JP4407327B2 - 出力管理装置、画像形成支援装置、及び画像形成システム - Google Patents

出力管理装置、画像形成支援装置、及び画像形成システム Download PDF

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本発明は、出力管理装置、画像形成支援装置、及び画像形成システムに係り、特に、複数の画像形成装置の中からジョブを出力する装置を特定する出力管理装置と、該出力管理装置の構成を備えた画像形成支援装置及び画像形成システムと、に関する。
従来の印刷(例えばオフセット印刷)では、写植等の紙焼き(印画紙)、版下、網ネガ、網ポジ、PS版(刷版)等の中間成果物を生成し、これら中間成果物を元に印刷や製本等を行っていた。近年、DTP(DeskTop Publishing /Prepress)の普及によって、DTPデータから直接印刷する「ダイレクト印刷」または「オンデマンド印刷」が知られている。DTPでは、ページレイアウトをコンピュータ上で処理して得た印刷データを印画紙や製版フィルム等に形成し、これに基づいて刷版を作成して印刷する処理が普及している。また、中間成果物を生成せずに電子データにより直接刷版を形成するCTP(Computer To Plate)も注目されている。このような印刷処理に用いることが可能なものとして、プリンタ装置や複写装置等の印刷機能を備えた画像形成装置が知られている。近年の画像形成装置は、画質向上が高まると共にカラー化され、例えば、電子写真プロセス(ゼログラフィ)を用いたカラープリンタ装置は、高品質かつ高速な画像形成が可能である。この画像形成装置では、印刷データを受け取り刷版等を生成せずに印刷物を出力することができる。
図5は、従来の画像形成システムの概略図である。図5(A)に全体構成図を示すように、画像形成システムは、画像形成装置11と、画像形成装置11に印刷データを渡し印刷指示をするDFE(Digital Front End Processor)装置とから構成されている。また、図5(B)にはデータの流れを示した。
DFE装置は、描画機能とプリンタコントローラ(印刷制御装置)機能とを備えており、例えばページ記述言語(PDL:Page Description Language)で記述された印刷データをクライアント端末から順次受け取り、この印刷データをラスターイメージに変換(RIP処理;Raster Image Process)し、さらにRIP処理済みのイメージデータ及び印刷枚数や用紙サイズ等の印刷制御情報(ジョブチケット)を画像形成装置11に送り、画像形成装置11のプリントエンジンや用紙搬送系を制御して、画像形成装置11に印刷処理を実行させる。すなわち、画像形成装置11の印刷動作は、DFE装置によるプリンタコントローラによって制御される。印刷データは、カラー印刷用の基本色の、イエロ(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)の3色と、ブラック(K)とを合わせた4色(YMCK)分が画像形成装置11に送られる。
画像形成装置11は、電子写真プロセスを利用して画像を印刷用紙に記録するもので、IOT(Image Output Terminal)モジュール12、IOTモジュール12に連結されたフィードモジュール(FM;Feeder Module;給紙モジュール)5、出力モジュール17、タッチパネル等を含んで各種データの入力支援をするためのユーザインターフェース装置18、を備えている。IOTモジュール12は、YMCK分のトナーカートリッジ24が搭載されたトナー供給部22と、IOTコア部20とを有する。IOTコア部20は、光走査装置や感光体ドラム等を有するプリントエンジン(印字ユニット)30を色毎でかつベルト回転方向に一列に配置した所謂タンデム構成になっており、プリントエンジン30を制御する電気回路等を収容する電気系制御収納部39を備えている。IOTコア部20では、感光体ドラム上のトナー像を中間転写ベルト43に転写(1次転写)した後、トナー像を印刷用紙に転写(2次転写)することにより、YMCKの各色トナー像が中間転写ベルト43に多重転写される。中間転写ベルト43上に転写された画像(トナー像)は、所定のタイミングでフィードモジュール15から搬送されてきた印刷用紙上に転写され、定着器(Fuser)70によりトナー像が用紙上に溶融定着される。その後、排紙処理装置72を経由して機外へ排出される。また、両面印刷時には、片面に印刷済みの用紙が排紙トレイ(スタッカ)74に一時的に保持され、排紙トレイ74から引き出され、反転搬送路49を介して反転されて再度IOTコア部20に渡される。
このシステムを用いた場合、画像形成処理(プリント処理)の高性能化や高速化の要求(例えば、100枚〜200枚/分以上のカラー印刷)を実現するためには、画像形成装置の対応のみならず、RIP処理や出力側の画像記録部に対する印刷制御部分であるプリンタコントローラも高速・高性能化が必要である。
ところが、DFE装置は、クライアント端末からのPDLデータに対するRIP処理だけでなく、印刷ジョブに従ったページ再配置(昇順/降順の並び替え、両面印刷時の処理ページ順決定、フィニッシャ対応の位置ずらし等)や、プリントエンジンや定着器等の出力側の処理特性に応じたデータ変換(例えばグレイバランスや色ズレ校正等)等の、付加処理も実行するようになっている。このため、DFE装置と画像形成装置11との間を専用の通信プロトコルで接続した専用かつ独立の装置構成を採用していた。
また、システムの高性能化や高機能化への展開を容易化するために、出力側に依存した制御をするプリンタコントローラ機能を備える画像形成支援装置(BEP装置:Back End Processor)を配置することも考えられる。BEP装置は、フロントエンドプロセッサにて画像記録装置の処理特性とは独立に処理されたイメージデータを受け取り、出力側の処理特性に応じて順次イメージデータを画像記録装置へ送るとともに、画像記録装置を制御して印刷処理をさせる。これにより、クライアントからの要求に基づく出力形態に適合した処理やリカバリ処理などをする際には、フロントエンドプロセッサと無関係に、対応することができる。
