JP3970523B2 - 振動流動撹拌装置、滅菌用振動撹拌装置およびそれを用いた滅菌方法 - Google Patents

振動流動撹拌装置、滅菌用振動撹拌装置およびそれを用いた滅菌方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体、粉末またはこれらの混合物である流体を処理槽内において混合、分散、反応、乳化、脱泡するための振動流動撹拌装置、物品の脱脂、洗浄、めっき、陽極酸化、電着などのための撹拌装置あるいは物品への浸透をはかるための振動流動撹拌装置に関するものである。即ち本発明は処理槽例えばタンク、生産ラインに含まれる混合槽等の中の液体、粉末またはこれらの混合物等の液体を処理槽内において混合、分散、洗浄、脱泡などを行うための流体の振動流動撹拌装置に関する。
さらに、本発明は、振動流動撹拌装置の部品にさらに工夫をこらした滅菌用振動撹拌装置、それを含む表面処理装置、滅菌装置および滅菌方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明者は振動流動撹拌方式については、特許第1941498号(特開平3−275130)、特許第2707530号(特開平6−220697)、特許第2762388号(特開平6−312124)、特許第2767771号(特開平8−281272)、特許第2852878号(特開平8−173785)、特許第2911350号(特開平7−126896)、特許第2911393号(特開平9−40482)、特許第2988624号(特開平11−189880)、特許第2989440号(特開平7−54192)、特許第2992177号(特開平6−330395)、特許第3035114号(特開平6−287799)、特開平6−280035号、特開平6−304461号、特開平10−43569号、特開平10−369453号、特開平11−253782号、特願平8−220391号、特願平9−137927号、特願平10−76702号、特願平11−127830号、特願2000−9540号にかかる発明を種々提案し、全く新しい撹拌手段を市場に提供してきた。
【0003】
前記各発明を含め、本発明者が今まで提案してきたすべての振動流動撹拌手段においては、振動モーターの振動軸と振動羽根の位置はすべて直角またはほぼ直角の関係にあった。そしてこの関係があるからこそ振動羽根の振動効果が有効に処理槽内の流体に伝達され、ひいては撹拌現象が発生するものという考え方に立つものであった。
【0004】
ところが、驚くべきことに振動モーターの振動軸と振動羽根の位置関係が、すべて平行またはほぼ平行の関係にあっても処理槽内の流体に流動撹拌現象がおこることを発見し、本発明を完成するに至ったものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来の振動流動撹拌手段における振動棒と振動羽根の方向が従来すべて直角またはほぼ直角にすることにより構成するという固定観念から脱却し、振動棒と振動羽根の方向を平行またはほぼ平行にした振動流動機構に基づく振動流動撹拌装置の提供、およびこの部品に工夫をこらした滅菌用振動流動撹拌装置、それを含む表面処理装置、滅菌装置および滅菌方法を提供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一は、(1)少なくとも1本のU字状振動棒、(2)U字状振動棒におけるU字の底部に上方に向けて垂直にあるいは傾斜して固定された少なくとも1枚の振動羽根、(3)前記U字状振動棒を上下に振動させる方向で連係されている振動軸を有する振動モーターを含む振動発生手段および、(4)振動モーターが10〜200Hzの間の任意の振動を発生できるように調整するためのインバーターよりなることを特徴とする振動流動撹拌装置に関する。
【0007】
本発明の第二は、前記振動発生手段が前記U字状振動棒の左右両側に設けてなる請求項1記載の振動流動撹拌装置に関する。
【0008】
本発明の第三は、前記U字状振動棒の左右いずれかの一方に振動発生手段を設け、左右いずれかの他方に振動発生手段の振動をバランスよく受けとめるバランサーを設けてなる請求項1記載の振動流動撹拌装置に関する。
【0009】
本発明の第四は、請求項1〜3いずれか記載の振動流動撹拌装置を処理槽内に付設したことを特徴とする被処理物の表面処理装置に関する。
【0010】
本発明の第五は、被処理物を処理槽内にセットするための吊下手段、固定手段または多孔質収納容器を有する請求項4記載の表面処理装置に関する。
【0011】
本発明の第六は、前記吊下手段または多孔質収納容器を揺動または回転するための手段を付設した請求項5記載の表面処理装置に関する。
【0012】
本発明の第七は、前記表面処理がめっきである請求項4〜6いずれか記載の表面処理装置に関する。
【0013】
本発明の第八は、前記表面処理が脱脂である請求項4〜6いずれか記載の表面処理装置に関する。
【0014】
本発明の第九は、前記表面処理が水洗である請求項4〜6いずれか記載の表面処理装置に関する。
【0015】
