JP4053850B2 - 伸縮機構、及び同伸縮機構を具備する多段梯子 - Google Patents

伸縮機構、及び同伸縮機構を具備する多段梯子 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、高さや長さを調整自在に伸長可能とした伸縮機構、及び同伸縮機構を具備する多段梯子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の伸縮機構を具備する多段梯子として、図15に示す構成が知られている。
【0003】
すなわち、ベース部材の案内部に相当する下梯子101の脚柱200に沿って下段の可動部材としての中梯子102を往復摺動可能に取付けるとともに、同中梯子102に往復摺動自在に上段の可動部材としての上梯子103を取付け、前記下梯子101と中梯子102にそれぞれ滑車104を配設するとともに、両者間に滑車104を介してロープ105を掛け渡し、同ロープ105の引き動作により、中梯子102を往復摺動させて伸縮可能とし、さらに、下梯子101と、中梯子102と、上梯子103とにまたがって平ベルト106を掛け渡し、中梯子102の往復摺動に連動して上梯子103を往復摺動可能に構成したものである(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
かかる構成により、ロープ105を引くと中梯子102が伸長上昇し、この中梯子102の上昇に同調して上梯子103が伸長上昇するようになり、下、中、上梯子101,102,103からなる三段梯子の伸縮を簡単な操作で行うことができる。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−342783号公報(図1、図2、図4〜図6)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記した従来の多段梯子には、未だ下記の課題が残されていた。
【0007】
すなわち、上述の従来の構成では、確かに中梯子102の上昇に同調して上梯子103を伸長上昇させることはできるが、図16に示すように、上梯子103を上昇させた使用状態で、上梯子103を単独でさらに引き上げた場合、平ベルト106の長さが許す限り上昇してしまう構造となっていた。
【0008】
これは、上梯子103の上昇動作に関しては、平ベルト106以外にはその動きを規制する構成が備わっていないためであり、たとえ、上梯子103が平ベルト106で連結されており、中梯子102から完全に抜けてしまうようなことは無いとはいえ、例えば、かかる従来の多段梯子を屋根などに立て掛けて使用している際に、上梯子103を屋根上から引っ張ると、上梯子103の下端部が中梯子102の上端部から脱落するおそれがあり、これでは極めて不安定となって危険な状態になってしまうおそれがある。
【0009】
また、上述の従来の多段梯子は、上梯子103と中梯子102とが同調して上昇するために、一回の上昇操作における単位上昇量は、上梯子103と中梯子102とのそれぞれの上昇分の和となり、梯子全長の微調整を行いながら上昇動作させることができず、高さ制限がある場合は、梯子の立て掛け角度で対応しなければならないなど、使い勝手が良好なものとはいえなかった。
【0010】
本発明は、上記課題を解決することのできる多段梯子を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の本発明では、柱状のベース部材と、同ベース部材の長手方向に往復摺動自在に取付けられ、少なくとも下段の可動部材と上段の可動部材とを含む複数の可動部材とを具備し、各可動部材がベース部材と重合する位置から突出位置まで伸縮可能な伸縮機構において、前記ベース部材と前記複数の可動部材との間にまたがって、下段の可動部材を伸長させるための操作帯と、前記下段の可動部材の往復摺動に連動して、上段の可動部材を含む他の可動部材を往復摺動させる同調帯とをそれぞれ掛け渡し、しかも、前記操作帯の一端をベース部材に連結固定する一方、他端を上段の可動部材に連結固定し、さらに、当該操作帯の動きをロックする操作帯ロック手段を設けて、操作帯をロックすることにより、前記上段の可動部材の伸長時に、当該上段の可動部材が直下の可動部材から脱落することを防止できるようにした。
【0012】
また、請求項2記載の本発明では、柱状のベース部材と、同ベース部材の長手方向に往復摺動自在に取付けられ、少なくとも下段の可動部材と上段の可動部材とを含む複数の可動部材とを具備し、各可動部材がベース部材と重合する位置から突出位置まで伸縮可能な伸縮機構において、前記ベース部材と前記複数の可動部材との間にまたがって、下段の可動部材を伸長させるための操作帯と、前記下段の可動部材の往復摺動に連動して、上段の可動部材を含む他の可動部材を往復摺動させる同調帯とをそれぞれ掛け渡し、しかも、前記操作帯の両端を、それぞれ下段の可動部材に連結固定するとともに、当該操作帯の中途部を上段の可動部材に係合させ、さらに、当該操作帯の動きをロックする操作帯ロック手段を設けて、操作帯をロックすることにより、前記上段の可動部材の伸長時に、当該上段の可動部材が直下の可動部材から脱落することを防止できるようにした。
【0013】
