JP4182894B2 - 画像形成装置及び画像形成支援装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置及び画像形成支援装置に係り、例えばカラー複写機、ファクシミリ、またはプリンタ等、記録媒体上に画像を形成する所謂印刷機能を有する画像形成装置、及び画像形成装置の画像形成を支援する画像形成支援装置に関する。
従来の印刷(例えばオフセット印刷)では、写植等の紙焼き(印画紙)、版下、網ネガ、網ポジ、PS版(刷版)等の中間成果物を生成し、これら中間成果物を元に印刷や製本等を行っていた。近年、DTP(DeskTop Publishing /Prepress)の普及によって、DTPデータから直接印刷する「ダイレクト印刷」または「オンデマンド印刷」が知られている。DTPでは、ページレイアウトをコンピュータ上で処理して得た印刷データを印画紙や製版フィルム等に形成し、これに基づいて刷版を作成して印刷する処理が普及している。また、中間成果物を生成せずに電子データにより直接刷版を形成するCTP(Computer To Plate)も注目されている。このような印刷処理に用いることが可能なものとして、プリンタ装置や複写装置等の印刷機能を備えた画像形成装置が知られている。近年の画像形成装置は、画質向上が高まると共にカラー化され、例えば、電子写真プロセス(ゼログラフィ)を用いたカラープリンタ装置は、高品質かつ高速な画像形成が可能である。この画像形成装置では、印刷データを受け取り刷版等を生成せずに印刷物を出力することができる。
図5は、従来の画像形成システムの概略図である。図5(A)に全体構成図を示すように、画像形成システムは、画像形成装置11と、画像形成装置11に印刷データを渡し印刷指示をするDFE(Digital Front End Processor)装置とから構成されている。また、図5(B)にはデータの流れを示した。
DFE装置は、描画機能とプリンタコントローラ(印刷制御装置)機能とを備えており、例えばページ記述言語(PDL:Page Description Language)で記述された印刷データをクライアント端末から順次受け取り、この印刷データをラスターイメージに変換(RIP処理;Raster Image Process)し、さらにRIP処理済みのイメージデータ及び印刷枚数や用紙サイズ等の印刷制御情報(ジョブチケット)を画像形成装置11に送り、画像形成装置11のプリントエンジンや用紙搬送系を制御して、画像形成装置11に印刷処理を実行させる。すなわち、画像形成装置11の印刷動作は、DFE装置によるプリンタコントローラによって制御される。印刷データは、カラー印刷用の基本色の、イエロ(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)の3色と、ブラック(K)とを合わせた4色(YMCK)分が画像形成装置11に送られる。
画像形成装置11は、電子写真プロセスを利用して画像を印刷用紙に記録するもので、IOT(Image Output Terminal)モジュール12、IOTモジュール12に連結されたフィードモジュール(FM;Feeder Module;給紙モジュール)15、出力モジュール17、タッチパネル等を含んで各種データの入力支援をするためのユーザインターフェース装置18、を備えている。IOTモジュール12は、YMCK分のトナーカートリッジ24が搭載されたトナー供給部22と、IOTコア部20とを有する。IOTコア部20は、光走査装置や感光体ドラム等を有するプリントエンジン(印字ユニット)30を色毎でかつベルト回転方向に一列に配置した所謂タンデム構成になっており、プリントエンジン30を制御する電気回路等を収容する電気系制御収納部39を備えている。IOTコア部20では、感光体ドラム上のトナー像を中間転写ベルト43に転写(1次転写)した後、トナー像を印刷用紙に転写(2次転写)することにより、YMCKの各色トナー像が多重転写される。中間転写ベルト43上に転写された画像(トナー像)は、所定のタイミングでフィードモジュール15から搬送されてきた印刷用紙上に転写され、定着器(Fuser)70によりトナー像が用紙上に溶融定着される。その後、排紙処理装置72を経由して機外へ排出される。また、両面印刷時には、片面に印刷済みの用紙が排紙トレイ(スタッカ)74に一時的に保持され、排紙トレイ74から引き出され、反転搬送路49を介して反転されて再度IOTコア部20に渡される。
このシステムを用いた場合、画像形成処理(プリント処理)の高性能化や高速化の要求(例えば、100枚〜200枚/分以上のカラー印刷)を実現するためには、画像形成装置の対応のみならず、RIP処理や出力側の画像記録部に対する印刷制御部分であるプリンタコントローラ(DFE装置)も高速・高性能化が必要である。
