JP2002191680A - 減菌性粒子を用いた減菌方法 - Google Patents

減菌性粒子を用いた減菌方法

Info

Publication number
JP2002191680A
JP2002191680A JP2000395218A JP2000395218A JP2002191680A JP 2002191680 A JP2002191680 A JP 2002191680A JP 2000395218 A JP2000395218 A JP 2000395218A JP 2000395218 A JP2000395218 A JP 2000395218A JP 2002191680 A JP2002191680 A JP 2002191680A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vibration
vibrating
particles
rubber
metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000395218A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3727846B2 (ja
Inventor
Tatsuaki Omasa
龍晋 大政
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nihon Techno KK
Original Assignee
Nihon Techno KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nihon Techno KK filed Critical Nihon Techno KK
Priority to JP2000395218A priority Critical patent/JP3727846B2/ja
Publication of JP2002191680A publication Critical patent/JP2002191680A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3727846B2 publication Critical patent/JP3727846B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単に所期の減菌効果が得られる減菌方法の
提供。 【解決手段】 殺菌性材料で被覆された粒子または溶解
性のある殺菌性材料を封入したカプセルと、処理液(処
理の対象となる液体をいう)または液中における固形物
品(処理の対象となる固形物品をいう)とを、接触させ
ることを特徴とする減菌方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、簡単な処理液また
は固形物品のための減菌方法に関する。
【0002】
【従来の技術】処理液の減菌手段としては、従来から種
々の提案がされている。例えば特開平9−141272
号公報では、吐水管を殺菌または抗菌機能を有するガラ
スやセラミックスを用いることや、トラップ部を形成す
る素材として、銀ゼオライト、銀活性炭、銀ヒドロキシ
アパタイトなどの殺菌剤を配することなどが開示されて
いるが、この程度ではほとんど実用的効果は期待できな
い。
【0003】特開平9−187773号公報では、銀な
どの金属イオン発生手段、紫外線殺菌手段および必要に
応じて活性酸素発生手段を併用した減菌手段が提案され
ているが、金属イオン発生のためには直流電流を印加す
る必要があり、それぞれ別個の処理槽が必要となる。
【0004】特開平10−474号公報には、請求項1
で水を磁化浄化槽中を通すことが提案されているが、実
情は、活性炭層中を通水する手段や紫外線照射手段など
と併用するものであり、いずれもかなり大がかりな設備
を必要としたり、また活性炭の定期的交換が必要とな
る。
【0005】特開平11−5082号公報には、(A)
磁気発生器および(B)セラミックボールと銀系抗菌材
製ボールを充填した筒状ケーシングとを組合せた浄水手
段が提案されているが、この手段も磁気、セラミックボ
ール、抗菌材製ボールの三者の組合せが不可欠であり、
しかも少なくとも磁気発生手段と筒状ケーシングの2つ
の装置を必要としており、そのうえ、ケーシング内で抗
菌材製ボールに固定の流路ができ、充填材が不均一に早
く効果を失ってしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、簡単
に所期の減菌効果が得られる減菌方法を提供する点にあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第一は、殺菌性
材料で被覆された粒子または溶解性のある殺菌性材料を
封入したカプセルと、処理液または液中における固形物
品とを、接触させることを特徴とする減菌方法に関す
る。
【0008】本発明の第二は、前記殺菌性材料で被覆さ
れた粒子または溶解性のある殺菌性材料を封入したカプ
セルの平均粒子径が5μm〜10mmである請求項1記
載の減菌方法に関する。
【0009】本発明の第三は、殺菌性材料で被覆されて
いる粒子が、セラミックスおよび/または合成樹脂より
なるものである請求項1または2記載の減菌方法に関す
る。
【0010】本発明の第四は、前記接触させるための手
段が撹拌手段である請求項1〜3いずれか記載の減菌方
法に関する。
【0011】本発明の第五は、前記撹拌手段が振動流動
撹拌手段である請求項1〜4いずれか記載の減菌方法に
関する。
【0012】本発明の第六は、減菌処理を行っている系
に紫外線を照射するものである請求項1〜5いずれか記
載の減菌方法に関する。
【0013】本発明の第七は、紫外線を減菌処理槽内お
よび/または槽外から前記殺菌性材料で被覆した粒子に
照射するものである請求項1〜5いずれか記載の減菌方
法に関する。
【0014】本発明の第八は、セラミックス、金属、合
成樹脂、磁性材料および伝導性粒子よりなる群から選ば
れた粒子に殺菌性材料を被覆する工程において振動流動
撹拌手段を用いることを特徴とする殺菌材料で被覆され
た粒子を製造する方法に関する。
【0015】本発明の殺菌性材料としては、無機系抗菌
剤、有機系抗菌剤のいずれもが使用できる(例えば、P
etrotech 第21巻第4号63〜68頁参
照)。
【0016】無機系抗菌剤としては、無機系殺菌剤と無
機系抗菌製品用抗菌剤があるが、いずれも使用できる。
【0017】前記無機系殺菌剤としては、塩化第二水
銀、オキシシアン化水銀などの水銀化合物;硝酸銀など
の銀化合物;次亜塩素酸ナトリウム、二酸化塩素などの
塩素化合物;ヨウ素、ヨードホルムなどのヨウ素化合
物;ホウ酸などのホウ素化合物;過酸化水素、過マンガ
ン酸カリウムなどの過酸化物;生石灰などの石灰類、酸
化チタン、酸化亜鉛、酸化銀などの金属酸化物などが挙
げられる。
【0018】前記無機系抗菌製品用抗菌剤としては、金
属担持型、金属酸化物のような殺菌性金属化合物あるい
は有機抗菌剤担持型がある。金属担持型は、ゼオライ
ト、シリカゲル、ケイ酸ガラス、ビロキシアパタイト、
リン酸カルシウム、難溶性リン酸塩、リン酸ジルコニウ
ム、ケイ酸塩、酸化チタンなどの無機担体に、Ag、H
g、Cu、Cd、Au、Co、Ni、Pb、Fe、A
l、Zn、Mn、Ba、Mg、Ca、などの殺菌性金属
およびその合金を担持させたものを挙げることができ
る。金属酸化物のような殺菌性金属化合物としては、酸
化チタン(TiO)や酸化亜鉛(ZnO)などを挙げ
ることができる。また、有機抗菌剤担持型は、前記担体
に第4級アンモニウム塩、第2級アミンなどの抗菌性有
機物を担持させたものを挙げることができる。
【0019】前記有機系抗菌剤としては、メチル−2−
ベンズイミダゾールカーバメイト、トリクロロカルバニ
リド、ヘキサミン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化
ベンザルコニウム、脂肪酸モノグリセリド、アルキルピ
リジニウムハライド、セチルトリメチルアンモニウムハ
ライドのようなアルキルトリメチルアンモニウムハライ
ドなどを挙げることができる。
【0020】ちなみに、金属担持型の場合には、その系
における金属の種類により細菌の最小発育阻止濃度は変
化するが、チフス菌に対する最小発育阻止濃度(MIC
で示す)は、Ag:2×10−6、Hg:2×1
−6、Cu:1.5×10−5、Cd:6.0×10
−5、Au:1.2×10−4、Co:1.2×10
−4、Ni:1.2×10−4、Pb:5.0×10
−4である。
【0021】前記殺菌性の金属または殺菌性の金属酸化
物などの金属化合物よりなる表面層の形成は、所定の粒
子上に、前記殺菌性の1種または複数種の金属またはそ
の合金を用いてめっきをするか、あるいはこれら金属成
分を含有する微粒子または殺菌性の金属化合物(金属酸
化物など)微粒子のコンポジットめっきにより達成する
ことができる。表面層の厚みには何ら制限はないが、通
常5〜25μm程度もあれば充分である。
【0022】前記殺菌性材料で被覆された粒子の平均粒
子径は、下限は5μm以上、好ましくは10μm以上、
上限は10mm以下、好ましくは1mm以下、とくに好
ましくは500μm以下であり、殺菌性材料を封入した
カプセルの平均粒子径は、5μm〜10mm、好ましく
は10μm〜500μm、とくに好ましくは10μm〜
100μmである。勿論、この殺菌性材料で被覆された
粒子は、処理後、濾別、水洗して繰り返し使用する。
【0023】本発明において、殺菌性材料で被覆するた
めの粒子としては、セラミックス、金属、磁性材料や合
成樹脂、合成ゴム、天然ゴムなどを用いることができ
る。セラミックスとしては、シリカ、アルミナ、ゼオラ
イト、酸化チタン、酸化ジルコン、炭化ホウ素、炭化チ
タン、炭化ジルコニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、ガ
ラスなど任意のセラミックスから選択することができ
る。磁性材料としては、フェライト磁性材料、希土類磁
性材料、磁性鋼などを挙げることができるが、その磁力
の強さは、その磁力によって磁性材料粒子同士が凝集を
おこさない程度のものを使用することが好ましい。多少
凝集をおこす場合でも、これをバレルに入れて使用する
ことも可能である。合成樹脂も種々の熱硬化性樹脂や熱
可塑性樹脂のなかから任意の合成樹脂を選択することが
できるが、とくに乳化重合や懸濁重合などの重合法によ
り粒子が形成できるものが有利である。合成樹脂粒子の
場合は、所定のめっきに先立ち、脱脂、エッチング、中
和、キャタリスト処理、アクセラレーター処理などをあ
らかじめ行っておくことが好ましい。すなわち合成樹脂
のめっきにおいて通常用いられている前処理を必要とす
