JP2004346932A - 蒸気タービンおよびその冷却方法、ならびに蒸気タービンプラント - Google Patents

蒸気タービンおよびその冷却方法、ならびに蒸気タービンプラント Download PDF

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JP2004346932A JP2004133582A JP2004133582A JP2004346932A JP 2004346932 A JP2004346932 A JP 2004346932A JP 2004133582 A JP2004133582 A JP 2004133582A JP 2004133582 A JP2004133582 A JP 2004133582A JP 2004346932 A JP2004346932 A JP 2004346932A
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Abstract

【課題】再熱蒸気の温度を超高温化させてプラント熱効率をより一層向上させるとともに
、再熱蒸気の高温化に対処してタービン構成部品に高い強度保証を維持させる蒸気タービ
ンプラントおよび蒸気タービンプラントの冷却方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る蒸気タービンプラントは、蒸気発生器9に蒸気タービン1、復
水系13、給水系14を組み合せた蒸気タービンプラントにおいて、蒸気タービン部1の
中圧タービン2にノズルボックスを設け蒸気発生器9からの再熱蒸気をこのノズルボック
スを介して供給するとともに、給水系14に中圧タービン2からの抽気蒸気の顕熱によっ
て給水を加熱する過熱低減器6を備えた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、蒸気の温度を高温化させてプラント熱効率の向上を図るとともに、蒸気の高
温化に対処し、冷却蒸気を供給して構成部品の強度保証を高める蒸気タービンおよびその
冷却方法、ならびに蒸気タービンプラントに関する。
最近の蒸気タービンプラントでは、プラント熱効率の向上の強化見直しの一環として蒸
気の高温化が検討されている。
蒸気の高温化は、ランキンサイクルの特性であり、蒸気温度を高くすればする程、プラ
ント熱効率を向上させることができるとされている。
このため、蒸気タービンプラントは、ひところの比較的低温、低圧の蒸気条件から蒸気
温度538℃/566℃または538℃/538℃の一段再熱にほぼ定着しつつある。
しかし、最近のように、温暖化現象や環境破壊等が地球規模レベルでクローズアップさ
れている今日、蒸気タービンプラントの分野でも燃料の消費をより一層少なくさせて単機
容量を増加させる研究開発が進められており、その一つに再熱蒸気温度を700℃以上に
し、この超高温再熱蒸気を中圧タービンに供給することが提案されている。
600℃程度の高温の蒸気を中圧タービンに導入する技術について、中圧タービンの主
蒸気インレット管を二重構造として蒸気冷却することなども提案されている(例えば、特
許文献1参照。)。
特開平11−350911号公報
しかしながら再熱蒸気温度を700℃以上にする場合については、解決すべき多くの問
題が残されており、特にタービン構成部品の強度保証を如何にして行うかについては現在
模索中である。従来、火力発電プラントでは、蒸気タービンに使用するタービンロータ、
タービンノズル、タービン動翼、ノズルボックス(蒸気室)、蒸気供給管等のタービン構
成部品に改良された耐熱鋼を使用していたが、再熱蒸気温度が700℃以上になると、タ
ービン構成部品の強度保証を高く維持させることが難しくなりつつある。
このため、蒸気タービンプラントでは、従来の改良された耐熱鋼をタービン構成部品に
そのまま使用しても強度保証を高く維持できる新たな技術の実現が望まれており、その手
段として蒸気冷却の採用が検討されている。
