JP4191037B2 - 滅菌用振動攪拌装置並びに振動攪拌装置を用いる滅菌装置及び滅菌方法 - Google Patents

滅菌用振動攪拌装置並びに振動攪拌装置を用いる滅菌装置及び滅菌方法 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、紫外線等の光の照射により表面が殺菌性となる振動羽根などの構成部材を有する滅菌用振動攪拌装置並び該滅菌用振動撹拌装置又は振動撹拌装置と紫外線等の光の照射により殺菌性となる表面との組み合わせを用いる滅菌装置及び滅菌方法に関するものである。
背景技術
従来、水の滅菌方法としては、水中に次亜塩素酸ソーダ等の酸化剤を投入する薬品処理が実施されている。この方法では、投入薬品の量が少な過ぎると滅菌効果が低下するので、やや多めの薬品が投入される。従って、処理済の水の中には、塩素イオンが残留して、水の味が低下し、薬品投入量が大過剰になると人体に対して有害な影響が生ずるおそれもある。
特に、ビルの屋上などに設置された貯水槽(タンク)内に水が一時貯留されるような場合には、時間経過と共に投入薬品が失効して、タンク内の水が細菌等により汚染されることがしばしばであり、このため定期的なタンク内の洗浄が不可欠である。
一方、医療用器具の滅菌には各種の消毒剤が多量に用いられており、それら消毒剤に要するコスト増加の問題のみならず、滅菌排水が消毒剤を含むことによる排水処理の問題が発生する。同様な問題は、病院や学校等における給食用食器等の滅菌においても発生する。
また、従来、野菜や果物の殺菌・洗浄に食用可能な殺菌剤を使用して殺菌が行なわれているが、生体への悪影響を避けるためには、できるだけ殺菌剤を使用しないようにすることが好ましい。
滅菌処理に短波長紫外線照射を用いることも行われている。また、本発明者の発明に係る特許出願に関する特開2001−271189号公報、特開2002−102323号公報及び特開2002−191680号公報、並びに特願2001−9570号、特願2001−135528号、特願2000−304126号、特願2001−166238号、特願2002−152676号及び特願2002−219747号には、紫外線照射を利用し、また振動攪拌装置を用いた滅菌装置又は滅菌方法が開示ないし提案されている。しかしながら、これらの方法や装置では、処理液が紫外線等の光の吸収率の高いもの即ち紫外線等の光の透過率の低いもの(例えば、牛乳、ジュース、酒類、汚濁排水、海水、血液等)である場合には、処理液の全体に対して殆ど効率的に紫外線照射を行うことができず、通常の攪拌手段を併用したとしても、実用上処理が困難である。
そこで、本発明は、消毒剤や殺菌剤等の薬品を用いることなしに、滅菌対象処理液や該滅菌対象処理液中に浸漬された滅菌対象処理物を短時間で十分に滅菌することが可能な滅菌装置及び滅菌方法を提供することを目的とするものである。特に、本発明は、処理液が紫外線などの光の透過率の低いものであっても、十分に短かい時間で滅菌処理することが可能な滅菌装置及び滅菌方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、又、そのような滅菌装置や滅菌方法において好適に使用される滅菌用振動攪拌装置を提供することをも目的とするものである。
発明の開示
本発明によれば、以上の如き目的を達成するものとして、
滅菌対象処理液を振動攪拌しながら該滅菌対象処理液及び/又は該滅菌対象処理液中に浸漬された滅菌対象処理物を滅菌するのに用いられる振動攪拌装置であって、
振動発生手段、該振動発生手段に連係して振動する少なくとも1つの振動伝達部材、及び該振動伝達部材に取り付けられた部材が備えられており、該振動伝達部材に取り付けられた部材は前記滅菌対象処理液中に浸漬される少なくとも1つの振動羽根を含んでおり、
前記振動伝達部材に取り付けられた部材のうちの少なくとも1つは前記滅菌対象処理液中に浸漬される光触媒活性の殺菌性材料からなる表面を有しており、該表面に前記滅菌対象処理液中にて光を照射する光照射手段が配置されており、該光照射手段は前記表面上に接近または密着して位置するように保持手段により保持された光出射部材を備えていることを特徴とする滅菌用振動攪拌装置、
が提供される。
本発明の一態様においては、前記光触媒活性の殺菌性材料からなる表面は前記振動羽根及び/または該振動羽根とは大きさの異なる補助羽根に形成されている。本発明の一態様においては、前記光触媒活性の殺菌性材料はTiO,SrTiO,ZnO,CdSe,GaAs,CdS,NiO,SnO,NbまたはWOである。例えば、WOについては、これを含む材料を用いて溶融、蒸着、めっき、無機塗装、化成処理、火焔処理を行って、振動羽根、補助羽根又は固定板の表面に光触媒活性を持つ層を形成する。
本発明の一態様においては、前記光出射部材は、光源(特に紫外線を発する光源)から発せられる光を導入し且つ前記表面上に接近または密着して前記表面に沿って延在する位置する複数の光ファイバからなり、該光ファイバの側面には前記表面の方へと光を出射させる漏光部が形成されている。本発明の一態様においては、前記光ファイバは、複数の石英系光ファイバ素線の集合体または石英ロッドからなり、直径が0.1〜5.0mmである。本発明の一態様においては、前記光出射部材は、前記表面上に接近または密着して前記表面に沿って延在する防水型密閉照明灯からなる。本発明の一態様においては、前記光ファイバ又は防水型密閉照明灯は1.0mm〜100mmの間隔で互いにほぼ平行になるように前記振動羽根に取り付けられている。本発明の一態様においては、前記保持手段は前記光ファイバ又は防水型密閉照明灯を部分的に押える押え部材と、該押え部材を前記振動羽根に固定する固定具とを含んでなる。本発明の一態様においては、前記固定具は接着剤層及び/またはビスを含んでなる。本発明の一態様においては、前記保持手段は前記振動伝達部材に取り付けられた部材から独立して配置されている。
本発明の一態様においては、前記光照射手段は紫外線を発するものである。本発明の一態様においては、前記光照射手段は近紫外線または殺菌線を発するものである。
本発明の一態様においては、前記振動発生手段は前記滅菌対象処理液中において前記振動羽根を振幅0.1mm〜15mmで振動数200回/分〜1000回/分で振動させるものである。本発明の一態様においては、前記振動発生手段は振動モータであり、該振動モータを周波数10〜200Hzで振動させるよう制御するインバータが備えられている。
また、本発明によれば、以上の如き目的を達成するものとして、
上記の滅菌用振動攪拌装置と、前記滅菌対象処理液を収容し且つ内部に前記滅菌用振動攪拌装置の振動羽根が配置される処理槽とを備えていることを特徴とする滅菌装置、
が提供される。
本発明の一態様においては、前記処理槽の内面及び/または前記処理槽内に配置される槽内配置部材の表面は光触媒活性の殺菌性材料からなり、前記処理槽の内面及び/または前記槽内配置部材の表面に光(特に紫外線)を照射する光照射手段を備えており、該光照射手段は前記表面上に接近または密着して位置するように保持手段により保持された光出射部材を備えており、該光出射部材は、光源から発せられる光を導入し且つ前記表面上に接近または密着して前記表面に沿って延在する位置する複数の光ファイバからなり該光ファイバの側面には前記表面の方へと光を出射させる漏光部が形成されているものであるか、或いは、前記表面上に接近または密着して前記表面に沿って延在する防水型密閉照明灯からなるものである。
また、本発明によれば、以上の如き目的を達成するものとして、
滅菌対象処理液を振動攪拌しながら該滅菌対象処理液及び/又は該滅菌対象処理液中に浸漬された滅菌対象処理物を滅菌する滅菌装置であって、
振動発生手段、該振動発生手段に連係して振動する少なくとも1つの振動伝達部材、及び該振動伝達部材に取り付けられた部材が備えられており、該振動伝達部材に取り付けられた部材は少なくとも1つの振動羽根を含んでいる振動攪拌装置と、前記滅菌対象処理液を収容し且つ内部に前記振動攪拌装置の振動羽根が配置される処理槽とが備えられており、
前記処理槽の内面及び/または前記処理槽内に配置される槽内配置部材の表面は光触媒活性の殺菌性材料からなり、前記処理槽の内面及び/または前記槽内配置部材の表面に光(特に紫外線)を照射する光照射手段を備えており、該光照射手段は前記表面上に接近または密着して位置するように保持手段により保持された光出射部材を備えており、該光出射部材は、光源から発せられる光を導入し且つ前記表面上に接近または密着して前記表面に沿って延在する位置する複数の光ファイバからなり該光ファイバの側面には前記表面の方へと光を出射させる漏光部が形成されているものであるか、或いは、前記表面上に接近または密着して前記表面に沿って延在する防水型密閉照明灯からなるものであり、
前記光ファイバに入射させる光を発する処理槽外配置の光源と該光源から発せられる光を前記光ファイバへと導くライトガイドとを備えているが、或いは、前記防水型密閉照明灯の処理槽外配置の電源及び該電源と前記防水型密閉照明灯とを接続する防水電線とを備えていることを特徴とする滅菌装置、
が提供される。
本発明の一態様においては、前記槽内配置部材は光触媒活性の殺菌性材料からなる表面を有する板材を複数含んでおり、該複数の板材は互いに平行に配置されており、前記槽内配置部材の表面上に接近または密着して位置する光出射部材は互いに隣接する前記板材どうしの間に挟まれて配置されている。本発明の一態様においては、前記処理槽の内面及び/または前記槽内配置部材の表面に光を照射する光照射手段は紫外線を発するものである。本発明の一態様においては、前記処理槽の内面及び/または前記槽内配置部材の表面に光を照射する光照射手段は近紫外線または殺菌線を発するものである。
本発明の一態様においては、前記処理槽内にて前記滅菌対象処理物を保持又は収容する保持・収容手段が備えられている。本発明の一態様においては、前記保持・収容手段を運動させるための駆動手段が備えられている。
また、本発明によれば、以上の如き目的を達成するものとして、
上記の滅菌用振動攪拌装置の前記振動羽根を処理槽に収容された前記滅菌対象処理液中に浸漬し、
前記光照射手段により光照射して前記殺菌性材料を活性化し、前記振動発生手段により前記振動羽根を振動させて前記滅菌対象処理液を振動攪拌し、これにより前記滅菌対象処理液及び/又は該滅菌対象処理液中に浸漬された滅菌対象処理物を滅菌することを特徴とする滅菌方法、
が提供される。
本発明の一態様においては、前記処理槽の内面及び/または前記処理槽内に配置される槽内配置部材の表面を光触媒活性の殺菌性材料から形成しておき、前記処理槽の内面及び/または前記槽内配置部材の表面に光を照射する光照射手段を配置しておき、前記処理槽の内面及び/または前記槽内配置部材の表面に光を照射する光照射手段により光照射して前記処理槽の内面及び/または前記槽内配置部材の表面の前記殺菌性材料を活性化する。
また、本発明によれば、以上の如き目的を達成するものとして、
滅菌対象処理液を振動攪拌しながら該滅菌対象処理液及び/又は該滅菌対象処理液中に浸漬された滅菌対象処理物を滅菌する滅菌方法であって、
振動発生手段、該振動発生手段に連係して振動する少なくとも1つの振動伝達部材、及び該振動伝達部材に取り付けられた少なくとも1つの振動羽根が備えられている振動攪拌装置の前記振動羽根を処理槽に収容された前記滅菌対象処理液中に浸漬し、
前記処理槽の内面及び/または前記処理槽内に配置される槽内配置部材の表面を光触媒活性の殺菌性材料から形成しておき、前記処理槽の内面及び/または前記槽内配置部材の表面に光(特に紫外線)を照射する光照射手段を配置しておき、
前記光照射手段により光照射して前記殺菌性材料を活性化し、前記振動発生手段により前記振動羽根を振動させて前記滅菌対象処理液を振動攪拌し、これにより前記滅菌対象処理液を滅菌することを特徴とする滅菌方法、
が提供される。
本発明の一態様においては、前記光照射手段により紫外線を照射する。本発明の一態様においては、前記光照射手段により近紫外線または殺菌線を照射する。本発明の一態様においては、前記処理液が低光透過率のものである。本発明の一態様においては、前記処理液は血液であり、該血液を前記処理槽の内外で循環させながら滅菌処理を行ってウィルスを不活性化させる。
また、本発明によれば、処理液中に配置され光触媒で処理された振動羽根、振動補助羽根及び/又は固定板を、それに対して近接又は接着させた防水型密閉照明灯又は光ファイバーから紫外線を照射することで活性化させ、振動撹拌手段で前記処理液を振動流動させ、更に前記振動羽根、振動補助羽根及び/又は固定板に直流電気を流して、殺菌効果を持続させるようにしたことを特徴とする滅菌装置及び滅菌方法が提供される。
本発明でいう「滅菌」は、必ずしも滅菌対象処理液に含まれる菌や滅菌対象処理物に付着せる菌を全て又は完全に死滅させることのみを意味するものではなく、菌の増殖を抑止し、菌数を有意義な程度に低減させることをも含む意味である。
発明を実施するための最良の形態
以下、図面を参照しながら本発明の具体的な実施の形態を説明する。尚、図面において、同様な機能を有する部材又は部分には同一の符号が付されている。
図1及び図2は本発明による滅菌方法の実施される本発明の滅菌装置の一実施形態を示す概略断面図であり、図3はその概略平面図である。
