トルエン、アセトンおよび上記溶媒の混合物である。
【0087】
光硬化は印刷インキにとってかなり重要であるが、これは結合剤の乾燥時間がグラフィック物の製造速度に対する重大なファクターであり、そしてほんの数秒のオーダーであるべきであるからである。UV硬化性インキは、特にスクリーン印刷に対して重要である。
【0088】
既に記載したように、本発明に係る混合物はまた、印刷版の製造に非常に適しており、その場合、例えば可溶性線状ポリアミドまたはスチレン/ブタジエンまたはスチレン/イソプレンゴム、カルボキシル基を含有するポリアクリレートまたはポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコールまたはウレタンアクリレートの混合物は光重合性モノマー、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、アクリレートまたはメタクリレート、および光開始剤と共に使用される。これらの系(湿式または乾式)から製造されたフィルムおよびプレート(版)は印刷原版(プリントオリジナル)のネガ(またはポジ)を介して露光され、そして未硬化部分は次に適当な溶媒を用いて洗い流される。
【0089】
光硬化が適用されるその他の分野は金属のコーティング、例えば金属シートおよびチューブ、カンまたはボトルカップのコーティングおよびプラスチックコーティング、例えばPVCをベースとする壁または床カバーの光硬化におけるものである。
紙コーティングの光硬化の例はラベル、レコードジャケットまたはブックカバーの無色コーティングである。
【0090】
複合組成物から製造される成形品を硬化させるための本発明に係る化合物の使用もまた同様に興味深い。該複合組成物は自己支持性マトリックス材、例えばガラス繊維織布、その他、例えば植物繊維〔K.-P. Mieck およびT. Reussmann, Kunststoffe 85 (1995), 366-370参照〕からなり、光硬化性配合物が含浸されている。本発明に係る化合物を用いて複合組成物から製造される成形品は高い機械的安定性および耐性を有する。本発明に係る化合物はまた、例えばEP−A−7086に記載されるような成形用、含浸用および被覆用組成物における光硬化材として使用され得る。そのような組成物の例は、硬化活性および耐黄変性に厳しい要求がなされているファインコーティング樹脂(fine coating resin)、または繊維強化成形品、例えば平坦な、または縦方向もしくは横方向に波形を付した光分散性パネルである。そのような成形品の製造方法、例えばハンドレイナップ(hand lay-up) 法、スプレーレイナップ(spray lay-up)法、遠心分離(centrigugal) 法またはフィラメントワインディング(filament winding)法は例えばP. H. Selden, “Glasfaserverstarkte Kunststoffe" 〔ガラス繊維強化プラスチックス〕 610頁,Springer Verlag Berlin-Heidelberg-New York 1967 に記載されている。この方法で製造され得る物品の例はボート、ボール紙(または樹脂合板)または両面がガラス繊維強化プラスチックでコーティングされた合板、パイプ、コンテナ(容器)等である。成形用、含浸用および被覆用組成物の他の例は、ガラス繊維(GRP)を含有する成形品、例えば段ボールシートおよび紙積層体のためのUP樹脂ファインコーティングである。紙積層体はまた、尿素またはメラミン樹脂をベースとしてもよい。ファインコーティングは積層体の製造に先立ち支持体(例えばシート)上に形成される。本発明に係る光硬化性組成物はまた、注型用樹脂のため、または物品、例えばエレクトロニクス部品等の封入のために使用され得る。硬化には、UV硬化に慣用である中圧水銀灯を使用する。しかしながら、より低い強度のランプ、例えばTL40W/03またはTL40W/05タイプのものもまた特に興味深い。これらのランプの強度は日光の強度にほぼ匹敵する。硬化のために直射日光を使用することも可能である。その他の利点は、複合組成物が部分的に硬化した可塑性の状態で光源から取り出され、そして成形され得るということである。完全な硬化は引き続いて行われる。
【0091】
また、重要であるのは、画像形成方法および情報キャリアの光学的製造のために光硬化性組成物を用いることである。これらの適用において、支持体に適用された皮膜(湿潤または乾燥)はフォトマストを通してUV線または可視光で照射され(上記したように)、そして上記皮膜の未露光領域は溶媒(=現像剤)での処理により除去される。光硬化性層はまた、金属への電着により適用されてもよい。露光領域は架橋/重合化され、そしてそれによって不溶性であり、そして支持体上に残る。適当な着色が行われるならば、可視画像が形成される。支持体が金属化された層であるならば、この金属は露光および現像の後にエッチングにより未露光領域から除去され得るか、または電気めっきにより厚さを増加させ得る。このようにして、印刷電子回路およびフォトレジストは製造され得る。
【0092】