る。また、この合成樹脂粒子や合成ゴム粒子としては、
導電性粉体を配合した粒子を用いると後のめっき処理が
容易となる。導電性粉体が殺菌性材料であるときは、こ
れを殺菌性材料で被覆された粒子の均等物として使用す
ることもできる。なお、前記金属粒子が殺菌性材料であ
る場合は、表面に殺菌性材料が存在しているわけである
から、あらてめて殺菌性材料で被覆する必要はないが、
場合によってはその金属粒子の殺菌性より一層強力な殺
菌力をもつ金属で被覆することもできる。例えば、Ni
粒子上にAgめっきした粒子とすることもできる。
【0024】被覆される殺菌性金属とセラミック粒子と
の組合せとしては、例えば、つぎのようなものが好まし
い。Agと酸化アルミニウム;Cuと酸化アルミニウ
ム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、炭化
ケイ素、炭化タングステン、炭化ジルコニウム、炭化ホ
ウ素、窒化ホウ素またはホウ化クロム;金と酸化アルミ
ニウム、酸化イットリウム、酸化トリウム、酸化チタ
ン、酸化セリウムまたはホウ化クロム;ニッケルと酸化
アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、炭化ホウ素、
炭化クロム、炭化ケイ素、炭化チタン、炭化タングステ
ン、窒化ホウ素、窒化ケイ素;鉛と酸化アルミニウム、
酸化チタン、炭化チタンまたは炭化ホウ素などの組合せ
を挙げることができる。
【0025】これらの粒子に対するめっきは、粒子の表
面洗浄(脱脂を含む)が充分行われていることが望まし
い。この粒子を少量の水またはめっき液中で充分混合、
分散したものを所定のめっき浴中に加え、通常の方法に
よりめっきを行うことが望ましい。この種のめっきに用
いられるめっき浴は、昭和58年6月15日、(株)広
信社発行、「表面技術総覧 −めっき・陽極酸化編−」
第372〜378頁記載のものなどを用いることができ
るが、これに制限されるものではない。通常、めっき浴
に加えられる前記粒子は50〜500g/リットル、好
ましくは100〜200g/リットルである。また、こ
れらの粒子に対する有効なめっき手段としては本出願人
の特願2000−239164号「2000年8月7日
出願;極小物品のバレル電気めっき方法」がある。
【0026】この極小物品のバレル電気めっき方法は、
めっき液が通過し得る多数の小開孔を有するバレル内に
複数の被めっき物品を収容し、前記バレルをめっき浴内
で運動させながら、前記バレル内の被めっき物品と接触
可能に配置された陰極部材と前記バレル外にて前記めっ
き浴中に配置された陽極部材との間に電圧を印加して前
記被めっき物品の表面にめっき膜を形成するバレル電気
めっき方法であって、前記被めっき物品は平均径が5〜
500μmであり、振動発生手段に連係して前記めっき
浴内で振動する振動棒に一段または多段に固定された振
動羽根を前記めっき浴内で振幅0.1〜10.0mm及
び振動数200〜800回/分で振動させることにより
前記めっき浴に振動流動を発生させ、且つ前記バレルを
振幅0.1〜5.0mm及び振動数100〜300回/
分で振動させることを特徴とするものである。前記バレ
ルの運動は、通常非鉛直方向の回転中心の周りでの自転
運動で、バレルの回転は通常5〜30回/分であり、前
記めっき浴の振動流動は、通常3次元流速が150mm
/秒以上であり、前記バレルの小開孔の径は被めっき物
品の大きさに対応して、通常3〜300μmの範囲で適
宜設定する。また、前記振動発生手段は、通常インバー
タにより10〜500Hzで振動させるものである。振
動流動の実態は、後述の本発明の撹拌手段の項で述べる
振動流動撹拌手段と同一である。
【0027】前記有機系抗菌剤は、水溶性のものがほと
んどである。有機系、無機系いずれの場合も、水不溶性
で抗菌剤透過性のカプセル内に処理液に可溶性の抗菌剤
を封入して使用することができる。カプセル化剤として
は、合成、天然高分子などを用いることができ、いずれ
も公知のカプセル化方法が使用できる。
【0028】マイクロカプセル化方法については、19
85年8月1日共立出版株式会社発行、近藤保著「マイ
クロカプセル」に記載されているとおりであり、具体的
には(1)化学的方法(界面重合法や不溶化反応法な
ど)、(2)物理化学的方法(相分離法や界面沈澱
法)、(3)物理的方法(噴霧乾燥法や流動床法)があ
り、いずれの方法も採用可能である。また、前記合成、
天然高分子としては、セルロースアセテート、セルロー
スアセテートブチレート、セルロースプロピオネート、
セルロースアセテートプロピオネート、カルボキシメチ
ルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、
カゼイン、クレゾール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、
フェノール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹
脂、ポリアミド、飽和、不飽和のポリエステル、ポリカ
ーボネート、ポリウレタン、ポリアセタール、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリイソプレン、ポリスチレ
ン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ABS、酢酸ビニ
ル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重
合体、塩化ビニリデン樹脂、スチレン/アクリロニトリ
ル共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、各種ふっ
素樹脂、ポリビニルアルコール、あるいはこれらの混合
物などを挙げることができる。
【0029】殺菌性材料で被覆された粒子や殺菌性材料
を封入したカプセルの使用量は液の容積に対して、粒子
容積が5〜50%になるような範囲で使用することが好
ましい。
【0030】前記殺菌性材料で被覆された粒子や殺菌性
材料を封入したカプセルの比重は、使用する液中で充分
流動できる範囲内のものを選択する。粒子の平均粒径が
小さいほど使用する液より比重が大きくても処理が可能
であり、とくに振動撹拌を行う場合にはその許容範囲が
大きく、粒子やカプセルが小さい場合には液の比重に対
して3〜4倍の比重のものでも使用可能である。
【0031】本発明における殺菌あるいは減菌の対象と
なる菌については、とくに限定するものではないが、少
なくとも大腸菌群(大腸菌、病原大腸菌、O−15
7)、サルモネラ菌、腸炎ビブリオ菌、カンピロバクタ
ー、エルシニア菌、ウエルシュ菌、ナグビブリオ菌、腸
球菌、緑膿菌(Psevdomonas aerugi
nosa)、セパシア菌(Burkholderia
cepacia)、黄色ブドウ球菌(Staphylo
coccus aureus)、表皮ブドウ球菌(St
aphylococcus epidermidi
s)、肺炎(レンサ)球菌(Streptococcu
s pneumoniae)、セラチア属菌(Serr
atia)、プラテウス属菌(Proteus)、エン
テロバクター属菌(Enterobacter)、シト
ロバクター属菌(Citrobacter)、エンテロ
コッカス属菌(Enterococcus)、クレブシ
エラ属菌(Klebsiella)、バクテロイデス属
菌(Bacteroides)、レジオネラ属菌(Le
gionella)、マイコバクテリウム属菌(Myc
obacterium)、ニューモシスチス・カリニ
(Pneumocystiscarinii)、真菌
(fungus)、病原ウィルスなどに対して有効であ
る。
【0032】本発明においては、他の減菌手段との併用
を妨げるものではなく、殺菌灯(紫外線照射)、オゾン
発生機などを必要に応じて併用することができる。
【0033】処理液を処理するための処理槽の形状に
は、とくに限定はないが、プロペラを用いた撹拌の場合
は水平断面が円形または楕円形のものが好ましい。ま
た、振動撹拌の場合は、円形、楕円形、多角型、長方形
など幅広い形状の処理槽でも極めて円滑に減菌をするこ
とができる。
【0034】本発明においては、殺菌性材料で被覆され
た粒子や殺菌性材料を封入したカプセルと処理液の接触
を効率よく行うため、撹拌を行うことが好ましい。
【0035】撹拌方式としては、昭和56年4月5日、
(株)建帛社発行、辻薦著、「食品工場における洗浄と
殺菌」第118頁記載のように、プロペラ式(スクリュ
ータイプ)撹拌、プロペラ式撹拌と邪魔板併用方式、側
壁固定回転羽根方式、側壁対流方式、散気管による気泡
撹拌方式など公知の任意の撹拌方式を用いることができ
るが、撹拌効率の点から、とくに粒子の比重が大きい場
合や処理時間を短くしたい場合には、本出願人の提案し
た下記公報などに記載の振動撹拌方式が最適である。な
お、プロペラ式撹拌の場合には、プロペラに粒子が衝突
し、粒子の破損、消耗が発生することがあるが、振動撹
拌の場合はこの心配は皆無である。また、通常のプロペ
ラ式撹拌では、比重の重い粒子を用いるときは粒子が処
理槽の下方に、比重の軽い粒子を用いるときは粒子が処
理槽の上方に、それぞれかた寄り勝ちで均一に分散しな
いが、振動流動撹拌手段を用いると、比重の大小にかか
わらず、粒子が均一に分散するので、均一でかつ接触効
率を高めることができる。
【0036】これら振動撹拌方式については、特許第1
941498号(特開平3−275130)、特許第2
707530号(特開平6−220697)、特許第2
762388号(特開平6−312124)、特許第2
767771号(特開平8−281272)、特許第2
852878号(特開平8−173785)、特許第2
911350号(特開平7−126896)、特許第2
911393号(特開平9−40482)、特許第29
88624号(特開平11−189880)、特許第2
989440号(特開平7−54192)、特許第29
92177号(特開平6−330395)、特許第30
35114号(特開平6−287799)、特開平6−
280035号、特開平6−304461号、特開平1
0−43569号、特開平10−369453号、特開
平11−253782号、特願平8−220391号、
特願平9−137927号、特願平10−76702
号、特願平11−127830号、特願2000−95
40号などに記載の方法を利用できる。
【0037】本発明に用いる振動流動撹拌手段を以下に
説明するが、本発明の振動流動撹拌手段は前述の特許公
報記載の各手段を用いることができ、下記手段に限定さ
れるものではない。
【0038】本発明に用いる振動流動撹拌手段の例とし
ては、(1)振動モーターを含む振動発生手段、(2)
それに連係して振動する少なくとも1本の振動棒、
