まず、本発明の実施の形態を説明するに先立ち、本発明の態様を説明する。また、各種の技術事項の実施態様を含む態様も共に説明する。
本発明の態様は、印刷ジョブを処理して生成した各ページのイメージデータを出力側の画像形成装置に応じて処理して転送する画像形成支援装置であって、前記画像形成装置の処理特性とは独立に処理されて刷版用に面付けされた大判サイズの前記イメージデータを受け取り保持する画像記憶部と、クライアントが希望する出力形態に関する情報を受け付ける出力形態情報取得部と、前記出力形態情報取得部が取得した出力形態に関する情報に基づいて、面付け位置に関する面付け情報を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された面付け情報に基づいて、大判サイズのイメージデータを電子的に裁断する画像処理手段と、前記出力形態情報取得部が取得した出力形態に関する情報に基づいて、両面記録を行うイメージデータか否かを判定する判定手段と、前記画像形成装置の処理特性を取得する処理特性取得手段と、前記判定手段の判定結果及び前記処理特性取得手段によって取得された前記画像形成装置の処理特性に基づいて、前記画像処理手段によって電子的に裁断された各イメージデータを並べ替える丁合手段と、を備えたことを特徴とした画像形成支援装置である。
本発明の態様によれば、出力する画像形成装置の処理特性とは独立に処理されて刷版用に面付けされた大判サイズのイメージデータを画像記憶部で受け取り保持される。また、出力形態情報取得部では、クライアントが希望する出力形態に関する情報が取得され、検出手段では取得した出力形態に関する情報に基づいて、面付け位置に関する面付け情報が検出される。すなわち、CTP用にRIP処理されたイメージデータは、複数のイメージデータが面付けされて1つのイメージデータとされているので、検出手段で面付け情報を検出することによって、1つのイメージデータに面付けされた個々のイメージのレイアウトを検出することができる。
そして、画像処理手段では、検出された面付け情報に基づいて、大判サイズのイメージデータが電子的に裁断される。すなわち、検出された個々のイメージのレイアウトに応じて裁断位置を決定して電子的に裁断を行う。従って、面付けされたイメージデータがそれぞれ電子的に裁断(分割)されてオンデマンド印刷で処理可能なサイズのイメージデータに変換された後に画像形成装置に転送されることになるので、CTP用に作成されたイメージデータをオンデマンド印刷で使用することができる。
また、判定手段では、出力形態情報取得部が取得した出力形態に関する情報に基づいて、両面記録を行うイメージデータか否かが判定され、処理特性取得手段では、画像形成装置の処理特性が取得される。そして、丁合手段では、判定手段の判定結果及び処理特性取得手段によって取得された画像形成装置の処理特性に基づいて、画像処理手段によって電子的に裁断された各イメージデータが並べ替えられる。すなわち、表裏への記録を加味すると共に画像形成装置に依存した処理特性に従った順番に各イメージデータが並べ替えられて画像形成装置に出力されることになる。従って、表裏への記録があるCTP用に作成された大判サイズのイメージデータでもオンデマンド印刷に使用することができる。
画像処理手段は、裁断後の各イメージデータの向きを揃える処理を更に行うようにしてもよい。このように各イメージデータの向きを揃えることによって、画像記録後にページの向きを揃える必要がなくなり、パンチやステープル等の後処理を容易に行うことができる。
また、本発明の態様は、印刷ジョブを処理して生成した各ページのイメージデータを出力側の画像形成装置に応じて処理して転送する画像形成支援方法であって、前記画像形成装置の処理特性とは独立に処理されて刷版用に面付けされた大判サイズの前記イメージデータを受け取り保持する画像記憶ステップと、クライアントが希望する出力形態に関する情報を受け付ける出力形態情報取得ステップと、前記出力形態情報取得ステップで取得した出力形態に関する情報に基づいて、面付け位置に関する面付け情報を検出する検出ステップと、前記検出ステップで検出された面付け情報に基づいて、大判サイズのイメージデータを電子的に裁断する画像処理ステップと、前記出力形態情報取得ステップで取得した出力形態に関する情報に基づいて、両面記録を行うイメージデータか否かを判定する判定ステップと、前記画像形成装置の処理特性を取得する処理特性取得ステップと、前記判定ステップの判定結果及び前記処理特性取得ステップで取得された前記画像形成装置の処理特性に基づいて、前記画像処理ステップによって電子的に裁断された各イメージデータを並べ替える丁合ステップと、を備えたことを特徴とした画像形成支援方法としてもよい。