しかし、蒸気冷却の採用と言えども、この技術分野にとっては未開発の分野であり、試
行錯誤を繰り返している。
本発明は、このような背景技術に基づいてなされたもので、再熱蒸気の温度を超高温化
させてプラント熱効率をより一層向上させるとともに、再熱蒸気の高温化に対処してター
ビン構成部品に高い強度保証を維持させる蒸気タービンおよびその冷却方法、ならびに蒸
気タービンプラントを提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明に係る蒸気タービンプラントは、請求項1に記載
したように、蒸気発生器と、当該蒸気発生器にて発生した蒸気により駆動される高圧ター
ビンと、前記高圧タービンからの排気を前記蒸気発生器にて再熱した再熱蒸気を導くノズ
ルボックスと前記高圧タービンからの抽気蒸気を冷却蒸気として案内する冷却蒸気導入部
を有し当該再熱蒸気によって駆動される中圧タービンと、当該中圧タービンからの排気蒸
気により駆動される低圧タービンと、当該低圧タービンからの排気蒸気を凝縮させる復水
器と、当該復水器にて凝縮した復水を加熱する複数の給水加熱器とを備えることを特徴と
するものである。
また、本発明に係る蒸気タービンは、請求項2乃至8に記載したように、ケーシングと
、前記ケーシング内に収納されて回転するロータと、前記ケーシング側に固定され前記ロ
ータの回転軸に対する円周方向に配置されたノズルおよび当該ノズルと隣接する位置にて
前記ロータに植設され前記ロータとともに回転する動翼の1対からなるタービン段落を複
数配置してなる通路部と、前記ロータと前記ケーシングのとの間隙に前記ロータの回転軸
と同心状に配置されて前記通路部に連通するノズルボックスと、前記ロータと前記ケーシ
ングの間の空間に冷却用蒸気を導く冷却蒸気導入部を備えることを特徴とするものである
また、本発明に係る蒸気タービンの冷却方法は、請求項9に記載したように、外側ケー
シングおよび内側ケーシングからなるケーシングと、前記内側ケーシング内に収納されて
回転するロータと、前記内側ケーシング側に固定され前記ロータの回転軸に対する円周方
向に配置されたノズルおよび当該ノズルと隣接する位置にて前記ロータに植設され前記ロ
ータとともに回転する動翼の1対からなるタービン段落を複数配置してなる通路部と、前
記ロータと前記ケーシングのとの間隙に前記ロータの回転軸と同心状に配置されて前記通
路部に連通するノズルボックスと、前記ノズルボックスに嵌合された蒸気供給管からなる
蒸気タービンの冷却方法において、前記ロータと前記内側ケーシングの間の空間と、前記
内側ケーシングと外側ケーシングの間の空間にそれぞれ冷却蒸気を導入し、当該冷却蒸気
により前記ノズルボックス、前記蒸気供給管、および前記タービン段落のうちの少なくと
も最も上流に位置する段落を冷却することを特徴とするものである。
本発明にによれば、中圧タービンの各構成高温部品を冷却蒸気によって十分に冷却する
ので、再熱蒸気の高温化に対処してタービン構成部品に高い強度保証を維持することがで
き、よって高効率な蒸気タービンプラントを提供することができる。
以下、本発明に係る蒸気タービンプラントおよび蒸気タービンプラントの冷却方法の実
施形態を図面および図面に付した符号を引用して説明する。
図1は、本発明に係る蒸気タービンプラントおよび蒸気タービンプラントの冷却方法の
第1実施例を示す系統図である。
本実施例に係る蒸気タービンプラントは、蒸気タービン1,蒸気発生器であるボイラ9
,復水系13,および給水系14から構成されている。
蒸気タービン1は、中圧タービン2,高圧タービン3,複流タイプの低圧タービン7,
および発電機8が互いに軸結合され一軸として構成されている。蒸気発生器であるボイラ
9は主蒸気を発生させ、この主蒸気は高圧タービン3に導かれ高圧タービン3内を膨張し
ながら流れることで膨張仕事をして高圧タービンを駆動する。また、高圧タービン3には
、その中間段落から蒸気を抽気する高圧タービン抽気系5が設けられている。
高圧タービン3内で膨張仕事を終えた高圧タービン排気は低温排熱系10により再びボ
