JP5148235B2 - インク組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、インク組成物、及びそれを用いたインクジェット記録方法に関するものである。詳しくは、活性放射線の照射に対して、高感度で硬化し、インク硬化後にも硬化物が充分な柔軟性を有する、インクジェット記録用に好適なインク組成物、及び、インクジェット記録方法に関するものである。
画像データ信号に基づき、紙などの被記録媒体に画像を形成する画像記録方法として、電子写真方式、昇華型及び溶融型熱転写方式、インクジェット方式などがある。電子写真方式は、感光体ドラム上に帯電及び露光により静電潜像を形成するプロセスを必要とし、システムが複雑となり、結果的に製造コストが高価になるなどの問題がある。また熱転写方式は、装置は安価であるが、インクリボンを用いるため、ランニングコストが高く、かつ廃材が出るなどの問題がある。
一方、インクジェット方式は、安価な装置で、且つ、必要とされる画像部のみにインクを吐出し被記録媒体上に直接画像形成を行うため、インクを効率良く使用でき、ランニングコストが安い。さらに、騒音が少なく、画像記録方式として優れている。
紫外線などの活性放射線の照射により硬化可能なインク組成物(放射線硬化型インク組成物)、例えば、インクジェット記録用インク組成物としては、高感度で硬化し、高画質の画像を形成しうるものが求められている。高感度化を達成することにより、活性放射線の照射により高い硬化性が付与されるため、消費電力の低減や活性放射線発生器への負荷軽減による高寿命化などの他、充分な硬化が達成されることにより、未硬化の低分子物質の揮発、形成された画像強度の低下などを抑制することができるなど、種々の利点をも有することになる。
紫外線光による硬化型インクジェット方式は、比較的低臭気であり、速乾性、インク吸収性の無い被記録媒体への記録ができる点で、近年注目されつつある。
このような光重合硬化型のインク組成物に用いられる光重合開始剤としては、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ミヒラーケトン、アントラキノン、アクリジン、フェナジン、ベンゾフェノン、2−エチルアントラキノン等が一般的である(特許文献1)。しかしながら、これらの一般的な光重合開始剤を用いた場合、光重合性組成物の硬化感度が十分とはいえず画像形成における像露光に長時間を要し、細密な画像を形成しようとする場合は、画像形成工程中にわずかな振動があると良好な画質の画像が形成されないという問題がある。さらに、露光の光源のエネルギー放射量の総量が増大するために、それに伴う多大な発熱の放射を考慮する必要があった。
従来、放射線硬化型の重合性化合物における放射線に対する感度を高める方法として、光重合開始剤と共に増感色素を用いることが提案され、種々の重合開始系を使用することが開示されている。例えば増感色素として、チオキサントン系化合物を使用することが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2)。しかし、チオキサントン系化合物をはじめとする増感色素は、重合性組成物の硬化後にも、硬化膜中に他の化合物と結合することなくモノマーとして残存するため、硬化膜と接触している他の物質に移動する、低分子量成分であるために硬化膜中で可塑剤と同様の挙動を示し、膜強度を低下させる、或いは、硬化膜表面のべとつきを引き起こし表面硬化感度を低下させる、といった問題を生じやすい傾向にある。
インク組成物を利用するこの技術分野においては、インク受容層に形成される画像と、該画像に接触する他の物質との間のブロッキング、即ち、インクの画像から他の物質に移転したり、インクに起因して他の物質との所望されない接着を引き起こす事態を抑制することが重要な課題の1つとなっている。このため、耐ブロッキング性に優れた多官能チオキサントン化合物をインク組成物に適用することが提案されているが(例えば、特許文献3)、得られたインク組成物は粘度が高く、インクジェット用インクには不適である。
特開平6−308727号公報 特開昭56−143202号公報 特表2005−512973号公報
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、低出力放射線の照射に対しても高感度で硬化し、高画質の画像を形成することができ、形成された画像表面のべとつきが抑制された耐ブロッキング性の高いインク組成物及び該インク組成物を用いたインクジェット記録用インク及び記録方法を提供することである。
本発明が解決しようとする課題は、下記1)及び8)に記載の手段によって解決された。好ましい実施態様である2)〜7)とともに以下に記載する。
1)下記式(I)で表される化合物A、下記式(II)で表される化合物B、及び、重合性化合物、を含有することを特徴とするインク組成物、
Figure 0005148235
(式(I)中、XはO、S、又は、NRaを表し、n1は0又は1を表し、Ra、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、及びR10は、それぞれ独立に水素原子、又は一価の置換基を表し、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、隣接する2つが互いに連結して環を形成していてもよい。)
Figure 0005148235
(式(II)中、XはO、S、又は、NRbを表し、n2は0又は1を表し、Rb、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、及びR18は、それぞれ独立に水素原子、または一価の置換基を表し、R11、R12、R13、およびR14は、それぞれ隣接する2つが互いに連結して環を形成していてもよい。)
2)300〜400nmの波長範囲に光吸収極大を有する式(I)で表される化合物Aおよび式(II)で表される化合物Bであって、化合物Aの吸収極大波長λmax(A)と化合物Bの吸収極大波長λmax(B)が、λmax(A)−λmax(B)>10nmの関係を満たす1)に記載のインク組成物、
(ここで、化合物A及び/又は化合物Bが、300〜400nmの波長範囲に2つ以上の吸収極大を有する場合は、λmax(A)又は/及びλmax(B)は、最も長波長側の吸収極大により特定する。)
3)光重合開始剤を含有する1)又は2)に記載のインク組成物、
4)前記光重合開始剤が、アシルフォスフィンオキサイド化合物及びα−アミノアセトフェノン化合物よりなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物である3)に記載のインク組成物、
5)式(II)で表される化合物Bのインク組成物中の含有モル濃度が、式(I)で表される化合物Aのインク組成物中の含有モル濃度よりも高い1)〜4)のいずれか一つに記載のインク組成物、
6)着色剤を含有する1)〜5)のいずれか一つに記載のインク組成物、
7)インクジェット記録用である1)〜6)のいずれか一つに記載のインク組成物、
8)(a)被記録媒体上に、1)〜7)のいずれか一つに記載のインク組成物を吐出する工程、及び(b)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、インク組成物を硬化する工程、を含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
本発明によれば、吸収極大波長に差がある特定の2種類の増感剤を併用することにより、照射される活性放射線(紫外線)を有効に吸収して高感度で硬化し、しかも硬化画像から滲み出しの少なく、耐ブロッキング性に優れた画像を与えることのできる、インク組成物及びこのインク組成物を使用するインクジェット記録方法を提供することができた。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のインク組成物は、下記式(I)で表される化合物A、下記式(II)で表される化合物B、及び、重合性化合物、を必須成分として含有する。
Figure 0005148235
(式(I)中、XはO、S、又は、NRaを表し、n1は0又は1を表し、Ra、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、及びR10は、それぞれ独立に水素原子、又は一価の置換基を表し、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、隣接する2つが互いに連結して環を形成していてもよい。)
Figure 0005148235
(式(II)中、XはO、S、又は、NRbを表し、n2は0又は1を表し、Rb、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、及びR18は、それぞれ独立に水素原子、または一価の置換基を表し、R11、R12、R13、およびR14は、それぞれ隣接する2つが互いに連結して環を形成していてもよい。)
本発明のインク組成物は、上記式(I)で表される化合物A、及び、上記式(II)で表される化合物Bの2種類の増感剤を併用することを特徴とする。
(増感剤)
<式(I)で表される化合物A>
式(I)で表される化合物Aについて以下に説明する。
Figure 0005148235
前記式(I)中、XはO、S、又は、NRaを表し、Xとしては、Sであることがより好ましい。n1は0又は1を表す。
a、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、及びR10はそれぞれ独立に水素原子、または一価の置換基を表す。
aが一価の置換基を表す場合、Raはアルキル基、又はアシル基を表す。R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、及びR10の1価の置換基としては、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、置換スルホニル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、置換スルフィニル基、置換ホスホリル基、アシル基、カルボキシ基又はスルホ基などが挙げられる。なかでも、より好ましくは、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキルチオ基、カルボキシ基である。特に好ましくは、アルキル基、ハロゲン原子である。
なお、式(I)におけるRa、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、及びR10の置換基を表す場合のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基のような炭素数1〜4個のものが好ましく挙げられ、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基がより好ましく、メチル基、エチル基が特に好ましい。
同様に、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、イソプロポキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基のような炭素数1〜4個のものが好ましく挙げられ、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、プロポキシ基、がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基が特に好ましい。
また同様に、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができ、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子がより好ましく、塩素原子、臭素原子が特に好ましい。
<式(II)で表される化合物B>
式(II)で表される化合物Bについて以下に説明する。
Figure 0005148235
前記式(II)中、XはO、S、又は、NRbを表し、Xとしては、Sであることがより好ましい。n2は0又は1の整数を表す。
b、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、及びR18はそれぞれ独立に水素原子、または一価の置換基を表す。