これらの図において、12は処理槽であり、該処理槽には滅菌対象処理液14が収容されている。滅菌対象処理液14は、処理槽12内にて後述のような滅菌処理を受ける。滅菌対象処理液14は、処理槽12内に所要の量だけ収容された状態でバッチ式にて滅菌処理されてもよいし、あるいは処理槽12に付設された不図示の処理液入口から連続的に供給されて連続的に滅菌処理され処理槽12に付設された不図示の処理液出口から連続的に排出されてもよい。この場合、処理槽12と不図示の大型タンクとの間を配管により接続し、これら処理槽12と大型タンクとの間で処理液を循環させながら、滅菌処理することができる。
16は振動攪拌装置である。この振動攪拌装置16は、本発明の振動攪拌装置の一実施形態に相当する。振動攪拌装置16は、処理槽12に防振ゴムを介して取り付けられた基台16a、該基台に下端を固定された振動吸収部材としてのコイルバネ16b、該コイルバネの上端に固定された振動部材16c、該振動部材に取り付けられた振動発生手段としての振動モータ16d、振動部材16cに上端を取り付けられた振動伝達部材としての振動伝達ロッド16e、該振動伝達ロッドの下半部において処理液14に浸漬する位置に取りつけられた振動羽根16fを有する。コイルバネ16b内には、後述の図16及び図17に示されているように、基台16a側に固定された上下方向棒状の下側ガイド部材と振動部材16c側に固定された上下方向棒状の上側ガイド部材とをそれらの間に適宜の間隔をおいて配置することにより、これらをガイド部材として利用して、コイルバネ16bの変形に際しての上下方向に対する曲りの発生を防止して上下方向にのみ伸縮させるようにすることができる。
本発明では、振動発生手段として、振動モータ(電気モータの他、マグネットモータやエアーモータ等であってもよい)の他に、電磁マグネットやエアーガン等を使用することも可能である。また、振動モータは、処理槽上に配置される他に、処理槽側壁または硬い床面の上に置かれた架台の上にセットされる。処理槽の厚みが薄く(例えば処理槽がステンレス製の場合には5mm以下)処理液の振動によりタンク側壁や床面に振動が伝わる様な場合には、処理槽外に架台を設置することが好ましい。処理槽の側壁にバンドを締めるようにして補強部材を付設し、そこに振動発生手段を設置することができる。
振動モータ16dは、電源36からインバータ35を介して電力を供給することで、該インバータ35による制御で10〜200Hz、好ましくは20〜60Hz、更に好ましくは30〜50Hzで振動する。振動モータ16dで発生した振動は、振動部材16c及び振動伝達ロッド16eを介して振動羽根16fに伝達される。振動羽根16fは、処理液14中で所要の振動数で先端縁が振動する。この振動は、振動羽根16fが振動伝達ロッド16eへの取り付け部分から先端縁へと「しなる」ように発生する。この振動の振幅及び振動数は、振動モータ16dのものと必ずしも一致するとは限らず、振動伝達経路の機械・力学的特性及び処理液14との相互作用の特性等に応じて決まり、本発明では、振幅0.1〜15.0mm(例えば0.1〜10mm)で振動数200〜1000回/分(例えば200〜800回/分)とするのが好ましい。
図4は振動部材16cへの振動伝達ロッド16eの取り付け部の拡大断面図である。振動伝達ロッド16eの上端に形成されたオネジ部に、振動部材16cの上下両側から振動応力分散部材16g1,16g2及びワッシャ16h1,16h2を介してナット16i1,16i2;16i3,16i4を適合させている。振動応力分散部材16g1,16g2は、例えば固い天然ゴム、固い合成ゴム、合成樹脂等のショアA硬度80〜120、好ましくは90〜100の硬質弾性体により構成することができる。特に、ショアA硬度90〜100の硬質ウレタンゴムが耐久性及び耐薬品性の点で好ましい。
図5は振動伝達ロッド16eへの振動羽根16fの取り付け部の拡大断面図である(但し、この図では振動羽根16fが7つ使用されている形態が示されている)。7つの振動羽根16fの各々の上下両側には、振動羽根固定部材16jが配置されている。隣接する振動羽根16fどうしの間には固定部材16jを介して振動羽根16fの間隔設定のためのスペーサリング16kが配置されている。最上部の振動羽根16fの上側及び最下部の振動羽根16fの下側には、必要に応じてスペーサリング16kを介して(図1及び図2参照)振動伝達ロッド16eに形成されたオネジに適合するナット16mが配置されている。
図6は振動伝達ロッド16eへの振動羽根16fの取り付け部の変形例を示す図である。この変形例では、各振動羽根16fを上側及び下側のナット16nにより個別に振動伝達ロッド16eへ取り付けている。尚、振動羽根16fと固定部材16jとの間にフッ素系樹脂やフッ素系ゴムなどからなる弾性部材シート16pを介在させることで、振動羽根16fの破損を防止することができる。図示されているように、上側の固定部材16jの下面(押圧面)は凸円筒円とされており、下側の固定部材16jの上面(押圧面)は対応する凹円筒円とされている。これにより、固定部材16jにより上下方向から押圧される振動羽根16fの部分は湾曲せしめられ、振動羽根16fの先端部は水平面に対して角度αをなしている。この角度αは、例えば−30°以上30°以下好ましくは−20°以上20°以下とすることができる。特に、角度αは、−30°以上−5°以下または5°以上30°以下、好ましくは−20°以上−10°以下または10°以上20°以下とするのが好ましい。固定部材16jの押圧面を平面とした場合には、角度αは0°である。角度αは、全ての振動羽根16fについて同一である必要はなく、例えば図1に示されているように、下方の1〜2枚の振動羽根16fについては−の値(即ち下向き:図6に示されるものと逆向き)とし、それ以外の振動羽根16fについては+の値(即ち上向き:図6に示される向き)とすることができる。
振動羽根16fは、弾力性のある金属板や合成樹脂板やゴム板を基材として用いることができる。金属板としては、チタン、アルミニウム、銅、鉄鋼、ステンレス鋼、磁性鋼等の磁性金属、あるいはこれらの材料の合金等からなる板が使用できる。合成樹脂板としては、ポリカーボネート、塩化ビニル系樹脂、ポリプロピレン等からなる板が使用できる。これら基材の表面に光触媒活性の殺菌性材料である金属化合物を生成することができる。基材がプラスチックからなる場合には、表面に金属めっき層を付加し、このめっき層中に酸化チタン粒子を分散含有させることができる。振動羽根16fの厚みは、振動モータ16dの作動時に、振動羽根16fの先端縁部分がフラッター現象(波打つような状態)を呈するように設定される。振動羽根16fの厚みは、例えば基材が金属板の場合は0.2〜2.0mmとすることができ、例えば基材が合成樹脂板やゴム板の場合は0.5〜10mmとすることができる。
振動羽根16fは、光触媒活性の殺菌性材料からなる表面(光触媒活性の殺菌性材料を含む表面をも包含する)を有している。殺菌性材料としては、紫外線照射により活性化されるTiO,SrTiO,ZnO,CdSe,GaAs,CdS,NiO,SnO,NbまたはWOが例示される。中でも、アナターゼ型のTiOが良好な殺菌活性を示すので、特に好ましい。このアナターゼ型のTiOの層はチタン板を陽極酸化処理することで得られる。また、紫外線照射により活性化されるTiO等に感光補助剤を加えて紫外線以外の光の照射により活性化することも可能である。WOについては、これを含む材料を用いて溶融、蒸着、めっき、無機塗装、化成処理、火焔処理を行って、振動羽根、補助羽根又は固定板の表面に光触媒活性を持つ層を形成すればよい。
ステンレス板上にアナターゼ型酸化チタンの微粒子を含むNiめっき(固形分散粒子を含むめっき)を行なったり、酸化チタン膜を真空蒸着で付着させたり、蒸着めっきで無機質酸化チタン含有被膜を形成させることができる。いずれも薄膜形成でアナターゼ型酸化チタンを作る。
また、振動羽根とその固定部材とを例えばプラスチックスを用いて一体成形により製造することも可能である。この場合は、振動羽根と固定部材とを別々に使用する場合に比べて、その接合部分に処理液が浸入固着し洗浄に手間がかかるというような欠点を回避することができる。また、振動羽根と固定部材とを一体化したことにより、これらの間での段差が生じないようにすることができる。このため、応力集中を避けることができ、振動羽根の寿命を大幅に延長することができる。
図7は振動羽根16fの詳細を固定部材16jとともに示す平面図である。振動羽根16fは、その表面に光を照射する光照射手段を備えている。該光照射手段は、図1及び図2に示されている紫外線源(UV光源:紫外線照射装置)51から発せられ、ライトガイドとしての光ファイババンドル52を通り、可撓性及び防水性のコネクタ55を介してそれぞれ供給される光を導入する複数の光ファイバ53を備えている(図7)。各光ファイバ53は、殺菌性材料からなる表面に沿って、互いに平行に延在するように保持手段としての固定手段54により部分的(図では3か所)に殺菌性材料からなる表面に取り付けられて位置が保持されている。図では振動羽根16fの片面上に光ファイバ53が付されている状態が示されているが、本発明では、振動羽根16fのもう一方の面上にも同様にして光ファイバ53を付することができ、これにより更に大きな滅菌効果を得ることができる。
光ファイバ53としては、好ましくは石英系光ファイバが用いられ、その直径は例えば0.1〜5.0mmである。光ファイバ53は、例えば1.0mm〜100mmの間隔で互いにほぼ平行になるように振動羽根16fの表面に取り付けられている。なお、本発明では、「光ファイバ」は、光ファイバ素線(例えば直径0.1mm〜0.3mm程度の石英系光ファイバ素線)からなるものであってもよいし、該光ファイバ素線を複数本束ねた集合体からなる屈曲性良好なものであってもよいし、あるいは比較的大径の透光性ロッド(例えば直径2〜5mmの石英ロッド)からなるであってもよい。また、光ファイバは石英系光ファイバに限定されるものではなく、プラスチック系光ファイバや複合ガラス系光ファイバであってもよい。
図8は固定手段54による振動羽根16fへの光ファイバ53の固定状態を示す部分断面図である。固定手段54は、図8に示されているように、光ファイバ53(図では1本の石英ロッドからなるものが示されているが、石英系光ファイバ素線の集合体であってもよい)を部分的に押える押え部材を構成する細長い可撓性シート(例えばテフロンシート)58と、該シートを振動羽根16fに固定する固定具としてのビス59とを含んでいる。尚、固定具としては、図8に示されているように、固定をより強固にするために、シート58と振動羽根16fとの間及び光ファイバ53と振動羽根16との間に接着剤層(粘着剤層)57を介在させて、これらの間を接合させることができる。
図9は、光源51から光ファイバ53までの光の導入経路を示す模式図である。光源51には、使用される光ファイバ53に対応する数の光ファイババンドル52が接続されている。各光ファイババンドル52の先端(光出射端)は上記光ファイバ53の光入射端と対向配置されており、これらは防水性のチューブ状のコネクタ55により接続されており、光ファイババンドル52の光出射端から出射した光が光ファイバ53の光入射端に入射するようになっている。コネクタ55は、処理液14内に浸漬されるが、防水性を有するので内部に処理液が浸入することはない。また、コネクタ55が可撓性を有する場合には、振動羽根16fの振動にともなう光ファイバ53の振動を吸収し、光ファイババンドル52へと振動が伝達するのを阻止することができ、光ファイババンドル52の長寿命化が可能である。
尚、図9では光ファイバ53の光入射端が振動羽根16fの外側に位置している例が示されているが、本発明においては、図29に示されているように、コネクタ55を用いての光ファイバ53の光入射端と光ファイババンドル52の光出射端との接続を振動羽根16f上にて行ってもよい。
また、本発明においては、各光ファイバ53に対応する光ファイババンドル52を、それぞれ光源に直接接続することなく、各振動羽根16fに取り付けられている複数の光ファイバ53に接続されている光ファイババンドル52又は複数の振動羽根16fに取り付けられている複数の光ファイバ53に接続されている光ファイババンドル52を処理槽12の外において一旦まとめて大径の光ファイババンドルの形態となし、その光入射端を光源51に接続するようにしてもよい。即ち、ライトガイドとして、処理槽外において光ファイバ53の数に対応した数に分岐する分岐部を有するものを使用することができる。
図10は光ファイバ53を示す部分側面図であり、図11はその長手方向と直交する断面図である。光ファイバ53には、導入された光を側面から殺菌性材料からなる表面の方へと漏光させる漏光部56が形成されている。該漏光部56は、光ファイバ53の下半部の表面をサンドブラスト等のブラスト処理で荒らす(粗面にする)ことにより、形成することができる。即ち、光ファイバ53に導入された光は、下半部側面の粗面により散乱され矢印で示されるように、下方へと漏光される。
図12〜図15は振動羽根16f及びそれに対する光ファイバ53の取り付け状態を示す模式図である。光ファイバ53は、振動羽根16fの振動伝達ロッド16eに対する取付位置から振動羽根16fの先端の方向に対してほぼ直交する向きに配置されている。これにより、振動羽根の振動による光ファイバ53の屈曲を低減することができ、光ファイバ53の折損が少なくなる。