ところが、DFE装置は、クライアント端末からのPDLデータに対するRIP処理だけでなく、印刷ジョブに従ったページ再配置(昇順/降順の並び替え、両面印刷時の処理ページ順決定、フィニッシャ対応の位置づらし等)や、プリントエンジンや定着器等の出力側の処理特性に応じたデータ変換(例えばグレイバランスや色ズレ校正等)等の、付加処理も実行するようになっている。付加処理を実行するためには画像形成装置の特性に合わせた高度な処理が必要となるが、該処理を実行しつつ高速・高性能化を実現するために、従来はDFE装置と画像形成装置11との間を専用の通信プロトコルで接続した専用かつ独立の装置構成を採用していた。
しかしながら、専用の装置を個別に用意する必要があり、システム全体がコスト高になるとともに、汎用性にかけていた。
そこで、近年、出力側に依存した制御をするプリンタコントローラ機能を備えた画像形成支援装置(バックエンドプロセッサ)をDFE装置(フロントエンドプロセッサ)及び画像形成装置の間に設け、該画像形成支援装置がフロントエンドプロセッサから送られたイメージデータを受け取ると、出力側の処理特性に応じて順次イメージデータを画像形成装置へ送るとともに、画像形成装置を制御して印刷処理をさせるシステムも提案されている。これにより、クライアントからの要求に基づく出力形態に適合した処理やリカバリ処理などをする際には、フロントエンドプロセッサと無関係に、対応することができる。
ところで、画像形成装置11には、DFE装置によりPDLデータ(電子原稿)をRIP処理して得たイメージデータの他に、スキャナ装置により原稿(紙原稿)を読取って得たイメージデータも入力可能に構成されているものもある。すなわち、クライアント端末から入力されたPDLデータに基づいて印刷を行う所謂プリンタ機能だけではなく、スキャナ装置による読取結果に基づいて印刷を行う所謂コピー機能も備えた画像形成装置もある。
このような画像形成装置には、電子原稿のみまたは紙原稿のみから構成された画像データが入力される場合もあるが、電子原稿と紙原稿とが混在する画像データが入力される場合もあり、従来より、電子原稿と紙原稿とが混在する画像データを1つの冊子として印刷するための技術が提案されている(特許文献1参照)。
特開2000−231279号公報
画像形成装置の印刷結果は、DFE装置やスキャナ装置といった画像データを入力するための入力装置毎に色味が異なることが知られている。しかしながら、従来の電子原稿と紙原稿とが混在する画像データを1つの冊子として印刷するための技術は、単に、プリンタ機能とコピー機能とを切り替えて動作させることで、電子原稿に基づく印刷結果中に紙原稿に基づく印刷結果を挿入させるものであり、入力装置毎の色味の違いを考慮したものではなかった。
このため、電子原稿と紙原稿の両者に同一の画像部分が含まれる場合に、当該画像部分に入力装置毎の色差が生じてしまうという問題があった。例えば、全ページに同一のロゴマークを印刷する場合には、電子原稿による画像データと紙原稿による画像データの両者に同一のロゴマークを示す画像部分が含まれるが、この電子原稿と紙原稿とが混在する画像データを1つの冊子として印刷すると、ページ毎にロゴマークの色味が異なり違和感が生じていた。
また、従来の画像形成支援装置に、上記電子原稿と紙原稿とが混在する画像データを1つの冊子として印刷するための技術を採用したとしても、同様の問題は発生する。

本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、複数の画像データにロゴマーク等の色を統一すべき画像部分が含まれる場合に、当該画像部分の色を統一して画像形成することができる画像形成装置及び画像形成支援装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の画像形成装置は、異なる複数の入力装置から入力された複数の画像データのいずれかの画像データで表される画像内の、特定の画像部分を指定する指定手段と、前記複数の画像データのうち前記特定の画像部分を指定した画像データを除く他の画像データで表される画像から、前記特定の画像部分と特徴が一致する画像部分を抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出された画像部分の色と前記特定の画像部分の色とが同一になるように、前記抽出された画像部分のデータ及び前記特定の画像部分のデータの少なくとも一方を補正する補正手段と、記補正手段により補正された画像データに基づいて画像を形成する画像形成手段と、を備えている。
すなわち、画像形成装置には、複数の画像データのいずれかの画像データで表される画像内の、特定の画像部分を指定する指定手段が設けられる。複数の画像データは、例えば、印刷ジョブから画像データを生成するプロセッサや、原稿を読み取ることにより画像データを得るスキャナ装置等、異なる入力装置から入力された画像データとすることができる。
指定手段により、利用者は、特定の画像部分を任意に指定することができる。例えば、各ページ毎に共通して存在するようなロゴマークや会社名、図柄などの画像部分を特定の画像部分として指定することができる。抽出手段は、指定された特定の画像部分と特徴が一致する画像部分を、複数の画像データのうち特定の画像部分を指定した画像データを除く他の画像データで表される画像から抽出する。
