JP4182895B2 - 画像形成装置及び画像形成支援装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置及び画像形成支援装置に係り、例えばカラー複写機、ファクシミリ、またはプリンタ等、記録媒体上に画像を形成する所謂印刷機能を有する画像形成装置、及び画像形成装置へデータを出力する画像形成支援装置に関する。
従来の印刷(例えばオフセット印刷)では、写植等の紙焼き(印画紙)、版下、網ネガ、網ポジ、PS版(刷版)等の中間成果物を生成し、これら中間成果物を元に印刷や製本等を行っていた。近年、DTP(DeskTop Publishing /Prepress)の普及によって、DTPデータから直接印刷する「ダイレクト印刷」または「オンデマンド印刷」が知られている。DTPでは、ページレイアウトをコンピュータ上で処理して得た印刷データを印画紙や製版フィルム等に形成し、これに基づいて刷版を作成して印刷する処理が普及している。また、中間成果物を生成せずに電子データにより直接刷版を形成するCTP(Computer To Plate)も注目されている。このような印刷処理に用いることが可能なものとして、プリンタ装置や複写装置等の印刷機能を備えた画像形成装置が知られている。近年の画像形成装置は、画質向上が高まると共にカラー化され、例えば、電子写真プロセス(ゼログラフィ)を用いたカラープリンタ装置は、高品質かつ高速な画像形成が可能である。この画像形成装置では、印刷データを受け取り刷版等を生成せずに印刷物を出力することができる。
図8は、従来の画像形成システムの概略図である。図8(A)に全体構成図を示すように、画像形成システムは、画像形成装置11と、画像形成装置11に印刷データを渡し印刷指示をするDFE(Digital Front End Processor)装置とから構成されている。また、図8(B)にはデータの流れを示した。
DFE装置は、描画機能とプリンタコントローラ(印刷制御装置)機能とを備えており、例えばページ記述言語(PDL:Page Description Language)で記述された印刷データをクライアント端末から順次受け取り、この印刷データをラスターイメージに変換(RIP処理;Raster Image Process)し、さらにRIP処理済みのイメージデータ及び印刷枚数や用紙サイズ等の印刷制御情報(ジョブチケット)を画像形成装置11に送り、画像形成装置11のプリントエンジンや用紙搬送系を制御して、画像形成装置11に印刷処理を実行させる。すなわち、画像形成装置11の印刷動作は、DFE装置によるプリンタコントローラによって制御される。印刷データは、カラー印刷用の基本色の、イエロ(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)の3色と、ブラック(K)とを合わせた4色(YMCK)分が画像形成装置11に送られる。
画像形成装置11は、電子写真プロセスを利用して画像を印刷用紙に記録するもので、IOT(Image Output Terminal)モジュール12、IOTモジュール12に連結されたフィードモジュール(FM;Feeder Module;給紙モジュール)15、出力モジュール17、タッチパネル等を含んで各種データの入力支援をするためのユーザインターフェース装置18、を備えている。IOTモジュール12は、YMCK分のトナーカートリッジ24が搭載されたトナー供給部22と、IOTコア部20とを有する。IOTコア部20は、光走査装置や感光体ドラム等を有するプリントエンジン(印字ユニット)30を色毎でかつベルト回転方向に一列に配置した所謂タンデム構成になっており、プリントエンジン30を制御する電気回路等を収容する電気系制御収納部39を備えている。IOTコア部20では、感光体ドラム上のトナー像を中間転写ベルト43に転写(1次転写)した後、トナー像を印刷用紙に転写(2次転写)することにより、YMCKの各色トナー像が多重転写される。中間転写ベルト43上に転写された画像(トナー像)は、所定のタイミングでフィードモジュール15から搬送されてきた印刷用紙上に転写され、定着器(Fuser)70によりトナー像が用紙上に溶融定着される。その後、排紙処理装置72を経由して機外へ排出される。また、両面印刷時には、片面に印刷済みの用紙が排紙トレイ(スタッカ)74に一時的に保持され、排紙トレイ74から引き出され、反転搬送路49を介して反転されて再度IOTコア部20に渡される。
このシステムを用いた場合、画像形成処理(プリント処理)の高性能化や高速化の要求(例えば、100枚〜200枚/分以上のカラー印刷)を実現するためには、画像形成装置の対応のみならず、RIP処理や出力側の画像記録部に対する印刷制御部分であるプリンタコントローラ(DFE装置)も高速・高性能化が必要である。
