JP2006089845A - 表面処理方法及びその方法を実現する表面処理装置 - Google Patents

表面処理方法及びその方法を実現する表面処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】表面処理膜の厚みのばらつき、ピンホール発生などの改善を目的として、簡易な機構の表面処理方法及びその方法を実現する表面処理装置を提供すること。
【解決手段】被処理物を処理浴中に浸漬して表面処理する方法であって、被処理物を、垂直方向に往復運動する水平ブスバー9に配設した垂直支承軸10の下端部に吊し、被処理物を、垂直方向に往復運動させると共に、一方向への回転と静止を交互に繰り返す間歇回転運動を付与させて行うことを特徴とする表面処理方法、及びそれに用いる表面処理装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、被処理物を処理浴中に浸漬して表面処理するにあたり、形成される処理膜の厚みのばらつきをなくし、さらに処理膜のピンホール発生、処理膜外観などを向上させる表面処理方法、及びその方法を実現する表面処理装置に関する。
従来、メッキなど表面処理の対象となる被処理物の形状は多種多様であり複雑なものが多い。複雑な場合、被メッキ各部位間でメッキ膜厚みがばらつくこと、また被メッキ物とメッキ液との流動接触が不十分な場合、形成されたメッキ膜にピンホールが多く発生し、耐食性の問題が生じることが知られている。そのため、メッキ液の槽内流動循環やメッキ液の撹拌を強くしたり、メッキ液中での被メッキ物自体の運動を激しくしたりすることが行われている。一般には、被メッキ物を液面上部の回転モーターからの軸伝達により、被メッキ物をメッキ液中で連続回転させることが簡便でありよく行われている。
さらに、撹拌効果を上げるため、特許公報平1−43039号公報(特許文献1)には、被メッキ物を吊下げる陰極バーの両端部をそれぞれの側の円板に偏心固定し、円板の回転に同期して陰極バーを上下、左右運動させてメッキする方法が記載されている。
また、特開平3−47992号公報(特許文献2)には、被メッキ物を吊した棒に槽外の振動源から、振動を付与して被メッキ物とメッキ液の流動接触効果を高めるメッキ方法が記載されている。
特開平1−43039号公報 特開平3−47992号公報
しかしながら、特に複雑な形状の被メッキ物をメッキする場合には、被メッキ物への単なる回転、あるいは単なる垂直方向の往復運動、あるいは振動などを単独に付与する方法では、被メッキ物の各部位間において形成されたメッキ膜の厚みのばらつき、ピンホール発生、外観などの問題において今ひとつ改善の余地があった。
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、表面処理膜の厚みのばらつき、ピンホール発生などの改善を目的として、簡易な機構の表面処理方法及びその方法を実現する表面処理装置を提供することを課題とする。
なお、本発明において、「表面処理」とは、金属やプラスチックなどの素材表面に所定厚の被覆層を形成することをいう。
本発明の請求項1に記載の表面処理方法は、
被処理物を処理浴中に浸漬して表面処理する方法であって、被処理物を、垂直方向に往復運動させると共に、回転と静止を交互に繰り返す間歇回転運動を付与させて行うことを特徴とする。
請求項2に記載の表面処理方法は、請求項1において、
前記被処理物を、垂直方向に往復運動させると共に、一方向への回転と静止を交互に繰り返す間歇回転運動を付与させて行うことを特徴とする。
請求項3に記載の表面処理方法は、被処理物を処理浴中に浸漬して表面処理する方法であって、被処理物を、垂直方向に往復運動する水平ブスバーに配設した垂直支承軸の下端部に吊し、被処理物を、垂直方向に往復運動させると共に、一方向への回転と静止を交互に繰り返す間歇回転運動を付与させて行うことを特徴とする。
請求項4に記載の表面処理方法は、請求項1〜3のいずれかにおいて、被処理物を、処理浴中に配置された電極に対し陰極又は陽極として、両極間に通電することをすることを特徴とする。
本発明の請求項5に記載の表面処理装置は、
処理浴中に被処理物を保持する保持手段を有する表面処理装置において、
垂直方向に往復運動する往復運動手段と、
回転と静止を交互に繰り返す間歇回転運動手段とを備え、
前記往復運動手段による往復運動と前記間歇回転運動手段による回転・静止運動とを前記保持手段に伝える連絡手段を備えたことを特徴とする。
請求項6に記載の表面処理装置は、
