JP4290676B2 - 自立型オーニング - Google Patents

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Description

本発明はオーニングに関する。さらに詳述すると、本発明は支柱を有し任意の場所に設置可能な自立型オーニングの構造の改良に関する。
大型で折り畳み式の自立型オーニングとしては、例えば特開2000−106927号に開示されたようなものがある。この自立型オーニングは、図27(A),(B)に示すように、基礎に立設された支柱101と、この支柱101に昇降可能に嵌合された円環状のスライド体(受骨用ろくろ)102と、このスライド体102の周りに放射状に回転管のうに連結された8本の骨組103と、支柱101の頂部と各骨組103の途中を回転自在に連結する支え骨104と、8本の骨組103に支持されるように張られた八角形状の日除けシート105と、支柱101内を通ってスライド体102に連結され該スライド体102を昇降させるためのワイヤ106とウィンチ107から成るもので、所謂傘を逆さまにして開閉するような構造である。また、同種の自立型オーニングとして、日除けシートを正方形に形成して、支柱を中心に放射状に広がるようにしたものもある(特開平7−16111号)。
また、図28に示すように、日除け(パラソル)202部分を支柱201からせり出したアーム203の先端に吊り下げ、開閉可能とした自立型オーニングもある(特開2001−128716号)。アーム203はその基端部の環状スライダ205を介して支柱201に摺動自在に連結され支柱201に沿って昇降可能であり、支柱201の頂部に回転可能に取り付けられた補助アーム204によって中間が支持され、図示していないハンドルの回転操作などによってロープを巻き上げてアーム203を前方に倒しながら持ち上げることにより、日除け202が支障なく展開できるように支柱201から十分離れた位置で日除け202を支持するようにしている。さらに、日除け202を開閉させる受骨用ろくろ206には日除け開閉用のロープが結ばれており、アーム203の張り出し後に日除け開閉用ロープを引いて日除け202を展開するようにしている。このロープは支柱や何処か適当な場所に結び付けて固定するか、あるいはロープの端をハンドル(図示省略)を回して巻き取ることにより行うようにしている。
また、図29に示すように、支柱301の片側だけに方形の日除けシート302を開くようにして、支柱301を通路などの隅に設置可能とした自立型オーニングもある(特開2003−210225号)。更に、方形の日除けシートを、傾斜した支柱からほぼ水平方向へ突き出されたアームの先端に吊り下げた組み立て式の自立型オーニングもある(特開平9−161500号)。
特開2001−128716号 特開平09−324号 特開2003−210225号 特開平07−16111号 特開2000−106927号
しかしながら、これら従来の自立型オーニングでは、低い位置で日除けを開こうとする場合には広い面積・大型化することはできない。日除けは吊り下げられるように閉じられるため、大型化するには支柱の高さを高くし、かつ開かれるときにも高い位置に吊り下げられる必要がある。
また、日除けを開くためには、ロープやワイヤなどを介して重量のある傘骨やシートを持ち上げる必要があり、特に日除けが大型の場合は大きな力が必要となる。ロープを手で引っ張っるのは大変であるし、しかも引っ張った状態で何処かに結び付けて固定するのは更に大変である。また、日除けを開こうとするとき、窄んだ状態で収納されている日除けの末端部分が閉じて瞬間的に負圧が生じ、日除けが開くのを妨げるため、日除けを開くときに大きな力を要する。
特に、日除け部分を支柱からせり出させたアームの先端に吊り下げて開閉可能とする自立型オーニングでは、支柱から離れた位置にアームを突出させる操作と、日除けを展開する操作とが別々に必要であり、開閉に時間がかかり面倒である。また、開閉操作の高速化を図るには操作ワイヤの巻き取り用ウィンチやドラムを大型化せざるを得ず、デザイン的にも場所的にも好ましくない。
また、いずれの自立型オーニングの場合にも、日除けは、使わない状態でも単に閉じられているだけであるため、陽に晒されて退色や生地の劣化を促進させる問題を有している。
また、放射状に広がる骨組だけで支持されている自立型オーニングでは、強風に煽られたときなどに骨組に局所的な負荷がかかって壊れ易い問題がある。更に、支柱の片側へ日除けを吊り下げたりあるいは日除けシートを張り出す構造では、アームによる日除けの支持強度が得られないため、突風などに弱く壊れやすいという問題を有する。
また、中央に支柱がある自立型オーニングの場合には、オーニングの下の利用できる空間が支柱で分断されるため、中央が使えず、使い勝手の悪い問題を有する。例えばオーニングの中央を横切るような状態でテーブルやリクライニングチェア、ベット、シートなどを置くことができない。また、中央の支柱を中心にオーニングが展開される構造なので、設置場所が制限され壁面や構造物などに接近させて据え付けることができない。
更に、日除けの状態は開いた状態か閉じた状態かの2つの状態であるため、設置スペースに合わせて開き量・張り出し量を変更して日陰となる面積の調整や、日陰の位置を調整することができない。
そこで、本発明は、低い位置で開かれる割に大面積の自立型オーニングを提供することを目的とする。また、本発明は、使用状況やスペースに応じて日除けシートの張り出し量や張り出し方向を変更したり、日陰の量並びに位置の調整が可能な自立型オーニングを提供することを目的とする。また、本発明は、使わないときには日除けシートを完全に収納して日やけによる退色や劣化を防ぐことができる自立型オーニングを提供することを目的とする。また本発明は、軽い力で開閉操作ができる自立型オーニングを提供することを目的とする。更に、本発明は、日除けを閉じるときの支柱との衝撃を軽減できる自立型オーニングを提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、請求項1記載の発明にかかる自立型オーニングは、前後にスライドレール部をそれぞれ備えた2本の支柱と、前記2本の支柱間に跨って前記支柱の上端に取り付けられて前後に張り出される2枚の日除けシートのそれぞれの末端側を自動的に巻き上げて収納する巻き戻し機構と、前記各スライドレール部に沿って昇降自在に取り付けられたスライダと、前記各スライダに基端部が回転自在に支持されると共に先端側で前枠に連結されて前記各日除けシートの先端を支持するアームと、前記各アームの前記各日除けシートを取り付けた部分と前記各スライダとの間に先端が回転自在に連結されると共に後端側が前記支柱に各々回転自在に取付けられて支持される補助アームと、前記各スライドレール部に対する前記各スライダの少なくとも上スライド端を定める固定手段とを備えるようにしている。
したがって、この自立型オーニングによると、スライダを上昇させると、補助アームの支柱の連結点を中心とする揺動によってアームの先端が支柱から離れる方向に倒れながらアームが持ち上げられ、同時にアームの先端の前枠に取り付けられている日除けシートを自動巻き取り機構から引っ張り出す。そして、スライダがスライドレールに固定された時点でアームが支柱に固定され、日除けシートが張られる。他方、オーニングを畳む場合には、スライダを降下させる。スライダの降下によって、補助アームの支柱の連結点を中心とする揺動と相まってアームの先端が支柱に接近する方向に起立しながら、アームは下がる。同時に、日除けシートは巻き戻し機構によって自動的に巻き取られるように張力が常時付与されているので、アーム先端は日除けシートの巻き取りに伴って支柱側へ引っ張られる。そして、アームが支柱に沿った状態で日除けシートから加わる引張力で固定される。すなわち、アームを倒すだけで日除けシートを張り出す一方、アームを引き下げて支柱に沿って起立させるだけで日除けシートを巻き取り収納することができる。
しかも、日除けシートの前端を前枠で支える両側のアームは補助アームと支柱との間でトラスを構成して支持されることから、日除けシートに対して斜交いのように機能して強度を得る。また、突風や強い風が日除けシートを煽ったとしても日除けシートが巻き戻し機構から引き出されることによって風が受け流されるので、アームや補助アーム、支柱などに無理な力がかからないようにできるし、引き出された余分な日除けシートは自動的に巻き戻し機構に巻き取られるので弛みが生じない。
また、この自立型オーニングでは、アームの基端部のスライダをスライドレールに沿って上昇させながら当該アームの先端側を水平方向に突き出させるようにアームを倒して日除けシートを張り出すようにしているので、相当長いアームであっても、低い位置で日除けシートを張り出すことができる。