本発明の第十は、請求項1〜3いずれか記載の振動流動撹拌装置において(i)前記振動羽根用固定部材および/または振動羽根の少なくとも1部が、少なくとも1種の殺菌性の金属および/または殺菌性の金属化合物含有表面層を有するものであることおよび/または(ii)前記振動羽根および/または振動羽根用固定部材が磁力を発生するものであることを特徴とする滅菌用振動流動撹拌装置に関する。
【0016】
本発明の第十一は、滅菌対象となる処理水または固形物品を収納する処理槽およびその処理槽内にセットされた請求項10記載の滅菌用振動流動撹拌装置とよりなることを特徴とする滅菌装置に関する。
【0017】
本発明の第十二は、前記固形物品が処理槽内において、固定、揺動または回転することのできる手段を付設した請求項11記載の滅菌装置に関する。
【0018】
本発明の第十三は、請求項11記載の滅菌装置の振動羽根を処理槽内の処理液中に挿入し、インバーターにより振動モーターに10〜200Hzの間の所望の振動を発生させ、この振動を振動応力分散手段と振動棒を介して振動羽根に伝えることにより、振動羽根を振幅0.1〜15mm、振動数200〜1000回/分で振動させることを特徴とする処理液の滅菌方法に関する。
【0019】
本発明の第十四は、請求項11〜12いずれか記載の滅菌装置の振動羽根を、滅菌対象となる固形物品を収納した処理槽内の処理液中に挿入し、インバーターにより振動モーターに10〜200Hzの間の所望の振動を発生させ、この振動を振動応力分散手段と振動棒を介して振動羽根に伝えることにより、振動羽根を振幅0.1〜15mm、振動数200〜1000回/分で振動させることを特徴とする物品の滅菌方法に関する。
【0020】
本発明の第十五は、処理槽中の処理液が流速100mm/秒以上で流動しているものである請求項13〜14いずれか記載の処理液または物品の滅菌方法に関する。
【0021】
通常、振動モーターは、処理槽上、処理槽側壁にあるいは固い床上に架台をおきその上または下にセットし、振動モーターの振動軸の振動を振動伝達部材に伝える。槽の厚みが薄く(ステンレス槽5mm以下)液の振動によりタンク側壁や床面に振動が伝えられる場合は槽の外側に架台を設置することが好ましい。槽の厚みが5mm以下の場合には、槽の側壁にバンドを締めるような要領で補強部材を付設し、そこに振動装置を設置するとよい。振動モーターの発生する振動は、振動棒に伝えられる。この場合、振動モーターは通常架台の下側に吊り下げる形でセットすることが好ましい(図2、6参照)。このようにすることにより重心を下げることができ、無用の処理槽の横ぶれ発生を極めて少なくすることができる。また、処理槽の上部に突出する部分が低ければ低いほど、クレーンなどの走行の邪魔になる確率が少なくなる。
【0022】
本発明における振動発生手段は、通常、振動モーター(マグネットモーター、エアーモーター等も含む)により振動伝達部材などを振動させるシステムを採用している。振動モーターに代えて電磁マグネットあるいはエアーガンなどの振動発生手段も使用することができる。振動モーターをU字状振動棒の左右両側に設ける場合には、左右同一出力の振動モーターでなくともよく、左右別々の出力の振動モーターを使用することができる。
【0023】
振動羽根部は、振動羽根と振動羽根用固定部材よりなるが、振動羽根を1〜複数枚重ねたもの、あるいは振動羽根と振動羽根用固定部材を一体成形したものなどを使用することができる。
【0024】
前記振動羽根は、材質として、好ましくは薄い金属、弾力のある合成樹脂等が使用できるが、振動モーターの上下の振動により、少なくとも羽根板の先端部分がフラッター現象(波を打つような状態)を呈する厚みであり、これにより系に振動に加えて流動を与えることのできるものが好ましい。金属の振動羽根の材質としてチタン、アルミニウム、銅、鉄鋼、ステンレス鋼、磁性鋼などの磁性金属、これらの合金が使用できる。合成樹脂としては、ポリカーボネート、塩化ビニル系樹脂、ポリプロピレンなどが使用できる。振動エネルギーを伝えて振動の効果を上げるため厚みは特に限定されないが一般に金属の場合は0.2〜2mm、プラスチックの場合は0.5〜10mmが好ましい。過度に厚くなると振動撹拌の効果が減少する。
【0025】
振動羽根の材質として弾性のある合成樹脂等を使用する場合には、厚みは特に限定されないが一般に0.5〜5mmが好ましいが、金属たとえばステンレスの場合は0.2〜1mmたとえば0.6mmのものが好ましい。また、振動板の振幅は、0.1〜15mm、好ましくは0.5〜5mmである。
【0026】
振動軸に対し振動羽根は一段又は多段に取り付けることができる。振動羽根を多段にする場合、水位、容量、振動モーターの大きさにより変化し、必要に応じて5〜7枚と増加することができる。多段の段数を増加する場合、振動モーターの負荷を大きくすると振動巾が減少し、振動モーターが発熱する場合があるが、この場合は振動モーターの容量を大きくする。振動羽根は一体でもよい。振動軸に対し振動羽根部の角度は完全平行でもよいが、平行位置よりある程度の角度をもたせることができ、角度α(図12参照)が5〜30度とくに10〜20度にして振動に方向性をもたせることもできる。
【0027】
