JP4177694B2 - 蒸気弁 - Google Patents
蒸気弁 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4177694B2 JP4177694B2 JP2003096780A JP2003096780A JP4177694B2 JP 4177694 B2 JP4177694 B2 JP 4177694B2 JP 2003096780 A JP2003096780 A JP 2003096780A JP 2003096780 A JP2003096780 A JP 2003096780A JP 4177694 B2 JP4177694 B2 JP 4177694B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- valve
- steam
- strainer
- casing
- main steam
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Control Of Turbines (AREA)
- Details Of Valves (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、蒸気タービンプラントに適用される蒸気弁に係り、特に主蒸気止め弁と蒸気制御弁(蒸気加減弁)を組み合せた蒸気弁の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、蒸気タービンプラントでは、発電機からより多くの負荷(出力)を発生させるため、タービンロータに高圧蒸気タービン、中圧蒸気タービンおよび低圧蒸気タービンを軸直結させた、いわゆる3ケーシングの軸流形式のものが多い。
【0003】
この3ケーシング、軸流形式の蒸気タービンプラントは、高圧蒸気タービン、中圧蒸気タービン、低圧蒸気タービンの各タービンケーシング内にタービンノズルとタービン動翼とを組み合せたタービン段落をタービンロータの軸方向に沿って複数段落を収容し、ボイラからの蒸気を高圧蒸気タービンのタービン段落で膨張仕事をさせ、膨張仕事を終えた蒸気をボイラの再熱器で再熱させ、その再熱蒸気を中圧蒸気タービンを経て低圧蒸気タービンに供給し、それぞれの蒸気タービンのタービン段落で膨張仕事をさせて発電機を駆動し、膨張仕事を終えた蒸気を復水器で凝縮させて復水にし、その復水を給水加熱器で再生させて給水にし、その給水を再びボイラに戻す構成にしている。
【0004】
また、蒸気タービンプラントには、機能、用途に応じて大小口径の異なる弁装置が数多く設けられている。
【0005】
これら弁装置の中で、特に、例えば、ボイラと高圧蒸気タービンとの間に設けられた主蒸気止め弁と蒸気制御弁(蒸気加減弁)とは、圧力16.6MPa〜24.1MPa、温度538℃〜566℃の超高圧、超高温の蒸気を取扱う関係上、耐圧構造の超大形の弁装置になっている。
【0006】
ここで、例えば、主蒸気止め弁は、起動運転時、蒸気を高圧蒸気タービンに逸速く供給し、負荷遮断時、急閉するON−OFFタイプである。また、例えば、蒸気制御弁(蒸気加減弁)は、負荷の需要に応じて弁体を任意の弁開度で開口させて流量制御を行わせ、負荷遮断時、弁体を急速閉鎖させるコントロール弁タイプである。
【0007】
従来、これら主蒸気止め弁および蒸気制御弁(蒸気加減弁)は、高圧蒸気タービン入口前の別々の位置に設置されていたが、何分にも超大形であるが故に広い設置面積の確保が必要とされていた。
【0008】
しかし、最近では、主蒸気止め弁と蒸気制御弁(蒸気加減弁)とを組み合せて一つの弁ケーシングに収容し、設置面積を少なくしてコンパクト化した、いわゆる組合せによる蒸気弁が実現しており、その構成として図11〜図13に示すものがある。
【0009】
なお、図11は、主蒸気止め弁と蒸気制御弁(蒸気加減弁)とを一つの弁ケーシングに収容した従来の蒸気弁を示す概念図であり、図12は主蒸気止め弁と蒸気制御弁(蒸気加減弁)とを一つの弁ケーシングに収容した従来の蒸気弁の主蒸気の流れを示す図であり、図13は、図11のA−A矢視切断断面図である。
【0010】
例えば、主蒸気止め弁と、例えば、蒸気制御弁(蒸気加減弁)とを組み合せた蒸気弁1は、主蒸気止め弁に相当する第1弁装置2を主蒸気上流側に配置し、蒸気制御弁(蒸気加減弁)に相当する第2弁装置3を主蒸気下流側に配置するとともに、第1弁装置2と第2弁装置3とを一つの弁ケーシング4に収容させたものである。
【0011】
第1弁装置2は、弁ケーシング4に第1主蒸気入口5と、第2弁装置3の第2主蒸気入口7に連通する第1主蒸気出口6とを備えるとともに、内部に酸化スケール等の不純物を除去するストレーナ8を収容している。