(3)該振動棒に振動羽根用固定部材を用いて固定され
た少なくとも1枚の振動羽根、(4)振動モーターが1
0〜200Hzの間の任意の振動を発生できるように調
整するためのインバーター、および必要に応じて(5)
振動発生手段と前記振動棒との接続部に設けられた振動
応力分散手段よりなる振動流動撹拌手段を挙げることが
できる。
【0039】振動モーターにはインバーターにより10
〜200Hzの間の所望の振動を発生させ、この振動を
振動応力分散手段と振動棒を介して振動羽根に伝えるこ
とにより、振動羽根を振幅0.1〜15mm、振動数2
00〜1000回/分で振動させる。
【0040】本発明に用いる振動流動撹拌手段の1例を
添付の図1〜3により詳細に説明する。図1は、その1
例を示すものであって、1部縦断正面図である。図2、
図3は、前記手段を上部開放型円形タンク(処理槽)1
に取付けた状態を示す。処理槽1内には処理される水が
入っている。この振動流動撹拌手段は振動モーター2に
振動棒7が取付けられ、さらに、振動棒7に、振動羽根
8が好ましくは図示されていない上下に設けた押え板を
介して振動羽根用固定部材9、例えばナットや固定板等
により回転不能に固定されている。本例では振動羽根8
は5枚で構成されている。振動モーター2の振動を処理
槽1に伝達させないため、振動モーター2を上面に支持
固定する本体載置台4aの下方に振動吸収機構を設け
る。振動吸収機構は、台板4bと本体載置台4aとの間
にバネ3を介装し、横すべり防止のため台板4b上に固
定したガイドシャフト5を本体載置台4aに上下に摺動
可能にスプリング(バネ)3内を貫通して本体載置台4
aをガイドしている。上記バネ3に代え、ゴム等の緩衝
体を用いてもよい。この場合には、ガイドシャフト5と
緩衝体は別位置に設ける。羽根の形状は、図9に示すも
のを使用した。羽根は金属製またはプラスチック製で厚
み1.5mmのものを使用した。角度は水平である。
【0041】振動数を制御するためトランジスターイン
バーター35を振動モーターの前に結線し、200Vを
供給する。振動モーター2の振動エネルギーは振動吸収
体機構の振動吸収体、例えばバネ3により処理槽1から
絶縁され、該エネルギーは振動棒7より処理される水に
振動羽根8により伝えられ、処理液が振動流動する。振
動発生手段として振動モーター2を使用することができ
る。
【0042】前記振動羽根は、インバーターにより制御
された振動モーターにより10〜200Hz、好ましく
は20〜60Hzの間の任意の特定の振動を生じるが、
この振動羽根の材質および厚みは、この振動により羽根
がしなりながら振動するものであることが好ましい。
【0043】また、振動羽根の形状は、板に切り込み部
を有しないものであることが好ましい。切り込みがある
と振動による材質疲労が原因で切り込み部分から羽根に
亀裂が発生するので好ましくない。もっとも好ましい形
状は羽根の先端部以外は振動棒に固定する振動羽根の付
け根部分の幅と同一の幅をもつ短冊状のものである。
【0044】本発明における振動流動撹拌手段において
は、振動応力分散手段を設けることが好ましい。振動応
力分散手段を用いた1例を図13に示す。図13におけ
る接続部11を構成する応力分散手段としては、例えば
つぎのような手段を挙げることができる。
【0045】一つの振動応力分散手段について述べれ
ば、振動発生手段と振動棒の接続部において、振動発生
手段の下部および/または上部の振動棒の周りに設けら
れるゴム質リングを設ける。ゴム質リングは肉厚のもの
が好ましい。
【0046】例えば、図4または図5に示すように、振
動伝達部材37に振動棒7を連結するに当り、振動伝達
部材37の所定の穴に振動棒7を通し、振動棒7の端部
をナット12、13、ワッシャーリング16により固定
し(図4の場合は振動伝達部材37とワッシャーリング
16の間にゴム質リング18′を介在させている)、一
方、振動伝達部材37の反対側は、振動棒7に前記の合
成ゴム質リング18を挿入し、ナット14、15により
固定する。
【0047】ゴム質リング18や18′を全く使用しな
いケースにおいては、振動応力が振動伝達部材と振動棒
との接合部分近辺に集中し、振動棒が折れ易いという問
題点があったが、ここにゴム質リングを挿着することに
より、完全に解消することができた。とくに、ゴム質リ
ングを使用しないで振動数を100Hz以上に高くした
場合には振動棒の折れがしばしば発生していたが、これ
により、そのような心配がなく振動数を高くすることが
できる。
【0048】前記ゴム質リングは、硬い天然ゴム、硬い
合成ゴム、合成樹脂等のショアーA硬度80〜120、
好ましくは90〜100の硬質弾性体により構成するこ
とができる。とくに、ショアーA硬度90〜100の硬
質ウレタンゴムが耐久性、耐薬品性の点で好ましい。
【0049】もう一つの振動応力分散手段は、振動発生
手段と振動棒の接続部において、振動発生手段と振動棒
の間に金属線束を挿入することである。例えば、図6に
示すように、振動伝達部材37に振動棒7を連結するに
当り、補助振動棒7′と金属線束23を介在させるもの
である。なお、場合により、補助振動棒7′は使用しな
いで、金属線束23を直接振動伝達部材37に連結する
こともできる。具体的には、補助振動棒7′の一端をナ
ット12、12′、13、13′、ワッシャーリング1
6、16′により振動伝達部材37に固定し、この他端
にナット19と接続リング20を介して金属線束23の
一端を連結し、ついで金属線束23の他端に接続リング
21とナット22を用いて振動棒7を連結した。これに
より、ゴム質リングを用いた場合と同様の効果を奏する
ことができる。
【0050】金属線束は、その構造が吊り橋のケーブル
としてよく利用されているタイプのものであって、たく
さんの金属単線あるいは金属撚線を端部で外側より結束
したものであり、通常結束には金属被覆部を用いる。こ
の金属線束と他物との連結には、前記金属被覆部にネジ
を切ることにより達成できる。
【0051】金属線束の大きさは、直径が振動棒と同じ
位であり、長さは振動により上下の金属線束の被覆部や
該被覆部に取付けられた接続リング同士が接触しない程
度の長さがあればよい。
【0052】通常、振動モーターは、処理槽上、処理槽
側壁にあるいは固い床上に架台をおきその上にセットす
る。槽の厚みが薄く(ステンレス槽5mm以下)液の振
動によりタンク側壁や床面に振動が伝えられる場合は槽
の外側に架台を設置することが好ましい。槽の厚みが5
mm以下の場合には、槽の側壁にバンドを締めるような
要領で補強部材を付設し、そこに振動装置を設置すると
よい。振動モーターの発生する振動は、基本振動部材を
介して振動棒に伝えられる。この場合、振動モーターは
通常基本振動部材の下側に吊り下げる形でセットするこ
とが好ましい(図14参照)。このようにすることによ
り重心を下げることができ、横ぶれの発生を極めて少な
くすることができる。
【0053】振動発生手段は、通常、振動モーター(マ
グネットモーター、エアーモーター等も含む)により基
本振動部材や振動伝達部材などを振動させるシステムを
採用している。振動モーターに代えて電磁マグネットあ
るいはエアーガンなどの振動発生手段も使用することが
できる。
【0054】振動羽根部は、振動羽根と振動羽根用固定
部材よりなるが、振動羽根を複数枚重ねたもの、あるい
は振動羽根と振動羽根用固定部材を一体成形したものを
使用することができる。
【0055】前記振動羽根は、材質として、好ましくは
薄い金属、弾力のある合成樹脂等が使用できるが、振動
モーターの上下の振動により、少なくとも羽根板の先端
部分がフラッター現象(波を打つような状態)を呈する
厚みであり、これにより系に振動に加えて流動を与える
ことのできるものが好ましい。金属の振動羽根の材質と
してチタン、アルミニウム、銅、鉄鋼、ステンレス鋼な
どの金属、これらの合金が使用できる。合成樹脂として
は、ポリカーボネート、塩化ビニル系樹脂、ポリプロピ
レンなどが使用できる。振動エネルギーを伝えて振動の
効果を上げるため厚みは特に限定されないが一般に金属
の場合は0.2〜2mm、プラスチックの場合は0.5
〜10mmが好ましい。過度に厚くなると振動撹拌の効
果が減少する。
【0056】振動羽根の材質として弾性のある合成樹脂
等を使用する場合には、厚みは特に限定されないが一般
に0.5〜5mmが好ましいが、金属たとえばステンレ
スの場合は0.2〜1mmたとえば0.6mmのものが
好ましい。また、振動板の振幅は、0.1〜15mm、
好ましくは0.1〜5mmである。
【0057】振動軸に対し振動羽根は一段又は多段に取
り付けることができる。振動羽根を多段にする場合、水
位、容量、振動モーターの大きさにより変化し、必要に
応じて5〜7枚と増加することができる。多段の段数を
増加する場合、振動モーターの負荷を大きくすると振動
巾が減少し、振動モーターが発熱する場合があるが、こ
の場合は振動モーターの容量を大きくする。振動羽根は
一体でもよい。振動軸に対し振動羽根部の角度は水平で
もよいが、ある程度の角度をもたせることができ、角度
α(図12参照)が5〜30度とくに10〜20度にし
て振動に方向性をもたせることもできる。
【0058】振動羽根は振動羽根用固定部材により上下
両面から挾みつけて振動棒に固定することにより振動羽
根部を形成することができる。また、振動羽根用固定部
材と振動羽根は振動軸の側面からみて図12に示すよう
に一体的に傾斜していることができる。
【0059】また、振動羽根と振動羽根用固定部材は例
えばプラスチックスを用いて一体成形することにより製
造することもできる。この場合は振動羽根と、振動羽根
用固定部材を別々に使用する場合に較べて、その接合部
分に被処理物が浸入、固着し、洗浄に手間がかかるとい
う欠点を回避することができる。また、羽根と固定部材
を一体化したことにより、厚みの段差が発生せず、応力
集中を避けることができるので、羽根の使用寿命を大幅
に延長することができる。
【0060】一方では振動羽根と振動羽根用固定部材を
別々に作っておけば、振動羽根のみをとりかえることが
できるが、一体成形のものでも交換は可能である。この
場合の振動羽根、振動羽根用固定部材、一体成形品はプ
ラスチックスに限らず、前述の種々の材料が使用でき
る。振動羽根用固定部材9や10を使用するときは、上
下から振動羽根をはさみつけて使用するが、この固定部
材は上下で、その大きさを異ったものとすることもで
き、これにより振動応力を分散させることができる。
【0061】また、図12にみられるように、振動羽根
用固定部材10と振動羽根8の間に合成樹脂シート例え
ば弗素樹脂シートまたはゴムシート33を介在させ、こ
れにクッション作用を持たせることにより振動羽根の応
力を分散することができる。また、前記合成樹脂シート
やゴムシート33は前記振動羽根用固定部材10より長