ところが、DFE装置は、クライアント端末からのPDLデータに対するRIP処理だけでなく、印刷ジョブに従ったページ再配置(昇順/降順の並び替え、両面印刷時の処理ページ順決定、フィニッシャ対応の位置づらし等)や、プリントエンジンや定着器等の出力側の処理特性に応じたデータ変換(例えばグレイバランスや色ズレ校正等)等の、付加処理も実行するようになっている。付加処理を実行するためには画像形成装置の特性に合わせた高度な処理が必要となるが、該処理を実行しつつ高速・高性能化を実現するために、従来はDFE装置と画像形成装置11との間を専用の通信プロトコルで接続した専用かつ独立の装置構成を採用していた。
しかしながら、専用の装置を個別に用意する必要があり、システム全体がコスト高になるとともに、汎用性にかけていた。
そこで、近年、出力側に依存した制御をするプリンタコントローラ機能を備えた画像形成支援装置(バックエンドプロセッサ)をDFE装置(フロントエンドプロセッサ)及び画像形成装置の間に設け、該画像形成支援装置がフロントエンドプロセッサから送られたイメージデータを受け取ると、出力側の処理特性に応じて順次イメージデータを画像形成装置へ送るとともに、画像形成装置を制御して印刷処理をさせるシステムも提案されている。これにより、クライアントからの要求に基づく出力形態に適合した処理やリカバリ処理などをする際には、フロントエンドプロセッサと無関係に、対応することができる。
ところで、文字を含む文書画像を紙媒体などに印刷出力や複写出力する画像形成装置において、拡大機能を有する装置が広く普及している。この装置によれば、小さな文字を含む文書画像を拡大して出力することができ、たとえば老眼や弱視などの視覚障害のため小さな文字を読むことが困難なユーザであっても、容易に文書を読むことができる。
このような拡大機能を有する装置としては、文書画像を文字領域と非文字領域とに分割し、文字領域内の文字のサイズを拡大して全体を読みやすく整形する画像出力装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−374400号公報
しかしながら、従来の画像出力装置では、拡大処理の際には文字が用紙からはみ出さないような拡大率で文字を拡大するが、文字領域以外の領域(文字領域周囲の領域)が十分でない場合には文字の拡大率を十分に上げることができない、という問題が生じる。例えば、文字領域以外の領域において、文字領域の左側の領域は広く十分にあっても、右側の領域が狭く十分に無い場合には、狭い右側の領域からはみ出さないように文字を拡大することとなるため、拡大率を十分に上げることができなくなる。
また、従来の画像形成支援装置に、従来の画像出力装置の拡大処理する手法を採用したとしても、同様の問題は発生する。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、文字の拡大率を上げることができ、より見易い画像を形成することができる画像形成装置及び画像形成支援装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の画像形成装置は、文字領域と非文字領域とにより構成される文書画像から文字領域を分割する分割手段により分割された文字領域内の文字のサイズを検出する検出手段と、前記分割された文字領域を前記文書画像内の余白部分を上下が均等且つ左右が均等に確保できる位置に移動する移動手段と、前記検出手段により検出された文字のサイズ及び前記確保した余白部分に基づいて、移動後の前記文字領域が前記確保した余白部分を越えないように該余白部分いっぱいに文字を拡大したときの最大拡大率を求め、該最大拡大率で前記文字領域内の文字を拡大する拡大手段と、前記拡大手段により拡大された文字を含む文字領域と前記非文字領域とを合成して出力用画像データを生成する生成手段と、前記生成手段により生成された出力用画像データに基づいて画像を形成する画像形成手段と、を含んで構成されている。
また、本発明の画像形成支援装置は、出力用画像データに基づいて画像を形成する画像形成装置の画像形成を支援する画像形成支援装置であって、文字領域と非文字領域とにより構成される文書画像から文字領域を分割する分割手段により分割された文字領域内の文字のサイズを検出する検出手段と、前記分割された文字領域を前記文書画像内の余白部分を上下が均等且つ左右が均等に確保できる位置に移動する移動手段と、前記検出手段により検出された文字のサイズ及び前記確保した余白部分に基づいて、移動後の前記文字領域が前記確保した余白部分を越えないように該余白部分いっぱいに文字を拡大したときの最大拡大率を求め、該最大拡大率で前記文字領域内の文字を拡大する拡大手段と、前記拡大手段により拡大された文字を含む文字領域と前記非文字領域とを合成して出力用画像データを生成する生成手段と、前記生成手段により生成された出力用画像データを前記画像形成装置に出力する出力手段と、を含んで構成されている。