本発明に係る組成物の光電感度は一般にUV領域(約200nm)から約600nmにまで及ぶ。適当な放射線は、例えば日光または人工光源からの光からなる。それ故に、大多数の非常に異なるタイプの光源が使用され得る。点光源およびフラットラジエーター(ランプカーペット)の両方が適している。例えば、炭素アーク灯、キセノンアーク灯、中圧、高圧および低圧水銀灯、所望により金属ハロゲン化物でドープされたもの(金属ハロゲン灯)、マイクロ波励起金属蒸気灯、エキシマ灯、超化学線蛍光灯(superactinic fluorescent tube) 、蛍光灯、白熱アルゴン電球、電子フラッシュライト、写真フラッドランプ、電子線およびX線である。ランプとコーティングされるべき本発明に係る基材との距離は用途およびランプのタイプおよび/または出力に応じて変化し得、例えば2cmと150cmの間である。また、例えば可視範囲にあるレーザーが適している。
【0093】
それ故に、本発明は上記した本発明に係る組成物を200ないし600nmの範囲の光で照射することからなる、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物の光重合のための方法を提供する。
本発明はまた、表面コーティング材(表面塗料)、印刷インキ、印刷版、歯科用組成物およびレジスト材を製造するため、および画像記録材料として、特にホログラフ記録材のために上記組成物を使用する方法を提供する。
【0094】
本発明は同様に、上記組成物を少なくとも1つの面にコーティングしてなるコーティングされた基材、およびこのようにコーティングされた基材を画像様露光に暴露し、次に未露光部分を溶媒で除去するレリーフ画像を写真製造するための方法を提供する。上記露光はマスクを介して、またはマスクを用いずにレーザービームにより行われ得る。
【0095】
【発明の実施の形態】
本発明に係る分子錯化合物は硬化されるべき配合物中に容易に混合され得る。
本発明に係る分子錯化合物は一般に、製造の過程で不純物が溶液中に残るので、個々の成分に比べより少量の不純物しか含有しない。それ故に、これらの光開始剤はまた、非常に高い感度の用途にも適している。
本発明に係る分子錯化合物は良好な貯蔵安定性を有する。
分子錯化合物の製造の際に、混合物が、本発明に係る分子錯体結晶とそれらの製造のために使用された成分の一つとの間に成形されることが可能であり、該混合物は例えば式IおよびIIで表される化合物からなる分子錯体結晶と式Iで表される化合物の結晶の混合物である。
これらの混合物は光開始剤としても使用され得る。
【0096】
【実施例】
以下の実施例は本発明をより詳細に説明する。本明細書において部および%は特記しない限り重量を基準とする。
【0097】
実施例1:ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシドおよびα−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの分子錯体
結晶種を製造するために、モル比1:1にあるビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシドとα−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとをイソオクタンおよび酢酸エチルの混合物(重量比2.3:1)中80℃で溶解させる。結晶化が始まるまでガラス棒でガラス壁を擦ることにより、核形成が53−55℃で開始される。このようにして得られた結晶は、より多量の分子錯体の最初の製造における結晶種として使用される。
【0098】
より多量の分子錯体結晶の製造:
ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド385gとα−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン165gとをイソオクタン385gおよび酢酸エチル165gの混合物中に80℃で溶解させる。混合物を53−55℃まで冷却する。存在するエマルジョンは、相当する混合結晶変形物を用いてこの温度で結晶種が入れられ、そして結晶化される。20℃での濾過の後、生成物を溶媒混合物で洗浄し、そして約70℃および50ミリバールで乾燥させると、乾燥結晶生成物530gが得られ、これはすなわち理論値の96%に相当する。融点〔示差式走査熱量測定法(ifferential canning alorimetry)による測定〕は90℃である。リン含量は4.47%である。ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシドの含量は71%であり、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの含量は29%である。これらの数値は高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定される。
【0099】