振動羽根は振動羽根用固定部材により上下両面から挾みつけて振動棒に固定することにより振動羽根部を形成することができる。また、振動羽根用固定部材と振動羽根は振動軸の側面からみて図12に示すように一体的に傾斜していることができる。
【0028】
また、振動羽根と振動羽根用固定部材は例えばプラスチックスを用いて一体成形することにより製造することもできる。この場合は振動羽根と、振動羽根用固定部材を別々に使用する場合に較べて、その接合部分に被処理物が浸入、固着し、洗浄に手間がかかるという欠点を回避することができる。また、羽根と固定部材を一体化したことにより、厚みの段差が発生せず、応力集中を避けることができるので、羽根の使用寿命を大幅に延長することができる。
【0029】
一方では振動羽根と振動羽根用固定部材を別々に作っておけば、振動羽根のみをとりかえることができるが、一体成形のものでも交換は可能である。この場合の振動羽根、振動羽根用固定部材、一体成形品はプラスチックスに限らず、前述の種々の材料が使用できる。振動羽根用固定部材を使用するときは、上下から振動羽根をはさみつけて使用するが、この固定部材は上下で、その材質、大きさなどを異ったものとすることもでき、これにより振動応力を分散させることができる。
【0030】
また、図12にみられるように、振動羽根用固定部材10と振動羽根8の間に合成樹脂シート例えば弗素樹脂シートまたはゴムシート33を介在させ、これにクッション作用を持たせることにより振動羽根の応力を分散することができる。また、前記合成樹脂シートやゴムシート33は前記振動羽根用固定部材10より長めで、振動羽根の先端方向にやゝ突出している長さとすることが好ましい。
【0031】
振動羽根または振動羽根用固定部材などよりなる振動羽根部は、ナットを用いて振動棒に固着することができる。振動羽根および/または振動羽根用固定部材を多数振動棒に取付ける場合には、ナットで固定した後、振動棒に丁度嵌合する円筒状の一定の長さのスペーサを1個または複数個挿入することにより、振動羽根および/または振動羽根用固定部材の間隔を簡単に一定化することができる。
【0032】
振動羽根(または振動羽根部)の形状は、いろいろな形状を採用することができるが、代表的形状を図8および図9に示す。8は振動羽根、9は振動羽根に穿たれた振動棒挿入用穴、10は振動羽根用固定部材である。
【0033】
振動羽根は振動モニターの振動軸と完全に平行な状態、すなわち図7の(a)のように取り付けることもできる。また、振動羽根に図12のように角度αを与えた場合には図7の(b)に示すとおり、中央部分の羽根は振動軸と平行(地面に対して垂直)に固定し、左右部分の羽根は槽の外側に傾斜したようにすることもできるし、図7の(c)に示すようにすべてを一定方向にやや傾斜させることもできる。
【0034】
以上は、振動棒が1本の場合について説明してきたが、振動棒は複数本であってもよいことは勿論であり、多軸にすることによりたとえ大型の処理槽の撹拌においても安定に作動する。この具体例を図1〜図6に示す。
【0035】
振動羽根部の振動に伴って発生する振動羽根の“しなり現象”の程度は、振動を与える周波数、振動羽根の長さと厚み、被撹拌物の粘度、比重などによって変化するので、与えられた周波数においてもっともよく“しなる”長さと厚みを選択することができる。周波数と振動羽根の厚みを一定にして、振動羽根板の長さを変化させてゆくと、振動羽根のしなりの程度は長さ(固定部材より先の部分の長さ)が大きくなるに従ってある段階までは大きくなるが、それをすぎるとしなりは小さくなり、ある長さはときにはほとんどしなりがなくなり、さらに振動羽根を長くするとまたしなりが大きくなるという関係をくりかえすことが判ってきた(特開平10−43569号公報〔0032〕図9参照)。
【0036】
したがって、振動羽根の長さ(固定部材より先の部分の長さ)は、好ましくは、第1回目のピークを示す長さか、第2回目のピークを示す長さを選択することが好ましい。第1回目のピークを示す長さにするか、第2回目のピークを示す長さにするかは、系の振動を強くするか、流動を強くするかによって適宜選択できる。第3回目のピークを示す長さを選択した場合は、振動巾が小さくなり、用途が限られる。これらのピークの長さや振動羽根の厚みについては特開平10−43569号公報〔0033〕〜〔0036〕に述べたとおりである。
【0037】
前記U字状振動棒は、一本の棒を用いて成形したものであってもよいし、三本の棒をつなぎ合わせて一本のU字状振動棒としたものでもよい。また、場合によってはU字状振動棒の上部に支持棒を張り渡してもよいが、このようにすると処理槽の上部に支持枠が存在することになり、槽内清浄などの処理にあたり支持枠が邪魔になったり支持枠の分だけ振動部材の重量がかさみ、そのため振動モーターの出力を大きくする必要が生じ、エネルギーロスを伴ううえ、支持枠に割れが発生したりするので、あまり好ましいことではない。
このような点から、特開平6−304461号公報のような支持枠を使用せず、U字状振動棒に振動モーターの振動を伝達することは大変有利である。
【0038】
