JP4195758B2 - 弾球遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、大当たり時に払い出された賞球を上球皿や下球皿に案内する通路を備えた各種弾球遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の弾球遊技機としては、例えば特開平9−10408号公報に示すアレンジボール機が知られている。
【0003】
このアレンジボール機(以下、遊技機という。)においては、機裏側に装着された機構セット盤に、球払い出し装置から払い出された賞球としての遊技球を上球皿に案内する賞球通路及び上球皿に遊技球が満杯状態のときに前記遊技球を下球皿に案内する溢れ球通路を備えている。そして、これらの通路は、両通路の分岐点近傍において、遊技機の前後方向に重なるように配設されている。また、前記溢れ球通路の底部(例えば、後面)は、金属製の区画板によって構成されており、同区画板にアース線を接続することで、前記通路を通過する遊技球に帯電されている静電気を遊技機外部にアースできるようになっている。
【0004】
さらに、前記溢れ球通路は、遊技機下部前面に配置された下球皿に向かって屈曲して延設されており、前記通路の後方には機構セット盤を介して遊技機の各種制御装置が設置されている。そして、これらの制御装置によって球貸し作動や球の払い出し作動が制御されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来構成では、前記溢れ球通路を通過する遊技球の量が増加した場合に、同遊技球に帯電された静電気を十分にアースできないという問題があった。即ち、大当たり中においては、球払い出し装置による遊技球の払い出しが連続して行われるため、前記溢れ球通路を通過する遊技球の量が大幅に増加し、同遊技球は上下に重なりあった状態で溢れ球通路を通過することになる。従って、溢れ球通路の金属製区画板からなる底部に接するように通過した遊技球はアースされるものの、上側に重なった状態で通過する遊技球は底部に接しないためにアースが十分に行われないという問題があった。
【0006】
また、前記賞球通路と溢れ球通路とが、遊技機の前後方向に重なって配設されているので、遊技機の前後方向の幅が大きくなるという問題もあった。さらに、前記溢れ球通路の後方には、機構セット盤を介して各種制御装置が設置されているので、アースが十分に行われなかった遊技球の静電気によって各種制御装置にノイズを与えてしまうという問題もあった。従って、例えば10個の遊技球を払い出すべき払い出しを5個しか行わないなどの個数変化を生じさせる要因ともなっていた。
【0007】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、溢れ球通路を通過する遊技球に帯電された静電気のアースを確実に行うことができる弾球遊技機を提供することにある。また、他の目的は、弾球遊技機の前後方向の幅を最小限としてコンパクト化を実現できる弾球遊技機を提供することにある。さらに、他の目的は、ノイズによる各種制御装置の誤作動を抑制することができる弾球遊技機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ゲームの進行に伴って払い出される賞球を上球皿へ誘導する賞球通路と、上球皿の満杯時に前記賞球通路から溢れる溢れ球を下球皿へ誘導する溢れ球通路と、前記賞球通路と前記溢れ球通路との分岐点に配設される球受け部材を備えた弾球遊技機において、前記球受け部材は、前記賞球を前記上球皿に案内する一方、前記上球皿の満杯時に前記賞球通路に積み上げられる賞球を乗り越えさせ、前記溢れ球として前記溢れ球通路側に案内する壁部と、前記壁部の上端より下方に配置されるとともに下勾配となる傾斜面をなし、前記壁部を乗り越えて落下する溢れ球を前記傾斜面に沿って転動させて前記溢れ球通路へ流入させるように案内する溢れ球案内部とを有し、前記溢れ球通路において、前記溢れ球案内部と対向する面には、前記溢れ球案内部の傾斜面を転動して前記溢れ球通路内に放出される溢れ球が接触可能に、導電性を有する導電部材が配設されていることを要旨とする。従って、請求項1に記載の発明によれば、溢れ球案内部で溢れ球通路に案内された遊技球が、同通路を構成する導電部材によってアースされる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の弾球遊技機において、前記球受け部材は、導電性を有することを要旨とする。