また、請求項3記載の本発明では、上記同調帯の一端をベース部材に連結するとともに、他端を自由端となし、同自由端側の中途をベース部材に係止可能に配設する一方、操作帯の中途部を係合する係合手段を、弾性体を介して上段の可動部材に吊支した。
【0014】
請求項4記載の本発明では、昇降用の踏桟を設けた左右一対の脚柱を具備し、同脚柱がベース部材となる固定脚と、可動部材となる伸縮脚とから構成され、かつ上記請求項1〜3のいずれか1項に記載の伸縮機構を具備する多段梯子とした。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明に係る伸縮機構は、柱状のベース部材と、同ベース部材の長手方向に往復摺動自在に取付けられ、少なくとも下段の可動部材と上段の可動部材とを含む複数の可動部材とを具備し、各可動部材がベース部材と重合する位置から突出位置まで伸縮可能な伸縮機構において、前記ベース部材と前記複数の可動部材との間にまたがって、下段の可動部材を伸長させるための操作帯と、前記下段の可動部材の往復摺動に連動して、上段の可動部材を含む他の可動部材を往復摺動させる同調帯とをそれぞれ掛け渡し、しかも、前記操作帯の一端をベース部材に連結固定する一方、他端を上段の可動部材に連結固定し、さらに、当該操作帯の動きをロックする操作帯ロック手段を設けて、操作帯をロックすることにより、前記上段の可動部材の伸長時に、当該上段の可動部材が直下の可動部材から脱落することを防止できるようにしたものである。
【0016】
かかる伸縮機構を具備する多段梯子としては、固定脚となる下梯子と、同下梯子に対して伸縮自在に取付けた中梯子及び上梯子とを具備する多段梯子において、前記下梯子と中梯子と上梯子とにまたがって、中梯子を伸長させるための操作帯と、前記中梯子の往復摺動に連動して前記上梯子を往復摺動させる同調帯とをそれぞれ掛け渡し、しかも、前記操作帯の一端を下梯子に連結固定する一方、他端を上梯子に連結固定し、さらに、当該操作帯の動きをロックする操作帯ロック手段を設けて、操作帯をロックすることにより、前記上梯子の伸長時に当該上梯子が中梯子から脱落することを防止できるようにしたものが考えられる。
【0017】
また、下梯子、中梯子、上梯子は、昇降用の踏桟を設けた左右一対の脚柱を具備しており、下梯子の脚柱がベース部材となる固定脚となり、中梯子と上梯子の各脚注が可動部材となる伸縮脚となるのでる。
【0018】
すなわち、上段の可動部材、あるいは上梯子には、一端を固定部材あるいは下梯子に連結した操作帯の他端が連結されているために、操作帯を操作して、他の可動梯子や中梯子と、上段の可動部材や上梯子とを同調させて伸長させて全長を決定した後に操作帯をロックすれば、上段の可動部材や上梯子を単独で上昇させようとしても、ロックされた操作帯が上段の可動部材や上梯子の上昇を規制するので、上段の可動部材や上梯子が上昇するおそれがなくなる。
【0019】
したがって、例えば本実施の形態に係る多段梯子を屋根などに立て掛けて使用している際に、上梯子を屋根上から引っ張ったとしても、上梯子は上昇移動することがなく、同上梯子が中梯子の上端部から脱落するおそれもなくて安全に使用することができる。
【0020】
また、上記構成によれば、操作帯を下方へ引いても他端は上昇する上梯子に連結されているためにたるむことがなく、たるんだ帯に足をとられたり引っ掛けたりすることがなく安全である。
【0021】
また、他の実施の形態として、前記操作帯の両端を、それぞれ下段の可動部材に連結固定するとともに、当該操作帯の中途部を上段の可動部材に係合させるようにしてもよい。
【0022】
多段梯子に適用した場合であれば、前記操作帯の両端をそれぞれ中梯子に連結固定するとともに、当該操作帯の中途部を上梯子に係合させることもできる。
【0023】
そして、やはり操作帯ロック手段により操作帯をロックすることによっても前記上段の可動部材や上梯子の伸長時に、当該上段の可動部材や上梯子が、直下の可動部材、もしくは下段の可動部材や中梯子から脱落することを防止できる。
【0024】
また、この場合、前記同調帯の一端をベース部材に連結するとともに、他端を自由端となし、同自由端側の中途をベース部材に係止可能に配設する一方、操作帯の中途部を係合する係合手段を、弾性体を介して上段の可動部材に吊支することもできる。
【0025】
これも多段梯子に適用した場合であれば、前記同調帯の一端を下梯子に連結するとともに、他端を自由端となし、同自由端側の中途を下梯子に係止可能に配設する一方、操作帯の中途部を係合する係合手段を、弾性体を介して上梯子に吊支した構成とすることができる。
【0026】
かかる構成の多段梯子では、操作帯を用いて中梯子及び上梯子を同調させながら伸長させた後、必要に応じて同調帯の自由端を下方へ引けば、上梯子は、操作帯に弾性体を介して連結されているために、弾性体が伸びて上梯子のみを上昇させることが可能となる。なお、この場合、弾性体が弾性力を超えてまで伸びることがないように、適宜ストッパを設けておくとよく、弾性体が断裂したりすることを防止できる。
【0027】
このように、上梯子のみの上昇動作を行えるようにしたことから、梯子長さの微調整が行えるようになり、高さ制限などがある場所での使用に際しても、梯子の立て掛け角度を変えたりする必要がなく、安全とされる適切な立て掛け角度を維持したままで使用することができる。