以上のような振動攪拌装置16は、光源51からの光を光ファイババンドル52を経て光ファイバ53へと導き振動羽根16fの表面に照射すること及び該表面として光触媒活性の殺菌性材料を使用することを除いて、以下の文献(これらは本発明者の発明に係る特許出願に関するものである)及び本出願人による特許出願である特願平8−220391、特願平9−137927、特願平10−76702、特願2000−9540、特願2001−135528、特願2001−271189に記載されているようなものを使用することが可能である:
特開平3−275130号公報(特許第1941498号),
特開平6−220697号公報(特許第2707530号),
特開平6−312124号公報(特許第2762388号),
特開平8−281272号公報(特許第2767771号),
特開平8−173785号公報(特許第2852878号)
特開平7−126896号公報(特許第2911350号),
特開平9−40482号公報(特許第2911393号),
特開平11−189880号公報(特許第2988624号),
特開平7−54192号公報(特許第2989440号),
特開平6−330395号公報(特許第2992177号),
特開平6−287799号公報(特許第3035114号),
特開平6−280035号公報,
特開平6−304461号公報,
特開平10−43569号公報,
特開平10−369453号公報,
特開平11−253782号公報,
特開2000−317295号公報。
振動羽根16fの表面に形成されるアナターゼ型のTiOからなる表面層の厚さは、特に制限されないが、例えば1〜20μm程度である。このようなアナターゼ型のTiO層はチタン板の陽極酸化処理により形成することができ、且つ得られたアナターゼ型のTiO層の光触媒活性による殺菌性として十分なものが得られる。
光源51としては、紫外線をも発する昼光蛍光灯を含むが、好ましくは近紫外線や殺菌線を発するものが用いられ、特にJISで規定されている波長315〜400nmのもの(UV−A)、波長280〜315nmのもの(UV−B)、波長100〜280nmのもの(UV−C)を用いることができる。なかでも、UV−Aまたは主波長300〜400nmの近紫外線が、取扱が容易で人体に対する害が低いことから好ましい。アナターゼ型のTiOの活性化のためには、特に光が外部に漏れる場合には、人体に対する害が低いことから、近紫外線が有効である。
このような光源51の具体例としては、超高圧水銀ランプを用いた株式会社モリテックス製の紫外線照射装置MUV−250U−L;MUV−351などを使用することができる。但し、人体に対して害が及ばないような対処をすれば、殺菌灯を使用することも可能である。光源51としては、更に、メタルハライドランプ、水銀キセノンランプなどを使用することができる。
紫外線照射のための光源である照射灯を以下に例示する:
水素放電管:1680〜5000オングストロームの連続スペクトル
キセノン放電管:2400〜12000オングストロームの連続スペクトルと遠赤外線スペクトル
水銀ランプ:水銀の輝線スペクトル(2000〜3000オングストローム)
超高圧水銀灯:2000〜3000オングストロームの連続スペクトル
殺菌灯:水銀の輝線スペクトル(2000〜3000オングストローム)
蛍光健康灯:約2900オングストロームと水銀の輝線スペクトル(2000〜3000オングストローム)
ブラックライトランプ:約3600オングストロームの蛍光線と水銀輝線スペクトル
高圧C紫外線灯:高出力広帯域でUVエネルギー効率が極めて高い。
光ファイババンドル52は、例えばコア径200μm、光硬化型アクリル系樹脂被膜からなるクラッド厚4μmの石英系光ファイバを適宜の数(例えば10〜50本)束ねたものを使用することができる。分岐前の大径の光ファイババンドルとしては、石英系光ファイバを例えば200〜1000本束ねたものが例示される。
光ファイバ53としては、単一のものでなくともよく、複数の光ファイバ素線を束ねた集合体からなるものを用いることも可能である。この集合体は、屈曲性を有しており、振動羽根と共に振動する場合においても折損しにくい。この光ファイバ素線の集合体の場合には、各光ファイバ素線の側面(全面であってもよい)のクラッド層を除去するように粗面にしたり化学薬品で化学処理することで、漏光部を形成することができる。樹脂被覆を除去することはもちろんである。図26〜28は、複数の光ファイバ素線からなる光ファイバ53を振動羽根16fへ固定した状態を示す。図26では、光ファイバ53の複数の光ファイバ素線は断面がほぼ円形状となるように束ねられている。図27では、光ファイバ53の複数の光ファイバ素線は平板状をなすように配列されている。これらの例においては、図8の場合と同様に、シート58を振動羽根16fに固定するために更にビスを用いてもよい。ビスを用いる場合には、接着剤層57を省略してもよい。図28では、光ファイバ53の複数の光ファイバ素線は平板状となるように配列されており、これらの振動羽根16fへの固定は接着剤層57のみによりなされている。
なお、光ファイバ53が光ファイバ素線またはその集合体からなる場合には、光ファイババンドル52またはその分岐したものを光ファイバ53として使用することができる。この場合には、光ファイバ53として使用する部分には漏光部が形成され、コネクタ55は不要となる。
振動羽根16fの表面に形成される紫外線照射により活性化されるTiOとしては酸素欠乏型のものを使用することにより、照射光として紫外線以外の例えば通常電灯や蛍光灯や青色発光ダイオードなどから発せられる光を用いて光触媒活性による殺菌性を得ることができる。
また、光触媒活性の殺菌性材料としては、TiOなどの微粒子を含む複合電気メッキ(コンポジットメッキ)により得たものを使用することができる。例えば、TiO微粒子を含むZnSO−NiSOの混合浴を用いて鋼板上に複合電気メッキを行うことで、Zn−Ni−TiO系複合電気メッキ被膜を形成することができる。この場合、メッキ浴中にNHNOを添加することで、TiO共析量が著しく増加することがわかった。NHNOの添加量は例えば1.5g/リットルであり、TiOの添加量は例えば150g/リットルであり、電流密度は例えば50A/dmである。
TiO粒子径は、表面積を大きくして良好な殺菌力を得るために小さい方が好ましく、例えば5μm以下である。TiO粒子等と共にAg粒子を用いて得られた表面層の場合には、照射光として紫外線のみではなく可視光を照射して殺菌性を得ることができる。更に、TiOの表面層はコーティングにより形成することも可能である。更に、TiOの表面にAgまたはCuなどの殺菌性金属をコーティングすることで、光を照射しない時にはAgまたはCuなどの殺菌性金属による殺菌力を得、光照射時にはこれらと共にTiOによる殺菌力をも得るようにすることができる。
光触媒活性の殺菌性材料からなる表面は、Ag,Pd,Au,Pt,Ni,Cu,Zn,Sb,Mg,Sn,Pb,Al等の金属、これらの合金(例えば真鍮)、またはこれらの金属と他の金属との合金(殺菌性ステンレスを含む)の表面に形成することができる。また、殺菌性材料からなる金属化合物としての酸化チタン、酸化亜鉛、酸化銀等の金属酸化物は、金属層の表面を陽極酸化等の手段で金属酸化物の層とすることができる。これにより、非常に微細な凹凸のある金属酸化物の層が得られる。
前記殺菌性の金属または殺菌性の金属酸化物等の金属化合物よりなる表面層の形成は振動羽根または振動羽根用固定部材の基材の上に、前記殺菌性の金属またはその合金を用いてめっきするか、あるいはこれら金属成分を含有する粒子または殺菌性の金属化合物(金属酸化物など)と光触媒活性の金属粒子とのコンポジットめっきにより達成することができる。表面層の厚みは特に制限されないが1〜20μm程度で十分である。また、必要に応じて振動羽根全体に殺菌性金属を用いることもできるし、任意の金属中に殺菌性の金属粒子を分散させたものを用いることもできる。
本発明においては、殺菌性の金属の代わりに殺菌性の金属化合物(例えば金属酸化物)を用いることができる。殺菌性の金属酸化物としては、TiOやZnOなど、特にアナターゼ型TiOを挙げることができる。粒子の大きさに特に制約はないが、微粒子ほど表面積が大きくなるから好都合であり、5μm以下が好ましい。このような殺菌性の金属化合物(例えば金属酸化物)の微粒子をコンポジットめっきすることにより、振動羽根の表面に層を形成する。この表面層の厚みには制限がなく、例えば1〜20μmである。
振動羽根、振動羽根用固体部材及びその付属部品である、ストッパーリング、ボルト、ナット等に磁力を発生するものを使用すると、処理液たとえば水が活性化されるとともに菌の増殖を抑止することができる。この処理水を用いて洗濯すると、洗剤の使用量を1/5程度に低減することができるほど水が活性化される。
振動羽根、振動羽根用固体部材及びその付属部品である、ストッパーリング、ボルト、ナット等に磁力を発生させるようにするためには、あらゆる磁力発生手段を採用することができる。永久磁石(硬磁性材料)を用いることもできるし、電磁石を用いることもできる。硬磁性材料としては、フェライト磁性材料、希土類磁性材料、磁性鋼等があり、具体的には、アルニコ磁石、サマリウムコバルト磁石、ネオジウム磁石、鉄磁石、ホウ素磁石などを挙げることができる。また、軟磁性材料の場合には、該材料のまわりにコイルを巻き、これに電流を流して電磁石の原理により軟磁性材料に、その都度必要な磁力を与えた後に、使用することもできる。軟磁性材料としては、軟鉄、ケイ素鋼、パーマロイなどを挙げることができる。前記電磁石の原理で磁性を付与するに際しては、極性を、(1)プラスからマイナスに、(2)マイナスからプラスに、(3)すべてをマイナスに、(4)すべてをプラスに、あるいは(5)例えば、特定の振動羽根はプラスに且つ他の特定の振動羽根はマイナスに、といったように選択的にプラスとマイナスとを与えることができる。これらの磁性材料としては、実公昭53−21438号公報記載の可撓性薄板磁石を使用することもできる。磁力の強さは500エルステッド以上であることが好ましい。
これらの磁性材料は、特に振動羽根用固定部材及びそれらの付属部品であるストッパーリング、ボルト、ナットなどに使用することが好ましい。
これにより、大腸菌、O−157、サルモネラ菌、連鎖球菌を極めて有効に捕捉することができる。
本発明で使用する振動羽根や振動羽根用固定部材の基材は前述のような磁性材料でもよいが、磁性ゴムを振動羽根や振動羽根用固定部材等に貼り付けて使用することもできる。磁性材料を必要としない場合には、金属材料やプラスチックス材料を使用することができる。また、これらの材料中に磁性粉体例えば希土類磁性粉体を含有させることもできる。
殺菌性の金属や殺菌性の金属化合物(例えば金属化合物)による表面層の形成は、通常のめっき方法あるいは殺菌性の金属含有粒子や殺菌性の金属化合物(例えば金属化合物)粒子を用いたコンポジットめっき方法を用いて行なうことができる。
このような表面層は、金属製の振動羽根や固定部材の基材上のみでなく合成樹脂(プラスチックス)製またはゴム製の基材上に形成することもできる。プラスチックス製の基材上に形成する場合には、予め基材上に密着性向上のための下地処理をしてから、銀等のコンポジットめっきを行なうことができる。
本発明において、殺菌性材料として金属、合金または酸化物を使用する場合、とくに酸化チタンや酸化マンガンのように光触媒機能を持つものを使用する場合には、紫外線照射量が少なくとも一層殺菌能力を向上させることができる。また、撹拌手段の一部に殺菌性材料としての金属、合金または酸化物を用いる場合には、それに石英ファイバで直接紫外線を照射することが好ましい。例えば、振動羽用固定部材の表面にAgを含有するTiO膜を持つものの場合には、これに効率よく紫外線を照射することが好ましい。
殺菌性材料としてTiOやZnOのような光触媒系の金属酸化物を用いる場合には、処理槽外に紫外線ランプを設置し、石英ファイバにより振動羽根等の表面の殺菌性材料からなる表面に極近い位置から紫外線が照射されるようにし、処理時間の短縮及び長時間の活性化状態維持を実現することができる。
本発明において、滅菌処理の対象となる処理液14は、例えば水道水、井戸水、雨水、プールの水、河川水、海水及び処理排水などの各種の水、牛乳、酒及びジュースなどの飲料、あるいは細菌などで汚染されている各種の有機溶剤または無機物又は有機物の粒子を含む液体、ウィルスにより汚染されている血液などの体液を挙げることができる。
本発明においては、光源51から発せられる紫外線などの光を光ファイバ53から振動羽根16fの光触媒活性の殺菌性材料からなる表面に極く近接した位置から照射するので、処理液14が牛乳、ジュース、海水、血液及び汚濁排液その他の光透過率の低い液体(例えば牛乳の場合には紫外線透過率が10%/2cm以下)であっても、振動羽根16fの表面には十分に光が到達するので、殺菌性材料に活性を付与することができ、殺菌性材料の殺菌力は良好に維持される。従って、振動攪拌装置16を作動させて処理液12を振動攪拌することで、処理液12は振動羽根の表面の光触媒活性の付与された殺菌性材料と十分に高い接触の機会が与えられ、これにより処理液14の全体を迅速且つ良好に滅菌処理することができる。
この様な作用を良好に得るためには、処理液14の振動流動の3次元平均流速が20mm/秒以上であるのが好ましい。このような3次元流速は、処理液14を振動流動させることによって効果的に実現されるものであり、通常の攪拌によっては実現困難であり実現するにしても極めて大規模な装置構成が必要となる不利がある。
また、本発明において、滅菌処理の対象となる処理物としては、格別の制限はないが、例えば、飲食器、飲食品製造用部品、飲食品用または医療用の各種の容器、手術用具などの医療用器具、衣類、寝具、小間物、化粧用具、野菜又は果物などの食品を挙げることができる。