【0012】
また、第1弁装置2は、第1主蒸気出口6側に設けた第1弁座9に自在に接離させる第1弁体10と、第1弁棒11を介して第1弁体10を進退駆動させる第1駆動装置12とを備えている。
【0013】
一方、第2弁装置3は、弁ケーシング4の下流側に設けた第2主蒸気出口13と、この第2主蒸気出口13側に設けた第2弁座14に自在に接離させるとともに、スリーブ15を摺動する第2弁体16と、第2弁棒17を介して第2弁体16を進退駆動する第2駆動装置17とを備えている。
【0014】
このような構成を備えた蒸気弁1において、第1主蒸気入口5から弁ケーシング4に供給された主蒸気は、図11および図13に示すように、複数の微細な孔を備えたストレーナ8の外側から内側に向って通過するとき、酸化スケール等の不純物を取り除いた後、第1弁棒11に沿って流れ、さらに第2弁装置3の第2主蒸気出口13を介して高圧蒸気タービンに供給される。
【0015】
そして、このような構成の蒸気弁1は、一つの弁ケーシング4に第1弁装置2と第2弁装置3とを収容させているから、全体構造をコンパクト化することができる。また、蒸気弁1は、第1弁装置2に非常時、主蒸気を瞬時に遮断させる機能を持たせ、第2弁装置3に流量制御させる機能をそれぞれ持たせているから、起動運転時、定格負荷運転時、部分負荷運転時、緊急遮断運転時のいずれの運転でも迅速に対処することができる。
【0016】
なお、主蒸気止め弁と蒸気制御弁(蒸気加減弁)とを組み合せて一つの弁ケーシングに収容した蒸気弁には、例えば、特開2002−97903号公報(特許公報1参照)等が開示されている。
【0017】
【特許公報1】
特開2002−97903号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、主蒸気止め弁と、例えば、蒸気制御弁(蒸気加減弁)とを組み合せた蒸気弁1は、上述のとおり、数多くの利点を持っている反面、幾つかの問題を抱えており、その一つに圧力損失の低減化がある。
【0019】
図11〜図13で示した従来の蒸気弁1は、第1弁装置2の主蒸気通路と第2弁装置3の主蒸気通路と2箇所以上の鋭角的な曲りを備えているため、偏流による二次流れが発生し、この二次流れの速度欠損部分に別の主蒸気が流れ込み、第2弁装置3を出るときに旋回流れが発生し、この旋回流れのために圧力損失をより大きくしていた。
【0020】
この旋回流れに基づく圧力損失は、数値流体解析やテスト等のデータからも確認されている。
【0021】
また、この種の組合せ蒸気弁は、第1主蒸気入口5から供給された主蒸気がストレーナ8の入口側で2分されてその面上を通過するが、ストレーナ8の出口側で二つの蒸気噴流が合流して衝突するため、大きな混合損失が生じることがわかった。
【0022】
また、ストレーナ8を通過する主蒸気は、順次、ストレーナ8に設けられた多孔を通過してゆくため、その内部の軸方向速度成分が誘起し、強い二次流れが生じていることがわかった。
【0023】
このように従来の組合せ蒸気弁は、二次流れ、混合損失等が要因となって、圧力損失を低く抑えることが難しくなっていた。
【0024】
一般に、蒸気弁1の圧力損失は、1%低減化させると、蒸気タービンプラントのヒートレートが0.1%以上向上すると言われており(ターボ機械第30巻第7号)、プラント熱効率の向上の点から、蒸気弁の圧力損失低減化が軽視できない重要な課題になっている。
【0025】
本発明は、このような背景技術に照らしてなされたもので、弁ケーシング内に収容するストレーナにおける主蒸気流れを効果的に制御することにより、より一層の圧力損失の低減化を図る蒸気弁を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る蒸気弁は、上述の目的を達成するために、請求項1に記載したように、弁座、弁体、弁棒、駆動装置で構成する第1弁装置と、弁座、弁体、弁棒、駆動装置で構成する第2弁装置とを組み合せて一つの弁ケーシングに収容する蒸気弁において、前記弁ケーシング内に収容され、前記第1弁装置の弁体を包囲するストレーナに、その外側から内側に向って流れる主蒸気の流れの一部を阻止する遮蔽板を備えるとともに、前記遮蔽板から分流して廻り込んで来る二つの主蒸気の衝突を防止する隔壁を前記弁ケーシングとの間に備えたものである。
【0029】
また、本発明に係る蒸気弁は、上述の目的を達成するために、請求項1に記載したように、弁座、弁体、弁棒、駆動装置で構成する第1弁装置と、弁座、弁体、弁棒、駆動装置で構成する第2弁装置とを組み合せて一つの弁ケーシングに収容する蒸気弁において、前記弁ケーシング内に収容され、前記第1弁装置の弁体を包囲するストレーナに、その外側から内側に向って流れる主蒸気の流れの一部を阻止する遮蔽板を備えるとともに、前記遮蔽板から分流して廻り込んで来る二つの主蒸気の衝突を防止する隔壁を前記弁ケーシングとの間に備えたものである。