更に、オーニングの下の空間が支柱で分断されることがなく、端から端まで空間を利用することができ、例えばオーニングの中央を横切るような状態でテーブルやリクライニングチェア、ベット、シートなどを置くことができる。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の自立型オーニングにおいて、各支柱の前後の各スライダが互いに独立して昇降可能に設けられ、前後の各日除けシートが別々に開閉できるようにしている。この場合には、必要な側の日除けシートだけを張り出させたり、あるいは一方の日除けシートの張り出し量と他方の日除けシートの張り出し量とを異ならせることもできる。したがって、設置場所に制限を受けることがなく、周りの状況に応じて必要な側の日除けシートを必要な量だけ引き出すことが可能となる。
また、請求項3記載の発明は、請求項1記載の自立型オーニングにおいて、各支柱の前後の各スライダが互いに連結されて同時に昇降可能に設けられ、前後の各日除けシートが同時に開閉できるようにしている。この場合には、前後の日除けシートが1つのスライダの昇降動作で同時に開閉させることができる。すなわち、1回の開閉操作で最大日除け面積の開状態と閉状態とに切り替えられる。
また、請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか1つに記載の自立型オーニングにおいて、各アームを閉じたときに各アームの基端部のスライダを昇降させて各アームの先端を支柱から離すように倒す方向の付勢力を常時付勢する操作力アシスト手段を有するものである。この場合には、両支柱のアームの基端部がそれぞれ押し上げられながら開かれる方向に回転する力が操作力アシスト手段から常時付勢されているので、日除けシートを巻き戻し機構から引き出しアームを支柱から離す方向に倒す力を軽減できる。また、日除けを閉じるため、日除けシートを自動巻き取り機構に巻き取る際には、巻き取り完了直前のアームに連なる機素例えばスライダあるいは補助アームなどの動きが操作力アシスト手段に対して付勢力を蓄える方向に作用するため、日除けシートの巻き上げ速度ひいてはアーム先端の速度を減速して、支柱や巻き取り機構などとの衝撃を軽減できる。
しかして、請求項1記載の自立型オーニングによると、前枠で連結された両側のアームは補助アームと支柱との間でトラスを構成して支持されることから、高い構造強度を得ることができ、自立型オーニングそのものを大型化した場合の重量にも耐え得る。しかも、突風や強い風が日除けシートを煽ったとしても、常時一定の張力が付与されている日除けシートが巻き戻し機構から引き出されることによって風を受け流すのでアームや支柱などに無理な力がかからず、日除けシートを大きく張り出す構造即ち自立型オーニングの大型化を図ることができる。
また、アームを倒すだけで日除けシートを張り出す一方、アームを引き下げて支柱に沿って起立させるだけで日除けシートを巻き取り収納することができるので、スライダの昇降操作だけで日除けシートの引き出し・収納すなわち日除けの開閉操作が完了する。
しかも、アームの基端部をスライドレール部に沿って上昇させながら当該アームの先端側を水平方向に突き出させるようにアームを倒して日除けシートを張り出すようにしているので、相当長いアームを採用してもアーム長さ程度の低い位置で日除けシートを広い面積で張り出すことができる。しかも、アームがほぼ水平に張り出されるため、アームの下に通行の妨げや作業などの邪魔とならない程度の高さ・空間が確保でき、使い勝手が良い。更に、基端側を持ち上げながら倒すことによりほぼ水平方向に突き出させるアームで日除けシートを張り出しているので、日除けシートの張り出し角度が緩やかなものとなり、覆い被さるような圧迫感や鬱陶しさが少なく、開放的な自立型オーニングとなる。
また、オーニングの下の空間が支柱で分断されることがなく、端から端まで空間を利用することができるので、使い勝手の良いものとなる。
さらに、本発明によると、使わない場合には日除けシートを巻き取り装置に巻き取ることで日焼けすることを防止できるし、収納によりコンパクトにできる。
請求項2記載の発明の場合、前後の日除けシートが独立して開閉できるので、必要に応じて日除けシートを張り出す方向・日除け面積を適宜変更でき、使用形態や使用状況などに合わせやすい。
請求項3記載の発明の場合には、前後の日除けシートが同時に開閉できるので開閉操作がワンタッチで可能となる。
請求項4記載の発明の場合、オーニングの開操作を軽い力で行うことができると共に、日除けシートの巻き取り完了直前の衝撃を軽減できる。
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
図1〜図5に本発明の自立型オーニングの一実施形態を示す。この自立型オーニングは、2本の支柱1の間に日除けシート2を前後方向に引き出し可能に備えたものであり、前後にスライドレール部であるガイドレール4をそれぞれ備えた2本の支柱1と、この2本の支柱1の間に跨るように配置されて前後に張り出される2枚の日除けシート2のそれぞれの末端側を自動的に巻き上げて収納する巻き戻し機構6と、各ガイドレール4に沿って昇降自在に取り付けられたスライダ23と、各スライダ23に基端部が回転自在に支持されると共に先端側で前枠11に連結されて各日除けシート2の先端を支持するアーム3と、各アーム3の各日除けシート2を取り付けた部分と各スライダ23との間に先端が回転自在に連結されると共に後端側が支柱1に各々回転自在に取付けられて支持される補助アーム5と、各ガイドレール4に対する各スライダ23の少なくとも上スライド端を定める固定手段であるストッパ片8とを備えるものである。尚、本実施形態においては、支柱1とガイドレール4とはそれぞれ別部材で構成され、ビス止めや溶接などの接合手段で一体化されており、特に断りがない限り支柱1にはガイドレール4も含まれる。
アーム3はその基端部3aがガイドレール4内に摺動自在でかつ離脱不能に収容されているスライダ23によって支持され、かつ中程が支柱1に回転自在に連結されている補助アーム5によって吊り下げられることにより、基端部3aのスライダ23をスライドさせて持ち上げることによって先端側を水平方向に突き出させるように支持されている。また、アーム3を支持する左右の支柱1の間には、日除けシート2を巻き取った巻き戻し機構6が搭載され、左右の支柱1によって支持されている。
支柱1は、図2に示すように、その前後に互いに背くように2組のガイドレール4を縦向きに備え、アーム3を鉛直方向に昇降可能に支持するように設置されている。このガイドレール4は、図2に示すように、アーム3の基端部3aに設けられたスライダ23を内部で滑らせかつ離脱不能に保持するように収容する構造部材例えばチャネル材であり、型鋼やアルミ合金製の押し出し材や引き抜き材などの型材などからなる。このガイドレール4は、アーム3及び補助アーム5が貫通するための開口部に折り返し部4aを備え、この折り返し部4aと対向するレール底部4bとの間でスライダ23のローラ9を転動可能にかつ脱落しないように支持するように設けられている。
ここで、ガイドレール4は、少なくともスライダ23を日除けシート2が所定位置まで張り出されるのに必要な量だけスライドさせるのに必要な長さ・範囲において備えられていれば足りる。しかし、本実施形態では、当該ガイドレール4と支柱1とを同じ長さの型材でそれぞれ形成し、支柱1を挟んで2本のガイドレール4を背中合わせにそれぞれ連結することによって、全体として1本のガイドレール4を備える支柱として構成するようにしている。そこで、補助アーム5はスライダ23が摺動することのない領域のガイドレール4部分を利用して回転自在に取り付けられている。尚、ガイドレール4としてのチャネル材の使用は、断面係数が大きく剛性に優れるので、アーム及び補助アームの支持を図る上で好ましい。また、スライダ23は、ガイドレール4内を摺動可能なものであればその形態や材質などには特に限定されるものではなく、例えば板材をハット(hat)形に折り曲げて成るものにローラ9を備えたものでも、摺動性に優れる単なるブロック状のものでも実施可能である。更に、ガイドレール4にはスライダ23と当接しこのスライダ23の上方のスライド端を定めるストッパ片8が備えられている(詳細は図18参照)。ガイドレール4を一体化した支柱1は、脚受け49を下端に備え、この脚受け49部分を基礎などにボルトなどで固定することによって任意の場所に据え付け可能とされている。しかしながら、必ずしも脚受け49は取り付けられず、直接支柱1を基礎中に埋設するようにして固定設置するようにしても良い。オーニングが大型化したり、強い風が予測されるような使用状況下では、深い基礎を掘って支柱1を埋設することが好ましい。