垂直方向に往復運動する水平ブスバーに配設した垂直支承軸の下端部に被処理物を吊して表面処理する装置であって、該垂直方向の往復運動を該水平ブスバーに平行に軸受を介して併設した水平軸の回転と静止を交互に繰り返す間歇回転運動に変換するラチェット機構と、
該間歇回転運動を被処理物を吊すための垂直支承軸に伝達する動力方向変換手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項7に記載の表面処理装置は、請求項5又は6において、垂直支承軸に吊された被処理物を、処理浴中に配置された電極に対し陰極又は陽極として、両極間に通電する手段を備えたことを特徴とする。
本発明の表面処理方法は、垂直方向の往復運動に加え、回転と静止を交互に繰り返す間歇回転運動を付与するものであるから、回転で生じた気泡を巻き込んだ特定位置の乱流状態の表面処理の進行が、一旦静止により中断する。すなわち、被処理物の表面で乱流状態となっている特定位置が、表面処理作業の全時間を通して乱流状態での表面処理反応を継続して受けないことになる。
被処理物の回転運動が一旦静止しても、垂直往復運動が処理中は常に付加されているから、回転方向とは別方向である垂直方向の液流により、乱流で生じた気泡、メッキ反応で生じた気泡は離脱するものと考えられる。
このような理由で、本発明の表面処理方法においては、垂直方向の往復運動に加え、回転と静止を交互に繰り返す間歇回転運動が、処理膜の厚みのばらつき、ピンホール発生、処理外観などが大きく改善される。
本発明の表面処理装置は、上記の被処理物の運動の付与を実現するための装置であり、垂直方向の往復運動に加えて、極めて簡単な機構で回転と静止を交互に繰り返す間歇回転運動を付与するように構成したものであり、複雑な構造および電気制御系統などを原因とする故障などを発生させるおそれがない。さらに、表面処理装置の製造コストや表面処理装置のランニングコストも低く、工業上メリットが大きい。
次に本発明の表面処理方法及び表面処理について、メッキの場合を具体例として、実施の形態により詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態であるメッキ装置の構造を示す斜視図である。図2は、本発明の実施の形態であるメッキ装置について、垂直運動、回転運動の機構について説明する説明図である。図3は、本発明の実施の形態であるメッキ装置について、一方向への回転と静止を交互に繰り返す間歇回転運動を付与させる機構の説明図である。図4は、本発明の実施の形態であるメッキ装置について、評価試験に用いた被メッキ物の形状と評価試験部位の説明図である。
まず、垂直方向の往復運動に加えて、回転と静止の繰り返し運動を付与するメッキ方法を実現するためのメッキ装置の動作原理につき詳細に説明する。
図1は 本発明の実施の形態であるメッキ装置を示す斜視図である。図1において、架台1の上には、メッキ装置の動力源である回転モーター2からチェーン伝達により、円板3が回転できるように設置されている。
また、回転モーター2からの回転動力は円板3を回転させるとともに、回転伝達軸4により、メッキ装置架台1の他方の端に設置されている円板(図示せず)を回転させている。
さらに、円板3の外周に近い位置にクランクシャフト5の上端が回動自在に軸着されており、クランクシャフト5の上端は円板3の回転に応じて回転運動すると共に、クランクシャフト5の他方の下端は、回動自在に軸着されている往復板6を、上下方向に設けられたガイド溝7に沿って往復運動をさせるように構成されている。
往復板6の下端は、その往復運動を水平ブスバー9に伝達する支持棒8が垂直に固着されており、水平ブスバー9を上下に往復運動させるように構成されている。
図1では、メッキ装置の右片側のみを記載するものであるが、水平ブスバー9は、その両端が、同じ回転モーター2からの動力で垂直方向に往復運動をする2本の支持棒に固着されているから、水平を保ちながら垂直方向に往復運動をする。
さらに、水平ブスバー9の下部には動力方向変換を行う一対のかさ歯車を介して垂直支承軸10が付設され、垂直支承軸10の下端部は被メッキ物をメッキ浴中に吊すためリング10a形状としている。被メッキ物は、上端をリング10aに掛けられた保持手段(フック)15の下端に吊されてメッキ槽12内のメッキ液12aに浸漬されている。したがって、垂直支承軸10は、水平ブスバー9と同じく垂直方向の往復運動をするとともに、被メッキ物もメッキ液の中で往復運動する。