近年、複数台の画像形成装置がネットワーク上に接続された画像形成システムが種々提案されている。また、上述したBEP装置の後段に複数台の画像形成装置を接続した画像形成システムを構築することもできる。このような画像形成システムでは、どの装置で出力するかを判断する必要がある。例えば、入力された文書印刷仕様に応じて複数台の画像形成装置の中から出力可能な装置を選択する方法も提案されている(特許文献1)。
特開平7−72993号公報
しかしながら、複数台の画像形成装置が接続されたシステムでは、出力可能な装置が複数台有る場合や、同じ機種が複数台接続されている場合があり、どの装置で出力するのが最適であるのかを判断することは困難になっている。
一方、画像形成装置は、出力画像の画質を安定化するために、所定間隔でセットアップを実施している。しかしながら、所定間隔でセットアップを実施したのでは、印刷ジョブが途中で中断される場合が発生するという問題がある。例えば、1800枚毎にセットアップを実施する装置では、未出力枚数が僅か20枚でも、1800枚出力した時点で一旦セットアップが実施されてしまう。また、上述した通り、セットアップは出力画像の画質を安定化するため実施されるが、1つの印刷ジョブの実行中にセットアップが実施されると、その前後で出力画像の画質(例えば、色味)が変化するという問題がある。
これに対し、印刷ジョブの実行中にセットアップが実施されないように、セットアップの実施を延期し、印刷ジョブを実行した後に続けてセットアップを実施する、又は、次の印刷ジョブを実行する前にセットアップを実施することが考えられる。しかしながら、実行される印刷ジョブが多ページ、多部数の場合には、セットアップの実施が長期にわたり延期され、画像形成性能の低下により出力画像に不具合が発生するという問題がある。
この通り、セットアップの実施時期がジョブの実行中に到来するか否かは、出力装置を選択する上で非常に重要なファクターであるが、従来、これを考慮して出力装置を選択した例はない。例えば、上記特許文献1に記載の方法では、出力可能な装置を選択する場合に、カラー印刷が可能か等の装置の機能は考慮されるが、セットアップの時期等は考慮されていない。
また、上述したとおり、フロントエンドプロセッサとは別個にBEP装置を設けた場合にも、セットアップを適切なタイミングで実施できなければ、ジョブの中断や画質の低下等の問題が発生し、実質的にシステムの高性能化や高機能化に対応できないという問題がある。
本発明は上記問題を解決すべく成されたものであり、本発明の目的は、セットアップによるジョブの中断や記録画像の画質の低下を防止することができる出力管理装置、画像形成支援装置、及び画像形成システムを提供することにある。
請求項1に記載の発明は、画質を安定に維持するためにセットアップを実施すると共に画像を記録媒体上に記録する複数の画像記録装置の各々から、前記セットアップが実施される予定時期に関する情報を取得する出力装置情報取得部と、印刷ジョブに含まれるセットアップの必要性を判断するためのジョブ情報を取得するジョブ情報取得部と、前記ジョブ情報と前記予定時期に関する情報とに基づいて、印刷ジョブの実行中にセットアップが実施されない画像記録装置があるか否かを判断し、セットアップが実施されない画像記録装置があると判断された場合には印刷ジョブの実行中にセットアップが実施されない画像記録装置の中から該印刷ジョブを出力する画像記録装置を特定し、セットアップが実施されない画像記録装置がないと判断された場合には印刷ジョブの実行中に実施されるセットアップの回数が最小となる画像記録装置の中から該印刷ジョブを出力する画像記録装置を特定する出力装置特定部と、を備えている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記ジョブ情報は、出力枚数、画像密度、オブジェクト、スクリーン、用紙の種類、及びソート単位からなる群から選択される少なくとも1種である。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記出力装置特定部は、印刷ジョブの実行中にセットアップが実施されないように、印刷ジョブを分割すると共に、複数の画像記録装置の中から分割されたジョブの各々を出力する2以上の画像記録装置を特定する。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の発明において、前記出力装置特定部は、セットアップを行わずに印刷ジョブを実施可能な画像記録装置がないときには、前記印刷ジョブの分割によりセットアップが回避されるか否かを判断し、セットアップが回避されると判断した場合には印刷ジョブを分割して分割された印刷ジョブ毎に画像記録装置を特定し、ジョブの分割によってもセットアップが回避できないと判断した場合には印刷ジョブを分割して印刷ジョブの実行中に実施されるセットアップの回数が最小となる画像記録装置を特定する。
請求項5に記載の発明は、印刷ジョブを処理して各ページのイメージデータを生成するイメージデータ生成装置を備えたフロントエンドプロセッサと、画質を安定に維持するためにセットアップを実施すると共に画像を記録媒体上に記録する複数の画像記録装置との間に設置される画像形成支援装置であって、前記複数の画像記録装置の各々から、前記セットアップが実施される予定時期に関する情報を取得する出力装置情報取得部と、印刷ジョブに含まれるセットアップの必要性を判断するためのジョブ情報を取得するジョブ情報取得部と、前記ジョブ情報と前記予定時期に関する情報とに基づいて、印刷ジョブの実行中にセットアップが実施されない画像記録装置があるか否かを判断し、セットアップが実施されない画像記録装置があると判断された場合には印刷ジョブの実行中にセットアップが実施されない画像記録装置の中から該印刷ジョブを出力する画像記録装置を特定し、セットアップが実施されない画像記録装置がないと判断された場合には印刷ジョブの実行中に実施されるセットアップの回数が最小となる画像記録装置の中から該印刷ジョブを出力する画像記録装置を特定する出力装置特定部と、を備えている。
