JP3506123B2 - 電気貯湯容器 - Google Patents

電気貯湯容器

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JP3506123B2 JP2001041374A JP2001041374A JP3506123B2 JP 3506123 B2 JP3506123 B2 JP 3506123B2 JP 2001041374 A JP2001041374 A JP 2001041374A JP 2001041374 A JP2001041374 A JP 2001041374A JP 3506123 B2 JP3506123 B2 JP 3506123B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、電気ポット等と
して使用される電気貯湯容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般の電気貯湯容器は、湯沸かし用の内
容器と、該内容器を加熱する加熱手段と、前記内容器内
の湯を給湯通路を介して給湯する電動ポンプとを備えて
おり、内容器内に収容された水を加熱手段で加熱して沸
騰させた後保温し、必要に応じて電動ポンプを駆動させ
て給湯通路を介してお湯を外部へ給湯することとされて
いる。
【0003】上記の電気貯湯容器の場合、通常保温専用
であって保冷用としては使用できない構成となっている
ため、夏場などにおいては使用せず、収納庫等に収納し
ておくユーザが多くなっている。その場合、収納前に内
部の水をふき取ったり、自然乾燥に任せているのが実情
である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、電気貯湯容
器の場合、ふき取りや自然乾燥では完全に水を除去する
ことができない部分が多々ある。例えば、電動ポンプ内
部や給湯通路における転倒止水弁内部等に水が残る場合
がある。このようにして残った水は、夏場の高温により
腐敗し易く、電気貯湯容器内に臭いが吸着する。する
と、再びユーザが電気貯湯容器を使用しようとした時、
お湯に臭いが移って〃お湯が臭い〃というクレームが発
生する場合がある。
【0005】本願発明は、上記の点に鑑みてなされたも
ので、収納時には電動ポンプ内や給湯通路内を完全に乾
燥できるようにすることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、上
記課題を解決するための手段として、湯沸かし用の内容
器と、該内容器を加熱する加熱手段と、前記内容器内の
湯を給湯通路を介して給湯する電動ポンプと、前記内容
器の温度を検出する温度検出手段とを備えた電気貯湯容
器において、内部乾燥モードを選択する内部乾燥モード
選択手段と、該内部乾燥モード選択手段による内部乾燥
モード選択時に前記加熱手段による前記内容器の加熱を
行いつつ前記電動ポンプを駆動させる内部乾燥制御手段
を付設している。
【0007】上記のように構成したことにより、内部乾
燥モードが選択された時には、加熱手段による内容器の
加熱を行いつつ電動ポンプを駆動させると、内容器の温
度上昇に伴って加熱された乾燥状態の空気が給湯通路を
流れることとなり、電動ポンプ内部および給湯通路内部
の水分が蒸発除去されることとなる。従って、電気貯湯
容器内部を完全に乾燥させることができることとなる。
【0008】請求項2の発明におけるように、請求項1
記載の電気貯湯容器において、前記内容器内の残水がな
くなった時点で前記電動ポンプの駆動を開始するように
した場合、内容器内の残水がなくなって、乾燥空気が電
動ポンプの駆動により給湯通路に送り込まれることとな
り、電動ポンプの駆動に要する電力を可及的に少なくで
きる。つまり、省エネ効果が大きくなるのである。
【0009】請求項3の発明におけるように、請求項2
記載の電気貯湯容器において、前記内容器内の残水が所
定値以下となっている場合に前記電動ポンプを所定値以
下の出力で駆動開始し、前記内容器内の残水がなくなっ
た時点で前記電動ポンプの出力を増大させるようにした
