JP3947855B2 - パチンコ遊技機における球貯留供給構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、パチンコ遊技機における球貯留供給構造に係り、更に詳しくは、パチンコ球を使用して所要のゲームを展開し得るパチンコ遊技機において、入賞に対して払出される賞品用パチンコ球を貯留する裏側の球貯留供給構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ機やアレンジボール機に代表されるこの種の遊技機では、外枠に組付けられた前枠に、ゲーム内容に応じた遊技盤および各種の遊技構成部材が夫々設置されている他に、裏側に球貯留供給部が装備されている。そして、遊技店内の設置枠台(通称「島」)に配設されて遊技に供された実施状態において、球補給設備の必要運転時に配球ユニットから供給される相当量のパチンコ球を、球貯留供給部内に貯留(収容)している。このもので、遊技操作に基づく球送り・発射作動により遊技球を遊技盤内に打出してゲームを展開し得、そして入賞成立に対して球貯留供給部内の貯留球を賞球払出装置の作動毎に所定数の賞球として払出すようになっている。このような従来のパチンコ遊技機において、前記球貯留供給部は、前枠裏側の裏セット盤の上部に設置された球タンクおよび球整流樋を主体にして構成されており、球補給設備から供給されたパチンコ球を、球タンクに直接受入れて球整流樋内に貯留している。従って、この球貯留供給部において単純に球貯留容積を大きくする場合には、球タンクをできるだけ大きな深い容器にして上端位置に設置することで対応できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記パチンコ遊技機に実施される前述の球貯留供給部では、前記裏セット盤に取着して該球貯留供給部の主体をなす球タンクが、前枠の開閉時に前記球補給設備の配球ユニットとの衝突や干渉を避けることが肝要とされている。すなわち配球ユニットは、通常の形態として設置枠台の上板裏側に垂下状に設置されて、下方の球タンク側に指向されているが、各遊技店によってその設置位置(高さ)がまちまちであり、現実には同ユニットの下端が外枠の上枠杆より下がっていることがある。このため夫々のメーカの遊技機では、球タンクを裏セット盤の上縁からある程度低い位置に設置したり、サイズ(深さ)を小さくした球タンクを使用している。しかしながら球タンクの低位置設置では、裏セット盤の中央に必要とされている窓口(遊技盤裏面の点検用開口領域)を大きく成形することができなくなり、一方小サイズの球タンクでは有効な球貯留容積を大きくすることができない、等の問題があった。
【0004】
【発明の目的】
本発明は、前述した課題を好適に解決するために提案されたもので、機裏側における球貯留供給部を有効に拡大化して必要な貯留容積を確保し、深さ(高さ)の小さい球タンクを好適に使用可能にして球補給設備側との干渉回避を図ると共に、裏側における裏セット盤の窓口を広くできるようにしたパチンコ遊技機における球貯留供給構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を克服し、所期の目的を好適に達成するため本発明に係るパチンコ遊技機における球貯留供給構造は、
外枠に組付けられた前枠裏側の遊技盤セット用の保持枠の裏側に対して、遊技盤裏面点検用の窓口を開口すると共に球タンクおよび該球タンクにおける斜状底面の最下部に開口された球出口に上流部を連絡した球整流樋を装着した裏セット盤が装備され、球補給設備の配球ユニットから供給されたパチンコ球を、球タンクおよび球整流樋に一旦貯留して入賞成立に対する賞球用として払出し得るパチンコ遊技機にあって、
前記前枠裏側の保持枠の上縁部に成形されて壁片および底面の間の凹状部分内に複数のパチンコ球を収容し得、前記底面が前記裏セット盤の本体に向けて下方傾斜するよう形成されている収容凹部と、前記裏セット盤の本体における上縁部に凹設されて前記球タンクに整合されると共に前記底面が球タンクの底面より上方に臨む収容凹部に連絡口部を連絡して複数のパチンコ球を収容し得る貯留凹部とを有し、球タンクに対して貯留凹部および収容凹部に亘る球貯留容積を前方へ拡大し、
前記貯留凹部の下面における球出口側の位置に、球タンク内のパチンコ球の有無を感知する球不足検知機構を配設し、
前記裏セット盤における球タンクの周囲部に装着されたアース用の除電保護カバーに形成したアース部分を、球タンクの球出口と球整流樋の上流部との連絡部分において前記本体に開口された口に嵌合して後側に臨ませ、該アース部分を球タンクに貯留される複数のパチンコ球と直接当接して静電除去するよう構成したことを特徴とする。
