JP4197509B2 - 伸縮支柱 - Google Patents
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Description
本発明の実施形態に係る伸縮支柱は、支柱の上端に固定された照明灯や広告塔などの各種装置の高さ調節が可能なものであり、この実施形態では、支柱の上部に照明灯を固定し、工事現場の夜間照明となる投光機に利用した場合を例として説明する。
図1に示すように、本発明の伸縮支柱1を用いた投光機の全体構成は、台車40上に載置され照明灯30に電気を供給する発電機50と、台車40に立設して固定された伸縮支柱1と、伸縮支柱1の上部に設けられた照明灯30とで構成されている。
次に、本発明の実施形態に係る伸縮支柱の構成について説明する。なお、以下の説明では図1に示す面を正面とする。また、前面側とは、各図において左側を指し、後面側とは、各図において右側を指すものとする。
図2に示す伸縮支柱1は、収納状態を示している。図3に示すように、本実施形態の伸縮支柱1は、第1支柱2とこれに内嵌される2本の伸縮する可動支柱である第2支柱3及び第3支柱4から構成されている。
また、第2支柱3の後面には、図8の(b)に示すように、縦方向に沿って複数個の係止穴2aが形成されている。この係止穴2aは前記落下防止装置Aの落下防止ストッパ18が嵌入して係合するためのものである。
前記伸縮支柱1の構成により、第2支柱3、第3支柱4が、それぞれ第1支柱2、第2支柱3から出没自在となっている。
第1支柱2の底部内面と第2支柱3の底部外面との間には、第2支柱3に上向きに押し上げる付勢力を付与するためのアシスト用のコイルばねS(付勢手段)が内装されている。第2支柱3及び第3支柱4の収納時には、第1支柱2の底部内面と第2支柱3の底部外面との間において、図2に示すように、密着状に圧縮された状態となるように前記コイルばねSが配設されている。このコイルばねSの密着状に圧縮した時の高さは、概ね第1支柱2の底部と設置部材Dの上面との間に配設される高さとなるように設定されている。
この付勢手段としてのアシスト用のコイルばねSは、第2支柱3を上昇させる際、前記ウインチ機構による巻上げ操作の労力を軽減するものである。
また、図3に示すように、第2支柱3の底面の中心部から上方に補助支柱6が立設されている。この補助支柱6は、伸縮支柱1の縮小時にはその先端が第3支柱4の中空部内に突出した状態で配設されるように形成されている。したがって、第3支柱4はこの補助支柱6の昇降移動が許容可能なように、例えば、底を設けない態様で形成されている。また、この補助支柱6の上端には線材案内車として、例えば、滑車P2が枢設されている。そして、前記滑車P2には、第1支柱2の内側底部に一端が固定され、他端が第3支柱4の内側底部に固定されたワイヤ又はロープからなる補助線材R(図4参照)が懸架されている。
図2及び図3に示すように、伸縮支柱1の伸長又は縮小のために第1支柱の前面側の適宜位置にウインチ機構Wが取り付けられている。ウインチ機構Wは、図示のようにワイヤ又はロープからなる線材8を巻き取る巻取りドラムと、この巻取りドラムを回動させて線材8を巻き取り又は巻き戻し(逆巻き)するためのハンドルと、を備えている。線材8は、前記巻取りドラムと第2支柱3の底部との間に滑車P1を介して懸架されており、その一端が前記巻取りドラムに、その他端の端部8aが図5に示すように第2支柱3の前面側の底部に設けた線材係止部2dに固定されている。そして、第1支柱には、前記滑車P1と前記線材係止部2dとの間において、第2支柱3の昇降に支障がないように、この線材係止部2dが移動可能な凸部空間が第1支柱の前面側に形成されている。ウインチ機構Wは、ハンドルの回動途中で線材8の巻き取り又は巻き戻しを中断し、その中断位置に線材8を保持するための、巻取りドラムの固定保持手段(ロック手段)を備えている。なお、この固定保持手段の解除は、ウインチ機構Wのハンドルを逆巻き方向に回動することによりロックを解除するようになっている。このような構造及び手段を備えたウインチ機構Wは、公知のものを使用すればよいので、詳細な説明は省略する。