X線構造分析〔四軸型回折計フィリップスPW1100,MoKα1 半径(λ=0.70926Å)を用いて黄色小板形状結晶に対して測定し、プログラムシステムSHELX86(シェルドリック,ゲッチンゲン)を用いて直接法により計算される〕は、空間群P21 /cを有する単斜晶系を示す〔X線結晶学のための国際表(International Tables for X-ray Crystallography), 1974,Vol. IV 〕。
化学式C26357 P・C13162 ;分子量694.80
単位格子は4分子を含有し、そしてその寸法は以下のとおりである:
a(Å)17.514(2);b(Å)10.518(1);c(Å)20.912(2)
β(°)97.92(1);V(Å3 )3815.5(8)。
精密化計算により0.047のR値を示す。
【0100】
実施例2:ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシドおよびα−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの分子錯体
結晶種は実施例1に記載したように製造される。
ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド140gとα−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン60gとをメチルエチルケトン(MEK)92gおよび水11gの混合物中に30−35℃で溶解させる。(ここで水の存在は必須ではない;純粋なMEKが使用される場合もまた錯体が得られる。)溶液は20−23℃まで冷却され、そして適当な混合結晶変形物を用いて結晶種が入れられる。明らかに結晶懸濁液が形成されたらすぐに、水500mlで徐々に希釈する。20℃での濾過により、湿潤生成物220gが得られ、これを水で洗浄し、そして約70℃および50ミリバールで乾燥させると、融点91℃(DSC)を有する乾燥結晶生成物200g(理論値の>99%)が得られる。ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシドの含量は71%であり、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの含量は29%である(HPLC)。
【0101】
実施例3:ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシドおよび2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンの分子錯体
結晶種はモル比1:1で各成分を酢酸エチル中に室温で溶解させることにより製造される。結晶化はヘキサンを添加することにより行われる。混合物はビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシドおよび2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンからなる分子錯体結晶から形成される。この結晶混合物はより多量の分子錯体の結晶の製造における結晶種として適当である。
【0102】
より多量の分子錯体結晶の製造:
ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド150gおよび2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン50gをメチルエチルケトン92gおよび水11gの混合物中に30−35℃で溶解させる。(ここで水の存在は必須ではない;純粋なMEKが使用される場合もまた錯体が得られる。)溶液は5℃まで冷却され、そして相当する混合結晶変形物でもって結晶種が入れられる。明らかに結晶懸濁液が形成されたらすぐに、5℃で、水1000mlで徐々に希釈する。20℃での濾過および約60℃および50ミリバールでの乾燥を行うと、融点73℃(DSC)およびリン含量4.7%を有する乾燥結晶生成物194g(理論値の97%)が得られる。
【0103】
X線構造分析〔四軸型回折計フィリップスPW1100,MoKα1 半径(λ=0.70926Å)を用いて小板形状の無色結晶に対して測定し、プログラムシステムSHELX86(シェルドリック,ゲッチンゲン)を用いて直接法により計算される〕は、空間群P21 /nを有する単斜晶系を示す〔X線結晶学のための国際表(International Tables for X-ray Crystallography), 1974,Vol. IV 〕。
化学式C26357 P・C10122 ;分子量654.73
単位格子は4分子を含有し、そしてその寸法は以下のとおりである:
a(Å)17.828(2);b(Å)10.365(1);c(Å)19.592(2)
β(°)95.46(1);V(Å3 )3603.9(8)。
精密化計算により0.042のR値を示す。
【0104】
実施例4:ビス(フェニル)−2,4,6−トリメチルベンゾイルホスフィンオキシドおよびα−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの分子錯体
