JPH08100517A - 昇降式作業台 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 建築作業用の作業台において、足場床をジャ
ッキにより容易に昇降できるようにするとともに、その
昇降時に足場床をスムーズに昇降できるようにした。 【構成】 ４本の伸縮可能な支柱１、２の各内筒の上端
に足場床６を取付け、前記支柱１、２の下部に油圧ジャ
ッキ１０を支柱と平行に取付け、油圧ジャッキ１０の先
端に取付けた滑車１１にワイヤー１２を掛けてその一端
を油圧ジャッキ１０の固定部に連結し、他端を足場床６
の下に垂設したを支持枠８の下部に連結した。また前記
支持枠８と平行にガイド枠３１を設け、ガイド枠３１と
支持枠８との間にガイド部材３２を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、建築現場等において使
用される高所作業台に関し、特に作業台を上下にスライ
ド可能に構成して足場床の高さを変えられるようにした
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、建築作業で天井部や壁の高い部分
など高所の作業をする場合には、壁に沿ってパイプとク
ランプを使用して枠組をするとともに、枠組に足場板を
保持させて、作業者がその上に載れるようにしたり、脚
柱と横架材で組み合わされた建わくを鉛直方向に複数配
置し、それぞれの連結部分を金具で係止したものを前後
位置に配置して向かい合わせ、相対する脚柱に交さ筋か
いを取り付け、脚柱の上部に足場床を設けた高所作業台
を配置して足場床の上に作業者が載って作業している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし上記従来の作業
台などでは、一度作業台を設置してしまうと足場床の高
さを調節することが困難であるため、作業者が作業しに
くい場合があった。また、高所用の作業台は背が高いの
で、分解しないとそのままの状態では仮設用のエレベー
タに乗せることができないなどの不都合があった。そこ
で本発明の昇降式作業台は、作業台を上下にスライド可
能に構成して足場床の位置を変更できるようにするとと
もに、コンパクトに収納できる作業台を提供することを
目的とする。また、足場床を任意の高さに確実に固定で
きるとともに、移動が容易な作業台を提供することを目
的とする。また、昇降式作業台の昇降操作が容易である
とともに、作業者が簡単に昇降できる昇降式作業台を提
供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明の昇降式作業台は
上記課題を解決したもので、少なくとも前後左右の四隅
に支柱が設けられ、各支柱は外筒の上端から内筒が差し
込まれて伸縮可能に構成され、４本の支柱の外筒間が適
宜間隔の横棒で連結されるとともに各内筒の上端が足場
床の四隅に連結されている。前記支柱の下部間に取付け
た架台にジャッキが前記支柱と平行に取り付けられると
ともにそのジャッキの先端に滑車が設けられ、ジャッキ
側の固定部に索条の一端が係止されるとともに索条の他
端が滑車を介して足場床の下面から下方に突設した支持
枠の下端に係止されて、ジャッキの伸縮によって足場床
が上下にスライドするようにした。

【０００５】また、各支柱の上端に支柱を任意長さに固
定する固定手段が設けられているとともに、各支柱の下
端に車輪が設けられて、使用時の足場床のスライドを防
ぎ、足場床の移動を容易にした。支柱の下部間にジャッ
キと平行なガイド枠を設け、ガイド枠と、足場床の下に
突設した支持枠との間にガイド部材を設けた。さらに足
場床の外周縁から梯子を下方に垂下し、その梯子に対応
する支柱間の外面にガイド枠を設け、梯子とガイド枠と
の間にガイド部材を設けた。

【０００６】

【作用】上記手段により本発明の昇降式作業台は、作業
台の一側に設けられたジャッキの上端の滑車に索条をか
け、索条の一端をジャッキの側面に係止するとともに、
他端を足場床の下面から垂直方向に設けられた支持枠の
下端に係止させているので、ジャッキを伸縮させること
により足場床を昇降させることができる。この昇降式作
業台は、ジャッキアップして足場床を任意の高さに持ち
上げて使用する。作業台を使用しないときは、ジャッキ
を縮小させて足場床を下げ、各支柱の下端の車輪により
容易に移動させることができる。また、各支柱に支柱を
任意長さに固定する固定手段が設けられている場合は、
足場床を任意の高さに確実に固定することができる。足
場床の昇降の際には、足場床の下に突設した支持枠の下
部がガイド枠に案内されるので足場床の昇降をスムーズ
に行なうことができる。また梯子も、支柱間のガイド部
材に案内され梯子をガタつかせることなく昇降すること
ができる。