本発明の態様によれば、出力する画像形成装置の処理特性とは独立に処理されて刷版用に面付けされた大判サイズのイメージデータを画像記憶ステップで受け取り保持される。また、出力形態情報取得ステップでは、クライアントが希望する出力形態に関する情報が取得され、検出ステップでは取得した出力形態に関する情報に基づいて、面付け位置に関する面付け情報が検出される。すなわち、CTP用にRIP処理されたイメージデータは、複数のイメージデータが面付けされて1つのイメージデータとされているので、検出ステップで面付け情報を検出することによって、1つのイメージデータに面付けされた個々のイメージのレイアウトを検出することができる。
そして、画像処理ステップでは、検出された面付け情報に基づいて、大判サイズのイメージデータが電子的に裁断される。すなわち、検出された個々のイメージのレイアウトに応じて裁断位置を決定して電子的に裁断を行う。従って、面付けされたイメージデータがそれぞれ電子的に裁断(分割)されてオンデマンド印刷で処理可能なサイズのイメージデータに変換された後に画像形成装置に転送されることになるので、CTP用に作成されたイメージデータをオンデマンド印刷で使用することができる。
また、判定ステップでは、出力形態情報取得ステップで取得した出力形態に関する情報に基づいて、両面記録を行うイメージデータか否かが判定され、処理特性取得ステップでは、画像形成装置の処理特性が取得される。そして、丁合ステップでは、判定ステップの判定結果及び処理特性取得ステップで取得された画像形成装置の処理特性に基づいて、画像処理ステップで電子的に裁断された各イメージデータが並べ替えられる。すなわち、表裏への記録を加味すると共に画像形成装置に依存した処理特性に従った順番に各イメージデータが並べ替えられて画像形成装置に出力されることになる。従って、表裏への記録があるCTP用に作成された大判サイズのイメージデータでもオンデマンド印刷に使用することができる。
画像処理ステップは、裁断後の各イメージデータの向きを揃える処理を更に行うようにしてもよい。このように各イメージデータの向きを揃えることによって、画像記録後にページの向きを揃える必要がなくなり、パンチやステープル等の後処理を容易に行うことができる。
なお、上述した画像形成支援装置と、印刷ジョブを処理して各ページのイメージデータを生成して画像形成支援装置に出力するイメージ生成装置と、を含む画像形成支援システムとしてもよい。
〔実施形態〕
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。
〔画像形成システム〕
図1は、本実施の形態に係る画像形成システムの全体概略構成を示す図である。画像形成システムは、汎用の通信プロトコルによる高速LAN(Local Area Network)を備えており、高速LANには例えばページ記述言語(PDL)で記述された電子データ(印刷データ)を入力するためのクライアント端末400、402が接続されている。クライアント端末400、402は、異なるオペレーティングシステム(OS)下で各種アプリケーションプログラムを実行可能なコンピュータである。この高速LANには、原稿の画像を読み取りその画像データを出力するスキャナ装置410も接続されている。また、高速LANには、DFE装置500、503、504、506、508、詳細を後述する本発明の画像形成支援装置としてのBEP(Back End Processor:バックエンドプロセッサ)装置600、603、604、電子データで直接刷版を作成するCTP装置702が接続されている。
CTP装置702で作成された刷版を用いてプレス装置710において印刷がなされる。また、このCTP装置702に並列的に(高速LANに)BEP装置600が接続される。このBEP装置600には画像形成装置11と同様の高速プリンタ746が接続される。
また、高速LANに接続されたBEP装置604の出力側には、出力機730、同様の構成の高速プリンター740、742、CTP装置700が接続されている。出力機730、高速プリンター740、742からはプリント出力がなされ、CTP装置700では刷版が作成される。また、DFE装置503は、BEP装置603を介して同様の構成のプリンタプルーファ720、722に接続されている。プリンタプルーファ720、722は印刷のための出力確認用のものであり、画像形成装置一例として機能する場合がある。
また、DFE装置504は高速プリンター744に接続され、DFE装置504と高速プリンター744とはオンデマンド印刷処理を担当する部門を担っている。DFE装置506は出力機732に接続され、DFE装置508は大型出力機750に接続されている。DFE装置506と出力機732からなる構成及びDFE装置508と大型出力機750からなる構成は、従来の画像形成装置の構成と同様である。
本実施の形態の画像形成システムでは、CTPと、POD(プリントオンデマンド)の機能を有する装置を同一のシステム内に混在可能な構成である。これは、本実施の形態にかかるBEP装置が、クライアントからの印刷データがラスタデータに変換(RIP処理)された後のデータを、各種処理する機能を備えているためである。
〔構成例〕