イラ9に導かれ、ボイラ9の再熱器11に供給され、ここで温度700℃以上の再熱蒸気
となる。この再熱蒸気は中圧タービン2へと供給され、膨張仕事をして中圧タービン2を
駆動する。さらに中圧タービン2には、高圧タービン3からの抽気蒸気の一部を高圧ター
ビン抽気系5から分岐させて冷却蒸気として導く蒸気冷却系4が当該中圧タービンの上流
部に接続されている。また、中圧タービン2の中間段落から蒸気を抽気する抽気配管が接
続されている。
そして中圧タービン2で膨張仕事を終えた中圧タービン排気は低圧タービン7へ導かれ
、さらにここでも膨張仕事をして低圧タービン7を駆動する。このようにして高圧タービ
ン3,中圧タービン2,低圧タービン7がそれぞれ駆動され、これにより発電機8を駆動
している。低圧タービン7にもその中間段落から蒸気を抽気する抽気配管が接続されてい
る。
復水系13は、復水の流れに沿って復水器15、復水ポンプ16、第1低圧給水加熱器
17、第2低圧給水加熱器18、第3低圧給水加熱器19、第4低圧給水加熱器20を備
え、低圧タービン7からの低圧タービン排気を復水器15で凝縮して復水にし、この復水
を復水ポンプ16で昇圧させ、第1〜第4低圧給水加熱器17,18,19,20で低圧
タービン7から抽気配管を介して供給される低圧抽気蒸気を熱源として順次予熱(再生)
させている。
一方、給水系14は、給水の流れに沿って脱気器21、給水ポンプ22、第1高圧給水
加熱器23、第2高圧給水加熱器24、第3高圧給水加熱器25、過熱低減器27を備え
る。脱気器21は、復水系13の第4低圧給水加熱器20から供給される復水を蒸気ター
ビン1の中圧タービン2の下流部からの抽気蒸気を熱源として加熱脱気させて給水として
いる。過熱低減器27は、蒸気タービン1の中圧タービン2の比較的上流側に接続された
抽気配管から供給される過熱度の高い過熱蒸気の顕熱により給水を加熱するものであり、
給水系14の最下流部に設けられている。
脱気器21にて得られた給水は、給水ポンプ22で昇圧され、第1〜第3高圧給水加熱
器23,24,25で順次予熱され、最後に過熱低減器6に導かれてさらに予熱される。
ここで、第1高圧給水加熱器における給水の加熱源は過熱低減器6にて顕熱をほぼ奪われ
て飽和蒸気に近づいた蒸気であり、第2高圧給水加熱器,第3高圧給水加熱器における給
水の加熱源はそれぞれ、高圧タービン3からの高圧タービン排気,高圧タービン3からの
高圧抽気蒸気である。これらの第1〜第3高圧給水加熱器23〜25,および過熱低減器
6を通過して順次予熱された給水はボイラ9に戻される。
本実施例では、蒸気タービン1において高圧タービン抽気系5,蒸気冷却系4を介して
中圧タービン2aに供給された冷却蒸気が、中圧タービン2のタービンロータ、ノズルボ
ックス、ケーシング、グランド部、再熱蒸気管等のタービン構成部品を冷却させ、材料の
強度保証を高く維持させている。
なお、蒸気タービン1において、中圧タービン2に温度700℃以上の再熱蒸気に膨張
仕事をさせるのは、中圧タービン2のほうが高圧タービン3と比較して容量(タービン段
落数)が多く、その多い分だけ蒸気により多くの膨張仕事をさせることができるからであ
り、高圧タービン3の入口温度を高くするよりも中圧タービン2の入口温度を高くしたほ
うが結果としてプラント熱効率が高くなるためことに基づく。
このように、本実施例の蒸気タービンプラントは、蒸気タービン1の高圧タービン3か
らの高圧タービン抽気を冷却蒸気として供給する蒸気冷却系4を第1中圧タービン2に設
けて中圧タービン2の構成部品の材料強度保証を高く維持させることができる。
また、本実施例では中圧タービン2の中間段落からの過熱度の高い抽気蒸気を給水系1
4の給水の予熱(再生)に有効に活用するために、過熱低減器6を用いて中圧タービン抽
気蒸気の持つ熱量のうち、顕熱のみを熱交換する過熱低減器6を設けた。これによって、
プラント熱効率をより一層向上させることができ、700℃程度の高温の再熱蒸気でも蒸