【0030】
また、本発明に係る蒸気弁は、上述の目的を達成するために、請求項2に記載したように、遮蔽板は、ストレーナの外側で、かつ、主蒸気入口に臨む位置に配置したものである。
【0031】
また、本発明に係る蒸気弁は、上述の目的を達成するために、請求項3に記載したように、主蒸気剥離域を発生させる案内板は、遮蔽板は、ストレーナの内側で、かつ主蒸気入口に臨む位置に配置したものである。
【0032】
また、本発明に係る蒸気弁は、上述の目的を達成するために、請求項4に記載したように、弁座、弁体、弁棒、駆動装置で構成する第1弁装置と、弁座、弁体、弁棒、駆動装置で構成する第2弁装置とを組み合せて一つの弁ケーシングに収容する蒸気弁において、前記弁ケーシング内に収容され、前記第1弁装置の弁体を包囲するストレーナに、その外側から内側に向って流れる主蒸気の流れの一部を阻止する閉鎖部を備えるとともに、この閉鎖部を備えた前記ストレーナの下流側であって、前記弁ケーシングを拡開状に形成して圧力回復室を備えたものである。
【0036】
また、本発明に係る蒸気弁は、上述の目的を達成するために、請求項5に記載したように、弁座、弁体、弁棒、駆動装置で構成する第1弁装置と、弁座、弁体、弁棒、駆動装置で構成する第2弁装置とを組み合せて一つの弁ケーシングに収容する蒸気弁において、前記弁ケーシング内に収容され、前記第1弁装置の弁体を包囲するストレーナに、その外側から内側に向って流れる主蒸気の流れの一部を阻止する閉鎖部を備えるとともに、前記閉鎖部から分流して廻り込んで来る二つの主蒸気の衝突を防止する隔壁を前記弁ケーシングとの間に備える一方、前記弁ケーシングと前記ストレーナとの間に前記第1弁装置の弁棒の軸長方向に沿って距離を置いて棚状の流路を備えたものである。
【0037】
また、本発明に係る蒸気弁は、上述の目的を達成するために、請求項6に記載したように、棚状の流路は流路区画板で区画するものである。
【0038】
また、本発明に係る蒸気弁は、上述の目的を達成するために、請求項7に記載したように、流路区画板は、ストレーナの全周に亘って配置するものである。
【0039】
また、本発明に係る蒸気弁は、上述の目的を達成するために、請求項8に記載したように、流路区画板は、ストレーナの全周のうち、予め定められた周長部分に亘って配置するものである。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る蒸気弁の実施形態を図面および図面に付した符号を引用して説明する。
【0041】
図1は、本発明に係る蒸気弁の第1実施形態を示す概念図である。
【0042】
本実施形態に係る蒸気弁20は、例えば、主蒸気止め弁と、例えば、蒸気制御弁(蒸気加減弁)とを組み合せたもので、主蒸気止め弁に相当する第1弁装置21を上流側に配置し、蒸気制御弁(蒸気加減弁)に相当する第2弁装置22を主蒸気下流側に配置するとともに、第1弁装置21と第2弁装置22とを一つの弁ケーシング23に収容させたものである。
【0043】
第1弁装置21は、弁ケーシング23に第1主蒸気入口24と、第2弁装置22の第2主蒸気入口26に連通する第1主蒸気出口25とを備えるとともに、内部に酸化スケール等の不純物を除去するストレーナ27を収容している。
【0044】
また、第1弁装置21は、第1主蒸気出口25側に設けた第1弁座28に自在に接離させる第1弁体29と、第1弁棒30を介して第1弁体29を進退駆動させる第1駆動装置31とを備えている。ここで、第1弁体29を進退駆動させる第1駆動装置31を、第1主蒸気入口24の軸線と交差する方向で、かつ弁ケーシング23の外側に設けたのは、弁ケーシング23内の主蒸気が流れる通路をより広く確保させ、主蒸気の圧力損失を少なくさせるためである。
【0045】
一方、第2弁装置22は、弁ケーシング23の下流側に設けた第2主蒸気出口32と、この第2主蒸気出口32側に設けた第2弁座33に自在に接離させるとともに、スリーブ34を摺動する第2弁体35と、第2弁棒36を介して第2弁体35を進退駆動する第2駆動装置37とを備えている。
【0046】
他方、弁ケーシング23に収容する第1弁装置21のストレーナ27は、図2に示すように、例えば円筒等の筒体38の筒壁39に、主蒸気を外側から内側に案内する微細な透口40を第1弁棒30の軸長方向に沿って形成するとともに、筒壁39の一部、例えば、第1弁装置21の第1主蒸気入口24に臨む側の位置に、主蒸気の流れを塞ぐ閉鎖部41を第1弁棒30の軸長方向に沿って設けている。
【0047】