落下防止装置Aは、図4に示すように断面四角形状の第1支柱2の前面側に設けられた支柱の上下方向に移動自在な滑車P1を有する第1移動手段Bと、前記滑車P1の軸12を介して連結される前後方向に進退移動自在な平面視コの字形のスライダ15(図6参照)を有する第2移動手段Cとから構成されている。このスライダ15は、第1支柱2の両側面及び後面を囲むように設けられている。
図7の(a)には、前記した落下防止装置Aを第1支柱2に設けた状態が示されている。第1移動手段Bは、第1支柱2の前面側に固定されており、第2移動手段Cは、第1支柱2に固定されたガイド13により案内され、このガイド13に取り付けられるカバー14の後部との間で圧縮コイルばね19,19により付勢されて進退可能に配設されている。
図7の(b)に示すように、第1支柱2の前面側上部にブラケット2cが固着されている。第1移動手段Bは、このブラケット2cに取り付けられた支持部材11と、このブラケット2cの上端に設けられたばね支持部2dに取り付けられた2つの引っ張りコイルばね16,16と、この引っ張りコイルばね16,16により牽引支持される滑車P1を枢支した軸12とを備えている。
前記支持部材11には、滑車P1の軸12が支持部材11の両側から突出して設けられており、また、この軸12を上下方向に移動自在に案内する直線状のガイド溝10が形成されている。そして、前記引っ張りコイルばね16,16は、その一端が前記ばね支持部2dの切欠部に係止されるとともに、その他端が前記軸12の両端部に係合して、この両端部をそれぞれ常時上方側に牽引するように付勢している。
落下防止ストッパ18は、前記スライダ15の後部15bの中央部に第2支柱の後面に向けて配設された凸片により形成されている。なお、この凸片に代えてボルトなどの部材を用いてもよい。この落下防止ストッパ18は、第2支柱の後面に形成される前記係止穴2aに嵌入するものであればよく、形状などは問わない。
上昇ストッパ20は、第2移動手段Cと一体的に設けられている。この上昇ストッパ20は、第2支柱の後面に向けて上部に設けられた鉤部20aを有する平板状の部材で形成されている。この鉤部20aは、前記した第2支柱の後面側に延びるフランジ状の係止部3bに係止するように配設され、第2支柱3の飛び出し防止用の部材として爪状に形成されたものである。鉤部20aと反対側の下部には離間して二つの長穴が形成されている。
この上昇ストッパ20に形成された長穴は、スライダ15の後部15bに形成された落下防止ストッパ18の後方位置から上方に向かって延長して形成された延長部15eのボルト穴に挿入されたボルトなどの固着具により調節可能に接続されている。この上昇ストッパ20は、落下防止ストッパ18と一体的に設けられているので、前記スライダ15の移動とともに第2支柱3に対して離接可能に構成されている。
次に、本発明の実施形態に係る伸縮支柱1の操作とその作用について、適宜図面を参照しつつ詳細に説明する。
まず、図2及び図4に示すように、第1支柱2の内部に第2支柱3と第3支柱4とが収納されている。この収納状態においては、第1支柱2の中空部に内装されたコイルばねSは、図2に示すように、コイルが密着して最も強い付勢力を保持した状態に維持されており、この状態で第1支柱2は第2支柱3及び第3支柱4を上昇ストッパ20により係止して保持している。
そして、この収納状態においては、上昇ストッパ20が働いて伸縮支柱1の伸長が抑止されるとともに、台車40などの移動時における振動や衝撃による第2支柱3及び第3支柱4の第1支柱2からの飛び出しが防止されている。
前記収納状態において、伸縮支柱1を伸長させるには、ウインチ機構Wのハンドルを巻き上げ方向に回動すると、巻取りドラムと滑車P1を介して第2支柱3との間に巻き着けた線材8が緊張して、図2に示すように、この線材8に張力が働く状態となる。
この段階において、なおも巻取りドラムを巻き上げ方向に回動させて線材8を巻き上げると、図5に示すように、この線材8の張力Tにより、落下防止装置Aの滑車P1の軸12がガイド溝10に案内されて引き下げられ、この動作と共に該軸12がスライダ15の傾斜溝17に沿って矢印方向に引き下げられるため、スライダ15が後面側の白抜き矢印方向へと後退させられて上昇ストッパ20を第2支柱3の係止部3bの係止位置(図4参照)から離脱し、これにより第2支柱3が上方向き白抜き矢印方向へと上昇させられる。