気冷却による高い材料強度の維持し、かつ高効率な運転を行わせることができる。
図2は、本実施例におけるボイラ9の再熱器11から供給される温度700℃以上の再
熱蒸気に膨張仕事をさせる中圧タービン2の一部切欠縦断面図である。
中圧タービン2は、外部ケーシング27と内部ケーシング28との二重ケーシング構造
の軸流タイプに構成するとともに、内部ケーシング28にタービン段落29を備えたター
ビンロータ30を収容している。
タービンロータ30は、両端を軸受(図示せず)で軸支させるとともに、再熱蒸気上流
側の外部ケーシング27、内部ケーシング28のそれぞれとの間に外部ケーシング用グラ
ンド部31、内部ケーシング用グラント部32をそれぞれ設けるとともに、タービンノズ
ル33とタービン動翼34を組み合せたタービン段落29を再熱蒸気管35側のタービン
初段落からタービン排気室36側のタービン最終段落まで複数段落に亘って備えており、
この部分を蒸気の通路部として構成している。
タービン段落29を構成するタービンノズル33とタービン動翼34とのうち、タービ
ンノズル33は、両端をダイアフラム外輪36とダイアフラム内輪37とで支持させると
ともに、ダイアフラム外輪36を内部ケーシング28に係合させることで、タービンロー
タ30の円周方向に沿って配置されている。また、タービン動翼34は、タービンロータ
30に一体削り出しのタービンディスク38に植設され、タービンノズル33と隣接する
位置にタービンロータ30の円周方向に配置されている。
また、中圧タービン2は、ボイラ9の再熱器11から供給される再熱蒸気をノズルボッ
クス(蒸気室)45を介してタービン初段落のタービンノズル33に供給する蒸気供給管
である再熱蒸気管35を備えている。
ノズルボックス45は、タービンロータ30と内部ケーシング28のとの間隙にタービ
ンロータ30の回転軸と同心状に配置されており、再熱蒸気管35から供給された約70
0℃の高温蒸気を蒸気の通路部であるタービン段落29に導入させる部材であり、高温の
蒸気が中圧タービンの構成部品に直接あたることを防ぎ、また、蒸気温度を保ったままタ
ービン通路部29へと蒸気を導くことで効率の低下を防止している。
再熱蒸気管35は、図3に示すように、外管39と内管40との二重管構造に構成し、
同心状に配置された外管39と内管40との間に冷却蒸気通路41を形成して冷却蒸気が
通流可能に構成するとともに、外管39と外部ケーシング27のフランジ42との間に外
部ケーシング用シール装置43を装着している。
この外部ケーシング用シール装置43は、外部ケーシング27のフランジ42との間に
外管39の管軸に沿ってリング片44を層状に装着し、リング片44から漏出する冷却蒸
気を流出口46を介して例えば熱交換器に回収させている。
また、再熱蒸気管35は、図4に示すように、内部ケーシング28との挿通部分に内部
ケーシング用シール装置47を装着している。なお、再熱蒸気管35は、再熱蒸気の熱に
よる伸びを考慮して他端を無拘束の自由端にしている。
この内部ケーシング用シール装置47は、再熱蒸気管35の管軸に沿ってリング片48
を層状に装着し、リング片48から漏出する冷却蒸気をタービン段落29の後流側、外部
ケーシングや再熱蒸気管35に向って流出させている。
一方、内部ケーシング28は、タービン初段落との間に空間室49を形成し、ここに案
内された冷却蒸気をタービン2段落のダイアフラム外輪36の側面側および頭部側のそれ
ぞれを通過させた後、流出口50から外部ケーシング側に向って流出させている。
他方、タービンロータ30から一体削り出しのタービンディスク38は、タービン初段
落とタービン2段落とのそれぞれにバランスホール51を形成し、ノズルボックス45を
冷却させた冷却蒸気をバランスホール51を介してタービン次段落に順次供給するととも
に、タービン前段落とタービン後段落との間に、例えば鉤形状のシール片52を備えてい
る。
次に、蒸気タービンプラントの冷却方法を説明する。
蒸気タービン1に配置された中圧タービン2には、プラント熱効率をより一層向上させ