場合、内容器内の残水が所定値以下の場合には電動ポン
プを所定値以下の出力で駆動開始することで、発生する
水蒸気のみが給湯通路を介して外部へ排出されるところ
から、残水の蒸発が促進されることとなり、内容器内の
残水がなくなるまでの時間を短縮できるとともに、内容
器内の残水がなくなった時点で電動ポンプの出力を増大
させることにより、乾燥空気の送給量を増大させること
ができ、内部乾燥時間を短縮することができる。
【0010】請求項4の発明におけるように、請求項2
および3のいずれか一項記載の電気貯湯容器において、
前記温度検出手段により検出された温度の上昇度が急上
昇した時点を、前記内容器内の残水がなくなった時点と
するようにした場合、既設の温度検出手段からの温度情
報を利用して残水がなくなったことを容易に検知するこ
とができる。
【0011】請求項5の発明におけるように、請求項
1、2、3および4のいずれか一項記載の電気貯湯容器
において、前記内容器の温度が所定値以下に保持される
ように前記加熱手段による加熱を制御するようにした場
合、内容器の温度を所定値以下に保持することにより、
内部乾燥時における内容器内面の塗装劣化を防止するこ
とができる。
【0012】請求項6の発明におけるように、請求項
1、2、3、4および5のいずれか一項記載の電気貯湯
容器において、前記内容器内の残水がなくなった時点か
ら所定時間が経過した時点で前記内部乾燥制御手段によ
る内部乾燥を終了するようにした場合、内部乾燥制御手
段による内部乾燥の終了時期をタイマー等の時限装置で
設定できることとなり、制御が簡単となる。
【0013】請求項7の発明におけるように、請求項
1、2、3、4および5のいずれか一項記載の電気貯湯
容器において、前記給湯通路の出口部における湿度を検
出する湿度検出手段を付設するとともに、該湿度検出手
段により検出された湿度が所定値以下となった時点で前
記内部乾燥制御手段による内部乾燥を終了するようにし
た場合、内部乾燥制御手段による内部乾燥によって給湯
通路の出口部の湿度が低下してくるが、該湿度が所定値
以下になった時点で内部乾燥制御手段による内部乾燥が
終了されることとなる。従って、実際の乾燥状態を把握
した内部乾燥終了時期を設定することができることとな
り、より確実な乾燥状態が得られる。
【0014】請求項8の発明におけるように、請求項
1、2、3、4、5、6および7のいずれか一項記載の
電気貯湯容器において、前記内容器内の水量が所定値を
超えているときには、前記内部乾燥制御手段の作動を禁
止し且つ当該禁止状態をユーザに表示又は音で警告する
ようにした場合、ユーザの誤操作を確実に防止すること
ができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して、本
願発明の幾つかの好適な実施の形態について詳述する。
【0016】第1の実施の形態 図1ないし図3には、本願発明の第1の実施の形態にか
かる電気貯湯容器が示されている。
【0017】この電気貯湯容器は、図1および図2に示
すように、貯湯用の内容器3を備えた容器本体1と、該
容器本体1を開閉する蓋体2と、前記内容器3を加熱す
る加熱手段である電気ヒータ4と、前記内容器3内の湯
を外部へ給湯するための給湯通路5と、該給湯通路5を
介して湯を送り出す電動ポンプ6とを備えて構成されて
いる。
【0018】前記容器本体1は、外側面を構成する合成
樹脂製の外ケース7と、内周面を構成する前記内容器3
と、前記外ケース7と内容器3とを結合する合成樹脂製
の環状の肩部材8と、底面を構成する合成樹脂製の底板
9とからなっている。
【0019】前記内容器3は、ステンレス製の有底円筒
形状の内筒10とステンレス製の外筒11との間に真空
空間を有する真空二重構造体からなっており、その底部
には、外周部を除いて前記内筒10の底部のみにより構
成された1枚板部3aが形成されている。該1枚板部3
aの下面には、前記電気ヒータ4(例えば、雲母板に発
熱体を保持させてなるマイカヒータ)が取り付けられて
いる。前記内容器3の上端部には、前記内筒10の上端
部を絞り加工してなる小径の給水口3bが形成されてい