【０００７】

【実施例】本発明の昇降式作業台の実施例を図１〜図２
により説明する。長方形の４つの頂点位置にそれぞれ支
柱１，２が設けられ、前後の各支柱１，２は二重筒に形
成されて伸縮可能になっており、支柱１，２の各外筒１
ａ，２ａの上部にネジ孔２０ａが設けられるとともに、
ネジ孔２０ａに係止ボルト２０ｂが設けられている。支
柱１，２を構成する二重筒は、後記するジャッキ１０に
より任意の長さに調節した後、各外筒１ａ，２ａに設け
られた係止ボルト２０ｂを締付けて、各支柱１，２が伸
縮しないように固定できるようになっている。なお、外
筒１ａ，２ａの上部にピン孔を設けるとともに、内筒１
ｂ，２ｂの長手方向に適当な間隔でピン孔を設けて、支
柱１，２を任意の長さに調節した後、外筒１ａ，２ａの
ピン孔に一致した内筒１ｂ，２ｂのピン孔にピンを通す
ように構成した固定手段で長さを固定できるようにする
こともできる。

【０００８】前側の２本の外筒１ａの間の上，下位置と
その中程にそれぞれ横棒３ａが設けられ、後側の２本の
外筒２ａの間の上，下位置とその中程にそれぞれ横棒３
ａが設けられている。また、左側の前後の外筒１ａ，２
ａの間の前記横棒３ａに対応する位置に横棒３ｂが設け
られ、右側の前後の外筒１ａ，２ａの間の上，下位置に
横棒３ｂが設けられているとともに、下側の３ｂ寄りの
位置に横棒４が設けられて４本の各支柱１，２が連結さ
れている。そして、前後の横棒３ａの間の右側の横棒３
ｂ寄りの位置に横架材２３が設けられており、横架材２
３と前記右側の下側寄りの横棒４との間に断面略逆Ｌ字
状の架台２２を取り付け、架台２２の上面に手動操作に
より伸縮させられる油圧ジャッキ１０が支柱１と平行に
設けられている。

【０００９】油圧ジャッキ１０は、例えば、昇降切換レ
バー１０ｂを上昇にセットして操作レバー１０ａを前後
に揺動操作することにより油圧ジャッキ１０を伸長させ
ることができ、昇降切換レバー１０ｂを降下に切り換え
て油圧ジャッキ１０を縮小させるようになっている。ま
た、油圧ジャッキ１０の上端には、後記する支持枠の下
端とジャッキの固定部との間を連結する索条であるワイ
ヤーを誘導する滑車１１が設けられている。なお、手動
で油圧ジャッキを伸縮させるタイプのほか、油圧を電動
モーターなどで油圧シリンダー内に送るようにしたモー
ター駆動の油圧ジャッキなどを用いることもできる。

【００１０】各支柱１，２の内筒１ｂ，２ｂの上端が足
場床６の四隅に連結されている。足場床６は、床枠６ａ
の内側の長辺方向に１本の補強材７ａが設けられてお
り、床枠６ａの短辺側の枠付近に、２本の補強材７ｂが
前記補強材７ａと直交するように設けられている。ま
た、床枠６ａの上面には、例えば、メタルラスの床板６
ｂが張られている。そのほか、床板６ｂには滑り止めの
突状を設けた平板などを用いることもできる。足場床６
への昇降のために、足場床６の右側の周縁部から下方に
梯子２１が設けられている。なお、梯子２１は足場床６
の右側に限らず、足場床６の外周縁の任意の位置に設け
ることができ、作業者は昇降式作業台の外筒１ａ，２ａ
間に適宜間隔で設けられた横棒３ａや横棒３ｂを利用し
て、足場床６上に登ることができる。

【００１１】足場床６の右側の補強材７ｂの下側の油圧
ジャッキ１０の付近には、断面略矩形状の支持枠８が鉛
直方向下向きに取り付けられ、他方の補強材７ｂの下側
と支持枠８の中程との間に２本の支持棒９が斜めに取り
付けられている。そして、支持枠８の下端の外側に設け
られた突板８ａに、ワイヤー１２の一端が係止されてい
るとともに、ワイヤー１２の他端が油圧ジャッキ１０の
先端に設けられている滑車１１を介して油圧ジャッキ１
０の固定側、本実施例ではシリンダーの上端の外側面に
係止されて、ワイヤー１２を介して支持枠８と油圧ジャ
ッキ１０が連結されている。なお、ワイヤー１２の長さ
は、油圧ジャッキ１０のストローク長よりやや長めに調
節されている。