るために、温度700℃以上の超高温再熱蒸気が供給される。
このため、中圧タービン2には、図1に示すように、各構成高温部品に蒸気タービン部
1の高圧タービン3の中間段落から抽気する高圧タービン抽気が冷却蒸気として高圧ター
ビン抽気系5から分岐する蒸気冷却系4を介して供給される。本実施例においては、冷却
蒸気は内部ケーシング内の内部ケーシング用グランド部32近傍に設けられた冷却蒸気導
入部100から導入され、タービンロータ30と内部ケーシング28の間の空間に導かれ
る。これとともに、冷却蒸気の一部は冷却蒸気導入部100から内部ケーシング用グラン
ド部32を通過して減圧され、内部ケーシング28と外部ケーシング27との間の空間に
も導かれれる。
冷却蒸気導入部100から中圧タービン2に供給された冷却蒸気のうちタービンロータ
30と内部ケーシング28の間の空間に導かれ冷却蒸気は、図2に示すように、ノズルボ
ックス45の外周面、再熱蒸気管35、内部ケーシング28、外部ケーシング27、ター
ビンディスク38、タービンノズル33を支持するダイアフラム外輪36、ダイアフラム
内輪37などを冷却する。また、冷却蒸気導入部100から内部ケーシング用グランド部
32を介して内部ケーシング28と外部ケーシング27との間の空間に供給された冷却蒸
気は、内部ケーシング用グランド部32、外部ケーシング用グランド部31、再熱蒸気管
35、内部ケーシング28、外部ケーシング27などを冷却する。これによって、中圧タ
ービン2の各構成部品の強度保証を行っている。
まず、再熱蒸気管35からノズルボックス45に供給される再熱蒸気が温度700℃以
上になっているのに対し、蒸気冷却系4から供給される冷却蒸気は、温度500℃以下で
ある。さらに、圧力に関しても、蒸気冷却系から供給される冷却蒸気は高圧タービン3か
らの抽気蒸気であって80気圧程度の圧力を有する。中圧タービン2に供給される再熱蒸
気は50気圧程度の圧力であり、冷却蒸気はこれよりも数十気圧高い圧力を有している。
このため、蒸気冷却系4から供給されるこれらの冷却蒸気によりノズルボックス45を充
分に冷却して強度保証することができる。
ノズルボックス45の外表面を冷却した冷却蒸気は、内部ケーシング28および外部ケ
ーシング27を挿通する再熱蒸気管35、内部ケーシング28、外部ケーシング27、タ
ービンディスク38を冷却し、各構成部品の高温部を冷却するとともに、内部ケーシング
用グランド部32を介して内部ケーシング28と外部ケーシング27との間の空間に供給
され、外部ケーシング用グランド部31、また再熱蒸気管35を冷却する。
内部ケーシング28を挿通する再熱蒸気管35に供給される冷却蒸気は、図4に示すよ
うに、一部を再熱蒸気管35と内部ケーシング28との間に装着する内部ケーシング用シ
ール装置47のリング片48を通って再熱蒸気管35を冷却させるとともに、残りをター
ビン初段落と内部ケーシング28との間に形成する空間室49に供給される。空間室49
に供給された蒸気はタービン段落29のタービンノズル33を支持するダイアフラム外輪
36の側面および頭部側と内部ケーシング28との間隙を通流し、この部分を介して内部
ケーシング28に形成する流出口50から外部ケーシング側に流出し、ダイアフラム外輪
36および内部ケーシング28の内径側を冷却させている。
本実施例では、内部ケーシング28に形成された流出口50は中圧タービン2の2段落
のタービンノズル33を支持するダイアフラム外輪36の頭部側付近に設けられているが
、これは中圧タービン2内において再熱蒸気が膨張仕事をして蒸気温度が従来の蒸気ター
ビンと同程度まで下がることによる。つまり、中圧タービン2の構成部分のうち高温部分
だけを効果的に冷却するように構成している。
また、ノズルボックス45の外表面を冷却した冷却蒸気は、タービン初段落およびター
ビン2段落のそれぞれに設けたタービンディスク38,38のバランスホール51,51
にタービンディスク38,38の回転に伴って発生するポンピング力によって誘引される