次に、この往復運動に加えて垂直支承軸10を、一方向への回転と静止を交互に繰り返しながら、前記垂直方向の往復運動を水平ブスバー9に平行に軸受を介して併設した水平軸11の回転運動に変換すると共に該回転運動を回転と静止を交互に繰り返す間歇回転運動に変換するラチェット機構について説明する。水平軸11は、水平ブスバー9の下部に、軸受14、座金止め21により回転自在に設置されている。そして、水平軸11の右端部は、アーム13aを連設するラチェットヘッド13(水平ブスバー9の往復運動を、間歇回転運動に変換する機能を有するラチェット機構を備えるものである)の中心に固着されている。アーム13aの他端は、アーム支持板14の横長穴14aに回動自在に軸着され、アーム13aは横長穴14aにおいて軸着部を中心に回動することができるように構成されている。
本実施の形態で用いるラチェット機構を有するラチェットヘッド13は、つめ車を用いた一方向にだけ回転するように止めやつめを用いて操作するものであり、ある程度の回転抵抗を有する可動軸をヘッド内部で歯車につめが掛かり駆動軸を一方向のみアームの動きにより回転させることができる。その反対方向への駆動軸の回転は、ラチェットヘッド内部の歯車外周をつめが追い越して空転する構成とされている。
本実施の形態では、水平軸11が垂直方向に下降するときは、他端を回動固定されたアーム13aは、ラチェットヘッド13を回転中心として上方向に巻くように動くようになっている。すなわち、ラチェットヘッドの右端部側から見て、水平軸11を右回転させる(図3において右回り)。
逆に、水平軸11が下死点を越え上昇するときは、アーム13aはラチェットヘッド13を回転中心として、水平軸11を下方向に巻くように動くことになる(図3において左回り)。
この上昇時(図3において左回り)は、ラチェットヘッド13内部ではつめは歯車外周から浮いて滑動して、アーム13aの動きにより水平軸11を回転させる力は働かない。すなわち、水平軸11は上昇するが、回転はしない状態(静止)となる。
図2は、実施の形態であるメッキ装置について、垂直運動、回転運動の機構についての説明図であり、水平軸11がラチェット機構により確実に回転動作を受けるように、スプリング22と押圧座金23、スプリング調整ナット24とで適度な回転抵抗を付与する構成とされている。
水平軸11の端部では、押圧座金23がスプリング調整ナット24で端を固定されたスプリング22により座金止め21を押圧している。押圧座金21を押圧するスプリングの力が強いほど水平軸11の回転抵抗が強くなる。このスプリング押圧強度は、スプリング調整ナット24の締め付け位置の設定により行うことができる。
水平軸の回転抵抗を適度に設定することにより、ラチェットヘッド13が下死点を越えて、つめが歯車外周を滑動するときに、水平軸11を確実に静止状態にすることができる。
ラチェットヘッド13の中心には四角形の穴が設けられており、水平軸11の最端部の断面四角形の部分と勘合固定されている。この水平軸11に適度な回転抵抗を付与する方法については、本形態に限定されることなく適宜別法を使用することができる。
水平軸11の回転は、動力方向変換を行う一対のかさ歯車(動力方向変換手段)を介して垂直支承軸10に伝達される。すなわち、かさ歯車20aに直角に対置されたかさ歯車20bに伝達され、垂直支承軸10が回転する。なお、本実施の形態では、動力方向変換手段として一対のかさ歯車を例示して説明したが、水平方向の回転運動を垂直方向の回転運動に変換する機能を伴うものであれば、適宜他の手段を用いることもできる。
本実施の形態では、水平ブスバー9に垂直支承軸10が1本取り付けられているが、メッキ槽の大きさに応じて適宜本数を増加できる。
また、表面処理方法として、無電解メッキ方法を用いる場合は、メッキ電流通電設備は必要ないが、電気メッキ、電着塗装などをする場合は、垂直支承軸10に電気接触子部材を付設して陰極、または陽極となるように、メッキ槽内に設けた電極の間にメッキ電源を通電する。
次に、図3を用いて、水平軸11の垂直方向の往復運動の動き、ラチェットヘッド13の位置およびラチェットアーム13aの動きを、さらに詳しく説明する。
クランクシャフト5の上端が、円板3のa点位置から、b点位置に周回移動したときのストローク長さをhとすると、ラチェットヘッド13の位置はa1点位置からb1点位置に同じストローク長さh分移動する。
アーム13aの回転角度θは、ストローク長さhが長いほど大きくなる。アーム13aの回転角度θが大きいと、水平軸11の回転角度とそれに伴う垂直支承軸10の回転角度が大きくなる。
また、水平軸11の回転角度は、アーム13aの長さでも調整できる。本実施の形態では、アーム最端部を回動自在に軸着するための横長穴14aに、種々の長さのアーム13aを配設できるようになっている。より長いアーム13aを用いると、同じストローク長さで回転角度θが小さくなる。
