JP3727846B2 - 減菌性粒子を用いた減菌方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、簡単な処理液または固形物品のための減菌方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
処理液の減菌手段としては、従来から種々の提案がされている。例えば特開平9−141272号公報では、吐水管を殺菌または抗菌機能を有するガラスやセラミックスを用いることや、トラップ部を形成する素材として、銀ゼオライト、銀活性炭、銀ヒドロキシアパタイトなどの殺菌剤を配することなどが開示されているが、この程度ではほとんど実用的効果は期待できない。
【0003】
特開平9−187773号公報では、銀などの金属イオン発生手段、紫外線殺菌手段および必要に応じて活性酸素発生手段を併用した減菌手段が提案されているが、金属イオン発生のためには直流電流を印加する必要があり、それぞれ別個の処理槽が必要となる。
【0004】
特開平10−474号公報には、請求項1で水を磁化浄化槽中を通すことが提案されているが、実情は、活性炭層中を通水する手段や紫外線照射手段などと併用するものであり、いずれもかなり大がかりな設備を必要としたり、また活性炭の定期的交換が必要となる。
【0005】
特開平11−5082号公報には、(A)磁気発生器および(B)セラミックボールと銀系抗菌材製ボールを充填した筒状ケーシングとを組合せた浄水手段が提案されているが、この手段も磁気、セラミックボール、抗菌材製ボールの三者の組合せが不可欠であり、しかも少なくとも磁気発生手段と筒状ケーシングの2つの装置を必要としており、そのうえ、ケーシング内で抗菌材製ボールに固定の流路ができ、充填材が不均一に早く効果を失ってしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、簡単に所期の減菌効果が得られる減菌方法を提供する点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一は、殺菌性材料で被覆された粒子または溶解性のある殺菌性材料を封入したカプセルと、処理液または液中における固形物品とを、振動流動撹拌手段により接触させることを特徴とする減菌方法に関する。
前記処理液とは、処理の対象となる液体を指し、また前記「液中における固形物品」とは、処理の対象となる固形物品を指す。
【0008】
本発明の第二は、前記殺菌性材料で被覆された粒子または溶解性のある殺菌性材料を封入したカプセルの平均粒子径が5μm〜10mmである請求項1記載の減菌方法に関する。
【0009】
本発明の第三は、前記殺菌性材料で被覆されている粒子が、セラミックスおよび/または合成樹脂よりなるものである請求項1または2記載の減菌方法に関する。
【0010】
本発明の第四は、減菌処理を行っている系に紫外線を照射するものである請求項1〜3いずれか記載の減菌方法に関する。
【0011】
本発明の第五は、紫外線を減菌処理槽内および/または槽外から前記殺菌性材料で被覆した粒子に照射するものである請求項1〜3いずれか記載の減菌方法に関する。
【0012】
本発明の殺菌性材料としては、無機系抗菌剤、有機系抗菌剤のいずれもが使用できる(例えば、Petrotech 第21巻第4号63〜68頁参照)。
【0013】
無機系抗菌剤としては、無機系殺菌剤と無機系抗菌製品用抗菌剤があるが、いずれも使用できる。
【0014】
前記無機系殺菌剤としては、塩化第二水銀、オキシシアン化水銀などの水銀化合物;硝酸銀などの銀化合物;次亜塩素酸ナトリウム、二酸化塩素などの塩素化合物;ヨウ素、ヨードホルムなどのヨウ素化合物;ホウ酸などのホウ素化合物;過酸化水素、過マンガン酸カリウムなどの過酸化物;生石灰などの石灰類、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化銀などの金属酸化物などが挙げられる。
【0015】
前記無機系抗菌製品用抗菌剤としては、金属担持型、金属酸化物のような殺菌性金属化合物あるいは有機抗菌剤担持型がある。金属担持型は、ゼオライト、シリカゲル、ケイ酸ガラス、ビロキシアパタイト、リン酸カルシウム、難溶性リン酸塩、リン酸ジルコニウム、ケイ酸塩、酸化チタンなどの無機担体に、Ag、Hg、Cu、Cd、Au、Co、Ni、Pb、Fe、Al、Zn、Mn、Ba、Mg、Ca、などの殺菌性金属およびその合金を担持させたものを挙げることができる。金属酸化物のような殺菌性金属化合物としては、酸化チタン(TiO )や酸化亜鉛(ZnO)などを挙げることができる。また、有機抗菌剤担持型は、前記担体に第4級アンモニウム塩、第2級アミンなどの抗菌性有機物を担持させたものを挙げることができる。
【0016】
前記有機系抗菌剤としては、メチル−2−ベンズイミダゾールカーバメイト、トリクロロカルバニリド、ヘキサミン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、脂肪酸モノグリセリド、アルキルピリジニウムハライド、セチルトリメチルアンモニウムハライドのようなアルキルトリメチルアンモニウムハライドなどを挙げることができる。
【0017】
ちなみに、金属担持型の場合には、その系における金属の種類により細菌の最小発育阻止濃度は変化するが、チフス菌に対する最小発育阻止濃度(MICで示す)は、Ag:2×10 −6 、Hg:2×10 −6 、Cu:1.5×10 −5 、Cd:6.0×10 −5 、Au:1.2×10 −4 、Co:1.2×10 −4 、Ni:1.2×10 −4 、Pb:5.0×10 −4 である。
【0018】
前記殺菌性の金属または殺菌性の金属酸化物などの金属化合物よりなる表面層の形成は、所定の粒子上に、前記殺菌性の1種または複数種の金属またはその合金を用いてめっきをするか、あるいはこれら金属成分を含有する微粒子または殺菌性の金属化合物(金属酸化物など)微粒子のコンポジットめっきにより達成することができる。表面層の厚みには何ら制限はないが、通常5〜25μm程度もあれば充分である。
【0019】
前記殺菌性材料で被覆された粒子の平均粒子径は、下限は5μm以上、好ましくは10μm以上、上限は10mm以下、好ましくは1mm以下、とくに好ましくは500μm以下であり、殺菌性材料を封入したカプセルの平均粒子径は、5μm〜10mm、好ましくは10μm〜500μm、とくに好ましくは10μm〜100μmである。勿論、この殺菌性材料で被覆された粒子は、処理後、濾別、水洗して繰り返し使用する。
【0020】
本発明において、殺菌性材料で被覆するための粒子としては、セラミックス、金属、磁性材料や合成樹脂、合成ゴム、天然ゴムなどを用いることができる。セラミックスとしては、シリカ、アルミナ、ゼオライト、酸化チタン、酸化ジルコン、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化ジルコニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、ガラスなど任意のセラミックスから選択することができる。
【0021】
磁性材料としては、フェライト磁性材料、希土類磁性材料、磁性鋼などを挙げることができるが、その磁力の強さは、その磁力によって磁性材料粒子同士が凝集をおこさない程度のものを使用することが好ましい。多少凝集をおこす場合でも、これをバレルに入れて使用することも可能である。
【0022】