請求項6に記載の発明は、画質を安定に維持するためにセットアップを実施すると共に画像を記録媒体上に記録する複数の画像記録装置と、印刷ジョブを処理して各ページのイメージデータを生成するイメージデータ生成装置を備えたフロントエンドプロセッサと、該フロントエンドプロセッサと前記複数の画像記録装置との間に設置され、前記フロントエンドプロセッサからの各ページのイメージデータを受け取り所定の画像記録装置へ送出して該画像記録装置を制御する画像形成支援装置と、で構成された画像形成システムであって、前記画像形成支援装置が、前記複数の画像記録装置の各々から、前記セットアップが実施される予定時期に関する情報を取得する出力装置情報取得部と、印刷ジョブに含まれるセットアップの必要性を判断するためのジョブ情報を取得するジョブ情報取得部と、前記ジョブ情報と前記予定時期に関する情報とに基づいて、印刷ジョブの実行中にセットアップが実施されない画像記録装置があるか否かを判断し、セットアップが実施されない画像記録装置があると判断された場合には印刷ジョブの実行中にセットアップが実施されない画像記録装置の中から該印刷ジョブを出力する画像記録装置を特定し、セットアップが実施されない画像記録装置がないと判断された場合には印刷ジョブの実行中に実施されるセットアップの回数が最小となる画像記録装置の中から該印刷ジョブを出力する画像記録装置を特定する出力装置特定部と、を備えている。
本発明によれば、セットアップによるジョブの中断や記録画像の画質の低下を防止することができる、という効果が得られる。
〔実施形態〕
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〔画像形成システム〕
図1は、本実施の形態に係る画像形成システムの全体概略構成を示す図である。画像形成システムは、汎用の通信プロトコルによる高速LAN(Local Area Network)を備えており、高速LANには例えばページ記述言語(PDL)で記述された電子データ(印刷データ)を入力するためのクライアント端末400,402が接続されている。クライアント端末400,402は、異なるオペレーティングシステム(OS)下で各種アプリケーションプログラムを実行可能なコンピュータである。この高速LANには、原稿の画像を読み取りその画像データを出力するスキャナ装置410も接続されている。また、高速LANには、DFE装置500,502,504,506,508、詳細を後述する本発明の画像形成支援装置としてのBEP(Back End Processor:バックエンドプロセッサ)装置600,602,604、電子データで直接刷版を作成するCTP装置702が接続されている。
CTP装置702で作成された刷版を用いてプレス装置710において印刷がなされる。また、このCTP装置702に並列的に(高速LANに)BEP装置604が接続される。このBEP装置604には画像形成装置11と同様の高速プリンタ746が接続される。
また、高速LANに接続されたBEP装置604の出力側には、出力機730、同様の構成の高速プリンター740,742、CTP装置700が接続されている。出力機730、高速プリンター740、742からはプリント出力がなされ、CTP装置700では刷版が作成される。また、DFE装置502は、BEP装置602を介して同様の構成のプリンタプルーファ720,722に接続されている。プリンタプルーファ720,722は印刷のための出力確認用のものであり、画像形成装置一例として機能する場合がある。
また、DFE装置504は高速プリンター744に接続され、DFE装置504と高速プリンター744とはオンデマンド印刷処理を担当する部門を担っている。DFE装置506は出力機732に接続され、DFE装置508は大型出力機750に接続されている。DFE装置506と出力機732からなる構成及びDFE装置508と大型出力機750からなる構成は、従来の画像形成装置の構成と同様である。
なお、本実施の形態の画像形成システムでは、CTPと、POD(プリントオンデマンド)の機能を有する装置を同一のシステム内に混在可能な構成である。これは、本実施の形態にかかるBEP装置が、クライアントからの印刷データがラスタデータに変換(RIP処理)された後のデータを、各種処理する機能を備えているためである。
〔構成例〕
以下、説明を簡単にするために、上記の全体概略構成において、BEP装置604の出力側に接続された複数の出力機を利用して画像を形成する画像形成システムについて説明する。
この画像形成システムは、図1に示すように、刷版を作成するCTP装置700と、画像形成装置11(出力機730、高速プリンター740,742)と、この画像形成装置11に印刷データを渡し印刷指示をするDFE装置500と、画像形成装置11とDFE装置500との間に設けられるBEP装置604と、から構成されている。この構成のシステムでは、図2(A)に示すように、クライアント端末400で印刷指示した画像をDFE装置500でRIP処理して、RIP処理された画像をBEP装置604を介して高速プリンタ740(画像形成装置11)等で印刷する。
画像形成装置11は、IOTモジュール(IOT本体)2と、フィード(給紙)モジュール(FM;Feeder Module)5と、出力モジュール17と、パソコン(PC)等のユーザインターフェース装置18とを備える。なお、フィードモジュール15は、多段構成としてもよい。また、必要に応じて、各モジュール間を連結する連結モジュールを設けてもよい。また、出力モジュール17の後段に、フィニッシャ(Finisher:後処理装置)モジュールを接続してもよい。フィニッシャモジュールとしては、例えば、用紙をスタック処理し、1個所以上を綴じるステープラを備えたもの、またはパンチ孔を穿設するパンチング機構を備えたもの等がある。
DFE装置500は、クライアント端末400からのデータをラスタデータに変換(RIP処理)し、その変換後のラスタ画像を圧縮処理する機能を備えているが、本実施の形態では、画像形成装置11に依存した印刷制御機能を果たすプリンタコントローラ機能を要求しない。すなわち、DFE装置500は、主にRIP処理を行う。このデータは、BEP装置604により処理されて画像形成装置11へ出力される。