bが一価の置換基を表す場合、アルキル基、又はアシル基を表す。R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、及びR18が1価の置換基を表す場合の、1価の置換基としては、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、置換スルホニル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、置換スルフィニル基、置換ホスホリル基、アシル基、カルボキシ基又はスルホ基などが挙げられる。なかでも、より好ましくは、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキルチオ基、カルボキシ基である。特に好ましくは、アルキル基、ハロゲン原子である。
なお、式(II)におけるRb、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、及びR18の1価の置換基を表す場合のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基のような炭素数1〜4個のものが好ましく挙げられ、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基がより好ましく、メチル基、エチル基が特に好ましい。
同様に、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、イソプロポキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基のような炭素数1〜4個のものが好ましく挙げられ、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、プロポキシ基、がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基が特に好ましい。
また同様に、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができ、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子がより好ましく、塩素原子、臭素原子が特に好ましい。
11、R12、R13、およびR14は、それぞれ隣接する2つが互いに連結、例えば、縮合して環を形成していてもよい。
これらが環を形成する場合の環構造としては、5又は6員環の脂肪族環、芳香族環などが挙げられ、炭素原子以外の元素を含む複素環であってもよく、また、形成された環同士がさらに組み合わさって2核環、例えば、縮合環を形成していてもよい。さらにこれらの環構造は、前記式(I)において、R1乃至R8が1価の置換基を表す場合に例示した置換基をさらに有していてもよい。形成された環構造が複素環である場合のヘテロ原子の例としては、N、O、及びSを挙げることができる。
より好適に用いることのできる増感剤としては、下記式(I−A)又は式(II−A)で示される増感剤が挙げられる。
Figure 0005148235
式(I−A)において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、及びR10はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、カルボキシ基又はスルホ基を表す。
Figure 0005148235
式(II−A)において、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、及びR18はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、カルボキシ基又はスルホ基を表す。
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R11、R12、R13、およびR14は、それぞれ隣接する2つが互いに連結、例えば、縮合して環を形成していてもよい。
これらが環を形成する場合の環構造としては、5又は6員環の脂肪族環、芳香族環などが挙げられ、炭素原子以外の元素を含む複素環であってもよく、また、形成された環同士がさらに組み合わさって2核環、例えば、縮合環を形成していてもよい。さらにこれらの環構造は、前記式(I)において、R1乃至R8が1価の置換基を表す場合に例示した置換基をさらに有していてもよい。形成された環構造が複素環である場合のヘテロ原子の例としては、N、O、及びSを挙げることができる。
さらに好適に用いることのできる増感剤としては、下記式(I−B)又は式(II−B)で示される増感剤が挙げられる。
Figure 0005148235
前記式(I−B)において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、及びR10はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、カルボキシ基又はスルホ基を表す。
Figure 0005148235
式(II−B)において、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、及びR18はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、カルボキシ基又はスルホ基を表す。
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R11、R12、R13、およびR14は、それぞれ隣接する2つが互いに連結、例えば、縮合、して環を形成していてもよい。
これらが環を形成する場合の環構造としては、5又は6員環の脂肪族環、芳香族環などが挙げられ、炭素原子以外の元素を含む複素環であってもよく、また、形成された環同士がさらに組み合わさって2核環、例えば、縮合環を形成していてもよい。さらにこれらの環構造は、前記式(I)において、R1乃至R8が一価の置換基を表す場合に例示した置換基をさらに有していてもよい。形成された環構造が複素環である場合のヘテロ原子の例としては、N、O、及びSを挙げることができる。
特に好適に用いることのできる増感剤(II−B)としては、下記式(III)で示される増感剤が挙げられる。
Figure 0005148235
式(III)においてR19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、及びR26はそれぞれ独立に水素原子、または一価の置換基を表す。
19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、及びR26が一価の置換基を表す場合の、一価の置換基としては、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、置換スルホニル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、置換スルフィニル基、置換ホスホリル基、アシル基、カルボキシ基又はスルホ基などが挙げられる。なかでも、より好ましくは、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキルチオ基、カルボキシ基である。特に好ましくは、アルキル基、ハロゲン原子である。
19、R20、R21、およびR22は、それぞれ隣接する2つが互いに連結して、例えば、縮合して環を形成していてもよい。
これらが環を形成する場合の環構造としては、5又は6員環の脂肪族環、芳香族環などが挙げられ、炭素原子以外の元素を含む複素環であってもよく、また、形成された環同士がさらに組み合わさって2核環、例えば、縮合環を形成していてもよい。さらにこれらの環構造は、前記式(I)において、R1乃至R8が一価の置換基を表す場合に例示した置換基をさらに有していてもよい。形成された環構造が複素環である場合のヘテロ原子の例としては、N、O、及びSを挙げることができる。
本発明に好適に用いることのできる、化合物Aの具体例としては、例えば、チオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,3−ジエチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−シクロヘキシルチオキサントン、4−シクロヘキシルチオキサントンなどが挙げられる。
本発明に好適に用いることのできる、化合物Bの具体例〔例示化合物(I−1)〜(I−127)〕を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、化学構造式中、Meはメチル基を表し、Butはtert−ブチル基を表し、その他慣例に従い標記する。
Figure 0005148235
Figure 0005148235
Figure 0005148235
Figure 0005148235
Figure 0005148235
Figure 0005148235
Figure 0005148235
Figure 0005148235
本発明のインク組成物は、化合物A及び化合物Bの光吸収極大波長が、300〜400nmの波長範囲において、以下の条件1)及び2)を満足することが好ましい。
1)化合物A及び化合物Bともに300〜400nmの波長範囲に光吸収極大を有する
2)化合物Aの吸収極大波長λmax(A)と化合物Bの吸収極大波長λmax(B)が、以下の関係を満たす:
10nm<λmax(A)−λmax(B)<50nm
ここで、化合物A及び/又は化合物Bが、300〜400nmの波長範囲に2つ以上の吸収極大を有する場合は、λmax(A)又は/及びλmax(B)は、最も長波長側の吸収極大により特定する。
上式の光吸収極大の差λmax(A)−λmax(B)は、10〜50nmの範囲内にあることが好ましく、20〜40nmの範囲内にあることがより好ましい。
上記の関係を満たす化合物Aと化合物Bの組合せであると、より低い濃度で優れた硬化性が得られるので好ましい。
λmax(A)及びλmax(B)は、化合物Aおよび化合物Bをそれぞれ適当な溶剤に溶解し、該溶液の吸収スペクトルを市販の分光光度計にて測定することによって求めることができる。
ここで、化合物A及び化合物Bを溶解する溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルであることが好ましく、上記の関係を決定するために使用される。該溶液の化合物A及び化合物Bの濃度としては、0.001重量%、0.01重量%、0.1重量%、1重量%のいずれかの濃度であることが好ましい。また、吸光度を測定するときの光路長は、1cmまたは0.1cmであることが好ましい。尚、市販の分光光度計としては、例えば、日本分光社製V560分光光度計等を用いることができる。
インク組成物に含有する化合物Aと化合物Bの組合せとしては、化合物Aとして、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,3−ジエチルチオキサントン及び2,4−ジエチルチオキサントンよりなる群から選ばれたいずれかの化合物、及び、化合物Bとして、I-1、 I-2、 I-4、 I-14、 I-15、及びI-19よりなる群から選ばれたいずれかの化合物、の組合せが、20nm<λmax(A)−λmax(B)<40nmであり、かつ、あらゆる重合性化合物に対する、少なくとも多くのエチレン性不飽和化合物に対する溶解性に優れている点で好ましい。
本発明のインク組成物に含有する式(I)で表される化合物Aと式(II)で表される化合物Bの組成比としては、より効果的に感度を向上させる観点から、λmax(A)とλmax(B)の吸光度がほぼ等しくなるようにすることが好ましい。
一般的には、化合物Aの方が、化合物Bよりもモル吸光係数が高いため、化合物Aと化合物Bの組成比としては、化合物Bのインク組成物中の含有モル濃度が、化合物Aのインク組成物中の含有モル濃度よりも高いことが好ましい。
インク組成物に含有させる化合物A及び化合物Bの合計添加濃度としては、インク組成物の総重量に対して、2重量%以上6.5重量%未満であることが好ましく、より好ましくは2〜6重量%、更に好ましくは3.3〜5.8重量%である。添加量が上記範囲内であると、良好な膜内部の硬化性と耐ブロッキング性を得ることができるので好ましい。
本発明のインク組成物は、重合性化合物を必須成分として含有する。
重合性化合物としては、ラジカル重合性化合物及び/又はカチオン重合性化合物を使用できるが、ラジカル重合性化合物が好ましく使用できる。カチオン重合性化合物としては、公知の、エポキシ化合物、オキセタン化合物及びビニルエーテル類が使用できる。