合成樹脂も種々の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂のなかから任意の合成樹脂を選択することができるが、とくに乳化重合や懸濁重合などの重合法により粒子が形成できるものが有利である。合成樹脂粒子の場合は、所定のめっきに先立ち、脱脂、エッチング、中和、キャタリスト処理、アクセラレーター処理などをあらかじめ行っておくことが好ましい。すなわち合成樹脂のめっきにおいて通常用いられている前処理を必要とする。
【0023】
また、この合成樹脂粒子や合成ゴム粒子としては、導電性粉体を配合した粒子を用いると後のめっき処理が容易となる。導電性粉体が殺菌性材料であるときは、これを殺菌性材料で被覆された粒子の均等物として使用することもできる。なお、前記金属粒子が殺菌性材料である場合は、表面に殺菌性材料が存在しているわけであるから、あらてめて殺菌性材料で被覆する必要はないが、場合によってはその金属粒子の殺菌性より一層強力な殺菌力をもつ金属で被覆することもできる。例えば、Ni粒子上にAgめっきした粒子とすることもできる。
【0024】
被覆される殺菌性金属とセラミック粒子との組合せとしては、例えば、つぎのようなものが好ましい。
Agと酸化アルミニウム;Cuと酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、炭化タングステン、炭化ジルコニウム、炭化ホウ素、窒化ホウ素またはホウ化クロム;金と酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化トリウム、酸化チタン、酸化セリウムまたはホウ化クロム;ニッケルと酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、炭化ホウ素、炭化クロム、炭化ケイ素、炭化チタン、炭化タングステン、窒化ホウ素、窒化ケイ素;鉛と酸化アルミニウム、酸化チタン、炭化チタンまたは炭化ホウ素などの組合せを挙げることができる。
【0025】
これらの粒子に対するめっきは、粒子の表面洗浄(脱脂を含む)が充分行われていることが望ましい。この粒子を少量の水またはめっき液中で充分混合、分散したものを所定のめっき浴中に加え、通常の方法によりめっきを行うことが望ましい。この種のめっきに用いられるめっき浴は、昭和58年6月15日、(株)広信社発行、「表面技術総覧 −めっき・陽極酸化編−」第372〜378頁記載のものなどを用いることができるが、これに制限されるものではない。通常、めっき浴に加えられる前記粒子は50〜500g/リットル、好ましくは100〜200g/リットルである。また、これらの粒子に対する有効なめっき手段としては本出願人の特願2000−239164号「2000年8月7日出願;極小物品のバレル電気めっき方法」がある。
【0026】
この極小物品のバレル電気めっき方法は、めっき液が通過し得る多数の小開孔を有するバレル内に複数の被めっき物品を収容し、前記バレルをめっき浴内で運動させながら、前記バレル内の被めっき物品と接触可能に配置された陰極部材と前記バレル外にて前記めっき浴中に配置された陽極部材との間に電圧を印加して前記被めっき物品の表面にめっき膜を形成するバレル電気めっき方法であって、前記被めっき物品は平均径が5〜500μmであり、振動発生手段に連係して前記めっき浴内で振動する振動棒に一段または多段に固定された振動羽根を前記めっき浴内で振幅0.1〜10.0mm及び振動数200〜800回/分で振動させることにより前記めっき浴に振動流動を発生させ、且つ前記バレルを振幅0.1〜5.0mm及び振動数100〜300回/分で振動させることを特徴とするものである。
前記バレルの運動は、通常非鉛直方向の回転中心の周りでの自転運動で、バレルの回転は通常5〜30回/分であり、前記めっき浴の振動流動は、通常3次元流速が150mm/秒以上であり、前記バレルの小開孔の径は被めっき物品の大きさに対応して、通常3〜300μmの範囲で適宜設定する。
また、前記振動発生手段は、通常インバータにより10〜500Hzで振動させるものである。
振動流動の実態は、後述の本発明の撹拌手段の項で述べる振動流動撹拌手段と同一である。
【0027】
前記有機系抗菌剤は、水溶性のものがほとんどである。有機系、無機系いずれの場合も、水不溶性で抗菌剤透過性のカプセル内に処理液に可溶性の抗菌剤を封入して使用することができる。カプセル化剤としては、合成、天然高分子などを用いることができ、いずれも公知のカプセル化方法が使用できる。
【0028】
マイクロカプセル化方法については、1985年8月1日共立出版株式会社発行、近藤保著「マイクロカプセル」に記載されているとおりであり、具体的には(1)化学的方法(界面重合法や不溶化反応法など)、(2)物理化学的方法(相分離法や界面沈澱法)、(3)物理的方法(噴霧乾燥法や流動床法)があり、いずれの方法も採用可能である。また、前記合成、天然高分子としては、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートプロピオネート、カルボキシメチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、カゼイン、クレゾール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド、飽和、不飽和のポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアセタール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ABS、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、塩化ビニリデン樹脂、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、各種ふっ素樹脂、ポリビニルアルコール、あるいはこれらの混合物などを挙げることができる。
【0029】
殺菌性材料で被覆された粒子や殺菌性材料を封入したカプセルの使用量は液の容積に対して、粒子容積が5〜50%になるような範囲で使用することが好ましい。
【0030】
前記殺菌性材料で被覆された粒子や殺菌性材料を封入したカプセルの比重は、使用する液中で充分流動できる範囲内のものを選択する。粒子の平均粒径が小さいほど使用する液より比重が大きくても処理が可能であり、とくに振動撹拌を行う場合にはその許容範囲が大きく、粒子やカプセルが小さい場合には液の比重に対して3〜4倍の比重のものでも使用可能である。
【0031】
本発明における殺菌あるいは減菌の対象となる菌については、とくに限定するものではないが、少なくとも大腸菌群(大腸菌、病原大腸菌、O−157)、サルモネラ菌、腸炎ビブリオ菌、カンピロバクター、エルシニア菌、ウエルシュ菌、ナグビブリオ菌、腸球菌、緑膿菌(Psevdomonas aeruginosa)、セパシア菌(Burkholderia cepacia)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)、肺炎(レンサ)球菌(Streptococcus pneumoniae)、セラチア属菌(Serratia)、プラテウス属菌(Proteus)、エンテロバクター属菌(Enterobacter)、シトロバクター属菌(Citrobacter)、エンテロコッカス属菌(Enterococcus)、クレブシエラ属菌(Klebsiella)、バクテロイデス属菌(Bacteroides)、レジオネラ属菌(Legionella)、マイコバクテリウム属菌(Mycobacterium)、ニューモシスチス・カリニ(Pneumocystis carinii)、真菌(fungus)、病原ウィルスなどに対して有効である。