滅菌対象処理物を滅菌処理する場合には、図1及び図3において破線で示されているように、処理液14として例えば水を収容した処理槽12内に、滅菌対象処理物の保持・収容手段として多くの孔を有する籠40を配置し、その中に滅菌対象処理物を保持・収容する。籠40には駆動手段を構成する駆動回転軸41が付されており、該回転軸は駆動手段を構成する不図示の駆動モータから伝達される回転力により回転中心Cの周りに回転せしめられる。これにより、滅菌対象処理物と処理液14との接触の機会が高められ、滅菌対象処理物から処理液14へと迅速に菌が流出する。
滅菌対象処理物は、その大小にかかわらず、適宜の手段で揺動や回転を与えてやると一層処理液との接触の機会が増大し均一化するので好ましい。処理物が大きい場合には、それ自体を吊り下げる吊り下げ具を揺動させたり、回転させたりすることができる。また、処理物が小物の場合には、籠などの多孔容器に入れて、必要により容器に固定した上で、容器を振動させたり、回転したりすることができる。前記多孔容器は、例えばプラスチックや金属での板に所望の孔をあけて作ることができる。また、側壁に対する開孔面積の割合を高くしたい時には金網製の側壁とするが、樹脂被覆された金属製の側壁とすることもできる。側壁に対する開孔面積の割合は、例えば10〜98%とすることができる。容器に設ける多数の孔は、容器内に収容して処理を受ける滅菌対象処理物の大きさや形状に合わせて、最も処理効率の高い形状と孔の数とを選択する。開孔率は、側壁面積に対して20%以上が好ましい。これ以下では、処理効率が低下する傾向にある。また、この容器の水平断面の形状は円形でも多角形でもよい。本発明では、振動撹拌装置を用いて処理液を振動撹拌させるので、孔径が小さいものであっても、目詰まりが生じにくく、処理液の流通が極めて良いという利点がある。
揺動は、揺動幅10〜100mm、好ましくは20〜60mmの振幅で、1分間に10〜60回程度の揺動回数になるような状態でゆっくりと動かすことを意味している。回転を与える場合も1分間に10〜60回程度の回転数で十分良好な滅菌効果を得ることができる。
本発明においては、振動攪拌装置16による振動攪拌により処理液14は籠40の孔を十分に通過でき、これにより滅菌対象処理物から処理液14へと流出した菌は迅速に振動羽根16fに到来し、上記のようにして良好に滅菌処理がなされる。その結果として、滅菌対象処理物の滅菌がなされる。
滅菌対象処理物は必ずしも籠内に収容する必要はなく、処理槽12内に静置したり、適宜の保持手段により吊したりすることができる。
本発明においては、処理槽に取り付けた滅菌用振動撹拌装置を一方の極とし、処理槽自体または処理槽内の処理液に浸漬された導電体を他方の極とし、これら対をなす極の間に定電流装置により微弱電流を流すことができ、これによる殺菌効果も得られる。前記他方の極となる導電体としては、もう1つの滅菌用振動撹拌装置特にその振動伝達ロッドであってもよい。前記微弱電流は、例えば10〜100mA、好ましくは20〜80mA、特に好ましくは30〜70mAであり、印加電圧は、例えば1〜8V、好ましくは2〜6V、特に好ましくは2〜4Vである。
本発明において、殺菌又は滅菌の対象となる菌としては、特に制限されないが、例えば大腸菌群(大腸菌、病原性大腸菌O−157)、サルモネラ菌、腸炎ビブリオ菌、カンピロバクター、エルシニア菌、ウェルシュ菌、ナグビブリオ菌、腸球菌、緑膿菌、セパシア菌、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、肺炎(レンサ)球菌、セラチア菌、プラテウス菌、エンテロバクター属菌、シトロバクター属菌、エンテロコッカス属菌、クレブシエラ属菌、バクテロイデス属菌、レジオネラ属菌、マイコバクテリウム属菌、ニューモシスチス・カリニ、真菌、病原ウィルスが挙げられ、これにに対して有効な殺菌性が得られる。
図1〜図3では、1つの振動攪拌装置16のみが示されているが、本発明では2つ以上の振動攪拌装置を1つの処理槽12に配置することができる。複数の振動攪拌装置を同時に作動させることで殺菌効率を向上させることができる。
図16及び図17は、それぞれ本発明による滅菌方法の実施される本発明の滅菌装置の更に別の実施形態を示す概略断面図である。これらの図では、振動攪拌装置16の構造が主として示されている。但し、これらの実施形態では、上記の実施形態で示されている光源51から発せられる紫外線などの光を光ファイバ53から振動羽根16fの光触媒活性の殺菌性材料からなる表面に極く近接した位置(接近または密着した位置)から照射する構成に関しては、図示を省略しているが、実際には同様な構成を有する。
これらの実施形態では、基台16a側に固定された上下方向棒状の下側ガイド部材145と振動部材16c側に固定された上下方向棒状の上側ガイド部材144とをそれらの間に適宜の間隔をおいて配置しており、これらをガイド部材として利用して、コイルバネ16bの変形に際しての上下方向に対する曲りの発生を防止して上下方向にのみ伸縮させるようにしている。また、振動部材16cと振動伝達ロッド16eとの結合部分111は、図4に示されたような構成を有する。
これらの実施形態では、振動羽根16fは水平(即ち、図6に示される角度αが0度)であり、この様な振動羽根は磁性材料を用いて振動羽根を構成する場合に好適であり、経済性が良好である。
図16の実施形態では、振動伝達ロッドが単軸である。また、図17の実施形態では、振動モータ16dは、振動部材16c上にロッド部材を介して取り付けられた補助振動部材16c’の下面に吊り下げ固定されている。
図18は、本発明による滅菌方法の実施される本発明の滅菌装置の更に別の実施形態を示す一部切欠斜視図である。この図では、振動攪拌装置の構造が主として示されている。但し、これらの実施形態では、上記の実施形態で示されている光源51から発せられる紫外線などの光を光ファイバ53から振動羽根16fの光触媒活性の殺菌性材料からなる表面に極く近接した位置(接近または密着した位置)から照射する構成に関しては、図示を省略しているが、実際には同様な構成を有する。
本実施形態では、振動攪拌装置は、処理槽12とは独立した架台71上に、防振ゴムなどの振動吸収部材を介して配置された振動枠72と、該振動枠に取り付けられた振動モータ16dと、振動枠72に取り付けられた振動伝達部材16eと、該振動伝達部材に両端を取り付けられた振動羽根16fとを有する。振動モータ16dには、インバータ35から所要の電流が供給される。図18には振動モータ16dが1つのみ示されているが、振動枠72の反対側の位置にも振動モータを取り付けることができる。尚、処理槽12内にはヒータ73を配置することができ、インバータ35と共通のスタンドに不図示の経路でヒータ73と接続された温度調節機器74を取り付けることができる。この装置では、多段配列の振動羽根16fの組が2つ設けられており、これら2つの組どうしを互いに近接して配置することが可能である。これにより一層激しい振動攪拌を行うことができ、滅菌効率が向上する。
図32及び図33は、図18の実施形態の小型化をはかった実施形態の縦断面図を示すものである。本実施形態では、振動モータ16dは補助振動部材16c’に取り付けられており、該補助振動部材16c’に振動枠72が取り付けられている。振動モータ16dの振動は、補助振動部材16c’及び振動枠72を経て振動伝達ロッド16eに伝達される。本実施形態は、後述の図19〜23に関し説明するのと類似の形態にて、処理槽12を容易に蓋により覆うことができ、これにより処理槽12内の処理液14から揮散するガスや飛散する処理液が周囲へと漏れるのを防止することができる。
図19及び図20は本発明による滅菌方法の実施される本発明の滅菌装置の更に別の実施形態を示す概略断面図である。ここでは、滅菌装置を構成する振動攪拌装置の処理槽への取り付けの形態が主として示されている。図21はその平面図である。図19及び図20はそれぞれ図21のX−X’断面及びY−Y’断面に相当する。尚、これらの図では、上記の実施形態で示されている光源51から発せられる紫外線などの光を光ファイバ53から振動羽根16fの光触媒活性の殺菌性材料からなる表面に極く近接した位置(接近または密着した位置)から照射する構成の図示を省略しているが、実際には同様な構成を有するものである。
この形態では、振動吸収部材として上記コイルバネ16bに代えてゴム板2と金属板1,1’との積層体3が用いられている。即ち、積層体3は、処理槽12の上端縁部に固定された取り付け部材118に防振ゴム112を介して取り付けられた金属板1’をボルト131により固定し、該金属板1’上にゴム板2を配置し、該ゴム板2上に金属板1を配置し、これらをボルト116及びナット117により一体化することで形成されている。
振動モータ16dは支持部材115を介してボルト132により金属板1に固定されている。また、振動伝達ロッド16eの上端部はゴムリング119を介して積層体3特に金属板1とゴム板2とに取り付けられている。即ち、上側金属板1は図1その他に記載されている実施形態の振動部材16cの機能をも発揮するものであり、下側金属板1’は図1その他に記載されている実施形態の基台16aの機能をも発揮するものである。そして、これら金属板1,1’を含む積層体3(主としてゴム板2)が図1その他に記載されているコイルバネ16bと同様な振動吸収機能を発揮する。
図22A〜図22Cは積層体3の平面図を示す。図19〜21の形態に対応する図22Aの例では、積層体3には振動伝達ロッド16eを通すための貫通孔5が形成されている。また、図22Bの例では、積層体3は貫通孔5を通る分割線により2分割された2つの部分3a,3bからなり、これによれば装置組立の際に振動伝達ロッド16eを容易に通すことができる。また、図22Cの例では、積層体3は、処理槽12の上端縁部に対応する環形状をなしており、中央部に開口6が形成されている。
図22A及び図22Bの例では、処理槽12の上部が積層体3により塞がれ、これにより滅菌処理の際に処理液14から揮散するガスや飛散する処理液が周囲へと漏れるのを防止することができる。
図23A及び図23Bは、このような積層体3による処理槽上部の閉塞(シール)の様子を示す断面図である。図23Aの形態では、ゴム板2が貫通孔5において振動伝達ロッド16eに当接してシールがなされる。また、図23Bの形態では、積層体3の開口部6において該積層体3と振動伝達ロッド16eとに取り付けられこれらの間の空隙を塞ぐフレキシブルシール部材136が設けられている。
図24A〜図24Eに振動吸収部材としての積層体3の例を示す。図24Bの例は上記図19〜21の実施形態のものである。図24Aの例では、積層体3は金属板1とゴム板2とからなる。図24Cの例では、積層体3は上側金属板1と上側ゴム板2と下側金属板1’と下側ゴム板2’とからなる。図24Dの例では、積層体3は上側金属板1と上側ゴム板2と中間金属板1”と下側ゴム板2’と下側金属板1’とからなる。積層体3における金属板やゴム板の数は、例えば1〜5とすることができる。尚、本発明においては、ゴム板のみから振動吸収部材を構成することも可能である。
金属板1,1’,1”の材質としては、ステンレス鋼、鉄、銅、アルミニウム、その他適宜の合金を使用することができる。金属板の厚さは、例えば10〜40mmである。但し、積層体以外の部材に対して直接固定されない金属板(例えば上記中間金属板1”)は0.3〜10mmと薄くすることができる。
ゴム板2,2’の材質としては、合成ゴム又は天然ゴムの加硫物を使用することができ、JISK6386で規定される防振ゴムが好ましく、更に特に静的剪断弾性率4〜22kgf/cm好ましくは5〜10kgf/cm、伸び250%以上のものが好ましい。合成ゴムとしては、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ニトリル−クロロプレンゴム、スチレン−クロロプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム、エピクロルヒドリン系ゴム、アルキレンオキシド系ゴム、フッ素系ゴム、シリコーン系ゴム、ウレタン系ゴム、多硫化ゴム、フォスファゼンゴムを例示することができる。ゴム板の厚さは、例えば5〜60mmである。
図24Eの例では、積層体3は上側金属板1とゴム板2と下側金属板1’とからなり、ゴム板2が上側ソリッドゴム層2aとスポンジゴム層2bと下側ソリッドゴム層2cとからなる。下側ソリッドゴム層2a,2cのうちの一方を除去してもよいし、更に複数のソリッドゴム層と複数のスポンジゴム層とを積層したものであってもよい。
図25は、本発明の振動攪拌装置の更に別の形態を示す部分断面図である。尚、この図では、上記の実施形態で示されている光源51から発せられる紫外線などの光を光ファイバ53から振動羽根16fの光触媒活性の殺菌性材料からなる表面に極く近接(接近または密着)した位置から照射する構成の図示を省略しているが、実際には同様な構成を有するものである。