従って、請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、壁部を乗り越えて溢れ球案内部に落下する遊技球が、溢れ球通路に流入するように案内されるのと同時にアースされる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の弾球遊技機において、前記溢れ球通路の下流側には、前記下球皿に向かって屈曲する筒状部が設けられており、当該筒状部は、導電性を有することを要旨とする。従って、請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の作用に加えて、溢れ球通路を通過する遊技球が、下球皿に向かって屈曲する筒状部に接触するとともに、アースされる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の弾球遊技機において、ゲームの制御に係わる各種制御装置が設置される機構セット盤を機裏側に備え、前記溢れ球案内部は、前方に向かって下勾配となる傾斜面をなし、前記導電部材は、前記溢れ球通路の前面側に配設されており、前記溢れ球通路は、前記機構セット盤の所定の前後方向幅内に形されると共に、溢れ球通路の主要部分をなす後面を機構セット盤における前記各種制御装置の取付面に対し、前記溢れ球案内部の前後方向の長さに対応する距離だけ前方へ離間させ、前記取付面と前記後面との間に空間を形成したことを要旨とする。従って、請求項4に記載に発明によれば、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、溢れ球通路の後面が機裏側の機構セット盤に設置された各種制御装置の取付面に対して前方に離間して配設していることにより、遊技球の静電気による各種基盤へのノイズなどの影響が抑制される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を弾球遊技機の一種であるパチンコ遊技機に具体化した一実施形態を図1〜図8に従って説明する。
【0013】
本実施形態のパチンコ遊技機(以下、遊技機という。)は、その基本的構成の概要として、図1に略示するように、機体の外郭をなす外枠10の開口前面側に、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の前枠11が開閉及び着脱可能に組付けられている。前枠11の前面側には、機内部の遊技盤12を透視保護するための窓枠13と上球皿14が共に横開き状態で開閉可能に組付け整合されると共に、前枠11の下部には下球皿15、打球発射装置16等が装着されている。また、外枠10の一側縁には球貸しシステムに利用されるカードユニット部17が装着されており、同カードユニット部17のカード挿入口18にカードが挿入されて前記上球皿14の上部前面に設けられた球貸し操作部19が操作されると、図示しないカードリーダの球貸し判読制御条件に従い、前記カードの有効金額内における一定額単位に対して所定個数(例えば100円に対して25個)の貸し球を払出し得るようになっている。
【0014】
一方、図2に示すように前記前枠11の裏側には各種球通路及び処理部等を備えた機構セット盤20が着脱可能にセットされており、この機構セット盤20では前記遊技盤12の裏側と対応する位置に保護カバー21が開閉可能にセットされている。また、保護カバー21の周囲には、球タンク22が前記保護カバー21の上方に位置して設けられると共に、同球タンク22から整流樋23を介して貯留球が流下供給される区分供給通路部24が前記保護カバー21の右方領域に上下方向へ延設されている。
【0015】
そして、この区分供給通路部24の下流端には球払出し装置25が着脱可能にビス等で取着セットされ(図8参照)、この球払出し装置25から賞球又は貸し球として払出された貯留球が図3に示す賞球通路26を介して前記上球皿14へ供給されるようになっている。さらに、前記保護カバー21の下方、即ち、機構セット盤20の下部外側には、ゲーム内容を制御する制御装置としての主制御装置27及びセーフ球検出処理と貯留球排出処理(賞球払出しと貸し球払出し)を制御する制御装置としての払出し制御装置28がそれぞれ横開き形態で開閉可能に支持されている。また、前記機構セット盤20には、図示しないアース端子が備えられており、遊技機内で帯電された静電気を外部へアースできるようになっている。