【0032】
本発明においては、他の減菌手段との併用を妨げるものではなく、殺菌灯(紫外線照射)、オゾン発生機などを必要に応じて併用することができる。
【0033】
処理液を処理するための処理槽の形状には、とくに限定はないが、プロペラを用いた撹拌の場合は水平断面が円形または楕円形のものが好ましい。また、振動撹拌の場合は、円形、楕円形、多角型、長方形など幅広い形状の処理槽でも極めて円滑に減菌をすることができる。
【0034】
本発明においては、殺菌性材料で被覆された粒子や殺菌性材料を封入したカプセルと処理液の接触を効率よく行うため、撹拌を行うことが好ましい。
【0035】
撹拌方式としては、昭和56年4月5日、(株)建帛社発行、辻薦著、「食品工場における洗浄と殺菌」第118頁記載のように、プロペラ式(スクリュータイプ)撹拌、プロペラ式撹拌と邪魔板併用方式、側壁固定回転羽根方式、側壁対流方式、散気管による気泡撹拌方式など公知の任意の撹拌方式を用いることができるが、撹拌効率の点から、とくに粒子の比重が大きい場合や処理時間を短くしたい場合には、本出願人の提案した下記公報などに記載の振動撹拌方式が最適である。なお、プロペラ式撹拌の場合には、プロペラに粒子が衝突し、粒子の破損、消耗が発生することがあるが、振動撹拌の場合はこの心配は皆無である。
また、通常のプロペラ式撹拌では、比重の重い粒子を用いるときは粒子が処理槽の下方に、比重の軽い粒子を用いるときは粒子が処理槽の上方に、それぞれかた寄り勝ちで均一に分散しないが、振動流動撹拌手段を用いると、比重の大小にかかわらず、粒子が均一に分散するので、均一でかつ接触効率を高めることができる。
【0036】
これら振動撹拌方式については、特許第1941498号(特開平3−275130)、特許第2707530号(特開平6−220697)、特許第2762388号(特開平6−312124)、特許第2767771号(特開平8−281272)、特許第2852878号(特開平8−173785)、特許第2911350号(特開平7−126896)、特許第2911393号(特開平9−40482)、特許第2988624号(特開平11−189880)、特許第2989440号(特開平7−54192)、特許第2992177号(特開平6−330395)、特許第3035114号(特開平6−287799)、特開平6−280035号、特開平6−304461号、特開平10−43569号、特開平10−369453号、特開平11−253782号、特願平8−220391号、特願平9−137927号、特願平10−76702号、特願平11−127830号、特願2000−9540号などに記載の方法を利用できる。
【0037】
本発明に用いる振動流動撹拌手段を以下に説明するが、本発明の振動流動撹拌手段は前述の特許公報記載の各手段を用いることができ、下記手段に限定されるものではない。
【0038】
本発明に用いる振動流動撹拌手段の例としては、(1)振動モーターを含む振動発生手段、(2)それに連係して振動する少なくとも1本の振動棒、(3)該振動棒に振動羽根用固定部材を用いて固定された少なくとも1枚の振動羽根、(4)振動モーターが10〜200Hzの間の任意の振動を発生できるように調整するためのインバーター、および必要に応じて(5)振動発生手段と前記振動棒との接続部に設けられた振動応力分散手段よりなる振動流動撹拌手段を挙げることができる。
【0039】
振動モーターにはインバーターにより10〜200Hzの間の所望の振動を発生させ、この振動を振動応力分散手段と振動棒を介して振動羽根に伝えることにより、振動羽根を振幅0.1〜15mm、振動数200〜1000回/分で振動させる。
【0040】
本発明に用いる振動流動撹拌手段の1例を添付の図1〜3により詳細に説明する。図1は、その1例を示すものであって、1部縦断正面図である。図2、図3は、前記手段を上部開放型円形タンク(処理槽)1に取付けた状態を示す。処理槽1内には処理される水が入っている。この振動流動撹拌手段は振動モーター2に振動棒7が取付けられ、さらに、振動棒7に、振動羽根8が好ましくは図示されていない上下に設けた押え板を介して振動羽根用固定部材9、例えばナットや固定板等により回転不能に固定されている。本例では振動羽根8は5枚で構成されている。振動モーター2の振動を処理槽1に伝達させないため、振動モーター2を上面に支持固定する本体載置台4aの下方に振動吸収機構を設ける。振動吸収機構は、台板4bと本体載置台4aとの間にバネ3を介装し、横すべり防止のため台板4b上に固定したガイドシャフト5を本体載置台4aに上下に摺動可能にスプリング(バネ)3内を貫通して本体載置台4aをガイドしている。上記バネ3に代え、ゴム等の緩衝体を用いてもよい。この場合には、ガイドシャフト5と緩衝体は別位置に設ける。羽根の形状は、図9に示すものを使用した。羽根は金属製またはプラスチック製で厚み1.5mmのものを使用した。角度は水平である。
【0041】
振動数を制御するためトランジスターインバーター35を振動モーターの前に結線し、200Vを供給する。振動モーター2の振動エネルギーは振動吸収体機構の振動吸収体、例えばバネ3により処理槽1から絶縁され、該エネルギーは振動棒7より処理される水に振動羽根8により伝えられ、処理液が振動流動する。振動発生手段として振動モーター2を使用することができる。
【0042】
前記振動羽根は、インバーターにより制御された振動モーターにより10〜200Hz、好ましくは20〜60Hzの間の任意の特定の振動を生じるが、この振動羽根の材質および厚みは、この振動により羽根がしなりながら振動するものであることが好ましい。
【0043】
また、振動羽根の形状は、板に切り込み部を有しないものであることが好ましい。切り込みがあると振動による材質疲労が原因で切り込み部分から羽根に亀裂が発生するので好ましくない。もっとも好ましい形状は羽根の先端部以外は振動棒に固定する振動羽根の付け根部分の幅と同一の幅をもつ短冊状のものである。
【0044】
本発明における振動流動撹拌手段においては、振動応力分散手段を設けることが好ましい。振動応力分散手段を用いた1例を図13に示す。図13における接続部11を構成する応力分散手段としては、例えばつぎのような手段を挙げることができる。
【0045】
一つの振動応力分散手段について述べれば、振動発生手段と振動棒の接続部において、振動発生手段の下部および/または上部の振動棒の周りに設けられるゴム質リングを設ける。ゴム質リングは肉厚のものが好ましい。
【0046】
例えば、図4または図5に示すように、振動伝達部材37に振動棒7を連結するに当り、振動伝達部材37の所定の穴に振動棒7を通し、振動棒7の端部をナット12、13、ワッシャーリング16により固定し(図4の場合は振動伝達部材37とワッシャーリング16の間にゴム質リング18′を介在させている)、一方、振動伝達部材37の反対側は、振動棒7に前記の合成ゴム質リング18を挿入し、ナット14、15により固定する。
【0047】
ゴム質リング18や18′を全く使用しないケースにおいては、振動応力が振動伝達部材と振動棒との接合部分近辺に集中し、振動棒が折れ易いという問題点があったが、ここにゴム質リングを挿着することにより、完全に解消することができた。とくに、ゴム質リングを使用しないで振動数を100Hz以上に高くした場合には振動棒の折れがしばしば発生していたが、これにより、そのような心配がなく振動数を高くすることができる。