イソパールE(登録商標,Isopar E)(分岐および非分岐パラフィン系炭化水素の混合物;エッソ)中の1:1のモル比にあるビス(フェニル)−2,4,6−トリメチルベンゾイルホスフィンオキシドおよびα−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの溶液を非常にゆっくりと冷却することにより結晶種は製造される。
【0105】
より多量の分子錯体結晶の製造:
ビス(フェニル)−2,4,6−トリメチルベンゾイルホスフィンオキシド100gおよびα−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン59gをイソパールE(登録商標)200ml中に80℃で溶解させる。得られる溶液を55℃まで冷却すると、その間に濁ったエマルジョンが形成される。このエマルジョンに相当する混合結晶変形物を用いて53−55℃で結晶種が入れられる。生成物は硬い淡黄色結晶の形態で結晶化する。得られる懸濁液を2ないし3時間かけて一定速度で室温まで冷却し、次いで濾過する。濾過固体をイソパールE(登録商標)でまず洗浄し、次にヘキサンで洗浄する。50℃および50ミリバールで乾燥させると、生成物150gが得られるが、これは理論値の94.3%に相当する。融点は69.4℃(DSC)であり、リン含量は5.5%である。
【0106】
X線構造分析〔四軸型回折計フィリップスPW1100,MoKα1 半径(λ=0.70926Å)を用いて測定し、プログラムシステムSHELX86(シェルドリック,ゲッチンゲン)を用いて直接法により計算される〕は、空間群PI(対称心あり)を有する三斜晶系を示す〔X線結晶学のための国際表(International Tables for X-ray Crystallography), 1974,Vol. IV におけるNo.2〕。
化学式C22212 P・C13162 ;分子量552.65
単位格子は2分子を含有し、そしてその寸法は以下のとおりである:
a(Å)9.081;b(Å)11.436;c(Å)16.092;
α(°)91.98;β(°)101.05;γ(°)109.50;V(Å3 )1537.3。
精密化計算により0.051のR値を示す。
水素結合を介して会合される2個のO原子(ヒドロキシケトンのOH基とホスフィンオキシドのリン原子上のO原子)間の距離は2.715Åである。結合角O−H…Oは169°と測定される。
【0107】
実施例5:ビス(フェニル)−2,4,6−トリメチルベンゾイルホスフィンオキシドおよびα−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの分子錯体(溶融法)
ビス(フェニル)−2,4,6−トリメチルベンゾイルホスフィンオキシド10gおよびα−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン5.9gを100℃で溶融させ、均質化し、そして室温まで徐々に冷却させる。相当する分子錯化合物を用いて結晶種を入れると、自然に結晶が行われる。
【0108】
実施例6:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4−ジヘキソキシフェニルホスフィンオキシドおよびα−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの分子錯体(溶融法)
結晶種は、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4−ジヘキソキシフェニルホスフィンオキシドおよびα−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンのモル比1:1の溶融体を非常にゆっくり冷却し、そして溶融体が冷却された後、フラスコの壁を強く引っ掻くことにより得られる。
【0109】
結晶化による製造
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4−ジヘキソキシフェニルホスフィンオキシド1.5gおよびα−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.5gをイソパールE(登録商標)/エチルエステル(3:1)10ml中に50−60℃で溶解させる。得られる溶液を20−25℃まで冷却し、そして上記のようにして結晶種を入れる。溶液を次に冷蔵庫中に一晩保存する。この間に、生成物は淡黄色結晶の形態で結晶化する。得られる懸濁液を濾過し、そして濾過固体を冷イソパールE(登録商標)で最初に、そして次に冷ヘキサンで洗浄する。50−50℃および50ミリバールで乾燥させると、生成物1g(理論値の約50%)が得られる。融点はDSC法により測定され、67.3℃である。
【0110】
X線構造分析〔四軸型回折計ノニウスCAD4(エンラフ・ノニウス),CuKα1 半径(λ=1.54178Å)を用いて立方体結晶に対して測定し、プログラムシステムSHELX86(シェルドリック,ゲッチンゲン)を用いて直接法により計算される〕は、空間群P−1を有する三斜晶系を示す〔X線結晶学のための国際表(International Tables for X-ray Crystallography), 1974,Vol. IV 〕。