本実施形態では、振動伝達ロッド16eには振動羽根16fと補助羽根16f’とが交互に取り付けられている。この補助羽根16f’は、振動羽根16fと異なり、処理液14に振動流動を生じさせる振動羽根16fより十分に長い距離突出しており、振動流動を発生させるものではない。この補助羽根16f’にも、振動羽根16fと同様に、光源51から発せられる紫外線などの光を光ファイバ53から当該補助羽根16f’の光触媒活性の殺菌性材料からなる表面に極く近接した位置から照射する構成を備えている。この補助羽根16f’は振動羽根16fより面積が大きいので、処理液14が接触する機会が多く、その表面に沿って流動する処理液14に対する滅菌効果を高めることができる。このような光照射手段付きの補助羽根16f’を用いた場合には、振動羽根16fへの光照射手段の付設を省略してもよい。補助羽根16f’は振動羽根16fに比べて振動によるしなりの程度が少ないので、補助羽根16f’に取り付けた光ファイバの折損は補助羽根16f’に取り付けたものよりも少なくなり、長寿命化が可能である。
図34は、図25の実施形態の変形例を示す部分断面図である。本変形例では、図25に示されるものと同等な振動撹拌装置が2つ配置されており、一方の振動撹拌装置の補助羽根16f’と他方の振動撹拌装置の補助羽根16f’とが上下方向に適宜の間隔をもって互い違いに配置されている。また、図25の実施形態と同様にして、補助羽根16f’の表面は光触媒活性の殺菌性材料からなるものとされており、該表面に取り付けられた光ファイバにより近接位置から紫外線を照射するようにされている。このようにすることで、補助羽根16f’間の処理液14の流通を良好に維持しながら、その流通処理液を高い効率で滅菌処理することができる。
また、本発明においては、振動羽根16fの先端に近接する位置(好ましくは5〜20mm隔てられた位置)に、多孔板(網状のものまたは籠状のものの少なくとも一部分)を配置し、該多孔板の表面を光触媒活性の殺菌性材料からなるものとし、その表面上に振動羽根16fと同様にして光ファイバ53を取り付けて、光源51から発せられる紫外線などの光を光ファイバから多孔板の光触媒活性の殺菌性材料からなる表面に極く近接した位置から照射するようにすることができる。多孔板は、処理液の流通性が良好であるので、処理液14が接触する機会が多く、流動する処理液14に対する滅菌効果を高めることができる。このような光照射手段付きの多孔板を用いた場合には、振動羽根16fへの光照射手段の付設を省略しても、或る程度の効果は得られ、光ファイバ折損が少ないので、長寿命化が可能である。
図30及び図31には、本発明の更に別の実施形態が示されている。本実施形態では、処理槽12の内面が上記実施形態において説明したような光触媒活性の殺菌性材料からなっており、その表面上に光ファイバ53が固定されている。この光ファイバ53の光入射端は、コネクタ55を介して、光ファイババンドル52の光出射端が接続されている。即ち、上記実施形態で振動羽根16f上に配置したと同様な光照射手段が、処理槽12の内面上に備えられている。更に、本実施形態では、処理槽12の上端縁に差し渡された保持部材60により、板状の槽内配置部材61が複数互いに平行に保持されている。該槽内配置部材61の表面が上記実施形態において説明したような光触媒活性の殺菌性材料からなっており、その表面上に光ファイバ53が固定されている。この光ファイバ53の光入射端は、コネクタ55を介して、光ファイババンドル52の光出射端が接続されている。即ち、上記実施形態で振動羽根16f上に配置したと同様な光照射手段が、槽内配置部材61の表面上に備えられている。振動撹拌装置の振動羽根16fには光照射手段を付設しなくてもよいし、上記実施形態と同様にして付設してもよい。振動羽根16fにも光照射手段を付設することにより、一層高い滅菌作用を得ることができる。
上記実施形態と同様にして、不図示の光源から光ファイバ53へと光を導き、処理槽12の内面及び槽内配置部材61の表面の殺菌性材料を活性化させ、振動攪拌装置を作動させて振動羽根16fにより処理液を振動攪拌することで、上記実施形態とほぼ同様にして処理液14の滅菌処理を行うことができる。本実施形態では、光ファイバ53は、振動する部材ではなく静止部材に取り付けられているので、折損の発生する可能性は極めて小さく、長寿命化が可能である。
光ファイバ53を含む光照射手段は、処理槽12の内面及び槽内配置部材61の表面の一方のみに設けることも可能である。また、槽内配置部材61は、保持部材60に対し着脱自在にしておくことが可能である。
本実施形態では、振動撹拌装置とくにその振動羽根16fにも光ファイバ53を含む光照射手段を備えることができる。
図35は、図30及び図31の実施形態の変形例を示す模式的斜視図である。本変形例は、槽内配置部材61による光ファイバの保持が、図30及び図31の実施形態とは異なる手段によりなされている。即ち、本変形例では、互いに平行に配列された複数の板状槽内配置部材61の互いに隣接するものどうしにより光ファイバ53を挟持している。光ファイバ53は互いに平行に配列されており、その方向は、振動撹拌装置の振動羽根の方を向く方向である。槽内配置部材61は保持部材60により保持されて処理槽12への出し入れが可能である。なお、図35では光源及び該光源から光ファイバ53へと紫外線を導くライトガイドについては図示されていないが、これらについては、上記図30及び図31の実施形態の場合と同様である。この様にして得られる処理ユニットを複数用意しておき、処理槽12の大きさに応じて適宜の数の処理ユニットを処理槽内に配置することができる。
本実施形態では、光ファイバ53として例えば直径2〜5mm程度の石英ロッドのような屈曲性を殆どもたないなものを使用しても、処理時に振動することがないので、折損することが殆どなく、十分に長い寿命を実現できる。この点は、上記図30及び図31の実施形態の場合と同様である。また、振動撹拌装置により生ぜしめられた流動が、互いに隣接する槽内配置部材61間においても十分になされるので、良好な殺菌効果が得られる。
図35では、槽内配置部材61及び光ファイバ53が水平となるように処理ユニットが配置されているが、該処理ユニットを槽内配置部材61及び光ファイバ53が鉛直となるように配置することも可能である。その場合には、光ファイバ53とライトガイドとの接続を処理ユニットの上部において行なうことができるという利点がある。
以上の本発明による滅菌方法及び滅菌装置では、振動羽根16fなどの殺菌性材料層に対する紫外線などの光の照射と振動羽根16fによる振動攪拌とを同時に行ってもよいし、振動羽根16fなどに対する光照射時には振動攪拌を停止し、振動攪拌時には振動羽根16fなどに対する光照射を停止する(即ち、例えば光照射による殺菌性材料層の活性化と振動攪拌とを交互に行う)ようにしてもよい。
本発明による滅菌方法及び滅菌装置によれば、生体中と血液を循環させながら滅菌処理することで、血液中に空気を取り込まずにウィルス、その他の菌に対する殺菌力を得ることができる。その様な用途には、小型で密閉可能な図19及び図20の実施形態の装置や図32及び図33の実施形態の装置を使用するのが好ましい。
更に、本発明の実施の形態としては、処理液として血液を用い、生体中と血液を循環させながら、この血液中にアナターゼ型の酸化チタン微粒子を混合しておき、本発明の振動攪拌装置により振動攪拌しながら振動羽根上の光ファイバからの光照射で振動羽根表面の殺菌性材料を活性化すると共に、該光ファイバの近傍を通過する血液中の酸化チタン微粒子をも活性化し、該酸化チタン微粒子を振動攪拌により血液中に良好に分散させ、その殺菌力を発揮させることが挙げられる。振動攪拌装置を用いた攪拌によれば酸化チタン微粒子の二次凝集を防止することができ、少量の酸化チタン微粒子を用いて良好な殺菌性が得られる。
更に、本発明の実施の形態としては、滅菌対象処理物として、自己導尿用カテーテルを使用することができる。自己導尿用カテーテルは、患者が1日に多数回使用し、従来は、1回の使用ごとに消毒液に浸漬して保管されており、そのため耐久性が低くなり、再使用の際に消毒液を洗い流す洗浄操作が必要となり、洗浄が不十分だと高濃度消毒液が残留するという問題があった。本発明の滅菌方法及び滅菌装置によれば、使用後直ちに自己導尿用カテーテルを滅菌処理することで、振動攪拌によりカテーテル内部をも十分に滅菌することができるので、浸漬する消毒液の濃度を低くしても問題がなくなり、従って再使用の際に消毒液を洗い流す洗浄操作は短時間でよく、カテーテル内の高濃度消毒液残留の問題をなくすことができる。
本発明においては、処理液が高い光透過率のものである必要はないので、該処理液中に殺菌剤を混入したり、オゾン吹き込みを行ったりして、該処理液の光透過率が低下したとしても十分に所期の効果を得ることができる。従って、殺菌剤混入やオゾン吹き込みその他の殺菌手段と併用して本発明を適用することにより、一層迅速且つ十分な滅菌を行うことが可能となる。
図36及び図37は、本発明の滅菌装置の更に別の形態を示す部分断面図である。図示はされていないが、本実施形態では、振動撹拌装置16には、上記実施形態と同様に電源及びインバータが接続されている。本実施形態では、紫外線などの光を上記実施形態で説明したような振動羽根16fの光触媒活性の殺菌性材料からなる表面に近接(接近または密着)した位置から照射する手段として、防水型密閉照明灯102を使用している。
この防水型密閉照明灯102は、図38に示されるような構造を有する。即ち、紫外線発光管102aを、紫外線透過性の第1のシリコーン収縮性チューブ102bにより覆い、更に一端部においてこれに適合する第2のシリコーン収縮性チューブ102cにより覆って密閉し、防水性を持たせたものである。このような防水型密閉照明灯102の具体例としては、岡谷電気産業(株)製のKLSJ−200[商品名]二重防水紫外線灯が好適なものとして挙げられる。これは、発光波長が254nmで、ランプ電力が3.2Wであり、全長が約220mmであり、第1のシリコーン収縮性チューブ102bの外径が約12mmである。一方の端部を構成する第2のシリコーン収縮性チューブ102cには、紫外線発光管102aに対する電力供給のための屈曲性且つ防水性のシリコーン2芯ケーブル104が接続されている。収縮性チューブ102b,102cは、フッ素系又はネオプレン系のゴムからなるものでも良い。この防水型密閉照明灯102は、紫外線を発する部分の長さが振動羽根の長さ(例えば150mm)をカバーしている。図37に示されているように、防水ケーブル104は、電源106に接続されており、この電源はインバータにより調節される。
図39は、防水型密閉照明灯102の保持手段を示す断面図である。処理槽12に対して不図示の取り付け手段により固定され互いに対向して配置された一対の支持板110に、押さえ板114を用いてNBRなどの柔軟性材料からなる保持板112が取り付けられている。支持板110及び押さえ板114には防水型密閉照明灯102の直径より十分に大きな内径の貫通孔が形成されており、該貫通孔に対応する位置において保持板112には照明灯102の直径と同等な内径の貫通孔が形成されている。この保持板の貫通孔に照明灯102を差し込むことで、照明灯102を振動羽根と平行に水平に保持することが出来る。照明灯102は、上下に隣接する振動羽根の間にて、これら振動羽根に近接して位置する。照明灯と振動羽根との間の距離は、振動羽根の振動の際に該振動羽根が照明灯に衝突しない限りは出来るだけ小さい方が好ましく、例えば1〜20mmであり、好ましくは1〜15mmであり、更に好ましくは1〜10mmであり、特に好ましくは1〜5mmである。尚、照明灯102から発せられる光を所望の方向に光を集中して照射するために、反射カバーを設置することが出来る。
本実施形態においては、細い防水型の密閉紫外線灯自体を振動羽根16fの光触媒活性の殺菌性材料からなる表面に近接した位置に配置して紫外線を照射するので、該光源には電源106から防水電線(または防水ケーブル)を介して駆動電圧を印加すればよく、処理槽外に配置された光源にて紫外線を発して振動羽根の表面上に配置された漏光部を有する光ファイバへとライトガイドにより光を導き該漏光部から紫外線照射を行う場合に比べて、光源から発せられた光の減衰が著しく少ないという利点があり、更に光ファイバ等からなるライトガイドに比べて電線は引き回しが容易であり屈曲性が大きいので装置を一層小型化することが出来るという利点がある。
本実施形態では、防水型密閉照明灯102を振動羽根16fに近接して配置しているが上記実施形態に示されるように、防水型密閉照明灯102を、漏光部を有する光ファイバと同様に補助羽根や処理槽内面や槽内配置部材に近接して配置してもよい。この場合も同様な機能が発揮される。
また、本実施形態では防水型密閉照明灯102を保持板112等からなる保持手段により支持しているが、上記の実施形態で説明した漏光部を有する光ファイバの保持手段と同様な手段を用いて保持することも可能である。この場合には、特に光触媒活性の殺菌性材料からなる表面に対して一層近接した位置に光源を配置することが出来る。更に、上記の実施形態で説明した漏光部を有する光ファイバを本実施形態の保持手段と同様な手段を用いて保持することも可能である。
図40は本発明において使用される振動撹拌装置の他の実施形態を示す部分断面図であり、図41はその部分側面図である。本実施形態の振動撹拌装置は絶縁型のものである。即ち、振動棒16eの上端は電気的絶縁領域16e”を介して振動部材16cに取り付けられている。絶縁領域16e”は、例えば合成樹脂またはゴムで形成することが出来る。絶縁領域は、振動により破損することなく振動モータの振動を効率よく伝達出来、十分な絶縁性を発揮出来る材料を選択するのが好ましい。このような観点から硬質ゴムが最も好ましい。その一例としては、硬質ポリウレタンゴムを挙げることができる。強度不足を補うために、絶縁性を損なわない範囲で適宜の補強部材を付することが出来る。