前記振動羽根はインバーターにより制御された振動モーターにより10〜200Hz、好ましくは20〜60Hzの間の任意の特定の振動を生じるが、この振動羽根の材質および厚みは、この振動により羽根がしなりながら振動するものであることが好ましい。
【0039】
本発明においては、振動モーターの振動は振動伝達部材に伝達され、それが架台に接続しているU字状振動棒を経て振動羽根に伝えられる。振動モーターを含む振動発生手段は、床からの支持部材によってあるいは処理槽に結合した支持部材によって支持されているが、振動発生手段を単なる金属枠のような支持部材で支持すると床が共振したり、騒音が発生するなどの好ましくない現象が発生するので図11に示すように振動伝達部材4またはその他の振動モーター保持部材から下方に垂直に伸びた三〜四本の支持棒47とそれに対応して床から延びた支持棒、あるいは処理槽から伸びた支持棒48およびこれら上下の支持棒47と48を取り巻くスプリング36により支持棒47と支持棒48が非接続状態を保たれるような振動発生手段支持機構を設けることが好ましい。
【0040】
本発明の振動流動撹拌装置を用いれば、各種物品に対していろいろの表面処理を行うことができる。表面処理としては、物品の洗浄、脱脂、水洗、めっき、陽極酸化、電解酸化、電着などを挙げることができる。
【0041】
本発明の振動流動撹拌装置を用いてめっきを行う場合には、例えば特許第2989440号公報(特開平7−54192号公報)、特許第2988624号公報(特開平11−189880号公報)、特許第2707530号公報(特開平6−220697号公報)、特許第2992177号公報(特開平6−330395号公報)、特許第2911350号公報(特開平7−126896号公報)などにおける振動撹拌装置を本発明のものに置き換えることにより所期の目的を達成することができる。
【0042】
本発明の振動流動撹拌装置を用いて金属の陽極酸化を行う場合には、例えば特許第3046594号公報における振動流動撹拌装置を本発明のものに置き換えることにより所期の目的を達成することができる。
【0043】
本発明の振動流動撹拌装置を用いて電着を行う場合には、特許第3035114号公報(特開平6−287799号公報)における振動撹拌手段として本発明の装置を使用することにより所期の目的を達成することができる。
【0044】
また、本発明の振動流動撹拌装置を用い、処理槽で化学反応、重合反応、縮合反応、乳化、懸濁(分散)化、混合、系の脱泡などの操作を行うことができる。
【0045】
本発明において、滅菌の対象になる処理液とは、水道水、井戸水、雨水、河川水、処理排水、汚染河川などの各種水、あるいは細菌などで汚染されている各種飲料水、ジュース、有機溶剤、無機物や有機物含有液体などを挙げることができる。
【0046】
本発明において、表面処理や滅菌の対象となる固形物品(被処理物)としては、格別の制限はないが、たとえば、各種製品(工業部品、電気部品、電子部品を含む)、めっき:電着:陽極酸化:電解酸化などの表面処理を受ける各種材料、飲食器、飲食品製造用部品、飲食品用および医療用の各種びんや容器、その他手術用具などの医療用器具、衣類、寝具、小間物、化粧道具、野菜・果物などの食品などを挙げることができる。
【0047】
物品が大きいものであって、直接処理槽中にセットできる場合は、それでもよいが、物品が小物などの場合には、これをかごなどの多孔質容器に入れて処理槽中にセットすることが好ましい。
【0048】
物品は、その大小にかかわらず、任意の手段で揺動や回転を与えてやると一層処理液との接触が増大し、均一化するので、好ましいことである。物品が大きい場合は、それ自体を吊り下げ、吊り下げ具を揺動させたり、回転させたりすることができる。また、物品が小物の場合には、前記多孔質容器に入れて、多孔質容器内に必要に応じて固定したうえ、多孔質容器を揺動したり、回転したりすることができる。前記多孔質容器は、プラスチックスや金属で作ることができる。通常は、板状のプラスチック板または金属板に所望の孔を開けて作ることができるが、側壁に対する開孔面積の割合を高くしたいときは金網製の側壁とするが、樹脂被覆された金属線による金網製の側壁とすることもできる。側壁に対する開孔面積は10〜98%程度とすることができる。前記容器に設ける多数の孔は、容器内に充填して液体処理を受ける物品の大きさや形状に合わせて、もっとも処理効率の高い形状の孔と数を選択する。通常、開孔率は、側壁に対して20%以上が好ましい。これ以下では処理効率が低下する。また、この容器の水平断面形状は、円形でも多角形でもよい。
【0049】
前記揺動は、通常揺動幅10〜100mm、好ましくは20〜60mmの振幅で、1分間に10〜60回程度の回数になるような状態でゆっくり動かすことを意味している。回転を与える場合も、1分間に10〜60回位回転する程度で充分目的を達することができる。
【0050】