る。符号12は内容器3の温度(換言すれば、湯温)を
検出する温度検出手段として作用する温度センサー、1
3は内容器3の満水位を表示する満水位表示部である。
【0020】前記蓋体2は、合成樹脂製の上板14と該
上板14に対して外周縁が結合された合成樹脂製の下板
15とからなっており、前記肩部材8の後部に設けられ
たヒンジ受け16に対してヒンジピン17を介して開閉
自在且つ着脱自在に支持されている。
【0021】また、この蓋体2には、電源が接続されて
いない状態でも給湯通路5を介しての給湯が可能なよう
に、手動操作により駆動されるエアーポンプ18が配設
されている。該エアーポンプ18は、前記蓋体2の略中
央部に形成された円筒形状の凹部19内に配設されたベ
ローズタイプのものとされており、押圧板20を介して
の押圧操作により加圧空気が内容器3内に吹き込まれ、
該加圧空気の圧力により内容器3内のお湯が給湯通路5
を介して外部へ押し出されることとなっている。符号2
1は蒸気排出通路、22は蒸気排出通路21の途中に配
設された転倒止水弁である。
【0022】前記蓋体2における下板15には、金属製
のカバー部材23が固定されており、該カバー部材23
の外周縁には、蓋体2の閉蓋時において前記内容器3の
給水口3bに圧接されるシールパッキン24が設けられ
ている。
【0023】前記給湯通路5の途中である前記内容器3
の下方位置には、前記電動ポンプ6が配設されている。
また、前記給湯通路5の途中である前記満水位表示部1
3より上方位置には、転倒時止水弁25および前傾時止
水弁26が設けられている。さらに、この給湯通路5の
出口である注出口27は、前記外ケース7におけるパイ
プカバー部7aに取り付けられた注口カバー28を貫通
している。
【0024】図1において、符号29は蓋体2の容器本
体1に対する閉止状態を保持するためのロック機構、3
0は後述する各種スイッチ類を備えた操作パネル部、3
1はスイッチ基板、32は前記電動ポンプ6を駆動させ
る駆動電源回路を備えた電源基板である。
【0025】前記操作パネル部30には、図2に示すよ
うに、給湯スイッチ33、ロック解除スイッチ34、保
温選択スイッチ35、再沸騰スイッチ36、お手入れス
イッチ37、給湯表示灯38、沸騰表示灯39、保温表
示灯40、液晶表示装置41が設けられている。
【0026】前記お手入れスイッチ37は、1回の押圧
操作でクエン酸洗浄モードが選択され、2回の押圧操作
で内部乾燥モードが選択されることとなっており、内部
乾燥モード選択手段として作用するものである。
【0027】図3は、本実施の形態にかかる電気貯湯容
器における電気的要素の結線状態を示すブロック図であ
る。なお、既に説明した電気的要素については同一の符
号を付して説明を省略する。
【0028】マイクロコンピュータユニット(以下、マ
イコンと略称する)42においては、各種スイッチ33
〜37、発振回路43、リセット回路44および温度セ
ンサー12からの信号が入力され、各種演算処理が行わ
れ、制御信号が各種表示灯38〜40、液晶表示装置4
1、ブザー45、トライアック駆動回路46、リレー駆
動回路47、IRG回路48、安定化電源回路49、ポ
ンプ駆動回路50およびトライアック51に出力される
こととなっている。符号52はタブ付きリレー、53は
商用交流電源、54は温度ヒューズである。なお、電気
ヒータ4は、沸騰用ヒータ4Aと保温用ヒータ4Bとか
らなっており、沸騰用ヒータ4はタブ付きリレー52に
より通電制御され、保温用ヒータ4Bはトライアック5
1により通電制御されることとなっている。
【0029】前記マイコン42は、内部乾燥モード選択
時に加熱手段(具体的には、保温用ヒータ4B)による
加熱を行いつつ電動ポンプ6を駆動させる内部乾燥制御
手段としての機能を有している。
【0030】ついで、上記構成の電気貯湯容器における
内部乾燥制御について、図4に示すフローチャートを参
照して説明する。
【0031】電気貯湯容器を収納庫等に収納する際に
は、電気貯湯容器の内部を乾燥させた状態で収納する必
要がある。そこで、お手入れスイッチ37により内部乾