本発明においては、ラジカル重合性のエチレン性不飽和化合物を好ましく使用できる。
(ラジカル重合性化合物)
インク組成物に使用されるラジカル重合性化合物について説明する。
重合性化合物としては、各種(メタ)アクリレート類が好ましく使用できる。
例えば、イソアミルアクリレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、イソアミルスチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコールアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ブトキシエチルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−アクリロイキシエチルコハク酸、2−アクリロイキシエチルフタル酸、2−アクリロイキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、ラクトン変性可とう性アクリレート、t−ブチルシクロヘキシルアクリレート等の単官能モノマーが挙げられる。
また、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート、ビスフェノールAのEO(エチレンオキサイド)付加物ジアクリレート、ビスフェノールAのPO(プロピレンオキサイド)付加物ジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能モノマーが挙げられる。
この他、重合性のオリゴマー類も、モノマー同様に配合可能である。重合性オリゴマーとしては、エポキシアクリレート、脂肪族ウレタンアクリレート、芳香族ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、直鎖アクリルオリゴマー等が挙げられる。
インク組成物を構成するラジカル重合性化合物としては、上記に挙げるラジカル重合性化合物を適宜用いることができるが、硬化物の柔軟性及び耐擦性を向上させる観点から、該ラジカル重合性化合物は、単官能環状(メタ)アクリレート類であることが好ましく、更に、好ましくは、下記のうちいずれかの化合物(M−1乃至M−29)である。また、フェノキシエチルアクリレートも好ましく使用できる。
Figure 0005148235
Figure 0005148235
本発明のインク組成物に含有する重合性化合物は、画像定着性の観点から、該インク組成物への添加濃度として、インク組成物の総重量に対して、40重量%以上98重量%以下(尚、本発明において、「40重量%以上95重量%以下」を「40〜95重量%」又は「40重量%〜95重量%」とも表記することとする。以下、同様。)であることが好ましく、50〜95重量%であることがより好ましく、60〜90重量%であることが更に好ましい。重合性化合物の添加量が上記範囲内であると、硬化性に優れ、また、粘度が適切であるので好ましい。
ラジカル重合性化合物は画像定着性の観点から、該着色液への添加濃度として、インク組成物の総重量に対して、40重量%以上98重量%以下であることが好ましく、50重量%以上95重量%以下であることがより好ましく、60重量%以上90重量%以下であることが特に好ましい。ラジカル重合性化合物の添加量が上記範囲内であると、硬化性に優れ、また、粘度が適切であるので好ましい。
また、本発明のインク組成物には光重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤の添加濃度としては、インク組成物の総重量に対して、0.1〜20.0重量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜18.0重量%、更に好ましくは1.0〜15.0重量%である。光重合開始剤の添加量が上記範囲内であると、硬化性に優れ、また、表面ベトツキ低減の観点から適切であるので好ましい。
着色剤は、該インク組成物の添加濃度として、インク組成物の総重量に対して50重量%以下であることが好ましく、1〜30重量%であることがより好ましく、2〜20重量%であることが更に好ましい。着色剤の添加量が上記範囲内であると良好な画像濃度及び保存安定性が得られるので好ましい。
(光重合開始剤)
本発明のインク組成物は、光重合開始剤を含有することが好ましい。
本発明のインク組成物に含有する光重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤を使用することができる。本発明に用いることができる光重合開始剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明に用いることのできる光重合開始剤は、活性放射線の照射により重合開始種を生成する化合物である。活性放射線としては、γ線、β線、電子線、紫外線、可視光線、赤外線が例示できるが、装置コストや操作上の安全性の観点から、紫外線または可視光線が好ましい。
具体的な光重合開始剤は当業者間で公知のものを制限なく使用でき、具体的には、例えば、Bruce M.Monroeら著、Chemical Review,93,435(1993).や、R.S.Davidson著、Journal of Photochemistry and biology A :Chemistry,73.81(1993).や、J.P.Faussier“Photoinitiated Polymerization−Theory and Applications”:Rapra Review vol.9,Report,Rapra Technology(1998).や、M.Tsunooka et al.,Prog.Polym.Sci.,21,1(1996).に多く記載されている。また、(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)に化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が多く記載されている。さらには、F.D.Saeva,Topics in Current Chemistry,156,59(1990).、G.G.Maslak,Topics in Current Chemistry,168,1(1993).、H.B.Shuster et al,JACS,112,6329(1990).、I.D.F.Eaton et al,JACS,102,3298(1980).等に記載されているような、増感剤の電子励起状態との相互作用を経て、酸化的もしくは還元的に結合解裂を生じる化合物群も知られる。
<アシルホスフィンオキサイド化合物>
アシルホスフィンオキサイド化合物としては、下記式(2)又は下記式(3)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0005148235
前記式(2)中のR1及びR2は、それぞれ独立に脂肪族基、芳香族基、脂肪族オキシ基、芳香族オキシ基、複素環基を表し、R3は、脂肪族基、芳香族基、複素環基を表す。前記R1とR2は結合して5員環乃至9員環を形成してもよい。前記環構造は、環構造中に酸素原子、窒素原子、硫黄原子等を有する複素環であってもよい。
前記R1、R2又はR3で表される脂肪族基は、例えば、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アラルキル基、又は置換アラルキル基等が挙げられ、中でも、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アラルキル基、又は置換アラルキル基が好ましく、アルキル基、置換アルキル基が特に好ましい。また、前記脂肪族基は、環状脂肪族基でも鎖状脂肪族基でもよい。また、鎖状脂肪族基は分岐を有していてもよい。
前記アルキル基としては、直鎖状、分岐状、環状のアルキル基が挙げられ、該アルキル基の炭素原子数としては、1以上30以下が好ましく、1以上20以下がより好ましい。置換アルキル基のアルキル部分の炭素原子数の好ましい範囲については、アルキル基の場合と同様である。前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、ネオペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基等が挙げられる。
前記置換アルキル基の置換基としては、−COOH(カルボキシル基)、−SO3H(スルホ基)、−CN(シアノ基)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、−OH(ヒドロキシ基)、炭素数30以下のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基)、炭素数30以下のアルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、炭素数30以下のアシルアミノスルホニル基、炭素数30以下のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、ベンジルオキシ基、フェノキシエトキシ基、フェネチルオキシ基等)、炭素数30以下のアルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルチオエチルチオエチル基等)、炭素数30以下のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、p−トリルオキシ基、1−ナフトキシ基、2−ナフトキシ基等)、ニトロ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、炭素数30以下のアシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基等)、炭素数30以下のアシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等)、カルバモイル基(例えば、カルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、モルホリノカルボニル基、ピペリジノカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、モルホリノスルホニル基、ピペリジノスルホニル基等)、炭素数30以下のアリール基(例えば、フェニル基、4−クロロフェニル基、4−メチルフェニル基、α−ナフチル基等)、置換アミノ基(例えば、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アシルアミノ基等)、置換ウレイド基、置換ホスホノ基、複素環基等が挙げられる。ここで、カルボキシル基、スルホ基、ヒドロキシ基、ホスホノ基は、塩の状態であってもよい。その際、塩を形成するカチオンは、陽イオンを形成し得る基であり、有機カチオン性化合物、遷移金属配位錯体カチオン(特許2791143号公報に記載の化合物等)又は金属カチオン(例えば、Na+、K+、Li+、Ag+、Fe2+、Fe3+、Cu+、Cu2+、Zn2+、Al3+等)が好ましい。
前記アルケニル基としては、直鎖状、分岐状、環状のアルケニル基が挙げられ、該アルケニル基の炭素原子数としては、2以上30以下が好ましく、2以上20以下がより好ましい。また、該アルケニル基は、置換基を有する置換アルケニル基、無置換のアルケニル基のいずれであってもよく、置換アルケニル基のアルケニル部分の炭素原子数の好ましい範囲はアルケニル基の場合と同様である。前記置換アルケニル基の置換基としては、前記置換アルキル基の場合と同様の置換基が挙げられる。
前記アルキニル基としては、直鎖状、分岐状、環状のアルキニル基が挙げられ、該アルキニル基の炭素原子数としては、2以上30以下が好ましく、2以上20以下がより好ましい。また、該アルキニル基は、置換基を有する置換アルキニル基、無置換のアルキニル基のいずれであってもよく、置換アルキニル基のアルキニル部分の炭素原子数の好ましい範囲はアルキニル基の場合と同様である。置換アルキニル基の置換基としては、前記置換アルキル基の場合と同様の置換基が挙げられる。
前記アラルキル基としては、直鎖状、分岐状、環状のアルキル側鎖を有するアラルキル基が挙げられ、該アラルキル基の炭素原子数としては、7以上35以下が好ましく、7以上25以下がより好ましい。また、該アラルキル基は、置換基を有する置換アラルキル基、無置換のアラルキル基のいずれであってもよく、置換アラルキル基のアラルキル部分の炭素原子数の好ましい範囲はアラルキル基の場合と同様である。置換アラルキル基の置換基としては、前記置換アルキル基の場合と同様の置換基が挙げられる。また、アラルキル基のアリール部分が置換基を有していてもよく、該置換基としては前記アルキル基の場合と同様の置換基及び炭素数30以下の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基が例示できる。