上記構成による画像形成システムにおいて、本発明の実施形態について説明を簡単にするために、刷版を作成して印刷する構成と、刷版作成なしに印刷する構成との代表例を、一実施形態として説明する。すなわち、クライアント端末400、DFE装置500、CTP装置700、及びプレス装置710の装置を利用して画像を形成する場合の構成A、クライアント端末400、DFE装置500、BEP装置600、及び高速プリンタ746(画像形成装置11)の装置を利用して画像を形成する場合の構成B、について説明する。
なお、DFE装置500は、クライアント端末400からのデータをラスタデータに変換(RIP処理)し、その変換後のラスタ画像を圧縮処理する機能を備えるが、本実施の形態では、画像形成装置11に依存した印刷制御機能を果たすプリンタコントローラ機能を要求しない。すなわち、DFE装置500は、主にRIP処理の機能のみを有する構成でよい。
図2は、本発明に係る画像形成システムの一実施形態を示す図である。すなわち、クライアント端末400で印刷指示した画像をDFE装置500でRIPして、CTP装置702で刷版を作成した後にプレス装置710で印刷する構成Aと、RIPされた画像をBEP装置600を介して高速プリンタ746(画像形成装置11)で印刷する構成Bとを本発明に係る画像形成システムの一実施形態として説明する。図2(A)は本実施形態で構成Aと構成Bからなるシステム構成の概略を示し、図2(B)は、構成Bによる接続例を示している。
〔構成A〕
構成Aは、刷版を作成するCTP装置702と、このCTP装置702に印刷データを出力し刷版作成の指示をするDFE装置500と、CTP装置702で作成された刷版を用いて印刷するプレス装置710と、からシステムを構成する。
この構成Aは、従来の印刷処理と同様のため、詳細な説明を省略するが、DFE装置500は、フロントエンドプロセッサ(FEP:Front End Processor)部や、フロントエンジンによるROP(Raster OPeration)処理によりクライアント端末400からのデータをラスタデータに変換(RIP処理)し、その変換後のラスタ画像を圧縮処理する機能を備える。そして、DFE装置500では、刷版を作成するために、主にRIP処理のみを実行する。このRIP処理されたラスタ画像(圧縮)のラスタデータにより、CTP装置702で刷版が作成される。このCTP装置702で作成された刷版を用いてプレス装置710で印刷媒体に画像がプレスされ、印刷がなされる。
なお、上記構成Aでは、高速LANに、CTP装置702を接続し、DFE装置500からの印刷データで刷版を作成する場合を説明したが、CTP装置702をBEP装置600を介して接続してもよい(図1のBEP装置604と、CTP装置700の構成)。この場合には、以下の構成Bで説明するように、DFE装置500からの印刷データによりBEP装置600において画像形成装置11などの下流側装置に依存する処理を行ってデータ出力する。この下流側装置として、CTP装置700を採用したときに、BEP装置600は、そのCTP装置700に依存する処理を行ってデータ出力する。
〔構成B〕
次に、構成Bは、画像形成装置11と、この画像形成装置11に印刷データを渡し印刷指示をするDFE装置500と、画像形成装置11とDFE装置500との間に設けられるBEP装置600からシステムを構成する。
画像形成装置11は、IOTモジュール(IOT本体)12と、フィード(給紙)モジュール(FM:Feeder Module)15と、出力モジュール17と、パソコン(PC)等のユーザインターフェース装置18とを備える。なお、フィードモジュール15は、多段構成としてもよい。また、必要に応じて、各モジュール間を連結する連結モジュールを設けてもよい。また、出力モジュール17の後段に、フィニッシャ(Finisher:後処理装置)モジュールを接続してもよい。フィニッシャモジュールとしては、例えば、用紙をスタック処理し、1個所以上を綴じるステープラを備えたもの、またはパンチ孔を穿設するパンチング機構を備えたもの等がある。
DFE装置500は、クライアント端末400からのデータをラスタデータに変換(RIP処理)し、その変換後のラスタ画像を圧縮処理する機能を備えて、主にRIP処理をする。このデータは、BEP装置600により処理されて画像形成装置11へ出力される。
BEP装置600は、画像形成装置11に依存した処理の制御機能を有するが、この制御機能は、ユーザインターフェース装置18により指示してもよく、予め定めておいてもよい。ユーザインターフェース装置18により指示する場合、ユーザインターフェース装置18は、キーボード等の入力デバイスやユーザに画像を提示しつつ指示入力を受け付けるGUI(Graphic User Interface)機能を有し、画像形成装置11に依存した処理を指示するように構成すればよい。
