JP4178554B2 - 燃料噴射弁 - Google Patents
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Description
これにより、可動コアまたは固定コアに孔部の加工をすることなく、可動コアまたは固定コアの径方向外側に燃料通路が形成される。また、請求項1記載の発明では、コイル部は収容部材の断面と相似形状に巻かれているコイルを有している。そのため、コイルを設置するための容積が低減され、体格の大型化を招くことがない。したがって、簡単な構造で燃料通路を形成することができ、燃料への異物の混入を低減することができる。
ところで、コイル部は、通電することにより発熱する。コイル部の温度が上昇すると、抵抗が増大し、固定コアと可動コアとの間の磁気吸引力が低下する。そのため、コイル部への通電に対する弁部材の作動応答性が低下する。これに対して、請求項3記載の発明では、上述のようにコイル部を燃料通路と接近して配置することができるので、燃料通路を流れる燃料によってコイル部を冷却することができる。
(第1参考例)
本発明の第1参考例による燃料噴射弁(以下、燃料噴射弁を「インジェクタ」という。)を図2に示す。第1参考例によるインジェクタ10は、例えばガソリンエンジンの燃焼室に吸入される吸気に燃料を噴射する。なお、インジェクタは、ガソリンエンジンの燃焼室に直接燃料を噴射する直噴式のガソリンエンジンあるいはディーゼルエンジンに適用してもよい。
駆動部30の固定コア40および可動コア50は、収容パイプ11の内側に設置されている。固定コア40は、収容パイプ11の内側に固定されている。一方、可動コア50は、一体のニードル24とともに収容パイプ11の内側を軸方向へ往復移動可能に設置されている。図1(A)および図1(B)に示すように、収容パイプ11は、固定コア40および可動コア50が設置されている部分において、軸に垂直な断面が概ね正六角形である。すなわち、図3に示すように、収容パイプ11は、軸方向の途中に断面が正六角形の多角部17を有している。なお、収容パイプ11は、軸方向の両端部の間をすべて多角形状に形成してもよい。この場合、収容パイプ11の内周側に設置される弁ボディ20、および収容パイプ11の外周側に設置されるホルダ33などは、多角形状の収容パイプ11の外形にあわせた形状に成形される。
コイル31への通電が停止されているとき、固定コア40と可動コア50との間には磁気吸引力が発生しない。そのため、可動コア50はスプリング39の押し付け力によって固定コア40とは反対側に移動するとともに、可動コア50と一体のニードル24も固定コア40とは反対側へ移動している。その結果、コイル31への通電が停止されているとき、ニードル24のシール部25は弁座21に着座している。したがって、燃料は噴孔23から噴射されない。
本発明の第2参考例によるインジェクタを図4に示す。なお、第1参考例と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。また、第2参考例では、収容パイプ11の固定コア40に対応する断面について説明する。
第2参考例では、収容パイプ11の多角部17の断面形状が第1参考例と異なる。図4(A)に示すように、収容パイプ11は多角部17の断面形状が正方形であってもよい。また、図4(B)に示すように、収容パイプ11は多角部17の断面形状が正五角形であってもよい。さらに、図4(C)に示すように、収容パイプ11は多角部17の断面形状が正八角形でもよい。図4(A)、図4(B)および図4(C)に例示したように、多角部17の断面形状は多角形であれば角数に関わらず適用することができる。
なお、第2実施形態では、収容パイプ11の固定コア40に対応する断面について説明した。しかし、可動コア50に対応する断面についても同様に収容パイプ11の多角部17の画数を変更することができる。
本発明の第3参考例によるインジェクタを図5に示す。なお、第1参考例と実施的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。また、第3参考例では、収容パイプ11の固定コア40に対応する断面について説明する。
第3参考例では、収容パイプ11は図5に示すように多角部に代えて楕円部18を有している。固定コア40および可動コア50と収容パイプ11とは、断面の形状が異なっていれば、固定コア40および可動コア50の外周側に燃料通路42および燃料通路52を形成することができる。第3参考例では、固定コア40が真円形状の断面であるのに対し、収容パイプ11は楕円形状の断面である。
