JP4193825B2 - 電気貯湯容器 - Google Patents

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本願発明は、断熱容器からなる内容器を備えた電気貯湯容器に関し、さらに詳しくはこのような構造の電気貯湯容器における停電発生後に復電した場合の保温制御に関するものである。ここで、停電とは、電源OFF状態のことであり、所謂停電以外に電源コンセントを外した状態も含む。
近年、電気貯湯容器が多機能化し、単に水を加熱保温する機能だけでなく、保温温度を何種類か変更できる機能や、美味しい水に作り変える浄化機能を備えたものが開発されているが、停電時の使い勝手が課題とされている。
また、湯沸かし用の断熱容器からなる内容器と、該内容器を加熱する加熱手段と、前記内容器の温度を検知する温度検知手段とを備えて構成された電気貯湯容器はよく知られており、このような構造の電気貯湯容器においては、加熱手段への通電を停止した状態での保温(即ち、魔法瓶保温)が可能であり、省エネ対策として有効に利用されている。
ところで、電気貯湯容器において、停電後の復電時に、現在温度と停電前の設定保温温度との温度差が所定の温度幅以内であれば前記設定保温温度になるように保温動作を行い、所定の温度幅以上に温度が低下している場合は加熱を開始して沸騰させたのち前記設定保温温度にするように制御する制御手段を設けたものが既に提案されている(特許文献1参照)。
特許第3185117号公報。
上記特許文献1に開示されている電気貯湯容器の場合、加熱手段への通電を停止した状態での保温(即ち、魔法瓶保温)についてはなんら開示されていない。
ところが、停電発生時に魔法瓶保温が選択されていた場合、復電時には、初期設定温度(通常、90℃)に戻るため、加熱手段への通電が開始されたり、再度魔法瓶保温を選択しなおす必要があり、非省エネとなるばかりでなく、操作も煩わしくなってしまうという不具合が生じる。
本願発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、停電後の復電時における省エネを確保するとともに、操作の簡略化を図ることを目的とするものである。
本願発明では、上記課題を解決するための第1の手段として、湯沸かし用の断熱容器からなる内容器と、該内容器を加熱する加熱手段と、前記内容器の温度を検出する温度検出手段とを備え、湯沸かし後に所定の設定保温温度に保温する設定保温温度制御モードと湯沸かし後に前記加熱手段への通電を停止した状態で保温する魔法瓶保温制御モードとを選択できるように構成した電気貯湯容器において、前記設定保温温度制御モードが選択された状態で停電が発生し、その後復電した場合には、前記加熱手段に対して設定保温温度での保温を行うように加熱制御を行う一方、前記魔法瓶保温制御モードが選択された状態で停電が発生しない場合には、停電制御を実施せず、前記魔法瓶保温制御モードが選択された状態で停電が発生し、その後復電した場合で、前記内容器内のお湯の温度が所定温度未満の場合には前記加熱手段への通電による加熱を行うように構成している。
上記のように構成したことにより、設定保温温度制御モードが選択された状態で停電が発生し、その後復電した場合には、加熱手段に対して設定保温温度での保温を行うように加熱制御が行われる一方、魔法瓶保温制御モードが選択された状態で停電が発生しない場合には、停電制御を実施せず、魔法瓶保温制御モードが選択された状態で停電が発生し、その後復電した場合であって、内容器内のお湯の温度が所定温度未満の場合には前記加熱手段への通電による加熱が行われる。しかも、停電により内容器内のお湯の温度が所定温度未満の場合にはお湯の温度上昇が得られ、魔法瓶保温における保温状態を改善することができる。