本実施形態では日除けシート2に適度な張力を与えて巻き上げる巻き戻し機構6を設けることにより、アーム3と補助アーム5を畳むときこの日除けシート2が自動的に巻き取られるとともに、畳んだ後も引き続き日除けシート2が引っ張られてアーム3が倒れないようにしている。巻き戻し機構6の構造は特に図示していないが、例えば本実施形態では、左右のブラケット7aによって回転可能に支持され日除けシート2が巻き付けられる巻き取り軸と、この巻き取り軸に巻き上げ方向への回転力を付与する図示しないトーションばね等を備えた構造となっている。日除けシート2を引き出す際にトーションばねに捻り力を蓄え、該捻り力で巻き取り軸6aを逆回転させて日除けシート2を自動的に巻き戻すようにしている。この巻き戻し機構は、ロールカーテンなどで一般的に使用されているものでも使用可能である。より具体的には、各支柱1の上端に、図1に示すように、ブラケット7aがそれぞれ設けられ、その間で巻き戻し機構6の巻き取り軸6aを回転自在に支持するように設けられている。そして、その回りをカバー7で覆うことによって、巻き取り軸6aに巻き取られた日除けシート2を日差しや風雨から保護するように設けられている。カバー7は、左右の支柱1の間に跨って配置され、ブラケット7aにビス止めなどによって固定されている。
また、アーム3の日除けシート2を取り付けた先端部分3bとスライダ23を備えた基端部3aとの間、本実施形態の場合にはアームのほぼ中間部には補助アーム5が回転自在に連結されている。補助アーム5はブラケット12によってアーム3に連結ピン40を中心に回転自在に連結されている。
アーム3は日除けシート2を支持し得る強度を有するものであればどのような形状・構造でも良いが、できるだけ軽量でかつ強度に優れる材質や形状であることが好ましいことは言うまでもない。そこで、本実施形態では、断面矩形状のアルミパイプ材を採用し、その基端部3aにブラケット20を介してスライダ23が備えられている。
また、左右のアーム3はそれぞれの先端部3bを前枠11によって互いに連結され、同期して動作するように設けられている。前枠11には日除けシート2の先端縁及び必要に応じて前垂れシートが止め付けられる。
アーム3の中程を吊り下げる補助アーム5は、その基端部をガイドレール4に連結ピン42によって回転可能に連結し、先端部をアーム3に対してブラケット12を介して連結ピン40周りに回転可能に取り付けている。したがって、この補助アーム5は、ガイドレール4に沿ってスライダ23が摺動することによってアーム3の基端部3aが上方へ移動する際に、アーム3の先端部3bをガイドレール4から離す方向に導くような回転を与え、アーム3の先端3b側をガイドレール4から水平方向に突き出させるように吊り下げる。尚、本実施形態ではアーム3にブラケット12をビス止めや溶接付けなどで固着し、このブラケット12に補助アーム5の先端部を回転可能に取り付けている。
日除けシート2は、特に生地に限定を受けるものではなく、キャンバス地などの一般に使用されているシート材の中から、あるいはそれ以外の新規のシート材の中から適宜選択される。また、日除けシート2はその張り出し側で前枠11に止め付けられているが、場合によっては先端縁より幾分内側を止め付けて、止め付け部分から先を前枠11から垂れ下がるフラップとするようにしてもよい。
本実施形態においては、各支柱1の前後に取り付けられたガイドレール4に収容されている各スライダ23は、図2に示すように、連結部材15によって互いに連結されてその動きが同期するように設けられている。すなわち、支柱1を挟んで背中合わせに配置されているガイドレール4の中を摺動するスライダ23同士を連結部材15で連結することによって、同時の昇降動作を可能に設けられ、前後の各日除けシート2が同時に開閉できるように設けられている。連結部材15は、コの字形を成し、支柱1並びにガイドレール4を跨いでその両端が各スライダ23にビス止めなどによって着脱自在に連結されている。すなわち、各スライダ23に対して、連結部材15はビスなどで固着され、必要に応じて当該連結部材15を取り外すことによって前後の日除けシート2を別々に開閉できるようにすることも可能な構造とされている。尚、連結部材15にはハンドル44が取り付けられ、該ハンドル44を握って連結部材15の昇降操作が行われるように設けられている。また、連結部材15には、支柱1との間で当該連結部材15を固定するロック機構61が備えられ、支柱1に対して固定可能とするように設けられている。ロック機構61としては、例えば一般的な錠機構でも良いし、図26、図25、図24並びに図18に示すような単なる凹凸の嵌合を利用したようなものでも良い。この実施形態の場合には、図示していないが、支柱1側の適宜位置に設けられた穴に対して出入りする閂を錠機構で出没させるようにしたものであって、支柱1に対して連結部材15を錠を掛けて固定することで、前後の日除けシート2の張り出し状態あるいは収納状態を保持することができる。
また、このアーム3の基端部3aとスライダ23との間には、アーム3を閉じたときに各アーム3の基端部3aを付勢し、各アーム3の先端を支柱から離すように倒す方向の付勢力を常時付勢する操作力アシスト手段50が設けられている。この操作力アシスト手段50は、図5並びに図4に示すように、アーム3の基端部3a側に設けられるレバー51と、スライダ23側に搭載されてレバー51に図上反時計回転方向の回転力を付勢する圧縮ばね54及びロッド53とで構成されている。ロッド53は、頭部に受け座52を有すると共に下部のボルト部に螺合される抜け止めとストローク調整用のナット55を有している。このロッド53は、板材をハット(hat)形に折り曲げて成るスライダ23に嵌め込まれているブロック57に嵌入されている摺動スリーブ56に挿入されて、摺動可能にスライダ23に支持されている。摺動スリーブ56と受け座52とには、それぞれ圧縮ばね54の端部を受け止める凹部が形成されている。また、レバー51の受け座52と当接する部分は僅かに下向きに突出してL形を成し、その先端面部分が曲面となって受け座52の表面と滑らか接触しうるように設けられている。この操作力アシスト手段50によると、アーム3が起立する状態すなわち日除けが閉じられる状態(図5の(A))では、レバー51の先端がロッド53の受け座52を押して圧縮ばね54を圧縮しながらロッド53を押し下げる。他方、アーム3が倒れる状態すなわち日除けが開かれる状態(図5の(B))では、圧縮ばね54の力で押し上げられるロッド53の受け座52でレバー51の先端を押し上げて、レバー51並びにアーム3を図上反時計回転方向に回転させる力を付与する。
また、操作力アシスト手段50は、図5に示すスライダ搭載タイプに特に限られず、補助アーム5と支柱1との間あるいは連結部材15と支柱1との間に設けられるようにしても良い。例えば、図6に示すように、補助アーム5を支柱1に回転自在に連結する連結ピン42に捻りコイルばね58を備え、ばねの一端を補助アーム5に、他端を支柱1にそれぞれ引っかけることによって、補助アーム5を支柱1から離す方向(開く方向)に付勢するばね力を補助アーム5に対して与えるようにしても良い。また、操作力アシスト手段50は、図7に示すように、連結部材15と支柱1との間に引っ張りばね59を設けたり、あるいは圧縮ばね60を設けて、アーム3を支柱1から離す方向(開く方向)に付勢するばね力をアーム3に対して与えるようにしても良い。各ばね59あるいは60の一端を連結部材15に連結し、他端側を支柱1に連結している。
ここで、各アームに各アームの開く動作を補助する力を均等に付与するためには、操作力アシスト手段50を全てのアーム3あるいは補助アーム5若しくは連結部材15ないしはスライダ23に設けることが好ましいが、各日除けシート2毎に少なくとも1基づつ装備しておけば、その効果を発揮することができる。例えば、日除けシート2を開閉させるアーム3を支える左右のスライダ23の少なくとも1つに搭載しておけば、その効果を発揮することができる。勿論、必要に応じて前後の日除けシート2のいずれか一方にアシスト力が付与されるように操作力アシスト手段50を搭載することも可能であるが、好ましくは双方の日除けシートに作用する操作力アシスト手段50の搭載である。