【0006】
【作用】
球補給設備の配球ユニットから供給されたパチンコ球は球タンク内に直接受入れられ、該球タンクの底面から順次貯留されると共に貯留凹部側へも貯留される。そして、パチンコ球が収容凹部の後開口面域のレベルまで貯留されると、それ以後に供給されたパチンコ球はこの収容凹部内へも順次貯留されるようになり、多数個のパチンコ球が貯留されるに至る。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るパチンコ遊技機における球貯留供給構造につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお本実施例では、遊技盤内でのパチンコゲーム中の入賞成立(セーフ球発生)に対して、裏側の貯留パチンコ球を賞球として上,下の球皿へ給出するパチンコ機の場合を主に例示する。
【0008】
本実施例のパチンコ機について、図1,図2および図3を参照しながら要約説明すると、固定用の外郭枠とされる外枠1の開口前面側に対して、開閉用の搭載枠とされる前枠2が着脱および開閉可能に組付けられている。そして、この前枠2の前後各部に遊技機共通用の構成部材であるガラス扉3、上,下の球皿4,5および発射装置6等が装備されており、また前枠2裏側に位置する遊技盤セット用の保持枠7の裏側に対して、球処理部を備えた裏セット盤10が装備されている。前枠2は、外枠1の開口面域に適した縦長方形に樹脂成形され、保持枠7は遊技盤19のセット口8および遊技補助盤9を有する縦長方形をなして前枠2裏側に一体に樹脂成形されている。一方裏セット盤10は、保持枠7に対応し得る方形サイズに樹脂成形された本体11の中央部に、遊技盤裏面の点検用の窓口12を開口して裏カバー13を開閉および着脱可能に取着しており、この窓口12の外周囲部に球タンク14,球整流樋15および賞球払出装置16等が設置されていると共に、賞球,アウト球およびセーフ球に係る経路,処理部が配設されている。なお図1中において、符号17はターミナル基盤、符号18は遊技基盤を夫々示す。
【0009】
このようなパチンコ機にあって、前述した前枠2の裏側上縁部と裏セット盤10の上縁部に亘る図3中左寄り部位に新規な球収容部が成形され、これに前記球タンク14を合わせて球貯留供給構造としての球貯留供給部21が構成されている。すなわちこの球貯留供給部21では、基本的な構成として図4,図5および図6に示すように、前枠2裏側の保持枠7の上縁部に形成されて多数個のパチンコ球を収容し得る収容凹部22と、裏セット盤10の本体11上縁部に形成されて収容凹部22との連絡状態で多数個のパチンコ球を収容し得る貯留凹部25とにより球収容部が構成されており、そして本体11の上縁部裏側に位置決めしてビス着された前記球タンク14が、貯留凹部25に連絡されている。これにより、球タンク14自体が高さ(深さ)の小サイズな容器であっても、球タンク14、貯留凹部25および収容凹部22に亘る前後方向への貯留容積の拡大化を図り、必要量のパチンコ球を好適に収容確保できるようになっている。このもとで図5および図6に例示するように、設置枠台(島)の上板30裏縁に垂下状に取着された補給設備の配球ユニット31から供給されたパチンコ球を、直接球タンク14に受入れて下方の球整流樋15に通入整列収容する一方、貯留凹部25および収容凹部22に亘り貯留し得るようになっている。
【0010】
なお、前述した球貯留供給部21の具体的な構成を追記すると、収容凹部22では、前枠2の上縁部2aの左寄り裏面と、保持枠7の上縁部7aの左寄り上面の左右に一体成形された壁片23,23との間に所要広さで成形されて、その底面24を後向き下がりの傾斜に形成している。また貯留凹部25では、裏セット盤10の本体11上縁部の所要長さ範囲に亘り後向き開口状に成形されて、本体11上縁に正面凹形に形成した連絡口部25aを、収容凹部22の後開口面域に整合している。一方球タンク14では、上面と前面とを開口した一般的な横長箱状の樹脂容器とされて、前側開口面域を貯留凹部25の後開口面域に整合しており、その斜状底面の最下部に開口された球出口14aを、前記球整流樋15の上流部に適宜間隔をおいて連絡している。ちなみに球貯留供給部21では、図1,図2,図3および図4に示すように、収容凹部22と貯留凹部25の連絡口部25aを同長分に成形整合して、球タンク14の全長に亘る前側開口面域の約1/3位で整合連絡した例を示すが、三者14,22,25aを同長分で整合してもよい。なお前記連絡口部25aの端縁部には、補強用のリブ25bが形成されている。
【0011】