BEP装置600は、DFE装置に保持しておいたRIP処理済みのデータを利用することで、効率的な高速出力を可能としている。すなわち、BEP装置600は、DFE装置500から受け取った印刷制御情報に基づいてコマンドコード(Command Code)を生成し、画像形成装置11内の各部の処理タイミングをエンジン特性に応じて制御する。また、BEP装置600は、IOTモジュール12やフィードモジュール15または出力モジュール17等のエンジン特性に適合するようにスプール(Spool)処理を完結させてからIOTモジュール12に画像データを渡す。
例えば、DFE装置500からBEP装置600には、RIP処理が施されたラスタベース画像を含むデータが送られる。このデータとしては、TIFF(Tagged Image File Format)フォーマット等の圧縮されたラスタベースの画像ファイルデータの他、印刷部数、両面/片面、カラー/白黒、合成印刷、ソートの有無、ステープラの有無等印刷制御情報等が含まれる。また、TIFFフォーマットのラスターベースの画像ファイルデータ以外の印刷制御情報は、例えば、XML等の記法をベースとしたJDF(Job Definition Format)に記述され、ジョブチケットとしてDFE装置500からBEP装置600へ送られる。なお、JDFは、各工程(例えば、製版工程、印刷工程、折り・裁ち工程など)に送られ各工程で使用され、JDFに記述される内容としては、各工程におけるジョブに必要な内容が記述される。例えば、印刷物仕様(構成、紙質、サイズ、部数等)、製版工程の使用設備、製版工程納期、印刷工程の使用印刷機、使用インク、折り・裁ちの使用設備、納期、配送先や納期、製版工程の面付け仕様、製版工程のRIP処理手順、製版工程の出力機設定、印刷工程の印刷機設定、折り・裁ちの折り機設定、裁断機手順、綴じ手順等の内容が記述されている。
なお、回転(Rotation)、1枚の用紙内へのページ割付(N−UP)、リピート処理、用紙サイズ合わせ、デバイス差を補正するCMS(Color Management System : カラー管理システム)、解像度変換、コントラスト調整、圧縮率指定(低/中/高)等のRIP処理と関わりのある処理は、DFE装置500にて処理し、その制御コマンドをBEP装置600へは通知しない(非通知)。
また、コレーション(帳合い)、両面印刷、スタンプ・パンチ・ステープラ等のフィニッシャ装置または用紙トレーと関わりのある位置合わせ処理、排出面(上下)合わせ、グレーバランスや色ズレ補正等のキャリブレーション処理、スクリーン指定処理等、画像形成装置11の処理特性と関わりの強いもの(IOT依存の処理)に関しては、その制御コマンドをDFE装置500がスルーすることで、BEP装置600にて処理する。
このように、本実施形態のDFE装置側は1つのジョブ(JOB)をエンジン特性に依存せずRIP処理した順にBEP装置側へ一方的に転送し、BEP装置側で印刷用にページ再配置をする。
図3は、DFE装置500と画像形成装置11との間にBEP装置600を介在させたときのデータの流れに着目した概念ブロック図である。
DFE装置500は、クライアント端末400からPDLで記述された印刷データ(以下PDLデータという)を受け取り、そのPDLデータを一旦順次格納するデータ格納部502と、データ格納部502からPDLデータを読み出して解釈しページ単位のイメージデータ(ラスタデータ)を生成(ラスタライズ)するRIP処理部510と、このRIP処理部510にて生成されたイメージデータを所定のフォーマットにしたがって圧縮する圧縮処理部530とを備える。この圧縮処理部530の後段には、インターフェース部542が設けられている。RIP処理部510では、PDLデータを展開してイメージデータを生成するため、RIP処理部510には、PDL解釈部およびイメージャとして機能するデコンポーザ、所謂RIPエンジンが組み込まれている。圧縮処理部530は、RIP510からのイメージデータを圧縮し、圧縮済のイメージデータをBEP装置600へ即時に転送する。
一方、BEP装置600は、DFE装置500にて印刷ジョブやプリントエンジン30の処理特性に無関係に処理された(例えばプリントエンジン30の処理速度に非同期で処理された)圧縮済のイメージデータを受け取り保持する画像記憶部602と、画像記憶部602から圧縮済のイメージデータを読み出して、DFE装置500側の圧縮済のイメージデータを読み出して、DFE装置500側の圧縮処理部530の圧縮処理に対応する伸張処理をし、この伸張処理済のイメージデータをIOTコア部20側に送出する伸張処理部610を備える。この伸張処理部610は、画像記憶部602から読み出し伸張処理したイメージデータに対して、画像回転や用紙上の画像位置の調整、または拡大もしくは縮小、或いは電子裁断等の画像処理機能を備えている。画像記憶部602の前段には、データ受信部601が設けられ、伸張処理部610の後段には、出力側のインターフェース部650が設けられている。