以上のように、連結部材15で前後のアーム3が連結された図1に示す構造の自立型オーニングによると、自立型オーニングを開く場合には、連結部材15のハンドル44を掴んで連結部材15を支柱1に沿って持ち上げれば良い。連結部材15の上昇によって、図1並びに図3あるいは図4に示すように、支柱1の前後に配置されたガイドレール4に装備された各スライダ23が同時に上昇し、それぞれのスライダ23に連結されているアーム3の基端部3aがガイドレール4に沿って上昇する。アーム3の先端部3bは、基端部3a及び補助アーム5の動きと相まって支柱1から離れる方向に倒れていく。この動作に同期して前枠11に取り付けられている日除けシート2が巻き取り機構6から引っ張り出される。また、この動作に伴い補助アーム5はガイドレール4から引き出されて基端部5aの連結ピン42を中心に回動する。そして、アーム3を所定角度まで引き倒した状態で連結部材15を支柱1に固定することによって、アーム3と補助アーム5並びに支柱1を相互に固定する(図1の仮想線の状態)。
また、自立型オーニングを閉じる場合には、連結部材15のロック機構61を解除してから、ハンドル44を掴んで連結部材15を押し下げるだけで行われる。すなわち、連結部材15の押し下げによってこれと一体となった前後のスライダ23が下降してアーム3の基端部3aをガイドレール4に沿って引き下げるため、アーム3はその先端側を引き起こしながら支柱1に沿って起立状態に移行する。同時に、日除けシート2は巻き戻し機構6により自動的に巻き取られ、弛むことなく巻き取り軸6aの周囲に密に巻き付いてカバー7内に収容される(図1の実線の状態)。そこで、連結部材15を支柱1に固定すれば、不用意に日除けが開くことがなくなる。本実施形態の自立型オーニングはワンタッチで日除けの開閉ができる。尚、連結部材15をロック機構61で固定するように設けているがこれに特に限られるものではなく、ロック機構がなくともアームの自重で開状態は維持され、巻き戻し機構6によって日除けシート2にかかる張力で閉状態は維持される。
ここで、図5〜図7に例示するような操作力アシスト手段50を採用している場合には、日除けが閉じられている状態では、アーム3を支柱1から離す方向(開く方向)に付勢する力が操作力アシスト手段50に蓄えられているので、連結部材15を介して連結されたスライダ23並びにアーム3などを持ち上げようとするときの操作力を開始時に軽減できる。このため、比較的軽い力でアーム3ないし補助アーム5を開きながら日除けシート2を巻き戻し機構6から引き出すことができる。また、日除けを閉じるときには、巻き取り完了直前のアーム3に連なる機素例えばスライダ23あるいは補助アーム5などの動きが操作力アシスト手段50に対して付勢力を蓄える方向に作用するため、日除けシート2の巻き上げ速度ひいてはアーム先端の速度を減速して、支柱1や巻き取り機構6などとの衝撃を軽減できる。
また、上述の第1の実施形態では、連結部材15によって前後のアーム3を同時に操作するようにしているが、連結部材15を取り外すことによって支柱1の前後の各スライダ23を互いに独立させて昇降可能とし、図9〜図17に示すように、前側の日除けシート2と後側の日除けシート2とを独自に開閉させるように構成することもできる。
この場合には、前後の各ガイドレール4に対して各スライダ23を任意の位置で固定可能とすること、すなわち少なくとも上ストローク端、より好ましくは上下のストローク端、更には好ましくは上下のストローク端の間の複数の位置で固定可能とする固定手段を備えて支柱1に固定可能とすることが好ましい。
例えば、ガイドレール4にはスライダ23と当接しこのスライダ23の上方のスライド端を定めるストッパ片8が備えられている(図18参照)。このストッパ片8は、例えばローラ9が転動するガイドレール4の折り返し部4aの内側の壁面にビス止めなどによって取り付けられるL形のプレートから成り、ローラ9が転動する折り返し部4a並びにフランジ4cよりも内側の空間でスライダ23の先端に設けられているストッパ部材16と当接するように設けられている。そして、補助アーム5がガイドレール4の中へ収容されるのをストッパ片8が妨げることなくアーム基端部3aのスライドを規制するようにされている。このストッパ片8は、ローラ9の保護を兼ねている。ここで、ガイドレール4は、アーム3及び補助アーム5が貫通するための開口部に折り返し部4aを備え、この折り返し部4aと対向するレール底部4bとの間でスライダ23のローラ9を転動可能にかつ脱落しないように支持するように設けられている。また、レール底部4b側にも、ローラ9の脱落を防止するためのフランジ4cが形成されている。更に、レール底部4bの中央には、固定手段22を構成するロックプレート17が収められる凹部(溝)4dが設けられている。これら凹部4d並びにフランジ4cは、日除けシート2の出し入れに従って摺動するスライダ23の移動距離と少なくとも同じ長さがあれば足りるが、本実施形態の場合のように押し出し材などで構成されることが経済的にも好適であることから、全長において形成されることが一般的である。
更に、ガイドレール4とスライダ23との間には、図18に示すように、スライダ23を任意の位置で固定可能とする固定手段22が備えられている。固定手段22は、好ましくは複数の任意の位置でスライダ23ひいてはアーム3を固定できるもので、少なくともスライダ23の上下のストローク端、より好ましくはその間の1箇所以上で固定可能とするものである。この場合には、スライダ23を任意位置に固定することで、アーム3の倒れ角度を任意の角度で固定し、日陰の大きさを自由に設定でき、自立型オーニングの取付スペースに合わせて張り出し量を変更したり、日陰量の調整を行うことができる。
固定手段22は、例えばスライダに出没可能に搭載されたロケートピン24と該ロケートピン24を嵌入する複数の穴18を支柱の高さ方向に離して設けスライダの移動範囲において支柱1に備えられたロックプレート17とを有するものである。ロックプレート17は、スライダ23に出没自在に備えられるロケートピン24を受け入れる穴18が少なくとも2カ所以上設けられている。本実施形態の場合には、図示していないが、最大引き出し位置を定める穴と自立型オーニング収納位置を定める穴18との間に日除けシート2の引き出し位置を調整するための任意の数(少なくとも1つ以上)の穴18を設けるようにしている。穴18の数は多いほどシート引き出し量を細かく調整できる。また穴18の間隔も一定ピッチに限られず、不等ピッチであけるようにしても良い。穴18の位置を変えることによって、最大引き出し位置を調整できるし、収納位置を定める穴18との間に任意の数の穴18を設けることにより、日除けシート2の引き出し量を任意の位置で止めることができる。さらに、ロックプレート17をビス19で固定する場合には、穴18の位置を変えたロックプレート17と交換することによって、容易にシート引き出し位置の調整が実施できる。また、ガイドレール4に対するロックプレート17の取り付け位置を変更することも可能となる。即ち、ロックプレート17そのものを交換したり、新たな位置に穴18を加工しなくとも、ロックプレート17のガイドレール4に対する取付位置を変更することによってアーム3の最大傾き即ち日よけシートの最大張り出し量などを変更することができる。このように、ロックプレートに任意の位置に穴をあけることによって、ユーザーの好みに合わせて簡単に張り出し量を調整することができるし、更にはロックプレートを交換可能とすることにより、その調整作業をさらに容易に実施できる。しかも、ロックプレート自体のロケートピンを嵌入する穴の位置を変更しなくとも、支柱に対するロックプレートの取り付け位置そのものを変更するだけで、自立型オーニングを取り付けようとするスペースに合わせて張り出し量を変更したり、日陰量の調整ができる。
本実施例では、ロックプレート17は1枚のプレート材で構成しているが、これに限られるものではなく、複数枚のプレート17をガイドレール4に対してそれぞれ取り付けるようにしてもよい。また、プレート材を別個にガイドレール4に取り付けずとも、ガイドレール4そのものにスライダ23のロケートピン24を受け入れる穴18を直接設けて固定手段22を構成するようにしても良い。1枚のプレート材でロックプレート17を構成する場合には、ガイドレール4の強度を補強することができる。