めで、振動羽根の先端方向にやゝ突出している長さとす
ることが好ましい。
【0062】振動羽根または振動羽根用固定部材などよ
りなる振動羽根部は、ナットを用いて振動棒に固着する
ことができる。振動羽根および/または振動羽根用固定
部材を多数振動棒に取付ける場合には、図13に示すよ
うにナット29で固定した後、振動棒に丁度嵌合する円
筒状の一定の長さのスペーサ30を1個(図13参照)
または複数個(図12参照)挿入することにより、振動
羽根および/または振動羽根用固定部材の間隔を簡単に
一定化することができる。
【0063】振動羽根(または振動羽根部)の形状は、
いろいろな形状を採用することができる。その1例を図
8〜9に示す。図8(a)の振動羽根8、8は、一枚の
板を十字状に切り抜いて作ってもよいし、矩形状のもの
を2枚重ねて作ってもよい。固定部材10は振動羽根の
巾と同じ〔図8(a)、図9(a)〕でもよいし、振動
羽根の巾より狭くてもよい〔図8(b)、図9(b)参
照〕。これらの場合、特願平6−337183号の図
7、8のように羽根に切欠部を設けると、長期使用の場
合に振動羽根や固定部材の破損を誘発する傾向があるの
で、切欠部を設けないことが好ましい。
【0064】振動羽根は振動棒に直角につけてもよい
が、撹拌を強くしたいときは、振動羽根に図12のよう
に角度αを与えるとよい。特許第2852878号の図
22に示すように多数の振動羽根のうち、下位の1〜2
枚を下向きの角度とし、それ以外のものを上向きの角度
とすることもできる。このようにすると、処理槽底部の
撹拌を充分行うことができ、下部に溜りが発生するのを
防止することができる。
【0065】以上は、振動棒が1本の場合について説明
してきたが、振動棒は複数本であってもよいことは勿論
であり、多軸にすることにより大型の処理槽の撹拌に有
効である。この具体例を図15〜図17に示す。この具
体例は振動棒を2本としたケースであり、図16にそれ
がよく示されている。
【0066】振動羽根部の振動に伴って発生する振動羽
根の“しなり現象”の程度は、振動を与える周波数、振
動羽根の長さと厚み、被撹拌物の粘度、比重などによっ
て変化するので、与えられた周波数においてもっともよ
く“しなる”長さと厚みを選択することができる。周波
数と振動羽根の厚みを一定にして、振動羽根板の長さを
変化させてゆくと、振動羽根のしなりの程度は図10に
示すように長さ(固定部材より先の部分の長さ)が大き
くなるに従ってある段階までは大きくなるが、それをす
ぎるとしなりは小さくなり、ある長さはときにはほとん
どしなりがなくなり、さらに振動羽根を長くするとまた
しなりが大きくなるという関係をくりかえすことが判っ
てきた。その様子のモデルを図10に示す。
【0067】したがって、振動羽根の長さ(固定部材よ
り先の部分の長さ)は、好ましくは、第1回目のピーク
を示す長さか、第2回目のピークを示す長さを選択する
ことが好ましい。第1回目のピークを示す長さにする
か、第2回目のピークを示す長さにするかは、系の振動
を強くするか、流動を強くするかによって適宜選択でき
る。第3回目のピークを示す長さを選択した場合は、振
動巾が小さくなり、用途が限られる。
【0068】周波数37〜60Hz、75KWでSUS
304製の振動板のいろいろの厚みのものについて、ほ
ゞ第1回目のピークを示す長さ、第二回目のピークを示
す長さを求めたところ、つぎのような結果が得られた。
【表1】 なお、この実験における長さは、振動羽根用固定部材の
先端から振動羽根の先端までの長さで示したものであ
り、振動棒中心から前記固定部材先端部までの長さは2
7mm、振動羽根の角度αは上向き15゜の場合であ
る。
【0069】振動羽根の厚みは、被処理物の粘度、比
重、振動条件により好ましい範囲は異なるが、振動羽根
が折れることなく、羽根のように充分しなうことのでき
る程度の厚みとするのが、もっとも振動撹拌の効率を高
めることができる。
【0070】この点から振動羽根は、系の流動に大きく
寄与し、振動羽根用固定部材は系の振動に寄与している
ものと推定される。
【0071】振動棒に固定するためにはナット(図中ナ
ットは省略している場合が多い)を用いて基本振動部材
または振動伝達部材などの振動羽根を固着することがで
きるが、特許第2852878号の図18に示すように
ナットの代りにストッパーリングを用いることができ
る。ストッパーリングを用いることにより振動棒を上下
させて液中の振動棒の長さを変化させることができるの
で、処理槽の大きさに応じて振動棒の長さを任意に調整
することができる。また、振動棒を金属製よりプラスチ
ック製などに容易に取り替えることができる。このよう
に処理槽内の液の性質により容易に振動棒や振動羽根な
どの撹拌手段を変更できることは、従来のプロペラ式撹
拌機では全く行なえないことである。
【0072】また、振動発生手段と処理槽は、図13、
図14の振動発生手段において、図11に示すように振
動伝達部材37から下方に垂直に伸びた四本の支持棒4
7、それに対応して処理槽側から上方に垂直に伸びた支
持棒48および上下支持棒47、48を取り巻くスプリ
ング36により係合されていることが好ましい。とくに
上と下の支持棒47、48は前記スプリング36により
非接触状態に保たれていることが好ましい。これによ
り、振動発生手段に横ゆれが発生しても前述の係合部分
でうまく横ゆれを吸収することができ、装置全体に好ま
しくない横ゆれの発生、それに伴う騒音の発生を防止す
ることができる。
【0073】振動発生手段と処理槽の間のスプリングを
用いた横ゆれ防止手段のかわりに、振動発生手段と処理
槽との間に、(イ)ゴム板または(ロ)ゴム板(板状ゴ
ム)と金属板との積層体よりなる振動吸収部材を用いる
こともできる。
【0074】振動吸収手段としての(イ)ゴム板または
(ロ)ゴム板と金属板との積層体は、ゴム板により振動
モーターを含む振動発生装置の振動を吸収させ、かつ金
属板とゴム板が一体になって、あるいはゴム板単独で振
動モーターを含む振動発生装置の重量を受け止めかつ、
振動棒以外に振動が伝わらないよう無駄な振動を吸収す
る働きをしているものである。したがって、金属板とゴ
ム板の積層体は、それぞれの間を接着剤により接着して
もよいが、接着しないで単に積み重ねただけのものであ
ってもよい。
【0075】ゴム板またはその積層体の厚みは、前述の
とおり振動発生装置の重量に耐えうるものであるととも
に、振動発生装置の振動を振動棒や振動羽根以外のもの
にはできるだけ伝達しないように吸収するという目的に
叶うものであればよい。
【0076】積層体は、金属板/ゴム板〔例えば図18
の(a)参照〕または金属板/ゴム板/金属板〔例えば
図18の(b)参照〕あるいはこれらの繰り返し〔例え
ば図18の(c)または(d)参照〕よりなる構成であ
ることができる。
【0077】前記ゴム板またはその積層体は、振動棒が
貫通するための孔が存在するだけで処理槽全体を覆う密
閉型のもの(金属板は槽の外枠と同一または大きいが、
ゴム板は槽の内側に栓をするようにくいこむ形のものも
使用できる)〔例えば図19の(a)参照〕、前記貫通
孔の個所で二分割されている準密閉型のもの〔例えば図
19の(b)参照〕、あるいは処理槽の枠にほゞ一致す
る部分をのぞき中央部が開口している開放型のもの〔例
えば図19の(c)参照〕などを例示することができ
る。図19の(b)のタイプのものは、2つに分割され
たゴム板を両方から分割面に押しつけるようにしてセッ
トすれば、ほゞ密閉型と同一の働きを示す。本発明にお
いては、減菌状態を保つ上から準密閉型、とくに完全密
閉型のものが好ましい。
【0078】完全密閉型とする場合には、振動棒がゴム
板またはその積層体を貫通する個所を可変形性シール部
材でシールする必要がある。このようなシールをすれ
ば、有毒ガスが発生する反応系の撹拌において、とくに
有利である。可変形性シール部材としては、軟らかいゴ
ムが使用できる。このような可変形性シール部材を使用
しない場合でも、ゴム板またはその積層体の主成分がゴ
ムであるうえ、振動棒の上下振動は通常20mm以下、
好ましくは10mm以下、とくに好ましくは5mm以下
であり、下限は0.1mm以上、好ましくは0.5mm
以上、といった程度であるから、ゴム板またはその積層
板の伸縮が振動棒の上下動にかなり追従することができ
るので予想外に摩擦熱は発生せず、単にゴム板またはそ
の積層体に振動棒の外径とほゞ同じ径の穴を開け、これ
に振動棒を通すのみで、可成り満足できる密閉状態を形
成することができる。また、前述の準密閉型の密閉状態
もほゞこれに準ずる密閉状態の形成が可能である。
【0079】積層体における金属板とゴム板との関係
は、通常金属板の平面図とゴム板の平面図が一致するも
のを積層して積層体としたものであるが、図20の斜視
図(一部断面図)のような形状のものを使用することが
できるが、この場合でも、上下の補助板を除く、ゴム/
金属積層体の上下面の表面積が、積層体の中心線に沿っ
て上から下に切断して形成される積層体の表面積より大
きいものであることが必要である。このような条件を満
さないと、積層体が振動するとき側面からみて多少であ
るが「くの字」型に変形し、振動棒に歪がかかるので好
ましくない。したがって、この場合の積層体部分は金属
板とゴム板とがそれぞれ少なくとも1〜2層以上積層さ
れているタイプのものが好ましい。おおむね5層以下で
充分である。
【0080】前記ゴム板は、合成ゴムあるいは天然ゴム
の加硫物であることができ、JISK6386で規定す
る防振ゴムが好ましい。
【0081】前記合成ゴムとしては、クロロプレンゴ
ム、ニトリルゴム、ニトリル−クロロプレンゴム、スチ
レン−クロロプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエ
ンゴム、イソプレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエ
ン共重合体ゴム、エピクロルヒドリン系ゴム、アルキレ
ンオキシド系ゴム、フッ素系ゴム、シリコーン系ゴム、
ウレタン系ゴム、多硫化ゴム、フォスファビンゴムなど
を例示することができる。市販ゴムシートとしては、天
然ゴム板、絶縁ゴム板、導電性ゴム板、耐油性ゴム板
(NBRなど)、クロロプレンゴム板、ブチルゴム板、
ハイパロンゴム板、SBRゴム板、シリコンゴム板、フ
ッ素ゴム板、アクリルゴム板、エチレンプロピレンゴム
板、ウレタンゴム板、エピクロルヒドリンゴム板、難燃
性ゴム板等が入手でき使用することができる。これらの
ゴム材料としては、とりわけ、JISK6386(19
77)記載の物性をもつ防振ゴムの物性を満足するもの
が好ましい。とくに静的せん断弾性率4〜22kgf/
cm、好ましくは5〜10kgf/cm、伸び25
0%以上のものが好ましい。
【0082】前記金属板としては、ステンレス板、鉄