また、BEP装置600は、IOTコア部20の処理性能に依存してBEP装置600の各部やIOTコア部20を制御するプリンタコントローラとして機能する印刷制御部620を備える。印刷制御部620は、DFE装置500からのジョブチケットを解釈(デコード)、またはGUI部80を介したユーザ指示を受けて、プリントエンジン30や定着器70またはフィニッシャの処理特性に応じて出力形態(ページ内の画像位置、またはページ排出順や向き等)を特定する出力形態特定部622と、特定した出力形態で印刷物が出力されるように、プリントエンジン30や定着器70またはフィニッシャ等の各部を制御する制御部624とを備える。出力形態特定部622は、クライアントが希望する出力形態に関する情報を受け付ける出力形態情報収得部としての機能を備え、ジョブチケットに記述された情報やTIFFフォーマットの画像ファイルデータに含まれる印刷制御情報を取得することによって出力形態に関する情報を受け付ける。
従って、DFE装置500では、RIP処理部510にてページ記述言語からラスタライズされた(描画展開された)イメージデータは、BEP装置600側へページ順に転送される。BEP装置600は、DFE装置500から転送されたイメージデータを、一旦バッファとして機能する画像記憶部602に蓄積する。伸張処理部610は、画像記憶部602から圧縮済のイメージデータを読み出して伸張処理するとともに、クライアント端末やDFE装置500から指定された印刷ジョブに従ってページデータを組み立てたり(ページデータの再配置や電子裁断等)、指示されたプリントエンジンへの転送準備をしたりする。そして、BEP装置600では、プリントエンジン30の処理速度に同期して制御コマンドをやり取りしながら、エンジン生産性を最大限生かす速度でページデータを所定の順にIOTコア部20に送出する。
このように、DFE装置500側は1つのジョブ(JOB)をエンジン特性に依存せずRIP処理した順にBEP装置600側へ一方的に転送すればよい。そして、BEP装置600が、印刷用にページ再配置をする等印刷ジョブやプリントエンジン30に依存した処理を担当する。
本構成では、RIP処理に関わる処理はDFE装置で行うが、RIP処理のやり直しが必要な際には、DFE装置500へ再RIP処理を要求することなく(DFE装置500とは独立に)、画像記憶部602に保持しておいたデータを再利用する。これにより、DFE装置500にての再RIP処理が不要となる。また、プリントエンジン等出力側の処理特性に適応する性能を持ちプリントエンジン30等と接続されたBEP装置600にて、出力側の処理特性に依存する処理をすることができる。
例えば、クライアントが希望する出力形態にて出力する場合において、出力側の処理特性に依存する処理を必要とする一例で、RIP処理と関わりのある再処理としては、1枚の用紙内へのページ割付(N−UP)、リピート処理、用紙サイズ合わせ、デバイス差を補正するCMS(Colour Management System:カラー管理システム)、解像度変換、コントラスト調整、圧縮率指定(低/中/高)等がある。
また、出力側である画像形成装置11(例えばプリントエンジン)の処理特性に依存した処理(出力側の処理特性と関わりの強い依存処理)が必要となる場合の一例としては、画像回転(Rotation)、コレーション(Collation:帳合い)、両面印刷、スタンプ・パンチ・ステープラ等のフィニッシャ装置または用紙トレーと関わりのある位置合わせ処理(shift:画像シフト)、排出面(上下)合わせ、グレーバランスや色ズレ補正等のキャリブレーション処理、スクリーン指定処理等がある。
図4は、本実施形態のシステムの利用形態例の説明図である。図4(A)は、クライアント指示に基づく出力形態との関わりにおけるバックエンドプロセッサの処理の説明図、図4(B)は、出力側に異常が発生した場合のバックエンドプロセッサの処理の説明図である。
図4(A)の第1項目に示すように、出力形態情報取得部の機能を備えた出力形態特定部622がクライアントが希望する出力形態に関する情報として両面出力指示を示す情報を受け付けた際には、制御部624は、出力側であるプリントエンジン30や定着器70等の処理特性に依存したシーケンス順に片面イメージを順に生成してプリントエンジン30側に出力するよう、BEP装置600内の伸張処理部610を制御する。これにより、出力側の処理特性に依存したシーケンス順に両面イメージが生成されることになる。
例えば、BEP装置600は、DFE装置500を経由して指定された両面排出指示(クライアントの指示)を元に、プリントエンジン30側のベルトに載るシーケンス順にイメージをプリントエンジン30へ出力する。より具体的には、DFE装置500は、1枚目表(P1T)→1枚目裏(P1B)→2枚目表(P2T)→2枚目裏(P2B)→3枚目表(P3T)→3枚目裏(P3B)→…というように順にRIP処理し、生成したイメージデータを順にBEP装置600に送出する。