BEP装置604は、画像形成装置11に依存した処理の制御機能を有するが、この制御機能は、ユーザインターフェース装置18により指示してもよく、予め定めておいてもよい。ユーザインターフェース装置18により指示する場合、ユーザインターフェース装置18は、図2(B)に示すように、キーボード等の入力デバイスやユーザに画像を提示しつつ指示入力を受け付けるGUI(Graphic User Interface)部80を備えており、このGUI部80から画像形成装置11に依存した処理を指示するように構成すればよい。
また、BEP装置604は、DFE装置に保持しておいたRIP処理済みのデータを利用することで、効率的な高速出力を可能としている。すなわち、BEP装置604は、DFE装置500から受け取った印刷制御情報に基づいてコマンドコード(Command Code)を生成し、画像形成装置11内の各部の処理タイミングをエンジン特性に応じて制御する。また、BEP装置604は、IOTモジュール12やフィードモジュール15または出力モジュール17等のエンジン特性に適合するようにスプール(Spool)処理を完結させてからIOTモジュール12に画像データを渡す。
例えば、DFE装置500からBEP装置604には、RIP処理が施されたラスタベース画像を含むデータが送られる。このデータとしては、TIFF(Tagged Image File Format)フォーマット等の圧縮されたラスタベースの画像ファイルデータの他、印刷部数、両面/片面、カラー/白黒、合成印刷、ソートの有無、ステープラの有無等印刷制御情報等が含まれる。
なお、回転(Rotation)、1枚の用紙内へのページ割付(N−UP)、リピート処理、用紙サイズ合わせ、デバイス差を補正するCMS(Color Management System;カラー管理システム)、解像度変換、コントラスト調整、圧縮率指定(低/中/高)等のRIP処理と関わりのある処理は、DFE装置500にて処理し、その制御コマンドをBEP装置604へは通知しない(非通知)。
また、コレーション(帳合い)、両面印刷、スタンプ・パンチ・ステープラ等のフィニッシャ装置または用紙トレーと関わりのある位置合わせ処理、排出面(上下)合わせ、グレーバランスや色ズレ補正等のキャリブレーション処理、スクリーン指定処理等、画像形成装置11の処理特性と関わりの強いもの(IOT依存の処理)に関しては、その制御コマンドをDFE装置500がスルーすることで、BEP装置604にて処理する。
このように、本実施形態のDFE装置側は1つのジョブ(JOB)をエンジン特性に依存せずRIP処理した順にBEP装置側へ一方的に転送し、BEP装置側で印刷用にページ再配置をする。
なお、上記構成では、刷版を作成するCTP装置700がBEP装置604を介してDFE装置500に接続されている。この場合には、DFE装置500からの印刷データによりBEP装置604において画像形成装置11などの下流側装置に依存する処理を行ってデータ出力する。この下流側装置として、CTP装置700を採用したときに、BEP装置604は、そのCTP装置700に依存する処理を行ってデータ出力する。
図3は、DFE装置500と画像形成装置11との間にBEP装置604を介在させたときのデータの流れに着目した概念ブロック図である。
DFE装置500は、クライアント端末400からPDLで記述された印刷データ(以下PDLデータという)を受け取り、そのPDLデータを一旦順次格納するデータ格納部502と、データ格納部502からPDLデータを読み出して解釈しページ単位のイメージデータ(ラスタデータ)を生成(ラスタライズ)するRIP処理部510と、このRIP処理部510にて生成されたイメージデータを所定のフォーマットにしたがって圧縮する圧縮処理部530とを備える。この圧縮処理部530の後段には、インターフェース部542が設けられている。RIP処理部510では、PDLデータを展開してイメージデータを生成するため、RIP処理部510には、PDL解釈部およびイメージャとして機能するデコンポーザ、所謂RIPエンジンが組み込まれている。また、RIP処理部510は、PDLデータを読み出した場合には、その旨を後述するジョブ情報取得部632に通知する。圧縮処理部530は、RIP510からのイメージデータを圧縮し、圧縮済のイメージデータをBEP装置604へ即時に転送する。
一方、BEP装置604は、DFE装置500にて印刷ジョブやプリントエンジン30の処理特性に無関係に処理された(例えばプリントエンジン30の処理速度に非同期で処理された)圧縮済のイメージデータを受け取り保持する画像記憶部602と、画像記憶部602から圧縮済のイメージデータを読み出して、DFE装置500側の圧縮済のイメージデータを読み出して、DFE装置500側の圧縮処理部530の圧縮処理に対応する伸張処理をし、この伸張処理済のイメージデータをIOTコア部20側に送出する伸張処理部610を備える。この伸張処理部610は、画像記憶部602から読み出し伸張処理したイメージデータに対して、画像回転や用紙上の画像位置の調整、または拡大もしくは縮小等、の画像編集機能を備えている。画像記憶部602の前段には、データ受信部601が設けられ、伸張処理部610の後段には、出力側のインターフェース部650が設けられている。
また、BEP装置604は、IOTコア部20の処理性能に依存してBEP装置604の各部やIOTコア部20を制御するプリンタコントローラとして機能する印刷制御部620と、ジョブを出力する画像形成装置11を管理する出力管理部630と、を備えている。
印刷制御部620は、DFE装置500からのジョブチケットを解釈(デコード)、またはGUI部80を介したユーザ指示を受けて、プリントエンジン30や定着器70またはフィニッシャの処理特性に応じて出力形態(ページ内の画像位置、またはページ排出順や向き等)を特定する出力形態特定部622と、特定した出力形態で印刷物が出力されるように、プリントエンジン30や定着器70またはフィニッシャ等の各部を制御する制御部624とを備えている。出力形態特定部622は、クライアントが希望する出力形態に関する情報を受け付ける出力形態情報収得部としての機能を備えている。