本発明における殺菌あるいは滅菌の対象となる菌については、とくに限定するものではないが、少なくとも大腸菌群(大腸菌、病原大腸菌、O−157)、サルモネラ菌、腸炎ビブリオ菌、カンピロバクター、エルシニア菌、ウエルシュ菌、ナグビブリオ菌、腸球菌、緑膿菌(Psevdomonas aeruginosa)、セパシア菌(Burkholderia cepacia)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)、肺炎(レンサ)球菌(Streptococcus pneumoniae)、セラチア属菌(Serratia)、プラテウス属菌(Proteus)、エンテロバクター属菌(Enterobacter)、シトロバクター属菌(Citrobacter)、エンテロコッカス属菌(Enterococcus)、クレブシエラ属菌(Klebsiella)、バクテロイデス属菌(Bacteroides)、レジオネラ属菌(Legionella)、マイコバクテリウム属菌(Mycobacterium)、ニューモシスチス・カリニ(Pneumocystis carinii)、真菌(fungus)、病原ウィルスなどに対して有効である。
【0051】
前記殺菌性金属としては、Ag、Pd、Au、Pt、Ni、Cu、Zn、Sb、Mg、Sn、Pbなどの金属であり、これらは単一金属でもよいし、これらの金属の合金(たとえば真鍮)またはこれらの金属と他の金属の合金であってもよい。また前記殺菌性金属化合物としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化銀などの金属酸化物などを挙げることができる。とくに酸化チタンや酸化亜鉛は光触媒があるので紫外線照射と併用すると活性化が持続するので好ましい。
【0052】
前記殺菌性の金属または殺菌性の金属酸化物などの金属化合物よりなる表面層の形成は、振動羽根または振動羽根用固定部材上に、前記殺菌性の金属またはその合金を用いてめっきして殺菌性金属被膜としたり、この金属被膜を酸化して酸化物被膜とすることにより達成できる。あるいは前記表面層はこれら金属成分を含有する粒子または殺菌性の金属化合物(金属酸化物など)粒子のコンポジットめっきにより達成することができる。表面層の厚みには何ら制限はないが、通常5〜20μm程度もあれば充分である。また、必要に応じて振動羽根全体を殺菌性の金属を用いることもできるし、任意の金属中に殺菌性の金属粒子を分散させたものを用いることもできる。
【0053】
本発明においては、殺菌性の金属の代りに殺菌性の金属化合物(たとえば金属酸化物)粒子を用いることができる。殺菌性の金属酸化物としてはTiOやZnOなどを挙げることができる。粒子の大きさにとくに制約はないが、好ましくは微粒子ほど表面積が大きくなるから好都合であり、できれば5μm以下が好ましい。このような殺菌性の金属化合物(たとえば金属酸化物)微粒子をコンポジットめっきにより、振動羽根表面に層を形成する。この場合の表面層の厚みには制限がなく、通常は5〜20μmである。
【0054】
前記振動羽根、振動羽根用固定部材、ストッパーリングなどに磁力を発生するものを使用すると、水が活性化されるとともに滅菌現象が生じる。この処理水を用いて洗濯すると、洗剤の使用量を1/5に節減できるほど水が活性化されている。
【0055】
前述のように、振動羽根、振動羽根用固定部材およびその付属部品である、ストッパーリング、ボルト、ナットなどに磁力を発生させるようにするためには、あらあゆる磁力発生手段を採用することができる。永久磁石(硬磁性材料)を用いることもできるし、電磁石を用いることもできるし、また場合によっては軟磁性材料を用いることもできる。硬磁性材料としては、フェライト磁性材料、希土類磁性材料、磁性鋼などがあり、具体的には、アルニコ磁石、サマリウムコバルト磁石、ネオジウム磁石、鉄磁石、ホウ素磁石などを挙げることができる。また、軟磁性材料の場合は、該材料のまわりにコイルを巻き、これに電流を流して電磁石の原理により軟磁性材料に、その都度必要な磁力を与えたのち、使用することもできる。軟磁性材料としては軟鉄、ケイ素鋼、パーマロイなどを挙げることができる。前記電磁石の原理で磁性を付与するに際しては、極性を、(1)プラスからマイナスに、(2)マイナスからプラスに、(3)すべてをマイナスに、(4)すべてをプラスに、あるいは(5)例えば、特定の羽根はプラスに、他の特定の羽根はマイナスに、といったように選択的にプラスとマイナスを与えることもできる。またこれら磁性材料としては実公昭53−21438号公報記載の可撓性薄板磁石も使用することができる。磁力の強さは500エルステッド以上であることが好ましい。
これらの磁性材料は、とくに振動羽根用固定部材およびそれらの付属部品であるストッパーリング、ボルト、ナットなどに使用することが好ましい。
これにより、大腸菌、O−157、サルモネラ菌、連鎖球菌などの菌体を極めて有効に捕捉することができる。
【0056】
本発明で使用する振動羽根や振動羽根用固定部材の基材は前述のような磁性材料でもよいが、磁性ゴムを振動羽根や振動羽根用固定部材などに貼りつけて使用することもできる。磁性材料を必要としない場合には、任意の金属材料やプラスチックスであることができる。また、これらの材料中に磁性粉体例えば希土類磁性粉体を含有させることもできる。
【0057】