【００１２】油圧ジャッキ１０が伸長すると、ワイヤー
１２に引っ張られて支持枠８が上方にスライドし、支持
枠８と支持棒９の上端に取り付けられた足場床６が上昇
する。また、油圧ジャッキ１０の昇降切換レバーを降下
に切り換えれば、足場床６の重みで油圧ジャッキ１０が
縮小し、ワイヤー１２により支持枠８が降下して足場床
６が下方にスライドするようになっている。なお、支持
枠８は、油圧ジャッキ１０が縮小した状態でワイヤー１
２が緩まないような長さに調節されている。

【００１３】各支柱１，２の外筒１ａ，２ａの下端に
は、任意の方向に向けるように自在軸１５を介して車輪
１６が取り付けられ、昇降式作業台の移動を容易にして
いる。また、各外筒１ａ，２ａの下端の上下２箇所に突
板２４が設けられ、上下の突板２４間にアウトリガー１
７の基端が回動可能に軸支されている。そして、昇降式
作業台の使用状態においては、アウトリガー１７を外筒
１ａ，２ａの周囲に張り出すようにして、昇降式作業台
が転倒かつ移動しないようにすることができる。また、
昇降式作業台を使用しないときは、アウトリガー１７は
昇降式作業台の側面に折り畳んで収納される。

【００１４】また、足場床６の４隅に設けられた穴６ｃ
に手摺支柱２５を起立させ、各手摺支柱２５間に手摺２
７を取り付けて作業の安全を図るとともに、各手摺支柱
２５の下端の間に側板２６を設けて足場床６の上面から
小物が落下することを防いでいる。なお、足場床６の梯
子２１が設けられた側には、手摺２７の代わりにチェー
ン２８が取り外し可能に設けられている。

【００１５】上記構成の昇降式作業台を、天井などの内
装工事に使用するときは、昇降式作業台を縮めた（油圧
ジャッキ１０が縮小している）状態で作業現場へ移動
し、油圧ジャッキ１０の昇降切換レバー１０ｂを上昇に
セットした状態で操作レバー１０ａを前後に揺動操作し
て足場床６を上昇させ、作業に適した高さで止める。そ
して、支柱１，２の各外筒１ａ，２ａの上端に設けられ
た係止ボルト２０ｂを締めて内筒１ｂ，２ｂを固定し
て、ジャッキ１０やワイヤー１２にかかる負担を軽減す
る。足場床６の上面には、手摺支柱２５を起立させて側
板２６，手摺２７，チェーン２８を取り付け、各支柱
１，２の下端に設けられているアウトリガー１７を張り
出して、昇降式作業台が転倒かつ移動しないように固定
する。昇降式作業台を伸長した後、作業者は昇降式作業
台の側面の横棒３ｂや梯子２１を利用して簡単に足場床
６の上面に登ることができる。

【００１６】また、昇降式作業台を収納するときは、足
場床６の上面の手摺２７等を取り外して、各外筒１ａ，
２ａの上面の係止ボルト２０ｂを緩める。そして、昇降
切換レバー１０ｂを降下に切り換えれば、油圧ジャッキ
１０が足場床６の重みで縮小するので、昇降式作業台を
縮めて移動させたり、保管することができる。

【００１７】上記実施例では、油圧ジャッキの上端に滑
車を設け、支持枠の下端とジャッキのシリンダの上端の
外側面との間を連結する索条としてワイヤーを用いた
が、そのほか、油圧ジャッキの上端に歯車を設け、支持
枠の下端とジャッキのシリンダの上端の外側面との間を
チェーンで連結して、油圧ジャッキの伸縮に合わせて足
場床が上下にスライドするようにしてもよい。

【００１８】次に第２実施例の昇降式作業台を図３によ
り説明する。この実施例は、油圧ジャッキ１０が４つの
支柱で囲まれる中央寄りに配置されて、支柱の下部間の
横架材２３に架台２２を介して固定されている。また油
圧ジャッキ１０に隣接して（あるいは油圧ジャッキを包
囲して）ガイド枠３１がジャッキ１０と平行に設けら
れ、そのガイド枠３１の下端が架台２２に支持されてい
る。なおガイド枠３１は上下方向の４本の支柱棒３１ａ
が横方向の連結材で連結された構成であり、ガイド枠３
１と架台２２とを一体に構成することが可能である。足
場床６の下に突設された支持枠８は支持棒９により補強
され、支持枠８は２本の上下方向の棒材８ａを横材で連
結した構成であって、ガイド枠３１に対応した位置に配
置され、両側の棒材８ａの下部にガイド部材３２が設け
られる。ガイド部材３２は２箇所に設けられ、そのガイ
ド部材３２はガイド枠の支柱棒３１ａを挟み込んで摺動
できるローラ３３が設けられ、足場床６が昇降する際
に、支持枠８の下部がガイド部材３２を介してガイド枠
３１に案内されるようになっている。