板、銅板、アルミニウム板、その他各種合金板などを挙
げることができる。また、金属板として撹拌棒の蓋をそ
のまま転用することもできる。
【0083】本発明においては、前記(イ)ゴム板また
は(ロ)ゴム板と金属板との積層体よりなる振動吸収部
材の使用に加えて、処理槽とその据え付け部との間に任
意の振動吸収機構を付設することが好ましい。この振動
吸収機構は、前記据え付け部の上方に所望の厚みのゴム
層を設けることにより達成することができる。このよう
なゴム材としては、耐震構造建築の振動吸収材として用
いられているゴム材を用いることが好ましい。また、場
合によりゴム層に代えて重ね板ばね、皿ばねなどを用い
ることもできるし、前記ゴム層と併用することもでき
る。
【0084】また、振動モータの取付け態様は、図13
の方式でも図14の方式でもよい。
【0085】この横ゆれ防止機構を備えた振動撹拌手段
の1例は、図13および図14に示し、これらの図にお
ける横ゆれ防止機構の拡大図は、図11に示す。図中3
6はスプリング、46は処理槽またはそれに設けられた
架台あるいは補強部材、47は基本振動部材または振動
伝達部材より下方に垂直に伸びた支持棒、48は前記4
6より上方に垂直に伸びた支持棒である。図13のタイ
プは振動棒7に直接振動羽根8を振動羽根用固定部材1
0で固定したものであり、図14のタイプは、振動棒7
を途中で2つに分割し、分割振動棒34、34に分か
れ、分割振動棒34、34には、振動羽根8、8……が
かけ渡されており、この振動羽根8、8……が振動する
ことにより系に振動撹拌を与える。
【0086】横ゆれ防止機構として、ゴムまたはゴム/
金属積層体を用いた振動流動撹拌手段の例を図21と図
22に示す。
【0087】本発明において、減菌の対象になる処理液
とは、水道水、井戸水、雨水、河川水、処理排水、汚染
河川などの各種水、ジュース、お茶、飲料用ミネラルウ
ォーターなどの飲料、各種液体食品、マヨネーズなどの
各種ペースト状食品あるいは細菌などで汚染されている
各種有機溶剤、無機物や有機物含有液体などを挙げるこ
とができる。
【0088】本発明において、減菌の対象となる固形物
品としては、格別の制限はないが、たとえば飲食器、飲
食品製造用部品、飲食品用および医療用の各種びんや容
器、その他手術用具、検査用具などの医療用器具、衣
類、寝具、小間物、化粧道具、野菜・果物、魚類などの
食品などを挙げることができる。
【0089】物品が大きいものであって、直接処理槽中
にセットできる場合は、それでもよいが、物品が小物な
どの場合には、これをかご(金属製またはプラスチック
製など)などの多孔質容器(例えばバレル)に入れて処
理槽中にセットすることが好ましい。
【0090】物品は、その大小にかかわらず、任意の手
段で揺動や回転を与えてやると一層処理液との接触が増
大し、均一化するので、好ましいことである。物品が大
きい場合は、それ自体を吊り下げ、吊り下げ具を揺動さ
せたり、回転させたりすることができる。また、物品が
小物の場合には、前記多孔質容器に入れて、多孔質容器
内に必要に応じて固定したうえ、多孔質容器を揺動した
り、回転したりすることができる。前記多孔質容器は、
プラスチックスや金属で作ることができる。通常は、板
状のプラスチック板または金属板に所望の孔を開けて作
ることができるが、側壁に対する開孔面積の割合を高く
したいときは金網製の側壁とするが、樹脂被覆された金
属線による金網製の側壁とすることもできる。側壁に対
する開孔面積は10〜98%程度とすることができる。
前記容器に設ける多数の孔は、容器内に充填して液体処
理を受ける物品の大きさや形状に合わせて、もっとも処
理効率の高い形状の孔と数を選択する。通常、開孔率
は、側壁に対して20%以上が好ましい。これ以下では
処理効率が低下する。また、この容器の水平断面形状
は、円形でも多角形でもよい。
【0091】揺動は、通常揺動幅10〜100mm、好
ましくは20〜60mmの振幅で、1分間に10〜60
回程度の回数になるような状態でゆっくり動かすことを
意味している。回転を与える場合も、1分間に10〜6
0回位回転する程度で充分目的を達することができる。
【0092】処理系への紫外線照射は、処理系内に紫外
線照射装置を組み込んでもよいし、処理槽の外部から紫
外線を照射したり、処理系を一度処理槽外にパイプ、好
ましくはガラスパイプや石英パイプで引き出し、処理槽
とは別の場所で処理液および/または殺菌性材料を被覆
して粒子に紫外線を照射することもできる。紫外線の照
射のみでもそれなりの効果はあるが、本発明において殺
菌材料として金属、合金またはその酸化物を用いている
場合、とくに酸化チタンや酸化マンガンのように光触媒
機能をもつものを使用する場合には、一層減菌能力を向
上させることができる。また、撹拌手段の1部に殺菌材
料としての金属、合金または酸化物を用いている場合に
は、それに紫外線を照射することが好ましい。たとえ
ば、振動羽根用固定部材の表面にAgめっきをしたもの
やTiO膜をもつものの場合には、これに効率よく紫
外線を照射することが好ましい。
【0093】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
【0094】実施例1 <殺菌性材料で被覆された粒子の製造>ABS(アクリ
ロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体)樹脂粒子
(平均粒径25μm)に5〜25μm厚のAgめっき層
を形成するためには下記の装置を用いた。本実施例に用
いた装置は、図23および図24に示す。図23は正面
からみた断面図であり、図24は側面からみた断面図で
ある。本実施例に用いた装置はポリプロピレン製の三連
槽を用い、それぞれの槽に振動流動撹拌手段が設けられ
ている。振動モータは第一振動モータ67の方は一台で
2つの振動流動撹拌手段を駆動し、第二振動モータ6
7′の方は一台で1つの振動流動撹拌手段を駆動するよ
うになっている。本実施例では後述するとおり、脱脂−
水洗−エッチング−水洗−中和−水洗−キャタリスト−
水洗−アクセラレータ−水洗−無電解ニッケルめっき−
水洗−硫酸銅めっき−水洗−銀めっき−水洗の工程を経
るので、15槽を用意するため、図24に示す装置を5
台並べて使用する。なお、場合によっては水洗のみは同
一の一つの槽を使用する(この場合、バレルは各処理槽
と1つの水洗槽を往ったりきたりする)こともできる。 (イ)第一振動モータ:250KW×200V、3相
(ユーラスバイブレータ、村上精機製作所製) (ロ)第二振動モータ:160KW×200V、3相 (ハ)ポリプロピレン製処理槽の1槽当りの寸法:30
0×600×290(mm) (ニ)インバータ :富士インバータFVR−E9S
シリーズを各モータ毎に使用、40Hzで振動撹拌手段
を駆動させる。 (ホ)バレル :直径100mm、長さ170m
mの円筒で、小開孔の径は0.1mm、開孔率60% (ヘ)バレルは、コンベアーによりそれぞれの所定の槽
に移動し、処理浴に浸漬される。 (ト)バレル中には、平均粒径25μmのABS樹脂粒
子をバレル容積の1/3程度の量で充填し、一般モータ
により7〜8回/分の割合で回転させた。 (1)脱脂工程 ホウ酸ソーダ 20g/リットル リン酸ソーダ 20g/リットル 界面活性剤 2g/リットル よりなる脱脂浴に、平均粒径25μmのABS樹脂粒子
を加え、40〜60℃で撹拌下3〜5分処理した後、水
洗する。 (2)エッチング工程 前記脱脂工程を経たABS樹脂粒子を クロム酸 400g/リットル 硫 酸 400g/リットル よりなるエッチング浴中で65〜70℃において5〜1
5分間処理し、表面が0.2〜0.4μm程度の凹凸を
もつ粗面とした後、水洗する。 (3)中和工程 前記エッチング工程を経たABS樹脂粒子を濃塩酸50
ml/リットルにより室温下30〜60秒処理して、ク
ロムコンプレックスを除去した後、水洗する。 (4)キャタリスト工程 塩化パラジウム 0.2g/リットル 塩化第一スズ 5〜20g/リットル 塩 酸 100〜200ml/リットル よりなるキャタリスト浴により、室温下2〜5分処理し
て、パラジウム/スズコンプレックスを付着させた後、
水洗する。 (5)アクセラレータ工程 前記キャタリスト工程を経たABS樹脂粒子を硫酸50
〜100ml/リットルまたは塩酸80〜150ml/
リットル中において、30〜50℃で2〜6分処理し
て、スズを除去し、パラジウムを活性化した後、水洗す
る。 (6)無電解ニッケルめっき工程 硫酸ニッケル 30g/リットル 次亜リン酸ソーダ 20g/リットル クエン酸アンモン 50g/リットル よりなるめっき浴中で、アクセラレータ工程を経たAB
S樹脂粒子を、pH7.5〜9.5、温度30〜40℃
において、5〜10分処理して、ニッケル層を0.2〜
0.5μm厚に形成した後、水洗する。 (7)硫酸銅めっき工程 硫酸銅 240〜300g/リットル 硫 酸 50〜60g/リットル よりなる硫酸銅めっき浴中で、前記無電解めっき工程を
経たABS樹脂粒子を20〜28℃、2〜40A/dm
(電流密度)で、15〜40分銅めっきを行った後、
水洗する。 (8)銀めっき工程 KCN 75〜110g/リットル AgCN 90〜135g/リットル よりなる銀めっき浴中で、前記硫酸銅めっき工程を経た
ABS樹脂粒子を10〜40分めっきし、所望厚の銀め
っき層を形成し、水洗、乾燥した。これにより、目的と
する銀被覆層を有するABS樹脂粒子が得られた。
【0095】<減菌方法>減菌にあたっては、下記の装
置(図15〜16参照)を使用した。 (1)処理槽 SVS304製、内寸法:200mm×530m×31
0mm 高さ250mm、排水口:下部側面 (2)撹拌手段〔日本テクノ(株)商品名 超振動α−
撹拌機α−2型よりなる振動流動撹拌手段〕 振動モータ:150W×200V×3相 安川商事(株)扱、(株)村上精機製作所製 商品名「ユーラスバイブレーター KEE2−2B」 インバータ:超コンパクト低騒音型富士インバータ F
VR−C9S 富士電機(株)製200V3φ系列、0.1〜3.7K
W 電源周波数50/60Hz 振動羽根 :ステンレス製 4枚 振動羽根固定部材:SVS304 振動棒 :2軸、SVS304、φ12mm 図15〜16の前記振動流動撹拌手段を設えた処理槽
に、処理水に対し10容量%の前記銀めっきABS樹脂
粒子を加え、インバータにより45Hzの振動撹拌を与
えて、大腸菌含有蒸留水の減菌を行った。なお、銀めっ
きABS樹脂粒子は処理後、濾別し、水洗して繰り返し
使用できる。
【0096】減菌の程度は、(社)日本水道協会発行
「上水試験方法・解説」1993年版「微生物試験にお
ける一般細菌および大腸菌群の項」(483〜492
頁)に従って測定した。その測定結果は表2に示す。表
中、MPNはMPN(MostProbable Nu