また、ストレーナ27は、閉鎖部41から分流されて廻り込んでくる二つの主蒸気の流れの衝突による混合損失を防止し、主蒸気の流れを転流させる隔壁42を弁ケーシング23との間で、かつ第1弁棒30の軸長方向に沿って設けるとともに、隔壁42を、第1主蒸気入口24と反対側の位置に設けている。
【0048】
このような構成を備える蒸気弁20において、ストレーナ27に設けた隔壁42と主蒸気の圧力損失との関係を図10を用いて説明する。なお、図10は、「隔壁がある場合」と「隔壁がない場合」とのバルブ(第1弁体29に相当)開度増減に対する圧力損失の変化を示す圧力損失線図である。
【0049】
ストレーナ27は、図2に示すように、第1主蒸気入口24と反対側の位置に隔壁42を設けると、「隔壁がない場合」に較べて図10に示すように、バルブの全開度に亘って圧力損失が少なくなっていることが実験でわかった。
【0050】
このように、本実施形態に係る蒸気弁20は、ストレーナ27と弁ケーシング23との間で、第1主蒸気入口24と反対側の位置の第1弁棒30の軸長方向に沿って隔壁42を設け、ストレーナ27の入口側の閉鎖部41から分流して廻り込んでくる二つの主蒸気の衝突を防止する構成にしたので、二つの主蒸気の流れの衝突による混合損失を防止して圧力損失を少なくさせることができる。
【0051】
なお、本実施形態は、第1弁装置21の弁ケーシング23に収容するストレーナ27の、そのストレーナ27の第1主蒸気入口24に臨む側の筒壁39に閉鎖部41を備えるとともに、この閉鎖部41の反対側の位置の弁ケーシング23との間に隔壁42を備えたが、この例に限らず、閉鎖部41に代えて、例えば、図3に示すように、ストレーナ27の筒壁39の外周側に遮蔽板43を設けるとともに、その反対側の位置の弁ケーシング23との間に隔壁42を設けてもよく、また、例えば、図4に示すように、透口40を備えた隔壁39の内周側で、第1主蒸気入口24に臨む側に遮蔽板43を設けるとともに、その反対側の位置の弁ケーシング23との間に隔壁42を設けてもよく、さらに、例えば、図5に示すように、弁ケーシング23を、例えば釣り鐘状に形成するとともに、釣り鐘状に形成した弁ケーシング23に収容するストレーナ27の、そのストレーナ27の第1主蒸気入口24に臨む側に閉鎖部41を備える一方、その反対側の位置の弁ケーシング23を拡開状に形成する圧力回復室44にしてもよい。
【0052】
図6および図7は、本発明に係る蒸気弁の第5実施形態を示す概念図である。
【0053】
なお、図6は、本発明に係る蒸気弁の縦断面図であり、図7は、図6のC−C矢視切断断面図である。また、第1実施形態の構成要素に対応する構成要素には同一符号を付している。
【0054】
本実施形態に係る蒸気弁20は、一側に主蒸気入口45を他側の反対側で、かつ主蒸気入口45に平行配置する主蒸気出口46とをそれぞれ備えた弁ケーシング23に、複数の微細な透口40を備えた、例えば円筒状の筒体38として作製したストレーナ27と、弁座47に対し自在に接離する弁体48と、スリーブ49内を摺動し、弁体48を進退自在に駆動する弁棒50とで構成される。
【0055】
また、ストレーナ27は、主蒸気入口45に臨む側の筒壁39に閉鎖部41を備えるとともに、この閉鎖部41の反対側の位置で、弁ケーシング23との間に隔壁42を備えたものである。
【0056】
このように、本実施形態に係る蒸気弁20は、弁ケーシング23に、筒壁39に透口40を備えた円筒状の筒体38として作製したストレーナ27を収容し、このストレーナ27の主蒸気入口45に臨む側の筒壁39に閉鎖部41を備えるとともに、この閉鎖部41の反対側の位置で、弁ケーシング23との間に隔壁42を備え、閉鎖部41から分流して廻り込んでくる二つの主蒸気の衝突を防止する構成にしたので、二つの主蒸気の流れの衝突による混合損失を防止して圧力損失を少なくさせることができる。
【0057】
なお、本実施形態は、弁ケーシング23に収容するストレーナ27の、そのストレーナ27の主蒸気入口45に臨む側の筒壁39に閉鎖部41を備えるとともに、この閉鎖部41の反対側の位置で、弁ケーシング23との間に隔壁42を備えたが、この例に限らず、閉鎖部41に代えて、例えば、図8に示すように、主蒸気入口45に臨む側のストレーナ27の上流側に、例えば翼型形状の案内板51を設けてもよい。
【0058】
また、本実施形態は、図6および図7に示す第5実施形態に代えて、例えば、図9に示すように、弁ケーシング23に収容するストレーナ27の、そのストレーナ27の主蒸気入口45に臨む側の筒壁39に閉鎖部41を備えるとともに、この閉鎖部41の反対側の位置で、弁ケーシング23との間に隔壁42を備える一方、弁ケーシング23とストレーナ27との間の空間に、弁棒50の軸長方向に沿い、かつ予め定められた距離を置いて複数の流路区画板52を設け、流路区画板52によりストレーナ27の外側の全周、または全周のうち、予め定められた周長部分を棚状の流路53に区画してもよい。