【0048】
前記ゴム質リングは、硬い天然ゴム、硬い合成ゴム、合成樹脂等のショアーA硬度80〜120、好ましくは90〜100の硬質弾性体により構成することができる。とくに、ショアーA硬度90〜100の硬質ウレタンゴムが耐久性、耐薬品性の点で好ましい。
【0049】
もう一つの振動応力分散手段は、振動発生手段と振動棒の接続部において、振動発生手段と振動棒の間に金属線束を挿入することである。例えば、図6に示すように、振動伝達部材37に振動棒7を連結するに当り、補助振動棒7′と金属線束23を介在させるものである。なお、場合により、補助振動棒7′は使用しないで、金属線束23を直接振動伝達部材37に連結することもできる。具体的には、補助振動棒7′の一端をナット12、12′、13、13′、ワッシャーリング16、16′により振動伝達部材37に固定し、この他端にナット19と接続リング20を介して金属線束23の一端を連結し、ついで金属線束23の他端に接続リング21とナット22を用いて振動棒7を連結した。これにより、ゴム質リングを用いた場合と同様の効果を奏することができる。
【0050】
金属線束は、その構造が吊り橋のケーブルとしてよく利用されているタイプのものであって、たくさんの金属単線あるいは金属撚線を端部で外側より結束したものであり、通常結束には金属被覆部を用いる。この金属線束と他物との連結には、前記金属被覆部にネジを切ることにより達成できる。
【0051】
金属線束の大きさは、直径が振動棒と同じ位であり、長さは振動により上下の金属線束の被覆部や該被覆部に取付けられた接続リング同士が接触しない程度の長さがあればよい。
【0052】
通常、振動モーターは、処理槽上、処理槽側壁にあるいは固い床上に架台をおきその上にセットする。槽の厚みが薄く(ステンレス槽5mm以下)液の振動によりタンク側壁や床面に振動が伝えられる場合は槽の外側に架台を設置することが好ましい。槽の厚みが5mm以下の場合には、槽の側壁にバンドを締めるような要領で補強部材を付設し、そこに振動装置を設置するとよい。振動モーターの発生する振動は、基本振動部材を介して振動棒に伝えられる。この場合、振動モーターは通常基本振動部材の下側に吊り下げる形でセットすることが好ましい(図14参照)。このようにすることにより重心を下げることができ、横ぶれの発生を極めて少なくすることができる。
【0053】
振動発生手段は、通常、振動モーター(マグネットモーター、エアーモーター等も含む)により基本振動部材や振動伝達部材などを振動させるシステムを採用している。振動モーターに代えて電磁マグネットあるいはエアーガンなどの振動発生手段も使用することができる。
【0054】
振動羽根部は、振動羽根と振動羽根用固定部材よりなるが、振動羽根を複数枚重ねたもの、あるいは振動羽根と振動羽根用固定部材を一体成形したものを使用することができる。
【0055】
前記振動羽根は、材質として、好ましくは薄い金属、弾力のある合成樹脂等が使用できるが、振動モーターの上下の振動により、少なくとも羽根板の先端部分がフラッター現象(波を打つような状態)を呈する厚みであり、これにより系に振動に加えて流動を与えることのできるものが好ましい。金属の振動羽根の材質としてチタン、アルミニウム、銅、鉄鋼、ステンレス鋼などの金属、これらの合金が使用できる。合成樹脂としては、ポリカーボネート、塩化ビニル系樹脂、ポリプロピレンなどが使用できる。振動エネルギーを伝えて振動の効果を上げるため厚みは特に限定されないが一般に金属の場合は0.2〜2mm、プラスチックの場合は0.5〜10mmが好ましい。過度に厚くなると振動撹拌の効果が減少する。
【0056】
振動羽根の材質として弾性のある合成樹脂等を使用する場合には、厚みは特に限定されないが一般に0.5〜5mmが好ましいが、金属たとえばステンレスの場合は0.2〜1mmたとえば0.6mmのものが好ましい。また、振動板の振幅は、0.1〜15mm、好ましくは0.1〜5mmである。
【0057】
振動軸に対し振動羽根は一段又は多段に取り付けることができる。振動羽根を多段にする場合、水位、容量、振動モーターの大きさにより変化し、必要に応じて5〜7枚と増加することができる。多段の段数を増加する場合、振動モーターの負荷を大きくすると振動巾が減少し、振動モーターが発熱する場合があるが、この場合は振動モーターの容量を大きくする。振動羽根は一体でもよい。振動軸に対し振動羽根部の角度は水平でもよいが、ある程度の角度をもたせることができ、角度α(図12参照)が5〜30度とくに10〜20度にして振動に方向性をもたせることもできる。
【0058】
振動羽根は振動羽根用固定部材により上下両面から挾みつけて振動棒に固定することにより振動羽根部を形成することができる。また、振動羽根用固定部材と振動羽根は振動軸の側面からみて図12に示すように一体的に傾斜していることができる。
【0059】
また、振動羽根と振動羽根用固定部材は例えばプラスチックスを用いて一体成形することにより製造することもできる。この場合は振動羽根と、振動羽根用固定部材を別々に使用する場合に較べて、その接合部分に被処理物が浸入、固着し、洗浄に手間がかかるという欠点を回避することができる。また、羽根と固定部材を一体化したことにより、厚みの段差が発生せず、応力集中を避けることができるので、羽根の使用寿命を大幅に延長することができる。
【0060】
一方では振動羽根と振動羽根用固定部材を別々に作っておけば、振動羽根のみをとりかえることができるが、一体成形のものでも交換は可能である。この場合の振動羽根、振動羽根用固定部材、一体成形品はプラスチックスに限らず、前述の種々の材料が使用できる。振動羽根用固定部材9や10を使用するときは、上下から振動羽根をはさみつけて使用するが、この固定部材は上下で、その大きさを異ったものとすることもでき、これにより振動応力を分散させることができる。
【0061】
また、図12にみられるように、振動羽根用固定部材10と振動羽根8の間に合成樹脂シート例えば弗素樹脂シートまたはゴムシート33を介在させ、これにクッション作用を持たせることにより振動羽根の応力を分散することができる。また、前記合成樹脂シートやゴムシート33は前記振動羽根用固定部材10より長めで、振動羽根の先端方向にやゝ突出している長さとすることが好ましい。
【0062】
振動羽根または振動羽根用固定部材などよりなる振動羽根部は、ナットを用いて振動棒に固着することができる。振動羽根および/または振動羽根用固定部材を多数振動棒に取付ける場合には、図13に示すようにナット29で固定した後、振動棒に丁度嵌合する円筒状の一定の長さのスペーサ30を1個(図13参照)または複数個(図12参照)挿入することにより、振動羽根および/または振動羽根用固定部材の間隔を簡単に一定化することができる。
【0063】
振動羽根(または振動羽根部)の形状は、いろいろな形状を採用することができる。その1例を図8〜9に示す。図8(a)の振動羽根8、8は、一枚の板を十字状に切り抜いて作ってもよいし、矩形状のものを2枚重ねて作ってもよい。固定部材10は振動羽根の巾と同じ〔図8(a)、図9(a)〕でもよいし、振動羽根の巾より狭くてもよい〔図8(b)、図9(b)参照〕。これらの場合、特願平6−337183号の図7、8のように羽根に切欠部を設けると、長期使用の場合に振動羽根や固定部材の破損を誘発する傾向があるので、切欠部を設けないことが好ましい。
【0064】