これに対して、BEP装置600では、1枚目表(P1T)→2枚目表(P2T)→3枚目表(P3T)→4枚目表(P4T)→5枚目表(P5T)→1枚目裏(P1B)→6枚目表(P6T)→2枚目裏(P2B)→7枚目表(P7T)→3枚目裏(P3B)→…、というようなシーケンスが有り得る。この並び順は、装置の印刷速度に関わる処理特性によって異なる。
また、図4(A)の第2項目に示すように、DFE装置500は、ページごとに、Y(イエロ)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色成分を並行してRIP処理し、ページごとにYMCKのイメージデータをBEP装置600に送出する。この場合において、プリントエンジン30が、Y→M→C→Kの順に処理する4サイクルエンジンである場合、BEP装置600は、基本的には、(片面印刷時)、1枚目Y(イエロ)→1枚目M(マゼンタ)→1枚目C(シアン)→1枚目K(ブラック)→2枚目Y→2枚目M→2枚目C→2枚目K→…というように、処理対象ページの並替え処理をする。
また、両面印刷を組み入れる場合には、図4(A)の第3項目に示すように、DFE装置500は、ページごとに表→裏の順に、すなわち1枚目表(P1YMCKT)→1枚目裏(P1YMCKB)→2枚目表(P2YMCKT)→2枚目裏(P2YMCKB)→…の順に、イメージデータをBEP装置600に送出する。これに対応して、BEP装置600は、例えば1枚目Y表(P1YT)→1枚目M表(P1MT)→1枚目C表(P1CT)→1枚目K表(P1KT)→2枚目Y表(P2YT)→2枚目M表(P2MT)→1枚目Y裏(P1YB)→2枚目C表(P2YT)→1枚目M裏(P1MB)→2枚目K表(P2KT)→…、という順に並び替えて処理する。
このように、DFE装置500側に影響を与えることなく(DFE装置500に負荷を与えることなく)、出力側の処理特性(プリントエンジンの構成形態も含む)に応じて、BEP装置600側で、その装置に適合したシーケンス順にイメージ形成を制御することができる。
また、図4(A)の第4項目に示すように、出力形態情報取得部の機能を備えた出力形態特定部622がクライアントが希望する出力形態に関する情報としてコレーションに関わる指示を示す情報を受け付けた際には、制御部624は、出力側(画像記録部)の処理特性に依存した排出面に応じてコレーションの処理をするよう、BEP装置600内の伸張処理部610を制御する。これにより、出力側の排出処理特性に依存することなく、クライアントが希望する向きで印刷物を排出することができる。
例えば、排出面指示として、上向きFU(FACE up)及び下向きFD(FACE down)の何れか一方を選択指示が可能な場合、下向きFD時に出来上がりがページ順になっているためには、普通通りジョブの最初のページから出力すればよい。しかし、上向きFU時に出来上がりがページ順になっているためには、ジョブの最後ページから出力(処理対象ページの並替え)が必要となる。本実施形態のBEP装置600は、画像記憶部602から所望のページを読み出して処理できるので、BEP装置600は、DFE装置500側に影響を与えることなく(DFE装置500に負荷を与えることなく)、画像記憶部602からページを並び替えて読み出して伸張処理してプリントエンジン30へ出力することができる。
また、図4(A)の第5項目に示すように、出力形態情報取得部の機能を備えた出力形態特定部622がクライアントが希望する出力形態に関する情報として閉じ位置に関わる指示を示す情報を受け付けた際には、制御部624は、出力側(画像記録部)の処理特性に依存した閉じ位置調整をするよう、バックエンドプロセッサBEP600内の伸張処理部610を制御する。
従って、スタンプ、ステープラ、またはパンチ穴等のフィニッシャ装置(オプション)が付いた場合にも、DFE装置500側に影響を与えることなく(DFE装置500に負荷を与えることなく)、それらの押される場所に応じて、BEP装置600で画像回転(ローテーション)や位置ずらし(シフト)等の画像編集処理をして、プリントエンジン30側へ位置調整されたイメージデータを送出することができる。
なお、用紙上の画像位置を合わせると、その移動量によっては、元画像の一部が用紙からはみ出したり、はみ出さないものの印字されない部分(いわゆる像欠け)が生じることがある。このような場合、画像サイズを少し縮小(サイズ整合処理)し、この縮小済みのイメージデータをプリントエンジン30側に送出するようにしてもよい。なお、縮小は、位置ずらしに起因する縦/横の必要な方向に対してのみ施してもよい(独立縮小)。
また、図4(B)に示すように、印刷ジョブの処理過程において出力詰まり現象が生じた際には、制御部624は、出力側(画像記録部)の処理特性に依存した出力詰まりに対するリカバリ処理をするよう、バックエンドプロセッサ内の各機能部分を制御する。