補正手段は、抽出された画像部分のデータ及び特定の画像部分のデータの少なくとも一方補正する。例えば、抽出された画像部分の色が特定の画像部分の色に変更されるように、抽出された画像部分のデータのみを補正してもよいし、逆に、特定の画像部分の色が抽出された画像部分の色に変更されるように特定の画像部分のデータのみを補正してもよい。また、抽出された画像部分の色及び特定の画像部分の色が互いの色とは異なる他の色に変更されるように、抽出された画像部分のデータ及び特定の画像部分のデータの双方を補正するようにしてもよい
画像形成手段は、補正手段により補正された画像データに基づいて画像を形成する。
これにより、複数の画像データにロゴマーク等の色を統一すべき画像部分が含まれる場合に、当該画像部分の色を統一して画像形成することができる。
また、上記画像形成装置において、前記抽出手段は、前記特定の画像部分と色差が所定範囲内にある画像部分、前記特定の画像部分の形状と相似形になる画像部分、または前記特定の画像部分と色差が所定範囲内にあり且つ前記特定の画像部分の形状と相似形になる画像部分を、前記特定の画像部分と特徴が一致する画像部分として抽出することができる。更に、前記所定の範囲は、前記特定の画像部分が無彩色の場合と有彩色の場合とで異ならせることができる。
これにより、抽出手段は、各画像データに共通して存在するようなロゴマークや図柄等を効率的に抽出することができる。
また、本発明の画像形成支援装置は、画像形成装置の画像形成を支援する画像形成支援装置であって、異なる複数の入力装置から入力された複数の画像データのいずれかの画像データで表される画像内の、特定の画像部分を指定する指定手段と、前記複数の画像データのうち前記特定の画像部分を指定した画像データを除く他の画像データで表される画像から、前記特定の画像部分と特徴が一致する画像部分を抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出された画像部分の色と前記特定の画像部分の色とが同一になるように、前記抽出された画像部分のデータ及び前記特定の画像部分のデータの少なくとも一方を補正する補正手段と、記補正手段により補正された画像データを前記画像形成装置に出力する出力手段と、を備えている。
すなわち、この画像形成支援装置は、上記画像形成装置と同様に、異なる複数の入力装置から入力された複数の画像データのいずれかの画像データで表される画像内から特定の画像部分を指定し、該指定した特定の画像部分と特徴の一致する画像部分を他の画像データから抽出する。抽出された画像部分の色と特定の画像部分の色とが同一になるように画像データを補正する。
更に、この画像形成支援装置は、補正された画像データを画像形成装置に出力する。
これにより、画像形成装置では、複数の画像データにロゴマーク等の色を統一すべき画像部分が含まれる場合に、当該画像部分の色を統一して画像形成することができる。
記画像形成支援装置において、前記抽出手段は、前記特定の画像部分と色差が所定範囲内にある画像部分、前記特定の画像部分の形状と相似形になる画像部分、または前記特定の画像部分と色差が所定範囲内にあり且つ前記特定の画像部分の形状と相似形になる画像部分を、前記特定の画像部分と特徴が一致する画像部分として抽出することができる。更に、前記所定の範囲は、前記特定の画像部分が無彩色の場合と有彩色の場合とで異ならせることができる。
これにより、抽出手段は、各画像データに共通して存在するようなロゴマークや図柄等を効率的に抽出することができる。
以上のように、本発明によれば、複数の画像データにロゴマーク等の色を統一すべき画像部分が含まれる場合に、当該画像部分の色を統一して画像形成することができる、という優れた効果を有する。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〔画像形成システム〕
図1は、本実施の形態に係る画像形成システムの全体概略構成を示す図である。画像形成システムは、汎用の通信プロトコルによる高速LAN(Local Area Network)を備えており、高速LANには例えばページ記述言語(PDL)で記述された電子データ(印刷データ)を入力するためのクライアント端末400,402が接続されている。クライアント端末400,402は、異なるオペレーティングシステム(OS)下で各種アプリケーションプログラムを実行可能なコンピュータである。この高速LANには、原稿の画像を読み取りその画像データを出力するスキャナ装置410も接続されている。また、高速LANには、DFE装置500,502,504,506,508、詳細を後述する本発明の画像形成支援装置としてのBEP(Back End Processor:バックエンドプロセッサ)装置600,602,604、電子データで直接刷版を作成するCTP装置702が接続されている。