【0016】
なお、以下の説明において、「右」又は「左」は、特に断らない限り機裏側から見た場合の「右」又は「左」を示すものとする。また、機構セット盤20については、機裏側から見た場合の手前側を「後面」側とする。
【0017】
このような本実施形態の遊技機にあって、前記機構セット盤20は、図3に示すように、その内部において左端から中央付近に亘って、セーフ球を機裏側へ排出するためのセーフ球集合路29を備え、同セーフ球集合路29の下流部にはセーフ球を処理するためのセーフ球処理装置30が設けられている。そして、同処理装置30内に前記セーフ球が流入すると、セーフ球検出信号を前記主制御装置27又は払出し制御装置28に出力するようになっている。
【0018】
また、前記セーフ球集合路29の右側に隣接して、前記賞球通路26が設けられている。同賞球通路26の最下流部には前記球払出し装置25から排出された賞球としての遊技球を前記上球皿14へ供給するための上球皿供給口31と溢れ球Fとなった遊技球を前記下球皿15へ供給するための下球皿供給口32が左右方向に並設されている。そして、両供給口31,32の分岐点には、各供給口31,32に遊技球を案内するための球受け部材33が配設されている。
【0019】
同球受け部材33は、その全体がカーボン等の導電材が配合されたポリプロピレン等の合成樹脂で構成されており、図8に示すようにビス等で前記機構セット盤20に取着されている。そして、同図に示すように、前記球受け部材33は、賞球案内面33aを挟持するように左右規制壁33b,33cが立設され、右規制壁33cの右側方には溢れ球案内部としての溢れ球案内面33dを備えた形態で一体形成されている。また、前記賞球案内面33aと上球皿供給口31、溢れ球案内面33dと下球皿供給口32は、それぞれ略同一幅で形成されており、両案内面33a,33dは、図6及び図7に示すように各供給口31,32に向かって下勾配となる斜状で形成されている。
【0020】
また、両規制壁33b,33cは、前記上球皿供給口31と略同一の高さで形成されており、前記球受け部材33が機構セット盤20に取着されると右規制壁33cは両供給口31,32の中間位置に位置するようになっている(図3参照)。さらに、右規制壁33cは、通常の遊技中においては、払い出された遊技球が賞球案内面33aから上球皿供給口31に案内されるように、両供給口31,32を分岐する役割をしている。また、大当たり時においては、払い出された遊技球が上球皿14で溢れ出すのを防ぐために、賞球案内面33a上に積み上げられた遊技球を、溢れ球Fとして右規制壁33cを乗り越えさせ、溢れ球案内面33dから下球皿供給口32に案内するようになっている。そして、前記下球皿供給口32の下流側には同供給口32を通過した溢れ球Fを前記下球皿15へ案内するための溢れ球通路34が設けられている。
【0021】
前記溢れ球通路34は、図5に示すように、機構セット盤20の後面側から溢れ球案内面33dの前後方向の長さだけ前方へ離間して形成されている。そして、機構セット盤20の前面側において前記下球皿供給口32から遊技機の前面中央に装着された下球皿15に向かって、上下方向に延設されている(図3参照)。従って、図7に示すように機構セット盤20の後面側には、絶縁空間部Sを形成することができる。また、前記溢れ球通路34の前面側には、図4に示すように同通路34と略同一形状をなす導電部材としてのアース板金35(例えば、JISで定義されるSPCC(冷鍛鋼鈑))が、機構セット盤20の前面にビス等で取着されている。
【0022】
また、前記機構セット盤20の右端に相当する位置であって前記賞球通路26の右側には、球抜き通路36が隣接配置されている(図3参照)。同球抜き通路36の上流部は前記賞球通路26から分岐形成されており、その分岐部には球通路切替レバー37が回動可能に設けられている。同球通路切替レバー37は、前記球払出し装置25から供給された遊技球を、メンテナンス時などにその回動操作によって球抜き通路36へ誘導できるようになっており、前記遊技球はその下流部から機裏側へ排出されるようになっている。
【0023】