スライダ23は、例えば樹脂成形などによって得られたブロックに2対のローラ9と1対のストッパ部材16を備え、ロケートピン24を出入り自在に搭載するものである。ロケートピン24はアーム3に備えられたレバー31とコントロールワイヤ26を介して連繋され、レバー31による遠隔操作によって出入り自在とされている。ロケートピン24には、先端が球面に形成されると共に後端にコントロールワイヤ26の係留ボール25が引っかかるための係留部24dと係留ボール25を収容するボール受け凹部24b並びにワイヤ26aが通過するワイヤ口24cが形成されている。ワイヤ口24cはボール受け凹部24bに挿入されたワイヤ先端の係留ボール25が通り抜けない幅のスリットである。また、ロケートピン24には、ピン出没穴29よりも大径のフランジ24aを後端側に備えており、該フランジ24aをばね収容室28の底面28aに当接させることでロケートピン24の突出を規制し、ロケートピン24の最大突出量を定める。また、このフランジ24とばね収容室28を閉じるブラケット20の座面との間には、圧縮コイルバネ27が配置され、ロケートピン24をスライダ23から突出させる力を常時付勢するように設けられている。更には、コントロールワイヤ26のアウターケーシング26bを1対の締め付けナット26cによってブラケット20の座面に固定するようにしている。尚、符号10は車軸、43はブラケット20をスライダ23に取り付ける固定ねじである。
コントロールワイヤ26の手元側は、アーム3の中程に設けられているハンドル30に備えられている操作レバー31に係留されている。即ち、コントロールワイヤ26の手元側の係留ボール35は、L形の操作レバー31の短辺側に設けられた係留部34に引っかけられて、連結ピン33を中心に回転する操作レバー31の動きによってワイヤ26aを引っ張るように設けられている。コントロールワイヤ26のアウターケーシング26bは1対の締め付けナット37によって固定板39に取り付けられている。固定板39はハンドル30に設けられているスリット38に差し込まれてハンドル30に固定され、締め付けナット37部分がU字形の前後の溝39に差し込まれるようにセットされて、コントロールワイヤ26のアウターケーシング26bがハンドル30に固定されるように設けられている。尚、図中の符号41はキャップである。
ハンドル30は、ビス32によってアーム3に取り付けられている。このハンドル30の形状は特に限定されるものではないが、レバー31を握りしめながらアーム3を押し引き可能とするように、半環状とすることが好ましい。このハンドル30はレバー31の操作とアームの把持を容易にするが、場合によっては設けられないこともある。レバー31をアーム3側に押すことによってコントロールワイヤ26が引っ張られるように直接アーム3に取付ければ、アーム3と共にレバー31を把持して自立型オーニングの開閉操作を行うことができる。ロケートピン24がアームに備えられたレバー31による遠隔操作が可能な構造の固定手段22の場合には、アーム3を掴んだ状態でレバー操作することによってスライダ23の固定を解除できるため、オーニングの開閉操作を容易に行うことができる。しかも、任意の位置にスライダ23を固定することができるので、日除けシート2の張り出し量の調整操作並びに収納・引き出し操作が容易である。
以上のように、前後のアーム3が独自に昇降可能な図9から図17に示す構造の自立型オーニングによると、自立型オーニングを開く場合には、各日除けシート2を支えるアーム3のハンドル30を掴んでアーム3を手でガイドレール4から離すように倒せば良い。このとき、レバー31の操作によって固定手段22のロックを解除し、スライダ23の摺動を可能な状態としてから、アーム3を引き上げるようにして倒す。アーム3はスライダ23のガイドレール4に沿った上昇に伴って、持ち上げられながら徐々に倒れ、巻き戻し機構6から日除けシート2を引き出す。そして、アーム3を所定角度まで引き倒した状態で、あるいはストッパ片8と当接するまで倒したときにレバー31を離すことによって、スライダ23からロケートピン24を飛び出させてロックプレート17の穴18に嵌入させ、スライダ23をロックプレート17即ちガイドレール4に固定する。これによって、アーム3と補助アーム5並びに支柱1が相互に固定される(図9、図10及び図11)。
また、自立型オーニングを閉じる場合には、ハンドル30を握った状態でレバー31を操作して固定手段22を解除してから、アーム3を支柱1へ向けて押しつけるだけで行われる。すなわち、アーム3の支柱1側の押しつけによって、補助アーム5の連結ピン42を中心とする回転と相まってアーム3の基端部3aのスライダ23が下方にスライドさせられながら徐々に起き上がり、アーム3の先端側を引き起こしながら支柱1に沿って起立する状態に移行する。このとき、日除けシート2は巻き戻し機構6によって自動的に巻き戻され、ケース7内に収納される。そして、アーム3並びに補助アーム5が所定位置まで折り畳まれたときに、レバー31を外して固定手段22のロケートピン24をロックプレート17の穴18に嵌入させてスライダ23をスライドレール4に固定する。
ここで、自立型オーニングの開閉時には、ハンドル31とともにレバー30を握ることによって、固定手段22のロック解除と同時にアーム3をハンドル31を持って操作できるので、片手でも開閉操作ができる。しかも、レバー31を操作しない限り、ロケートピン24がロックプレート17の穴18に嵌入されてスライダが移動できない状態なので、風に煽られるなどして勝手に閉じたりする誤動作を防止でき、安全性が高まる。したがって、ワンタッチで日除けの開閉ができる。尚、固定手段22によりスライダ23をガイドレール4に固定するようにしているがこれに特に限られるものではなく、固定手段22がなくともアームの自重で開状態は維持され、巻き戻し機構6によって日除けシート2にかかる張力で閉状態は維持される(図12〜図14参照)。
本実施形態の自立型オーニングによれば、支柱1を挟んだ前後の日除けシート2が別々に開閉できる構造とされているので、必要な側の日除けシートだけを張り出させたり、あるいは一方の日除けシートの張り出し量と他方の日除けシートの張り出し量とを異ならせたりすることが必要に応じて自由に選択できる。例えば図9〜図11に示すように両日除けシート2を開いても良いし、図15〜図17に示すように片側だけの日除けシート2を開くようにしても良い。また、図示していないが、前後の日除けシート2のいずれか一方を完全に開きながら他方を半開きにしたり、あるいは双方を半開きにすることも可能である。したがって、設置場所に制限を受けることがなく、周りの状況に応じて必要な側の日除けシートを必要な量だけ引き出すことが可能となる。
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、本実施形態では折り返し部4aを有するチャネル状のガイドレール4を採用しているがこれに特に限定されるものではなく、スライダ23を離脱不能でかつ上下方向に摺動可能に支持し得るものであればどのような形状でも構わず、支柱1とガイドレール4とを一体化した断面C型の型材を用いても良いし、I型あるいは⊥型などのアルミニウム型材などからなるガイドレール4を採用しても良い。
支柱1とガイドレール4とを1つの部材で構成する場合には、図8に示すように、横断面形状C型のチャネル材でガイドレールを兼ねた支柱1を構成し、その内部空間に1台のスライダ23を昇降可能に収納し、この1台のスライダ23に前後のアーム3をそれぞれ回転自在に連結ピン21で連結するようにしても良い。この場合には、支柱1の側方に開放された縦溝を貫通させてアーム3の連結ピン21とハンドル44とをスライダ23に取り付けるようにしている。したがって、ハンドル44を把持してスライダ23を昇降させることで、前後のアーム3を同時に持ち上げることによって、ワンタッチで日除けシート2の出し入れすなわち日除けの開閉を行うことができる。この実施形態の場合には、前後の日除けシート23は共通のスライダの昇降で同時に開閉されるので、スライダ同士を連結する連結部材15は必要なく、スライダ23に直接ハンドル44を取り付ければ足りる。
また、断面I型の型材から成るガイドレール4’の場合には、図23に示すようにガイドレール4に取り付けられる下辺4a’とガイドレール4’から突き出る上辺4b’との間でスライダ23’のローラ9を引っかけるようにしてガイドレール4’に沿ってスライダ23’を摺動可能に装着し、両辺4a’,4b’に対して垂直な壁となる辺4c’にスライダ23に搭載されたロケートピン24が嵌入する複数の穴18’を利用して該穴18’の位置にスライダ23を固定するように設けても良い。スライダ23’は、板材を折り曲げることによってあるいは引き抜き材や押し出し材を利用することによって得られたコ形のブロックに2対のローラ9を備え、ロケートピン24を出入り自在に搭載するものである。ロケートピン24は、例えば図18に示すものと同様の構造のものでありその詳細な説明は省略するが、筒状のフランジ付きケーシング47に圧縮コイルバネ27と共に収容されてスライダ23’の側面に取り付けられている。ケーシング47の底部にコントロールワイヤ26のアウターケーシング26bを1対の締め付けナット26cによって固定し、ケーシング内に引き込んだワイヤ26aの先端の係留ボール25をロケートピン24の係留部24dに引っかけるようにしている。ロケートピン24は、スライダ23’のピン出没穴29からガイドレール4’の辺4c’へ向けて突出し、フランジ24aをスライダ23’のピン出没穴29の周縁に当接させることでロケートピン24の突出を規制するように設けられている。そして、フランジ24とケーシング47の底部との間に配置されている圧縮コイルバネ27によって、ロケートピン24を辺4c’へ向けて突出させる力を常時付勢するように設けられている。コントロールワイヤ26は図21のレバーによって操作される。この実施形態においては、ロックプレート17を用いずに、ガイドレール4’に直接開けられた穴18’にロケートピン24を嵌入する固定手段22を構成するようにしている。図示していないが、ガイドレール4’の辺4c’にロックプレート17をビス止めなどで取り付けるようにしても良い。