CTP装置702で作成された刷版を用いてプレス装置710において印刷がなされる。また、このCTP装置702に並列的に(高速LANに)BEP装置600が接続される。このBEP装置600には画像形成装置11と同様の高速プリンタ746が接続される。
また、高速LANに接続されたBEP装置604の出力側には、出力機730、同様の構成の高速プリンター740,742、CTP装置700が接続されている。出力機730、高速プリンター740、742からはプリント出力がなされ、CTP装置700では刷版が作成される。また、DFE装置502は、BEP装置602を介して同様の構成のプリンタプルーファ720,722に接続されている。プリンタプルーファ720,722は印刷のための出力確認用のものであり、画像形成装置として機能する場合がある。
また、DFE装置504は高速プリンター744に接続され、DFE装置504と高速プリンター744とはオンデマンド印刷処理を担当する部門を担っている。DFE装置506は出力機732に接続され、DFE装置508は大型出力機750に接続されている。DFE装置506と出力機732からなる構成及びDFE装置508と大型出力機750からなる構成は、従来の画像形成装置の構成と同様である。
本実施の形態の画像形成システムでは、CTPと、POD(プリントオンデマンド)の機能を有する装置を同一のシステム内に混在可能な構成である。これは、本実施の形態にかかるBEP装置が、クライアントからの印刷データがラスタデータに変換(RIP処理)された後のデータを、各種処理する機能を備えているためである。
〔構成例〕
上記構成による画像形成システムにおいて、クライアント端末400、スキャナ装置410、DFE装置500、BEP装置600、及び高速プリンタ746(画像形成装置11)の装置を利用して画像を形成する場合について説明する。
なお、DFE装置500は、クライアント端末400からのデータをラスタデータに変換(RIP処理)し、その変換後のラスタ画像を圧縮処理する機能を備えるが、本実施の形態では、画像形成装置11に依存した印刷制御機能を果たすプリンタコントローラ機能を要求しない。すなわち、DFE装置500は、主にRIP処理の機能のみを有する構成でよい。
図2は、本発明に係る画像形成システムの一実施形態を示すブロック図である。図では、DFE装置500及びスキャナ装置410と画像形成装置11との間にBEP装置600を介在させたときのデータの流れが示されている。
ここで、DFE装置500から出力されるYMCK形式の画像データと、スキャナ装置410から出力されるRGB形式の画像データとでは、各々の装置により色味が異なるため、各画像データにロゴマーク等の同一の特定画像が含まれる場合には、これら画像データをそのまま合成して1つの冊子として印刷してしまうと、ページ毎にロゴマークの色味が異なり違和感が生じてしまう。
従って、以下では、DFE装置500からのYMCK形式の画像データ、及び、別途、紙原稿をスキャナ装置410で読み取って得られたRGB形式の画像データを、BEP装置600で各画像データの画像に含まれるロゴマークの色が統一されるように処理して合成し、1つの冊子として高速プリンタ746(画像形成装置11)で印刷する例を、本発明に係る画像形成システムの一実施形態として説明する。
画像形成装置11は、従来技術として図5に示されるように、IOTコア部20を含むIOTモジュール(IOT本体)12と、フィード(給紙)モジュール(FM;Feeder Module)15と、出力モジュール17と、パソコン(PC)等のユーザインターフェース装置18とを備える。なお、フィードモジュール15は、多段構成としてもよい。また、必要に応じて、各モジュール間を連結する連結モジュールを設けてもよい。また、出力モジュール17の後段に、フィニッシャ(Finisher:後処理装置)モジュールを接続してもよい。フィニッシャモジュールとしては、例えば、用紙をスタック処理し、1個所以上を綴じるステープラを備えたもの、またはパンチ孔を穿設するパンチング機構を備えたもの等がある。
DFE装置500は、クライアント端末400からPDLで記述された印刷データ(以下PDLデータという)を受け取り、そのPDLデータを一旦順次格納するデータ格納部501と、データ格納部501からPDLデータを読み出して解釈しページ単位の画像データ(ラスタデータ)を生成(ラスタライズ)するRIP処理部510と、このRIP処理部510にて生成された画像データを所定のフォーマットにしたがって圧縮する圧縮処理部530とを備える。この圧縮処理部530の後段には、インターフェース部542が設けられている。RIP処理部510では、PDLデータを展開して画像データを生成するため、RIP処理部510には、PDL解釈部およびイメージャとして機能するデコンポーザ、所謂RIPエンジンが組み込まれている。圧縮処理部530は、RIP510からの画像データを圧縮し、圧縮済の画像データをBEP装置600へ即時に転送する。なお、DFE装置500には、RIP処理部510で生成された画像データをYMCK色空間に変換するためのYMCK変換部も設けられているが、ここでは図示を省略する。