このとき、第1支柱2内に付勢手段としてのアシスト用のコイルばねSが内装されていることにより、図5の下方の白抜き矢印に示すように、第2支柱3の底部にコイルばねSの付勢力が押し上げ方向に作用してウインチ機構Wによる線材8の巻上げ操作の労力が軽減される。
なお、第2支柱3の押し上げの最終端においては、第2支柱3の底部に設けた係止部2d(図5参照)がストッパとして第1支柱2の上部に設けた図示しない係止部に当接して線材8の巻取りが抑制されるので、それ以上の第2支柱3の上昇が阻止されるようになっている。
伸縮支柱1の伸長操作中又は伸長停止中などにおいて、線材8が何らかの原因により破断するなどの事故が発生した場合は、図5に示す線材8の張力Tが失われ、これにより落下防止装置Aのスライダ15に圧縮コイルばね19,19の付勢力が直ちに作用してスライダ15を前面側へと前進させる。そうすると、図6に示すように、落下防止ストッパ18が前記張力Tの消失により落下しようとする第2支柱3の係止穴2aに嵌入して第2支柱3及び第3支柱4の落下を防止し、安全が図られる。
伸長状態の伸縮支柱1を縮小して収納する場合は、ウインチ機構Wのハンドルを逆巻き方向に回動して固定保持手段のロックを解除した後、ハンドルを逆巻きに回動することにより第2支柱3及び第3支柱4と、照明灯30などの自重によりアシスト用のコイルばねSの付勢力に抗しつつ第2支柱3及び第3支柱4が降下しつつ伸縮支柱1の伸長状態が縮小され、第2支柱3及び第3支柱4が第1支柱2内に収納される。第2支柱3が最下位置に達したとき、第2支柱3及び第3支柱4が共に同時に収納されるように補助線材Rの長さが一定の長さに設定されている。第2支柱3が最下位置に達すると、伸縮支柱1の下降は停止し、伸縮支柱1の収納は完了する。ウインチ機構Wの線材8は、伸縮支柱1の収納が完了すると、張力Tから開放される。通常のハンドル操作による巻き戻しでは、伸縮支柱1の下降停止後も、逆巻き方向に回動中のハンドル操作は、慣性などにより若干巻き戻し方向に進むので、これによりウインチ機構Wの線材8に張力Tが残ることはない。
2 第1支柱
3 第2支柱
4 第3支柱
6 補助支柱
8 線材
10 ガイド溝
15 スライダ
16 引張りコイルばね
17 傾斜溝
18 落下防止ストッパ
19 圧縮コイルばね
20 上昇ストッパ
30 照明灯
40 台車
50 発電機
A 落下防止装置
P1 滑車
P2 補助滑車
R 補助線材
S コイルばね
T 張力
W ウインチ機構
Claims (3)
- 中空管である第1支柱と、
前記第1支柱に内嵌された中空管である第2支柱と、
前記第2支柱に内嵌された中空管である第3支柱と、
前記第1支柱に内装され、前記第2支柱に上向きの付勢力を付与する付勢手段と、
前記第2支柱の中空部の底部に立設した補助支柱と、
前記補助支柱の先端に枢設された線材案内車と、
前記第1支柱の上部に設けられた前記第2支柱に対する落下防止装置と、
前記第1支柱に設けられたウインチ機構と、
前記ウインチ機構と前記第2支柱との間に前記落下防止装置を介して懸架されている線材と、
前記第1支柱と前記第3支柱との間に前記線材案内車を介して懸架されている補助線材と、を備え、
前記落下防止装置は、係止穴を有する前記第2支柱の後面に対して進退自在に形成され、前記係止穴に嵌合可能な落下防止ストッパと、
前記第2支柱又は前記第3支柱を収納位置に保持する上昇ストッパと、を有し、
前記第2支柱及び前記第3支柱が前記ウインチ機構の操作により昇降自在に形成されることを特徴とする伸縮支柱。 - 前記落下防止装置に設けられた前記上昇ストッパは、前記ウインチ機構と前記第2支柱間に懸架されている線材の張力の有無に従い、前記第2支柱又は前記第3支柱に対して離接可能に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の伸縮支柱。
- 前記上昇ストッパは、前記第2支柱又は前記第3支柱の上部に設けた係止部に前記上昇ストッパを係止可能に形成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の伸縮支柱。
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