本実施の形態においてはラチェットヘッド13の往復速度は一定とするので、水平軸11の回転時間と静止時間は同じであるが、ラチェットヘッド13の下降速度と上昇速度を変えることにより、水平軸11の回転時間と静止時間を異なるようにすることもできる。
なお、上記実施の形態の説明において用いた技術用語は、請求項4に記載する上位概念の表面処理において用いる用語との対応は下記のとおりである。
往復運動手段とは、回転モータ2,ベルト又はチェーン、円板3、クランクシャフト5,往復板6,ガイド溝7,支持棒8,水平ブスバー9,及び垂直支承軸10を水平ブスバー9に支持している部材からなる。
間歇回転運動手段とは、回転モータ2,ベルト又はチェーン、円板3、クランクシャフト5,往復板6,ガイド溝7,支持棒8,水平ブスバー9,水平軸11,かさ歯車20a、20b,ラチェットヘッド13,ラチェットアーム13a,アーム支持板14,及び横長穴14aからなる。
連絡手段とは、垂直支承軸10,リング10aからなる。
以上説明したメッキ装置において、Niの無電解メッキ及び電解メッキを施した場合のNiメッキ膜の特性について説明する。
無電解Niメッキ条件:硫酸ニッケル(6水塩) 25g/l
次亜燐酸ソーダ 25g/l
ピロ燐酸ソーダ 50g/l
pH 10〜11
メッキ温度 75℃
電解Niメッキ条件:硫酸ニッケル(7水塩)300g/l
塩化ニッケル(6水塩) 45g/l
ホウ酸 30g/l
pH 4〜5
メッキ温度 60℃
メッキ膜ピンホール試験
JIS Z―2371による塩水噴霧試験法に準じて行った。試験結果は、レーティングナンバー法によって判定した。レーティングナンバー10.0は、肉眼で識別できない腐食を示し最良、レーティングナンバー6.0は、ピンホールに起因する腐食状態の最大値を指し最悪状態であることを示す。
上記のようなメッキ条件及び試験条件で、鉄素材製品の表面に無電解Niメッキ及び電解Niメッキした場合のNiメッキ膜の特性結果を表1に示す。
なお、メッキ条件を上記と同じ条件とし垂直方向の往復運動のみを施して、本発明のような垂直方向に往復運動させると共に一方向への回転と静止を交互に繰り返しながら間歇回転運動を付与しない場合を比較例として、併せて結果を示している。
Figure 2006089845
ここで、最大偏差は、メッキ厚みにおいて12点測定した中で、最大厚み−最小厚み=σとした。12点は、被メッキ物の各面それぞれ3点を測定したものである。
表1の結果から明らかなように、本発明による被メッキ物は、比較例の被メッキ物に比べ、メッキ膜厚みのばらつき、およびピンホール発生が大幅に改善されている。さらに、被メッキ物の溝底部のメッキ外観も光沢ムラが全くなく改善されている。
上記結果について解析した結果、本発明の優位性は次のように考えられる。すなわち、一般にメッキ装置においては、メッキ槽内では、メッキ液は槽内特定位置の循環供給口から噴出しており、必ずしも槽内全体で液流動は均一ではない。このようなメッキ槽内で被メッキ物が垂直運動することでも、被メッキ物と液流の接触は強化され改善される。しかしながら、被メッキ物の全表面の各部位にわたりメッキ液との接触を均一にするには不十分である。
本発明においては、被メッキ物がメッキ液中で、垂直方向の往復運動と同時に回転するようにし、メッキ液との流動接触を均一に受けるようにし、被メッキ物は単なる連続回転ではなく、回転と静止の繰り返し運動を付加される。この回転運動の中断が、メッキ膜特性改善に大きな効果をもたらしているのは、以下の理由による。
被メッキ物の表面は、メッキ反応により多数の気泡が生じている。この気泡はメッキ膜のピンホール発生の原因ともなっている。そして、被メッキ物のメッキ液中での運動、メッキ液撹拌などはこの気泡の離脱を促進するものである。
一方、被メッキ物の形状が複雑部分では、メッキ液の流動が複雑な形状により乱されて、被メッキ物の表面には層流と乱流が生じている。乱流が生じている部分ではメッキ反応で生じた気泡を巻き込んでいるばかりでなく、流速が乱れ一定でないからメッキイオンの被メッキ物への供給拡散も不均一になっている。メッキにおいて、被メッキ物表面のメッキイオン拡散が均一でないことは、特にメッキ膜厚ばらつきに大きく影響する。
例えば、電気メッキにおいては、金属イオンに固有のイオン拡散速度が存在するため、電流密度を高くしてもメッキ液中からのイオン供給が不足して、正常なメッキ量が得られないことがある。したがって、電気メッキでは、各メッキ金属には正常なメッキをするための最適な電流密度範囲が存在する。