本願発明では、上記課題を解決するための第2の手段として、湯沸かし用の断熱容器からなる内容器と、該内容器を加熱する加熱手段と、前記内容器の温度を検出する温度検出手段とを備え、湯沸かし後に所定の設定保温温度に保温する設定保温温度制御モードと湯沸かし後に前記加熱手段への通電を停止した状態で保温する魔法瓶保温制御モードとを選択できるように構成した電気貯湯容器において、前記設定保温温度制御モードが選択された状態で停電が発生し、その後復電した場合には、前記加熱手段に対して設定保温温度での保温を行うように加熱制御を行う一方、前記魔法瓶保温制御モードが選択された状態で停電が発生しない場合には、停電制御を実施せず、前記魔法瓶保温制御モードが選択された状態で停電が発生し、その後復電した場合で、前記内容器内のお湯の温度が所定温度以上の場合には、前記魔法瓶保温制御モードを継続するように構成している。
上記のように構成したことにより、設定保温温度制御モードが選択された状態で停電が発生し、その後復電した場合には、加熱手段に対して設定保温温度での保温を行うように加熱制御が行われる一方、魔法瓶保温制御モードが選択された状態で停電が発生しない場合には、停電制御を実施せず、魔法瓶保温制御モードが選択された状態で停電が発生し、その後復電した場合で、前記内容器内のお湯の温度が所定温度以上の場合には、前記魔法瓶保温制御モードが継続される。従って、魔法瓶保温制御モードの継続による省エネ効果が大きくなる。
本願発明の第1の手段によれば、湯沸かし用の断熱容器からなる内容器と、該内容器を加熱する加熱手段と、前記内容器の温度を検出する温度検出手段とを備え、湯沸かし後に所定の設定保温温度に保温する設定保温温度制御モードと湯沸かし後に前記加熱手段への通電を停止した状態で保温する魔法瓶保温制御モードとを選択できるように構成した電気貯湯容器において、前記設定保温温度制御モードが選択された状態で停電が発生し、その後復電した場合には、前記加熱手段に対して設定保温温度での保温を行うように加熱制御を行う一方、前記魔法瓶保温制御モードが選択された状態で停電が発生しない場合には、停電制御を実施せず、前記魔法瓶保温制御モードが選択された状態で停電が発生し、その後復電した場合で、前記内容器内のお湯の温度が所定温度未満の場合には前記加熱手段への通電による加熱を行うように構成して、設定保温温度制御モードが選択された状態で停電が発生し、その後復電した場合には、加熱手段に対して設定保温温度での保温を行うように加熱制御が行われる一方、魔法瓶保温制御モードが選択された状態で停電が発生しない場合には、停電制御を実施せず、魔法瓶保温制御モードが選択された状態で停電が発生し、その後復電した場合であって、内容器内のお湯の温度が所定温度未満の場合には前記加熱手段への通電による加熱が行われるようにしたので、停電発生前の保温制御を継続することができるとともに、省エネを確保することができるという効果がある。しかも、停電により内容器内のお湯の温度が所定温度未満の場合にはお湯の温度上昇が得られ、魔法瓶保温における保温状態を改善することができるという効果もある。
本願発明の第2の手段によれば、湯沸かし用の断熱容器からなる内容器と、該内容器を加熱する加熱手段と、前記内容器の温度を検出する温度検出手段とを備え、湯沸かし後に所定の設定保温温度に保温する設定保温温度制御モードと湯沸かし後に前記加熱手段への通電を停止した状態で保温する魔法瓶保温制御モードとを選択できるように構成した電気貯湯容器において、前記設定保温温度制御モードが選択された状態で停電が発生し、その後復電した場合には、前記加熱手段に対して設定保温温度での保温を行うように加熱制御を行う一方、前記魔法瓶保温制御モードが選択された状態で停電が発生しない場合には、停電制御を実施せず、前記魔法瓶保温制御モードが選択された状態で停電が発生し、その後復電した場合で、前記内容器内のお湯の温度が所定温度以上の場合には、前記魔法瓶保温制御モードを継続するように構成して、設定保温温度制御モードが選択された状態で停電が発生し、その後復電した場合には、加熱手段に対して設定保温温度での保温を行うように加熱制御が行われる一方、魔法瓶保温制御モードが選択された状態で停電が発生しない場合には、停電制御を実施せず、魔法瓶保温制御モードが選択された状態で停電が発生し、その後復電した場合で、前記内容器内のお湯の温度が所定温度以上の場合には、前記魔法瓶保温制御モードが継続されるようにしたので、魔法瓶保温制御モードの継続による省エネ効果が大きくなるという効果がある。