出力管理部630は、DFE装置500から入力されたジョブ情報を取得するジョブ情報取得部632と、複数の画像形成装置11からセットアップが実施される予定時期に関する情報(セットアップ情報)を取得する出力装置情報取得部634、得られたジョブ情報とセットアップ情報とに基づいて、記録画像の画質又は生産性に対するセットアップの影響が最小となるように、複数の画像形成装置11の中から該印刷ジョブを出力する画像記録装置を特定する出力装置特定部636とを備えている。
従って、DFE装置500では、RIP処理部510にてページ記述言語からラスタライズされた(描画展開された)イメージデータは、BEP装置604側へページ順に転送される。BEP装置604は、DFE装置500から転送されたイメージデータを、一旦バッファとして機能する画像記憶部602に蓄積する。伸張処理部610は、画像記憶部602から圧縮済のイメージデータを読み出して伸張処理するとともに、クライアント端末やDFE装置500から指定された印刷ジョブに従ってページデータを組み立てたり(ページデータの再配置)、指示されたプリントエンジンへの転送準備をしたりする。そして、BEP装置604では、プリントエンジン30の処理速度に同期して制御コマンドをやり取りしながら、エンジン生産性を最大限生かす速度でページデータを所定の順にIOTコア部20に送出する。
このように、DFE装置500側は1つのジョブ(JOB)をエンジン特性に依存せずRIP処理した順にBEP装置604側へ一方的に転送すればよい。そして、BEP装置604が、印刷用にページ再配置をする等印刷ジョブやプリントエンジン30に依存した処理を担当する。
本構成では、RIP処理に関わる処理はDFE装置で行うが、RIP処理のやり直しが必要な際には、DFE装置500へ再RIP処理を要求することなく(DFE装置500とは独立に)、画像記憶部602に保持しておいたデータを再利用する。これにより、DFE装置500にての再RIP処理が不要となる。また、プリントエンジン等出力側の処理特性に適応する性能を持ちプリントエンジン30等と接続されたBEP装置604にて、出力側の処理特性に依存する処理をすることができる。
例えば、クライアントが希望する出力形態にて出力する場合において、出力側の処理特性に依存する処理を必要とする一例で、RIP処理と関わりのある再処理としては、1枚の用紙内へのページ割付(N-UP)、リピート処理、用紙サイズ合わせ、デバイス差を補正するCMS(Color Management System;カラー管理システム)、解像度変換、コントラスト調整、圧縮率指定(低/中/高)等がある。
また、出力側である画像形成装置11(例えばプリントエンジン)の処理特性に依存した処理(出力側の処理特性と関わりの強い依存処理)が必要となる場合の一例としては、画像回転(Rotation)、コレーション(Collation;帳合い)、両面印刷、スタンプ・パンチ・ステープラ等のフィニッシャ装置または用紙トレーと関わりのある位置合わせ処理(shift;画像シフト)、排出面(上下)合わせ、グレーバランスや色ズレ補正等のキャリブレーション処理、スクリーン指定処理等がある。
図4は、本実施形態のシステムの利用形態例の説明図である。図4(A)は、クライアント指示に基づく出力形態との関わりにおけるバックエンドプロセッサの処理の説明図、図4(B)は、出力側に異常が発生した場合のバックエンドプロセッサの処理の説明図である。
図4(A)の第1項目に示すように、出力形態情報取得部の機能を備えた出力形態特定部622がクライアントが希望する出力形態に関する情報として両面出力指示を示す情報を受け付けた際には、制御部624は、出力側であるプリントエンジン30や定着器70等の処理特性に依存したシーケンス順に片面イメージを順に生成してプリントエンジン30側に出力するよう、BEP装置604内の伸張処理部610を制御する。これにより、出力側の処理特性に依存したシーケンス順に両面イメージが生成されることになる。
例えば、BEP装置604は、DFE装置500を経由して指定された両面排出指示(クライアントの指示)を元に、プリントエンジン30側のベルトに載るシーケンス順にイメージをプリントエンジン30へ出力する。より具体的には、DFE装置500は、1枚目表(P1T)→1枚目裏(P1B)→2枚目表(P2T)→2枚目裏(P2B)→3枚目表(P3T)→3枚目裏(P3B)→…というように順にRIP処理し、生成したイメージデータを順にBEP装置604に送出する。
これに対して、BEP装置604では、1枚目表(P1T)→2枚目表(P2T)→3枚目表(P3T)→4枚目表(P4T)→5枚目表(P5T)→1枚目裏(P1B)→6枚目表(P6T)→2枚目裏(P2B)→7枚目表(P7T)→3枚目裏(P3B)→…、というようなシーケンスが有り得る。この並び順は、装置の印刷速度に関わる処理特性によって異なる。
また、図4(A)の第2項目に示すように、DFE装置500は、ページごとに、Y(イエロ)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色成分を並行してRIP処理し、ページごとにYMCKのイメージデータをBEP装置604に送出する。この場合において、プリントエンジン30が、Y→M→C→Kの順に処理する4サイクルエンジンである場合、BEP装置604は、基本的には、(片面印刷時)、1枚目Y(イエロ)→1枚目M(マゼンタ)→1枚目C(シアン)→1枚目K(ブラック)→2枚目Y→2枚目M→2枚目C→2枚目K→…というように、処理対象ページの並替え処理をする。