ポンピング力のよって誘引された冷却蒸気は、バランスホール51,51を出た後、半
径方向(外側)に向って流れようとするが、鉤状のシール片52,52によって封止され
、この間に高温再熱蒸気に晒されているタービンディスク38、およびタービンノズル3
3を支持するのダイアフラム内輪37を冷却する。
他方、内部ケーシング28を挿通する再熱蒸気管35、内部ケーシング用グランド部3
2、外部ケーシング用グランド部31のそれぞれを冷却した冷却蒸気は、図3に示すよう
に、外部ケーシング27を挿通する再熱蒸気管35の外管39に装着した外部ケーシング
用シール装置43と再熱蒸気管35の外管39と内管40とで形成する冷却蒸気通路41
に供給される。
外部ケーシング用シール装置43に供給された冷却蒸気は、再熱蒸気管35の外管39
を冷却する。この間に、外部ケーシング用シール装置43から漏出する冷却蒸気は、フラ
ンジ42に形成する流出口46から、例えば熱交換器に熱源として供給される。
また、冷却通路41に供給された冷却蒸気は、外管39、内管40を冷却した後、噴出
口53から他の機器に供給される。
このように、本実施例の蒸気タービンの冷却方法は、蒸気タービン1の中圧タービン2
に、高圧タービン3からの高圧タービン抽気を冷却蒸気として冷却蒸気導入部100から
供給し、供給された冷却蒸気をタービンロータ30と内部ケーシング28の間の空間と内
部ケーシング28と外部ケーシング27の間の空間とにそれぞれ導入し、ノズルボックス
45、タービンディスク38、タービンノズル33を支持するダイアフラム外輪36、ダ
イアフラム内輪37内部ケーシング用グランド部32、外部ケーシング用グランド部31
、再熱蒸気管35、内部ケーシング28、外部ケーシング27などの各構成高温部品を冷
却するので、再熱蒸気管35に供給される温度700℃以上の高温の再熱蒸気であっても
各構成高温部品の強度保証を充分に維持させることができる。
本発明に係る蒸気タービンプラントおよび蒸気タービンプラントの冷却方法の実施形態を示す図。 本発明に係る蒸気タービンプラントのうち、中圧タービンの実施形態を示す一部切欠縦断面図。 本発明に係る蒸気タービンプラントのうち、再熱蒸気管の実施形態を示す一部切欠断面図。 本発明に係る蒸気タービンプラントのうち、タービン初段落、タービン段落の実施形態を示す一部切欠断面図。
符号の説明
1 蒸気タービン
2 中圧タービン
3 高圧タービン
4 蒸気冷却系
5 高圧タービン抽気系
6 過熱器
7 低圧タービン
8 発電機
9 ボイラ
10 低温再熱系
11 再熱器
12 中圧タービン排気系
13 復水系
14 給水系
15 復水器
16 復水ポンプ
17 第1低圧給水加熱器
18 第2低圧給水加熱器
19 第3低圧給水加熱器
20 第4低圧給水加熱器
21 脱気器
22 給水ポンプ
23 第1高圧給水加熱器
24 第2高圧給水加熱器
25 第3高圧給水加熱器
27 外部ケーシング
28 内部ケーシング
29 タービン段落
30 タービンロータ
31 外部ケーシング用グラント部
32 内部ケーシング用グラント部
33 タービンノズル
34 タービン動翼
35 再熱蒸気管
36 ダイアフラム外輪
37 ダイアフラム内輪
38 タービンディスク
39 外管
40 内管
41 冷却蒸気通路
42 フランジ
43 外部ケーシング用シール装置
44 リング片
45 ノズルボックス
46 流出口
47 内部ケーシング用シール装置
48 リング片
49 空間室
50 流出口
51 バランスホール
52 シール片
53 流出口

Claims (9)

  1. 蒸気発生器と、当該蒸気発生器にて発生した蒸気により駆動される高圧タービンと、前記
    高圧タービンからの排気を前記蒸気発生器にて再熱した再熱蒸気を導くノズルボックスと
    前記高圧タービンからの抽気蒸気を冷却蒸気として案内する冷却蒸気導入部を有し当該再
    熱蒸気によって駆動される中圧タービンと、当該中圧タービンからの排気蒸気により駆動