前記R1、R2又はR3で表される芳香族基としては、例えば、アリール基、置換アリール基が挙げられる。アリール基の炭素原子数としては、6以上30以下が好ましく、6以上20以下がより好ましい。置換アリール基のアリール部分の好ましい炭素原子数の範囲としては、アリール基と同様である。前記アリール基としては、例えば、フェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基等が挙げられる。置換アリール基の置換基としては、前記置換アルキル基の場合と同様の置換基及び炭素数30以下の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基が挙げられる。
前記R1又はR2で表される脂肪族オキシ基としては、炭素数1以上30以下のアルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、オクチルオキシ基、フェノキシエトキシ基等が挙げられる。但し、これらに限定されるものではない。
前記R1又はR2で表される芳香族オキシ基としては、炭素数6以上30以下のアリールオキシ基が好ましく、例えば、フェノキシ基、メチルフェニルオキシ基、クロロフェニルオキシ基、メトキシフェニルオキシ基、オクチルオキシフェニルオキシ基等が挙げられる。但し、これらに限定されるものではない。
前記R1、R2又はR3で表される複素環基としては、N、O又はS原子を含む複素環基が好ましく、例えば、ピリジル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピロリル基等が挙げられる。
また、式(2)で表される化合物は、R1、R2又はR3において、他の式(2)で表される化合物と結合して、アシルホスフィン構造を2以上有する多量体を形成してもよい。
Figure 0005148235
前記式(3)中のR4及びR6は、それぞれ独立にアルキル基、アリール基、複素環基を表し、R5は、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環基を表す。
前記R4、R5又はR6で表される、アルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基及びアリールオキシ基は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、前記式(2)における場合と同様の置換基が挙げられる。
前記式(3)におけるアルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基及びアリールオキシ基としては、前記式(2)における場合と同義である。
また、式(3)で表される化合物は、R4、R5又はR6において、他の式(3)で表される化合物と結合して、アシルホスフィン構造を2以上有する多量体を形成してもよい。
前記式(2)で表される化合物は、下記式(4)で表される化合物であることがより好ましい。
Figure 0005148235
式(4)中、R7及びR8はそれぞれ独立に、フェニル基、メトキシ基、又は、イソプロポキシ基を表し、R9は2,4,6−トリメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2−メチルフェニル基(o−トルイル基)、イソブチル基、又は、t−ブチル基を表す。
前記式(3)で表される化合物は、下記式(5)で表される化合物であることがより好ましい。
Figure 0005148235
式(5)中、R10及びR12はそれぞれ独立に、2,4,6−トリメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、又は、2,6−ジメトキシフェニル基を表し、R11はフェニル基、又は、2,4,4−トリメチルペンチル基を表す。
前記式(2)又は(3)で表されるアシルホスフィンオキサイド化合物としては、例えば、特公昭63−40799号公報、特公平5−29234号公報、特開平10−95788号公報、特開平10−29997号公報等に記載の化合物を挙げることできる。
具体的なアシルホスフィンオキサイド化合物の例としては、以下に示す化合物(例示化合物(P−1)乃至(P−26))が挙げられるが、本発明においては、これらに限定されるものではない。
Figure 0005148235
Figure 0005148235
アシルホスフィンオキサイド化合物としては、モノアシルホスフィンオキサイド化合物及びビスアシルホスフィンオキサイド化合物等を使用することができ、モノアシルホスフィンオキサイド化合物としては、公知のモノアシルホスフィンオキサイド化合物を使用することができる。例えば特公昭60−8047号公報、特公昭63−40799号公報に記載のモノアシルホスフィンオキサイド化合物が挙げられる。具体例としては、イソブチリル−メチルホスフィン酸メチルエステル、イソブチリル−フェニルホスフィン酸メチルエステル、ピバロイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル、2−エチルヘキサノイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル、ピバロイル−フェニルホスフィン酸イソプロピルエステル、p−トルイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル、o−トルイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル、2,4−ジメチルベンゾイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル、p−三級ブチルベンゾイル−フェニルホスフィン酸イソプロピルエステル、アクリロイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル、イソブチリル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2−エチルヘキサノイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、o−トルイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、p−三級ブチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、3−ピリジルカルボニル−ジフェニルホスフィンオキサイド、アクリロイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、ベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、ピバロイル−フェニルホスフィン酸ビニルエステル、アジポイル−ビス−ジフェニルホスフィンオキサイド、ピバロイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、p−トルイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2−メチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2−メチル−2−エチルヘキサノイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、1−メチル−シクロヘキサノイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、ピバロイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル及びピバロイル−フェニルホスフィン酸イソプロピルエステル等が挙げられる。
ビスアシルホスフィンオキサイド化合物としては公知のビスアシルホスフィンオキサイド化合物が使用できる。例えば特開平3−101686号、特開平5−345790号、特開平6−298818号に記載のビスアシルホスフィンオキサイド化合物が挙げられる。具体例としては、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−2−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−1−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−クロロフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−2,4−ジメトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−デシルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−オクチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロ−3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロ−3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メトキシ−1−ナフトイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−クロロ−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
これらの中でも、本発明において、アシルホスフィンオキサイド化合物としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(IRGACURE 819:チバスペシャルティケミカルズ社製)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(DAROCUR TPO:チバスペシャルティケミカルズ社製、LUCIRIN TPO:BASF社製)などが好ましい。
<α−アミノアセトフェノン化合物>
α−アミノアセトフェノン化合物は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を使用することもできる。
該α−アミノアセトフェノン化合物としては下記の式(1)で表される化合物を好ましく用いることができる。
Figure 0005148235
式中X1は下記(a)、(b)又は(c)で表される基を表す。
Figure 0005148235
式中pは0又は1である。
Figure 0005148235
式中qは0乃至3の整数であり、rは0又は1である。
Figure 0005148235
式中、Yは水素原子、ハロゲン原子、OH基、炭素数1以上12以下のアルキル基(尚、特に断りのない場合、アルキル基とは直鎖状又は分岐状のアルキル基を意味する。本発明において、同様。)、炭素数1以上12以下のアルコキシ基、芳香環基、又は、複素環基を表す。前記芳香環基としては、フェニル基、又は、ナフチル基が好ましく例示できる。また、前記複素環基としては、フリル基、チエニル基、又は、ピリジル基が好ましく例示できる。
Yにおけるアルキル基、アルコキシ基、芳香環基、及び、複素環基は置換基を有していてもよい。
Yにおけるアルキル基が有していてもよい置換基としては、OH基、ハロゲン原子、−N(X102(2つのX10は、独立に、水素原子、炭素数1以上8以下のアルキル基、炭素数3以上5以下のアルケニル基、炭素数7以上9以下のフェニルアルキル基、炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基、もしくはフェニル基を表す。)、炭素数1以上12以下のアルコキシ基、−COOR(Rは炭素数1以上18以下のアルキル基を表す。)、−CO(OCH2OCH2nOCH3(nは1以上20以下の整数を表す。)、又は、−OCOR(Rは炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。)が挙げられる。
Yにおけるアルコキシ基が有していてもよい置換基としては、−COOR(Rは炭素数1以上18以下のアルキル基を表す。)、又は、−CO(OCH2CH2nOCH3(nは1以上20以下の整数を表す。)が挙げられる。