すなわち、本発明では、分割手段により文字領域と非文字領域とにより構成される文書画像から、文字領域が分割される。文字領域は文字を含む領域であり、非文字領域は写真や背景などの文字を含まない領域である。なお、分割手段は、本発明の画像形成装置或いは本発明の画像形成支援装置に設けられていてもよいし、外部の装置に設けられていてもよい。更に、検出手段は、分割された文字領域内の文字のサイズを検出する。また、移動手段は、文字領域を文書画像内の余白部分を上下が均等且つ左右が均等に確保できる位置に移動する
文字領域を移動した後、拡大手段は、検出された文字のサイズ及び確保した余白部分に基づいて、該移動後の文字領域が確保した余白部分を越えないように該余白部分いっぱいに文字を拡大したときの最大拡大率を求め、該最大拡大率で該文字領域内の文字を拡大する。すなわち、移動後の文字領域の文字が、上記左右或いは上下にほぼ均等に確保された余白部分からはみ出さないように拡大される。
例えば、元の文書画像の文字領域以外の領域において、文字領域の左側の領域は広いが、右側の領域が左側に比して狭い場合に、そのままの状態で文字領域以外の領域から文字がはみ出さないように文字を拡大しようとすると、右側の領域が狭いため、拡大率を十分に上げることができない。しかしながら、本発明のように、予め文字領域を文書画像の中央位置に移動した後に文字を拡大することによって、文字領域以外の領域が左右或いは上下にほぼ均等に確保され、文字の拡大率を十分に上げることができる。なお、文字の拡大率は、縦横同一であってもよいし、異なってもよい。また縦横いずれか一方を拡大し、他方は拡大しないようにしてもよい。
このように文字が拡大された後、該文字を含む文字領域と非文字領域とを合成して出力用画像データが生成され、生成された出力用画像データに基づいて画像が形成される。なお、本発明の画像形成装置における画像形成手段は、用紙等の記録媒体に画像形成(印刷)するものであってもよいし、CRTやLCD等に画像形成(表示出力)するものであってもよい。
以上のように、本発明によれば、文字領域と非文字領域とにより構成される文書画像から文字領域を分割し、該分割された文字領域を文書画像内の余白部分を上下が均等且つ左右が均等に確保できる位置に移動した後に、文字領域の文字を拡大し、該拡大した文字を含む文字領域と非文字領域とを合成して出力用画像データを生成するようにしたため、文字の最大拡大率を上げることができ、より見易い画像が得られる、という優れた効果を有する。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〔画像形成システム〕
図1は、本実施の形態に係る画像形成システムの全体概略構成を示す図である。画像形成システムは、汎用の通信プロトコルによる高速LAN(Local Area Network)を備えており、高速LANには例えばページ記述言語(PDL)で記述された電子データ(印刷データ)を入力するためのクライアント端末400,402が接続されている。クライアント端末400,402は、異なるオペレーティングシステム(OS)下で各種アプリケーションプログラムを実行可能なコンピュータである。この高速LANには、原稿の画像を読み取りその画像データを出力するスキャナ装置410も接続されている。また、高速LANには、DFE装置500,502,504,506,508、詳細を後述する本発明の画像形成支援装置としてのBEP(Back End Processor:バックエンドプロセッサ)装置600,602,604、電子データで直接刷版を作成するCTP装置702が接続されている。
CTP装置702で作成された刷版を用いてプレス装置710において印刷がなされる。また、このCTP装置702に並列的に(高速LANに)BEP装置600が接続される。このBEP装置600には画像形成装置11と同様の高速プリンタ746が接続される。
また、高速LANに接続されたBEP装置604の出力側には、出力機730、同様の構成の高速プリンター740,742、CTP装置700が接続されている。出力機730、高速プリンター740、742からはプリント出力がなされ、CTP装置700では刷版が作成される。また、DFE装置502は、BEP装置602を介して同様の構成のプリンタプルーファ720,722に接続されている。プリンタプルーファ720,722は印刷のための出力確認用のものであり、画像形成装置一例として機能する場合がある。
また、DFE装置504は高速プリンター744に接続され、DFE装置504と高速プリンター744とはオンデマンド印刷処理を担当する部門を担っている。DFE装置506は出力機732に接続され、DFE装置508は大型出力機750に接続されている。DFE装置506と出力機732からなる構成及びDFE装置508と大型出力機750からなる構成は、従来の画像形成装置の構成と同様である。
本実施の形態の画像形成システムでは、CTPと、POD(プリントオンデマンド)の機能を有する装置を同一のシステム内に混在可能な構成である。これは、本実施の形態にかかるBEP装置が、クライアントからの印刷データがラスタデータに変換(RIP処理)された後のデータを、各種処理する機能を備えているためである。