以下、添付の図面を参照して、本願発明の幾つかのの好適な実施の形態について詳述する。
第1の実施の形態
図1ないし図3には、本願発明の第1の実施の形態にかかる電気貯湯容器の具体的構成が示されている。
この電気貯湯容器は、図1に示すように、湯沸かし用の内容器3を備えた容器本体1と、該容器本体1の上部開口を開閉する蓋体2と、前記内容器3の底部を加熱する加熱手段である電気ヒータ4と、前記内容器3内のお湯を外部へ給湯するための給湯通路5と、該給湯通路5の途中に設けられたポンプ装置である電動ポンプ6とを備えて構成されている。
前記容器本体1は、外側面を構成する合成樹脂製の外ケース7と、内周面を構成する前記内容器3と、前記外ケース7の上部と内容器3の上部とを結合する合成樹脂製の環状の肩部材8と、底面を構成する合成樹脂製の底板9とからなっている。
前記内容器3は、ステンレス製の有底円筒形状の内筒10とステンレス製の略円筒形状の外筒11との間に真空空間12を形成してなる真空二重容器からなっており、その底部には、前記内筒10の底部のみからなる非真空部3aが形成されている。該非真空部3aの下面には、前記電気ヒータ4(例えば、雲母板に発熱体を保持させてなるマイカヒータ)が取り付けられている。符号13は内容器3の温度(換言すれば、湯温T)を検出する温度検出手段として作用する温度センサーである。
前記蓋体2は、合成樹脂製の上板14と該上板14に対して外周縁が嵌め合いにより結合された合成樹脂製の下板15とからなっており、前記肩部材8の後部に設けられたヒンジ受け16に対してヒンジピン17を介して開閉且つ着脱自在に支持されている。
また、この蓋体2には、電源が接続されていない状態でも給湯通路5を介しての給湯が可能なように、手動操作により駆動されるエアーポンプ18が配設されている。該エアーポンプ18は、前記蓋体2の略中央部に形成された円筒形状の凹部19内に配設されたベーローズタイプのものとされており、押圧板20を介しての押圧操作により加圧空気が内容器3内に吹き込まれ、該加圧空気の圧力により内容器3内のお湯が給湯通路5を介して外部へ押し出されることとなっている。符号21は蒸気排出通路、22は蒸気排出通路21の途中に配設された転倒止水弁である。
前記蓋体2における下板15には、金属製のカバー部材23が固定されており、該カバー部材23の外周縁には、蓋体2の閉蓋時において前記内容器3の給水口3bに圧接されるシールパッキン24が設けられている。
前記給湯通路5の途中であって前記内容器3の下方位置には、前記電動ポンプ6が配設されている。また、前記給湯通路5の途中であって満水位表示部25より上方位置には、転倒時止水弁26および前傾時止水弁27が設けられている。
上記構成の電気貯湯容器は、保温用ヒータ4Bへの通電制御を行う通常の保温モード(換言すれば、設定保温温度制御モード)の他に、沸騰用ヒータ4Aおよび保温用ヒータ4Bへの通電を停止した状態で保温する魔法瓶保温モードによる使用が可能となっている。
図1において、符号28は蓋体2を容器本体1に対して閉止状態に保持するためのロック機構、29は後述する各種スイッチ類を備えた操作パネル部、30はスイッチ基板である。
前記操作パネル部29には、図2に示すように、給湯スイッチ31、ロック解除スイッチ32、再沸騰スイッチ33、保温選択スイッチ34、定量給湯時の湯量設定等を行う選択スイッチ35、液晶表示装置36、再沸騰表示灯37、保温表示灯38が設けられている。前記液晶表示装置36には、温度、沸騰残時間および湯量が交互に7セグメント表示され且つ後述するスローリーク発生表示が文字表示されるとともに、設定保温温度(98℃、90℃、まほうびん)を表示する三角形形状の表示灯39〜42が設けられている。
図3は、本実施の形態にかかる電気貯湯容器における電気的要素の結線状態を示すブロック図である。なお、既に説明した電気的要素については同一の符号を付して説明を省略する。