振動羽根は振動棒に直角につけてもよいが、撹拌を強くしたいときは、振動羽根に図12のように角度αを与えるとよい。特許第2852878号の図22に示すように多数の振動羽根のうち、下位の1〜2枚を下向きの角度とし、それ以外のものを上向きの角度とすることもできる。このようにすると、処理槽底部の撹拌を充分行うことができ、下部に溜りが発生するのを防止することができる。
【0065】
以上は、振動棒が1本の場合について説明してきたが、振動棒は複数本であってもよいことは勿論であり、多軸にすることにより大型の処理槽の撹拌に有効である。この具体例を図15〜図17に示す。この具体例は振動棒を2本としたケースであり、図16にそれがよく示されている。
【0066】
振動羽根部の振動に伴って発生する振動羽根の“しなり現象”の程度は、振動を与える周波数、振動羽根の長さと厚み、被撹拌物の粘度、比重などによって変化するので、与えられた周波数においてもっともよく“しなる”長さと厚みを選択することができる。周波数と振動羽根の厚みを一定にして、振動羽根板の長さを変化させてゆくと、振動羽根のしなりの程度は図10に示すように長さ(固定部材より先の部分の長さ)が大きくなるに従ってある段階までは大きくなるが、それをすぎるとしなりは小さくなり、ある長さはときにはほとんどしなりがなくなり、さらに振動羽根を長くするとまたしなりが大きくなるという関係をくりかえすことが判ってきた。その様子のモデルを図10に示す。
【0067】
したがって、振動羽根の長さ(固定部材より先の部分の長さ)は、好ましくは、第1回目のピークを示す長さか、第2回目のピークを示す長さを選択することが好ましい。第1回目のピークを示す長さにするか、第2回目のピークを示す長さにするかは、系の振動を強くするか、流動を強くするかによって適宜選択できる。第3回目のピークを示す長さを選択した場合は、振動巾が小さくなり、用途が限られる。
【0068】
周波数37〜60Hz、75KWでSUS304製の振動板のいろいろの厚みのものについて、ほゞ第1回目のピークを示す長さ、第二回目のピークを示す長さを求めたところ、つぎのような結果が得られた。
【表1】
Figure 0003727846
なお、この実験における長さは、振動羽根用固定部材の先端から振動羽根の先端までの長さで示したものであり、振動棒中心から前記固定部材先端部までの長さは27mm、振動羽根の角度αは上向き15゜の場合である。
【0069】
振動羽根の厚みは、被処理物の粘度、比重、振動条件により好ましい範囲は異なるが、振動羽根が折れることなく、羽根のように充分しなうことのできる程度の厚みとするのが、もっとも振動撹拌の効率を高めることができる。
【0070】
この点から振動羽根は、系の流動に大きく寄与し、振動羽根用固定部材は系の振動に寄与しているものと推定される。
【0071】
振動棒に固定するためにはナット(図中ナットは省略している場合が多い)を用いて基本振動部材または振動伝達部材などの振動羽根を固着することができるが、特許第2852878号の図18に示すようにナットの代りにストッパーリングを用いることができる。ストッパーリングを用いることにより振動棒を上下させて液中の振動棒の長さを変化させることができるので、処理槽の大きさに応じて振動棒の長さを任意に調整することができる。また、振動棒を金属製よりプラスチック製などに容易に取り替えることができる。このように処理槽内の液の性質により容易に振動棒や振動羽根などの撹拌手段を変更できることは、従来のプロペラ式撹拌機では全く行なえないことである。
【0072】
また、振動発生手段と処理槽は、図13、図14の振動発生手段において、図11に示すように振動伝達部材37から下方に垂直に伸びた四本の支持棒47、それに対応して処理槽側から上方に垂直に伸びた支持棒48および上下支持棒47、48を取り巻くスプリング36により係合されていることが好ましい。とくに上と下の支持棒47、48は前記スプリング36により非接触状態に保たれていることが好ましい。これにより、振動発生手段に横ゆれが発生しても前述の係合部分でうまく横ゆれを吸収することができ、装置全体に好ましくない横ゆれの発生、それに伴う騒音の発生を防止することができる。
【0073】
振動発生手段と処理槽の間のスプリングを用いた横ゆれ防止手段のかわりに、振動発生手段と処理槽との間に、(イ)ゴム板または(ロ)ゴム板(板状ゴム)と金属板との積層体よりなる振動吸収部材を用いることもできる。
【0074】
振動吸収手段としての(イ)ゴム板または(ロ)ゴム板と金属板との積層体は、ゴム板により振動モーターを含む振動発生装置の振動を吸収させ、かつ金属板とゴム板が一体になって、あるいはゴム板単独で振動モーターを含む振動発生装置の重量を受け止めかつ、振動棒以外に振動が伝わらないよう無駄な振動を吸収する働きをしているものである。したがって、金属板とゴム板の積層体は、それぞれの間を接着剤により接着してもよいが、接着しないで単に積み重ねただけのものであってもよい。
【0075】
ゴム板またはその積層体の厚みは、前述のとおり振動発生装置の重量に耐えうるものであるとともに、振動発生装置の振動を振動棒や振動羽根以外のものにはできるだけ伝達しないように吸収するという目的に叶うものであればよい。
【0076】
積層体は、金属板/ゴム板〔例えば図18の(a)参照〕または金属板/ゴム板/金属板〔例えば図18の(b)参照〕あるいはこれらの繰り返し〔例えば図18の(c)または(d)参照〕よりなる構成であることができる。
【0077】
前記ゴム板またはその積層体は、振動棒が貫通するための孔が存在するだけで処理槽全体を覆う密閉型のもの(金属板は槽の外枠と同一または大きいが、ゴム板は槽の内側に栓をするようにくいこむ形のものも使用できる)〔例えば図19の(a)参照〕、前記貫通孔の個所で二分割されている準密閉型のもの〔例えば図19の(b)参照〕、あるいは処理槽の枠にほゞ一致する部分をのぞき中央部が開口している開放型のもの〔例えば図19の(c)参照〕などを例示することができる。図19の(b)のタイプのものは、2つに分割されたゴム板を両方から分割面に押しつけるようにしてセットすれば、ほゞ密閉型と同一の働きを示す。本発明においては、減菌状態を保つ上から準密閉型、とくに完全密閉型のものが好ましい。
【0078】
完全密閉型とする場合には、振動棒がゴム板またはその積層体を貫通する個所を可変形性シール部材でシールする必要がある。このようなシールをすれば、有毒ガスが発生する反応系の撹拌において、とくに有利である。可変形性シール部材としては、軟らかいゴムが使用できる。このような可変形性シール部材を使用しない場合でも、ゴム板またはその積層体の主成分がゴムであるうえ、振動棒の上下振動は通常20mm以下、好ましくは10mm以下、とくに好ましくは5mm以下であり、下限は0.1mm以上、好ましくは0.5mm以上、といった程度であるから、ゴム板またはその積層板の伸縮が振動棒の上下動にかなり追従することができるので予想外に摩擦熱は発生せず、単にゴム板またはその積層体に振動棒の外径とほゞ同じ径の穴を開け、これに振動棒を通すのみで、可成り満足できる密閉状態を形成することができる。また、前述の準密閉型の密閉状態もほゞこれに準ずる密閉状態の形成が可能である。
【0079】
積層体における金属板とゴム板との関係は、通常金属板の平面図とゴム板の平面図が一致するものを積層して積層体としたものであるが、図20の斜視図(一部断面図)のような形状のものを使用することができるが、この場合でも、上下の補助板を除く、ゴム/金属積層体の上下面の表面積が、積層体の中心線に沿って上から下に切断して形成される積層体の表面積より大きいものであることが必要である。このような条件を満さないと、積層体が振動するとき側面からみて多少であるが「くの字」型に変形し、振動棒に歪がかかるので好ましくない。したがって、この場合の積層体部分は金属板とゴム板とがそれぞれ少なくとも1〜2層以上積層されているタイプのものが好ましい。おおむね5層以下で充分である。