このように、最適電流密度はイオンの供給速度に依存しているから、被メッキ物表面に対するメッキ液の流速、撹拌状態にも関係する。特に、被メッキ物の形状が複雑な場合、各表面に電流が均一に流れない部分が生じやすいばかりでなく、気泡などを巻き込み、乱流状態でのメッキとなっている部分も生じ、最適な電流密度を外れ易く正常なメッキが得られない。
最適な電流密度範囲を外れるとメッキ析出粒子が一般に粗くなりピンホールが発生し易くなるとともに、メッキ外観も悪くなり商品価値を低下させる。
なお、本発明の表面処理方法及び表面処理装置が適用される表面処理方法の工業上の技術分野としては、電気メッキ、無電解メッキ、陽極酸化処理、化成処理、電着塗装、などを挙げることができる。
本発明の表面処理方法は、被処理物の上下の垂直往復運動に加えて、回転と静止を交互に繰り返す間歇回転運動を付与する表面処理方法により、処理膜厚みのばらつき、ピンホール発生などの改善を図ることができる。
そして、本発明の表面処理装置は、安価なラチェット機構を利用するものであり、故障もなく、装置製造コスト、ランニングコストも低減ができる。
本発明の実施の形態であるメッキ装置の構造を示す斜視図である。 本発明の実施の形態であるメッキ装置について、垂直運動、回転運動の機構について説明する説明図である。 本発明の実施の形態であるメッキ装置について、一方向への回転と静止を交互に繰り返す間歇回転運動を付与させる機構の説明図である。 本発明の実施の形態であるメッキ装置について、評価試験に用いた被メッキ物の形状と評価試験部位の説明図である。
符号の説明
1 ・・・架台
1a ・・・架台柱
2 ・・・回転モーター
3 ・・・円板
4 ・・・回転伝達軸
5 ・・・クランクシャフト
6 ・・・往復板
7 ・・・ガイド溝
8 ・・・支持棒
9 ・・・水平ブスバー
10 ・・・垂直支承軸
10a・・・リング
11 ・・・水平軸
12 ・・・メッキ槽
12a・・・メッキ液
13 ・・・ラチェットヘッド
13a・・・アーム
14 ・・・アーム支持板
14a・・・横長穴
20a・・・かさ歯車(水平軸)
20b・・・かさ歯車(垂直支承軸)
21 ・・・座金止め
21a・・・軸受
22 ・・・スプリング
23 ・・・押圧座金
24 ・・・スプリング調整ナット

Claims (7)

  1. 被処理物を処理浴中に浸漬して表面処理する方法であって、
    被処理物を、垂直方向に往復運動させると共に、回転と静止を交互に繰り返し繰り返す間歇回転運動をさせながら行うことを特徴とする表面処理方法。
  2. 前記被処理物を、垂直方向に往復運動させると共に、一方向への回転と静止を交互に繰り返す間歇回転運動をさせながら行うものである請求項1に記載の表面処理方法。
  3. 被処理物を処理浴中に浸漬して表面処理する方法であって、
    被処理物を、垂直方向に往復運動する水平ブスバーに配設した垂直支承軸の下端部に吊し、
    被処理物を、垂直方向に往復運動させると共に、一方向への回転と静止を交互に繰り返す間歇回転運動を付与させて行うことを特徴とする表面処理方法。
  4. 前記被処理物を、処理浴中に配置された電極に対し陰極又は陽極として、両極間に通電することをすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の表面処理方法。
  5. 処理浴中に被処理物を保持する保持手段を有する表面処理装置において、
    垂直方向に往復運動する往復運動手段と、
    回転と静止を交互に繰り返す間歇回転運動手段とを備え、
    前記往復運動手段による往復運動と前記間歇回転運動手段による回転・静止運動とを前記保持手段に伝える連絡手段を備えたことを特徴とする表面処理装置。
  6. 垂直方向に往復運動する水平ブスバーに配設した垂直支承軸の下端部に被処理物を吊して表面処理する装置であって、
    該垂直方向の往復運動を該水平ブスバーに平行に軸受を介して併設した水平軸の回転と静止を交互に繰り返す間歇回転運動に変換するラチェット機構と、
    該間歇回転運動を被処理物を吊すための垂直支承軸に伝達する動力方向変換手段と、
    を備えたことを特徴とする表面処理装置。
  7. 前記被処理物を、処理浴中に配置された電極に対し陰極又は陽極として、両極間に通電する手段を備えたことを特徴とする請求項5又は6に記載の表面処理装置。
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