マイクロコンピュータユニット(以下、マイコンと略称する)43においては、各種スイッチ類31〜35、発振回路44、リセット回路45および温度センサー13からの信号が入力され、各種演算処理が行われ、制御信号が再沸騰表示灯37、保温表示灯38、液晶表示装置36、ブザー46、トライアック駆動回路47、リレー駆動回路48、IRG回路49、安定化電源回路50、ポンプ駆動回路51およびトライアック52に出力されることとなっている。符号53はタブ付きリレー、54は商用交流電源、55は温度ヒューズである。なお、電気ヒータ4は、沸騰用ヒータ4Aと保温用ヒータ4Bとからなっており、沸騰用ヒータ4Aはタブ付きリレー53により通電制御され、保温用ヒータ4Bはトライアック52により通電制御されることとなっている。
前記マイコン43は、前記温度センサー13による検出温度Tに基づいて沸騰用ヒータ4Aおよび保温用ヒータ4Bへの通電を制御する通常保温制御機能と、以下に説明する停電復帰時(換言すれば、復電時)における保温制御を行う制御機能とを備えている。
ついで、上記構成の電気貯湯容器における復電時保温制御について、図4に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップS1において停電発生が検出されたと判定されると、ステップS2においてその時の保温選択がマイコン43に記憶される。該記憶は、例えばEEPROMあるいはバックアップ用コンデンサ等により行われる。なお、ステップS1において否定判定された場合には、停電制御は実施されない。
ステップS3において停電が復帰したこと(換言すれば、復電)が確認されると、ステップS4において温度センサー13により検出されたお湯の温度T(即ち、検出温度)がマイコン43に入力される。
そして、ステップS5において検出温度Tと所定の温度(例えば、50℃)との比較がなされる。ここで、50℃を比較の目安とする温度とした理由は、お湯の温度が50℃未満となるということは、新たな給水が行われたか、長時間(例えば、24時間)の停電があったかのいずれかであると判断するためである。
ステップS5において否定判定された場合(即ち、T<50℃と判定された場合)には、新たな給水が行われたか、長時間(例えば、24時間)の停電があったかのいずれかであると判断して、ステップ6においてヒータ(具体的には、沸騰用ヒータ4A)への通電が開始され、沸騰制御が実行される。この沸騰制御は、ステップS7において沸騰が検出さたと確認されるまで行われる。該沸騰検出は、例えば通常の温度上昇度判定により行われる。ステップS7において沸騰が検出されると、ステップS8においてヒータ(具体的には、沸騰用ヒータ4A)への通電が停止され、ステップS9において検出温度と保温設定温度Thsとの比較がなされ、ここでT≦Thsと判定されると、ステップS10において保温設定温度Thsによる保温安定制御(換言すれば、保温用ヒータ4Bへの通電による保温安定制御)が実行され、その後制御はステップS1へリターンする。
一方、ステップS5において肯定判定された場合(即ち、T≧50℃と判定された場合)には、ステップS11において魔法瓶保温モードが選択されていたか否かの判定が行われ、ここで肯定判定されると、ステップS12においてヒータ(即ち、沸騰用および保温用ヒータ4A,4B)への通電が停止され、ステップS13において魔法瓶保温制御が継続され、その後制御はステップS1へリターンする。このとき、復電時に再加熱を行っていないことを表示手段である液晶表示装置36に表示するのがユーザにとって好ましい。
ステップS11において否定判定された場合には、ステップS14においてヒータ(具体的には、沸騰用ヒータ4A)への通電が開始され、加熱制御が実行される。該加熱制御は、ステップS15においてT≧Thsと判定されるまで継続され、ここでT≧Thsと判定されると、ステップS16において保温設定温度Thsによる保温安定制御(換言すれば、保温用ヒータ4Bへの通電による保温安定制御)が実行され、その後制御はステップS1へリターンする。
上記したように、本実施の形態においては、設定保温温度制御モードが選択された状態で停電が発生し、その後復電した場合には、ヒータ(例えば、保温用ヒータ)4Bに対して設定保温温度での保温を行うように加熱制御が行われる一方、魔法瓶保温制御モードが選択された状態で停電が発生し、その後復電した場合には、魔法瓶保温制御モードが継続されることとなる。従って、停電発生前の保温制御を継続することができるとともに、省エネを確保することができる。