〔構成例〕
上記構成による画像形成システムにおいて、本発明の実施形態について説明を簡単にするために、刷版を作成して印刷する構成と、刷版作成なしに印刷する構成との代表例を、一実施形態として説明する。すなわち、クライアント端末400、DFE装置500、CTP装置700、及びプレス装置710の装置を利用して画像を形成する場合の構成A、クライアント端末400、DFE装置500、BEP装置600、及び高速プリンタ746(画像形成装置11)の装置を利用して画像を形成する場合の構成B、について説明する。
なお、DFE装置500は、クライアント端末400からのデータをラスタデータに変換(RIP処理)し、その変換後のラスタ画像を圧縮処理する機能を備えるが、本実施の形態では、画像形成装置11に依存した印刷制御機能を果たすプリンタコントローラ機能を要求しない。すなわち、DFE装置500は、主にRIP処理の機能のみを有する構成でよい。
図2は、本発明に係る画像形成システムの一実施形態を示す図である。すなわち、クライアント端末400で印刷指示した画像をDFE装置500でRIPして、CTP装置702で刷版を作成した後にプレス装置710で印刷する構成Aと、RIPされた画像をBEP装置600を介して高速プリンタ746(画像形成装置11)で印刷する構成Bとを本発明に係る画像形成システムの一実施形態として説明する。図2(A)は本実施形態で構成Aと構成Bからなるシステム構成の概略を示し、図2(B)は、構成Bによる接続例を示している。
〔構成A〕
構成Aは、刷版を作成するCTP装置702と、このCTP装置702に印刷データを出力し刷版作成の指示をするDFE装置500と、CTP装置702で作成された刷版を用いて印刷するプレス装置710と、からシステムを構成する。
この構成Aは、従来の印刷処理と同様のため、詳細な説明を省略するが、DFE装置500は、フロントエンドプロセッサ(FEP:Front End Processor)部や、フロントエンジンによるROP(Raster OPeration)処理によりクライアント端末400からのデータをラスタデータに変換(RIP処理)し、その変換後のラスタ画像を圧縮処理する機能を備える。そして、DFE装置500では、刷版を作成するために、主にRIP処理のみを実行する。このRIP処理されたラスタ画像(圧縮)のラスタデータにより、CTP装置702で刷版が作成される。このCTP装置702で作成された刷版を用いてプレス装置710で印刷媒体に画像がプレスされ、印刷がなされる。
なお、上記構成Aでは、高速LANに、CTP装置702を接続し、DFE装置500からの印刷データで刷版を作成する場合を説明したが、CTP装置702をBEP装置600を介して接続してもよい(図1のBEP装置604と、CTP装置700の構成)。この場合には、以下の構成Bで説明するように、DFE装置500からの印刷データによりBEP装置600において画像形成装置11などの下流側装置に依存する処理を行ってデータ出力する。この下流側装置として、CTP装置700を採用したときに、BEP装置600は、そのCTP装置700に依存する処理を行ってデータ出力する。
〔構成B〕
次に、構成Bは、画像形成装置11と、この画像形成装置11に印刷データを渡し印刷指示をするDFE装置500と、画像形成装置11とDFE装置500との間に設けられるBEP装置600からシステムを構成する。
画像形成装置11は、IOTモジュール(IOT本体)12と、フィード(給紙)モジュール(FM;Feeder Module)15と、出力モジュール17と、パソコン(PC)等のユーザインターフェース装置18とを備える。なお、フィードモジュール15は、多段構成としてもよい。また、必要に応じて、各モジュール間を連結する連結モジュールを設けてもよい。また、出力モジュール17の後段に、フィニッシャ(Finisher:後処理装置)モジュールを接続してもよい。フィニッシャモジュールとしては、例えば、用紙をスタック処理し、1個所以上を綴じるステープラを備えたもの、またはパンチ孔を穿設するパンチング機構を備えたもの等がある。
DFE装置500は、クライアント端末400からのデータをラスタデータに変換(RIP処理)し、その変換後のラスタ画像を圧縮処理する機能を備えて、主にRIP処理をする。このデータは、BEP装置600により処理されて画像形成装置11へ出力される。
BEP装置600は、画像形成装置11に依存した処理の制御機能を有するが、この制御機能は、ユーザインターフェース装置18により指示してもよく、予め定めておいてもよい。ユーザインターフェース装置18により指示する場合、ユーザインターフェース装置18は、キーボード等の入力デバイスやユーザに画像を提示しつつ指示入力を受け付けるGUI(Graphic User Interface)機能を有し、画像形成装置11に依存した処理を指示するように構成すればよい。