【0059】
ストレーナ27の外側の全周または予め定められ周長部分を棚状の流路53に設けると、主蒸気入口45から供給された主蒸気は、半径方向速度成分(弁棒50の軸長方向の速度成分)が制限されるので、二次流れ損失を抑制することができる。
【0060】
また、棚状の流路53を形成する流路区画板52は、伝熱フィンとしての機能を果たすので、ここを通過する主蒸気と流路区画板52との間で伝熱を促進させて弁全体の均温化を図ることができ、ひいては起動時のウォーミング時間の短縮化や熱応力緩和化を図ることができ、有効である。
【0061】
【発明の効果】
以上の説明のとおり、本発明に係る蒸気弁は、弁ケーシングに収容するストレーナの、そのストレーナの主蒸気入口に臨む側に主蒸気の流入を阻止する手段を備えるとともに、主蒸気の流入を阻止する手段から分流して廻り込んでくる二つの主蒸気の衝突を防止する手段を、上述主蒸気の流入を防止する手段の反対側の位置に備えたので、二つの主蒸気の流れの衝突による混合損失を防止して圧力損失を少なくさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る蒸気弁の第1実施形態を示す概念図。
【図2】図1のB−B矢視方向から見た切断断面図。
【図3】本発明に係る蒸気弁の第2実施形態を示す概念平面図。
【図4】本発明に係る蒸気弁の第3実施形態を示す概念平面図。
【図5】本発明に係る蒸気弁の第4実施形態を示す概念平面図。
【図6】本発明に係る蒸気弁の第5実施形態を示す概念図。
【図7】図6のC−C矢視方向から見た切断断面図。
【図8】本発明に係る蒸気弁の第6実施形態を示す概念平面図。
【図9】本発明に係る蒸気弁の第7実施形態を示す平面図。
【図10】バルブの弁開度に対し、弁ケーシングに隔壁を設けた本発明と、弁ケーシングに隔壁を設けていない従来技術との圧力損失を比較する圧力損失線図。
【図11】従来の蒸気弁を示す概念図。
【図12】従来の蒸気弁において、機能、用途の異なる弁装置を組み込んだ概念図。
【図13】図11のA−A矢視方向から見た切断断面図。
【符号の説明】
1 蒸気弁
2 第1弁装置
3 第2弁装置
4 弁ケーシング
5 第1主蒸気入口
6 第1主蒸気出口
7 第2主蒸気入口
8 ストレーナ
9 第1弁座
10 第1弁体
11 第1弁棒
12 第1駆動装置
13 第2主蒸気出口
14 第2弁座
15 スリーブ
16 第2弁体
17 第2弁棒
18 第2駆動装置
20 蒸気弁
21 第1弁装置
22 第2弁装置
23 弁ケーシング
24 第1主蒸気入口
25 第1主蒸気出口
26 第2主蒸気入口
27 ストレーナ
28 第1弁座
29 第1弁体
30 第1弁棒
31 第1駆動装置
32 第2主蒸気出口
33 第2弁座
34 スリーブ
35 第2弁体
36 第2弁棒
37 第2駆動装置
38 筒体
39 筒壁
40 透口
41 閉鎖部
42 隔壁
43 遮蔽板
44 圧力回復室
45 主蒸気入口
46 主蒸気出口
47 弁座
48 弁体
49 スリーブ
50 弁棒
51a 案内板
52 流路区画板
53 流路
Claims (8)
- 弁座、弁体、弁棒、駆動装置で構成する第1弁装置と、弁座、弁体、弁棒、駆動装置で構成する第2弁装置とを組み合せて一つの弁ケーシングに収容する蒸気弁において、前記弁ケーシング内に収容され、前記第1弁装置の弁体を包囲するストレーナに、その外側から内側に向って流れる主蒸気の流れの一部を阻止する遮蔽板を備えるとともに、前記遮蔽板から分流して廻り込んで来る二つの主蒸気の衝突を防止する隔壁を前記弁ケーシングとの間に備えたことを特徴とする蒸気弁。
- 遮蔽板は、ストレーナの外側で、かつ、主蒸気入口に臨む位置に配置したことを特徴とする請求項1記載の蒸気弁。
- 遮蔽板は、ストレーナの内側で、かつ主蒸気入口に臨む位置に配置したことを特徴とする請求項1記載の蒸気弁。
- 弁座、弁体、弁棒、駆動装置で構成する第1弁装置と、弁座、弁体、弁棒、駆動装置で構成する第2弁装置とを組み合せて一つの弁ケーシングに収容する蒸気弁において、前記弁ケーシング内に収容され、前記第1弁装置の弁体を包囲するストレーナに、その外側から内側に向って流れる主蒸気の流れの一部を阻止する閉鎖部を備えるとともに、この閉鎖部を備えた前記ストレーナの下流側であって、前記弁ケーシングを拡開状に形成して圧力回復室を備えたことを特徴とする蒸気弁。