絶縁領域16e”は、具体的には、例えば、図示されるような硬質ゴム製の円柱状などの柱状の部材の上部分及び下部分に雌ねじを形成し、これに振動部材16c側及び振動棒16e側のそれぞれの先端に形成した雄ねじを適合させることで、形成することが出来る。
図40に示されているように、2つの振動棒16eを機械的に接続するように振動羽根16e及び固定部材16jが取り付けられており、これら振動羽根及び固定部材は2つの群に区分されている。第1の群は一方の振動棒16eと電気的に接続されており、第2の群は他方の振動棒16eと電気的に接続されており、これら2つの群の間で電圧(特に直流)を印加することで、処理液14に通電し殺菌処理を行う。絶縁領域16e”が存在するので、処理液への通電が振動モータへとリークすることがない。
即ち、図40において、上側から奇数番目の振動羽根16e及び固定部材16jは、右側の振動棒16eとは電気的に接続されているが、左側の振動棒とは絶縁ブッシュ16s及び絶縁座金16tを介して取り付けられることで電気的に絶縁されている。逆に、上側から偶数番目の振動羽根16e及び固定部材16jは、左側の振動棒16eとは電気的に接続されているが、右側の振動棒とは絶縁ブッシュ16s及び絶縁座金16tを介して取り付けられることで電気的に絶縁されている。かくして、上側から奇数番目の振動羽根及び固定部材を第1の群とし、上側から偶数番目の振動羽根及び固定部材を第2の群とし、左側の振動棒に接続されている通電線127と右側の振動棒に接続されている通電線127との間に不図示の殺菌処理用電源により所要の電圧を印加することで、第1の群(陽極)と第2の群(陰極)との間で通電することが出来る。尚、図41では絶縁ブッシュ及び絶縁座金の図示が省略されている。
本実施形態の絶縁式振動撹拌装置を上記実施形態における振動撹拌装置として使用することが出来る。振動羽根などの材質は、上記実施形態で説明したように適宜選択すればよい。これにより、紫外線照射による光触媒活性の殺菌性材料からなる表面の活性化に基づく殺菌作用と処理液に対する通電による殺菌作用との双方を同時に実施して、これらの重畳された殺菌効果を得ることが出来る。
図42は、本発明の振動攪拌装置の更に別の形態を示す部分断面図である。本実施形態では、図40及び図41の実施形態における上側から偶数番目の振動羽根16fに代えて、陽極部材16f”を使用している。この陽極部材は、振動撹拌には寄与せず、図の右側にのみ延びている。陽極部材16f”としては、たとえばチタン製ラス網(表面に白金メッキを例えば5μm厚に施したもの)等が用いられる。一方、上側から奇数番目の振動羽根16fに対してスペーサ16uを介して陰極部材16f”’を追加している。この陰極部材も、振動撹拌には寄与せず、図の右側にのみ延びている。陰極部材16f”’としては、たとえばチタン板などが用いられる。尚、陰極部材の場合と同様に、陽極部材と共に振動羽根を取り付けてもよい。
本実施形態では、振動羽根とは別に専用の電極部材としての陽極部材及び陰極部材を使用しているので、電極材料の選択の自由度が増加する。本実施形態においても、上記図40及び図41の実施形態と同様な作用効果が得られる。
図43は、本発明の滅菌装置の更に別の実施形態を示す断面図である。本実施形態では、上記図40及び図41に示すような絶縁式振動撹拌装置が2台使用されており、これらは処理槽12の内部の左右両端部に配置されている。処理槽12の中央部には、回転中心C’の周りで回転する籠(バレル)40’を配置することが出来、該バレル内に収容された滅菌対象処理物の洗浄滅菌処理を行うことが出来る。例えば、処理物として土壌の付いた野菜などを用いて、これらの滅菌と洗浄とを短時間に同時に行うことが可能である。
本発明においては、以上のような絶縁式振動撹拌装置を用いて、但し、処理液に対する通電のための手段として電解槽12内に専用の陽極部材及び陰極部材を配置し、これらの間にて通電することで殺菌処理を行うことも可能である。その場合、振動攪拌装置が絶縁型であるので、処理液14に対する通電の影響が振動モータ等に及ぶことがない。
本発明において、処理液への通電による殺菌をも行う場合には、処理液の電解がなされて該処理液が酸性・アルカリ性混合の安定なものとなるためか、長時間に亘って殺菌力が保持される。
本発明においては、図43に示すように、絶縁式振動撹拌装置の振動羽根の表面を光触媒活性の殺菌性材料からなるものとして、該振動羽根に近接して防水型密閉照明灯102を配置することが出来る。このような場合には、陰極となる振動羽根を例えばチタン板の表面に陽極酸化処理等でアナターゼ型酸化チタンの層を形成したものを使用することが出来る。
図44は本発明の滅菌装置の更に別の実施形態を示す断面図であり、図45及び図46はそれぞれその平面図及び断面図である。本実施形態では、処理槽12内の一方端側に配置された振動撹拌装置16の振動羽根16fとして、図36その他に関して説明したように、表面が光触媒活性の殺菌性材料からなるものを使用し、該振動羽根に近接して防水型密閉照明灯102を配置している。処理槽12内の他方端側にはバレル40’が配置されており、該バレルと振動撹拌装置16との間には交互に配置された陽極板及び陰極板からなる電極部材130が位置している。各電極部材は、上下方向及び振動撹拌装置16からバレル40’へと向かう方向の双方に沿って互いに平行に配置されており、これにより振動撹拌装置からバレルの方へと処理液が良好に流動する。バレルには滅菌対象処理物が収容される。処理物としては、例えば野菜や果物などを用いることが出来、これらは必要に応じて適宜カットされた上で、洗浄及び滅菌処理される。
処理槽12には洗浄液が収容され、それをポンプ120により一部取り出してバレルへとスプレーして洗浄することができる。処理槽内の洗浄液を滅菌処理することで、結果的に処理物に付着している菌が除去される。処理液の循環のために、処理槽のドレンバルブ121には吸入側ホース122が付されており、該ホースから吸引された処理液が吐出側ホース123を介してスプレーノズル124へと供給され、ここから洗浄液がスプレーされる。これによりバレル内処理物に対する洗浄が効果的になされる。先ず、ポンプにより洗浄液を外部からスプレーノズルへと供給して洗浄を行い、洗浄液が処理槽内に所要量たまった段階で、振動撹拌及び紫外線照射により滅菌を行うことが出来る。
処理物には、土壌などの汚れが付着しており、これを洗浄することで、洗浄液中に汚れが移行する。このため、滅菌処理に際しては洗浄液の透明度は低いのであるが、本実施形態では、光触媒活性の殺菌性材料からなる表面を持つ振動羽根に近接して光源を配置しているので、長期にわたって良好な滅菌処理を行うことが出来る。
本実施形態の装置で滅菌処理して得られた滅菌済み処理液を処理槽から取り出して、別途の滅菌対象処理物その他の物品の洗浄に利用することが出来る。
以上の防水型密閉照明灯を使用する実施形態においては、特に、振動羽根または補助羽根の近傍にて、これらと平行に且つ振動羽根により発生せしめられる処理液の流動の方向とほぼ直交する方向に沿って、防水型密閉照明灯を配置することで、処理液の流速の大きな振動羽根または補助羽根の極く近くにて光触媒活性の殺菌性材料による殺菌がなされる。これにより、殺菌効果は著しく大きなものとなる。
本発明においては、防水型密閉照明灯による紫外線照射と光ファイバを用いた紫外線照射とを併用してもよい。
実施例
以下、本発明を実施例により説明する。
実施例1
図1〜図3その他に関して説明した装置(但し、籠40及び駆動回転軸41などの駆動手段のないものであり、且つ、光ファイバ53は図26に示したような複数の光ファイバ素線の集合体からなるものである)を使用した。ここで、振動モータ16dとして250W×200V×3φのものを用い、コイルスプリング16bは8個用い、インバータ35として富士電機(株)製のFVR0.4−E11S−2を用い、振動モータ16dを47Hzで振動させた。処理槽12として1100mm×450mm×500mmH(液位400mm)のものを用いた。
振動羽根16fとして厚さ0.5mmで45mm×250mmの寸法のチタン板を陽極酸化処理することによって表面に数μm厚のねずみ色のアナターゼ型酸化チタンの層を形成したものを5枚用いた。光ファイバ53として、コア系200μmの(株)モリテックス製の石英系光ファイバ(光ファイバ素線)MSU200Dの樹脂被覆を剥離しクラッドの表面を粗面化して漏光部を形成したもの10本の束を用いた。光ファイバ53は、各振動羽根16fの上面において互いに平行になるように5本配置し、その固定のためのシート58として幅5mmのテフロンフィルムを用い(接着剤層57は使用していない)、ビス59で止めて固定した。光ファイバロッド53の固定は振動羽根16fの長手方向の両端と中央の3か所で行った。
光源51として、(株)モリテックス製の紫外線照射装置MUV−250U−L(超高圧水銀ランプ使用:紫外線強度4000mW/cm[365nm])を用いた。光源51に付設されたライトガイドとして、各振動羽根16fのために途中で5つに分岐し、更に、その各々を各光ファイバ53のために途中で5つに分岐した光ファイババンドルを用いた。振動羽根16fに固定された各光ファイバ53の光入射端と、対応するライトガイドの光出射端とを対向配置し、これらを防水性のチューブ状コネクタ55を用いて接続した。
処理液14として、以下に示すものであって大腸菌を加えたものをそれぞれ使用した(尚、生菌数は、寒天培地混釈法により、1mlあたりのCFU(colony−forming unit)で測定した:以下同様):
処理液(大腸菌数)
牛乳(4.2×10/ml)
ミカンジュース(4.0×10/ml)
合成酒(3.8×10/ml)
海水(4.5×10/ml)。
光源51を点灯して振動羽根16fの表面に近接位置から紫外線を照射しながら、振動攪拌装置16を作動させて、滅菌処理を行った。5分後に処理液を採取して大腸菌数を測定したところ、いずれの種類の処理液からも大腸菌は検出されなかった。
このように、牛乳やジュースなどの光透過率の低い処理液であっても、極めて迅速な滅菌処理が可能であることがわかった。
比較例1
光源51から発せられた光を光ファイバ53により振動羽根16fの表面に近接位置から照射する手段を除去し、その代わりに処理槽12内に2本の防水ケーシング入り短波長紫外線殺菌灯を配置することを除いて、実施例1と同様な処理を行った。処理前の処理液14中大腸菌数は次のとおりであった:
処理液(大腸菌数)
牛乳(4.1×10/ml)
ミカンジュース(4.2×10/ml)
合成酒(3.5×10/ml)
海水(4.7×10/ml)。
殺菌灯を点灯しながら、振動攪拌装置16を作動させて、滅菌処理を行った。処理開始から30分後及び60分後の処理液を採取して、大腸菌数を測定したところ、次のとおりであった:
30分後の処理液(大腸菌数)
牛乳(4.1×10/ml)
ミカンジュース(3.8×10/ml)
合成酒(3.6×10/ml)
海水(4.0×10/ml)
60分後の処理液(大腸菌数)
牛乳(3.8×10/ml)
ミカンジュース(5.2×10/ml)
合成酒(6.5×10/ml)
海水(1.5×10/ml)。
実施例1に比べて、菌数の低減には長い時間がかかることがわかった。なお、処理液として透明な純水を用いた場合には、実施例1と殆ど同等な結果が得られた。
実施例2
光源51として実施例1のものより短波長の殺菌線を含む紫外線発光装置を使用することを除いて、実施例1と同様な処理を行った。その結果、5分後に処理液を採取して大腸菌数を測定したところ、いずれの種類の処理液からも大腸菌は検出されなかった。
実施例3
処理液14として、以下に示す菌を10〜10/ml加えたものをそれぞれ使用することを除いて、実施例1と同様な処理を行った。その結果、10分後に処理液を採取して菌数を測定したところ、いずれの種類の処理液の場合も菌は検出されなかった:
グラム陰性菌
赤痢菌
チフス菌
コレラ菌
緑膿菌
サルモネラ菌
グラム陽性菌
溶血連鎖球菌
白色ブドウ球菌
腸球菌
結核菌
馬鈴薯菌
枯草菌
酵母
パン酵母
ブトウ酒酵母
ビール酵母
ウィリア属酵母
ピヒア属酵母
かび
白色かび
灰色かび
緑色かび
オリーブ色かび
青緑色かび
黒色かび
ウィルス
インフルエンザ
タバコモザイク
原生動物。
実施例4
光ファイバ53を各振動羽根16fの下面にも同様にして固定し、光源51に付設されたライトガイドを2倍に分岐し、光源51からの光を各振動羽根16fの下面にも近接位置から照射することを除いて、実施例1と同様な処理を行った。
その結果、3分後に処理液を採取して大腸菌数を測定したところ、いずれの種類の処理液からも大腸菌は検出されなかった。即ち、実施例1の片面紫外線照射の場合に比べて、両面紫外線照射とするとことで、約半分の時間で同様な殺菌効果が得られることがわかった。
処理液に加える菌として主なグラム陰性菌及びグラム陽性菌を用いた場合も、実施例3に比べて同様な傾向があった。
実施例5
振動撹拌装置として図25に示されるような補助羽根16f’(振動羽根16fの2倍の水平方向[図25における左右方向]長さ)を付加したものを用い、光ファイバ53として直径4mmの石英ロッドを用い、該光ファイバ53を振動羽根16fにではなく補助羽根16f’に取り付けることを除いて、実施例1と同様な処理を行った。その結果、実施例1と同様な結果が得られた。
実施例6