BEP装置600は、DFE装置に保持しておいたRIP処理済みのデータを利用することで、効率的な高速出力を可能としている。すなわち、BEP装置600は、DFE装置500から受け取った印刷制御情報に基づいてコマンドコード(Command Code)を生成し、画像形成装置11内の各部の処理タイミングをエンジン特性に応じて制御する。また、BEP装置600は、IOTモジュール12やフィードモジュール15または出力モジュール17等のエンジン特性に適合するようにスプール(Spool)処理を完結させてからIOTモジュール12にイメージデータを渡す。
例えば、DFE装置500からBEP装置600には、RIP処理が施されたラスタベース画像を含むデータが送られる。このデータとしては、TIFF(Tagged Image File Format)フォーマット等の圧縮されたラスタベースの画像ファイルデータの他、印刷部数、両面/片面、カラー/白黒、合成印刷、ソートの有無、ステープラの有無等印刷制御情報等が含まれる。
なお、回転(Rotation)、1枚の用紙内へのページ割付(N−UP)、リピート処理、用紙サイズ合わせ、デバイス差を補正するCMS(Colour Management System ; カラー管理システム)、解像度変換、コントラスト調整、圧縮率指定(低/中/高)等のRIP処理と関わりのある処理は、DFE装置500にて処理し、その制御コマンドをBEP装置600へは通知しない(非通知)。
また、コレーション(帳合い)、両面印刷、スタンプ・パンチ・ステープラ等のフィニッシャ装置または用紙トレーと関わりのある位置合わせ処理、排出面(上下)合わせ、グレーバランスや色ズレ補正等のキャリブレーション処理、スクリーン指定処理等、画像形成装置11の処理特性と関わりの強いもの(IOT依存の処理)に関しては、その制御コマンドをDFE装置500がスルーすることで、BEP装置600にて処理する。
このように、本実施形態のDFE装置側は1つのジョブ(JOB)をエンジン特性に依存せずRIP処理した順にBEP装置側へ一方的に転送し、BEP装置側で印刷用にページ再配置をする。
図3は、DFE装置500と画像形成装置11との間にBEP装置600を介在させたときのデータの流れに着目した概念ブロック図である。
DFE装置500は、クライアント端末400から印刷すべき原稿の画像がPDLで記述された印刷データ(以下PDLデータという)を受け取り、該PDLデータを解釈しページ単位のイメージデータ(ラスタデータ)を生成(ラスタライズ)する。更に生成したイメージデータを所定のフォーマットにしたがって圧縮し、図示しないインターフェース部を介してBEP装置600に送出する。
なお、DFE装置500は、ラスタライズの際、PDLデータをページ単位で文字を含む文字領域と文字を含まない非文字領域の各々に分割してラスタライズし、更に各領域の位置や形状に関する情報を含む領域情報を作成する。各領域毎に別々に生成されたイメージデータは圧縮され、別途生成された領域情報と共にBEP装置600に送出される。
一方、BEP装置600は、画像入力部610と、画像入力部610からイメージデータを受け取り保持する図示しない画像記憶部と、領域分離部612と、文字変倍処理部614と、画像合成部624とを備える。更にまた、画像合成部624の後段には、画像合成部624にて生成された印刷用のイメージデータを画像記録部(IOTコア部20)に送出するための図示しないインターフェース部を備える。
画像入力部610は、DFE装置500にて印刷ジョブやプリントエンジン30の処理特性に無関係に処理された(例えばプリントエンジン30の処理速度に非同期で処理された)圧縮済のイメージデータと、上述の領域情報とを入力する。
領域分離部612は、画像入力部610からイメージデータを受け取り保持する画像記憶部から、圧縮済のイメージデータを読み出して、DFE装置500側の圧縮処理に対応する伸張処理を施す。これにより、文字領域のイメージデータと非文字領域のイメージデータとが得られ、更に文字領域のイメージデータのみを分離して文字変倍処理部614に送出する。
文字変倍処理部614は、文字サイズ検出部616、センタリング処理部618、拡大率判定部620、及び拡大処理部622により構成され、領域分離部612で分離された文字領域のイメージデータに対して、文字領域内の文字を拡大する処理を施す。文字サイズ検出部616は、領域分離部612で伸長処理された各文字領域内の文字サイズを検出する。センタリング処理部618は、各文字領域をページ中央に移動するセンタリング処理を行う。拡大率判定部620は、センタリングされた各文字領域の拡大率を判定する。拡大処理部622は、拡大率判定部620により判定された拡大率に従って、各文字領域を拡大処理する。
画像合成部624は、文字変倍処理部614で拡大処理された文字領域のイメージデータと、非文字領域のイメージデータとを、領域情報に基づいて再レイアウトして合成し、印刷用のイメージデータを生成する。