【0028】
また、梯子の運搬時には、中梯子及び上梯子を縮めて短尺状態とすれば、運搬も容易となるとともに、下梯子の下部に例えばキャスタなどを取付ければ、一人であってもキャスタを転動させながら容易に運搬可能となる。
【0029】
ところで、上述した構成において、操作帯及び同調帯を下梯子、中梯子、上梯子に掛け渡す場合は、滑車を介して掛け渡すようにするとよく、操作帯及び同調帯の操作を円滑に行うことができる。
【0030】
また、操作帯の中途部を係合する係合手段についても滑車とすることが望ましい。この場合も滑車が回転することで、操作帯の引き動作を円滑に行うことができる。
【0031】
以上説明してきたように、本実施形態における伸縮機構、及び同伸縮機構を具備する多段梯子では、操作帯を動かすことで、上段の可動部材や上梯子、及び下段の可動部材や中梯子を容易に伸縮させることができ、使用時には必要長さに伸長させればよく、使い勝手が良好となる。
【0032】
なお、操作帯、同調帯としては、ロープ、平ベルト、溝付きベルト、ワイヤ、チェンなど帯状のものであればよいが、操作帯としては断面視略円形で握りやすく、かつ丈夫なロープが好ましい。
【0033】
また、同調帯は平ベルトを用いることが好ましい。すなわち、平ベルトは薄くてベルトを巻回する滑車の径も小さくてすむので、滑車取付金具などの外形寸法が小さくなり、ベルト配設空間を狭くして全体をコンパクト化することができることから、重量を軽減できることになり、運搬や使用する上で取扱い性が向上する。
【0034】
また、上述した伸縮機構は多段梯子のみならず、脚立、作業台、リフト、投光機など、伸長させて用いるものであれば多様に適用することができる。さらに、高さ方向のみならず、下方向、横方向へ伸縮させて用いることも可能である。
【0035】
【実施例】
以下、本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施例では、本発明を、伸縮機構を具備する多段梯子としている。
(第1実施例)
図1は本実施例に係る多段梯子を示す正面図、図2は同側面図、図3は同多段梯子を縮めた状態の模式的説明図、図4は同多段梯子を伸ばした状態の模式的説明図、図5は図4の状態からさらに上梯子のみを伸ばした状態を示す模式的説明図、図6は多段梯子の伸縮をロックした状態を示す模式的説明図である。
【0036】
図1及び図2に示すように、本実施例に係る多段梯子Aは、固定脚であり、アウトリガー1を設けた脚柱10を具備する下梯子A1と、それぞれ伸縮脚となる脚柱20,30を具備する中梯子A2と、上端にフック2を設けた上梯子A3とからなる三連の伸縮梯子として構成されており、中梯子A2は下梯子A1に対して往復摺動自在、上梯子A3は中梯子A2に対して往復摺動自在に取付けられている。
【0037】
すなわち、本実施例においては、上記脚柱10がベース部材としての固定脚であり、上記脚柱20,30が可動部材としての伸縮脚となる。
【0038】
多段梯子Aは、中梯子A2を往復摺動動作させつつ、これに同調して上梯子A3を往復摺動動作させるための伸縮機構を備えており、同伸縮機構は、操作帯としての操作ロープ4と、上梯子A3を前記中梯子A2と同調させて往復摺動動作させるための同調帯としての平ベルトからなる同調ベルト5とを具備している。
【0039】
多段梯子Aを構成する上記下梯子A1と中梯子A2と上梯子A3は、多数の昇降用の踏桟11,21,31を設けた左右一対の脚柱10,20,30を具備しており、下梯子A1の左右の脚柱10の各内側面には、中梯子案内用の摺動面が形成され、さらに、中梯子A2の左右の脚柱20の各内側面には、上梯子案内用摺動面が形成されている。そして、両摺動面に沿って、それぞれ、中梯子A2の脚柱20、及び、上梯子A3の脚柱30が往復摺動可能に取付けられている。
【0040】
前記操作ロープ4は、その両端を中梯子A2の対向する一対の脚柱20,20にそれぞれ連結固定するとともに、下梯子A1と中梯子A2と上梯子A3とにまたがって複数の滑車を介して掛け渡している。
【0041】
そして、操作ロープ4の中途部を、上梯子A3に吊支されている弾性帯9に巻回して係合させている。なお、この弾性帯9は、ゴム、あるいはバネなどで構成することができる。
【0042】
また、操作ロープ4の動きをロックするための操作帯ロック手段としてのロック部12を、下梯子A1の一側の脚柱10の外側面に設けている。なお、本実施例におけるロック部12は、操作ロープ4を巻き付け可能な構成として、操作ロープ4を巻き付けることでロックするようにしている。
【0043】
ここで、操作ロープ4及び同調ベルト5の掛け渡しについて、より具体的に説明する。
【0044】
先ず、操作ロープ4や同調ベルト5を掛け渡すために設けた滑車の配設位置について説明すると、図3及び図4に示すように、下梯子A1の一側脚柱10の下側部に第1滑車61を設けるとともに、上側部に第2滑車62を設け、さらに、他側脚柱10の上側部に第3滑車63を配設している。
【0045】
また、中梯子A2の左右の脚柱20,20の下側部には、左右線対称位置に第4、第5滑車64,65を配設するとともに、上側部には、同じく左右対称位置となるように第6、第7滑車66,67を配設している。
【0046】