    される低圧タービンと、当該低圧タービンからの排気蒸気を凝縮させる復水器と、当該復
    水器にて凝縮した復水を給水として加熱する複数の給水加熱器とを備えることを特徴とす
    る蒸気タービンプラント。
  2. ケーシングと、前記ケーシング内に収納されて回転するロータと、前記ケーシング側に固
    定され前記ロータの回転軸に対する円周方向に配置されたノズルおよび当該ノズルと隣接
    する位置にて前記ロータに植設され前記ロータとともに回転する動翼の1対からなるター
    ビン段落を複数配置してなる通路部と、前記ロータと前記ケーシングのとの間隙に前記ロ
    ータの回転軸と同心状に配置されて前記通路部に連通するノズルボックスと、前記ロータ
    と前記ケーシングの間の空間に冷却用蒸気を導く冷却蒸気導入部を備えることを特徴とす
    る蒸気タービン。
  3. ケーシングの外部から蒸気を導入するとともに、端部がノズルボックスに嵌合される内管
    と当該内管と同軸に配置された外管からなり、前記内管と外管との間隙に冷却蒸気導入部
    からの冷却蒸気を通流可能に構成された蒸気供給管を更に備えることを特徴とする請求項
    2記載の蒸気タービン。
  4. ケーシングは、外側ケーシングと内側ケーシングから構成され、冷却蒸気導入部からの蒸
    気はロータと前記内側ケーシングの間および前記内側ケーシングと外側ケーシングの間を
    それぞれ通流するように構成されていることを特徴とする請求項3記載の蒸気タービン。
  5. ケーシングの外部から蒸気を導入するとともに、端部がノズルボックスに嵌合される内管
    と当該内管と同軸に配置された外管からなり前記内管と外管との間隙に冷却蒸気導入部か
    らの冷却蒸気を通流可能に構成された蒸気供給管と、当該蒸気供給管の前記外管と外部ケ
    ーシングの間および前記蒸気供給管の内管と内部ケーシングとの間にそれぞれ設けられた
    シール装置とを更に備えることを特徴とする請求項4記載の蒸気タービン。
  6. 蒸気供給管の外管と外部ケーシングとの間に設けられたシール部より漏洩した蒸気を回収
    するための流出口を更に設けたことを特徴とする請求項5記載の蒸気タービン。
  7. 内側ケーシングに装着されるとともにノズルの外周側を保持する環状のダイアフラム外輪
    と、ノズルの内周側を保持する環状のダイアフラム内輪とを備え、前記ダイアフラム外輪
    と前記内側ケーシングの少なくとも一つとの間隙に冷却蒸気が通流するように構成されて
    いることを特徴とする請求項4記載の蒸気タービン。
  8. 内側ケーシングは、当該内側ケーシングとダイアフラム外輪との間隙を通流した冷却蒸気
    を前記内側ケーシングと外側ケーシングの間の空間に導く流出口を備えることを特徴とす
    る請求項7記載の蒸気タービン。
  9. 外側ケーシングおよび内側ケーシングからなるケーシングと、前記内側ケーシング内に収
    納されて回転するロータと、前記内側ケーシング側に固定され前記ロータの回転軸に対す
    る円周方向に配置されたノズルおよび当該ノズルと隣接する位置にて前記ロータに植設さ
    れ前記ロータとともに回転する動翼の1対からなるタービン段落を複数配置してなる通路
    部と、前記ロータと前記ケーシングのとの間隙に前記ロータの回転軸と同心状に配置され
    て前記通路部に連通するノズルボックスと、前記ノズルボックスに嵌合された蒸気供給管
    からなる蒸気タービンの冷却方法において、前記ロータと前記内側ケーシングの間の空間
    と、前記内側ケーシングと外側ケーシングの間の空間にそれぞれ冷却蒸気を導入し、当該
    冷却蒸気により前記ノズルボックス、前記蒸気供給管、および前記タービン段落のうちの
    少なくとも最も上流に位置する段落を冷却することを特徴とする蒸気タービンの冷却方法

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