なお、DFE装置500からBEP装置600に送られるデータには、例えば、TIFF(Tagged Image File Format)フォーマット等の圧縮されたラスタベースの画像ファイルデータの他、印刷部数、両面/片面、カラー/白黒、合成印刷、ソートの有無、ステープラの有無等印刷制御情報(ジョブチケット)等が含まれる。
スキャナ装置410は、CCD(電荷結合素子)、A/D(アナログ/デジタル)変換部等を含んで構成される画像読取部412と、読み取って得られたRGB形式の画像データを圧縮処理する圧縮処理部414とが備えられている。更に、圧縮処理部414の後段には、インターフェース部416が設けられ、圧縮された画像データは該インタフェース部416を介してBEP装置600に転送される。
BEP装置600は、画像形成装置11に依存した処理の制御機能を有する。この制御機能は、ユーザインターフェース装置により指示してもよく、予め定めておいてもよい。ユーザインターフェース装置により指示する場合、キーボード等の入力デバイスやユーザに画像を提示しつつ指示入力を受け付けるGUI(Graphic User Interface)80を設け、画像形成装置11に依存した処理を指示するように構成する。
BEP装置600は、DFE装置500からのRIP処理済みのデータを利用することで、効率的な高速出力を可能としている。すなわち、BEP装置600は、DFE装置500から受け取った印刷制御情報に基づいてコマンドコード(Command Code)を生成し、画像形成装置11内の各部の処理タイミングをエンジン特性に応じて制御する。また、BEP装置600は、IOTモジュール12やフィードモジュール15または出力モジュール17等のエンジン特性に適合するようにスプール(Spool)処理を完結させてからIOTモジュール12に画像データを渡す。
なお、回転(Rotation)、1枚の用紙内へのページ割付(N−UP)、リピート処理、用紙サイズ合わせ、デバイス差を補正するCMS(Colour Management System ; カラー管理システム)、解像度変換、コントラスト調整、圧縮率指定(低/中/高)等のRIP処理と関わりのある処理は、DFE装置500にて処理し、その制御コマンドをBEP装置600へは通知しない(非通知)。
また、コレーション(帳合い)、両面印刷、スタンプ・パンチ・ステープラ等のフィニッシャ装置または用紙トレーと関わりのある位置合わせ処理、排出面(上下)合わせ、グレーバランスや色ズレ補正等のキャリブレーション処理、スクリーン指定処理等、画像形成装置11の処理特性と関わりの強いもの(IOT依存の処理)に関しては、その制御コマンドをDFE装置500がスルーすることで、BEP装置600にて処理する。
このように、本実施形態のDFE装置側は1つのジョブ(JOB)をエンジン特性に依存せずRIP処理した順にBEP装置側へ一方的に転送し、BEP装置側で印刷用にページ再配置をする。
また、BEP装置600は、スキャナ装置410から受信した画像データと、DFE装置500から受信した画像データとを合成して印刷用の画像データを生成し、指定された画像形成装置11に送信する。画像形成装置11(IOTコア部20)は、受信した印刷用の画像データに基づいて、1つの冊子として印刷することができる。
ここで、BEP装置600の具体的な構成を説明する。BEP装置600は、DFE装置500にて印刷ジョブやプリントエンジン30の処理特性に無関係に処理された(例えばプリントエンジン30の処理速度に非同期で処理された)圧縮済の画像データを受け取り保持する画像記憶部603と、画像記憶部603から圧縮済の画像データを読み出して、DFE装置500側の圧縮処理部530の圧縮処理に対応する伸張処理をし、この伸張処理済の画像データに画像処理を施してIOTコア部20側に送出する伸張処理部(画像編集部)610を備える。この伸張処理部610は、画像記憶部603から読み出し伸張処理した画像データに対して、画像回転や用紙上の画像位置の調整、または拡大もしくは縮小、複数の画像データの合成等、の画像編集機能を備えている。画像記憶部603の前段には、データ受信部601が設けられ、伸張処理部610の後段には、出力側のインターフェース部650が設けられている。
また、BEP装置600は、IOTコア部20の処理性能に依存してBEP装置600の各部やIOTコア部20を制御するプリンタコントローラとして機能する印刷制御部620を備える。印刷制御部620は、DFE装置500からのジョブチケットを解釈(デコード)、またはGUI部80を介したユーザ指示を受けて、プリントエンジン30や定着器70またはフィニッシャの処理特性に応じて出力形態(ページ内の画像位置、画像データの合成の有無、またはページ排出順や向き等)を特定する出力形態特定部622と、特定した出力形態で印刷物が出力されるように、プリントエンジン30や定着器70またはフィニッシャ等の各部を制御すると共に、BRP装置600の各構成部を制御する制御部624とを備える。なお、ここでは、印刷制御部620は、CPU、ROM、RAMを含むマイクロコンピュータで構成され、制御部624及び出力形態特定部622は、ROMに記憶されたプログラムにより実現される。