上述のBEP装置600の領域分離部612、文字変倍処理部614、及び画像合成部624は、IOTコア部20の処理性能に依存してBEP装置600の他の構成部やIOTコア部20を制御する、マイクロコンピュータで構成されたプリンタコントローラの機能の一部として構成することができる。
なお、BEP装置600では、伸張処理済のイメージデータに対して精細度処理や階調補正などの画像処理も施されるが、該画像処理を行う構成部については、ここでは図示を省略する。
〔動作〕
以上のように構成された画像形成システムにおいて、各構成部は次のように動作する。
まず、DFE装置500は、クライアント端末400から入力したPDLデータを解釈し、ページ単位で文字を含む文字領域と文字を含まない非文字領域の各々に分割してラスタライズし、更に各領域の位置や形状に関する情報を含む領域情報を作成する。また、分割する文字領域は複数であってもよい。例えば、ページ内に文字サイズの異なる文字を含んで構成された文字領域が複数存在する場合や、離れて配置された文字領域が存在する場合には、それらを別の文字領域として分割する。本実施の形態では、文字のサイズが同一或いは略同一の領域毎に文字領域を分割する。領域毎に生成されたイメージデータは圧縮され、別途生成された領域情報と共にBEP装置600に送出される。
次にBEP装置600における動作について図4乃至図7を参照しながら説明する。
図4は、BEP装置600の動作を説明するフローチャートであり、該動作は、ページ単位で行われる。ステップ800では、BEP装置500は、画像入力部610を介してDFE装置500からイメージデータ及び領域情報を入力する。ステップ802では、領域分離部612が画像入力部610を介して入力したイメージデータを伸長し、伸長して得られた各イメージデータが文字領域のイメージデータであるか、非文字領域のイメージデータであるかを領域情報を基に判定し、文字領域のイメージデータであると判定されたイメージデータのみを分離して文字変倍処理部614に受け渡す。
ステップ804では、文字変倍処理部614の文字サイズ検出部616が、文字領域内に含まれる文字のサイズを各文字領域のイメージデータに基づいて検出する。ステップ806では、センタリング処理部618が文字領域をページ中央に移動するセンタリング処理を行う。図5(A)に示されるように文字領域と非文字領域とが配置された原稿を例に挙げると、図5(B)に示されるように文字領域が余白を含む文字領域中央に移動するように処理される。
ステップ808では、拡大率判定部620が、前記検出された文字領域の文字のサイズと、センタリング処理により形成された余白部分から、文字領域の文字の最大拡大率を算出する。ここで余白部分とは、ページ内の文字領域以外の領域をいう。図5(A)に示されるように、文字領域のセンタリング処理前は文字領域の下方及び右方の余白部分は広く、文字領域の上方及び左方の余白部分は狭い。しかしながら、センタリング処理により、図5(B)に示されるように余白部分を上下左右に均等に確保できる。このように余白部分を確保した状態で、文字領域の最大拡大率を算出する。最大拡大率は、確保した余白部分を越えないように余白部分いっぱいに文字サイズを拡大したときの拡大率である。なお、ここでは、文字は縦横均等な拡大率で拡大されるものとする。
ステップ810では、拡大率判定部620は、上記で算出した最大拡大率で拡大した文字のサイズ(最大サイズ)が所望サイズを越えているか否かを判断する。所望サイズは、ユーザが希望する文字のサイズであり、予めBEP装置600に設定されている。ここで最大サイズが所望サイズを越えていると判断した場合には、ステップ812で、拡大処理部622は、所望サイズまで文字を拡大する。また、最大サイズが所望サイズ以下であると判断した場合には、ステップ814で、拡大処理部622は、最大サイズまで文字を拡大する。図5(C)は文字を拡大した状態を示した図である。文字領域の文字を所望サイズ或いは最大サイズまで拡大した後は、該拡大した文字を含む文字領域のイメージデータを画像合成部624に受け渡す。
ステップ816で、画像合成部624は、文字領域と非文字領域とを同一用紙に印字するか否かを判断する。BEP装置600では、文字領域と非文字領域とを同一用紙に印字するモードと、それぞれ別々の用紙に印字するモードのいずれか一方を予め設定しておくことができ、画像合成部624は、該設定されているモードに応じて判断する。