Yにおける芳香環基又は複素環基が有していてもよい置換基としては、−(OCH2CH2nOH(nは1以上20以下の整数を表す。)、−(OCH2CH2nOCH3(nは1以上20以下の整数を表す。)、炭素数1以上8以下のアルキルチオ基、フェノキシ基、−COOR(Rは炭素数1以上18以下のアルキル基を表す。)、−CO(OCH2CH2nOCH3(nは1以上20以下の整数を表す。)、フェニル基、又は、ベンジル基が挙げられる。
これら置換基は、可能であれば2以上有していてもよく、可能であれば、置換基を更に置換していてもよい。
また、式中、X12は水素原子、炭素数1以上8以下のアルキル基、又は、フェニル基を表す。X13、X14及びX15は互いに独立して水素原子、又は、炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。X13とX14とは架橋して炭素数3以上7以下のアルキレン基を形成してもよい。
式中X2は前記X1と同じ基、炭素数5もしくは6のシクロアルキル基、炭素数1以上12以下のアルキル基、又は、フェニル基を表す。
2におけるアルキル基、及び、フェニル基は置換基を有していてもよい。
2におけるアルキル基が有していてもよい置換基としては、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、フェノキシ基、ハロゲン原子、又は、フェニル基が挙げられる。
2におけるフェニル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上12以下のアルキル基、又は、炭素数1以上4以下のアルコキシ基が挙げられる。
これら置換基は、可能であれば2以上有していてもよく、可能であれば、置換基を更に置換していてもよい。
また、式中X1とX2とは架橋して次式で表される基を形成してもよい。
Figure 0005148235
式中X13は水素原子、炭素数1以上12以下のアルキル基、炭素数3以上5以下のアルケニル基、炭素数5以上12以下のシクロアルキル基、又は、炭素数7以上9以下のフェニルアルキル基を表す。
13におけるアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、及び、フェニルアルキル基は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、OH基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、−CN、又は、−COOR(Rは炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。)が挙げられる。
式中X14は炭素数1以上12以下のアルキル基、炭素数3以上5以下のアルケニル基、炭素数5以上12以下のシクロアルキル基、炭素数7以上9以下のフェニルアルキル基、又は、フェニル基を表す。
14におけるアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、フェニルアルキル基、及び、フェニル基は置換基を有していてもよい。
14におけるアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、及び、フェニルアルキル基が有していてもよい置換基としては、OH基、炭素数1以上4以下のアルコキシル基、−CN、又は、−COOR(Rは炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。)が挙げられる。また、X14におけるアルキル基が置換基を有する場合、置換されるアルキル基の炭素数は2以上4以下であることが好ましい。
14におけるフェニル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上12以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、又は、−COOR(Rは炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。)が挙げられる。
ここで、X13とX14とは架橋して炭素数1以上7以下のアルキレン基、炭素数7以上10以下のフェニルアルキレン基、o−キシリレン基、2−ブテニレン基、又は、炭素数2もしくは3のオキサ−もしくはアザ−アルキレン基を形成してもよい。
また、X13とX14とは架橋して炭素数3以上7以下のアルキレン基を形成してもよい。
13とX14とが架橋して形成するアルキレン基は、置換基として、OH基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、又は、−COOR(Rは炭素数1以上4以下のアルキルを表す。)を有していてもよく、また、結合中に−O−、−S−、−CO−、又は、−N(X16)−(X16は水素原子、炭素数1以上12以下のアルキル基、又は、結合鎖中に1もしくは2以上の−O−、炭素数3以上5以下のアルケニル基、炭素数7以上9以下のフェニルアルキル基、炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基、−CH2CH2CN、−CH2CH2COOR(Rは炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。)、炭素数2以上8以下のアルカノイル基もしくはベンゾイル基を介在させた炭素数1以上12以下のアルキル基を表す。)を介在させてもよい。
式中X5、X6、X7、X8、X9は互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上12以下のアルキル基、炭素数5もしくは6のシクロアルキル基、フェニル基、ベンジル基、ベンゾイル基、−OX17基、−SX18基、−SO−X18基、−SO2−X18基、−N(X19)(X20)基、−NH−SO2−X21基、又は、次式で表される基を表す。
Figure 0005148235
式中、Zは−O−、−S−、−N(X10)−X11−N(X10)−又は次式で表される基を表す。X1、X2、X3及びX4は前記式(1)と同義である。
Figure 0005148235
式中X10は前記と同じ、X11は炭素数が2以上16以下の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、又はこれらの鎖中に1以上の−O−、−S−、もしくは−N(X10)−が介在する炭素数が2以上16以下の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基(X10は前記と同じ)を表す。
17は水素原子、炭素数1以上12以下のアルキル基、−(CH2CH2O)nH(nは2以上20以下の整数)、炭素数2以上8以下のアルカノイル基、炭素数3以上12以下のアルケニル基、シクロヘキシル基、ヒドロシクロヘキシル基、フェニル基、炭素数7以上9以下のフェニルアルキル基、又は、−Si(R4r(R53-r(R4は炭素数1以上8以下のアルキル基、R5はフェニル基、rは1、2もしくは3)を表す。
17におけるアルキル基、及び、フェニル基は置換基を有していてもよい。
17におけるアルキル基が有していてもよい置換基としては、−CN、−OH、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、炭素数3以上6以下のアルケニルオキシ基、−OCH2CH2CN、−CH2CH2COOR(Rは炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。)、−COOH、又は、−COOR(Rは炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。)が挙げられる。また、X17におけるアルキル基が置換基を有する場合、置換されるアルキル基の炭素数は1以上6以下であることが好ましい。
17におけるフェニル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上12以下のアルキル基、又は、炭素数1以上4以下のアルコキシ基が挙げられる。
18は水素原子、炭素数1以上12以下のアルキル基、炭素数3以上12以下のアルケニル基、シクロヘキシル基、フェニル基、又は、炭素数7以上9以下のフェニルアルキル基を表す。
18におけるアルキル基、及び、フェニル基は置換基を有していてもよい。
18におけるアルキル基が有していてもよい置換基は、−SH、−OH、−CN、−COOR(Rは炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。)、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、−OCH2CH2CN、又は、−OCH2CH2COOR(Rは炭素数1以上4以下のアルキルを表す。)が挙げられる。
18におけるフェニル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上12以下のアルキル基、又は、炭素数1以上4以下のアルコキシ基が挙げられる。
19及びX20は互いに独立して水素原子;炭素数1以上12以下のアルキル基;炭素数2以上4以下のヒドロキシアルキル基;炭素数2以上10以下のアルコキシアルキル基;炭素数3以上5以下のアルケニル基;炭素数5以上12以下のシクロアルキル基;炭素数7以上9以下のフェニルアルキル基;フェニル基;ハロゲン原子、炭素数1以上12以下のアルキル基もしくは炭素数1以上4以下のアルコキシ基により置換されたフェニル基;又は炭素数2若しくは3のアルカノイル基;又はベンゾイル基を表す。また、X19とX20とは架橋して炭素数2以上8以下のアルキレン基、又は、OH基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基もしくは−COOR(Rは炭素数1以上4以下のアルキル)基により置換された炭素数2以上8以下のアルキレン基;結合鎖中に−O−、−S−もしくは−N(X16)−を介在させた炭素数2以上8以下のアルキレン基(X16は前記と同じ)を形成してもよい。
21は炭素数1以上18以下のアルキル基;フェニル基;ナフチル基;又は、ハロゲン原子、炭素数1以上12以下のアルキル基もしくは炭素数1以上8以下のアルコキシ基によって置換されたフェニル基もしくはナフチル基を表す。
式(1)は式(d)で表されることがより好ましい。
Figure 0005148235
式(d)中、X1及びX2はそれぞれ独立に、メチル基、エチル基、又は、ベンジル基を表し、−NX34はジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基又は、モルフォリノ基を表し、X5は、水素原子、炭素数1以上8以下のアルキル基、炭素数1以上8以下のアルコキシ基、炭素数1以上8以下のアルキルチオ基、ジメチルアミノ基、又は、モルフォリノ基を表す。これらの中でも−NX34はジメチルアミノ基、又は、モルフォリノ基であることがより好ましい。
更に、α−アミノアセトフェノン化合物として、上記式(1)で表される化合物の酸付加物塩を使用することもできる。
また、市販のα−アミノアセトフェノン化合物として、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製からイルガキュア907(IRGACURE 907)、イルガキュア369(IRGACURE 369)、イルガキュア379(IRGACURE 379)の商品名で入手可能な重合開始剤が例示できる。
α−アミノアセトフェノン化合物として、具体的には、以下の化合物が例示できる。