【００１９】なお、油圧ジャッキ１０の固定部と支持枠
８の下部とを連結するワイヤー１２は、ジャッキ先端に
設けた滑車１１に掛けられて、前記実施例と同様にワイ
ヤーを操作して足場床６を昇降させるようになってい
る。前記では、ガイド部材３２を足場床側の支持枠８の
下部に設けたが、その代わりにガイド枠３１の上部にガ
イド部材３２を設けて、足場床側の支持枠８をガイド枠
側のガイド部材３２に案内させて支持枠８摺動させるよ
うにしてもよい。

【００２０】さらに足場床６の外周縁から垂下された梯
子２１の位置に対応する支柱間の外面にガイド枠４１を
設け、足場床６の昇降時に梯子２１の昇降を、前記の支
持枠８の昇降と同様にしてガイド枠４１により案内する
ようにした。そしてガイド枠４１の上部にガイド部材４
２が設けられ、そのガイド部材４２は梯子２１の縦棒２
１ａを挟みつけるローラ４３を有していて、梯子２１の
昇降を案内するようになっている。なおガイド部材４２
をガイド枠４１に設ける代わりに、梯子２１の下部にガ
イド部材４２を設けるようにしてもよく、その場合、梯
子下部のガイド部材４２がガイド枠４１に案内されるよ
うにする。またガイド枠４１は、梯子の機能を有するよ
うに構成することができる。第２実施例の昇降式足場台
は以上の通り構成され、その他の構成作用は前記実施例
と同様である。

【００２１】

【発明の効果】本発明の昇降式作業台は、ジャッキを伸
縮させることにより足場床を任意の高さに設定すること
ができるので、作業現場にあった高さの作業台で作業す
ることができるとともに、作業台の移動や保管が容易に
なる。また各支柱に、支柱を任意長さに固定する固定手
段が設けられている場合は、ジャッキの誤動作による足
場床の降下がないし、ジャッキへの負担が軽くなり安全
である。さらに、足場床の下に突設した支持枠に沿って
ガイド枠が設けられているので、ジャッキの操作により
足場床がスムーズに昇降し、また足場床から垂下した梯
子についてもガイド枠が設けられているので、梯子の昇
降時や人の上り降り時にガタつくことがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の昇降式作業台の実施例を示す斜視図で
ある。

【図２】昇降式作業台を上昇させた場合の正面図（ａ）
と、側面図（ｂ）である。

【図３】第２実施例の昇降式作業台を上昇させた場合の
正面図（ａ）と、側面図（ｂ）である。

【符号の説明】

１ 支柱 ２ 支柱 ６ 足場床 ８ 支持枠 １０ 油圧ジャッキ １１ 滑車 １２ ワイヤー １６ 車輪 ２１ 梯子 ３１ ガイド枠 ３２ ガイド部材 ４１ ガイド枠 ４２ ガイド部材

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも前後左右の四隅に支柱が設け
   られ、各支柱は外筒の上端から内筒が差し込まれて伸縮
   可能に構成され、４本の支柱の外筒間が適宜間隔の横棒
   で連結されるとともに各内筒の上端が足場床の四隅に連
   結され、前記支柱の下部間に取付けた架台にジャッキが
   前記支柱と平行に取り付けられるとともにそのジャッキ
   の先端に滑車が設けられ、ジャッキ側の固定部に索条の
   一端が係止されるとともに索条の他端が滑車を介して足
   場床の下面から下方に突設した支持枠の下端に係止され
   ていることを特徴とする昇降式作業台。
2. 【請求項２】 各支柱の上端に支柱を任意長さに固定す
   る固定手段が設けられているとともに、各支柱の下端に
   車輪が設けられている請求項１に記載の昇降式作業台。
3. 【請求項３】 支柱の下部間にジャッキと平行なガイド
   枠を設け、ガイド枠と、足場床の下に突設した支持枠と
   の間にガイド部材を設けたことを特徴とする請求項１又
   は２に記載の昇降式作業台。
4. 【請求項４】 足場床の外周縁から梯子が下方に垂下さ
   れ、その梯子に対応する支柱間の外面に梯子の上下動を
   案内するガイド枠が設けられ、梯子とガイド枠との間に
   ガイド部材が設けられていることを特徴とする請求項１
   又は２又は３に記載の昇降式作業台。