- 弁座、弁体、弁棒、駆動装置で構成する第1弁装置と、弁座、弁体、弁棒、駆動装置で構成する第2弁装置とを組み合せて一つの弁ケーシングに収容する蒸気弁において、前記弁ケーシング内に収容され、前記第1弁装置の弁体を包囲するストレーナに、その外側から内側に向って流れる主蒸気の流れの一部を阻止する閉鎖部を備えるとともに、前記閉鎖部から分流して廻り込んで来る二つの主蒸気の衝突を防止する隔壁を前記弁ケーシングとの間に備える一方、前記弁ケーシングと前記ストレーナとの間に前記第1弁装置の弁棒の軸長方向に沿って距離を置いて棚状の流路を備えたことを特徴とする蒸気弁。
- 棚状の流路は、流路区画板で区画するとともに、流路区画板をストレーナの外側の全周に亘って配置したことを特徴とする請求項5記載の蒸気弁。
- 流路区画板は、ストレーナの全周に亘って配置することを特徴とする請求項6記載の蒸気弁。
- 流路区画板は、ストレーナの全周のうち、予め定められた周長部分に亘って配置することを特徴とする請求項6記載の蒸気弁。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003096780A JP4177694B2 (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | 蒸気弁 |
AU2003280586A AU2003280586A1 (en) | 2002-10-29 | 2003-10-29 | Steam valve |
KR1020057007248A KR100733559B1 (ko) | 2002-10-29 | 2003-10-29 | 증기 밸브 |
EP20030769937 EP1557537B1 (en) | 2002-10-29 | 2003-10-29 | Steam valve |
PCT/JP2003/013824 WO2004040099A1 (ja) | 2002-10-29 | 2003-10-29 | 蒸気弁 |
US10/533,396 US7604021B2 (en) | 2002-10-29 | 2003-10-29 | Steam valve |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003096780A JP4177694B2 (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | 蒸気弁 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004301066A JP2004301066A (ja) | 2004-10-28 |
JP4177694B2 true JP4177694B2 (ja) | 2008-11-05 |
Family
ID=33408731
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003096780A Expired - Lifetime JP4177694B2 (ja) | 2002-10-29 | 2003-03-31 | 蒸気弁 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4177694B2 (ja) |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008241579A (ja) * | 2007-03-28 | 2008-10-09 | Toshiba Corp | 原子力プラントの運転方法およびその運転装置 |
JP5022887B2 (ja) | 2007-12-25 | 2012-09-12 | 株式会社東芝 | 蒸気弁装置および蒸気タービンプラント |
JP2011179662A (ja) * | 2010-03-03 | 2011-09-15 | Denso Corp | 電磁弁 |
JP6269855B2 (ja) * | 2014-10-28 | 2018-01-31 | 三菱日立パワーシステムズ株式会社 | 主蒸気弁、及び蒸気タービン |
JP6504792B2 (ja) * | 2014-11-13 | 2019-04-24 | 株式会社テイエルブイ | ドレントラップ |
JP6862335B2 (ja) * | 2017-12-12 | 2021-04-21 | 株式会社東芝 | 組合せ弁及び発電プラント |
CN108397240A (zh) * | 2018-05-12 | 2018-08-14 | 王艺凤 | 一种汽轮机进汽调节阀配汽机构 |
JP7458341B2 (ja) * | 2021-03-16 | 2024-03-29 | 株式会社東芝 | 蒸気弁および蒸気タービン |
CN114508388B (zh) * | 2021-12-29 | 2023-07-18 | 东方电气集团东方汽轮机有限公司 | 一种双排汽联合汽阀导流结构 |
-
2003