燥モードが選択され、下記の要領で内部乾燥が実行され
る。
【0032】ステップS1において内部乾燥モードが選
択されたか否か(換言すれば、お手入れスイッチ37が
2回押圧操作されたか否か)の判定がなされ、ここで肯
定判定されると、ステップS2において保温用ヒータ4
Bへの通電が開始される。
【0033】すると、内容器3の温度が上昇してくる
が、内容器3内の残水の量によって温度センサー12に
よる検出温度Tの上昇度dT/dtに違いが出る。そこ
で、図5に示すように、上昇度のシキイ値dTsを直線
0として予め設定しておき、該シキイ値dTsと温度
上昇度dT/dtとを比較すれば、直線L1で示す場合
はdT/dt>dTsであって残水の量が所定値より少
なく、直線L2で示す場合しdT/dt<dTsであっ
て残水の量が所定値より多いと判定することができる。
【0034】そこで、ステップS3において温度上昇度
dT/dtとシキイ値dTsとの比較がなされ、ここで
dT/dt<dTsと判定された場合には、残水が所定
値より多く、内部乾燥に適さない(即ち、内容器3内の
残水を捨てた方がよい)ので、ステップS4において液
晶表示装置41にエラー表示がなされるとともに、ブザ
ー45の吹鳴により警告が発せられると同時に、ステッ
プS5において保温用ヒータ4Bへの通電が停止され、
内部乾燥制御手段による内部乾燥が禁止される。
【0035】ステップS3においてdT/dt≧dTs
と判定された場合には、残水が所定値より少なく、内部
乾燥に適しているので、そのまま保温用ヒータ4Bによ
る加熱を継続し、ステップS6において残水がなくなっ
た判定されると、ステップS7において電動ポンプ6の
駆動が開始され、内部乾燥制御が開始される。ここで、
残水がなくなったことの判定は、温度センサー12によ
る検出温度Tの急上昇の検知により行われる。
【0036】上記内部開始制御中においては、内容器3
の温度Tが設定温度Ts(例えば、内容器3内面の塗装
劣化が起きない程度の60〜80°の間の温度)を超え
ないように保温用ヒータ4Bへの通電が制御される。即
ち、ステップS8において温度センサー12の検出温度
Tと設定温度Tsとの比較がなされ、T≧Tsと判定さ
れた場合には、ステップS9に進んで、保温用ヒータ4
Bへの通電が停止されるが、T<Tsと判定された場合
には、ステップS10に進んで、保温用ヒータ4Bへの
通電が開始される。
【0037】上記通電制御は、ステップS11において
所定時間t1が経過したと判定されるまで継続される。
すると、内容器3の温度上昇に伴って加熱された乾燥状
態の空気が給湯通路5を流れることとなり、電動ポンプ
6内部および給湯通路5内部の水分が蒸発除去されるこ
ととなる。ステップS11において所定時間t1が経過
したと判定されると、ステップS12において電動ポン
プ6の駆動が停止され且つ保温用ヒータ4Bへの通電が
停止され、ステップS13において内部乾燥モードが終
了したことが液晶表示装置41に表示され且つブザー4
5によって終了報知がなされる。
【0038】上記したように、本実施の形態において
は、内部乾燥モードが選択されると、保温用ヒータ4B
による加熱を行いつつ電動ポンプ6を駆動させることに
より、内容器3の温度上昇に伴って加熱された乾燥状態
の空気を給湯通路5に流し、電動ポンプ6内部および給
湯通路5内部の水分を蒸発除去することができることと
なっている。従って、電気貯湯容器内部を完全に乾燥さ
せることができるのである。
【0039】しかも、内容器3内の残水がなくなった時
点から、加熱された乾燥空気が電動ポンプ6の駆動によ
り給湯通路5に送り込まれることとなっており、電動ポ
ンプ6の駆動に要する電力を可及的に少なくできる。つ
まり、省エネ効果が大きいのである。
【0040】また、温度センサー12により検出された
温度が急上昇した時点を、内容器3内の残水がなくなっ
た時点とするようにしているので、既設の温度センサー
12からの温度情報を利用して残水がなくなったことを
容易に検知することができる。
【0041】また、内容器3の温度が所定温度範囲内に