化学式C38515 P・C13162 ;分子量823.02
単位格子は2分子を含有し、そしてその寸法は以下のとおりである:
a(Å)11.721(1);b(Å)12.327(1);c(Å)17.493(1);
α(°)105.73(1);β(°)99.32(1);γ(°)92.71(1);V(Å3 )2389.6(3)。
精密化計算により0.079のR値を示す。
水素結合を介して会合される2個のO原子(ヒドロキシケトンのOH基とホスフィンオキシドのリン原子上のO原子)間の距離は2.747Åである。結合角O−H…Oは169°と測定される。
【0111】
実施例7:白色塗料の硬化
光硬化性白色塗料は以下の成分を混合することにより製造される:
エベクリル830(登録商標,Ebecryl 830 ) 67.5%
ヘキサンジオールジアシレート 5.0%
トリメチロールプロパントリアクリレート 2.5%
RTC−2(登録商標)二酸化チタン 25.0% および
実施例3の分子錯化合物 3.0%
【0112】
100μmのスロット付きドクターナイフを用いてチップボードパネルに上記配合物が塗布される。次いで、露光はカンラッド−ハノビア(Canrad-Hanovia)タイプ(米国)の80W/cm中圧水銀灯を用いて行われるが、試料は5m/分の速度でベルトによりランプの下を通過させる。得られるペイントフィルム(塗膜)は全体が十分に硬化され、そして汚れに対して耐性であり、そしてその振子型硬度(ケニッヒ,DIN53157に準拠)は146秒である。

Claims (7)

  1. モノ−、ビス−またはトリスアシルホスフィンオキシド化合物とα−ヒドロキシケトン化合物とからなる分子錯化合物であって、
    前記モノ−、ビス−またはトリスアシルホスフィンオキシド化合物が次式I:
    Figure 0004200392
    (式中、R 1 およびR 2 は互いに独立して炭素原子数1ないし12のアルキル基、ベンジル基、未置換またはハロゲン原子、炭素原子数1ないし8のアルキル基および/または炭素原子数1ないし8のアルコキシ基により1ないし4回置換されたフェニル基を表すか、またはシクロヘキシル基または次式:COR 3 で表される基を表すか、または
    1 は−OR 4 または次式:
    Figure 0004200392
    で表される基を表し、
    3 は未置換または炭素原子数1ないし8のアルキル基、炭素原子数1ないし8のアルコキシ基、炭素原子数1ないし8のアルキルチオ基および/またはハロゲン原子により1ないし4回置換されたフェニル基を表すか、または次式:
    Figure 0004200392
    で表される基を表し、
    4 は炭素原子数1ないし8のアルキル基、フェニル基またはベンジル基を表し、
    Yはフェニレン基、炭素原子数1ないし12のアルキレン基またはシクロヘキシレン基を表し、そして
    Xは炭素原子数1ないし18のアルキレン基または次式:
    Figure 0004200392
    で表される基を表す)で表される化合物であり、;及び
    前記α−ヒドロキシケトン化合物が次式II:
    Figure 0004200392
    (式中、
    11 およびR 12 は互いに独立して水素原子、炭素原子数1ないし6のアルキル基またはフェニル基を表すか、または
    11 およびR 12 はそれらが結合されている炭素原子と一緒になってシクロヘキシル環を形成し、
    13 はOHを表し、
    14 は水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基、炭素原子数1ないし12のアルコキシ基、−OCH 2 CH 2 −OR 15 、基CH 2 =C(CH 3 )−を表し;そして
    15 は水素原子、
    Figure 0004200392
    で表される基を表す)で表される化合物である、分子錯化合物。
  2. (a)少なくとも1種のエチレン性不飽和光重合性化合物、および
    (b)光開始剤として、少なくとも1種の請求項1記載の分子錯化合物を含有する光重合性組成物。
  3. 成分(b)の他に、他の添加剤を含有する請求項記載の光重合性組成物。
  4. 光開始剤として、成分(b)を0.015−15重量%含有する請求項記載の光重合性組成物。
  5. 請求項記載の組成物を200ないし600nmの範囲の光で照射することからなる、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物を光重合する方法。
  6. 塗料、印刷インキ、印刷版、歯科用組成物およびレジスト材を製造するため、および画像記録材料として請求項記載の組成物を使用する方法。
  7. 請求項記載の組成物を少なくとも1つの面にコーティングしてなるコーティングされた基材。
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