殺菌性の金属や殺菌性の金属化合物(たとえば金属酸化物)による表面層の形成は、通常のめっき方法あるいは殺菌性の金属含有粒子や殺菌性の金属化合物(たとえば金属酸化物)粒子を用いたコンポジットめっきを用いる方法がある。このような表面層の形成は、プラスチックよりなる振動羽根や振動羽根固定部材に対しても可能であり、あらかじめプラスチック素材上に、昭和46年7月25日日刊工業新聞社発行、「めっき技術便覧」第650〜664頁記載のような通常の密着性向上のための下地処理をしてから、銀めっきなどのめっきやコンポジットめっきを行うことができる。
【0058】
処理槽内の水は、振動撹拌により、その流速が三次元電磁流速計(アレック電子株式会社 商品名ACM300−A)による測定で100mm/秒以上となることが好ましい。
【0059】
図1〜4はU字状振動棒の左右両端に1つづつ振動発生手段を設けたタイプのものである。両振動モーターの周期調整にもインバーターは大いに役立つ。図1〜4に示す振動流動撹拌装置は、2本のU字状振動棒を平行に並べ、その両端をそれぞれの振動モーターの架台にとりつける。一方、振動羽根は2本のU字状振動棒のU字の底辺部分に掛け渡すようにセットし、図2にみられるようなハシゴ状にセットする。
【0060】
振動羽根の振動棒への取付け状態は図7の(a)〜(c)に示すように、いろいろの態様をとることができる。
【0061】
図5〜6には、U字状振動棒の左右いずれか一方にのみ振動発生手段を設けたタイプのものである。そのため、振動モーターが存在しない方のU字状振動棒の末端は、他方にある振動発生手段による振動を上手に受けとめて槽や床に無用の振動を与えないようにする必要があり、基本的には処理槽の左右の重量バランスがとれるよう、一方の側の振動発生手段と同様の重量があるバランサーであって、そのバランサー内には振動棒の振動を受け返すスプリングやその他の弾性体を収納させておくことが好ましい。
【0062】
本発明の振動流動攪拌装置の1例を図1〜4により詳細に説明する。図1〜4は、本発明の振動流動攪拌装置を処理槽1内に取り付けた状態を示す。図1はその上面図であり、図2は図1の断面図であり、図3は側面図である。処理槽1内には処理液を入れ、小物処理物品を処理する場合にはバレルを設けて小物処理物品をバレルに収納させる。
【0063】
たとえば、振動数を同調させまた制御するためのトランジスターインバーターを振動モーター2、2の前に結線し、交流200Vを供給する。振動モーターはインバーターにより通常10〜200Hz、好ましくは20〜60Hzに調整する。振動モーターの振動軸に直角にとりつけた振動伝達部材4はU字状振動棒に結合しており、振動モーターの振動を振動棒7に伝達する。振動軸には図7(a)〜(c)にみられるように振動羽根をいろいろの態様で取り付けることができるが、図2の場合は、振動羽根8は振動棒7に振動モーターの振動軸と完全に平行になる状態で取り付けられている。
【0064】
このようにして、振動羽根8は、振幅0.1〜15mm、振動数200〜1000回/分で振動し、処理槽中の流体を流動攪拌状態とすることができる。
【0065】
図5〜6のものは、U字状振動棒の一方の端に振動モーター2を設け、他方の端にはバランサー6を設けたタイプである。
【0066】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
【0067】
実施例1
振動羽根8は、磁性鋼に銀めっきをほどこしたものを使用した。その大きさは210×140×0.6(mm)のものであり、図1〜2に示すようにして使用した。
図12に示すような振動羽根用固定部材10として強磁性材料であるネオジウム磁石を用いた。
振動モーター2の一方は、3相、200V、出力400Wのもの、他方の振動モーター2は、3相、200V、出力150Wのもの〔いずれも株式会社村上精機製作所製(安川商事株式会社取扱)〕を使用した。
処理槽1は、内寸450×1100×500(mm)のものを用いた。
処理水は、上水道の採水個所付近のものを用いた。その清浄度は下記のとおりである。
一般細菌 1000n/ml (n:細菌の個数)
大腸菌群 9500MPN/100ml
【0068】
前記菌に対する試験方法は、社団法人日本水道協会発行「上水試験方法・解説」(1993年版)微生物試験における一般細菌の項および大腸菌群の項記載の方法(第483〜492頁)に従った。
【0069】
処理条件
前記処理水を常温において図1〜図4に示す装置に前記振動羽根と振動羽根用固定部材を用いインバーターにより40Hzの振動を与えた。別途磁性をもたない同一装置により振動による流動状態を振動羽根の3cm前方に三次元電磁流速計ACM300−A(アレック電子株式会社製)をセットして流速を測定した結果、X、Y、Z軸いずれの方向においても、流速は200mm/秒を示した。
【0070】
処理結果は下記表に示すとおりである。
【表1】
Figure 0003970523
*MPNはMPN(Most Probable Number)法により求めた菌の最確数であり、その測定方法は前記上水試験方法・解説の第475〜480頁記載の方法に準じた。
【0071】
実施例2(めっき)
(工程)