なお、第3参考例では、収容パイプ11の固定コア40に対応する断面について説明した。しかし、可動コア50に対応する断面についても同様に収容パイプ11の断面形状を楕円形にすることができる。
本発明の第1実施形態によるインジェクタを図6に示す。なお、第1参考例と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。また、第1実施形態では、第1〜第3参考例によるインジェクタがそれぞれさらに有する収容パイプ11の固定コア40に対応する断面について説明する。
第1実施形態では、収容パイプ11の外周側に設置されているコイル31は図6に示すように収容パイプ11の断面と相似形状に巻かれている。コイル31を収容パイプ11の断面形状と相似形状に巻くことにより、コイル31を設置するために必要な容積が低減される。したがって、駆動部30を小型化することができ、インジェクタ10の体格の増加を抑制することができる。
本発明の複数の実施形態では、一体の可動コア50およびニードル24の軸方向への移動は、上述のように可動コア50の外周面50aと収容パイプ11の多角部17における内壁面17aとの接触によって案内する例について説明した。そのため、弁ボディ20には、ニードル24の移動を案内するガイド部を設置していない。しかし、弁ボディ20には、ニードル24の移動を案内するガイド部を設置してもよい。この場合、燃料通路52から燃料通路26への燃料の流れを確保するため、弁ボディ20には周方向へ不連続にガイド部を設置すればよい。
さらに、複数の実施形態では、固定コア40および可動コア50の双方の外周側に燃料通路42および燃料通路52を設置する例について説明した。しかし、固定コア40または可動コア50のいずれか一方の外周側にのみ、燃料通路を設置する構成としてもよい。この場合、固定コア40または可動コア50のいずれか他方に、内部または外部に燃料通路を形成する孔部や溝部が形成される。可動コア50の外周側にのみ燃料通路52を形成する場合、固定コア40はより緊密に収容パイプ11に固定される。一方、固定コア40の外周側にのみ燃料通路42を形成する場合、可動コア50はより精密に収容パイプ11に案内される。また、収容パイプ11の断面形状は、固定コア40に対応する位置と可動コア50に対応する位置とで異なるものとしてもよい。
Claims (4)
- 噴孔に流入する燃料の流れを断続する弁部材と、
軸方向の一方の端部側に前記噴孔が設置され、前記弁部材を収容し、軸に垂直な断面が多角形状である収容部材と、
前記収容部材の断面と相似形状に巻かれているコイルを有するコイル部と、
前記弁部材の前記噴孔とは反対側の端部に設置され、前記弁部材と一体に前記収容部材の内周側を軸方向へ往復移動する可動コアと、
前記収容部材の内部に前記可動コアの前記噴孔とは反対側の端部と対向して設置され、前記コイル部が通電されたとき、前記可動コアとの間に磁気吸引力を発生する固定コアとを備え、
前記可動コアまたは前記固定コアの軸に垂直な断面が真円形状であり、前記可動コアまたは前記固定コアの少なくともいずれか一方の外周面と前記収容部材の内周面との間に燃料通路を形成したことを特徴とする燃料噴射弁。 - 噴孔に流入する燃料の流れを断続する弁部材と、
軸方向の一方の端部側に前記噴孔が設置され、前記弁部材を収容し、軸に垂直な断面が楕円形状である収容部材と、
前記収容部材の断面と相似形状に巻かれているコイルを有するコイル部と、
前記弁部材の前記噴孔とは反対側の端部に設置され、前記弁部材と一体に前記収容部材の内周側を軸方向へ往復移動する可動コアと、
前記収容部材の内部に前記可動コアの前記噴孔とは反対側の端部と対向して設置され、前記コイル部が通電されたとき、前記可動コアとの間に磁気吸引力を発生する固定コアとを備え、
前記可動コアまたは前記固定コアの軸に垂直な断面が真円形状であり、前記可動コアまたは前記固定コアの少なくともいずれか一方の外周面と前記収容部材の内周面との間に燃料通路を形成したことを特徴とする燃料噴射弁。 - 前記コイル部は、前記収容部材を挟んで前記燃料通路の径方向外側に設置されていることを特徴とする請求項1または2記載の燃料噴射弁。
- 前記可動コアおよび前記固定コアの外周面と前記収容部材の内周面との間に前記燃料通路を形成したことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の燃料噴射弁。
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