さらに、上梯子A3の左右の脚柱30,30の下側部には、左右線対称位置に第8、第9滑車68,69を配設している。また、同上梯子A3の一側脚柱30の上部内側面に設けた弾性帯用ブラケット90から弾性帯9を吊支し、同弾性帯9の先端に第10滑車70を回転自在に取付けている。
【0047】
上記のように配設した滑車群に対して、中梯子A2を伸縮させる操作ロープ4の掛け渡しは以下のとおりである。
【0048】
上述したように、操作ロープ4の一端を中梯子A2の脚柱20(図3においては左側の脚柱20)の下側部に、具体的には第4滑車64の上方位置に連結固定するとともに、上方へ伸延させて下梯子A1に設けた第3滑車63に内側から巻回して下方へ伸延させ、中梯子A2の前記第4滑車64に外側から巻回して水平に伸延させ、同じく中梯子A2に設けた第5滑車65に外側から巻回して上方へ伸延させ、下梯子A1の一側脚柱10の上側部に設けた第2滑車62に内側から巻回して折り返し、脚柱10の外側面に沿って略垂直に下方伸延させて第1滑車61に外側から巻回して斜め上方へ伸延させ、上述した弾性帯9の先端に取付けた第10滑車70に巻回して折り返し、中梯子A2の脚柱10(図3においては右側の脚柱20)の下側部に連結固定している。40,41は操作ロープ4の取付端部であり、中梯子A2の脚柱20において、互いに対向する位置に連結固定されている。
【0049】
一方、前記同調ベルト5は、その一端を下梯子A1に連結し、上梯子A3を下支えするように掛け渡すとともに、他端を自由端51となし、同自由端51側の中途に、下梯子A1に係止可能なストッパ部52を形成している。
【0050】
すなわち、同調ベルト5の掛け渡しについて、より具体的に説明すると、同調ベルト5の一端を下梯子A1の一側脚柱10の上端部近傍に連結固定するとともに、中梯子A2の第7滑車67に巻回して下方へ伸延させ、上梯子A3の第9滑車69に巻回して水平方向に伸延させ、第8滑車68に巻回して前記中梯子A2の第7滑車67と対称位置に設けられた第6滑車66に巻回して、下梯子A1の他側脚柱10の上端部に形成したガイド兼用ストッパ受け13に挿通して、先端部を自由端51としている。同調ベルト5は、一端をなす連結端50と前記ストッパ部52とで上梯子A3を支持しており、また、このストッパ部52と前記自由端51との間を補助ベルト部53として垂下させ、同補助ベルト部53を引き下げることで上梯子A3を単独で上昇可能としている。
【0051】
上記構成により、操作ロープ4の第1滑車61と第2滑車62間に位置する部分を下方へ引き下げると、図4に示すように、操作ロープ4の取付端部40が支持点となって第3滑車63を介して、第4滑車64及び第5滑車65により支持された状態で中梯子A2が引上げられる。
【0052】
本実施例では、後述するストッパ機構8により、操作ロープ4の引き下げ動作に対して踏桟21,21(31,31)間の距離(一段)毎に伸長しては停止させ得る構成としている。
【0053】
また、中梯子A2が上方へ摺動すると、連結端50と前記ストッパ部52とで下梯子A1の脚柱10,10に保持され、第8,第9滑車68,69を介して上梯子A3と係合している同調ベルト5が、中梯子A2の上昇に同調して上方へ引っ張られて変位し、上梯子A3が上方へ摺動して多段梯子A全体が伸長することになる。
【0054】
このとき、操作ロープ4の引き下げられた余長部分は、中梯子A2とともに上昇する前記第10滑車70とともに上方に引上げられ、たるむことがないので操作ロープ4が地上に横たわるような状態が回避され、作業者などが足を引っ掛けたり、躓いたりするおそれもなくなる。
【0055】
本実施例に係る多段梯子Aにおける操作ロープ4の引上力は、中梯子A2の重量の1/3なので、例えば操作ロープ4を30cm引き下げるとすると、中梯子A2及び上梯子A3はそれぞれ10cm上昇し、両梯子A2,A3の上昇にともなって操作ロープ4も引き上げられる。このとき、操作ロープ4は上梯子A3の第10滑車70に巻回して折り返されているので、上梯子A3に対しては、その上昇量の2倍の長さだけ引き上げられることになる。したがって、中梯子A2の上昇量10cmと、上梯子A3の上昇量の2倍となる20cmとの和となる引き下げ量と同じ30cmが引き上げられることになり、操作ロープ4のたるみが吸収されるのである。
【0056】
また、所定高さまで全体を伸長させた状態(図4)で、あと僅かだけ高さが欲しい場合、本実施例に係る多段梯子Aでは、同調ベルト5の他端側に構成された前記補助ベルト部53を引き下げることにより、図5に示すように、上梯子A3のみを一段分引き上げることができる。
【0057】
すなわち、上梯子A3には、第10滑車70を介して操作ロープ4が係合しているが、第10滑車70を吊支する弾性帯9が伸びることで、第10滑車70の絶対位置を略維持しながら上梯子A3のみを上昇させることができる。
【0058】
なお、上梯子A3の引き上げ量の規制は、図示するように、上梯子A3の脚柱30,30間に踏桟31を兼用するストッパ32を架設し、同ストッパ32を跨ぐようにして操作ロープ4を掛け渡し、上梯子A3が所定の上昇量に達すると同ストッパ32に第10滑車70が当接するようにしている。なお、ストッパ32は別途専用に設けてもよい。
【0059】