保持されるように保温用ヒータ4Bによる加熱を制御す
るようにしているので、内部乾燥時における内容器3内
面の塗装劣化を防止することができる。
【0042】また、内容器3内の残水がなくなった時点
から所定時間t1が経過した時点で内部乾燥モードを終
了するようにしているので、内部乾燥モードの終了時期
をタイマー等の時限装置で設定できることとなり、制御
が簡単となる。
【0043】また、内容器3内の水量が所定値を超えて
いるときには、内部乾燥制御手段の作動が禁止され且つ
当該禁止状態が液晶表示装置41に表示され且つブザー
45の吹鳴によりユーザに警告されるようにしているの
で、ユーザの誤操作を確実に防止することができる。
【0044】第2の実施の形態 図6には、本願発明の第2の実施の形態にかかる電気貯
湯容器における内部乾燥制御のフローチャートが示され
ている。
【0045】この場合、内容器3内の残水が所定値以下
となっている場合に電動ポンプ6を所定値以下の出力
(低出力)で駆動開始し、前記内容器3内の残水がなく
なった時点で前記電動ポンプ6の出力を増大させるよう
にしている。ここで、最初の電動ポンプ6の出力は、内
容器3内の残水が給湯通路5を介して外部へ排出されな
い程度の出力とされる。
【0046】図6のフローチャートにおけるステップS
5までは第1の実施の形態におけると同様なので説明を
省略し、ステップS6以後について説明する。
【0047】ステップS3においてdT/dt≧dTs
と判定された場合には、残水が所定値より少なく、内部
乾燥に適しているので、そのまま保温用ヒータ4Bによ
る加熱を継続し、ステップS6において電動ポンプ6が
低出力で駆動開始される。この電動ポンプ6の低出力で
の駆動は、ステップS7において残水がなくなった判定
されるまで継続され、保温用ヒータ4Bによる加熱によ
って残水が蒸発して発生した水蒸気が給湯通路5を介し
て外部へ排出される。従って、残水の蒸発が促進される
こととなる。ステップS7において残水がなくなったと
判定されると、ステップS8において電動ポンプ6が高
出力で駆動開始され、内部乾燥制御が開始される。ここ
で、残水がなくなったことの判定は、温度センサー12
による検出温度Tの急上昇の検知により行われる。
【0048】上記内部開始制御中においては、内容器3
の温度Tが設定温度Ts(例えば、内容器3内面の塗装
劣化が起きない程度の60〜80°の間の温度)を超え
ないように保温用ヒータ4Bへの通電が制御される。即
ち、ステップS9において温度センサー12の検出温度
Tと設定温度Tsとの比較がなされ、T≧Tsと判定さ
れた場合には、ステップS10に進んで、保温用ヒータ
4Bへの通電が停止されるが、T<Tsと判定された場
合には、ステップS11に進んで、保温用ヒータ4Bへ
の通電が開始される。
【0049】上記通電制御は、ステップS12において
所定時間t1が経過したと判定されるまで継続される。
すると、乾燥状態の空気が給湯通路5を流れることとな
り、電動ポンプ6内部および給湯通路5内部の水分が蒸
発除去されることとなる。ステップS12において所定
時間t1が経過したと判定されると、ステップS13に
おいて電動ポンプ6の駆動が停止され且つ保温用ヒータ
4Bへの通電が停止され、ステップS14において内部
乾燥モードが終了したことが液晶表示装置41に表示さ
れ且つブザー45によって終了報知がなされる。
【0050】上記したように、本実施の形態において
は、内容器3内の残水が所定値以下の場合(即ち、内部
乾燥を行うことのできる残水量の場合)には電動ポンプ
6を所定値以下の出力(即ち、低出力)で駆動開始する
ことで、発生する水蒸気のみが給湯通路5を介して外部
へ排出されるところから、残水の蒸発が促進されること
となり、内容器3内の残水がなくなるまでの時間を短縮
できるとともに、内容器3内の残水がなくなった時点で
電動ポンプ6の出力を増大させることにより、乾燥空気
の送給量を増大させることができ、内部乾燥時間を短縮
することができる。
【0051】その他の構成および作用効果は、第1の実
施の形態におけると同様なので説明を省略する。