ステップ816で、画像合成部624は、文字領域と非文字領域を同一用紙に印字すると判断した場合には、ステップ818に移行し、拡大した文字を含む文字領域と非文字領域とを同一の用紙に印字されるように合成した場合に、文字領域と非文字領域とが重なるか否かを判断する。具体的には、前述の領域情報から、センタリング処理前の文字領域の位置情報と非文字領域の位置情報を取得し、該取得した位置情報に基づいて拡大した文字を含む文字領域と非文字領域とを仮想的に再レイアウトして合成し、合成した結果、文字領域と非文字領域とが重なるか否かを判断する。ここでの再レイアウトは、元の原稿のレイアウトがほぼ維持されるように行われる。例えば、元の原稿が図5(A)に示されるようなレイアウトであれば、ページの縦方向においては、拡大後の文字を含む文字領域の上端が拡大前の文字領域の上端に一致するようにレイアウトし、ページの横方向においては、拡大後の文字領域がセンタリングされるようにレイアウトし、非文字領域については、元の原稿と同一の位置にレイアウトする。これにより、図5(D)に示すように、元の原稿のレイアウトがほぼ維持される。
仮想的に合成した結果、図5(D)に示されるようなレイアウトとなった場合には、ステップ818で、文字領域と非文字領域とは重ならないと判断され、ステップ822に移行する。ステップ822では、画像合成部624は、ステップ816での仮想的な再レイアウトと同様に各イメージデータを再レイアウトして合成し、印刷用のイメージデータを生成する。生成された印刷用のイメージデータは、上述の図示しないインタフェースを介してIOTコア部20に出力され、文字領域と非文字領域とが同一の用紙に印字される。
また、ステップ818で、文字領域と非文字領域とが重なると判断された場合には、ステップ820で、画像合成部624は、文字領域の背景色を、文字の色と補色関係にある色に変更する。例えば、図6(A)に示されるように、文字領域と非文字領域とが重なる場合には、図6(B)に示されるように文字領域の背景色を文字の色と補色関係にある色に変更する。これにより、文字が視認しやすくなる。このようにイメージデータを処理した後、ステップ822で、画像合成部624は、ステップ816での仮想的な再レイアウトと同様に各イメージデータを再レイアウトして合成し、印刷用のイメージデータを生成する。生成された印刷用のイメージデータは、上述の図示しないインタフェースを介してIOTコア部20に出力され、文字領域と非文字領域とが同一の用紙に印字される。
一方、ステップ816で、画像合成部624は、文字領域と非文字領域とを同一用紙に印字しない(それぞれ別々の用紙に印字する)と判断した場合には、ステップ822に移行し、拡大した文字を含む文字領域と非文字領域とがそれぞれ別々の用紙に印字されるように各イメージデータを再レイアウトして印刷用のイメージデータを生成する。生成された印刷用のイメージデータは、上述の図示しないインタフェースを介してIOTコア部20に出力され、文字領域と非文字領域とがそれぞれ別々の用紙に印字される。
例えば、図7(A)に示されるように拡大した文字を含む文字領域と非文字領域とにより形成される画像を、図7(B)に示されるようにそれぞれ別の用紙に印刷することにより、ユーザは文字及び非文字領域の画像の双方を明瞭に視認することができ、文字の可読性を向上させることができる。
なお、1ページ内に文字領域のイメージデータが複数存在する場合には、各文字領域のイメージデータ毎に上述のステップ804からステップ812(またはステップ814)の処理を行うようにする。
以上説明したように、文字領域と非文字領域とにより構成される原稿の画像から文字領域を分割し、該分割された文字領域をセンタリング処理した後に、センタリング処理後の文字領域が文字領域以外の領域(余白部分)を越えないように、文字領域の文字を拡大し、該拡大した文字を含む文字領域と非文字領域とを合成して印刷用のイメージデータを生成するようにしたため、文字の拡大率を上げることができ、より見易い出力が得られる。
なお、上述した実施の形態では、BEP装置600が、分割した文字領域をセンタリング処理して文字を拡大し、該文字領域と非文字領域とを合成する例について説明したが、画像形成装置11のIOTコア部20自体に、そのような処理を行う機能を設けることによって、画像形成装置11がクライアント端末から直接印刷指示を受ける場合であっても上述と同様の効果が得られる。具体的には、一般的なIOTコア部20の構成に、上述の図3で示したBEP装置600の構成を加えればよい。
また、上述した実施の形態において、BEP装置600の動作として説明したステップ810で、最大サイズが所望サイズを越えていると判断された場合には、即ステップ812に移行し、所望サイズまで文字を拡大する例について説明したが、例えば、最大サイズが所望サイズを越えている旨をユーザインターフェース装置18によりユーザに報知し、文字を所望サイズまで拡大するか、最大サイズまで拡大するかをユーザに選択させる構成とすることもできる。このような構成においては、ユーザにより、ユーザインターフェース装置18を介して、所望サイズまで拡大するように指示入力された場合には、ステップ812に移行し、最大サイズまで拡大するように指示入力された場合には、ステップ814に移行することができる。