煮沸脱脂(振動撹拌付)、(2)水洗(振動撹拌付)、(3)一般水洗、(4)銅ストライク、(5)銅めっき(振動撹拌付)、(6)回収、(7)水洗(振動撹拌付)、(8)一般水洗、(9)酸中和(振動撹拌付)、(10)水洗(振動撹拌付)、(11)ニッケルめっき(振動撹拌付)、(12)回収、(13)水洗(振動撹拌付)、(14)一般湯洗、(15)乾燥よりなる15工程。
振動条件
振動モーターへの供給電源 50Hz
振動羽根の傾斜角度 15°
【0072】
(めっき対象物とめっき法)
L字状をした接続端子(幅約7mm、全長約30mm)(目視により油汚れが多く付着していた)をバレルめっき法によりめっきした。
(煮沸脱脂)
苛性ソーダ、炭酸ソーダ、りん酸ソーダ、トリポリりん酸ソーダおよび界面活性材を含有する水溶液を使用、液温;70℃、浸漬時間;5分。
(銅めっき浴)
シアン化銅 46.2g/リットル
シアン化ナトリウム 35 g/リットル
炭酸ナトリウム 26.5g/リットル
遊離シアン分 13.5g/リットル
電流密度 5.0A/dm
電解時間 90分
pH 12.3
温度 50℃
銅メッキ膜厚 12±2μm
有機光沢剤 5リットル/M
バレル 350φ×500L 穴径5m/mφ
槽寸法 700×500×700H(200リットル)
バレル数 3連
(ニッケルめっき浴)
硫酸ニッケル 243.6g/リットル
塩化ニッケル 48.5g/リットル
ホウ酸 34.2g/リットル
電流密度 5.0A/dm
電解時間 30分
pH 4.8
温度 48℃
ニッケル膜厚 2±0.5μm
有機光沢剤 8リットル/M
バレル 350φ×500L 穴径5m/mφ
槽寸法 600×1,200×700H(430リットル)
バレル数 2連
この実施例の結果を解析したところ、特許第2707530号発明の垂直式振動撹拌装置と全く同等の効果が得られていることがわかった。したがって、本実施例の場合は従来から処理槽のデッドスペースと考えられていた処理槽の底部に振動羽根が設けられている分だけ、特許第2707530号発明より既存の処理槽を一層有効に使用できることが判った。
【0073】
【効果】
(1)処理槽の底部に振動羽根を設ける全く新しいタイプの振動流動撹拌装置を提供できた。
(2)U字状振動棒を用いることが可能であるため、処理槽内への被処理物の出し入れ、処理槽の清掃などが便利である。
(3)バレルめっきの高速化、高品位化が達成できた。
(4)バレル内の洗浄時間の短縮と完全洗浄化が達成できた。
(5)各種プリント基板の下記ラインへの設置により、より高品位の製品をより短時間で生産可能とした。
a.デスミア処理ライン
b.化学銅めっきライン
c.電解銅めっきライン
d.ニッケルめっきライン
e.金めっきライン
f.各工程の洗浄ライン
(6)下記金属などのめっきの処理時間の短縮、均一処理による高品位化が達成できた。
a.銅めっき
b.ニッケルめっき
c.クロムめっき
d.クロメート処理
e.半田、スズめっき
f.合金めっき
g.その他(より完全な洗浄化)
(7)プラスチックめっきの処理時間の短縮、均一処理による高品位化が達成できた。
(8)金属の陽極酸化の高速化、均一化が達成できた。
(9)金属の表面処理(アルミニウム、マグネシウムなど)の高速化が達成できた。
(10)無電解めっきへの均一電着化(ニッケル、銅、金)、高速化が達成できた。
(11)電着塗装の均一化、高速化が達成できた。
(12)脱脂、洗浄の短時間処理及び完全洗浄が実現できた。
(13)塗料、顔料などの撹拌を高能率化できた。
(14)化学反応系、重合系、縮合系の均一化が実現できた。
(15)その他各種微粉体と液体との均一な混合撹拌を実現できた。
(16)本発明により、化学薬品を全く使用しない新しい滅菌手段兼洗浄手段が提供できた。また、従来の滅菌手段は、洗浄およびそれにつづく薬品処理、洗浄処理が必要となるため、工程数が多いが、本発明では一工程で済む。
(17)本発明により、活性に富んだ水を提供できた。
(18)本発明において、磁性材料を用いる場合には、水中に混入している鉄粉や鉄コロイドなどを除去するのに好都合である。
(19)本発明において、磁性材料を用いる場合には強力な磁界内を大きな循環量の水が通過することにより水のクラスターが細かくなり、洗浄効果が上がった。
(20)磁性材料の使用により、水中に存在する大腸菌、O−157、サルモネラ菌、連鎖球菌などの細菌類を極めて有効に捕捉できる。
(21)ビルの屋上に設けられた貯水槽それ自体の滅菌およびそのなかの水の滅菌に極めて有効である。また、プールとそのなかの水の滅菌にも極めて有効である。
(22)食堂および学校給食における食器その他の関連器具の滅菌に極めて有効であり、食中毒の防止に大へん貢献する。また、野菜・果物などに対しても本発明方法を適用するだけで、洗浄と滅菌が一工程で完結する。さらに液状飲食品自体の滅菌にも有効である。
(23)医療器具、寝具、衣類あるいは病院設備の洗浄、滅菌に有効であり、院内感染防止に極めて有効である。
(24)本発明は、常温下で実施できるので、対象物が熱により劣化することがなく、また実質的に化学薬品を使用することのない滅菌手段であるため、地球環境に極めてやさしい技術である。