mber)法により求めた菌の最確数であり、その測定
方法は前記上水試験方法・解説の第475〜480頁記
載の方法に準じた。
【0097】実施例2 前記振動流動撹拌手段に代えて、下記の回転式スクリュ
ータイプ撹拌機を使用した以外は実施例1と同一であ
る。 <回転式スクリュータイプ撹拌機>(株)森製作所、高
速撹拌機PKH100−1500を両側に2台垂直挿入
した。その結果を表2に示す。
【0098】
【表2】
【0099】実施例3 実施例1で得られた銀被覆層を有するABS樹脂粒子を
花びん容積の1/10量入れた後、これに水をそそいだ
花びんAと、前記樹脂粒子を全く入れないで水のみを入
れた花びんBのそれぞれに、バラの切花を生けて観察し
た結果、花びんAのバラは10日間生気があったのに対
し、花びんBのバラは水中で雑菌が繁殖したため3日位
でバラは生気を失った。
【0100】実施例4 通常の胃の検査に用いた内視鏡2台を実施例1と同様の
2台の減菌装置にそれぞれ充填し、一方は振動流動撹拌
手段を駆動させ、一方は駆動させなかった。その結果は
下記表のとおりであった。
【0101】
【表3】
【0102】実施例5 水20lを収納できる水槽に1/10容量の実施例1で
得られた銀被覆層を有するABS樹脂粒子を入れ、そこ
に水道水を入れて密栓し、2ヶ月間保存した。2ヶ月
後、水道水は飲むことができ、味にも変化がなかった。
【0103】実施例6 実施例1で得られた銀被覆層を有するABS樹脂粒子を
2lペットボトルに1/10容量充填し、1つのボトル
にはリンゴジュースを、もう1つのボトルには牛乳を、
それぞれ満杯になるまで入れ、密栓して冷蔵庫に入れ、
1ヶ月間保存した。1ヶ月後でも共に飲むことができ
た。
【0104】実施例7 実施例1のAgめっきのかわりに、Agめっき層中に酸
化チタン粒子10%が分散するような分散めっきを行っ
た。このものについて、実施例2〜6と同様のテストを
それぞれ繰り返したところ、実施例2〜6とほぼ同様の
結果が得られた。
【0105】実施例8 本発明における殺菌材料で被覆された粒子として、殺菌
材料による被覆が連続層でなくてもよいことを証明する
ため、Ag粉末を混入した市販の導電性ゴム粒子(20
00年4月15日株式会社シーエムシー発行、「導電性
樹脂の実際技術」第91頁)を用い、実施例3および5
の実験を繰り返したところ実施例3および5に近い結果
が得られた。
【0106】実施例9 粒径20μmのニッケル粒子(市販品)に実施例1に準
じ、脱脂−水洗−銀めっき−水洗−乾燥工程を経て得ら
れた銀被覆粒子を使用し、実施例1の減菌方法を実施し
た。結果は実施例1と同様の効果が確認された。
【0107】実施例10 10μm厚のAgめっき層を有する直径3mmのフェラ
イト球体(磁性球体)を500ml容積のバレルに1/
3を満たす量で充填し、実施例1の処理槽中に水を入れ
て5回/分の速度で回転させ、常温で10分間処理し
た。処理前に水中に存在していた3×10個/mlの
大腸菌が、前記処理により完全に死滅した。また、この
Agめっきフェライト球体をペットボトル容量の1/1
0容量を布袋に入れてペットボトルに挿入し、水を加え
て1ヶ月保存したが、水の味に変化はなかった。
【0108】実施例11 実施例1の装置において、振動流動撹拌手段の両側の水
中に石英ガラス管を縦方向に設置し、各管内に主波長2
53.7nmの20W紫外線ランプ各1本をセットし
た。殺菌材料で被覆された粒子としては、実施例1の粒
子に代えてAgめっき層中に酸化チタン粒子10%を分
散させためっき層(厚さ15μm)をもつニッケル粒子
を用いた。処理前にMPNが4.5×10/100m
lの割合で大腸菌を含有していた原水が10分後には大
腸菌が0となっていた。撹拌機として通常のプロペラ式
撹拌機を用いた場合には、30分後に菌は大幅に減少し
たが、それでも約300個が残留していた。
【0109】
【発明の効果】(1)本発明により、簡便で、コストの
安い減菌方法が提供できた。 (2)本発明により、各種の生活用水、生活廃水などの
処理が安価に実施できる。 (3)食堂および学校給食における食器その他の関連器
具の減菌に極めて有効であり、食中毒の防止に大へん貢
献する。また、野菜・果物などに対しても本発明方法を
適用するだけで、洗浄と減菌が一工程で完結する。さら
にジュース、加工乳などの液状飲食品自体の減菌にも有
効である。 (4)医療器具、寝具、衣類あるいは病院設備の洗浄、
減菌に有効であり、院内感染防止に極めて有効である。 (5)本発明は、常温下で実施できるので、対象物が熱
により劣化することがなく、また実質的に化学薬品を使
用することのない減菌手段であるため、地球環境に極め
てやさしい技術である。 (6)発展途上国における飲料水供給のために有効な減
菌手段を提供できた。 (7)本発明において、殺菌性材料で被震した粒子や溶
解性のある殺菌性材料を封入したカプセルと処理液の接
触促進に振動流動撹拌を用いる場合には、通常のスクリ
ュー式撹拌のようにスクリューと粒子が衝突することな
く撹拌できるので、粒子の消耗がほとんどない。なお、
スクリュー式撹拌を用いる場合には、粒子が存在する領
域とスクリュー式撹拌材の間に金網などを設けて、粒子
とスクリューの衝突を避けることが好ましい。 (8)プールの水を消毒するために用いられている塩素
系殺菌剤で目やのどを痛める場合があるが、本発明を用
いれば(プールの水をプールから1部とり出して処理
し、プールに戻すなどの手段を採用)、問題は簡単に解
消する。 (9)24時間風呂の減菌処理にも有効である。 (10)水栽培や生花などの水の減菌処理にも有効であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる振動流動撹拌手段の一部を縦断
した正面図である。
【図2】本発明に用いる振動流動撹拌手段を処理槽に取
付けた場合の1例を示す平面図である。
【図3】図2のX−X′線における処理槽および振動流
動撹拌手段の一部の縦断面図である。
【図4】振動流動撹拌手段における振動応力分散手段と
してゴム質リングを用いた場合の拡大断面図である。
【図5】振動流動撹拌手段における振動応力分散手段と
してゴム質リングを用いた場合のもう1つの変形例を示
す拡大断面図である。
【図6】振動流動撹拌手段における振動応力分散手段と
して金属線束を用いた場合の拡大断面図を示す。
【図7】金属線束端部の断面図を示す。
【図8】(a)は振動羽根の形状の1例を示す平面図で
あり、(b)はその変形例を示す平面図である。
【図9】(a)は振動羽根の形状の1例を示す平面図で
あり、(b)はその変形例を示す平面図である。
【図10】振動羽根の長さとしなりの程度の関係をモデ
ル的に示すグラフである。
【図11】横ゆれ防止機構の拡大断面図である。
【図12】振動羽根と振動羽根用固定部材の間に合成樹
脂シートまたはゴムシートを介在させた振動羽根部の拡
大断面図である。
【図13】振動流動撹拌手段の1具体例を示す側面の断
面図である。
【図14】図13に示した振動流動撹拌手段の1変形例
を示す側面の断面図である。
【図15】振動流動撹拌手段のもう1つの変形例を示す
断面図である。
【図16】図15の振動流動撹拌手段の側面断面図であ
る。
【図17】図15の振動流動撹拌手段の上面図である。
【図18】金属板/ゴム板の積層体よりなる振動吸収部
材の種々のタイプのものを示す断面図であり、(a)
は、金属板−ゴム板積層体の、(b)は、金属板−ゴム
板−金属板積層体の、(c)は、金属板−ゴム板−金属
板−ゴム板積層体の、(d)は、金属板−ゴム板−金属
板−ゴム板−金属板積層体の断面図である。
【図19】金属板/ゴム板積層体よりなる振動吸収部材
の種々のタイプのものの平面図であり、(a)は密閉型
の一例を、(b)は準密閉型の一例を、(c)は非密閉
型の一例を示す平面図である。
【図20】金属板/ゴム板積層体よりなる振動吸収部材
の特殊なケースを示す一部切断斜視図である。
【図21】振動流動撹拌手段の他の変形例を示す断面図
である。
【図22】振動流動撹拌手段の図21の側面断面図であ
る。
【図23】粒子表面に殺菌性材料をめっきするためのめ
っき装置の正面からみた断面図である。
【図24】図23の装置の側面方向からの断面図であ
る。
【符号の説明】
1 処理槽 2 振動モーター 3 振動吸収体であるバネ 4a 本体載置台 4b 台板 5 ガイドシャフト 6 支持架台 7 振動棒 7′ 補助振動棒 8 振動羽根 9 振動羽根用固定部材 10 振動羽根用固定部材 11 接続部(応力分散手段) 12 ナット 12′ ナット 13 ナット 13′ ナット 14 ナット 15 ナット 16 ワッシャーリング 16′ ワッシャーリング 17 振動棒のネジ溝 17′ 補助振動棒のネジ溝 18 ゴム質リング 18′ ゴム質リング 19 ナット 20 接続リング 21 接続リング 22 ナット 23 金属線束 24 金属線 25 金属線束の被覆部 26 金属線束の被覆部に設けたネジ溝 29 ナット 30 スペーサ 31 球面状キャップ 33 合成樹脂シート又はゴムシート(クッション作
用) 34 分割振動棒 35 インバーター 36 スプリング 37 振動伝達部材 46 処理槽またはそれに設けられた架台あるいは補強
部材 47 基本振動部材またはそれに設けられた架台あるい
は補助部材より下方に垂直に伸びた支持棒 48 前記46より上方に垂直に伸びた支持棒 51 金属板 52 ゴム板 53 金属板とゴム板の積層体 54 補助板 55 振動棒を通すための穴 56 中空部 57 ナット 58 ボルト 59 パッキング 61 処理槽 62 処理浴 63 振動流動発生部 64 基台 65 コイルバネ 66 振動部材 67 第一振動モータ 67′ 第二振動モータ 68 振動伝達ロッド(振動棒) 69 振動羽根 70 振動応力分散部材 71 ワッシャ 72 ナット 73 振動羽根固定部材 74 スペーサリング 75 ナット 76 弾性部材シート 77 電源回路 78 振動フレーム 79 コイルバネ 80 加振モータ 81 バランスウェイト 82 バレル支持部材 83 バレル 84 パイプ部材 85 陰極導電部材 86 絶縁被覆配線 87 陽極金属部材 88 被めっき物品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61L 2/18 A61L 2/18 B01J 2/00 B01J 2/00 B Fターム(参考) 4C058 AA03 AA05 AA12 AA20 BB06 BB07 CC02 JJ02 JJ05 JJ07 JJ08 KK02 KK12 KK46 4G004 AA01 AA02 AA03 BA02 GA01 4H011 AA02 BA01 BB04 BB06 BB09 BB11 BB13 BB18 BC18 BC19 BC20 DA04 DA05 DH02 DH08 DH19