図3は、BEP装置600の伸張処理部(画像編集部)610の詳細な構成と、データの流れを示したブロック図である。
伸張処理部610は、色変換部612と、抽出部614と、色補正部616と、画像合成部618を備える。なお、色変換部612の前段に、DFE装置500及びスキャナ装置410から入力した圧縮された画像データを伸張するための伸張部が設けられているが、ここでは図示を省略する。また、伸張処理部610には、色補正や画像合成以外の他の画像編集を行う手段も設けられているが、ここでは図示を省略する。
色変換部612は、スキャナ装置410から入力したRGB形式の画像データをYMCK形式のデータに変換する。抽出部614は、該YMCK変換された画像データで表わされる画像から後述する特定画像と特徴の一致する画像部分を抽出する。なお、抽出部614は、形状判定部614Aと色差判定部614Bとを備える。形状判定部614Aは、形状から特定画像と特徴が一致するか否かを判定する。色差判定部614Bは、色差から特定画像と特徴が一致するか否かを判定する。これら判定部により、スキャナ装置410から出力されYMCK変換された画像データで表わされる画像から特定画像と特徴が一致する画像部分が抽出される。色補正部616は、抽出部614で抽出された画像部分の色が、特定画像と同一の色になるように画像データを補正する。
画像合成部618は、制御部624から合成の指示を受けた場合に、DFE装置500から出力された画像データとスキャナ装置410から出力された画像データとが、1つの冊子として印刷されるように合成処理する。なお、合成指示を受けかなった場合には、各画像データは画像合成部618をスルーする。画像合成部618で合成された、またはスルーした画像データは、インタフェース部650から画像形成装置11に出力される。
すなわち、DFE装置500で、RIP処理部510にてページ記述言語からラスタライズされた(描画展開された)画像データ、また、スキャナ装置410で印刷原稿が読み取られて出力された画像データは、BEP装置600側へページ順に転送される。BEP装置600は、DFE装置500から転送された画像データを、一旦バッファとして機能する画像記憶部603に蓄積する。伸張処理部(画像編集部)610は、画像記憶部603から圧縮済の画像データを読み出して伸張処理するとともに、指定された印刷ジョブに従ってページデータを組み立てたり(ページデータの再配置)、合成処理したり、指示されたプリントエンジンへの転送準備をしたりする。そして、BEP装置600では、プリントエンジン30の処理速度に同期して制御コマンドをやり取りしながら、エンジン生産性を最大限生かす速度でページデータを所定の順にIOTコア部20に送出する。
このように、各入力装置(DFE装置500、スキャナ装置410)側は画像データをエンジン特性に依存せず処理した順にBEP装置600側へ一方的に転送することができる。そして、BEP装置600が、印刷用にページ再配置をする等印刷ジョブやプリントエンジン30に依存した処理を担当する。
なお、以下では、DFE装置500から出力された画像データをプリントデータと呼称し、スキャナ装置410から出力された画像データをスキャンデータと呼称する。また、各装置から出力された画像データを区別せずに呼称する場合には、単に画像データと呼称する。
〔動作〕
以上のように構成された画像形成システムにおいて、BEP装置600の各構成部の動作を図4を参照しながら説明する。
図4は、BEP装置600で実行される合成処理ルーチンを示すフローチャートである。ステップ100では、データ受信部601を介して、DFE装置500からプリントデータを受信(入力)し、スキャナ装置410からスキャンデータを受信(入力)する。受信された各画像データは、画像記憶部603に記憶される。所定のタイミングで、圧縮されたスキャンデータが画像記録部603から読み出されて伸張処理部610の不図示の伸張部で伸張された後、ステップ102で、色変換部612により、RGB形式からYMCK形式に変換する。
ステップ104では、出力形態特定部622がジョブチケットに含まれる情報から特定した出力形態の情報を制御部624に出力し、制御部624が、該情報に基づいて、プリントデータとスキャンデータを合成するか否かを判断する。なお、GUI80からユーザにより合成するか否かの指示を入力できるようにしてもよい。ここで、合成しないと判断した場合には、プリントデータとスキャンデータとを合成せずに、別々の束として印刷するように、ステップ120に移行して、プリントデータ及びスキャンデータを別々の画像データとして出力する。これにより、画像形成装置11では、プリントデータ及びスキャンデータを個別に印刷する。