例えば、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ジエチルアミノ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルホリノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−(4−メチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−1−(4−エチルフェニル)−2−メチルプロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−1−(4−イソプロピルフェニル)−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ブチルフェニル)−2−ジメチルアミノ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−1−(4−メトキシフェニル)−2−メチルプロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(IRGACURE 907)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン(IRGACURE 369)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−ジメチルアミノフェニル)ブタン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォルニル)フェニル]−1−ブタノン(IRGACURE 379)などが挙げられる。
<その他の光重合開始剤>
インク組成物は、それぞれ、その他の光重合開始剤を含有することができる。重合開始剤は、ラジカル重合開始剤を含有することが好ましい。その他の重合開始剤としてはα−ヒドロキシアセトフェノン化合物、オキシムエステル化合物が例示できる。
(着色インク組成物)
本発明のインク組成物は、着色インク組成物として使用することが好ましく、この場合、インク組成物は少なくとも1種の着色剤を含有する。
本発明に着色剤として好ましく使用することができる顔料について述べる。
顔料としては、特に限定されるものではなく、一般に市販されているすべての有機顔料及び無機顔料、また、樹脂粒子を染料で染色したもの等も用いることができる。更に、市販の顔料分散体や表面処理された顔料、例えば、顔料を分散媒として不溶性の樹脂等に分散させたもの、あるいは顔料表面に樹脂をグラフト化したもの等も、本発明の効果を損なわない限りにおいて用いることができる。
これらの顔料としては、例えば、伊藤征司郎編「顔料の辞典」(2000年刊)、W. Herbst, K. Hunger, Industrial Organic Pigments、特開2002−12607号公報、特開2002−188025号公報、特開2003−26978号公報、特開2003−342503号公報に記載の顔料が挙げられる。
本発明において使用できる有機顔料及び無機顔料の具体例としては、例えば、イエロー色を呈するものとして、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG等)、C.I.ピグメントイエロー74の如きモノアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー12(ジスアジイエローAAA等)、C.I.ピグメントイエロー17の如きジスアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー200(Novoperm Yellow 2HG)の如き非ベンジジン系のアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー100(タートラジンイエローレーキ等)の如きアゾレーキ顔料、C.I.ピグメントイエロー95(縮合アゾイエローGR等)の如き縮合アゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー115(キノリンイエローレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントイエロー18(チオフラビンレーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、フラバントロンイエロー(Y−24)の如きアントラキノン系顔料、イソインドリノンイエロー3RLT(Y−110)の如きイソインドリノン顔料、キノフタロンイエロー(Y−138)の如きキノフタロン顔料、イソインドリンイエロー(Y−139)の如きイソインドリン顔料、C.I.ピグメントイエロー153(ニッケルニトロソイエロー等)の如きニトロソ顔料、C.I.ピグメントイエロー117(銅アゾメチンイエロー等)の如き金属錯塩アゾメチン顔料等が挙げられる。
赤あるいはマゼンタ色を呈するものとして、C.I.ピグメントレッド3(トルイジンレッド等)の如きモノアゾ系顔料、C.I.ピグメントレッド38(ピラゾロンレッドB等)の如きジスアゾ顔料、C.I.ピグメントレッド53:1(レーキレッドC等)やC.I.ピグメントレッド57:1(ブリリアントカーミン6B)の如きアゾレーキ顔料、C.I.ピグメントレッド144(縮合アゾレッドBR等)の如き縮合アゾ顔料、C.I.ピグメントレッド174(フロキシンBレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントレッド81(ローダミン6G’レーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントレッド177(ジアントラキノニルレッド等)の如きアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントレッド88(チオインジゴボルドー等)の如きチオインジゴ顔料、C.I.ピグメントレッド194(ペリノンレッド等)の如きペリノン顔料、C.I.ピグメントレッド149(ペリレンスカーレット等)の如きペリレン顔料、C.I.ピグメントバイオレット19(無置換キナクリドン、CINQUASIA Magenta RT−355T;チバ・スペシャリティケミカルズ社製)、C.I.ピグメントレッド122(キナクリドンマゼンタ等)の如きキナクリドン顔料、C.I.ピグメントレッド180(イソインドリノンレッド2BLT等)の如きイソインドリノン顔料、C.I.ピグメントレッド83(マダーレーキ等)の如きアリザリンレーキ顔料等が挙げられる。
青あるいはシアン色を呈する顔料として、C.I.ピグメントブルー25(ジアニシジンブルー等)の如きジスアゾ系顔料、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3(IRGALITE BLUE GLO;チバ・スペシャリティケミカルズ社製)(フタロシアニンブルー等)の如きフタロシアニン顔料、C.I.ピグメントブルー24(ピーコックブルーレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントブルー1(ビクロチアピュアブルーBOレーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントブルー60(インダントロンブルー等)の如きアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントブルー18(アルカリブルーV−5:1)の如きアルカリブルー顔料等が挙げられる。
緑色を呈する顔料として、C.I.ピグメントグリーン7(フタロシアニングリーン)、C.I.ピグメントグリーン36(フタロシアニングリーン)の如きフタロシアニン顔料、C.I.ピグメントグリーン8(ニトロソグリーン)等の如きアゾ金属錯体顔料等が挙げられる。
オレンジ色を呈する顔料として、C.I.ピグメントオレンジ66(イソインドリンオレンジ)の如きイソインドリン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ51(ジクロロピラントロンオレンジ)の如きアントラキノン系顔料が挙げられる。
黒色を呈する顔料として、カーボンブラック、チタンブラック、アニリンブラック等が挙げられる。カーボンブラックとしてはSPECIAL BLACK 250(デグサ社製)が例示できる。
白色顔料の具体例としては、塩基性炭酸鉛(2PbCO3Pb(OH)2、いわゆる、シルバーホワイト)、酸化亜鉛(ZnO、いわゆる、ジンクホワイト)、酸化チタン(TiO2、いわゆる、チタンホワイト)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3、いわゆる、チタンストロンチウムホワイト)などが利用可能である。
ここで、酸化チタンは他の白色顔料と比べて比重が小さく、屈折率が大きく化学的、物理的にも安定であるため、顔料としての隠蔽力や着色力が大きく、更に、酸やアルカリ、その他の環境に対する耐久性にも優れている。従って、白色顔料としては酸化チタンを利用することが好ましい。もちろん、必要に応じて他の白色顔料(列挙した白色顔料以外であってもよい。)を使用してもよい。
着色剤の分散には、例えばビーズミル、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、ジェットミル、ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ニーダー、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル等の分散装置を用いることができる。
着色剤の分散を行う際には、界面活性剤等の分散剤を添加することができる。
また、着色剤を添加するにあたっては、必要に応じて、分散助剤として、各種着色剤に応じたシナージストを用いることも可能である。分散助剤は、着色剤100重量部に対し、1重量部以上50重量部以下添加することが好ましい。
インク組成物において、着色剤などの諸成分の分散媒としては、溶剤を添加してもよく、また、無溶媒で、低分子量成分である前記重合性化合物を分散媒として用いてもよいが、インク組成物は、活性エネルギー線硬化型の液体であることが好ましく、インク組成物、被記録媒体上に適用後、硬化させるため、無溶剤であることが好ましい。これは、硬化されたインク組成物から形成された画像中に、溶剤が残留すると、耐溶剤性が劣化したり、残留する溶剤のVOC(Volatile Organic Compound)の問題が生じるためである。このような観点から、分散媒としては、重合性化合物を用い、なかでも、最も粘度が低い重合性化合物を選択することが分散適性やインク組成物のハンドリング性向上の観点から好ましい。
ここで用いる着色剤の平均粒径は、微細なほど発色性に優れるため、0.01μm以上0.4μm以下であることが好ましく、更に好ましくは0.02μm以上0.2μm以下の範囲である。最大粒径は3μm以下、好ましくは1μm以下となるよう、着色剤、分散剤、分散媒の選定、分散条件、ろ過条件を設定することが好ましい。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インク組成物の保存安定性、インク組成物の透明性及び硬化感度を維持することができる。本発明においては分散性、安定性に優れた前記分散剤を用いることにより、微粒子着色剤を用いた場合でも、均一で安定な分散物が得られる。
インク組成物中における着色剤の粒径は、公知の測定方法で測定することができる。具体的には遠心沈降光透過法、X線透過法、レーザー回折・散乱法、動的光散乱法により測定することができる。本発明においては、レーザー回折・散乱法を用いた測定により得られた値を採用する。
<界面活性剤>
インク組成物は、界面活性剤を含有することが好ましい。
本発明に使用される界面活性剤は、下記の界面活性剤が例示できる。例えば、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載されたものが挙げられる。具体的には、例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。尚、前記公知の界面活性剤として、有機フルオロ化合物を用いてもよい。前記有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。前記有機フルオロ化合物としては、例えば、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれ、特公昭57−9053号(第8から17欄)、特開昭62−135826号の各公報に記載されたものが挙げられる。
特に本発明において使用される界面活性剤は、上記界面活性剤に限定されることはなく、添加濃度に対して効率的に表面張力を低下させる能力のある添加剤であればよい。
(その他添加剤)
本発明におけるインク組成物には、前記重合性化合物、重合開始剤など加え、目的に応じて種々の添加剤を併用することができる。例えば、得られる画像の耐候性向上の観点から、紫外線吸収剤を用いることができる。また、インク組成物の安定性向上のため、酸化防止剤を添加することができる。