また、両面印刷を組み入れる場合には、図4(A)の第3項目に示すように、DFE装置500は、ページごとに表→裏の順に、すなわち1枚目表(P1YMCKT)→1枚目裏(P1YMCKB)→2枚目表(P2YMCKT)→2枚目裏(P2YMCKB)→…の順に、イメージデータをBEP装置604に送出する。これに対応して、BEP装置604は、例えば1枚目Y表(P1YT)→1枚目M表(P1MT)→1枚目C表(P1CT)→1枚目K表(P1KT)→2枚目Y表(P2YT)→2枚目M表(P2MT)→1枚目Y裏(P1YB)→2枚目C表(P2YT)→1枚目M裏(P1MB)→2枚目K表(P2KT)→…、という順に並び替えて処理する。
このように、DFE装置500側に影響を与えることなく(DFE装置500に負荷を与えることなく)、出力側の処理特性(プリントエンジンの構成形態も含む)に応じて、BEP装置604側で、その装置に適合したシーケンス順にイメージ形成を制御することができる。
また、図4(A)の第4項目に示すように、出力形態情報取得部の機能を備えた出力形態特定部622がクライアントが希望する出力形態に関する情報としてコレーションに関わる指示を示す情報を受け付けた際には、制御部624は、出力側(画像記録部)の処理特性に依存した排出面に応じてコレーションの処理をするよう、BEP装置604内の伸張処理部610を制御する。これにより、出力側の排出処理特性に依存することなく、クライアントが希望する向きで印刷物を排出することができる。
例えば、排出面指示として、上向きFU(FACE up)及び下向きFD(FACE down)の何れか一方を選択指示が可能な場合、下向きFD時に出来上がりがページ順になっているためには、普通通りジョブの最初のページから出力すればよい。しかし、上向きFU時に出来上がりがページ順になっているためには、ジョブの最後ページから出力(処理対象ページの並替え)が必要となる。本実施形態のBEP装置604は、画像記憶部602から所望のページを読み出して処理できるので、BEP装置604は、DFE装置500側に影響を与えることなく(DFE装置500に負荷を与えることなく)、画像記憶部602からページを並び替えて読み出して伸張処理してプリントエンジン30へ出力することができる。
また、図4(A)の第5項目に示すように、出力形態情報取得部の機能を備えた出力形態特定部622がクライアントが希望する出力形態に関する情報として閉じ位置に関わる指示を示す情報を受け付けた際には、制御部624は、出力側(画像記録部)の処理特性に依存した閉じ位置調整をするよう、バックエンドプロセッサBEP600内の伸張処理部610を制御する。
従って、スタンプ、ステープラ、またはパンチ穴等のフィニッシャ装置(オプション)が付いた場合にも、DFE装置500側に影響を与えることなく(DFE装置500に負荷を与えることなく)、それらの押される場所に応じて、BEP装置604で画像回転(ローテーション)や位置ずらし(シフト)等の画像編集処理をして、プリントエンジン30側へ位置調整されたイメージデータを送出することができる。
なお、用紙上の画像位置を合わせると、その移動量によっては、元画像の一部が用紙からはみ出したり、はみ出さないものの印字されない部分(いわゆる像欠け)が生じることがある。このような場合、画像サイズを少し縮小(サイズ整合処理)し、この縮小済みのイメージデータをプリントエンジン30側に送出するようにしてもよい。なお、縮小は、位置ずらしに起因する縦/横の必要な方向に対してのみ施してもよい(独立縮小)。
また、図4(B)に示すように、印刷ジョブの処理過程において出力詰まり現象が生じた際には、制御部624は、出力側(画像記録部)の処理特性に依存した出力詰まりに対するリカバリ処理をするよう、バックエンドプロセッサ内の各機能部分を制御する。
例えば、IOTモジュール12や出力モジュール17側で印刷用紙の詰まり(紙詰まり)や電源オフ等によりイメージが排出できなかった場合、BEP装置604は、画像記憶部602から未出力の所望のページ(未処理ページ)を読み出してプリントエンジン30側に送出させる。これにより、DFE装置500側に影響を与えることなく(DFE装置500に負荷を与えることなく)、BEP装置604側だけでリカバリ処理を実現することができる。
なお、BEP装置によりプルーファを構成する場合、高速高機能の画像形成装置11によるダイレクト印刷に先立って、DTPデータから直接カラー校正用プリントの出力を例えばプリンタプルーファ720にて行うDDCP(Digital Direct Color Proofing)システムを構築することができる。このシステムで、BEP装置は、印刷ジョブとしてプルーフデータを受け取るとプルーフィングに適したデータ形式(例えば低ビデオレート等)の画像データをプルーファに出力してカラー校正用プリント出力を指令する一方、通常の印刷ジョブを受け取ると、高速高性能マシンに高ビデオレートの画像データを出力して高速高機能の印刷指示を出力する。この場合、高速高機能マシンとプルーファまたは縦連接続された機種との間の異なるカラー出力の微妙な差異(デバイス差)を補正するCMS(Color Management System;カラー管理システム)を搭載することが望ましい。
次に、本実施形態の画像形成システムの出力管理動作について説明する。
このシステムの画像形成装置11(出力機730、高速プリンター740,742)の各々は、画質を安定に維持するためにセットアップを所定の出力枚数毎(例えば、1000枚毎)に実施している。なお、本実施形態では、セットアップを所定の出力枚数毎に実施する例について説明するが、所定時間毎にセットアップを実施してもよい。
以下、図6を参照して、所定の画像形成装置にジョブの出力を指示するための処理ルーチンについて説明する。この処理ルーチンは、出力管理部630の出力装置特定部636で実行される。
DFE装置500のRIP処理部510のPDLデータの読み出しと同期して、その旨を通知する信号がBEP装置604のジョブ情報取得部632に入力される。ジョブ情報取得部632は、その信号を受け取ると、データ格納部502からセットアップの実施時期を判断するために必要なジョブ情報を読み出し、順次格納する。このようなジョブ情報としては、出力枚数、画像密度、オブジェクト(写真画像や文字画像)、スクリーン、用紙の種類、ソート単位等がある。