【0080】
前記ゴム板は、合成ゴムあるいは天然ゴムの加硫物であることができ、JIS
K6386で規定する防振ゴムが好ましい。
【0081】
前記合成ゴムとしては、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ニトリル−クロロプレンゴム、スチレン−クロロプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム、エピクロルヒドリン系ゴム、アルキレンオキシド系ゴム、フッ素系ゴム、シリコーン系ゴム、ウレタン系ゴム、多硫化ゴム、フォスファビンゴムなどを例示することができる。市販ゴムシートとしては、天然ゴム板、絶縁ゴム板、導電性ゴム板、耐油性ゴム板(NBRなど)、クロロプレンゴム板、ブチルゴム板、ハイパロンゴム板、SBRゴム板、シリコンゴム板、フッ素ゴム板、アクリルゴム板、エチレンプロピレンゴム板、ウレタンゴム板、エピクロルヒドリンゴム板、難燃性ゴム板等が入手でき使用することができる。これらのゴム材料としては、とりわけ、JISK6386(1977)記載の物性をもつ防振ゴムの物性を満足するものが好ましい。とくに静的せん断弾性率4〜22kgf/cm、好ましくは5〜10kgf/cm、伸び250%以上のものが好ましい。
【0082】
前記金属板としては、ステンレス板、鉄板、銅板、アルミニウム板、その他各種合金板などを挙げることができる。また、金属板として撹拌棒の蓋をそのまま転用することもできる。
【0083】
本発明においては、前記(イ)ゴム板または(ロ)ゴム板と金属板との積層体よりなる振動吸収部材の使用に加えて、処理槽とその据え付け部との間に任意の振動吸収機構を付設することが好ましい。この振動吸収機構は、前記据え付け部の上方に所望の厚みのゴム層を設けることにより達成することができる。このようなゴム材としては、耐震構造建築の振動吸収材として用いられているゴム材を用いることが好ましい。また、場合によりゴム層に代えて重ね板ばね、皿ばねなどを用いることもできるし、前記ゴム層と併用することもできる。
【0084】
また、振動モータの取付け態様は、図13の方式でも図14の方式でもよい。
【0085】
この横ゆれ防止機構を備えた振動撹拌手段の1例は、図13および図14に示し、これらの図における横ゆれ防止機構の拡大図は、図11に示す。図中36はスプリング、46は処理槽またはそれに設けられた架台あるいは補強部材、47は基本振動部材または振動伝達部材より下方に垂直に伸びた支持棒、48は前記46より上方に垂直に伸びた支持棒である。図13のタイプは振動棒7に直接振動羽根8を振動羽根用固定部材10で固定したものであり、図14のタイプは、振動棒7を途中で2つに分割し、分割振動棒34、34に分かれ、分割振動棒34、34には、振動羽根8、8……がかけ渡されており、この振動羽根8、8……が振動することにより系に振動撹拌を与える。
【0086】
横ゆれ防止機構として、ゴムまたはゴム/金属積層体を用いた振動流動撹拌手段の例を図21と図22に示す。
【0087】
本発明において、減菌の対象になる処理液とは、水道水、井戸水、雨水、河川水、処理排水、汚染河川などの各種水、ジュース、お茶、飲料用ミネラルウォーターなどの飲料、各種液体食品、マヨネーズなどの各種ペースト状食品あるいは細菌などで汚染されている各種有機溶剤、無機物や有機物含有液体などを挙げることができる。
【0088】
本発明において、減菌の対象となる固形物品としては、格別の制限はないが、たとえば飲食器、飲食品製造用部品、飲食品用および医療用の各種びんや容器、その他手術用具、検査用具などの医療用器具、衣類、寝具、小間物、化粧道具、野菜・果物、魚類などの食品などを挙げることができる。
【0089】
物品が大きいものであって、直接処理槽中にセットできる場合は、それでもよいが、物品が小物などの場合には、これをかご(金属製またはプラスチック製など)などの多孔質容器(例えばバレル)に入れて処理槽中にセットすることが好ましい。
【0090】
物品は、その大小にかかわらず、任意の手段で揺動や回転を与えてやると一層処理液との接触が増大し、均一化するので、好ましいことである。物品が大きい場合は、それ自体を吊り下げ、吊り下げ具を揺動させたり、回転させたりすることができる。また、物品が小物の場合には、前記多孔質容器に入れて、多孔質容器内に必要に応じて固定したうえ、多孔質容器を揺動したり、回転したりすることができる。前記多孔質容器は、プラスチックスや金属で作ることができる。通常は、板状のプラスチック板または金属板に所望の孔を開けて作ることができるが、側壁に対する開孔面積の割合を高くしたいときは金網製の側壁とするが、樹脂被覆された金属線による金網製の側壁とすることもできる。側壁に対する開孔面積は10〜98%程度とすることができる。前記容器に設ける多数の孔は、容器内に充填して液体処理を受ける物品の大きさや形状に合わせて、もっとも処理効率の高い形状の孔と数を選択する。通常、開孔率は、側壁に対して20%以上が好ましい。これ以下では処理効率が低下する。また、この容器の水平断面形状は、円形でも多角形でもよい。
【0091】
揺動は、通常揺動幅10〜100mm、好ましくは20〜60mmの振幅で、1分間に10〜60回程度の回数になるような状態でゆっくり動かすことを意味している。回転を与える場合も、1分間に10〜60回位回転する程度で充分目的を達することができる。
【0092】
処理系への紫外線照射は、処理系内に紫外線照射装置を組み込んでもよいし、処理槽の外部から紫外線を照射したり、処理系を一度処理槽外にパイプ、好ましくはガラスパイプや石英パイプで引き出し、処理槽とは別の場所で処理液および/または殺菌性材料を被覆して粒子に紫外線を照射することもできる。紫外線の照射のみでもそれなりの効果はあるが、本発明において殺菌材料として金属、合金またはその酸化物を用いている場合、とくに酸化チタンや酸化マンガンのように光触媒機能をもつものを使用する場合には、一層減菌能力を向上させることができる。
また、撹拌手段の1部に殺菌材料としての金属、合金または酸化物を用いている場合には、それに紫外線を照射することが好ましい。たとえば、振動羽根用固定部材の表面にAgめっきをしたものやTiO膜をもつものの場合には、これに効率よく紫外線を照射することが好ましい。
【0093】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
【0094】
実施例1
<殺菌性材料で被覆された粒子の製造>
ABS(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体)樹脂粒子(平均粒径25μm)に5〜25μm厚のAgめっき層を形成するためには下記の装置を用いた。
本実施例に用いた装置は、図23および図24に示す。図23は正面からみた断面図であり、図24は側面からみた断面図である。本実施例に用いた装置はポリプロピレン製の三連槽を用い、それぞれの槽に振動流動撹拌手段が設けられている。振動モータは第一振動モータ67の方は一台で2つの振動流動撹拌手段を駆動し、第二振動モータ67′の方は一台で1つの振動流動撹拌手段を駆動するようになっている。本実施例では後述するとおり、脱脂−水洗−エッチング−水洗−中和−水洗−キャタリスト−水洗−アクセラレータ−水洗−無電解ニッケルめっき−水洗−硫酸銅めっき−水洗−銀めっき−水洗の工程を経るので、15槽を用意するため、図24に示す装置を5台並べて使用する。なお、場合によっては水洗のみは同一の一つの槽を使用する(この場合、バレルは各処理槽と1つの水洗槽を往ったりきたりする)こともできる。