更に、ロケートピン24の操作は、アーム3に取り付けたハンドル30の中のレバー31によって行われる場合に限られず、ロケートピン24をユーザーが直接掴んで操作するようにしていも良い。例えば、図25に示すように、ロケートピン24の後端側に握り玉45を備えた握り棒46を取付け、該握り棒45を直接引っ張ることによってロケートピン24をロックプレート17の穴18から引き出してスライダ23の固定を解除するようにしても良い。ロケートピン24は握り棒45を離すとばね27の力でスライダ23から突出する
また、図26に示すように、スライダ23に開けた穴48とガイドレール4にあけた穴18’とを重ねてロケートピン24’を通して直接スライダ23とガイドレール4とを連結して固定するようにしても良い。
また、本実施形態ではガイドレール4を2本備えた自立型オーニングについて説明したが、これも好適な一例に過ぎず、構造物の本数を適宜増やして構わない。例えば、幅広の日除けシートを採用する場合などには、両端以外に中央にもアームと支柱とを配置し、3組以上のアーム3とガイドレール4で支持するようにしてもよい。
また、左右のアーム3の先端の連結手段として前枠11の代わりに巻き取り機構6の巻き取り軸6aを利用することも可能である。この場合にも、アームが倒れて日除けシートが張り出された状態では、日除けシートが引き出されているのでアーム先端にかかる日除けシート重量は少なくなり、アームを引き起こすための力も大きくは必要としない。
また、本実施形態では、図5に示すように、アーム3の基端部3aとスライダ23との間に操作力アシスト手段50を設け、この操作力アシスト手段50の付勢力を用いてスライダ23及びアーム3などを持ち上げようとするときの操作力を軽減できるようにしたが、その操作力をさらに軽減するために、図30〜図32に示すように、支柱1’と補助アーム5との間に、補助アーム5の先端を支柱1’から離すように持ち上げる方向に各補助アーム5に対して回転力を付与する補助アーム押圧手段70を設けても良い。以下、補助アーム押圧手段70について説明するが、上記実施形態と同様の構成部材については同一の符号を付し、その説明を省略する。
補助アーム押圧手段70は、各補助アーム5に対して1つずつ設けられており、図31及び図32に示すように、圧縮コイルバネ71、リンク金具72、及び開口1’a、4eから構成されている。支柱1’は、その横断面が略コ字状となるように形成されており、支柱1’には補助アーム押圧手段70が収容される空間が形成されている。ガイドレール4に連結ピン42によって回転可能に連結されている補助アーム5の基端部の上方で、支柱1の上端部のガイドレール4側の内壁には、圧縮コイルバネ71が取り付けられる一対の固定金具73がビス(不図示)によって強固に固着されている。補助アーム5の基端部と固定金具73との間の支柱1及びガイドレール4には、ガイドレール4の内側の空間と支柱1’の内側の空間とを連通する縦長の開口1’a、4eが形成されている。開口1’a、4eは互いに重なるように支柱1’及びガイドレール4に形成されており、補助アーム押圧手段70は開口1’a、4eから露呈されている。
補助アーム5の基端部には開口1’a、4eを介して支柱1’の内部に向けて突出するようにリンク金具72が延設されている。このリンク金具72は、補助アーム5と圧縮コイルバネ71とを連結して圧縮コイルバネ71の付勢力を補助アーム5に伝達するものであり、長片72aと短片72bとからなる略く字状に形成された薄板から構成されている。リンク金具72において、長片72aと短片72bとの間の屈曲部には連結ピン42が挿通されている。長片72aは補助アーム5に重なり合うように配置され、且つビス75で強固に固着されており、短片72bは補助アーム5の基端部から開口1’a、4eを介して支柱1’の内部に露呈されている。このようにリンク金具72は連結ピン42を中心にして回転可能となるように補助アーム5に取り付けられており、短片72bの先端は、補助アーム5が起立している状態すなわち日除けが閉じられている状態(図30(A)及び図31参照)では開口1’a、4eを介してガイドレール4側に位置し、日除けが閉じられている状態から補助アーム5が倒れている状態すなわち日除けが開かれている状態(図30(B)及び図32参照)に移行すると、開口1’a、4eを介して支柱1’の内部に突出するように変位する。
圧縮コイルバネ75の先端と基端にはマウント76、77が固着されており、マウント76は固定金具73に、マウント77は短片72bの先端にそれぞれ連結ピン78、79を介して回転可能に軸支されている。特に図示しないが、マウント76とマウント77との間には、圧縮コイルバネ75の伸縮を一定方向にガイドするガイド部材が設けられている。このガイド部材は、例えば、圧縮コイルバネ75の内径よりも僅かに小さい外径を有する一対のシリンダと、このシリンダを長手方向に貫くロッドとからなる。シリンダの先端はロッドを介して対向しており、基端はマウント76、77にビスなどで固着されている。このガイド部材によれば、シリンダが圧縮コイルバネ75の形状を維持し、圧縮コイルバネ75の伸縮に伴って一方のシリンダの先端と他方のシリンダ先端との距離がロッドに沿って相対的に変位するので、圧縮コイルバネ75の伸縮方向を一定に保持することができる。なお、ガイド部材は圧縮コイルバネ75の伸縮方向を一定に保持するものであればどのようなものであっても良く、その形態は適宜に決定すれば良い。
このように支柱1’に固着されている固定金具73と補助アーム5に固着されているリンク金具72とを圧縮コイルバネ75を介して連結することにより、日除けが閉じられている状態では、図31に示すように圧縮コイルバネ75に付勢力が蓄えられ、日除けが開かれている状態では、図32に示すように補助アーム5を連結ピン42を中心として時計周り方向(補助アーム5の先端を支柱1’から離す方向)に回転させるような付勢力が短片72bの先端に対して付与される。
上記のように構成された補助アーム押圧手段70を自立型オーニングに採用することにより、ハンドル44を掴んで、日除けを閉じた状態(図30(A)及び図31参照)から開いた状態(図30(B)及び図32参照)に移行させる操作をした場合、リンク金具72の先端には圧縮コイルバネ75の付勢力が付与され、これにより補助アーム5には図32の連結ピン42を中心とした時計周り方向に回転力が生じ、日除けを閉じた状態から開いた状態に移行させる操作に要する力を開始時に軽減できる。したがって、比較的軽い力でアーム3及び補助アーム5を開きながら日除けシート2を巻き戻し機構6から引き出すことができる。また、補助アーム押圧手段70を操作力アシスト手段50と併用することにより日除けを閉じた状態から開いた状態に移行させる操作をより一層軽減することができる。さらに、補助アーム押圧手段70と操作力アシスト手段50とを併用することにより、日除けが開かれている状態において、巻き取り機構6のトーションバネによる日除けを開いた状態から閉じた状態に移行させる方向にかかる付勢力と補助アーム押圧手段70による日除けを閉じた状態から開いた状態に移行させる方向にかかる付勢力とのバランスを良好にすることができ、風に煽られるなどして日除けがユーザーの意思に反して閉じたり開いたりする誤動作を防止できる。なお、上記のガイド部材を空気バネとして機能させても良く、空気バネと圧縮コイルバネ75とを併用することにより補助アーム押圧手段70が補助アーム5に与える付勢力を増大させることができる。
また、本実施形態では、連結部材15にロック機構61を設け、このロック機構61によって連結部材15を支柱1に固定するようにしたが、これに限ることなく、図33及び図34に示すように、ロック機構80を用いても良い。以下、ロック機構80について説明するが、上記実施形態と同様の構成部材については同一の符号を付し、その説明を省略する。