そして、前記機構セット盤20は、図4,図5に示すように前面側の開口面域を導電部材としての蓋板38により覆蓋されており、同蓋板38は、ビス等により前記前枠11の裏側の下部に取着されている(図8参照)。そして、同蓋板38は、カーボン等の導電材を配合したポリプロピレン等の合成樹脂にて、図4に示すように機構セット盤20の前面下部の全域を覆うような大きさで形成されている。また、前記蓋板38は、図7に示すように前記アース板金35と面接触する板状部39と、機構セット盤20の下端部前面と面接触する筒状部40とで構成されている。
【0024】
さらに、前記筒状部40の先端側には、遊技機の下側中央に装着された下球皿15に向かって屈曲した下球皿連絡口41が形成されている。そして、前記板状部39は、前記機構セット盤20に覆蓋されると、前記セーフ球集合路29、溢れ球通路34及び球抜き通路36の下流側の前面を形成し、前記筒状部40は、溢れ球通路34の下流側の後面を形成している。また、蓋板38には、前記上球皿供給口31と対向する位置に上球皿連絡口42が形成されており(図8参照)、図6に示すように上球皿供給口31において前記賞球案内面33aの前端側と接触している。従って、球受け部材33、アース板金35、蓋板38が前記機構セット盤20に取着されると、これらの各構成要素33,35,38は、連鎖状に接触するようになっている。従って、いずれかの構成要素(例えば、蓋板38)にアース線の一端を接続すると共にその他端を図示しないアース端子に接続することで、遊技機外部へのアースを簡単に行うことができるようになっている。
【0025】
また、前記機構セット盤20の後面側には、図3,図5に示すようにカバー部材43がビス等で取着されており、同カバー部材43は、前記賞球通路26、下球皿供給口32及び球抜き通路36の上流部の後面を形成している。そして、前記カバー部材43の後面には、図5に示すように前記払出し制御装置28が支持ピン44を中心として回動可能に設けられている。さらに、前記払出し制御装置28の左側には、主制御装置27が支持ピン45を中心として回動可能に設けられている。そして、前記溢れ球通路34の後面である筒状部40と前記各種制御装置は、図7に示すように機構セット盤20に形成された絶縁空間部Sを介在させて前後方向へ離間した配置構成となっている。
【0026】
次に以上のように構成された本実施形態におけるパチンコ遊技機の作用について説明する。
まず、図6を用いて、払い出された遊技球が上球皿14へ案内される状態を説明する。
【0027】
球払い出し装置25によって払い出された遊技球は、賞球通路26を通過して球受け部材33の賞球案内面33aに向かって落下する。そして、同案内面33aの傾斜によって上球皿供給口31、上球皿連絡口42を通過して遊技機前面に装着された上球皿14に案内される。このとき、遊技球は球受け部材33及び蓋板38と接触することによって、遊技球に帯電された静電気が遊技機外部へアースされることになる。また、図示するように右規制壁33cの上面まで遊技球が積み重ならない限り、払い出された遊技球は溢れ球通路34側に案内されることがない。
【0028】
次に、図7を用いて大当たり時などにおいて遊技球が溢れ球通路34に案内される状態を説明する。
図6に示すように右規制壁33cの上面まで遊技球が積み重なると、遊技球が溢れ球Fとなって右規制壁33cを乗り越え、図7に示すように溢れ球案内面33dに落下する。そして、落下した溢れ球Fは、前記溢れ球案内面33dの傾斜によって、前記溢れ球通路34の前面側、即ちアース板金35に向かって放物線を描きながら自由落下していき同アース板金35に接触する。このとき、アース板金35により溢れ球Fに帯電された静電気が遊技機外部へアースされることになる。さらに、アース板金35に接触した溢れ球Fは、溢れ球通路34の下流側の後面(筒状部40)にも接触し、さらにアースされる。そして、溢れ球通路34を通過した溢れ球Fは、下球皿連絡口41を通過して遊技機前面下部に装着された下球皿15に案内される。
【0029】
さて、本実施形態では、上記のように弾球遊技機を構成したことにより、次のような効果を得ることができる。
(1)溢れ球通路34の前面及び後面側を導電性のアース板金35及び蓋板38で構成したことにより、同通路34の広い面域において溢れ球Fに帯電された静電気を遊技機外部へアースすることができる。
【0030】
(2)上下方向に延設された溢れ球通路34に向かって、溢れ球案内面33dで案内された溢れ球Fが自由落下によって、同通路34の前面側又は後面側に接触する。従って、大当たり時において連続して遊技球の払出しが行われても、同通路34を構成するアース板金35又は蓋板38に確実に溢れ球Fを接触させることができ、溢れ球Fに帯電された静電気を遊技機外部へアースすることができる。