(25)発展途上国における飲料水供給のために有効な滅菌手段を提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる振動流動撹拌装置を挿入した状態の処理槽全体の上面図である。
【図2】本発明にかかる振動流動撹拌装置を挿入した状態の処理槽全体の断面図である。
【図3】図2の処理槽の左側側面図である。
【図4】図2の右側側面図である。
【図5】本発明にかかるもう1つのタイプの振動流動撹拌装置を挿入した状態の処理槽全体の上面図である。
【図6】本発明にかかる振動流動撹拌装置を挿入した状態の処理槽全体の断面図である。
【図7】振動羽根の振動棒への取付け状態を示すモデル図(a)〜(c)を示す。
【図8】2本のU字状振動棒をそれぞれ平行かつ幅広に設け、それに長方形の振動羽根を取り付けるときに用いる振動羽根とそれに用いる振動羽根用固定部材を示す。
【図9】2本のU字状振動棒をそれぞれ平行かつ幅狭く設けそれに長方形の振動羽根を取り付けるときに用いる振動羽根とそれに用いる振動羽根用固定部材を示す。
【図10】振動羽根の長さとしなりの程度の関係をモデル的に示すグラフである。
【図11】本発明の横ゆれ防止機構の拡大断面図である。
【図12】振動羽根と振動羽根用固定部材の間に合成樹脂シートまたはゴムシートを介在させた振動羽根部の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 処理槽
2 振動モーター
4 振動伝達部材
5 振動発生手段支持機構
6 バランサー
7 振動棒
8 振動羽根
9 振動羽根に穿たれた振動棒挿入用穴
10 振動羽根用固定部材
30 スペーサ
33 合成樹脂シート又はゴムシート(クッション作用)
36 スプリング
46 処理槽またはそれに設けられた架台あるいは補強部材
47 振動伝達部材またはその他の振動モーター保持部材より下方に垂直に伸びた支持棒
48 処理槽側壁から上方に伸びた支持棒

Claims (15)

  1. (1)少なくとも1本のU字状振動棒、(2)U字状振動棒におけるU字の底部に上方に向けて垂直にあるいは傾斜して固定された少なくとも1枚の振動羽根、(3)前記U字状振動棒を上下に振動させる方向で連係されている振動軸を有する振動モーターを含む振動発生手段および、(4)振動モーターが10〜200Hzの間の任意の振動を発生できるように調整するためのインバーターよりなることを特徴とする振動流動撹拌装置。
  2. 前記振動発生手段が前記U字状振動棒の左右両側に設けてなる請求項1記載の振動流動撹拌装置。
  3. 前記U字状振動棒の左右いずれかの一方に振動発生手段を設け、左右いずれかの他方に振動発生手段の振動をバランスよく受けとめるバランサーを設けてなる請求項1記載の振動流動撹拌装置。
  4. 請求項1〜3いずれか記載の振動流動撹拌装置を処理槽内に付設したことを特徴とする被処理物の表面処理装置。
  5. 被処理物を処理槽内にセットするための吊下手段、固定手段または多孔質収納容器を有する請求項4記載の表面処理装置。
  6. 前記吊下手段または多孔質収納容器を揺動または回転するための手段を付設した請求項5記載の表面処理装置。
  7. 前記表面処理がめっきである請求項4〜6いずれか記載の表面処理装置。
  8. 前記表面処理が脱脂である請求項4〜6いずれか記載の表面処理装置。
  9. 前記表面処理が水洗である請求項4〜6いずれか記載の表面処理装置。
  10. 請求項1〜3いずれか記載の振動流動撹拌装置において(i)前記振動羽根用固定部材および/または振動羽根の少なくとも1部が、少なくとも1種の殺菌性の金属および/または殺菌性の金属化合物含有表面層を有するものであることおよび/または(ii)前記振動羽根および/または振動羽根用固定部材が磁力を発生するものであることを特徴とする滅菌用振動流動撹拌装置。
  11. 滅菌対象となる処理水または固形物品を収納する処理槽およびその処理槽内にセットされた請求項10記載の滅菌用振動流動撹拌装置とよりなることを特徴とする滅菌装置。
  12. 前記固形物品が処理槽内において、固定、揺動または回転することのできる手段を付設した請求項11記載の滅菌装置。
  13. 請求項11記載の滅菌装置の振動羽根を処理槽内の処理液中に挿入し、インバーターにより振動モーターに10〜200Hzの間の所望の振動を発生させ、この振動を振動応力分散手段と振動棒を介して振動羽根に伝えることにより、振動羽根を振幅0.1〜15mm、振動数200〜1000回/分で振動させることを特徴とする処理液の滅菌方法。
  14. 請求項11〜12いずれか記載の滅菌装置の振動羽根を、滅菌対象となる固形物品を収納した処理槽内の処理液中に挿入し、インバーターにより振動モーターに10〜200Hzの間の所望の振動を発生させ、この振動を振動応力分散手段と振動棒を介して振動羽根に伝えることにより、振動羽根を振幅0.1〜15mm、振動数200〜1000回/分で振動させることを特徴とする物品の滅菌方法。
  15. 処理槽中の処理液が流速100mm/秒以上で流動しているものである請求項13〜14いずれか記載の処理液または物品の滅菌方法。
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