また本実施例の球貯留供給構造では、静電気除去対策として、前記裏セット盤10における球タンク14の周囲部に、アース用の除電保護カバー26が装着されている。このカバー26は、本体11の帯電除去、配線の除電保護、貯留球の帯電除去等を図るためのもので、具体的には図5,図6および図7に示すように、所要形状,サイズに成形された1枚のものが、本体11の前側上部、つまり球タンク14の下部周囲の内側にビス着されて前記遊技盤19の裏面に隣接している。そしてこの除電保護カバー26では、前記ターミナル基盤17に接続されて本体11前側の挿通路27内に挿通延出された配線28を、平板部分26aで覆蓋して除電保護する一方、同カバー26の一部分に形成されたアース部分26bを、球タンク14の球出口14aと球整流樋15の上流部との連絡部分において本体11に開口された口11aに嵌合して後側に臨ませ、複数のパチンコ球と直接当接して静電除去するようになっている。なおこの除電保護カバー26については、導電材を混在した樹脂材、表面に導電材(金属)メッキをした樹脂材、薄肉導電材(ブリキ材)等で成形されて、適宜一端にアース線29が接続される。
【0012】
更に前記貯留凹部25の左側下面には、図2,図3および図4等に示す如く、回動式の感知(検知)レバー32とスイッチ33とからなる球不足検知機構34が配設されている。この球不足検知機構34は、球タンク14内のパチンコ球の有無を感知するもので、球タンク14内に貯留されたパチンコ球による感知レバー32の押圧状態ではスイッチ33がON状態となり、該球タンク14内にパチンコ球が無くなることによる感知レバー32の非押圧状態ではスイッチ33がOFF状態となり、該球タンク14内の球不足状態を検知するものである。従って、球タンク14内にパチンコ球が無くなってスイッチ33がOFF状態となった際には前記球補給設備が作動し、所定量のパチンコ球が配球ユニット31を介して球貯留供給部21内へ補給されるようになっている。
【0013】
【実施例の作用】
次に、前述した本実施例に係るパチンコ遊技機における球貯留供給構造の作用につき説明する。
【0014】
本実施例のパチンコ機では、前枠2裏側に位置する遊技盤セット用の保持枠7の裏側に対して裏セット盤10をビス等により装着すると共に、この裏セット盤10における本体11の上縁部裏側に球タンク14がビス着される。これにより、前枠2裏側の保持枠7の上縁部7aに形成された収容凹部22、裏セット盤10の本体11の上縁に凹設された貯留凹部25および前記球タンク14とにより、前後方向へ連通した球貯留供給部21が画成される。
【0015】
そして前述した実施例のパチンコ機を、補給設備の配球ユニット31が垂下状に取着された遊技店の設置枠台(島)に対して収容設置し、この状態で外枠1に対して前記前枠2を閉鎖すると、図5および図6に示すように、裏セット盤10の上縁部裏側にビス着された前記球タンク14が、前記配球ユニット31の下方に位置するようになる。なお配球ユニット31は、球タンク14の高さに応じて上下に適宜調整し、外枠1に対する前枠2の開閉に際して該球タンク14との干渉を回避する。
【0016】
外枠1に対して前枠2が閉鎖され、配球ユニット31が球タンク14の開口上面に臨んだ状態において、球補給設備から供給されたパチンコ球は、球タンク14の内部へ落下放出された後に、球出口14aから球整流樋15を介して賞球払出装置16側へ流下し、該球整流樋15内に整列状態で停留される。そしてパチンコ球は、球整流樋15内から球タンク14の内部へ順次貯留されて適宜の積み重ね状態で貯留されるに至る。また、配球ユニット31を介して球補給設備からの連続的な供給により、パチンコ球は該貯留凹部25側にも流入するようになり、前記球タンク14の内部および貯留凹部25内に適宜の積み重ね状態で貯留される。
【0017】
そして、配球ユニット31を介して球補給設備からの連続的な供給により、球タンク14の内部および貯留凹部25に貯留されたパチンコ球が収容凹部22の底面24のレベルまで上昇すると、それ以後に供給されたパチンコ球は該収容凹部22側へ流入するようになり、前記球タンク14、貯留凹部25内および収容凹部22内の全体に適宜の積み重ね状態で貯留されるようになる。
【0018】
また、球タンク14の内部に所定量のパチンコ球が貯留された際には、除電保護カバー26のアース部分26bにパチンコ球が直接当接するようになり、球貯留供給部21に貯留されたパチンコ球の静電除去が好適になされる。更に、この除電保護カバー26により、ターミナル基盤17に接続された配線28が、好適に除電保護される。
【0019】