【0031】
(3)賞球案内面33a及び溢れ球案内面33dが各供給口31,32に対して斜状で形成されている。従って、遊技球を前記案内面33a,33d上で滞らせることなく速やかに各供給口31,32に案内することができる。また、溢れ球案内面33dにおいては、溢れ球通路34のアース板金35又は蓋板38に確実に接触するようにすることができる。
【0032】
(4)球受け部材33を導電材が配合された合成樹脂により形成しているので、払い出された遊技球が同球受け部材33に接触した際に、帯電された静電気を遊技機外部へアースすることができる。また、球受け部材33の右規制壁33cにより、上球皿14が満杯になるまで遊技球を上球皿14へ確実に案内することができる。さらに、球受け部材33が合成樹脂にて形成されているので、安価に製造することができる。
【0033】
(5)機構セット盤20と蓋板38の隙間にアース板金35を配置したことにより、遊技球のアースを行うことが出来ると共に、その隙間にピアノ線などを挿入して遊技盤12上の各種入賞口を開放状態にするなどの不正行為を防止することができる。
【0034】
(6)溢れ球通路34が機裏側に配設した各種制御装置と絶縁空間部Sを介在させた前後方向へ離間した配置構成となっているので、同通路34を通過する溢れ球Fによって各種制御装置27,28に対してノイズなどの影響を抑制することができる。従って、各種制御装置27,28の誤作動を抑制することができる。
【0035】
(7)賞球通路26と溢れ球通路34とを左右に並設したので、遊技機の前後方向の幅を小さくすることができ、遊技機のコンパクト化を図ることができる。(8)球受け部材33、アース板金35及び蓋板38が、機構セット盤20に取着されると、それぞれ連鎖状に接触するようになっている。従って、いずれかの部材にアース線を設置することで遊技機外部へのアースを行うことができる。従って、アース線の本数を減らすことができる。
【0036】
なお。本実施形態は、以下のように変更してもよい。
・本実施形態においては、溢れ球案内面33dを球受け部材33に一体形成しているが、別体として機構セット盤20に設置してもよい。このように構成しても前記実施形態と同様の効果を奏する。
【0037】
・本実施形態においては、溢れ球案内面33dを面で形成しているが、溝形状や筒形状など、溢れ球通路34に溢れ球Fを案内できれば必ずしも面でなくてもよい。このように構成しても前記実施形態と同様の効果を奏する。
【0038】
・本実施形態においては、球受け部材33を別体として形成し、機構セット盤20にビス等で取着しているが、機構セット盤20と一体に形成してもよい。このように構成しても前記実施形態と同様の効果を奏する。
【0039】
・本実施形態においては、溢れ球通路34の前面を、略同一形状のアース板金35で形成しているが、溢れ球案内面33dで案内された溢れ球Fが前記通路34に接触する部分のみにアース板金35を設置してもよい。このように構成しても前記実施形態と同様の効果を奏する。
【0040】
・本実施形態においては、溢れ球通路34の前面側をアース板金35と蓋板38で構成しているが、導電性を有する蓋板38のみで構成してもよい。このように構成すればアース板金35が不要になり、遊技機のコストを下げることができる。
【0041】
・本実施形態においては、球受け部材33及び蓋板38をカーボンを配合したポリプロピレンで形成したが、合成樹脂の材質及び配合する導電材の材質は上記実施形態に限定されるものではない。このように構成しても前記実施形態と同様の効果を奏する。
【0042】
・本実施形態においては、パチンコ遊技機における通路について説明したが、パチンコ遊技機以外の弾球遊技機(例えば、アレンジボール遊技機や雀球機)に上記実施形態と同様に構成してもよい。他の遊技機においても、前記実施形態と同様の効果を奏する。
【0043】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる請求項に記載した発明以外の技術的思想について、それらの効果と共に以下に記載する。
(イ)前記賞球通路(26)と溢れ球通路(34)との分岐点に導電性を有する球受け部材(33)を設けた弾球遊技機。このように構成すれば、球払い出し装置25によって払い出された遊技球を球受け部材33との接触によって遊技機外部へアースすることができる。