また、各々の画像形成装置11のIOTコア部20は、セットアップの時期が近付くと、セットアップが実施される予定時期に関する情報(セットアップ情報)をBEP装置604に通知する。通知されたセットアップ情報は、出力装置情報取得部634に順次格納される。例えば、300枚出力した後に次回のセットアップの実施が予定されている場合は、300枚出力時が「予定時期」である。
ステップ100で、ジョブ情報取得部632にジョブ情報が入力されたと判断されると、ステップ102で、ジョブ情報取得部632からジョブ情報を読み出す。一方、ステップ104で、出力装置情報取得部634からこのシステムに接続された画像形成装置各々のセットアップ情報を読み出す。
次に、ステップ106で、ジョブ情報に含まれる出力枚数に関する情報とセットアップ情報とから、ジョブの実行中にセットアップの予定時期が到来しない画像形成装置があるか否か、すなわち、セットアップを行わずにジョブを出力可能な画像形成装置があるか否かを判断する。
例えば、出力機730の「予定時期」が300枚後、高速プリンター740の「予定時期」が600枚後、高速プリンター742の「予定時期」が1000枚後であり、ジョブの総出力枚数が500枚である場合は、高速プリンター740、742の2台についてはジョブの実行中に予定時期は到来しない。従って、セットアップを行わずにジョブを出力可能である。
セットアップを行わずにジョブを出力可能な画像形成装置がある場合は、ステップ108で、このような画像形成装置が複数あるか否かを判断する。1台しか無い場合は、ステップ126で、この画像形成装置が出力装置と特定され、ステップ128で、特定された画像形成装置からジョブを出力するように印刷制御部620に指示して、ルーチンを終了する。
一方、上記の例のように、セットアップを行わずにジョブを出力可能な画像形成装置が複数あると判断されると、ステップ110で、ジョブを分割するか否かを判断する。ジョブを分割するか否かは、同一ジョブ中に複数のオブジェクト種(例えば、文字文書と写真画像)が混在する場合は分割するというように、予め指定された条件に基づいて判断することができる。また、GUI部80に「ジョブを分割しますか?」等のメッセージを表示して、ユーザに判断させてもよい。
セットアップを行わずにジョブを出力可能な画像形成装置がある場合のジョブの分割は、装置のプロセススピードに影響を与える用紙種や、画像の種類(例えば、白黒とカラー 、文字文書と写真画像、スクリーン)などのジョブ情報に応じて行うことができる。
ジョブを分割すると判断した場合は、ステップ112で、分割されたジョブ毎に出力装置が特定され、ステップ114で、特定された複数の画像形成装置からジョブを分割して出力するように印刷制御部620に指示して、ルーチンを終了する。一方、ジョブを分割しない場合は、ステップ126で、何れかの画像形成装置が出力装置と特定され、ステップ128で、特定された画像形成装置からジョブを出力するように印刷制御部620に指示して、ルーチンを終了する。
ステップ106で、セットアップを行わずにジョブを出力可能な画像形成装置が無いと判断されると、ステップ116で、ジョブの分割によりセットアップが回避されるか否かを判断する。セットアップが回避されると判断されると、ステップ118で、分割されたジョブ毎に出力装置が特定され、ステップ120で、特定された複数の画像形成装置からジョブを分割して出力するように印刷制御部620に指示して、ルーチンを終了する。
例えば、出力機730の「予定時期」が300枚後、高速プリンター740の「予定時期」が200枚後、高速プリンター742の「予定時期」が200枚後であり、ジョブの総出力枚数が400枚である場合は、ジョブを2分割し、高速プリンター740、742の各々から200枚ずつ出力すれば、ジョブの実行中に予定時期は到来しない。従って、セットアップを行わずにジョブを出力可能である。
セットアップを行わずにジョブを出力可能な画像形成装置が無い場合のジョブの分割は、セットアップの実施時期や実施回数が少なくなるように行う。また、用紙種や画像の種類などのジョブ情報を考慮してもよい。
ステップ116で、ジョブの分割によってもセットアップが回避できないと判断されると、ステップ122で、ジョブの実行中に実施されるセットアップの回数が最小となる画像形成装置が出力装置と特定され、ステップ124で、特定された画像形成装置からジョブを出力するように印刷制御部620に指示して、ルーチンを終了する。
以上説明した通り、ジョブの実行中にセットアップが実施されない画像形成装置がある場合には、その装置を選択して出力することで、ジョブが途中で中断されることがなく、同一ジョブ内で出力画像の画質(例えば、色味)が変化するのを防止することができ、連続した画像形成が可能である。また、予定時期を超えてセットアップの実施が延期されないので、画像形成性能の低下により出力画像に不具合が発生することもない。
また、ジョブの実行中にセットアップが実施されない画像形成装置が無い場合でも、ジョブを分割して複数の画像形成装置から出力することにより、ジョブの実行中にセットアップが実施されるのを回避することができる。
更に、ジョブの途中でセットアップを実施する場合でも、ジョブの実行中に実施されるセットアップの回数が最小となる画像形成装置を選択して出力することで、セットアップによる生産性の低下を抑制し、安定した画質を得ることができる。
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、上記ではプリンタコントローラとして機能するBEP装置が出力管理部を備える実施の形態について説明したが、本発明は画像形成装置のセットアップの時期を考慮してジョブを出力する画像形成装置を特定する点に特徴があり、RIP処理機能とプリンタコントローラとしての機能とを兼ね備えた従来のDFE装置にも適用することができる。
また、上記の実施形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組合せにより種々の発明を抽出できる。実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