更にまた、上述した実施の形態では、文字領域と非文字領域とを同一用紙に印字するモードと、それぞれ別々の用紙に印字するモードのいずれか一方を予め設定しておく例について説明したが、上述のステップ816で、モードをその都度選択できるようにしてもよい。これにより、その都度所望のレイアウトで印刷できる。また、上述した実施の形態では、モードの設定により文字領域と非文字領域とを同一用紙に印字するか否かを判断する例について説明したが、合成すると文字領域と非文字領域とが重なってしまう場合に、それぞれ別々の用紙に印字すると判断し、重ならない場合には、同一用紙に印字すると判断することもできる。
また、上述した実施の形態では、文字領域の文字を縦横均等な拡大率で拡大する例について説明したが、これに限定されず、縦横の拡大率は異なっていてもよい。また、縦横のいずれか一方のみを拡大処理し、他方は元のサイズと同じ(すなわち拡大処理しない)にしてもよい。このように、縦横のいずれか一方のみを拡大処理し、他方は拡大処理しないような場合には、センタリング処理は拡大処理する方向にのみ行えばよい。
また、上述した実施の形態では、文字のサイズが同一或いは略同一の領域毎に文字領域を分割し、1つの文字領域内の文字サイズを同一の拡大率で拡大する例について説明したが、1つの文字領域内に異なる文字サイズの文字が含まれている場合には、各文字サイズを文字サイズ検出部614により検出し、検出された文字サイズ毎に拡大率を変えて拡大するようにしてもよい。
また、上述した実施の形態では、DFE装置500で文字領域と非文字領域を分割してイメージデータを生成し、BEP装置600では、領域情報を基に入力されたイメージデータから文字領域のイメージデータのみを分離して処理する例について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、DFE装置500側では文字・非文字領域の分割処理を行わずにイメージデータを生成し、BEP装置600側で、該分割されていないイメージデータを所定のアルゴリズムを用いて文字領域と非文字領域に分割して処理するようにしてもよい。
本実施の形態に係る画像形成システムの全体構成を示す概略図である。 画像形成システムの一実施形態を示す図である。 DFE装置およびBEP装置の一実施形態を示すブロック図である。 BEP装置の動作を説明するフローチャートである。 印刷用のイメージデータの生成過程の一例を示した図である。 文字領域の背景色を、文字の色と補色関係にある色に変更する例を示した図である。 文字領域と非文字領域とをそれぞれ別々の用紙に印刷する例を示した図である。 従来の画像形成システムの概略を示す図である。
符号の説明
11…画像形成装置
400…クライアント端末
500…DFE装置
600…BEP装置
612…領域分離部
614…文字変倍処理部
616…文字サイズ検出部
618…センタリング処理部
620…拡大率判定部
622…拡大処理部
624…画像合成部
700…CTP装置
710…プレス装置
720…プリンタプルーファ
730…出力機
740…高速プリンター
750…大型出力機

Claims (2)

  1. 文字領域と非文字領域とにより構成される文書画像から文字領域を分割する分割手段により分割された文字領域内の文字のサイズを検出する検出手段と、
    前記分割された文字領域を前記文書画像内の余白部分を上下が均等且つ左右が均等に確保できる位置に移動する移動手段と、
    前記検出手段により検出された文字のサイズ及び前記確保した余白部分に基づいて、移動後の前記文字領域が前記確保した余白部分を越えないように該余白部分いっぱいに文字を拡大したときの最大拡大率を求め、該最大拡大率で前記文字領域内の文字を拡大する拡大手段と、
    前記拡大手段により拡大された文字を含む文字領域と前記非文字領域とを合成して出力用画像データを生成する生成手段と、
    前記生成手段により生成された出力用画像データに基づいて画像を形成する画像形成手段と、
    を含む画像形成装置。
  2. 出力用画像データに基づいて画像を形成する画像形成装置の画像形成を支援する画像形成支援装置であって、
    文字領域と非文字領域とにより構成される文書画像から文字領域を分割する分割手段により分割された文字領域内の文字のサイズを検出する検出手段と、
    前記分割された文字領域を前記文書画像内の余白部分を上下が均等且つ左右が均等に確保できる位置に移動する移動手段と、
    前記検出手段により検出された文字のサイズ及び前記確保した余白部分に基づいて、移動後の前記文字領域が前記確保した余白部分を越えないように該余白部分いっぱいに文字を拡大したときの最大拡大率を求め、該最大拡大率で前記文字領域内の文字を拡大する拡大手段と、
    前記拡大手段により拡大された文字を含む文字領域と前記非文字領域とを合成して出力用画像データを生成する生成手段と、
    前記生成手段により生成された出力用画像データを前記画像形成装置に出力する出力手段と、
    を含む画像形成支援装置。
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