(イ)第一振動モータ:250KW×200V、3相(ユーラスバイブレータ、村上精機製作所製)
(ロ)第二振動モータ:160KW×200V、3相
(ハ)ポリプロピレン製処理槽の1槽当りの寸法:300×600×290(mm)
(ニ)インバータ :富士インバータFVR−E9Sシリーズを各モータ毎に使用、40Hzで振動撹拌手段を駆動させる。
(ホ)バレル :直径100mm、長さ170mmの円筒で、小開孔の径は0.1mm、開孔率60%
(ヘ)バレルは、コンベアーによりそれぞれの所定の槽に移動し、処理浴に浸漬される。
(ト)バレル中には、平均粒径25μmのABS樹脂粒子をバレル容積の1/3程度の量で充填し、一般モータにより7〜8回/分の割合で回転させた。
(1)脱脂工程
ホウ酸ソーダ 20g/リットル
リン酸ソーダ 20g/リットル
界面活性剤 2g/リットル
よりなる脱脂浴に、平均粒径25μmのABS樹脂粒子を加え、40〜60℃で撹拌下3〜5分処理した後、水洗する。
(2)エッチング工程
前記脱脂工程を経たABS樹脂粒子を
クロム酸 400g/リットル
硫 酸 400g/リットル
よりなるエッチング浴中で65〜70℃において5〜15分間処理し、表面が0.2〜0.4μm程度の凹凸をもつ粗面とした後、水洗する。
(3)中和工程
前記エッチング工程を経たABS樹脂粒子を濃塩酸50ml/リットルにより室温下30〜60秒処理して、クロムコンプレックスを除去した後、水洗する。
(4)キャタリスト工程
塩化パラジウム 0.2g/リットル
塩化第一スズ 5〜20g/リットル
塩 酸 100〜200ml/リットル
よりなるキャタリスト浴により、室温下2〜5分処理して、パラジウム/スズコンプレックスを付着させた後、水洗する。
(5)アクセラレータ工程
前記キャタリスト工程を経たABS樹脂粒子を硫酸50〜100ml/リットルまたは塩酸80〜150ml/リットル中において、30〜50℃で2〜6分処理して、スズを除去し、パラジウムを活性化した後、水洗する。
(6)無電解ニッケルめっき工程
硫酸ニッケル 30g/リットル
次亜リン酸ソーダ 20g/リットル
クエン酸アンモン 50g/リットル
よりなるめっき浴中で、アクセラレータ工程を経たABS樹脂粒子を、pH7.5〜9.5、温度30〜40℃において、5〜10分処理して、ニッケル層を0.2〜0.5μm厚に形成した後、水洗する。
(7)硫酸銅めっき工程
硫酸銅 240〜300g/リットル
硫 酸 50〜60g/リットル
よりなる硫酸銅めっき浴中で、前記無電解めっき工程を経たABS樹脂粒子を20〜28℃、2〜40A/dm(電流密度)で、15〜40分銅めっきを行った後、水洗する。
(8)銀めっき工程
KCN 75〜110g/リットル
AgCN 90〜135g/リットル
よりなる銀めっき浴中で、前記硫酸銅めっき工程を経たABS樹脂粒子を10〜40分めっきし、所望厚の銀めっき層を形成し、水洗、乾燥した。これにより、目的とする銀被覆層を有するABS樹脂粒子が得られた。
【0095】
<減菌方法>
減菌にあたっては、下記の装置(図15〜16参照)を使用した。
Figure 0003727846
図15〜16の前記振動流動撹拌手段を設えた処理槽に、処理水に対し10容量%の前記銀めっきABS樹脂粒子を加え、インバータにより45Hzの振動撹拌を与えて、大腸菌含有蒸留水の減菌を行った。なお、銀めっきABS樹脂粒子は処理後、濾別し、水洗して繰り返し使用できる。
【0096】
減菌の程度は、(社)日本水道協会発行「上水試験方法・解説」1993年版「微生物試験における一般細菌および大腸菌群の項」(483〜492頁)に従って測定した。その測定結果は表2に示す。表中、MPNはMPN(Most Probable Number)法により求めた菌の最確数であり、その測定方法は前記上水試験方法・解説の第475〜480頁記載の方法に準じた。
【0097】
実施例2
前記振動流動撹拌手段に代えて、下記の回転式スクリュータイプ撹拌機を使用した以外は実施例1と同一である。
<回転式スクリュータイプ撹拌機>
(株)森製作所、高速撹拌機PKH100−1500を両側に2台垂直挿入した。その結果を表2に示す。
【0098】
【表2】
Figure 0003727846
【0099】
実施例3
実施例1で得られた銀被覆層を有するABS樹脂粒子を花びん容積の1/10量入れた後、これに水をそそいだ花びんAと、前記樹脂粒子を全く入れないで水のみを入れた花びんBのそれぞれに、バラの切花を生けて観察した結果、花びんAのバラは10日間生気があったのに対し、花びんBのバラは水中で雑菌が繁殖したため3日位でバラは生気を失った。
【0100】
実施例4
通常の胃の検査に用いた内視鏡2台を実施例1と同様の2台の減菌装置にそれぞれ充填し、一方は振動流動撹拌手段を駆動させ、一方は駆動させなかった。その結果は下記表のとおりであった。
【0101】
【表3】
Figure 0003727846
【0102】
実施例5
水20lを収納できる水槽に1/10容量の実施例1で得られた銀被覆層を有するABS樹脂粒子を入れ、そこに水道水を入れて密栓し、2ヶ月間保存した。2ヶ月後、水道水は飲むことができ、味にも変化がなかった。
【0103】
実施例6
実施例1で得られた銀被覆層を有するABS樹脂粒子を2lペットボトルに1/10容量充填し、1つのボトルにはリンゴジュースを、もう1つのボトルには牛乳を、それぞれ満杯になるまで入れ、密栓して冷蔵庫に入れ、1ヶ月間保存した。1ヶ月後でも共に飲むことができた。
【0104】
実施例7
実施例1のAgめっきのかわりに、Agめっき層中に酸化チタン粒子10%が分散するような分散めっきを行った。このものについて、実施例2〜6と同様のテストをそれぞれ繰り返したところ、実施例2〜6とほぼ同様の結果が得られた。
【0105】
実施例8
本発明における殺菌材料で被覆された粒子として、殺菌材料による被覆が連続層でなくてもよいことを証明するため、Ag粉末を混入した市販の導電性ゴム粒子(2000年4月15日株式会社シーエムシー発行、「導電性樹脂の実際技術」第91頁)を用い、実施例3および5の実験を繰り返したところ実施例3および5に近い結果が得られた。
【0106】
実施例9
粒径20μmのニッケル粒子(市販品)に実施例1に準じ、脱脂−水洗−銀めっき−水洗−乾燥工程を経て得られた銀被覆粒子を使用し、実施例1の減菌方法を実施した。結果は実施例1と同様の効果が確認された。
【0107】
実施例10
10μm厚のAgめっき層を有する直径3mmのフェライト球体(磁性球体)を500ml容積のバレルに1/3を満たす量で充填し、実施例1の処理槽中に水を入れて5回/分の速度で回転させ、常温で10分間処理した。処理前に水中に存在していた3×10個/mlの大腸菌が、前記処理により完全に死滅した。また、このAgめっきフェライト球体をペットボトル容量の1/10容量を布袋に入れてペットボトルに挿入し、水を加えて1ヶ月保存したが、水の味に変化はなかった。
【0108】
実施例11