また、停電により内容器内のお湯の温度が所定値以上降下していた場合にはお湯の温度上昇が得られ、魔法瓶保温における保温状態を改善することができる。
また、新たな給水による温度降下を検知して沸騰加熱を行うことができ、煮沸殺菌されたお湯を魔法瓶保温することができることとなり、衛生的となる。
また、停電から復電までに所定時間以上が経過して湯温が降下し過ぎたときには、加熱手段への通電による沸騰までの加熱を行うことができ、煮沸殺菌されたお湯を魔法瓶保温することができることとなり、衛生的となる。
第2の実施の形態
図5には、本願発明の第2の実施の形態にかかる電気貯湯容器における復電時保温制御のフローチャートが示されている。
ステップS1において停電発生が検出されたと判定されると、ステップS2およびステップS3においてその時の湯温T1および保温選択がマイコン43に記憶される。該記憶は、例えばEEPROMあるいはバックアップ用コンデンサ等により行われる。なお、ステップS1において否定判定された場合には、停電制御は実施されない。
ステップS4において停電が復帰したこと(換言すれば、復電)が確認されると、ステップS5において温度センサー13により検出されたお湯の温度T2(即ち、検出温度)がマイコン43に入力される。
そして、ステップS6において検出温度T2と所定の温度(例えば、50℃)との比較がなされる。ここで、50℃を比較の目安とする温度とした理由は、お湯の温度が50℃未満となるということは、新たな給水が行われたか、長時間(例えば、24時間)の停電があったかのいずれかであると判断するためである。
ステップS6において否定判定された場合(即ち、T<50℃と判定された場合)には、新たな給水が行われたか、長時間(例えば、24時間)の停電があったかのいずれかであると判断して、ステップ7においてヒータ(具体的には、沸騰用ヒータ4A)への通電が開始され、沸騰制御が実行される。この沸騰制御は、ステップS8において沸騰が検出さたと確認されるまで行われる。該沸騰検出は、通常の温度上昇度判定により行われる。ステップS8において沸騰が検出されると、ステップS9においてヒータ(具体的には、沸騰用ヒータ4A)への通電が停止され、ステップS10において検出温度と保温設定温度Thsとの比較がなされ、ここでT≦Thsと判定されると、ステップS11において保温設定温度Thsによる保温安定制御(換言すれば、保温用ヒータ4Bへの通電による保温安定制御)が実行され、その後制御はステップS1へリターンする。
一方、ステップS6において肯定判定された場合(即ち、T≧50℃と判定された場合)には、ステップS12において魔法瓶保温モードが選択されていたか否かの判定が行われ、ここで肯定判定されると、ステップS13においてヒータ(即ち、沸騰用および保温用ヒータ4A,4B)への通電が停止され、ステップS14において魔法瓶保温制御が継続され、その後制御はステップS1へリターンする。
ステップS12において否定判定された場合には、ステップS15においてT1−T2(即ち、停電発生時の湯温T1と復電時の湯温T2との差温)と所定温度(例えば、10℃)との比較がなされる。ここで、肯定判定された場合には、ステップS16においてヒータ(具体的には、沸騰用ヒータ4A)への通電が開始され、加熱制御が実行される。該加熱制御は、ステップS17においてT≧Thsと判定されるまで継続され、ここでT≧Thsと判定されると、ステップS18において保温設定温度Thsによる保温安定制御(換言すれば、保温用ヒータ4Bへの通電による保温安定制御)が実行され、その後制御はステップS1へリターンする。
ステップS15において否定判定された場合には、再沸騰の必要があるところから、ステップS7に戻り、以後の制御が繰り返される。
上記したように、本実施の形態においては、設定保温温度制御モードが選択された状態で停電が発生し、その後復電した場合には、ヒータ(例えば、保温用ヒータ)4Bに対して設定保温温度での保温を行うように加熱制御が行われる一方、魔法瓶保温制御モードが選択された状態で停電が発生し、その後復電した場合には、魔法瓶保温制御モードが継続されることとなる。従って、停電発生前の保温制御を継続することができるとともに、省エネを確保することができる。