【0044】
(ロ)前記溢れ球通路(34)を構成する導電部材(35,38)と前記球受け部材(33)が、機構セット盤(20)に取着された際に連鎖状に接触している弾球遊技機。このように構成すれば、前記導電部材または球受け部材33のいずれかにアース線を設置すれば遊技機外部へアースが可能となる。さらに、アース線の本数を減らすこともできる。
【0045】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、各種通路を通過する遊技球に帯電された静電気のアースを確実に行うことができる。
【0046】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、溢れ球案内部によって、遊技球を溢れ球通路に流入させるように案内するのと同時に、遊技球に帯電された静電気のアースを行うことができる。
【0047】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加えて、溢れ球通路の下流側に設けられた筒状部において、遊技球に帯電された静電気のアースを行うことができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、ノイズによる各種制御装置の誤作動を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における一実施形態に係るパチンコ遊技機の概略を示す正面図。
【図2】 同じく、パチンコ遊技機の概略を示す背面図。
【図3】 同じく、機構セット盤の前面を示す正面図。
【図4】 同じく、機構セット盤の後面を示す正面図。
【図5】 同じく、各種制御装置が機構セット盤に設置された状態を示す平断面図。
【図6】 同じく、図3のA−A線における側断面図。
【図7】 同じく、図3のB−B線における側断面図。
【図8】 同じく、機構セット盤への取着状態を示す分解斜視図。
【符号の説明】
F…溢れ球、20…機構セット盤、26…賞球通路、27…制御装置としての主制御装置、28…制御装置としての払出し制御装置、33d…溢れ球案内部としての溢れ球案内面、34…溢れ球通路、35…導電部材としてのアース板金、38…導電部材としての蓋板、40…後面としての筒状部。

Claims (4)

  1. ゲームの進行に伴って払い出される賞球を上球皿へ誘導する賞球通路と、上球皿の満杯時に前記賞球通路から溢れる溢れ球を下球皿へ誘導する溢れ球通路と、前記賞球通路と前記溢れ球通路との分岐点に配設される球受け部材を備えた弾球遊技機において、
    前記球受け部材は、前記賞球を前記上球皿に案内する一方、前記上球皿の満杯時に前記賞球通路に積み上げられる賞球を乗り越えさせ、前記溢れ球として前記溢れ球通路側に案内する壁部と、前記壁部の上端より下方に配置されるとともに下勾配となる傾斜面をなし、前記壁部を乗り越えて落下する溢れ球を前記傾斜面に沿って転動させて前記溢れ球通路へ流入させるように案内する溢れ球案内部とを有し、
    前記溢れ球通路において、前記溢れ球案内部と対向する面には、前記溢れ球案内部の傾斜面を転動して前記溢れ球通路内に放出される溢れ球が接触可能に、導電性を有する導電部材が配設されている弾球遊技機。
  2. 前記球受け部材は、導電性を有する請求項1に記載の弾球遊技機。
  3. 前記溢れ球通路の下流側には、前記下球皿に向かって屈曲する筒状部が設けられており、当該筒状部は、導電性を有する請求項1又は請求項2に記載の弾球遊技機。
  4. ゲームの制御に係わる各種制御装置が設置される機構セット盤を機裏側に備え、
    前記溢れ球案内部は、前方に向かって下勾配となる傾斜面をなし、前記導電部材は、前記溢れ球通路の前面側に配設されており、
    前記溢れ球通路は、前記機構セット盤の所定の前後方向幅内に形されると共に、溢れ球通路の主要部分をなす後面を機構セット盤における前記各種制御装置の取付面に対し、前記溢れ球案内部の前後方向の長さに対応する距離だけ前方へ離間させ、前記取付面と前記後面との間に空間を形成した請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の弾球遊技機。
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