実施例1の装置において、振動流動撹拌手段の両側の水中に石英ガラス管を縦方向に設置し、各管内に主波長253.7nmの20W紫外線ランプ各1本をセットした。殺菌材料で被覆された粒子としては、実施例1の粒子に代えてAgめっき層中に酸化チタン粒子10%を分散させためっき層(厚さ15μm)をもつニッケル粒子を用いた。処理前にMPNが4.5×10/100mlの割合で大腸菌を含有していた原水が10分後には大腸菌が0となっていた。撹拌機として通常のプロペラ式撹拌機を用いた場合には、30分後に菌は大幅に減少したが、それでも約300個が残留していた。
【0109】
【発明の効果】
(1)本発明により、簡便で、コストの安い減菌方法が提供できた。
(2)本発明により、各種の生活用水、生活廃水などの処理が安価に実施できる。
(3)食堂および学校給食における食器その他の関連器具の減菌に極めて有効であり、食中毒の防止に大へん貢献する。また、野菜・果物などに対しても本発明方法を適用するだけで、洗浄と減菌が一工程で完結する。さらにジュース、加工乳などの液状飲食品自体の減菌にも有効である。
(4)医療器具、寝具、衣類あるいは病院設備の洗浄、減菌に有効であり、院内感染防止に極めて有効である。
(5)本発明は、常温下で実施できるので、対象物が熱により劣化することがなく、また実質的に化学薬品を使用することのない減菌手段であるため、地球環境に極めてやさしい技術である。
(6)発展途上国における飲料水供給のために有効な減菌手段を提供できた。
(7)本発明において、殺菌性材料で被震した粒子や溶解性のある殺菌性材料を封入したカプセルと処理液の接触促進に振動流動撹拌を用いる場合には、通常のスクリュー式撹拌のようにスクリューと粒子が衝突することなく撹拌できるので、粒子の消耗がほとんどない。なお、スクリュー式撹拌を用いる場合には、粒子が存在する領域とスクリュー式撹拌材の間に金網などを設けて、粒子とスクリューの衝突を避けることが好ましい。
(8)プールの水を消毒するために用いられている塩素系殺菌剤で目やのどを痛める場合があるが、本発明を用いれば(プールの水をプールから1部とり出して処理し、プールに戻すなどの手段を採用)、問題は簡単に解消する。
(9)24時間風呂の減菌処理にも有効である。
(10)水栽培や生花などの水の減菌処理にも有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる振動流動撹拌手段の一部を縦断した正面図である。
【図2】本発明に用いる振動流動撹拌手段を処理槽に取付けた場合の1例を示す平面図である。
【図3】図2のX−X′線における処理槽および振動流動撹拌手段の一部の縦断面図である。
【図4】振動流動撹拌手段における振動応力分散手段としてゴム質リングを用いた場合の拡大断面図である。
【図5】振動流動撹拌手段における振動応力分散手段としてゴム質リングを用いた場合のもう1つの変形例を示す拡大断面図である。
【図6】振動流動撹拌手段における振動応力分散手段として金属線束を用いた場合の拡大断面図を示す。
【図7】金属線束端部の断面図を示す。
【図8】(a)は振動羽根の形状の1例を示す平面図であり、(b)はその変形例を示す平面図である。
【図9】(a)は振動羽根の形状の1例を示す平面図であり、(b)はその変形例を示す平面図である。
【図10】振動羽根の長さとしなりの程度の関係をモデル的に示すグラフである。
【図11】横ゆれ防止機構の拡大断面図である。
【図12】振動羽根と振動羽根用固定部材の間に合成樹脂シートまたはゴムシートを介在させた振動羽根部の拡大断面図である。
【図13】振動流動撹拌手段の1具体例を示す側面の断面図である。
【図14】図13に示した振動流動撹拌手段の1変形例を示す側面の断面図である。
【図15】振動流動撹拌手段のもう1つの変形例を示す断面図である。
【図16】図15の振動流動撹拌手段の側面断面図である。
【図17】図15の振動流動撹拌手段の上面図である。
【図18】金属板/ゴム板の積層体よりなる振動吸収部材の種々のタイプのものを示す断面図であり、(a)は、金属板−ゴム板積層体の、(b)は、金属板−ゴム板−金属板積層体の、(c)は、金属板−ゴム板−金属板−ゴム板積層体の、(d)は、金属板−ゴム板−金属板−ゴム板−金属板積層体の断面図である。
【図19】金属板/ゴム板積層体よりなる振動吸収部材の種々のタイプのものの平面図であり、(a)は密閉型の一例を、(b)は準密閉型の一例を、(c)は非密閉型の一例を示す平面図である。
【図20】金属板/ゴム板積層体よりなる振動吸収部材の特殊なケースを示す一部切断斜視図である。
【図21】振動流動撹拌手段の他の変形例を示す断面図である。
【図22】振動流動撹拌手段の図21の側面断面図である。
【図23】粒子表面に殺菌性材料をめっきするためのめっき装置の正面からみた断面図である。
【図24】図23の装置の側面方向からの断面図である。
【符号の説明】
1 処理槽
2 振動モーター
3 振動吸収体であるバネ
4a 本体載置台
4b 台板
5 ガイドシャフト
6 支持架台
7 振動棒
7′ 補助振動棒
8 振動羽根
9 振動羽根用固定部材
10 振動羽根用固定部材
11 接続部(応力分散手段)
12 ナット
12′ ナット
13 ナット
13′ ナット
14 ナット
15 ナット
16 ワッシャーリング
16′ ワッシャーリング
17 振動棒のネジ溝
17′ 補助振動棒のネジ溝
18 ゴム質リング
18′ ゴム質リング
19 ナット
20 接続リング
21 接続リング
22 ナット
23 金属線束
24 金属線
25 金属線束の被覆部
26 金属線束の被覆部に設けたネジ溝
29 ナット
30 スペーサ
31 球面状キャップ
33 合成樹脂シート又はゴムシート(クッション作用)
34 分割振動棒
35 インバーター
36 スプリング
37 振動伝達部材
46 処理槽またはそれに設けられた架台あるいは補強部材
47 基本振動部材またはそれに設けられた架台あるいは補助部材より下方に垂直に伸びた支持棒
48 前記46より上方に垂直に伸びた支持棒
51 金属板
52 ゴム板
53 金属板とゴム板の積層体
54 補助板
55 振動棒を通すための穴
56 中空部
57 ナット
58 ボルト
59 パッキング
61 処理槽
62 処理浴
63 振動流動発生部
64 基台
65 コイルバネ
66 振動部材
67 第一振動モータ
67′ 第二振動モータ
68 振動伝達ロッド(振動棒)
69 振動羽根
70 振動応力分散部材
71 ワッシャ
72 ナット
73 振動羽根固定部材
74 スペーサリング
75 ナット
76 弾性部材シート
77 電源回路
78 振動フレーム
79 コイルバネ
80 加振モータ
81 バランスウェイト
82 バレル支持部材
83 バレル
84 パイプ部材
85 陰極導電部材
86 絶縁被覆配線
87 陽極金属部材
88 被めっき物品

Claims (5)

  1. 殺菌性材料で被覆された粒子または溶解性のある殺菌性材料を封入したカプセルと、処理液または液中における固形物品とを、振動流動撹拌手段により接触させることを特徴とする減菌方法。
  2. 前記殺菌性材料で被覆された粒子または溶解性のある殺菌性材料を封入したカプセルの平均粒子径が5μm〜10mmである請求項1記載の減菌方法。
  3. 前記殺菌性材料で被覆されている粒子が、セラミックス、金属、合成樹脂、磁性粒子および導電性粒子よりなる群から選ばれたものである請求項1または2記載の減菌方法。
  4. 減菌処理を行っている系に紫外線を照射するものである請求項1〜いずれか記載の減菌方法。
  5. 紫外線を減菌処理槽内および/または槽外から前記殺菌性材料で被覆した粒子に照射するものである請求項1〜いずれか記載の減菌方法。
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