例えば、IOTモジュール12や出力モジュール17側で印刷用紙の詰まり(紙詰まり)や電源オフ等によりイメージが排出できなかった場合、BEP装置600は、画像記憶部602から未出力の所望のページ(未処理ページ)を読み出してプリントエンジン30側に送出させる。これにより、DFE装置500側に影響を与えることなく(DFE装置500に負荷を与えることなく)、BEP装置600側だけでリカバリ処理を実現することができる。
ここで、本実施形態のシステムの上述のような利用形態を踏まえて、BEP装置600で行われる詳細な処理の一例について説明する。
RIP処理で生成された面付けされたイメージデータは、1m四方の大判サイズが一般的である。ところが、PODでは、1ページ単位に用紙に刷ることから、大きくても19インチ程度が一般的である。すなわち、RIP処理されたイメージデータをCTPとPODで併用した場合、CTP向けに面付けまで終わらせたイメージデータをそのままPODに出力することができない。そこで、本実施形態のシステムでは、RIP処理で生成されたTIFFフォーマットの画像ファイルデータのOrient tagを参照して面付けの並びといったレイアウト情報や各ページの貼り付け位置をファイルサイズからBEP装置600で計算して電子裁断し、電子裁断後にプリントエンジン30を起動させて、所定の用紙を自動的に指定して出力する。
ところが、表面だけの場合はこれでよいが、印刷時の裏面は別のプレートから出力される。そこで、本実施形態では、さらに、BEP装置600で各プレートの面付けレイアウト、位置情報、エンジン側への表裏指示、エンジン側のページシーケンス等を把握して、大判サイズのイメージデータから両面までを考慮して、電子裁断した各イメージをソーティングしながら、プリントエンジン30に出力する。図5は、この時のBEP装置600で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
RIP処理510によってCTP用の大判サイズのイメージデータが生成されてBEP装置600に出力されると、BEP装置600では、まずステップ100で、DFE装置500のリップ処理部510でRIP処理されたイメージデータ(TIFFフォーマットの画像ファイルデータ)がデータ受信部601によって受信される。そして、ステップ102へ移行して、印刷制御部620によってジョブチケットが取得される。
ステップ104では、出力形態特定部622によって、TIFFフォーマットのInpositionが解読され、面付けされたレイアウトが認識される。すなわち、これによって大判サイズのイメージデータ中に面付けされた各ページのレイアウト(面付け位置)を検出することができ、当該ステップ104は本発明の検出手段に相当する。
次に、ステップ106では、レイアウト順とサイズ情報から制御部624が伸張処理部610を制御するによって電子的にイメージデータが裁断される。すなわち、大判サイズのイメージデータがPODで出力可能なサイズのイメージデータに電子裁断される。
続いて、ステップ108では、出力形態特定部622によってTIFFフォーマットのOriento tagが参照され、ステップ110へ移行して、電子裁断された各ページのイメージの上下が一致しているか否か判定される。該判定が否定された場合は、ステップ112へ移行して、印刷制御部620が画像記憶部602及び伸張処理部610を制御することによって、各ページの上下が一致するように回転が行われ、ステップ114へ移行する。一方、ステップ110の判定が肯定された場合には、そのままステップ114へ移行する。
ステップ114では、印刷制御部620によってジョブチケット(JDF)が参照され、ステップ116へ移行して、丁合指示またはフェイスダウン指示がジョブチケットに記述されているか否か判定される。
該判定が肯定された場合には、ステップ118へ移行してジョブチケットの指示に応じて伸張処理部610によって電子裁断された各ページのイメージデータの並び替えが行われ、ステップ120へ移行する。一方、ステップ116の判定が否定された場合には、そのままステップ120へ移行する。
ステップ120では、ステップ114で参照したジョブチケット(JDF)に両面指示があるか否か判定され、該判定が肯定された場合には、ステップ122へ移行して、JDFで指示されたエンジンのページシーケンスが取得される。すなわち、両面印刷を行う時には各プリントエンジン毎に異なるプリントシーケンスで印刷を行うので、効率的に印刷を行うために、各プリントエンジンに応じたページ順でイメージデータをプリントエンジンに出力する必要がある。そこで、ステップ122では、各プリントエンジン固有の両面記録を行う際のページシーケンスが取得される。なお、取得先はJDFで指示されたプリントエンジンから取得する。
一方、ステップ120の判定が否定された場合には、ステップ124へ移行して、JDFで指示されたプリントエンジンから各プリントエンジン固有のページシーケンスが取得されて、ステップ126へ移行する。