なお、圧縮/伸張の処理に際しては、線画や文字等主に2値で表される画像オブジェクト(線画文字オブジェクトLW(Line Work))と背景部や写真部等主に多階調で表される画像オブジェクト(多階調画像オブジェクトCT(Continuous Tone))等、画像オブジェクトの特性に応じて、適応した処理とすることもできる。
本実施の形態に係る画像形成システムの全体構成を示す概略図である。 画像形成システムの一実施形態を示す図である。 DFE装置およびBEP装置の一実施形態を示すブロック図である。 上記実施形態に関わるシステム利用形態の説明図である。 従来の画像形成システムの概略を示す図である。 所定の画像形成装置にジョブの出力を指示するための処理ルーチンを示すフローチャートである。
符号の説明
LAN…高速
11…画像形成装置
400…クライアント端末
500…DFE装置
600…BEP装置
700…CTP装置
710…プレス装置
720…プリンタプルーファ
730…出力機
740…高速プリンター
750…大型出力機

Claims (6)

  1. 画質を安定に維持するためにセットアップを実施すると共に画像を記録媒体上に記録する複数の画像記録装置の各々から、前記セットアップが実施される予定時期に関する情報を取得する出力装置情報取得部と、
    印刷ジョブに含まれるセットアップの必要性を判断するためのジョブ情報を取得するジョブ情報取得部と、
    前記ジョブ情報と前記予定時期に関する情報とに基づいて、印刷ジョブの実行中にセットアップが実施されない画像記録装置があるか否かを判断し、セットアップが実施されない画像記録装置があると判断された場合には印刷ジョブの実行中にセットアップが実施されない画像記録装置の中から該印刷ジョブを出力する画像記録装置を特定し、セットアップが実施されない画像記録装置がないと判断された場合には印刷ジョブの実行中に実施されるセットアップの回数が最小となる画像記録装置の中から該印刷ジョブを出力する画像記録装置を特定する出力装置特定部と、
    を備えた出力管理装置。
  2. 前記ジョブ情報は、出力枚数、画像密度、オブジェクト、スクリーン、用紙の種類、及びソート単位からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1に記載の出力管理装置。
  3. 前記出力装置特定部は、印刷ジョブの実行中にセットアップが実施されないように、印刷ジョブを分割すると共に、複数の画像記録装置の中から分割されたジョブの各々を出力する2以上の画像記録装置を特定する請求項1又は請求項2に記載の出力管理装置。
  4. 前記出力装置特定部は、セットアップを行わずに印刷ジョブを実施可能な画像記録装置がないときには、前記印刷ジョブの分割によりセットアップが回避されるか否かを判断し、セットアップが回避されると判断した場合には印刷ジョブを分割して分割された印刷ジョブ毎に画像記録装置を特定し、ジョブの分割によってもセットアップが回避できないと判断した場合には印刷ジョブを分割して印刷ジョブの実行中に実施されるセットアップの回数が最小となる画像記録装置を特定する請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の出力管理装置。
  5. 印刷ジョブを処理して各ページのイメージデータを生成するイメージデータ生成装置を備えたフロントエンドプロセッサと、画質を安定に維持するためにセットアップを実施すると共に画像を記録媒体上に記録する複数の画像記録装置との間に設置される画像形成支援装置であって、
    前記複数の画像記録装置の各々から、前記セットアップが実施される予定時期に関する情報を取得する出力装置情報取得部と、
    印刷ジョブに含まれるセットアップの必要性を判断するためのジョブ情報を取得するジョブ情報取得部と、
    前記ジョブ情報と前記予定時期に関する情報とに基づいて、印刷ジョブの実行中にセットアップが実施されない画像記録装置があるか否かを判断し、セットアップが実施されない画像記録装置があると判断された場合には印刷ジョブの実行中にセットアップが実施されない画像記録装置の中から該印刷ジョブを出力する画像記録装置を特定し、セットアップが実施されない画像記録装置がないと判断された場合には印刷ジョブの実行中に実施されるセットアップの回数が最小となる画像記録装置の中から該印刷ジョブを出力する画像記録装置を特定する出力装置特定部と、
    を備えた画像形成支援装置。
  6. 画質を安定に維持するためにセットアップを実施すると共に画像を記録媒体上に記録する複数の画像記録装置と、印刷ジョブを処理して各ページのイメージデータを生成するイメージデータ生成装置を備えたフロントエンドプロセッサと、該フロントエンドプロセッサと前記複数の画像記録装置との間に設置され、前記フロントエンドプロセッサからの各ページのイメージデータを受け取り所定の画像記録装置へ送出して該画像記録装置を制御する画像形成支援装置と、で構成された画像形成システムであって、
    前記画像形成支援装置が、
    前記複数の画像記録装置の各々から、前記セットアップが実施される予定時期に関する情報を取得する出力装置情報取得部と、
    印刷ジョブに含まれるセットアップの必要性を判断するためのジョブ情報を取得するジョブ情報取得部と、
    前記ジョブ情報と前記予定時期に関する情報とに基づいて、印刷ジョブの実行中にセットアップが実施されない画像記録装置があるか否かを判断し、セットアップが実施されない画像記録装置があると判断された場合には印刷ジョブの実行中にセットアップが実施されない画像記録装置の中から該印刷ジョブを出力する画像記録装置を特定し、セットアップが実施されない画像記録装置がないと判断された場合には印刷ジョブの実行中に実施されるセットアップの回数が最小となる画像記録装置の中から該印刷ジョブを出力する画像記録装置を特定する出力装置特定部と、
    を備えた画像形成システム。
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