さらに、同調ベルト5のストッパ部52の上手側にはベルト引き下げ量規制部(図示せず)を設けており、同ベルト引き下げ量規制部がストッパ部52に当接するようにしている。
【0060】
また、所定高さまで全体を伸長させた状態(図4)から、これ以上上梯子A3を上昇させないようにするためには、図6に示すように、弾性帯9が下方へ伸長しながら第10滑車70がストッパ32に当接するまで操作ロープ4を下方へ引っ張り、操作ロープ4のたるんだ分をロック部12に巻きつけ固定する。
【0061】
このように、操作ロープ4をロックすることにより、上梯子A3を単独で引き上げようとしても、上梯子A3は操作ロープ4によって動きが止められて引き上げることはできない。したがって、例えば多段梯子Aを屋根などに立て掛けて使用している際に、上梯子A3を屋根上から引っ張ったとしても、上梯子A3は上昇移動することがなく、同上梯子A3が中梯子A2の上端部から脱落するおそれもなくて安全に使用することができる。
【0062】
なお、前述したように、補助ベルト部53を操作して上梯子A3のみを引き上げた後についても、操作ロープ4をロック部12に巻き付けておくことで、上梯子A3の無用な上昇移動を確実に防止できる。
【0063】
なお、本実施例における操作ロープ4及び同調ベルト5は、伸縮性がなく、強度的にも十分な合成樹脂製としており、電気的に絶縁性も有するので、電線工事などに用いる絶縁用梯子としても適するものとしているが、材質などについては特に限定するものではない。
(第2実施例)
次に、図7及び図8を参照しながら第2実施例について説明する。なお、使用する符号は、第1実施例と同一構成要素については同符号とした。
【0064】
本実施例が先の実施例と異なるのは、図示するように、上梯子A3における操作ロープ4を巻回する第10滑車70が弾性帯9に吊支されているのではなく直接上梯子A3に回転自在に取付けられている点と、同調ベルト5の両端が下梯子A1の左右の脚柱10,10の上端部近傍にそれぞれ連結固定されている点である。50’は他側の連結端である。
【0065】
また、本実施例における同調ベルト5は、中梯子A2の上昇に同調するのみなので第1実施例で上梯子A3に設けていた第8、第9滑車68,69については廃止している。
【0066】
すなわち、本実施例では、上梯子A3のみを中梯子A2と切離して単独に上昇させることはできず、図8に示すように、操作ロープ4の引き下げ操作により中梯子A2及び上梯子A3を同調させて上昇させるのみとなっている。
【0067】
しかし、この場合でも、操作ロープ4をロック部12に巻回してロックしてしまえば、本多段梯子Aを立て掛けた後などに、誤って上梯子A3を上昇させて中梯子A2から脱落させるようなおそれはない。
【0068】
また、この場合も、操作ロープ4の引き下げ操作時に、同操作ロープ4はたるむことはない。
(第3実施例)
次に、図9及び図10を参照しながら第3実施例について説明する。なお、本実施例においても使用する符号は、第1、第2実施例と同一構成要素については同符号を付した。
【0069】
本実施例では、多段梯子Aの操作ロープ4の引上力を中梯子A2の重量の1/4としたものであり、そのために、第2実施例における構成に加え、さらに、中梯子A2に第11滑車71、第12滑車72、第13滑車73を追加して配設している。本実施例においては、第11滑車71は第4滑車64の上方位置に、第12滑車72は第5滑車65の上方位置に、そして同第12滑車72の上方位置に第13滑車73を配設している。
【0070】
そして、操作ロープ4を以下に記すように掛け渡している。
【0071】
すなわち、操作ロープ4の一端を、下梯子A1の上部側、第2滑車62の直下方位置に連結固定するとともに、下方へ伸延させて中梯子A2に設けた第5滑車65に外側から巻回して水平に伸延させ、同じく中梯子A2の第4滑車64に外側から巻回して上方に伸延させ、下梯子A1に設けた第3滑車63に外側から巻回して折り返し、中梯子A2に新たに設けた前記第11滑車71に外側から巻回して水平に伸延させ、同じく中梯子A2に新たに設けた前記第12滑車72に外側から巻回して上方へ伸延させ、下梯子A1の脚柱10の上側部に設けた第2滑車62に内側から巻回して折り返し、脚柱10の外側面に沿って略垂直に下方伸延させて第1滑車61に外側から巻回して斜め上方へ伸延させ、上梯子A3に直接回転自在に取付けた第10滑車70に巻回して折り返して、中梯子A2に新たに配設した第13滑車73に内側から巻回して折り返し、先端部を上梯子A3の下側部に連結固定している。
【0072】
このように、ここでは操作ロープ4の一方側の取付端部41は下梯子A1に、他方側の取付端部40は上梯子A3に連結固定されている。
【0073】
本実施例においても、上梯子A3のみを中梯子A2と切離して単独に上昇させることはできず、図10に示すように、操作ロープ4の引き下げ操作により中梯子A2及び上梯子A3を同調させて上昇させるのみとなっている。
【0074】
しかし、この場合でも、操作ロープ4をロック部12に巻回してロックしてしまえば、本多段梯子Aを立て掛けた後などに、誤って上梯子A3を上昇させて中梯子A2から脱落させるようなおそれはない。
【0075】
また、この場合も、操作ロープ4の引き下げ操作時に、同操作ロープ4はたるむことはない。
(第4実施例)