ステップ126では、制御部624によって画像形成装置が起動されて、印刷データが出力側の処理特性(取得されたページシーケンス)に応じて、その装置に適合したシーケンス順に電子裁断された各ページのイメージデータがプリントエンジン30に順次出力されて、一連の処理を終了する。すなわち、制御部624が画像形成装置11を記録する際に、取得したプリントシーケンスに応じて電子裁断された各ページのイメージデータを並べ替えてプリントエンジン30に出力する。これによって、出力側の処理特性に応じた処理を行った後にイメージデータを転送することができる。
なお、ステップ106、ステップ112及びステップ118は本発明の画像処理手段に相当し、ステップ120は本発明の判定手段に相当し、ステップ122及びステップ124は本発明の処理特性取得手段に相当し、ステップ126は本発明の丁合手段に相当する。
上述のBEP装置600の処理では、例えば、図6に示すように、RIP処理によって生成された面付けによるイメージデータがA→B→C→D→D→E→F→G→Hのページ順に面付けされているときに、BEP装置600によって、A〜Hの順にページ順がなるようにイメージデータを電子的に裁断してプリントエンジン30に出力することが可能となる。
また、この時、RIP処理によって生成された面付けによるイメージデータ中のA〜Hのうちの何れかが上下が反転している場合などでは、BEP装置600によって、上下が一致するように回転して電子的に裁断されたイメージデータをプリントエンジン30に出力することができるので、RIP処理によって生成された面付けされたイメージデータをPODで用いることができる。
さらに、両面印刷する場合には、プリントエンジン毎に異なるプリントシーケンスを持つため、各プリントエンジンから両面のプリントシーケンスを取得して、取得したプリントシーケンスに応じてイメージデータを出力するように、裁断後のイメージデータのソーティング(並べ替え)を行うので、CTP用のイメージデータでもオンデマンド印刷と同様に、高速に両面印刷を行うことができる。
例えば、CTP装置700では、図7に示すように、両面印刷の場合には、表用のプレートと、裏用のプレートを作成して、両面印刷を行う場合があるが、この場合のイメージデータを使用してオンデマンド印刷を行う場合には、上述したようにTIFFフォーマットのタグを参照してレイアウト情報を検出して電子裁断を行い、その後、図7の下側に示すように、各機種毎に異なるプリントシーケンスを取得して、裁断されたイメージデータの並べ替えを行う。例えば、図7では表面がA〜Hの順に並んでおり、裏面がI〜Pの順に並んでいるのを、各機種毎に異なるプリントシーケンスに応じて、A→B→C→D→I→E→J→F→K・・・等の順に並べ替えを行って、順次プリントエンジンに出力する。
また、図8に示すように、表面と裏面とが1つのイメージデータ内に面付けされている場合もあるが、この場合のイメージデータを使用してオンデマンド印刷を行う場合には、TIFFフォーマットのタグを参照してレイアウト情報を検出して電子裁断を行い、その後、図8の下側に示すように、各機種毎に異なるプリントシーケンスを取得して、裁断されたイメージデータの並べ替えを行う。例えば、図8では、1つ目の大判サイズのイメージデータ上で、A(表)、B(裏)、C(裏)、D(表)、E(表)、F(裏)、G(裏)、H(表)のように面付けされ(順番は図8の上側に示す通り)、2つめの大判サイズのイメージデータ上で、I(表)、J(裏)、K(裏)、L(表)、M(表)、N(裏)、O(裏)、P(表)のように面付けされ(順番は図8の上側に示す通り)たものを、各機種毎に異なるプリントシーケンスに応じて、A(表)→D(表)→E(表)→H(表)→B(裏)→I(表)→C(裏)→K(裏)→F(裏)→L(表)G(裏)→M(表)・・・等の順に並べ替え(ソーティング)を行って、順次プリントエンジンに出力する。
このように、本実施形態では、大判サイズのイメージデータを電子裁断すると共に、両面印刷を行う場合には、両面印刷を考慮して、各機種毎に異なるプリントシーケンスに応じて電子裁断されたイメージデータを並べ替えを行ってプリントエンジンに出力するので、CTP用のイメージデータからオンデマンド印刷で両面印刷を行うことができる。
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
また、上記の実施形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組合せにより種々の発明を抽出できる。実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
なお、圧縮/伸張の処理に際しては、線画や文字等主に2値で表される画像オブジェクト(線画文字オブジェクトLW(Line Work))と背景部や写真部等主に多階調で表される画像オブジェクト(多階調画像オブジェクトCT(Continuous Tone))等、画像オブジェクトの特性に応じて、適応した処理とすることもできる。