【0052】第3の実施の形態 図7および図8には、本願発明の第3の実施の形態にか
かる電気貯湯容器の縦断面図および電気貯湯容器におけ
る電気的要素の結線図が示され、図9には、本願発明の
第3の実施の形態にかかる電気貯湯容器における内部乾
燥制御のフローチャートが示されている。
【0053】この場合、給湯通路5の出口部における湿
度を検出する湿度検出手段である湿度センサー55を付
設するとともに、該湿度センサー55により検出された
湿度Dが所定値Ds(例えば、0に近い値)以下となっ
た時点で内部乾燥制御手段による内部乾燥を終了するよ
うにしている。
【0054】図9のフローチャートにおけるステップS
10までは第1の実施の形態におけると同様なので説明
を省略し、ステップS11以後について説明する。
【0055】保温用ヒータ4Bの通電制御中において
は、保温用ヒータ4Bにより加熱された給湯通路5への
乾燥空気の供給により給湯通路5内の水分が徐々に蒸発
除去される。そこで、ステップS11において湿度セン
サー55により検出された湿度Dがマイコン42に入力
され、ステップS12において検出湿度Dと所定値Ds
との比較がなされ、D<Ds(換言すれば、殆ど湿度が
0となった)と判定されると、ステップS13において
電動ポンプ6の駆動が停止され且つ保温用ヒータ4Bへ
の通電が停止され、ステップS14において内部乾燥モ
ードが終了したことが液晶表示装置41に表示され且つ
ブザー45によって終了報知がなされる。
【0056】上記したように、本実施の形態において
は、給湯通路5の出口部における湿度Dを検出する湿度
センサー55により検出された湿度Dが所定値Ds以下
となった時点で内部乾燥制御手段による内部乾燥を終了
するようにしているので、実際の乾燥状態を把握した内
部乾燥終了時期を設定することができることとなり、よ
り確実な乾燥状態が得られる。
【0057】その他の構成および作用効果は、第1の実
施の形態におけると同様なので説明を省略する。
【0058】第4の実施の形態 図10には、本願発明の第4の実施の形態にかかる電気
貯湯容器における内部乾燥制御のフローチャートが示さ
れている。
【0059】この場合、第2の実施の形態と第3の実施
の形態とを併合したものとなっており、図9のフローチ
ャートにおけるステップS11までは第2の実施の形態
におけると同様なので説明を省略し、ステップS12以
後について説明する。
【0060】保温用ヒータ4Bの通電制御中において
は、保温用ヒータ4Bにより加熱された給湯通路5への
乾燥空気の供給により給湯通路5内の水分が徐々に蒸発
除去される。そこで、ステップS12において湿度セン
サー55により検出された湿度Dがマイコン42に入力
され、ステップS13において検出湿度Dと所定値Ds
との比較がなされ、D<Ds(換言すれば、殆ど湿度が
0となった)と判定されると、ステップS14において
電動ポンプ6の駆動が停止され且つ保温用ヒータ4Bへ
の通電が停止され、ステップS15において内部乾燥モ
ードが終了したことが液晶表示装置41に表示され且つ
ブザー45によって終了報知がなされる。
【0061】その他の構成および作用効果は、第2およ
び第3の実施の形態におけると同様なので説明を省略す
る。
【0062】なお、上記各実施の形態においては、内部
乾燥ができる範囲の内容器3内の残水量を温度センサー
12による検出温度の上昇度に基づいて推定するように
しているが、電子水量計を備えた電気貯湯容器の場合に
は、電子水量計で残水量を検出するようにしてもよい。
【0063】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、湯沸かし用の
内容器と、該内容器を加熱する加熱手段と、前記内容器
内の湯を給湯通路を介して給湯する電動ポンプと、前記
内容器の温度を検出する温度検出手段とを備えた電気貯
湯容器において、内部乾燥モードを選択する内部乾燥モ
ード選択手段と、該内部乾燥モード選択手段による内部
乾燥モード選択時に前記加熱手段による前記内容器の加
熱を行いつつ前記電動ポンプを駆動させる内部乾燥制御