籠40及び駆動回転軸41などの駆動手段を備えていることを除いて、実施例1と同様な滅菌装置を使用した。滅菌対象処理物としての大腸菌で汚染された綿製のフキン20枚を籠40内に収容し、駆動手段により籠40を回転させ、処理液として蒸留水を用いることを除いて、実施例1と同様な処理を行った。処理前の綿製フキンの付着大腸菌数は4.2×10であった。
処理に伴い、綿製フキンから処理液中へと流出する汚濁物質により処理液が白濁したが、10分後には綿製フキンから大腸菌を検出できなかった。
実施例7
図32及び図33に関して説明した装置を使用した。ここで、
振動モータ:75W
振動羽根:3枚2組(ステンレス板の表面に複合メッキにより微細アナターゼ型酸化チタン含有のニッケルめっきを数μm厚に施したもの)
処理槽容量:12リットル
光源:(株)モリテックス製の紫外線照射装置MUV−202U(水銀キセノンランプ200W使用;紫外線強度2000mW/cm[365nm])
外形寸法:210W×166H×345D
重量:7kg
消費電力:320W
であった。
紫外線照射装置に接続された石英ファイババンドルを6分岐して6枚の振動羽根に導き、ここで更に分岐して実施例1と同様にしてコネクタを用いて振動羽根上の光ファイバと接続した。振動羽根に固定されている光ファイバは実施例1と同様なものであり同様な固定手段により光ファイバを振動羽根に固定した。
処理槽にはプラスチック製の蓋を適合し、振動撹拌装置の振動伝達ロッドには図23Bに示すような合成ゴム製のシール部材136を付してシールした。
処理液としてウィルスを含む血液、血液製剤を使用し、振動撹拌装置の振動モータをインバータにより45Hzで振動させ、且つ、振動羽根に対する近接位置からの紫外線照射を行ない、滅菌処理を行なった。これにより、ウィルスを不活性化させることができた。ウィルスを不活性化は、通常加熱処理により行なわれるが、加熱は血液または血液製剤中の成分の変化をもたらすので好ましことではない。これに対して、本発明の方法は血液または血液製剤中の成分の変化を生じさせることがないので優れている。また、通常のプロペラ式の撹拌機を使用する撹拌の場合には処理液中に空気を巻き込むので、血液または血液製剤の撹拌に使用することは好ましくないが、本発明の方法はこの様なことがなく、この点でも本発明の方法は優れている。
比較のために、光触媒機能を有する表面を備えた容器中にウィルスを含む血液を収容し、320Wのキセノンランプから光を照射して、ウィルスの不活性化を行なったが、不活性化には本発明方法の上記実施例の場合より著しく長い時間がかかった。
以上のような実施例の方法を、動物用の血液透析装置に適用することで、動物の肝臓血液の再生が可能であった。
実施例8
実施例1と同様な装置を使用した。但し、振動撹拌装置の振動羽根16fには光ファイバ53を取り付けずに、図30及び図31に示すような槽内配置部材61に光ファイバ53を取り付けた。槽内配置部材61は、5mm厚のチタン板を陽極酸化して、両面に厚さ数μmのアナターゼ型酸化チタンの層を形成したものであり、寸法は200mm×200mmであった。槽内配置部材61を5枚1セットとして保持部材60により保持し、この様なセットを2つ用いた。光ファイバ53は、直径4mmの石英ロッドからなるものであり、槽内配置部材61の片面に15mm間隔で固定した。
処理液として4×10/mlの大腸菌を含むミカンジュース、合成酒、海水を使用し、振動撹拌装置の振動モータをインバータにより47Hzで振動させ、且つ、槽内配置部材に対する近接位置からの紫外線照射を行ない、滅菌処理を行なった。これにより、いずれも5分程度で大腸菌が検出されない程度に滅菌することができた。
大腸菌に代えて、サルモネラ菌、枯草菌、表皮ブドウ状菌、緑膿菌、パラサイト菌等についても、同様にして滅菌処理したところ、短時間で滅菌できた。
実施例9
図36〜図39に関して説明した装置を使用した。ここで、振動撹拌装置16の振動モータとして75W×200V×3φのものを用い51Hzで振動させた。処理槽12として400mm×320mm×290mmHのものを用いた。
振動羽根16fとして、チタン板の表面に対し、微粒子アナターゼ型酸化チタンをニッケルメッキ液中に分散して分散メッキすることによって、チタン板の表面に5μm厚のアナターゼ型酸化チタンの層を形成したものを4枚用い、これらを40mmピッチで配置した。
防水型密閉照明灯102として、岡谷電気産業(株)製のKLSJ−200[商品名]二重防水紫外線灯を使用し、上下に互いに隣接する振動羽根16fの中間にそれらと平行になるように保持した。
処理液14として、蒸留水中に以下に示す菌を加えたものをそれぞれ使用し、防水型密閉照明灯102を点灯して振動羽根16fの表面に近接位置から紫外線を照射しながら、振動攪拌装置16を作動させて、滅菌処理を行ったところ、以下に示すように、5分後には処理液から菌は検出されなかった:
大腸菌
未処理時 4.0×10/ml
3分後 30/ml以下
5分後 検出せず
O157
未処理時 3.9×10/ml
3分後 30/ml以下
5分後 検出せず
サルモネラ菌
未処理時 3.5×10/ml
3分後 30/ml以下
5分後 検出せず
黄色ブドウ球菌
未処理時 3.0×10/ml
3分後 30/ml以下
5分後 検出せず
また、継続使用しても、殺菌効果に変化はなかった。
上記紫外線照射を行わない場合には、一週間程度で殺菌効果が大幅に低下した。また、振動羽根として上記メッキ処理をしないチタン板を用い、紫外線照射した場合には、6〜8時間かけて菌数は減少するが、十分な殺菌効果は得られなかった。
本実施例で使用した装置において、日本酒の原酒をフィルタにかけ火入れしないものを処理液として用いて、紫外線照射を行いながら、常温で5分間、振動モータを55Hzで振動させたところ、火入れなしで、処理液中の酵母菌がなくなり、6ヶ月常温下でも異常がなく、酵母発酵が生ずることなく、飲み良い良好な生酒が得られた。
振動撹拌しない場合には、酵母菌の数が若干減少するが、2週間ほどで味が変化するものしか得られなかった。
本実施例で使用した装置において、処理液14として、以下に示す紫外線透過性の低いものであって大腸菌を加えたものをそれぞれ使用して、防水型密閉照明灯102を点灯して振動羽根16fの表面に近接位置から紫外線を照射しながら、振動攪拌装置16を作動させて、滅菌処理を行ったところ、10分後には処理液から菌は検出されなかった:
処理液(大腸菌数)
牛乳(4.2×10/ml)
ミカンジュース(4.0×10/ml)
合成酒(3.8×10/ml)
海水(4.5×10/ml)。
いずれも、外部からの紫外線照射だけでは、処理液の光透過性が低いため、菌数は殆ど減少しなかった。また、紫外線照射をせずに振動撹拌した場合には、数時間かけても十分な殺菌処理効果が得られなかった。
本実施例で使用した装置は、グラム陰性菌、グラム陽性菌、酵母、かび、ウィルス及び原生動物に対しても有効であり、ほぼ10分以内に殺菌することが出来た。
実施例10
実施例9と同様な装置を使用した。但し、振動撹拌装置16として、図40及び図41に関し説明したような絶縁式のものを用いた。振動羽根は、陽極2枚及び陰極2枚とし、交互に配列し、陰極と陽極との間に整流器を使用して直流4Vをかけた。また、防水型密閉照明灯102を、上側の2枚の振動羽根の間と下側の二枚の振動羽根の間と2のみ配置した。
実施例9と同様に滅菌処理したところ、約2〜3分で菌が検出できなくなる程度に高速の殺菌効果が得られた。
実施例11
図43に関して説明した装置を使用した。但し、バレル40’は使用しなかった。振動撹拌装置16として、図40及び図41に関して説明したものを用い、陰極と陽極との間に整流器を使用して直流4Vをかけた。ここで、振動撹拌装置16の振動モータとして250W×200V×3φのものを用い51Hzで振動させた。処理槽12としてステンレススチール(SUS304)製の750mm×500mm×500mmHのものを用いた。
振動羽根16fとして、チタン板の表面に対し陽極側は白金めっきしたもの且つ陰極側は陽極酸化処理によりアナターゼ型酸化チタンの層を形成したものをそれぞれ用い、これらを30mmピッチで配置した。
防水型密閉照明灯102として、岡谷電気産業(株)製のKLSJ−200[商品名]二重防水紫外線灯を使用し、上下に互いに隣接する振動羽根16fの中間にそれらと平行になるように保持した。片側の振動撹拌装置につき、図示されるように防水型密閉照明灯102を3個使用した。
処理液14として、以下に示すものであって大腸菌を加えたものをそれぞれ使用して、防水型密閉照明灯102を点灯して振動羽根16fの表面に近接位置から紫外線を照射しながら、振動攪拌装置16を作動させて、滅菌処理を行ったところ、3分後には処理液から菌は検出されなかった:
処理液(大腸菌数)
牛乳(4.2×10/ml)
ミカンジュース(3.8×10/ml)
海水(4.0×10/ml)。
蒸留水中に大腸菌、サルモネラ菌、O−157等の菌を10/ml程度添加した処理液では、1分程度で十分な殺菌処理が出来た。
尚、本実施例で使用した装置の処理槽と3トンの大型槽とを処理液循環可能なようにパイプで接続し、ポンプで処理液を循環させながら滅菌処理したところ、1時間程度で十分な滅菌処理が出来た。
また、工場排水試験方法に関するJIS−K0102(1998)に規定する透視度計で2〜4程度の低光透過率の処理液であっても十分な殺菌処理が可能であることがわかった。
実施例12
図44〜図46に関して説明した装置を使用した。ここで、振動撹拌装置16の振動モータとして250W×200V×3φのものを用い51Hzで振動させた。処理槽12としてポリプロピレン製の790mm×520mm×490mmHのものを用いた。
振動羽根16fとして、厚さ6mmのチタン板の表面に、陽極酸化処理により形成した厚さ5μmのアナターゼ型酸化チタン層を形成したものを6枚用いた。
防水型密閉照明灯102として、岡谷電気産業(株)製のKLSJ−200[商品名]二重防水紫外線灯を使用し、上下に互いに隣接する振動羽根16fの中間にそれらと平行になるように保持した。
電極部材130は、陽極板としてはステンレススチール板の表面に白金めっきしたものを3枚使用し、陰極板としてはステンレススチール板を4枚使用し、これらの間に4Vを印加し、電流密度1A/dmで通電した。バレル40’は、プラスチック製で、直径270mm、長さ300mmで、網目の寸法10mmのものを用いた。
処理液14として、以下の組成の洗浄液を使用した。
ラウリル酸カリウム(18%)
ラウリルポリオキシエチレン硫酸化エステル塩(5%)
ラウリルジエタノールアマイド(2%)
メチルセルロース(0.2%)
水(74.8%)
但し、この洗浄液に対して、電解質として0.2%の食塩を添加した。
処理物としてキャベツのカット品を使用し、バレル内にその容量の1/2〜1/3収容した。このキャベツには大腸菌及びサルモネラ菌を付着させた。
バレルを回転させながら、洗浄液を5分間スプレーし、その後バレルが浸漬するまで処理槽内に洗浄液を導入し、その後、5分間及び10分間、防水型密閉照明灯102を点灯して振動羽根16fの表面に近接位置から紫外線を照射しながら、振動攪拌装置16を作動させて、滅菌処理を行ったところ、以下に示すように、5分後には処理液から菌は検出されなかった(スタンプ法による培養試験にて):
大腸菌
未処理時 3.2×10/ml
5分後 2×10/ml
10分後 検出せず
サルモネラ菌
未処理時 4.5×10/ml
5分後 3×10/ml
10分後 検出せず
いずれも、外部からの紫外線照射だけでは、処理液の光透過性が低いため、効果的な殺菌ができなかった。
また、コンベアーラインで洗浄液を用いたスプレー洗浄を行った後に、本実施例で使用した装置による滅菌処理を行った所、同様な結果が得られた。
また、処理物としてキャベツに代えてジャガイモやインゲンを用いて同様な滅菌処理を行ったところ、同様な結果が得られた。
実施例13
実施例9と同様な装置を使用した。但し、振動撹拌装置16として図40及び図41に関し説明したような絶縁式のものを用い、振動羽根を通電のための電極として使用せずに、処理槽内において振動撹拌装置の前面に別途配置した陽極部材及び陰極部材を含む電極構成体を用いた。この、電極構成体は、図40及び図41に関し説明したような絶縁式振動撹拌装置と類似の構成を有する。即ち、上下方向に互いに平行に配置された2本の導電性棒状体に板状陽極部材及び板状陰極部材を図40及び図41の絶縁式振動撹拌装置の第1群の振動羽根及び第2群の振動羽根の場合と同様にして取り付け、各導電性棒状体を直流電源の正極及び負極の所要のものに接続したものである。隣接する陽極部材(白金メッキ処理チタン板)と陰極部材(チタン板)との間隔を15mmとし、これらの間に整流器を用いて2.5Vの電圧を印加した。また、防水型密閉照明灯102として、ブラックライトを用いた。振動撹拌装置16の振動モータを50Hzで振動させた。
以上の装置構成で通電および紫外線照射しながら振動撹拌装置を作動させて滅菌処理したところ、実施例9と同等以上の高速の殺菌効果が得られ、光透過性の低い処理液に対しても有効であった。特に、本実施例では、通電のための手段と振動撹拌装置とを分離し、しかも殺菌線を使用しないことで、安全性が向上し、装置の寿命も大幅に向上し、一ヶ月の長期にわたって異常なく稼働できた。
産業上の利用可能性