一方、ステップ104で、合成すると判断した場合には、伸張処理部610の不図示の伸張部が、画像記憶部603から圧縮されたプリントデータを読み出して伸張した後、ステップ106で、制御部624が、該プリントデータに基づいてGUI80に画像を表示する。ユーザは、該表示されたプリントデータの画像を確認し、該画像から特定画像の部分をGUI80から指定することができる。ここでは、特定画像としてロゴマークを例に挙げて説明する。
ステップ108では、制御部624は、ユーザにより特定画像の部分が指定されたか否かを判断する。ここで指定されたと判断した場合には、ステップ110で、制御部624は、ユーザにより指定された部分から、特定画像の形状と色の情報を取得する。
ステップ112では、制御部624は、取得した形状の情報から、抽出部614の形状判定部614Aに対して、抽出すべき形状を指定し、形状判定部614Aは、スキャンデータで表わされる画像から特定画像と相似形状の画像部分があるか否かを判定する。相似形状の画像部分があると判定した場合には、ステップ114で、制御部624は、特定画像の色の情報から、抽出部614の色判定部614Bに対して、特定画像との色差の範囲αを指定する。ここでは、ロゴマーク等の特定画像の色が無彩色と有彩色のいずれであるかに応じて、上記αの値を変更する。例えば、無彩色であればαの値を小さく、有彩色であればαの値を大きくする。色判定部614Bは、形状判定部614Aで特定画像と相似形状であると判定された画像部分と、特定画像との色差がα未満であるか否かを判定する。ここで、色差がα未満であると判定した場合には、該画像部分は、スキャンデータで表される画像に含まれるロゴマークであると判定でき、抽出部614は該画像部分のデータをスキャンデータから抽出し、ステップ116で、色補正部616が、スキャンデータから抽出された画像部分の色が特定画像の色と同一になるように、スキャンデータの該画像部分のデータを補正する。
ステップ118では、画像合成部618が、補正したスキャンデータとプリントデータとを合成し、ステップ120で、合成した画像データをインタフェース部650を介して画像形成部11に出力する。これにより、画像形成装置11では、プリントデータ及びスキャンデータを合成した画像データに基づいて、1つの冊子として印刷処理することができる。上記のように、画像形成装置11に出力される画像データは、ユーザが指定した特定画像としてのロゴマークの色が、プリントデータとスキャンデータとで統一されるように補正されているため、印刷された各ロゴマークに色差は発生せず、違和感が生じることはない。
なお、ステップ108で、表示された画像にロゴマークが含まれていなければ、ユーザは、特定画像の指定入力を行わないため、否定判断されて、ステップ118に移行し、画像合成部618で、抽出部614及び色補正部616をスルーしたスキャンデータと、プリントデータとを合成し、ステップ120で、インタフェース部650を介して画像形成装置11に合成した画像データを出力する。
また、ステップ112及びステップ114で否定判断された場合には、特定画像がスキャンデータに含まれていないと判断でき、特定画像の色を統一するための処理(ステップ116の処理)は行わずに、ステップ118に移行し、画像合成部618でスキャンデータとプリントデータとを合成して、ステップ120で、インタフェース部650を介して画像形成装置11に合成した画像データを出力する。
以上説明したように、ロゴマークのような特定画像の色が、プリントデータとスキャンデータとで同一の色となるように補正して合成するようにしたため、印刷された各ロゴマークに色差は発生せず、違和感が生じることはない。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内で様々な設計上の変更を行うことができる。
例えば、上述した実施の形態では、ユーザが指定手段としてのGUI80からロゴマーク等の特定画像の部分を指定する例について説明したが、予め色を統一する特定画像を登録しておいてもよい。このように予め登録しておいた場合には、登録されている特定画像の特徴と同一の画像部分をプリントデータで表される画像とスキャンデータで表される画像の双方から抽出し、該画像部分の色が全て同一となるように補正するように構成する。これにより、上記と同様の効果が得られる。
また、上述した実施の形態では、プリントデータとスキャンデータの合成前に、スキャンデータの抽出した画像部分のデータを補正する例について説明したが、合成後に補正するようにしてもよい。このように合成後に補正する場合には、補正すべき画像部分の位置をメモリ等に記憶しておき、合成後に、該記憶されている部分のデータを補正するように構成する。これによっても、上記と同様の効果が得られる。
また、上述した実施の形態では、スキャンデータで表される画像から抽出された画像部分の色が、プリントデータで表される画像から指定された特定の画像部分の色に変更されるように、スキャンデータの抽出された画像部分のデータを補正する例について説明したが、これに限定されず、例えば、逆に、特定の画像部分の色が、抽出された画像部分の色に変更されるように、プリントデータの特定の画像部分のデータを補正してもよい。