手段を付設して、内部乾燥モードが選択された時には、
加熱手段による内容器の加熱を行いつつ電動ポンプを駆
動させることにより、内容器の温度上昇に伴って加熱さ
れた乾燥状態の空気が給湯通路を流れるようにしたの
で、電動ポンプ内部および給湯通路内部の水分が蒸発除
去されることとなり、電気貯湯容器内部を完全に乾燥さ
せることができるという効果がある。
【0064】請求項2の発明におけるように、請求項1
記載の電気貯湯容器において、前記内容器内の残水がな
くなった時点で前記電動ポンプの駆動を開始するように
した場合、内容器内の残水がなくなって、乾燥空気が電
動ポンプの駆動により給湯通路に送り込まれることとな
り、電動ポンプの駆動に要する電力を可及的に少なくで
きる。つまり、省エネ効果が大きくなるのである。
【0065】請求項3の発明におけるように、請求項2
記載の電気貯湯容器において、前記内容器内の残水が所
定値以下となっている場合に前記電動ポンプを所定値以
下の出力で駆動開始し、前記内容器内の残水がなくなっ
た時点で前記電動ポンプの出力を増大させるようにした
場合、内容器内の残水が所定値以下の場合には電動ポン
プを所定値以下の出力で駆動開始することで、発生する
水蒸気のみが給湯通路を介して外部へ排出されるところ
から、残水の蒸発が促進されることとなり、内容器内の
残水がなくなるまでの時間を短縮できるとともに、内容
器内の残水がなくなった時点で電動ポンプの出力を増大
させることにより、乾燥空気の送給量を増大させること
ができ、内部乾燥時間を短縮することができる。
【0066】請求項4の発明におけるように、請求項2
および3のいずれか一項記載の電気貯湯容器において、
前記温度検出手段により検出された温度の上昇度が急上
昇した時点を、前記内容器内の残水がなくなった時点と
するようにした場合、既設の温度検出手段からの温度情
報を利用して残水がなくなったことを容易に検知するこ
とができる。
【0067】請求項5の発明におけるように、請求項
1、2、3および4のいずれか一項記載の電気貯湯容器
において、前記内容器の温度が所定温度範囲内に保持さ
れるように前記加熱手段による加熱を制御するようにし
た場合、内容器の温度を所定温度範囲内に保持すること
により、内部乾燥時における内容器内面の塗装劣化を防
止することができる。
【0068】請求項6の発明におけるように、請求項
1、2、3、4および5のいずれか一項記載の電気貯湯
容器において、前記内容器内の残水がなくなった時点か
ら所定時間が経過した時点で前記内部乾燥制御手段によ
る内部乾燥を終了するようにした場合、内部乾燥制御手
段による内部乾燥の終了時期をタイマー等の時限装置で
設定できることとなり、制御が簡単となる。
【0069】請求項7の発明におけるように、請求項
1、2、3、4および5のいずれか一項記載の電気貯湯
容器において、前記給湯通路の出口部における湿度を検
出する湿度検出手段を付設するとともに、該湿度検出手
段により検出された湿度が所定値以下となった時点で前
記内部乾燥制御手段による内部乾燥を終了するようにし
た場合、内部乾燥制御手段による内部乾燥によって給湯
通路の出口部の湿度が低下してくるが、該湿度が所定値
以下になった時点で内部乾燥制御手段による内部乾燥が
終了されることとなる。従って、実際の乾燥状態を把握
した内部乾燥終了時期を設定することができることとな
り、より確実な乾燥状態が得られる。
【0070】請求項8の発明におけるように、請求項
1、2、3、4、5、6および7のいずれか一項記載の
電気貯湯容器において、前記内容器内の水量が所定値を
超えているときには、前記内部乾燥制御手段の作動を禁
止し且つ当該禁止状態をユーザに表示又は音で警告する
ようにした場合、ユーザの誤操作を確実に防止すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1の実施の形態にかかる電気貯湯
容器の縦断面図である。
【図2】本願発明の第1の実施の形態にかかる電気貯湯
容器の拡大上面図である。
【図3】本願発明の第1の実施の形態にかかる電気貯湯
容器における電気的要素の結線図である。