また、停電により内容器内のお湯の温度が所定値以上降下していた場合にはお湯の温度上昇が得られ、魔法瓶保温における保温状態を改善することができる。
また、新たな給水による温度降下を検知して沸騰加熱を行うことができ、煮沸殺菌されたお湯を魔法瓶保温することができることとなり、衛生的となる。
また、停電から復電までに所定時間以上が経過して湯温が降下し過ぎたときには、加熱手段への通電による沸騰までの加熱を行うことができ、煮沸殺菌されたお湯を魔法瓶保温することができることとなり、衛生的となる。
ところで、上記各実施の形態においては、停電時に魔法瓶保温が実行されていた場合、復電時にはヒータへの通電を行わないようになっているが、魔法瓶保温の場合、内容器3内のお湯の温度が上下で大きく異なる場合があるので、復電時にヒータ(具体的には、保温用ヒータ4B)に所定時間だけ通電してお湯の対流を促すのがお湯の温度の均一化に寄与することとなる。
また、上記各実施の形態においては、内容器として真空二重容器を採用しているが、その他の断熱容器(例えば、真空断熱材を外周側に被覆した容器)等を採用することができることは勿論である。
本願発明は、上記各実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜設計変更可能なことは勿論である。
本願発明の第1の実施の形態にかかる電気貯湯容器の縦断面図である。 本願発明の第1の実施の形態にかかるであるにおける操作パネル部の拡大平面図である。 本願発明の第1の実施の形態にかかる電気貯湯容器における電気的要素の結線図である。 本願発明の第1の実施の形態にかかる電気貯湯容器における復電時保温制御の内容を示すフローチャートである。 本願発明の第2の実施の形態にかかる電気貯湯容器における復電時保温制御の内容を示すフローチャートである。
符号の説明
3は内容器
4は加熱手段(電気ヒータ)
4Aは沸騰用ヒータ
4Bは保温用ヒータ
13は温度検出手段(温度センサー)
29は操作パネル部
36は液晶表示装置
43はマイコン

Claims (2)

  1. 湯沸かし用の断熱容器からなる内容器と、該内容器を加熱する加熱手段と、前記内容器の温度を検出する温度検出手段とを備え、湯沸かし後に所定の設定保温温度に保温する設定保温温度制御モードと湯沸かし後に前記加熱手段への通電を停止した状態で保温する魔法瓶保温制御モードとを選択できるように構成した電気貯湯容器であって、前記設定保温温度制御モードが選択された状態で停電が発生し、その後復電した場合には、前記加熱手段に対して設定保温温度での保温を行うように加熱制御を行う一方、前記魔法瓶保温制御モードが選択された状態で停電が発生しない場合には、停電制御を実施せず、前記魔法瓶保温制御モードが選択された状態で停電が発生し、その後復電した場合で、前記内容器内のお湯の温度が所定温度未満の場合には前記加熱手段への通電による加熱を行うように構成したことを特徴とする電気貯湯容器。
  2. 湯沸かし用の断熱容器からなる内容器と、該内容器を加熱する加熱手段と、前記内容器の温度を検出する温度検出手段とを備え、湯沸かし後に所定の設定保温温度に保温する設定保温温度制御モードと湯沸かし後に前記加熱手段への通電を停止した状態で保温する魔法瓶保温制御モードとを選択できるように構成した電気貯湯容器であって、前記設定保温温度制御モードが選択された状態で停電が発生し、その後復電した場合には、前記加熱手段に対して設定保温温度での保温を行うように加熱制御を行う一方、前記魔法瓶保温制御モードが選択された状態で停電が発生しない場合には、停電制御を実施せず、前記魔法瓶保温制御モードが選択された状態で停電が発生し、その後復電した場合で、前記内容器内のお湯の温度が所定温度以上の場合には、前記魔法瓶保温制御モードを継続するように構成したことを特徴とする電気貯湯容器。
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