また、スキャンデータの抽出した画像部分の色及びプリントデータの特定画像の色が、双方の色とは異なる他の色となるように、スキャンデータ及びプリントデータの双方のデータを補正するようにしてもよい。これによっても、上記と同様の効果が得られる。
更にまた、上述した実施の形態では、特定画像の形状と相似形になる画像部分であって、特定画像との色差が所定範囲内(上記ではα未満)にある画像部分を、スキャンデータから抽出して補正する例について説明したが、これに限定されず、例えば、形状に拘らず単に色差が所定範囲内の画像部分を抽出するようにしてもよいし、色差に拘らず特定画像の形状と相似形になる画像部分を抽出するようにしてもよい。
なお、上述した実施の形態では、BEP装置600を介して、プリントデータ及びスキャンデータを画像形成装置11に転送する例について説明したが、BEP装置600を介さずに画像形成装置11が直接プリントデータ及びスキャンデータを受信し、受信した各画像データのロゴマークの色が統一されるように補正してから印刷処理するような構成とすることもできる。すなわち、上記BEP装置600に設けた印刷制御部や伸張処理部等の各機能を画像形成装置11自体に設ける構成とすることもできる。このような構成によっても、上述と同様の効果が得られる。
本実施の形態に係る画像形成システムの全体構成を示す概略図である。 画像形成システムの一実施形態を示す図である。 BEP装置の伸張処理部(画像編集部)の詳細な構成と、データの流れを示したブロック図である。 BEP装置で実行される合成処理ルーチンのフローチャートである。 従来の画像形成システムの概略を示す図である。
符号の説明
11 画像形成装置
80 GUI
400 クライアント端末
410 スキャナ装置
500 DFE装置
600 BEP装置
610 伸張処理部
612 色変換部
614 抽出部
614A 形状判定部
614B 色差判定部
616 色補正部
618 画像合成部
620 印刷制御部
622 出力形態特定部
624 制御部
700 CTP装置
710 プレス装置
720 プリンタプルーファ
730 出力機
740 高速プリンター
750 大型出力機

Claims (6)

  1. 異なる複数の入力装置から入力された複数の画像データのいずれかの画像データで表される画像内の、特定の画像部分を指定する指定手段と、
    前記複数の画像データのうち前記特定の画像部分を指定した画像データを除く他の画像データで表される画像から、前記特定の画像部分と特徴が一致する画像部分を抽出する抽出手段と、
    前記抽出手段により抽出された画像部分の色と前記特定の画像部分の色とが同一になるように、前記抽出された画像部分のデータ及び前記特定の画像部分のデータの少なくとも一方を補正する補正手段と、
    記補正手段により補正された画像データに基づいて画像を形成する画像形成手段と、
    を備えた画像形成装置。
  2. 前記抽出手段は、前記特定の画像部分と色差が所定範囲内にある画像部分、前記特定の画像部分の形状と相似形になる画像部分、または前記特定の画像部分と色差が所定範囲内にあり且つ前記特定の画像部分の形状と相似形になる画像部分を、前記特定の画像部分と特徴が一致する画像部分として抽出する請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記所定の範囲は、前記特定の画像部分が無彩色の場合と有彩色の場合とで異なる請求項2記載の画像形成装置。
  4. 画像形成装置の画像形成を支援する画像形成支援装置であって、
    異なる複数の入力装置から入力された複数の画像データのいずれかの画像データで表される画像内の、特定の画像部分を指定する指定手段と、
    前記複数の画像データのうち前記特定の画像部分を指定した画像データを除く他の画像データで表される画像から、前記特定の画像部分と特徴が一致する画像部分を抽出する抽出手段と、
    前記抽出手段により抽出された画像部分の色と前記特定の画像部分の色とが同一になるように、前記抽出された画像部分のデータ及び前記特定の画像部分のデータの少なくとも一方を補正する補正手段と、
    記補正手段により補正された画像データを前記画像形成装置に出力する出力手段と、
    を備えた画像形成支援装置。
  5. 前記抽出手段は、前記特定の画像部分と色差が所定範囲内にある画像部分、前記特定の画像部分の形状と相似形になる画像部分、または前記特定の画像部分と色差が所定範囲内にあり且つ前記特定の画像部分の形状と相似形になる画像部分を、前記特定の画像部分と特徴が一致する画像部分として抽出する請求項記載の画像形成支援装置。
  6. 前記所定の範囲は、前記特定の画像部分が無彩色の場合と有彩色の場合とで異なる請求項記載の画像形成支援装置。
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