ロック機構80は、連結部材15を任意の位置で支柱1に固定するものであり、板状のレバー81がスライド自在に組み込まれたハンドル82と、レバー81に固定されているロケートピン83と、支柱1及び連結部材15に形成されており、ロケートピン83が嵌入される孔1b、15aとを有している。ハンドル82は、連結部材15の上記実施形態のハンドル44が取り付けられていた位置と同様の位置にビスや接着剤などで固着されている。ハンドル82には、ユーザーがハンドル82を掴む際に指や手などを通す横長の貫通孔82aが形成されている。レバー81は、その外形がハンドル82の外形よりも小さく形成されており、ハンドル82の内部に組み込まれている。レバー81には貫通孔82aよりも小さい横長の貫通孔81aが形成されており、この貫通孔81aは、レバー81がハンドル82に組み込まれた際に貫通孔82aから露呈される。特に図示しないが、ハンドル81の内部には凹状のガイドレールが、レバー81にはガイドレールに係合する凸部が設けられており、レバー81の凸部をハンドル81のガイドレールに嵌め込むことによりレバー81がハンドル82にスライド自在に組み込まれる。
ロケートピン83は、略円柱状の外形を成しており、その先端が半球状に形成されている本体部83aと、この本体部83aの外径よりも細径の軸部83bとから構成されている。ロケートピン83は、その軸部83bがフランジ84に形成されている本体部83aの径よりも細径の貫通孔84aに挿通されており、軸部83bの基端側に形成されている雄ネジ(不図示)がレバー81に形成されている雌ネジ(不図示)に螺合され、レバー81に固定されている。フランジ84は、後述する圧縮コイルバネ86の付勢力をロケートピン83に伝達するものであり、略コ字状に形成されている。フランジ84の両端はビス85でレバー82の端面に固着されており、フランジ84から露呈されているビス85の頭85aと連結部材15とが対向した状態となっている。フランジ84とレバー81との間で、ロケートピン83の軸部83bには圧縮コイルバネ86が設けられており、その一端はフランジ84に、他端はハンドル81に形成されている凹部81bに固着されている。これによりロケートピン83は圧縮コイルバネ86によってハンドル82の内部から外部に向けて突出するように常時付勢される。また、圧縮コイルバネ86の付勢力によりビス85の頭85aが連結部材15に当接し、これによりロケートピン83の本体部83aの孔15aからの突出量が規制される。つまり、フランジ84から露呈されるビス85の頭85aの高さは、頭85aが連結部材15に当接した際にロケートピン83の本体部83aが孔1bに嵌入されるように設定されている。
支柱1にはその高さ方向に一定のピッチで複数の孔1bが形成されており、連結部材15には孔1bに対応するように複数の孔15bが形成されている。孔1b、15bには、ロケートピン83の本体部83aが嵌入されている。孔1b、15bはいずれも、少なくとも日除けシート2の最大引き出し位置を定める孔と、日除けシート2の収納位置を定める孔とを設ければ良いが、本実施形態では、これらの孔の他に、最大引き出し位置を定める孔と日除けシート2の収納位置を定める孔との間に日除けシート2の引き出し位置を調節するための孔を任意の数だけ設けるようにしている。したがって、ロケートピン83の本体部83aを孔1b、15bに嵌入することで、日除けシート2の張り出し状態あるいは収納状態を保持することができる。
上記のように構成されたロック機構80を自立型オーニングに採用することにより、自立型オーニングを開く場合、先ず、ハンドル82の開口82aとレバー81の開口81aとに指を通し、レバー81を引きながらハンドル82を掴む。このようにしてハンドル82を掴むと、図34に示すように、ロケートピン83の本体部83aが圧縮コイルバネ86の付勢に抗して孔1bから引き抜かれ、スライダ23が摺動可能な状態なる。ハンドル82を支柱1の高さ方向に沿って持ち上げると、アーム3はスライダ23のガイドレール4に沿った上昇に伴って持ち上げられながら徐々に倒れ、巻き戻し機構6から日除けシート2が引き出される。そして、アーム3を所望の角度まで引き倒した状態で、あるいは固定手段8と当接するまで倒したときにレバー81を放すことによって、孔15aからロケートピン83を突出させて孔1bに嵌入させ、連結部材15を支柱1に固定する。これによりアーム3、補助アーム5、及び支柱1が相互に固定される。
他方、自立型オーニングを閉じる場合には、先ず、ハンドル82の開口82aとレバー81の開口81aとに指を通し、レバー81を引きながらハンドル82を掴む。このようにしてハンドル82を掴むと、上記と同様にしてロケートピン83の本体部83aが孔1bから引き抜かれる。ハンドル82を支柱1の高さ方向に沿って引き下げると、アーム3は、スライダ23のガイドレール4に沿った下降に伴って、補助アーム5の連結ピン42を中心とする回転と相まってその先端側を引き起こしながら支柱1に沿って起立した状態に移行する。このとき、日除けシート2は巻き戻し機構6によって自動的に巻き戻され、ケース7内に収納される。そして、アーム3及び補助アーム5を所望の位置まで折り畳んだときに、レバー81を放してロケートピン83の本体部83aを孔1bに嵌入させ、連結部材15を支柱1に固定する。これによりアーム3、補助アーム5、及び支柱1が相互に固定される。
このようにロック機構80を用いることにより、自立型オーニングの開閉時には、ハンドル82とともにレバー81を握ることによって、連結部材15と支柱1とのロック解除と同時にアーム3をハンドル82を掴んで操作できるので、片手でも開閉操作ができる。また、レバー81を操作しない限り、ロケートピン83が孔1bに嵌入されてスライダ23が移動できない状態となるので、風に煽られるなどして日除けシート2が勝手に閉じたり開いたりする誤動作を防止でき、安全性が高まる。
また、本実施形態では、操作レバー31を有するハンドル30をアーム3に設け、この操作レバー31及びハンドル30によって支柱1を挟んだ前後の日除けシート2が別々に開閉できる構造としたが、これに限ることなく、図35及び図36に示すように、スライダ23に設けられている固定手段89を用いて支柱1を挟んだ前後の日除けシート2を別々に開閉するようにしても良い。以下、固定手段89について説明するが、上記実施形態と同様の構成部材については同一の符号を付し、その説明を省略する。特に、固定手段89を構成しているレバー90及びハンドル91は上述したハンドル82及びレバー81とほぼ同様の構造を成しているであるため、重複している箇所の説明は省略し、異なる箇所についてのみ説明する。
固定手段89は、ロケートピン83、レバー90、及びハンドル91とを備えている。ハンドル91にはロケートピン83を有するレバー90がスライド自在に組み込まれている。レバー90及びハンドル91には、上述した開口81a、82aと同様の開口90a、91aが形成されている。また、ハンドル91には、ロケートピン83の軸部83bに設けられている圧縮コイルバネ86が収容されるバネ収容室91bが形成されている。さらに、ハンドル91には、このバネ収容室91bと連通しており、ロケートピン83の本体部83aをハンドル91の内部から外部に露呈させる開口91cが形成されている。本体部83aは、開口91cからハンドル91の外部に突出した際に穴18に嵌入可能となるように設計されている。本体部83aの基端には本体部83aの外径よりも大きい外径を有するフランジ92が形成されており、このフランジ92をバネ収容室91bと開口91cとの境界に形成されている段差部91dに当接させることで本体部83aの開口91cからの突出量を規制し、ロケートピン83の最大突出量を定める。圧縮コイルバネ86の一端はフランジ92に、他端はバネ収容室91の底部91eに固着されており、これにより、ロケートピン83は、本体部83aを開口91cからハンドル91の外部に突出させる方向に圧縮コイルバネ86によって常時付勢される。このように構成されたハンドル91は、本体部83aがロックプレート17の穴18に嵌入されるようにスライダ23の下面23aにビスや接着剤などで固着されている。
上記のように構成された固定手段89を自立型オーニングに採用することにより、自立型オーニングを開く場合、先ず、ハンドル91の開口91aとレバー90の開口90aとに指を通し、レバー90を引きながらハンドル91を掴む。このようにしてハンドル91を掴むと、図36に示すように、ロケートピン83の本体部83aが圧縮コイルバネ86の付勢に抗して穴18から引き抜かれ、スライダ23が摺動可能な状態なる。ハンドル91を支柱1の高さ方向に沿って持ち上げると、アーム3はスライダ23のガイドレール4に沿った上昇に伴って持ち上げられながら徐々に倒れ、巻き戻し機構6から日除けシート2が引き出される。そして、アーム3を所望の角度まで引き倒した状態で、あるいは固定手段8と当接するまで倒したときにレバー90を放すことによって、開口91cからロケートピン83を突出させて穴18に嵌入させ、スライダ23をロックプレート17即ちガイドレール4に固定する。これによりアーム3、補助アーム5、及び支柱1が相互に固定される。