このように本実施例のパチンコ遊技機における球貯留供給構造では、貯留凹部25および収容凹部22を画成すると共に、これら貯留凹部25および収容凹部22を球タンク14に連通させた状態で球貯留供給部21を形成したことにより、パチンコ球に対する前後方向への貯留容積の拡大化を図っている。すなわち、球タンク14自体が高さ(深さ)の小サイズな容器であっても、前記貯留凹部25および収容凹部22により必要量のパチンコ球を好適に収容確保できる。従って、球タンク14を裏セット盤10の上縁からある程度低い位置に設置する必要がないから、該裏セット盤10の窓口12を大きく成形することが可能となり、遊技盤19の裏面の点検作業等に支障を来たすこともない。
【0020】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明に係るパチンコ遊技機における球貯留供給構造によれば、前枠の裏側上縁部に収容凹部を形成すると共に、裏セット盤の上縁部に貯留凹部を形成し、これら収容凹部および貯留凹部を該裏セット盤の裏側上縁部に取着した球タンクと連通させたことにより、パチンコ球に対する前方への貯留容積の拡大化を図り得る。これにより、高さ(深さ)が小サイズな球タンクを装着しても必要量のパチンコ球を好適に収容確保し得ると共に、これにより球補給設備の配球ユニットとの干渉回避を図り得る有益な効果を奏する。しかも、球タンクを裏セット盤の上縁からある程度低い位置に設置する必要がないから、該裏セット盤の窓口を大きく成形することが可能となり、遊技盤の裏面の点検作業等に支障を来たすことがない等の利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例のパチンコ機全体を略示する背面図である。
【図2】本実施例のパチンコ機全体を略示する平面図である。
【図3】球貯留供給部を一部破断して示す背面図である。
【図4】球貯留供給部を分解して略示する斜視図である。
【図5】図3中のX−X線に基づく側断面図である。
【図6】図3中のY−Y線に基づく側断面図である。
【図7】裏セット盤における除電保護部材を略示する正面図である。
【符号の説明】
1 外枠
2 前枠
7 保持枠
7a 上縁部
10 裏セット盤
11 本体
11a 口
12 窓口
14 球タンク
14a 球出口
15 球整流樋
22 収容凹部
23 壁片
24 底面
25 貯留凹部
25a 連絡口部
31 配球ユニット
34 球不足検知機構
26 アース用の除電保護カバー
26b アース部分
Claims (1)
- 外枠(1)に組付けられた前枠(2)裏側の遊技盤セット用の保持枠(7)の裏側に対して、遊技盤裏面点検用の窓口(12)を開口すると共に球タンク(14)および該球タンク (14) における斜状底面の最下部に開口された球出口 (14a) に上流部を連絡した球整流樋(15)を装着した裏セット盤(10)が装備され、球補給設備の配球ユニット(31)から供給されたパチンコ球を、球タンク(14)および球整流樋(15)に一旦貯留して入賞成立に対する賞球用として払出し得るパチンコ遊技機にあって、
前記前枠(2)裏側の保持枠(7)の上縁部(7a)に成形されて壁片(23,23)および底面(24)の間の凹状部分内に複数のパチンコ球を収容し得、前記底面 (24) が前記裏セット盤 (10) の本体 (11) に向けて下方傾斜するよう形成されている収容凹部(22)と、前記裏セット盤(10)の本体(11)における上縁部に凹設されて前記球タンク(14)に整合されると共に前記底面 (24) が球タンク (14) の底面より上方に臨む収容凹部(22)に連絡口部(25a)を連絡して複数のパチンコ球を収容し得る貯留凹部(25)とを有し、球タンク(14)に対して貯留凹部(25)および収容凹部(22)に亘る球貯留容積を前方へ拡大し、
前記貯留凹部 (25) の下面における球出口 (14a) 側の位置に、球タンク (14) 内のパチンコ球の有無を感知する球不足検知機構 (34) を配設し、
前記裏セット盤 (10) における球タンク (14) の周囲部に装着されたアース用の除電保護カバー (26) に形成したアース部分 (26b) を、球タンク (14) の球出口 (14a) と球整流樋 (15) の上流部との連絡部分において前記本体 (11) に開口された口 (11a) に嵌合して後側に臨ませ、該アース部分 (26b) を球タンク (14) に貯留される複数のパチンコ球と直接当接して静電除去するよう構成した
ことを特徴とするパチンコ遊技機における球貯留供給構造。
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