更に、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤、吐出物性の制御を目的としたチオシアン酸カリウム、硝酸リチウム、チオシアン酸アンモニウム、ジメチルアミン塩酸塩などの導電性塩類、インク組成物と基材との密着性を改良するため、極微量の有機溶剤を添加することができる。
また、膜物性を調整するため、各種高分子化合物を添加することができる。高分子化合物としては、アクリル系重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類、その他の天然樹脂等が使用できる。また、これらは2種以上併用してもかまわない。
この他にも、必要に応じて、例えば、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのワックス類、ポリオレフィンやPET等への密着性を改善するために、重合を阻害しないタッキファイヤーなどを含有させることができる。
本発明のインク組成物は、インクジェット記録方法に好ましく使用できる。
(インクジェット記録方法)
次に、本発明のインクジェット記録方法、及び当該方法に適用しうるインクジェット記録装置について説明する。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明の前記インク組成物をインクジェット記録用として被記録媒体(支持体、被記録材料等)上に吐出し、被記録媒体上に吐出されたインク組成物に活性放射線を照射し、インク組成物を硬化して画像を形成する方法である。
即ち、本発明のインクジェット記録方法は、(a)被記録媒体上に、本発明のインク組成物を吐出する工程、及び、(b)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、インク組成物を硬化する工程、を含むことを特徴とする。
本発明のインクジェット記録方法は、上記(a)及び(b)工程を含むことにより、被記録媒体上において硬化したインク組成物により画像が形成される。
本発明のインクジェット記録方法における(a)工程には、以下に詳述するインクジェット記録装置を用いることができる。
<インクジェット記録装置>
本発明の記録方法に用いられるインクジェット記録装置としては、特に制限はなく、目的とする解像度を達成しうる公知のインクジェット記録装置を任意に選択して使用することができる。即ち、市販品を含む公知のインクジェット記録装置であれば、いずれも、本発明のインクジェット記録方法の(a)工程における被記録媒体へのインクの吐出を実施することができる。
本発明で用いることのできるインクジェット記録装置としては、例えば、インク供給系、温度センサー、活性放射線源を含む装置が挙げられる。
インク供給系は、例えば、本発明のインク組成物を含む元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなる。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、好ましくは1〜100pl、より好ましくは、8〜30plのマルチサイズドットを、好ましくは320×320〜4,000×4,000dpi、より好ましくは、400×400〜1,600×1,600dpi、特に好ましくは、720×720dpiの解像度で吐出できるよう駆動することができる。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
上述したように、放射線硬化型インクは、吐出されるインクを一定温度にすることが望ましいことから、インク供給タンクからインクジェットヘッド部分までは、断熱及び加温を行うことができる。温度コントロールの方法としては、特に制約はないが、例えば、温度センサーを各配管部位に複数設け、インク流量、環境温度に応じた加熱制御をすることが好ましい。温度センサーは、インク供給タンク及びインクジェットヘッドのノズル付近に設けることができる。また、加熱するヘッドユニットは、装置本体を外気からの温度の影響を受けないよう、熱的に遮断もしくは断熱されていることが好ましい。加熱に要するプリンター立上げ時間を短縮するため、あるいは熱エネルギーのロスを低減するために、他部位との断熱を行うとともに、加熱ユニット全体の熱容量を小さくすることが好ましい。
次に、(b)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射してインク組成物を硬化する工程について説明する。
被記録媒体上に吐出されたインク組成物は、活性放射線を照射することによって硬化する。これは、本発明のインク組成物に含まれる重合開始剤が活性放射線の照射により分解して、ラジカル、酸、塩基などの開始種を発生し、その開始種の機能により、特定の単官能(メタ)アクリル酸誘導体や所望により併用される他の重合性化合物の重合反応が、生起、促進されてインク組成物が硬化するためである。このとき、インク組成物において重合開始剤とともに増感剤が存在すると、系中の増感剤が活性放射線を吸収して励起状態となり、重合開始剤と接触することによって重合開始剤の分解を促進させ、より高感度の硬化反応を達成させる。
ここで、使用される活性放射線は、α線、γ線、電子線、X線、紫外線、可視光又は赤外光などが使用され得る。活性放射線のピーク波長は、増感剤の吸収特性にもよるが、例えば、200〜600nmであることが好ましく、300〜450nmであることがより好ましく、350〜420nmであることがさらに好ましい。
また、本発明では、重合開始系は、低出力の活性放射線であっても充分な感度を有するものである。従って、活性放射線の出力は、2,000mJ/cm2以下であることが好ましく、より好ましくは、10〜2,000mJ/cm2であり、さらに好ましくは、20〜1,000mJ/cm2であり、特に好ましくは、50〜800mJ/cm2である。
また、活性放射線は、露光面照度が、例えば、10〜2,000mW/cm2、好ましくは、20〜1,000mW/cm2で照射されることが適当である。
活性放射線源としては、水銀ランプやガス・固体レーザー等が主に利用されており、紫外線光硬化型インクジェット記録用インクの硬化に使用される光源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプが広く知られている。しかしながら、現在環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。更にLED(UV−LED)、LD(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、光硬化型インクジェット用光源として期待されている。
また、発光ダイオード(LED)及びレーザーダイオード(LD)を活性放射線源として用いることが可能である。特に、紫外線源を要する場合、紫外LED及び紫外LDを使用することができる。
本発明のインク組成物は、このような活性放射線に、好ましくは、0.01〜120秒、より好ましくは、0.1〜90秒照射されることが適当である。
活性放射線の照射条件並びに基本的な照射方法は、特開昭60−132767号公報に開示されている。具体的には、インクの吐出装置を含むヘッドユニットの両側に光源を設け、いわゆるシャトル方式でヘッドユニットと光源を走査することによって行われる。活性放射線の照射は、インク着弾後、一定時間(好ましくは、0.01〜0.5秒、より好ましくは、0.01〜0.3秒、特に好ましくは、0.01〜0.15秒)をおいて行われることになる。このようにインク着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、被記録媒体に着弾したインクが硬化前に滲むことを防止することが可能となる。また、多孔質な被記録媒体に対しても光源の届かない深部までインクが浸透する前に露光することができるため、未反応モノマーの残留を低減することができる。
更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させてもよい。国際公開99/54415号パンフレットでは、照射方法として、光ファイバーを用いた方法やコリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されており、このような硬化方法もまた、本発明の記録方法に適用することができる。
上述したようなインクジェット記録方法を採用することにより、表面の濡れ性が異なる様々な被記録媒体に対しても、着弾したインクのドット径を一定に保つことができ、画質が向上する。なお、カラー画像を得るためには、明度の低い色から順に重ねていくことが好ましい。明度の低いインクから順に重ねることにより、下部のインクまで照射線が到達しやすくなり、良好な硬化感度、残留モノマーの低減、密着性の向上が期待できる。また、照射は、全色を吐出してまとめて露光することが可能だが、1色毎に露光するほうが、硬化促進の観点で好ましい。
このようにして、本発明インク組成物は、活性放射線の照射により高感度で硬化し、疎水性画像を被記録媒体表面上に形成する。
ここでインクの硬化に用いられる活性放射線源或いはその好ましい照射条件もまた、インクジェット記録方法において述べたのと同様である。
本発明のインク組成物は、活性放射線により高感度で硬化し、支持体との密着性や膜質に優れた疎水性領域を形成することができる。このため、着色画像の形成やマーキングなどに加え、例えば、平版印刷版の画像部の形成にも使用することができ、この用途に適用することで、高画質で耐刷性にも優れた平版印刷版を得ることも可能である。
本発明のインク組成物は、前記理由により、インクジェット記録用として優れているが、一般的に使用されるインク組成物としても有用であることはいうまでもない。
インク組成物は、室温で液体であれば良いが、インクジェットによる打滴適正の観点から、25℃における粘度は100mPa・s以下又は60℃における粘度が30mPa・s以下であることが好ましく、25℃における粘度は60mPa・s以下又は60℃における粘度が20mPa・s以下であることがより好ましく、25℃における粘度は40mPa・s以下又は60℃における粘度が15mPa・s以下であることが特に好ましい。
同じく、インクジェットによる打滴適正の観点から、インク組成物の25℃における表面張力は18mN/m以上40mN/m以下が好ましく、20mN/m以上35mN/m以下がより好ましく、20mN/m以上32mN/m以下がさらに好ましい。
ここでの「粘度」は、東機産業(株)製のRE80型粘度計を用いて求めた粘度である。RE80型粘度計は、E型に相当する円錐ロータ/平板方式粘度計であり、ロータコードNo.1番のロータを用い、10rpmの回転数にて測定を行なった。但し、60mPa・sより高粘度なものについては、必要により回転数を5rpm、2.5rpm、1rpm、0.5rpm等に変化させて測定を行なった。
また、ここで、前記表面張力は、一般的に用いられる表面張力計(例えば、協和界面科学(株)製、表面張力計CBVP−Z等)を用いて、ウィルヘルミー法で液温25℃にて測定した値である。
以下、本発明を、実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
(顔料分散物の作製)
表1に示す成分を混合し、1時間スターラーで撹拌した。撹拌後の混合物をビーズミル分散にて分散し、顔料分散物を得た。分散条件は直径0.65mmのジルコニアビーズを70%の充填率で充填し、周速を9m/sとし、分散時間は、2〜4時間で行った。
表1に顔料分散物の組成を示す。
Figure 0005148235
シアン顔料A:PB15:3(IRGALITE BLUE GLO;チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)
マゼンタ顔料A:PV19(CINQUASIA MAGENTA RT−355D;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
イエロー顔料A:PY120(NOVOPERM YELLOW H2G;クラリアント社製)
カーボンブラック:SPECIAL BLACK 250(デグサ社製)
二酸化チタン:CR60−2(石原産業社製)
分散剤A:BYK−168(ビックケミー社製)
分散剤B:ソルスパース36000(ノベオン社製)
重合性化合物A:PEA(フェノキシエチルアクリレート;第一工業製薬社製)
(液体組成物の作製)
表2〜10に、それぞれ、インクセット1〜9の組成を示す。
表2に示す成分(単位はグラム)を攪拌混合溶解し液体組成物を得た。
Figure 0005148235
Figure 0005148235
Figure 0005148235
Figure 0005148235
Figure 0005148235