次に、図11及び図12を参照しながら第4実施例について説明する。なお、本実施例においても、使用する符号は第1〜第3実施例と同一構成要素については同符号を付した。
【0076】
本実施例では、誤って上梯子A3を上昇させて中梯子A2から脱落させるようなことを防止した構成の多段梯子Aにおいて、操作ロープ4の引上力を中梯子A2の重量の1/2としたものであり、図示するように、操作ロープ4の掛け渡し方もシンプルになっている。
【0077】
すなわち、第2実施例における構成から、第3滑車63及び第10滑車70を取り外した態様を採っており、操作ロープ4は以下のように掛け渡している。
【0078】
操作ロープ4の一端を下梯子A1の脚柱10(図10においては左側の脚柱10)の上側部に連結固定するとともに、下方へ伸延させて中梯子A2の第4滑車64に外側から巻回して水平に伸延させ、同じく中梯子A2に設けた第5滑車65に外側から巻回して上方へ伸延させ、下梯子A1の脚柱10(図10においては右側の脚柱10)の上側部に設けた第2滑車62に内側から巻回して折り返し、脚柱10の外側面に沿って略垂直に下方伸延させて第1滑車61に外側から巻回して斜め上方へ伸延させ、直接上梯子A3の下側部に連結固定している。
【0079】
この場合、操作ロープ4を引き下げる力としては最も大きくなるものの、滑車の数が少なく構成が簡単になるとともに、前述の第2、第3実施例と略同様の効果を生起することができる。
【0080】
ところで、上述してきた各実施例において、操作ロープ4及び同調ベルト5を下梯子A1、中梯子A2、上梯子A3に掛け渡す際に、滑車を介して掛け渡すようにしたが、操作ロープ4及び同調ベルト5の摺動を円滑に行える部材や構成とするのであれば、必ずしも滑車を用いることに限定するものではない。
【0081】
また、上述してきた各実施例において、多段梯子Aはストッパ機構8を具備しており、伸長させたときに、中梯子A2や上梯子A3が下梯子A1側に落下することを防止している。
【0082】
ストッパ機構8は、図1及び図2に示すように、中梯子A2及び上梯子A3の脚柱20,30の内側方に設けており、踏桟11,21に係合可能とした略Y字状のフック状留め具81を回動自在に取付けている。
【0083】
前記フック状留め具81は、回転自在としたアームの中途から鉤状に形成しており、先端には、内側方向に回動自在とした振り子体とを設けている。
【0084】
中梯子A2及び上梯子A3を伸延させる場合は、中梯子A2を所望する長さだけ引上げ、フック状留め具81の係合部が、係合しようとする踏桟11よりも上にあり、振り子体は踏桟21よりも下方にある位置で一旦停止し、ゆっくりと操作ロープ4をゆるめて係合部を踏桟11に係合させる。
【0085】
中梯子A2に連動して上梯子A3も伸延するが、上梯子A3に設けるストッパ機構8は、中梯子A2に設けるストッパ機構8と同調する位置に予め設けておくとよい。
【0086】
多段梯子Aを収縮する場合は、振り子体が踏桟11よりも上に位置するまで中梯子A2を上方へ引上げ、振り子体の先端が踏桟11と重なるようにした後にゆっくりと中梯子A2を引き下げる。すると、振り子体は踏桟11に押されて係合部を覆い隠す位置まで内側上方へ回動する。したがって、中梯子A2を下ろす場合は、各踏桟11の位置ではストッパ機構8の機能を失った状態となり、支障なく下方へ下ろすことができる。
【0087】
(第5実施例)
本発明に係る伸縮機構、並びに多段梯子Aを第1〜第4実施例を通して説明してきたが、伸縮機構は多段梯子Aのみならず、脚立、作業台、リフトなど伸縮させて用いるものには多様に適用可能である。
【0088】
以下、図13及び図14を参照しながら、伸縮機構を投光機Bに適用した場合について説明する。
【0089】
図13に示すように、投光機Bは、発電機91などを載置可能とし、移動用の転動輪92と把持部93、さらには安定用のアウトリガー94を設けた基台95から伸縮操作ハンドル97を設けた伸縮柱96を立設し、同伸縮柱96の上端にライト装置Lを取付けて構成している。
【0090】
伸縮柱96は、固定柱96aと、第1〜第3可動柱96b,96c,96dとからなり、この伸縮柱96に、前述してきた各実施例で説明した伸縮機構を設けて、前記伸縮操作ハンドル97を操作することで伸縮柱96を所望高さに伸長したり、縮めたりできるようにしている。
【0091】
すなわち、伸縮機構を模式的に示した図14に示すように、ベース部材となる固定柱96aと可動部材となる第1〜第3可動柱96b,96c,96dとの間にまたがって、第1可動柱96bを伸長させるための操作ワイヤ98と、前記第1可動柱96bの往復摺動に連動して、第2、第3可動柱96c,96dを往復摺動させる同調帯99a,99bとをそれぞれ掛け渡している。
【0092】
より具体的に説明すると、固定柱96aの一側下部に第1滑車61’を取付けるとともに、伸縮操作ハンドル97に連結したロック機能を有する巻取りドラム97a(先の各実施例におけるロック部12を兼用する)を挟んで固定柱上側部に第2滑車62’を取付け、固定柱96aの他側上部に第3滑車63’を取付けている。
【0093】
また、第1可動柱96bの底部に、第4滑車64’と第5滑車65’とを対向状態に配設するとともに、同第1可動柱96bの両側上部に同調帯99aを掛け渡す第6滑車66’と第7滑車67’とを配設している。さらに、第2可動柱96cの両側上部についても、同調帯99bを掛け渡す第8滑車68’と第9滑車69’とを配設している。