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 殺菌性材料で被覆された粒子または溶解
    性のある殺菌性材料を封入したカプセルと、処理液(処
    理の対象となる液体をいう)または液中における固形物
    品(処理の対象となる固形物品をいう)とを、接触させ
    ることを特徴とする減菌方法。
  2. 【請求項2】 前記殺菌性材料で被覆された粒子または
    溶解性のある殺菌性材料を封入したカプセルの平均粒子
    径が5μm〜10mmである請求項1記載の減菌方法。
  3. 【請求項3】 殺菌性材料で被覆されている粒子が、セ
    ラミックス、金属、合成樹脂、磁性粒子および導電性粒
    子よりなる群から選ばれたものである請求項1または2
    記載の減菌方法。
  4. 【請求項4】 前記接触させるための手段が撹拌手段で
    ある請求項1〜3いずれか記載の減菌方法。
  5. 【請求項5】 前記撹拌手段が振動流動撹拌手段である
    請求項1〜4いずれか記載の減菌方法。
  6. 【請求項6】 減菌処理を行っている系に紫外線を照射
    するものである請求項1〜5いずれか記載の減菌方法。
  7. 【請求項7】 紫外線を減菌処理槽内および/または槽
    外から前記殺菌性材料で被覆した粒子に照射するもので
    ある請求項1〜5いずれか記載の減菌方法。
  8. 【請求項8】 セラミックス、金属、合成樹脂、磁性材
    料および伝導性粒子よりなる群から選ばれた粒子に殺菌
    性材料を被覆する工程において振動流動撹拌手段を用い
    ることを特徴とする殺菌材料で被覆された粒子を製造す
    る方法。
JP2000395218A 2000-12-26 2000-12-26 減菌性粒子を用いた減菌方法 Expired - Lifetime JP3727846B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000395218A JP3727846B2 (ja) 2000-12-26 2000-12-26 減菌性粒子を用いた減菌方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000395218A JP3727846B2 (ja) 2000-12-26 2000-12-26 減菌性粒子を用いた減菌方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002191680A true JP2002191680A (ja) 2002-07-09
JP3727846B2 JP3727846B2 (ja) 2005-12-21