Figure 0005148235
Figure 0005148235
Figure 0005148235
Figure 0005148235
重合性化合物A:PEA(フェノキシエチルアクリレート;第一工業製薬社製)
重合性化合物B:DPGDA(ジプロピレングリコールジアクリレート;ダイセル・サイテック(株)製)
重合性化合物C:A−TMPT(トリメチロールプロパントリアクリレート;新中村化学工業社製)
界面活性剤A:BYK−307(ビックケミー社製、界面活性剤)
重合禁止剤A:FIRSTCURE ST−1(Albemarle社製)
開始剤A:ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(アシルホスフィンオキサイド類)
開始剤B:2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン
増感剤A:下記化学式A
増感剤B:下記化学式B
増感剤C:下記化学式C
増感剤D:下記化学式D
増感剤E:下記化学式E
Figure 0005148235
尚、分光光度計(日本分光社製V560分光光度計)で測定した前記増感剤の300〜400nmの波長範囲の極大吸収波長は表Xに示すとおりであった。ここでは、溶媒としてはプロピレングリコールモノメチルエーテルを用い、0.001重量%に希釈して測定した。表11に増感剤の極大吸収波長λmaxを示した。
Figure 0005148235
(画像記録装置)
調製した5色分のインク組成物(M1〜M9、C1〜C9、Y1〜Y9、Bk1〜Bk9、W1〜W9)は、インクジェットプリンタ(東芝テック社製ヘッド搭載=打滴周波数:6.2KHz、ノズル数:636、ノズル密度:300npi(ノズル/インチ、以下同様)、ドロップサイズ:6pl〜42plを7段階に可変のヘッドを2つ配列して600npiにしたものをフルライン配列したヘッドセットを5組搭載)に装填した。
ヘッドの直下を被記録媒体が移動可能な構造に構成し、ヘッドは記録媒体搬送方向上流からホワイト、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの順で機体に固定して設置した。
ブラックインクヘッド下流にはメタルハライドランプ(光強度3,000mW/cm2)を5基設置した。メタルハライドランプによる照射エネルギーは、点灯するメタルハライドランプの数によって、300〜1,500mJ/cm2まで調整することができる。具体的には、300mJ/cm2(1基点灯)、600mJ/cm2(2基点灯)、900mJ/cm2(3基点灯)、1,200mJ/cm2(4基点灯)、1,500mJ/cm2(5基点灯)となる。
被記録媒体の搬送はロール搬送とし、記録媒体上には600dpi×600dpiの画像を形成した。尚、ここで被記録媒体はプラスチックフィルムA(白色ポリエチレン製)、プラスチックフィルムB(透明ポリエチレン製)を使用した。基材の表面エネルギーが30mN/m以下となるように、印刷前にコロナ放電処理を施した。
(実施例1)
上記画像記録装置を用いて、以下に記載する手順にて、プラスチックフィルムA(白色ポリエチレン製)及びプラスチックフィルムB(透明ポリエチレン製)に画像を形成し、印刷物を得た。
(1)ホワイトヘッドによって、被記録媒体上にホワイト着色液(W1)を付与してホワイト画像を形成した。
(2)イエローヘッドによって、被記録媒体上にイエロー着色液(Y1)を付与してイエロー画像を形成した。
(3)シアンヘッドによって、被記録媒体上にシアン着色液(C1)を付与してシアン画像を形成した。
(4)マゼンタヘッドによって、被記録媒体上にマゼンタ着色液(M1)を付与してマゼンタ画像を形成した。
(5)ブラックヘッドによって、被記録媒体上にブラック着色液(Bk1)を付与してブラック画像を形成した。
(6)メタルハライドランプにて露光を行ない(光強度3,000mW/cm2)、画像を完全に硬化させた。また、点灯させるメタルハライドランプの数によって、300〜1,500mJ/cm2まで露光エネルギーを調整した。
尚、ここで非記録媒体の搬送速度は400mm/s、1ドットあたりの着色液の液量は約12ピコリットルとした。プラスチックフィルムAを用いる場合はホワイトインクの付与工程((3)、(4))を省略した。
(実施例2〜4、比較例1〜5)
表12に記載するように、着色液を入れ替えた以外は、実施例1と同様にして、記録物(画像)を作製した。
<評価項目>
〔硬化性試験〕
印刷後の表面のベトツキが無くなる露光エネルギーによって硬化性を定義した。
印刷後の表面のベトツキの有無は、印刷直後に普通紙(富士ゼロックス社製コピー用紙C2)を押し付け、着色液の移りが起きる場合はベトツキ有り、移りが起きない場合はベトツキ無しと判断した。
露光エネルギーは、300mJ/cm2、600mJ/cm2、900mJ/cm2、1,200mJ/cm2、1,500mJ/cm2と変化させ、下記基準に従い評価した。
尚、硬化性は、プリント物A(図1(a))を用いて評価した。図1(a)において、400は1次色(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、もしくは、ホワイト)で形成したベタ印画部であり、600×600dpiの画素密度で、1画素当たり12ピコリットルの着色液液滴を付与して、1次色ベタ画像を印画した。401は、インク液を付与していない部分であり、基材面が表面に出ている。
5:300mJ/cm2の露光でベトツキが無くなった。
4:600mJ/cm2の露光でベトツキが無くなった。
3:900mJ/cm2の露光でベトツキが無くなった。
2:1,200mJ/cm2の露光でベトツキが無くなった。
1:1,500mJ/cm2の露光でベトツキが無くなった。
硬化性の試験結果を表3に示す。ここでは、タックフリー感度は低い方が硬化性の観点から好ましく、特に、600mJ/cm2以下(5又は4)であることが好ましい。
〔ブロッキング試験〕
印刷面と基材面を重ね合わせ、一定時間後に剥ぎ取った時に、印刷面の膜の破れや基材面への転写の有無を評価した。
尚、ブロッキング試験に用いた印刷物は、いずれも1,500mJ/cm2の露光エネルギーで露光したものを用いた。また、印刷物の保管は、印刷面と基材面を重ね合わせた上に、重りによって均一な加重(1kg/cm2)を印刷物全体にかけた状態を24時間、室温で行った。24時間後、印刷面と基材面を剥ぎ取り、目視によって下記基準に従い評価した。
3:印刷面には膜の破れ等がなく、かつ、基材面にはインクの転写が無い
2:印刷面には膜の破れや膜の内部破壊が一部に見られるか、又は、基材面にインクの転写が一部に見られる(ここで一部とは全面積の50%未満)
1:印刷面には膜の破れや膜の内部破壊が全面に見られるか、又は、基材面にインクの転写が全面に見られる(ここで一部とは全面積の50%以上)
ブロッキング試験の結果を表12に示す。ここでは、印刷面の膜の破れや基材面への転写が無い方が硬化性の観点から好ましく、特に、上記基準で3のみが許容範囲である。
Figure 0005148235
好ましい硬化性(ベトツキが無くなる照射エネルギーが600mJ/cm2以下)を得るには、前記式(I)で表される化合物Aと前記式(II)で表される化合物Bを併用するか、又は、化合物A、または、化合物Bを単独で使用してその添加濃度を高くする必要があることが示唆された。ただし、化合物A、または、化合物Bの添加濃度を高くした場合、ブロッキングが発生するため好ましくない。
以上より、硬化性が良好で、かつ、ブロッキングの発生のない画像を形成するためには、化合物Aと化合物Bの両方を添加することが有効であることが明らかになった。
実施例において硬化性試験に使用したプリント物の画像を示す概念模式図である。
符号の説明
400 1次色で形成したベタ印画部
401 着色液を付与していない部分(下塗り液が表面に出ている)
402 3次色もしくは2次色のベタ印画部
403 着色液を付与していない部分(下塗り液が表面に出ている)
404 3次色もしくは2次色のベタ印画部
405 ブラック文字部

Claims (9)

  1. 下記式(I−A)で表される化合物A、
    下記式(II−A)で表される化合物B、及び、
    重合性化合物、を含有することを特徴とするインク組成物。
    Figure 0005148235
    式(I−A)中、n1は0又は1を表し、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、R 6 、R 7 、R 8 、R 9 、及びR 10 はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、カルボキシ基又はスルホ基を表し、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、R 6 、R 7 及びR 8 は、それぞれ隣接する2つが互いに連結して環を形成していてもよい。
    Figure 0005148235
    式(II−A)中、n2は0又は1を表し、R 11 、R 12 、R 13 、R 14 、R 15 、R 16 、R 17 、及びR 18 はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、カルボキシ基又はスルホ基を表し、R 11 、R 12 、R 13 、及びR 14 は、それぞれ隣接する2つが互いに連結して環を形成していてもよい。
  2. 前記化合物Aが、下記式(I−B)で表され、前記化合物Bが、下記式(II−B)で表される請求項1に記載のインク組成物。
    Figure 0005148235
    式(I−B)において、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、R 6 、R 7 及びR 8 はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、カルボキシ基又はスルホ基を表し、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、R 6 、R 7 及びR 8 は、それぞれ隣接する2つが互いに連結して環を形成していてもよい。
    Figure 0005148235
    式(II−B)において、R 11 、R 12 、R 13 、R 14 、R 15 、R 16 、R 17 、及びR 18 はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、カルボキシ基又はスルホ基を表し、R 11 、R 12 、R 13 、及びR 14 は、それぞれ隣接する2つが互いに連結して環を形成していてもよい。
  3. 300〜400nmの波長範囲に光吸収極大を有する化合物Aおよび化合物Bであって、化合物Aの吸収極大波長λmax(A)と化合物Bの吸収極大波長λmax(B)が、
    10nm<λmax(A)−λmax(B)<50nm
    の関係を満たす請求項1又は2に記載のインク組成物。
    ここで、化合物A及び/又は化合物Bが、300〜400nmの波長範囲に2つ以上の吸収極大を有する場合は、λmax(A)及び/又はλmax(B)は、最も長波長側の吸収極大により特定する。
  4. 光重合開始剤を含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載のインク組成物。
  5. 前記光重合開始剤が、アシルフォスフィンオキサイド化合物及びα−アミノアセトフェノン化合物よりなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物である請求項に記載のインク組成物。
  6. 合物Bのインク組成物中の含有モル濃度が、それぞれ、化合物Aのインク組成物中の含有モル濃度よりも高い請求項1〜のいずれか一項に記載のインク組成物。
  7. 着色剤を含有する請求項1〜のいずれか一項に記載のインク組成物。
  8. インクジェット記録用である請求項1〜のいずれか一項に記載のインク組成物。
  9. (a)被記録媒体上に、請求項1〜のいずれか一項に記載のインク組成物を吐出する工程、及び(b)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、インク組成物を硬化する工程、を含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
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