【0094】
そして、操作ワイヤ98の一端を第3可動柱96dの一側内側面に連結固定するとともに、他端を下方へ伸延させて固定柱96aの外側へ引出して第1滑車61’に外側から巻回して前期巻取りドラム97aに複数回巻回し、次いで第2滑車62’の外側から巻回して柱内に進出させて第5滑車65’及び第4滑車64’に掛け渡し、同第4滑車64’から柱外に引き出して固定柱96aの第3滑車63’に外側から巻回して再度柱内に進出させて第1可動柱96bの下部において第4滑車64’近傍に連結している。
【0095】
他方、同調帯99a,99bについては、本実施例ではそれぞれ一対のベルトを独立して配設している。
【0096】
すなわち、第2可動柱96cを上下動させる同調帯99aの一方については、一端を当該第2可動柱96cの一側底部に連結固定し、第1可動柱96bに設けた第6滑車66’に巻回して固定柱96aの一側上部に連結固定している。また、第2可動柱96cを上下動させる同調帯99aの他方については、一端を当該第2可動柱96cの他側底部に連結固定し、第1可動柱96bに設けた第7滑車67’に巻回して固定柱96aの他側上部に連結固定している。
【0097】
また、第3可動柱96dを上下動させる同調帯99bの一方については、一端を当該第3可動柱96dの一側底部に連結固定し、第2可動柱96cの一側上端部に設けた第8滑車68’に巻回して第1可動柱96bの一側上端部に連結固定している。また、第3可動柱96dを上下動させる同調帯99bの他方については、一端を当該第3可動柱96dの他側底部に連結固定し、第2可動柱96cに設けた第9滑車69’に巻回して第1可動柱96bの他側上端部に連結固定している。
【0098】
上記構成により、伸縮操作ハンドル97を操作することによって、第1可動柱96bを上昇・下降させつつ、第1可動柱96bに同調して第2、第3可動柱96c,96dを上昇・下降させることができる。そして、本実施例においても、操作ワイヤ98の一端を最上段の第3可動柱96dに連結固定しており、前記巻取りドラム97aが操作ワイヤ98のロック機能を果たすので、誤って第3可動柱96dのみを上昇させてしまうようなことがない。
【0099】
なお、操作ワイヤ98に代えてチェンなどを用いることもでき、この場合は、巻取りドラム97a、第1〜第3滑車61’〜63’に変えてスプロケットを用いるとよい。この場合、全体的に小型化が可能となるとともに、ワイヤに比べて第3可動柱96dの保持力が高まる。
【0100】
【発明の効果】
発明は上記のような形態で実施されるもので、以下の効果を奏する。
【0101】
(1)請求項1記載の本発明では、柱状のベース部材と、同ベース部材の長手方向に往復摺動自在に取付けられ、少なくとも下段の可動部材と上段の可動部材とを含む複数の可動部材とを具備し、各可動部材がベース部材と重合する位置から突出位置まで伸縮可能な伸縮機構において、前記ベース部材と前記複数の可動部材との間にまたがって、下段の可動部材を伸長させるための操作帯と、前記下段の可動部材の往復摺動に連動して、上段の可動部材を含む他の可動部材を往復摺動させる同調帯とをそれぞれ掛け渡し、しかも、前記操作帯の一端をベース部材に連結固定する一方、他端を上段の可動部材に連結固定し、さらに、当該操作帯の動きをロックする操作帯ロック手段を設けて、操作帯をロックすることにより、前記上段の可動部材の伸長時に、当該上段の可動部材が直下の可動部材から脱落することを防止できるようにした。
【0102】
したがって、上段の可動部材を単独で引き上げようとしても、この可動部材は上昇移動することがなく、意図せぬことで上段の可動部材を上昇させて不安定な状態に至らせることがない。また、操作帯を引き下げてもたるむことがなく、操作帯に人が引っ掛かったり、躓いたりすることがない。
【0103】
(2)請求項2記載の本発明では、柱状のベース部材と、同ベース部材の長手方向に往復摺動自在に取付けられ、少なくとも下段の可動部材と上段の可動部材とを含む複数の可動部材とを具備し、各可動部材がベース部材と重合する位置から突出位置まで伸縮可能な伸縮機構において、前記ベース部材と前記複数の可動部材との間にまたがって、下段の可動部材を伸長させるための操作帯と、前記下段の可動部材の往復摺動に連動して、上段の可動部材を含む他の可動部材を往復摺動させる同調帯とをそれぞれ掛け渡し、しかも、前記操作帯の両端を、それぞれ下段の可動部材に連結固定するとともに、当該操作帯の中途部を上段の可動部材に係合させ、さらに、当該操作帯の動きをロックする操作帯ロック手段を設けて、操作帯をロックすることにより、前記上段の可動部材の伸長時に、当該上段の可動部材が直下の可動部材から脱落することを防止できるようにした。
【0104】
したがって、上記(1)同様に、上段の可動部材を単独で引き上げようとしても、この可動部材は上昇移動することがなく、意図せぬことで上段の可動部材を上昇させて不安定な状態に至らせることがない。また、操作帯を引き下げてもたるむことがなく、操作帯に人が引っ掛かったり、躓いたりすることがない。
【0105】