他方、自立型オーニングを閉じる場合には、先ず、ハンドル91の開口91aとレバー90の開口90aとに指を通し、レバー90を引きながらハンドル91を掴む。このようにしてハンドル91を掴むと、上記と同様にしてロケートピン83の本体部83aが穴18から引き抜かれる。ハンドル91を支柱1の高さ方向に沿って引き下げると、アーム3は、スライダ23のガイドレール4に沿った下降に伴って、補助アーム5の連結ピン42を中心とする回転と相まってその先端側を引き起こしながら支柱1に沿って起立した状態に移行する。このとき、日除けシート2は巻き戻し機構6によって自動的に巻き戻され、ケース7内に収納される。そして、アーム3及び補助アーム5を所望の位置まで折り畳んだときに、レバー90を放してロケートピン83の本体部83aを穴18に嵌入させ、スライダ23をロックプレート17即ちガイドレール4に固定する。これによりアーム3、補助アーム5、及び支柱1が相互に固定される。
以上のように、固定手段89によれば、自立型オーニングの開閉時には、ハンドル91とともにレバー90を握ることによってスライダ23とガイドレール4とのロック解除と同時にアーム3をハンドル91を掴んで操作できるので、片手でも開閉操作ができる。また、レバー90を操作しない限り、ロケートピン83が穴18に嵌入されてスライダ23が移動できない状態となるので、風に煽られるなどして日除けシート2が勝手に閉じたり開いたりする誤動作を防止でき、安全性が高まる。また、支柱1を挟んだ前後の日除けシート2が別々に開閉できるので、必要な側の日除けシートだけを張り出させたり、あるいは一方の日除けシート2の張り出し量と他方の日除けシート2の張り出し量とを異ならせたりすることが必要に応じて自由に選択できる。さらに、自立型オーニングを開閉する際に操作されるレバー90及びハンドル91がガイドレール4に沿って設けられているので、自立型オーニングを比較的大きな物(例えば、自動車など)に対して用いる場合であっても、レバー90及びハンドル91を容易に掴んで操作することができる。
本発明の自立型オーニングの一実施形態を示す側面図で、実線で日除けシートを収納した状態、仮想線で日除けシートを引き出した状態を示す。 連結されたスライダとガイドレール並びに支柱との関係の一実施形態を示す横断面図である。 操作力アシスト手段を搭載しないスライダとガイドレール並びに支柱との関係を示す図で、(A)は下から見た斜視図、(B)は上から見た斜視図である。 操作力アシスト手段を搭載したスライダとガイドレール並びに支柱との関係を示す図で、(A)は下から見た斜視図、(B)は上から見た斜視図である。 操作力アシスト手段の一実施形態を示す縦断面図で、(A)は日除けシートを収納した(蓄圧)状態、(B)は日除けシートを引き出した(付勢)状態を示す。 操作力アシスト手段の他の実施形態を示す概略図で、(A)は全体説明図、(B)は要部拡大図である。 操作力アシスト手段の他の実施形態を示す概略図で、(A)は引っ張りばねを用いた例、(B)は圧縮ばねを用いた例を示す。 連結されたスライダとガイドレール並びに支柱との他の実施形態を示す横断面図である。 本発明の自立型オーニングについて、前後の日除けシートを独自に開閉可能とした実施形態を示す側面図で、前後の日除けシートを共に開いた状態を示す。 図9の自立型オーニングの下から見た斜視図である。 図9の自立型オーニングの上から見た斜視図である。 図9の自立型オーニングにおいて、前後の日除けシートを共に閉じた状態を示す側面図である。 図9の自立型オーニングの前後の日除けシートを共に閉じた状態を上から見た斜視図である。 図9の自立型オーニングの前後の日除けシートを共に閉じた状態を下から見た斜視図である。 図9の自立型オーニングにおいて、一方(前方)の日除けシートを収納すると共に他方(後方)の日除けシートを引き出した状態を示す側面図である。 一方(前方)の日除けシートを収納すると共に他方(後方)の日除けシートを引き出した状態の自立型オーニングの上から見た斜視図である。 一方(前方)の日除けシートを収納すると共に他方(後方)の日除けシートを引き出した状態の自立型オーニングのを下から見た斜視図である。 スライダと支柱のガイドレールとの関係を示す拡大縦断面図である。 スライダと支柱のガイドレールとの関係を示す横断面図である。 アームを起てて支柱と並べた状態を示す側面図である。 ハンドルとコントロールワイヤの操作レバーとの構造を示す拡大縦断面図である。 ハンドルとアーム並びに補助アームとの関係を示す横断面図である。 スライダと支柱のガイドレールとの他の実施形態を示す斜視図である。 図23の実施形態のスライダと支柱とを固定する固定手段部分の拡大縦断面図である。 スライダのロケートピンの操作機構の他の実施形態を示す拡大縦断面図である。 スライダと支柱とを固定する固定手段の他の実施形態を示す斜視図である。 従来の八角形自立型オーニングの構造を示す図で、(A)は側面図、(B)は平面図である。 従来の片持ち式自立型オーニングの概略構造を示す側面図である。 従来の矩形自立型オーニングの構造を示す斜視図である。 補助アーム押圧手段を採用した自立型オーニングの態様を示す側面図であり、(A)は日除けシートを収納した状態、(B)は日除けシートを引き出した状態を示す。 図30(A)の符号Aで示す箇所の拡大図であり、日除けシートが収納されているときの補助アーム押圧手段の態様を示す。 図30(B)の符号Bで示す箇所の拡大図であり、日除けシートが引き出されているときの補助アーム押圧手段の態様を示す。 連結部材と支柱とがロック機構によって固定されているときのスライダ、ガイドレール、支柱、及びロック機構の態様を示す拡大横断面図である。 ロック機構による連結部材と支柱との固定を解除したときのスライダ、ガイドレール、支柱、及びロック機構の態様を示す拡大横断面図である。 スライダと支柱とを固定する固定手段における他の実施形態を示す拡大縦断面図であり、スライダが支柱に固定されているときのスライダ、ガイドレール、支柱、及び固定手段の態様を示す。 スライダと支柱とを固定する固定手段における他の実施形態を示す拡大縦断面図であり、固定手段によるスライダと支柱との固定を解除したときのスライダ、ガイドレール、支柱、及び固定手段の態様を示す。
符号の説明
1 支柱
2 日除けシート
3 アーム
3a 基端部
4 ガイドレール
5 補助アーム
6 巻き戻し機構
8 ストッパ片
11 前枠
15 連結部材
17 ロックプレート
18,18’,48 ロケートピンが挿入される穴
22、89 固定手段
23,23’スライダ
24,24’,83 ロケートピン
26 ワイヤ
30 ハンドル
31 レバー

Claims (4)

  1. 前後にスライドレール部をそれぞれ備えた2本の支柱と、前記2本の支柱間に跨って前記支柱の上端に取り付けられて前後に張り出される2枚の日除けシートのそれぞれの末端側を自動的に巻き上げて収納する巻き戻し機構と、前記各スライドレール部に沿って昇降自在に取り付けられたスライダと、前記各スライダに基端部が回転自在に支持されると共に先端側で前枠に連結されて前記各日除けシートの先端を支持するアームと、前記各アームの前記各日除けシートを取り付けた部分と前記各スライダとの間に先端が回転自在に連結されると共に後端側が前記支柱に各々回転自在に取付けられて支持される補助アームと、前記各スライドレール部に対する前記各スライダの少なくとも上スライド端を定める固定手段とを備えることを特徴とする自立型オーニング。
  2. 各支柱の前後の前記各スライダが互いに独立して昇降可能に設けられ、前後の前記各日除けシートが別々に開閉できるものである請求項1記載の自立型オーニング。
  3. 各支柱の前後の前記各スライダが互いに連結されて同時に昇降可能に設けられ、前後の前記各日除けシートが同時に開閉できるタイプである請求項1記載の自立型オーニング。
  4. 前記各アームを閉じたときに前記各アームの基端部のスライダを昇降させて前記各アームの先端を前記支柱から離すように倒す方向の付勢力を常時付勢する操作力アシスト手段を有するものである請求項1から3のいずれか1つに記載の自立型オーニング。
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