Family

ID=18860715

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000395218A Expired - Lifetime JP3727846B2 (ja) 2000-12-26 2000-12-26 減菌性粒子を用いた減菌方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3727846B2 (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2003037504A1 (ja) * 2001-11-02 2005-02-17 日本テクノ株式会社 滅菌用振動攪拌装置並びに振動攪拌装置を用いる滅菌装置及び滅菌方法
JP2008024982A (ja) * 2006-07-20 2008-02-07 Sanshin Seisakusho:Kk めっき装置
JP2009028667A (ja) * 2007-07-27 2009-02-12 Japan Techno Co Ltd 水の改質方法
US7964104B2 (en) 2003-05-02 2011-06-21 Japan Techno Co., Ltd. Active antiseptic water or active water-based fluid, and production method and apparatus for the same
KR101051917B1 (ko) * 2008-12-05 2011-07-26 최영락 금분말이 부착된 유리구조체
KR101051919B1 (ko) * 2008-12-05 2011-07-26 최영락 산화티탄 분말이 부착된 유리구조체
JP2013067618A (ja) * 2006-02-16 2013-04-18 Queen Mary & Westfield College 殺ウイルス材料
JP2013236808A (ja) * 2012-05-16 2013-11-28 Tadashi Inoue 食品製造装置の消毒方法
CN107744597A (zh) * 2017-11-28 2018-03-02 赵梦洁 一种消化内科用管状器具清洗消毒设备
KR102280219B1 (ko) * 2020-11-30 2021-07-22 이철호 연성 내시경 장비용 세척소독장치
CN114404628A (zh) * 2022-01-10 2022-04-29 郑玉臻 一种基层外科护理用高效消毒装置

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2003037504A1 (ja) * 2001-11-02 2005-02-17 日本テクノ株式会社 滅菌用振動攪拌装置並びに振動攪拌装置を用いる滅菌装置及び滅菌方法
US7964104B2 (en) 2003-05-02 2011-06-21 Japan Techno Co., Ltd. Active antiseptic water or active water-based fluid, and production method and apparatus for the same
JP2013067618A (ja) * 2006-02-16 2013-04-18 Queen Mary & Westfield College 殺ウイルス材料
JP2008024982A (ja) * 2006-07-20 2008-02-07 Sanshin Seisakusho:Kk めっき装置
JP2009028667A (ja) * 2007-07-27 2009-02-12 Japan Techno Co Ltd 水の改質方法
KR101051917B1 (ko) * 2008-12-05 2011-07-26 최영락 금분말이 부착된 유리구조체
KR101051919B1 (ko) * 2008-12-05 2011-07-26 최영락 산화티탄 분말이 부착된 유리구조체
JP2013236808A (ja) * 2012-05-16 2013-11-28 Tadashi Inoue 食品製造装置の消毒方法
CN107744597A (zh) * 2017-11-28 2018-03-02 赵梦洁 一种消化内科用管状器具清洗消毒设备
KR102280219B1 (ko) * 2020-11-30 2021-07-22 이철호 연성 내시경 장비용 세척소독장치
CN114404628A (zh) * 2022-01-10 2022-04-29 郑玉臻 一种基层外科护理用高效消毒装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3727846B2 (ja) 2005-12-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100442912B1 (ko) 멸균용 진동 교반 장치, 멸균 장치, 및 멸균 방법
JP4191037B2 (ja) 滅菌用振動攪拌装置並びに振動攪拌装置を用いる滅菌装置及び滅菌方法
JP3727846B2 (ja) 減菌性粒子を用いた減菌方法
JP5175296B2 (ja) 流体の殺菌及び保存
US20090169425A1 (en) Apparatus and method for disinfecting food using photo-catalytic reaction of titanium dioxide and ultraviolet rays
JP2002282669A (ja) 滅菌用振動撹拌装置、それを含む滅菌装置および滅菌方法
CN102438892A (zh) 一种压载水处理系统
JP5645172B2 (ja) 真空及び共振型超音波処理による食品材料における微生物の制御方法及び制御装置
US6630106B1 (en) Compositions and methods for controlling microorganism growth in water processing systems
JP3436733B2 (ja) 液体処理装置、それを用いた滅菌装置、それを用いた洗浄処理方法、表面処理方法および滅菌方法
CA2211235C (en) Articles, compositions and process for cleaning surfaces by use of a catalyst at the surface
Tiwari et al. Biocidal nature of combined treatment of Ag-nanoparticle and ultrasonic irradiation in Escherichia coli DH5
EP4121220B1 (en) Plasma coating treatment method for inhibiting biological pathogen transfer
JP3533213B1 (ja) 水殺菌装置および水殺菌方法
JP2002102323A (ja) 処理液または処理ガスの滅菌装置
WO2011038168A1 (en) Continous-flow bacterial disinfection of fruits, vegetables, fresh-cut produce and leafy greens using high-intensity ultrasound
JP3970523B2 (ja) 振動流動撹拌装置、滅菌用振動撹拌装置およびそれを用いた滅菌方法
JP3953971B2 (ja) Cuイオンミネラル殺菌水発生装置とCuイオンミネラル殺菌水発生装置の使用方法
Karel Determining the effect of system parameters on ultrasonic water disinfection and enhancing its efficiency with a hybrid application
JP2018110569A (ja) 貝類の除菌方法および貝類の除菌システム
KR20010069645A (ko) 은(Silver)으로 코팅된 입자를 사용하여 물을 살균하는 기술
Diaz et al. A Literature Review of Antifouling Surfaces and Treatments for Long-term Synergistic Biofilm Control
JP2004290949A (ja) 殺菌液生成装置及び殺菌液生成装置付き小型簡易浄水器
RU2418747C2 (ru) Способ энергонезависимой, безреагентной, нетоксичной очистки воды от микробиологических загрязнений на основе нанотехнологий
KR20040089034A (ko) 나노실버가 함유된 물 꼭지

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050531

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050708

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050830

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050929

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091007

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101007

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111007

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111007

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121007

Year of fee payment: 7