(3)また、請求項3記載の本発明では、上記同調帯の一端をベース部材に連結するとともに、他端を自由端となし、同自由端側の中途をベース部材に係止可能に配設する一方、操作帯の中途部を係合する係合手段を、弾性体を介して上段の可動部材に吊支した。
【0106】
したがって、同調帯の自由端側を引き下げると、上段の可動部材のみを上昇移動させることができ、可動部材全体を伸長させる際の細かい調整が可能となって、高さ制限のある場所での使用が容易かつ安全となる。
【0107】
(4)また、請求項4記載の本発明では、昇降用の踏桟を設けた左右一対の脚柱を具備し、同脚柱がベース部材となる固定脚と、可動部材となる伸縮脚とから構成され、かつ上記請求項1〜3のいずれか1項に記載の伸縮機構を具備する多段梯子とした。
【0108】
したがって、たとえ多段梯子を屋根などに立て掛けている場合、屋根上から上梯子を引っ張ったりしても、上梯子及び中梯子は上昇移動することがなく、安全性が著しく向上する。また、操作帯を引き下げてもたるむことがなく、操作帯に人が引っ掛かったり、躓いたりすることがない。
【0109】
また、同調帯の一端を下梯子に連結するとともに、他端を自由端となし、同自由端側の中途を下梯子に係止可能に配設する一方、操作帯の中途部を係合する係合手段を、弾性体を介して上梯子に吊支した場合、同調帯の自由端側を引き下げると、上梯子のみを上昇移動させることができ、多段梯子を伸長させる際の細かい調整が可能となって、高さ制限のある場所での梯子使用が容易かつ安全となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る多段梯子の正面図である。
【図2】同側面図である。
【図3】同多段梯子の縮めた状態を示す模式的説明図である。
【図4】同多段梯子の伸ばした状態を示す模式的説明図である。
【図5】同多段梯子の上梯子のみを伸ばした状態を示す模式的説明図である。
【図6】同多段梯子の伸縮をロックした状態を示す説明図である。
【図7】第2実施例に係る多段梯子の縮めた状態を示す模式的説明図である。
【図8】同多段梯子の伸ばした状態を示す模式的説明図である。
【図9】第3実施例に係る多段梯子の縮めた状態を示す模式的説明図である。
【図10】同多段梯子の伸ばした状態を示す模式的説明図である。
【図11】第4実施例に係る多段梯子の縮めた状態を示す模式的説明図である。
【図12】同多段梯子の伸ばした状態を示す模式的説明図である。
【図13】第5実施例に係る伸縮機構を備えた投光機の側面図である。
【図14】同伸縮機構を示す模式的説明図である。
【図15】従来の多段梯子の縮めた状態を示す模式的説明図である。
【図16】従来の多段梯子の伸ばした状態を示す模式的説明図である。
【符号の説明】
A 多段梯子
A1 下梯子
A2 中梯子
A3 上梯子
4 操作ロープ
5 同調ベルト(同調帯)
12 ロック部
53 補助ベルト部

Claims (4)

  1. 柱状のベース部材と、同ベース部材の長手方向に往復摺動自在に取付けられ、少なくとも下段の可動部材と上段の可動部材とを含む複数の可動部材とを具備し、各可動部材がベース部材と重合する位置から突出位置まで伸縮可能な伸縮機構において、
    前記ベース部材と前記複数の可動部材との間にまたがって、下段の可動部材を伸長させるための操作帯と、前記下段の可動部材の往復摺動に連動して、上段の可動部材を含む他の可動部材を往復摺動させる同調帯とをそれぞれ掛け渡し、しかも、前記操作帯の一端をベース部材に連結固定する一方、他端を上段の可動部材に連結固定し、さらに、当該操作帯の動きをロックする操作帯ロック手段を設けて、操作帯をロックすることにより、前記上段の可動部材の伸長時に、当該上段の可動部材が直下の可動部材から脱落することを防止できるようにしたことを特徴とする伸縮機構。
  2. 柱状のベース部材と、同ベース部材の長手方向に往復摺動自在に取付けられ、少なくとも下段の可動部材と上段の可動部材とを含む複数の可動部材とを具備し、各可動部材がベース部材と重合する位置から突出位置まで伸縮可能な伸縮機構において、
    前記ベース部材と前記複数の可動部材との間にまたがって、下段の可動部材を伸長させるための操作帯と、前記下段の可動部材の往復摺動に連動して、上段の可動部材を含む他の可動部材を往復摺動させる同調帯とをそれぞれ掛け渡し、しかも、前記操作帯の両端を、それぞれ下段の可動部材に連結固定するとともに、当該操作帯の中途部を上段の可動部材に係合させ、さらに、当該操作帯の動きをロックする操作帯ロック手段を設けて、操作帯をロックすることにより、前記上段の可動部材の伸長時に、当該上段の可動部材が直下の可動部材から脱落することを防止できるようにしたことを特徴とする伸縮機構。
  3. 同調帯の一端をベース部材に連結するとともに、他端を自由端となし、同自由端側の中途をベース部材に係止可能に配設する一方、操作帯の中途部を係合する係合手段を、弾性体を介して上段の可動部材に吊支したことを特徴とする請求項2記載の伸縮機構。
  4. 昇降用の踏桟を設けた左右一対の脚柱を具備し、同脚柱がベース部材となる固定脚と、可動部材となる伸縮脚とから構成され、かつ上記請求項1〜3のいずれか1項に記載の伸縮機構を具備することを特徴とする多段梯子。
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