【図4】本願発明の第1の実施の形態にかかる電気貯湯
容器における内部乾燥制御のフローチャートである。
【図5】保温用ヒータによる内容器加熱時における温度
上昇度と残水量との関係を示す特性図である。
【図6】本願発明の第2の実施の形態にかかる電気貯湯
容器における内部乾燥制御のフローチャートである。
【図7】本願発明の第3の実施の形態にかかる電気貯湯
容器の縦断面図である。
【図8】本願発明の第3の実施の形態にかかる電気貯湯
容器における電気的要素の結線図である。
【図9】本願発明の第3の実施の形態にかかる電気貯湯
容器における内部乾燥制御のフローチャートである。
【図10】本願発明の第4の実施の形態にかかる電気貯
湯容器における内部乾燥制御のフローチャートである。
【符号の説明】
1は容器本体、2は蓋体、3は内容器、4は加熱手段
(電気ヒータ)、4Aは沸騰用ヒータ、4Bは保温用ヒ
ータ、5は給湯通路、6は電動ポンプ、12は温度検出
手段(温度センサー)、37は内部乾燥モード選択手段
(お手入れスイッチ)、42はマイコン、55は湿度検
出手段(湿度センサー)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47J 27/21 101

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 湯沸かし用の内容器と、該内容器を加熱
    する加熱手段と、前記内容器内の湯を給湯通路を介して
    給湯する電動ポンプと、前記内容器の温度を検出する温
    度検出手段とを備えた電気貯湯容器であって、内部乾燥
    モードを選択する内部乾燥モード選択手段と、該内部乾
    燥モード選択手段による内部乾燥モード選択時に前記加
    熱手段による前記内容器の加熱を行いつつ前記電動ポン
    プを駆動させる内部乾燥制御手段を付設したことを特徴
    とする電気貯湯容器。
  2. 【請求項2】 前記内容器内の残水がなくなった時点で
    前記電動ポンプの駆動を開始するようにしたことを特徴
    とする前記請求項1記載の電気貯湯容器。
  3. 【請求項3】 前記内容器内の残水が所定値以下となっ
    ている場合に前記電動ポンプを所定値以下の出力で駆動
    開始し、前記内容器内の残水がなくなった時点で前記電
    動ポンプの出力を増大させるようにしたことを特徴とす
    る前記請求項2記載の電気貯湯容器。
  4. 【請求項4】 前記温度検出手段により検出された温度
    の上昇度が急上昇した時点を、前記内容器内の残水がな
    くなった時点とするようにしたことを特徴とする前記請
    求項2および3のいずれか一項記載の電気貯湯容器。
  5. 【請求項5】 前記内容器の温度が所定温度範囲内に保
    持されるように前記加熱手段による加熱を制御するよう
    にしたことを特徴とする前記請求項1、2、3および4
    のいずれか一項記載の電気貯湯容器。
  6. 【請求項6】 前記内容器内の残水がなくなった時点か
    ら所定時間が経過した時点で前記内部乾燥制御手段によ
    る内部乾燥を終了するようにしたことを特徴とする前記
    請求項1、2、3、4および5のいずれか一項記載の電
    気貯湯容器。
  7. 【請求項7】 前記給湯通路の出口部における湿度を検
    出する湿度検出手段を付設するとともに、該湿度検出手
    段により検出された湿度が所定値以下となった時点で前
    記内部乾燥制御手段による内部乾燥を終了するようにし
    たことを特徴とする前記請求項1、2、3、4および5
    のいずれか一項記載の電気貯湯容器。
  8. 【請求項8】 前記内容器内の水量が所定値を超えてい
    るときには、前記内部乾燥制御手段の作動を禁止し且つ
    当該禁止状態をユーザに表示又は音で警告するようにし
    たことを特徴とする前記請求項1、2、3、4、5、6
    および7のいずれか一項記載の電気貯湯容器。
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