以上説明した様に、本発明によれば、消毒剤などの薬品を用いることなしに十分な滅菌処理が可能な方法及び装置が提供される。特に、本発明によれば、処理液が光透過率の低いもの(例えば、牛乳やビールの場合には1cmで透過率10%以下であり、合成酒の場合には2cmで透過率10%程度である)であっても十分に短い時間で滅菌処理することが可能な滅菌装置及び滅菌方法が提供される。従って、本発明は、処理が望まれる極めて多くの種類の処理液に対して有効である。特に、処理液の使用を継続するうち汚れで該処理液の光透過率が低下するが、そのように場合にも十分な殺菌効果が得られる。また、消毒剤や殺菌剤を混入して処理液が濁って光透過率が低くなってもその効果は維持されるので消毒剤や殺菌剤との複合効果により更に迅速な滅菌処理が可能となり、その実用性は極めて高いものである。又、本発明は、光透過率が高い処理液に対しては、従来の方法より十分に短い時間での高速処理が可能である。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明による滅菌方法の実施される本発明の滅菌装置を示す概略断面図である。
図2は、本発明による滅菌方法の実施される本発明の滅菌装置を示す概略断面図である。
図3は、本発明による滅菌方法の実施される本発明の滅菌装置を示す概略平面図である。
図4は、振動部材への振動伝達ロッドの取り付け部の拡大断面図である。
図5は、振動伝達ロッドへの振動羽根の取り付け部の拡大断面図である。
図6は、振動伝達ロッドへの振動羽根の取り付け部の変形例を示す図である。
図7は、振動羽根の詳細を固定部材とともに示す平面図である。
図8は、固定手段による振動羽根への光ファイバの固定状態を示す部分断面図である。
図9は、光源から光ファイバまでの光の導入経路を示す模式図である。
図10は、光ファイバを示す部分側面図である。
図11は、光ファイバを示す断面図である。
図12は、振動羽根及びそれに対する光ファイバの取り付け状態を示す模式図である。
図13は、振動羽根及びそれに対する光ファイバの取り付け状態を示す模式図である。
図14は、振動羽根及びそれに対する光ファイバの取り付け状態を示す模式図である。
図15は、振動羽根及びそれに対する光ファイバの取り付け状態を示す模式図である。
図16は、本発明による滅菌方法の実施される本発明の滅菌装置を示す概略断面図である。
図17は、本発明による滅菌方法の実施される本発明の滅菌装置を示す概略断面図である。
図18は、本発明による滅菌方法の実施される本発明の滅菌装置を示す一部切欠斜視図である。
図19は、本発明による滅菌方法の実施される本発明の滅菌装置を示す概略断面図である。
図20は、本発明による滅菌方法の実施される本発明の滅菌装置を示す概略断面図である。
図21は、本発明による滅菌方法の実施される本発明の滅菌装置を示す平面図である。
図22A〜図22Cは、積層体の平面図である。
図23A及び図23Bは、積層体による処理槽上部の閉塞の様子を示す断面図である。
図24A〜図24Eは、積層体を示す図である。
図25は、本発明による滅菌方法の実施される本発明の滅菌装置を示す部分断面図である。
図26は、固定手段による振動羽根への光ファイバの固定状態を示す斜視図である。
図27は、固定手段による振動羽根への光ファイバの固定状態を示す部分断面図である。
図28は、固定手段による振動羽根への光ファイバの固定状態を示す部分断面図である。
図29は、振動羽根の部分平面図である。
図30は、本発明による滅菌方法の実施される本発明の滅菌装置を示す概略断面図である。
図31は、本発明による滅菌方法の実施される本発明の滅菌装置を示す概略平面図である。
図32は、本発明による滅菌方法の実施される本発明の滅菌装置を示す断面図である。
図33は、本発明による滅菌方法の実施される本発明の滅菌装置を示す断面図である。
図34は、本発明による滅菌方法の実施される本発明の滅菌装置を示す部分断面図である。
図35は本発明による滅菌方法の実施される本発明の滅菌装置を示す部分斜視図である。
図36は、本発明の滅菌装置を示す部分断面図である。
図37は、本発明の滅菌装置示す部分断面図である。
図38は、防水型密閉照明灯の構造を示す図である。
図39は、防水型密閉照明灯の保持手段を示す断面図である。
図40は、本発明の振動撹拌装置を示す部分断面図である。
図41は、本発明の振動撹拌装置の部分側面図である。
図42は、本発明の振動攪拌装置を示す部分断面図である。
図43は、本発明の滅菌装置を示す断面図である。
図44は、本発明の滅菌装置を示す断面図である。
図45は、本発明の滅菌装置を示す平面図である。
図46は、本発明の滅菌装置を示す断面図である。

Claims (29)

  1. 滅菌対象処理液を振動攪拌しながら該滅菌対象処理液及び/又は該滅菌対象処理液中に浸漬された滅菌対象処理物を滅菌するのに用いられる振動攪拌装置であって、
    振動発生手段、該振動発生手段に連係して振動する少なくとも1つの振動伝達部材、及び該振動伝達部材に取り付けられ前記滅菌対象処理液中に浸漬される少なくとも1つの振動羽根が備えられており、
    前記振動羽根は前記滅菌対象処理液中に浸漬される光触媒活性の殺菌性材料からなる表面を有しており、前記振動羽根の殺菌性材料からなる表面に前記滅菌対象処理液中にて光を照射する光照射手段が配置されており、該光照射手段は前記振動羽根の殺菌性材料からなる表面上にて保持手段により保持された光出射部材を備えており、
    前記光出射部材は1.0mm〜100mmの間隔で互いにほぼ平行になるように前記振動羽根に取り付けられていることを特徴とする滅菌用振動攪拌装置。
  2. 滅菌対象処理液を振動攪拌しながら該滅菌対象処理液及び/又は該滅菌対象処理液中に浸漬された滅菌対象処理物を滅菌するのに用いられる振動攪拌装置であって、
    振動発生手段、該振動発生手段に連係して振動する少なくとも1つの振動伝達部材、該振動伝達部材に取り付けられ前記滅菌対象処理液中に浸漬される少なくとも1つの振動羽根、及び前記振動伝達部材に取り付けられ前記滅菌対象処理液中に浸漬され前記振動羽根とは大きさの異なる少なくとも1つの補助羽根が備えられており、
    前記補助羽根は前記滅菌対象処理液中に浸漬される光触媒活性の殺菌性材料からなる表面を有しており、前記補助羽根の殺菌性材料からなる表面に前記滅菌対象処理液中にて光を照射する光照射手段が配置されており、該光照射手段は前記補助羽根の殺菌性材料からなる表面上にて保持手段により保持された光出射部材を備えており、
    前記光出射部材は1.0mm〜100mmの間隔で互いにほぼ平行になるように前記補助羽根に取り付けられていることを特徴とする滅菌用振動攪拌装置。
  3. 前記光触媒活性の殺菌性材料はTiO2,SrTiO2,ZnO,CdSe,GaAs,CdS,NiO,SnO2,Nb25またはWO3であることを特徴とする、請求項1または2に記載の滅菌用振動攪拌装置。
  4. 前記光出射部材は、光源から発せられる光を導入し且つ前記振動羽根または補助羽根の前記殺菌性材料からなる表面に沿って延在する複数の光ファイバからなり、該光ファイバの側面には前記殺菌性材料からなる表面の方へと光を出射させる漏光部が形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の滅菌用振動攪拌装置。
  5. 前記光ファイバは、複数の石英系光ファイバ素線の集合体または石英ロッドからなり、直径が0.1〜5.0mmであることを特徴とする、請求項4に記載の滅菌用振動攪拌装置。
  6. 前記光出射部材は、前記振動羽根または補助羽根の前記殺菌性材料からなる表面に沿って延在する防水型密閉照明灯からなることを特徴とする、請求項1または2に記載の滅菌用振動攪拌装置。
  7. 前記保持手段は前記光出射部材を部分的に押える押え部材と、該押え部材を前記振動羽根に固定する固定具とを含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の滅菌用振動攪拌装置。
  8. 前記保持手段は前記光出射部材を部分的に押える押え部材と、該押え部材を前記補助羽根に固定する固定具とを含んでなることを特徴とする、請求項2に記載の滅菌用振動攪拌装置。
  9. 前記固定具は接着剤層及び/またはビスを含んでなることを特徴とする、請求項7または8に記載の滅菌用振動攪拌装置。
  10. 前記光照射手段は紫外線を発するものであることを特徴とする、請求項1または2に記載の滅菌用振動攪拌装置。
  11. 前記光照射手段は近紫外線または殺菌線を発するものであることを特徴とする、請求項10に記載の滅菌用振動攪拌装置。
  12. 前記振動発生手段は前記滅菌対象処理液中において前記振動羽根を振幅0.1mm〜15mmで振動数200回/分〜1000回/分で振動させるものであることを特徴とする、請求項1または2に記載の滅菌用振動攪拌装置。
  13. 前記振動発生手段は振動モータであり、該振動モータを周波数10〜200Hzで振動させるよう制御するインバータが備えられていることを特徴とする、請求項1または2に記載の滅菌用振動攪拌装置。
  14. 請求項1に記載の滅菌用振動攪拌装置に使用される前記振動羽根。
  15. 請求項2に記載の滅菌用振動攪拌装置に使用される前記補助羽根。
  16. 請求項1または2に記載の滅菌用振動攪拌装置と、前記滅菌対象処理液を収容し且つ内部に前記滅菌用振動攪拌装置の振動羽根が配置される処理槽とを備えていることを特徴とする滅菌装置。
  17. 請求項4に記載の滅菌用振動攪拌装置と、前記滅菌対象処理液を収容し且つ内部に前記滅菌用振動攪拌装置の振動羽根が配置される処理槽と、前記光ファイバに入射させる光を発する光源と、該光源から発せられる光を前記光ファイバへと導くライトガイドとを備えていることを特徴とする滅菌装置。
  18. 請求項6に記載の滅菌用振動攪拌装置と、前記滅菌対象処理液を収容し且つ内部に前記滅菌用振動攪拌装置の振動羽根が配置される処理槽と、前記防水型密閉照明灯の電源とを備えていることを特徴とする滅菌装置。
  19. 滅菌対象処理液を振動攪拌しながら該滅菌対象処理液及び/又は該滅菌対象処理液中に浸漬された滅菌対象処理物を滅菌する滅菌装置であって、
    前記滅菌装置は、振動発生手段、該振動発生手段に連係して振動する少なくとも1つの振動伝達部材、及び該振動伝達部材に取り付けられた少なくとも1つの振動羽根を含んでいる振動攪拌装置を備えており、
    前記滅菌装置は、前記滅菌対象処理液を収容し且つ内部に前記振動攪拌装置の振動羽根が配置される処理槽を備えており、
    前記滅菌装置は、光触媒活性の殺菌性材料からなる表面を有する複数の板材を備えており、該複数の板材は前記処理槽内に互いに平行に配置されており、
    前記滅菌装置は、前記板材の殺菌性材料からなる表面に光を照射する光照射手段を備えており、
    該光照射手段は前記板材の殺菌性材料からなる表面上に保持手段により保持された光出射部材を備えており、
    (1)該光出射部材は、互いに隣接する前記板材どうしの間に挟まれて配置され且つ前記板材の殺菌性材料からなる表面に沿って延在する複数の光ファイバからなり、該光ファイバの側面には前記板材の殺菌性材料からなる表面の方へと光を出射させる漏光部が形成されており、前記滅菌装置は、前記光ファイバに入射させる光を発する光源と該光源から発せられる光を前記光ファイバへと導くライトガイドとを備えており、
    或いは、
    (2)前記光出射部材は、前記板材の殺菌性材料からなる表面に沿って延在する防水型密閉照明灯からなり、前記滅菌装置は、前記防水型密閉照明灯の電源を備えている、
    ことを特徴とする滅菌装置。
  20. 前記光照射手段は紫外線を発するものであることを特徴とする、請求項19に記載の滅菌装置。
  21. 前記光照射手段は近紫外線または殺菌線を発するものであることを特徴とする、請求項20に記載の滅菌装置。
  22. 前記処理槽内にて前記滅菌対象処理物を保持又は収容する保持・収容手段が備えられていることを特徴とする、請求項19に記載の滅菌装置。
  23. 前記保持・収容手段を運動させるための駆動手段が備えられていることを特徴とする、請求項22に記載の滅菌装置。
  24. 請求項1または2に記載の滅菌用振動攪拌装置の前記振動羽根を処理槽に収容された前記滅菌対象処理液中に浸漬し、
    前記光照射手段により光照射して前記殺菌性材料を活性化し、前記振動発生手段により前記振動羽根を振動させて前記滅菌対象処理液を振動攪拌し、これにより前記滅菌対象処理液及び/又は該滅菌対象処理液中に浸漬された滅菌対象処理物を滅菌することを特徴とする滅菌方法。
  25. 請求項19に記載の滅菌装置の前記振動羽根を前記処理槽に収容された前記滅菌対象処理液中に浸漬し、
    前記光照射手段により光照射して前記殺菌性材料を活性化し、前記振動発生手段により前記振動羽根を振動させて前記滅菌対象処理液を振動攪拌し、これにより前記滅菌対象処理液及び/又は該滅菌対象処理液中に浸漬された滅菌対象処理物を滅菌することを特徴とする滅菌方法。
  26. 前記光照射手段により紫外線を照射することを特徴とする、請求項24または25に記載の滅菌方法。
  27. 前記光照射手段により近紫外線または殺菌線を照射することを特徴とする、請求項26に記載の滅菌方法。
  28. 前記滅菌対象処理液が低光透過率のものであることを特徴とする、請求項24または25に記載の滅菌方法。
  29. 前記滅菌対象処理液は血液であり、該血液を前記処理槽の内外で循環させながら滅菌処理を行ってウィルスを不活性化させることを特徴とする、請求項28に記載の滅菌方法。
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