- 2003-03-31 JP JP2003096780A patent/JP4177694B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004301066A (ja) | 2004-10-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1473442B1 (en) | Steam turbine, steam turbine plant and method of operating a steam turbine in a steam turbine plant | |
JP4981970B2 (ja) | ガスタービン | |
WO2004040099A1 (ja) | 蒸気弁 | |
JP2002147205A (ja) | コンバインドサイクルガスタービン | |
JP2010038101A (ja) | 蒸気タービンおよび蒸気タービンプラントシステム | |
JP4177694B2 (ja) | 蒸気弁 | |
JP2002054405A (ja) | 蒸気冷却ガスタービン | |
JP6479386B2 (ja) | 蒸気タービン | |
JP4230751B2 (ja) | 蒸気弁 | |
JP2002309905A (ja) | ガスタービンコンバインドプラント | |
US6141952A (en) | Method of operating a combined-cycle power plant | |
JP5643539B2 (ja) | 作動流体の流れの偏倚 | |
KR20190097287A (ko) | 증기 터빈 플랜트 | |
US6851927B2 (en) | Fluid-flow machine with high-pressure and low-pressure regions | |
US4373340A (en) | Peak load device of a multistage turbine | |
US7264438B2 (en) | Method for cooling a turbo machine and turbo machine | |
CN106103909A (zh) | 用于冷却蒸汽轮机的方法 | |
JP5615150B2 (ja) | 原子力発電プラントおよび原子力発電プラントの運転方法 | |
JP2013060931A (ja) | 蒸気タービン | |
JP5959454B2 (ja) | 蒸気タービンシステム | |
JP3990065B2 (ja) | 蒸気タービン設備 | |
JP6567365B2 (ja) | タービン排気装置およびタービン | |
JP2004346932A (ja) | 蒸気タービンおよびその冷却方法、ならびに蒸気タービンプラント | |
JP2016031044A (ja) | 蒸気弁 | |
JP6862335B2 (ja) | 組合せ弁及び発電プラント |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050401 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080219 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080421 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080819 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080822 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110829 Year of fee payment: 3 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 4177694 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110829 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120829 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120829 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130829 Year of fee payment: 5 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |