JP2011179662A - 電磁弁 - Google Patents
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Abstract
【課題】寸法管理工数を低減し、フィルタ部の流路面積を確保することができる電磁弁を提供する。
【解決手段】蒸発燃料処理装置のパージ通路に設置される電磁弁において、一体フィルタ部70は、バルブシート4に一体に樹脂成形される。一体フィルタ部70は入口流路32と出口流路38との間に配置され、流体中に混入した異物99をメッシュ部71にて捕捉する。一体成形されることにより、寸法の管理が必要となる当接箇所が減少し、少ない工数で寸法ばらつきを管理することができる。また、リブ74a〜74dの配置が定まるため、流量のばらつきが抑制される。さらに、異物99は、流体の流れSaが衝突する位置に配置されるリブ74aによって左右に分けられて堆積することで、リブ74a近傍のメッシュ部71領域には比較的堆積しない。よって、フィルタ部の流路面積が確保される。
【選択図】図5
【解決手段】蒸発燃料処理装置のパージ通路に設置される電磁弁において、一体フィルタ部70は、バルブシート4に一体に樹脂成形される。一体フィルタ部70は入口流路32と出口流路38との間に配置され、流体中に混入した異物99をメッシュ部71にて捕捉する。一体成形されることにより、寸法の管理が必要となる当接箇所が減少し、少ない工数で寸法ばらつきを管理することができる。また、リブ74a〜74dの配置が定まるため、流量のばらつきが抑制される。さらに、異物99は、流体の流れSaが衝突する位置に配置されるリブ74aによって左右に分けられて堆積することで、リブ74a近傍のメッシュ部71領域には比較的堆積しない。よって、フィルタ部の流路面積が確保される。
【選択図】図5
Description
本発明は、流体を濾過するフィルタを備えた電磁弁に関する。
従来、蒸発燃料処理装置のパージ通路に設置される電磁弁にフィルタを備えたものが知られている。このフィルタは、蒸発燃料等の流体中に混入した異物が弁の作動部に侵入することによって起こる弁座でのシール不良や、電磁駆動部の摺動部での動作不良や固着故障等を防止する。一般に、フィルタは、樹脂のメッシュ状シートで構成されるものが用いられる。
例えば、特許文献1の電磁弁は、別体のフィルタユニットとしてのフィルタ50を備える。フィルタ50は、図9に示すように柵状に形成され、略方形状のメッシュ状シート51、及び、このメッシュ状シート51の外周端縁を保持するフィルタ枠52によって構成される。フィルタ50は、フィルタ枠52の左右の辺がハウジング2内壁の凹状の嵌合溝63、64に嵌合して、入口流路32の下流側に配置される。フィルタ枠52の下の辺は、ハウジング2の底部に形成される座面65に押し付けられて当接し、フィルタ枠52の上の辺は、ハウジング2の天板部28の座面66に押し付けられて当接する。また、フィルタ枠52の左右の辺は、流体圧力によって嵌合溝63、64の壁面に押し付けられて当接する。
特許文献1のフィルタ枠52およびハウジング2は樹脂で成形され、成形時のヒケ、反り等の要因により、フィルタ枠52の左右辺と嵌合溝63、64との当接箇所、及び、フィルタ枠52の上下辺と座面65、66との当接箇所の平面度が数十μm以上に及ぶことがあり得る。すると、当接箇所にメッシュ開口サイズ以上の隙間が生じる可能性がある。そこで、部品の寸法検査によってすべての当接箇所の平面度を管理しようとすると工数がかかる。また、現実に、すべての当接箇所について平面度の精度を確保することは難しく、要求精度を上げると歩留まりが低下するおそれがある。一方、成形品のレベルに応じて要求精度を下げると、当接箇所でのシール性が確保されず、許容サイズ以上の異物が隙間を通過するおそれがある。
また、別体のフィルタユニットが筒状に形成される場合もある。筒状の別体フィルタユニットは、一般に、異物を捕捉するメッシュ状シート等のフィルタ部と、フィルタ部を支持する筒状のフィルタ支持部材とから構成される。筒状のフィルタユニットは、特許文献1に記載の柵状のフィルタユニットに比べて流路面積が増加する。
筒状のフィルタユニットの中で最も一般的なものは円筒形のフィルタユニットである。ところで、円筒形のフィルタユニットをハウジングに圧入する際には、周方向の位置決め構造がなければ、または組み付け方向が指定されなければ、ハウジングに対するフィルタユニットの周方向の組み付け位置が定まらない。したがって、流体の流入方向に対するリブの配置がばらつく。リブの配置によって流入方向から視たメッシュ部の投影面積が変化するため、リブの配置がばらつくと、流体の流量もばらつくことになる。
また、リブの配置のばらつきは、フィルタ部の流路面積にも影響を及ぼす。
例えば、流体の流入方向にリブが配置されず主としてフィルタ部が流体の流れを受ける場合、流体の流れを最も多く受ける正面の領域に異物が堆積することになる。すると、異物の堆積量が増すにつれてフィルタ部の流路面積が減少し、濾過特性が安定しない。
例えば、流体の流入方向にリブが配置されず主としてフィルタ部が流体の流れを受ける場合、流体の流れを最も多く受ける正面の領域に異物が堆積することになる。すると、異物の堆積量が増すにつれてフィルタ部の流路面積が減少し、濾過特性が安定しない。
このように、円筒形のフィルタユニットを使用する場合、部品同士の当接箇所でのシール性の問題に加え、リブの配置によって製品ごとに流量や流路面積等の濾過特性がばらつくという問題が生じる。これに対し、位置決め構造を設ける、または、組立作業時の組み付け方向を指定するという対処方法を取った場合は、製造工数が増加し、コストアップにつながるという問題がある。
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、寸法管理工数を低減し、フィルタ部の流路面積を確保することができる電磁弁を提供することにある。
請求項1に記載の電磁弁は、弁ケース、蓋部材、弁部材、付勢手段、電磁駆動部、フィルタ部、及び、フィルタ支持部材を備える。
弁ケースは、略筒状の形状をしており、一端に開口、内壁に弁収容部、並びに、外壁に流体を導入する入口ポート、を有する。
蓋部材は、開口を塞ぐ天板部、天板部の外壁に流体を排出する出口ポート、天板部から弁収容部側に延び出口ポートと連通する流体通路を有する筒部、及び、筒部の端面に形成される弁座、を有する。
弁部材は、弁収容部に収容され、弁座に着座または離座することにより、入口ポートから出口ポートへの流体の流路を連通または遮断する。付勢手段は、弁収容部に収容され、弁部材を閉弁または開弁方向へ付勢する。電磁駆動部は、弁収容部に収容され、電磁吸引力を発生させることにより、付勢手段に抗して弁部材を開弁または閉弁方向へ駆動する。
弁ケースは、略筒状の形状をしており、一端に開口、内壁に弁収容部、並びに、外壁に流体を導入する入口ポート、を有する。
蓋部材は、開口を塞ぐ天板部、天板部の外壁に流体を排出する出口ポート、天板部から弁収容部側に延び出口ポートと連通する流体通路を有する筒部、及び、筒部の端面に形成される弁座、を有する。
弁部材は、弁収容部に収容され、弁座に着座または離座することにより、入口ポートから出口ポートへの流体の流路を連通または遮断する。付勢手段は、弁収容部に収容され、弁部材を閉弁または開弁方向へ付勢する。電磁駆動部は、弁収容部に収容され、電磁吸引力を発生させることにより、付勢手段に抗して弁部材を開弁または閉弁方向へ駆動する。
フィルタ部は、弁ケースに収容され、入口ポートから弁座へ流れる流体中に混入した異物を捕捉する。フィルタ支持部材は、蓋部材と一体に樹脂成形され、筒部の径方向外側の位置でフィルタ部を支持する。
フィルタ支持部材は、フィルタ部を支持することで一体フィルタ部を構成する。
フィルタ支持部材は、フィルタ部を支持することで一体フィルタ部を構成する。
フィルタ支持部材が蓋部材と一体に樹脂成形されて一体フィルタ部を構成することにより、別体のフィルタユニットを組み付ける場合に比べて部品点数が減少するとともに、隙間寸法の管理が必要となる当接箇所が減少する。具体的には、フィルタ支持部材と他部品との当接箇所は、フィルタ支持部材の下枠部の端面の1箇所だけとなる。よって、最小限の管理工数で寸法のばらつきを管理することができる。その結果、良品について、許容サイズ以上の異物の通過を防止することができる。
さらに、請求項2に記載の電磁弁では、フィルタ支持部材は、天板部から弁収容部側に延び入口ポートから弁ケースに供給される流体の流れが衝突する位置にリブを設ける。請求項1によると、フィルタ支持部材は蓋部材と一体に樹脂成形されるため、蓋部材に対するリブの配置が一様に定まる。したがって、製品ごとに、流入方向から視たフィルタ部の投影面積が一定となり、流量のばらつきが抑制される。
なお、リブは複数あってもよい。その中で1本のリブが入口ポートから弁ケースに供給される流体の流れが衝突する位置に配置されることが請求項2の発明特定事項であり、他のリブの配置は問わない。
これにより、流体の流れがリブによって左右に分けられる。すると、異物は、流体の流れが衝突するリブから遠い方へ追い込まれて堆積し、流体の流れが衝突するリブ近傍のフィルタ部領域には比較的堆積しない。すなわち、異物の堆積領域を狙って作ることにより、フィルタ部の流路面積を確保することができる。
これにより、流体の流れがリブによって左右に分けられる。すると、異物は、流体の流れが衝突するリブから遠い方へ追い込まれて堆積し、流体の流れが衝突するリブ近傍のフィルタ部領域には比較的堆積しない。すなわち、異物の堆積領域を狙って作ることにより、フィルタ部の流路面積を確保することができる。
請求項3に記載の電磁弁では、フィルタ支持部材の弁座側の端面と、弁収容部の天板部側に面する座面とが当接する。ここでの「当接」とは、隙間がメッシュ開口サイズ以下であって許容サイズ以上の異物の侵入を防止できるレベルであればよく、弁部材と弁座との間のシールのように気密性を要求されるものではない。これにより、フィルタ部の径方向外側から径方向内側への異物の侵入を防止することができる。
別体のフィルタユニットが圧入で組み付けられる場合は、フィルタユニットの高さ寸法、及び、ケース部材の深さ寸法の他に圧入寸法の管理が必要である。これに対し、本発明のフィルタ支持部材は、蓋部材に一体に成形されて一体フィルタ部を構成する。また、蓋部材とケース部材は、蓋部材の天板部がケース部材の開口周囲のフランジ面に全周当接して溶着などの方法で接合される。したがって、蓋部材とケース部材の2部品の寸法を管理することで、フィルタ支持部材の端面と弁収容部の座面との当接箇所でのシール性を容易かつ確実に確保できる。
請求項4に記載の電磁弁では、蓋部材は、耐燃料性および難燃性を有する樹脂で成形される。請求項5では、「耐燃料性および難燃性を有する樹脂」は、PA、PBT、PPS、または、それらにガラス繊維を入れた樹脂に具体化される。
本発明の電磁弁は、例えば蒸発燃料処理装置のパージ通路の途中に設置される。その場合、流体は蒸発燃料であるため、蓋部材は耐燃料性および難燃性を有する樹脂で成形されることが望ましい。具体的には、PA、PBT、PPS、またはそれらにガラス繊維を入れた樹脂がそれに該当する。これにより、電磁弁の耐久性能および安全性が向上する。
以下、自動車等の車両で蒸発燃料をエンジン吸気管に導入する蒸発燃料処理装置に本発明の電磁弁を適用した実施形態を、図面に基づいて説明する。
(第一実施形態)
蒸発燃料処理装置10は、図2に示すように、自動車等の車両の燃料タンク11内で蒸発気化した蒸発燃料等の流体を、エンジン吸気管13に吸気管負圧を利用して導入する。このとき、蒸発燃料等の流体は、キャニスタ12を経由して吸着されることで、大気中へ放出されることが防止される。
(第一実施形態)
蒸発燃料処理装置10は、図2に示すように、自動車等の車両の燃料タンク11内で蒸発気化した蒸発燃料等の流体を、エンジン吸気管13に吸気管負圧を利用して導入する。このとき、蒸発燃料等の流体は、キャニスタ12を経由して吸着されることで、大気中へ放出されることが防止される。
キャニスタ12は、蒸発燃料導入通路14を介して燃料タンク11と連通している。キャニスタ12内には活性炭等の吸着剤が収納されており、蒸発燃料等の流体を吸着する。
キャニスタ12は、また、大気導入通路16を介して空気を導入可能である。大気導入通路16の途中には、外部からキャニスタ12内に流入する空気を濾過するフィルタ17、及び、常閉型の電磁式開閉弁であるキャニスタ制御弁18が設けられている。
キャニスタ12は、また、大気導入通路16を介して空気を導入可能である。大気導入通路16の途中には、外部からキャニスタ12内に流入する空気を濾過するフィルタ17、及び、常閉型の電磁式開閉弁であるキャニスタ制御弁18が設けられている。
エンジン吸気管13内には、エンジンの各気筒の燃料室内に連通する吸気通路内を流れる吸入空気量を調整するためのスロットルバルブ19が設置されている。キャニスタ12は、パージ通路15を介してエンジン吸気管13の負圧発生部分となるスロットルバルブ19の下流側に連通している。パージ通路15の途中には電磁弁1が設置されている。電磁弁1は、流体の上流側であるキャニスタ側に一体フィルタ部70を備えている。
エンジン運転中、大気導入通路16のキャニスタ制御弁18を開くことで外部からキャニスタ12へ空気が導入されるとともに、パージ通路15の電磁弁1を開くことでキャニスタ12内に吸着された蒸発燃料がエンジン吸気管13へ導入される。
エンジン運転中、大気導入通路16のキャニスタ制御弁18を開くことで外部からキャニスタ12へ空気が導入されるとともに、パージ通路15の電磁弁1を開くことでキャニスタ12内に吸着された蒸発燃料がエンジン吸気管13へ導入される。
次に、本実施例の電磁弁1の構成を図1、図3、図4に基づいて説明する。
電磁弁1は、常閉型の電磁式流体流量制御弁としてのデューティコントロールバルブである。電磁弁1は、ECU(エンジン制御ユニット)からの信号によって電磁弁1を通電する時間のデューティ比を制御することで、キャニスタ12からエンジン吸気管13内に導入する流体のパージ流量を制御する。
電磁弁1は、常閉型の電磁式流体流量制御弁としてのデューティコントロールバルブである。電磁弁1は、ECU(エンジン制御ユニット)からの信号によって電磁弁1を通電する時間のデューティ比を制御することで、キャニスタ12からエンジン吸気管13内に導入する流体のパージ流量を制御する。
電磁弁1は、ハウジング2、電磁駆動部9、バルブ7、コイルスプリング8、及び、一体フィルタ部70等から構成されている。バルブ7は、特許請求の範囲に記載の「弁部材」に相当し、コイルスプリング8は、特許請求の範囲に記載の「付勢手段」に相当する。
ハウジング2は、パージ通路15の途中に接続される流体流路管としての入口ポート31および出口ポート39を備える。電磁駆動部9は、ハウジング2の内部に一体に設けられ、バルブ7の開閉を制御する。バルブ7は、ハウジング2の内部に開閉自在に収容されている。コイルスプリング8は、バルブ7をシート部30に押し付ける方向に付勢する。一体フィルタ部70は、電磁弁1に流入する流体中に混入した異物を捕捉して、エンジン吸気管13内への異物の侵入を防止する。
以下、各部の構成を詳細に説明する。なお、電磁弁1の説明では、図1の上側を上、図1の下側を下として説明する。
ハウジング2は、パージ通路15の途中に接続される流体流路管としての入口ポート31および出口ポート39を備える。電磁駆動部9は、ハウジング2の内部に一体に設けられ、バルブ7の開閉を制御する。バルブ7は、ハウジング2の内部に開閉自在に収容されている。コイルスプリング8は、バルブ7をシート部30に押し付ける方向に付勢する。一体フィルタ部70は、電磁弁1に流入する流体中に混入した異物を捕捉して、エンジン吸気管13内への異物の侵入を防止する。
以下、各部の構成を詳細に説明する。なお、電磁弁1の説明では、図1の上側を上、図1の下側を下として説明する。
ハウジング2は、バルブケース3およびバルブシート4から構成されている。バルブケース3は、特許請求の範囲に記載の「弁ケース」に相当し、バルブシート4は、特許請求の範囲に記載の「蓋部材」に相当する。
バルブケース3およびバルブシート4は、耐燃料性および難燃性を有する樹脂材料、例えば、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PA(ポリアミド)、または、それらにガラス繊維を入れた樹脂で成形されている。
バルブケース3およびバルブシート4は、耐燃料性および難燃性を有する樹脂材料、例えば、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PA(ポリアミド)、または、それらにガラス繊維を入れた樹脂で成形されている。
バルブケース3は略筒形の容器状であり、入口ポート31、側壁部21、弁収容部22、及び、樹脂モールド部23を含む。
略円管状の入口ポート31は、電磁弁1の中心軸線方向(上下方向)に直交して径方向外側に延びている。入口ポート31は、パージ通路15の上流側部を介してキャニスタ12に接続される。入口ポート31の内部には、直管状の入口流路32が形成されている。
略円管状の入口ポート31は、電磁弁1の中心軸線方向(上下方向)に直交して径方向外側に延びている。入口ポート31は、パージ通路15の上流側部を介してキャニスタ12に接続される。入口ポート31の内部には、直管状の入口流路32が形成されている。
側壁部21は、開口40を取り囲んで設けられ、側壁部21の上端部にはフランジ部27が設けられている。
弁収容部22は、中心軸線の周囲に円筒状に設けられ、バルブ7を収容する。
樹脂モールド部23は、バルブケース3の底部に設けられ、電磁駆動部9を被覆する。樹脂モールド部23には、キャニスタ12またはエンジン吸気管13等にボルト等で締結されて電磁弁1を固定するインサートナット24がインサート成形されている。樹脂モールド部23には、また、電磁駆動部9に励磁電流を供給するためのコネクタ端子25を保持する筒状のコネクタシェル26が一体的に形成されている。
弁収容部22は、中心軸線の周囲に円筒状に設けられ、バルブ7を収容する。
樹脂モールド部23は、バルブケース3の底部に設けられ、電磁駆動部9を被覆する。樹脂モールド部23には、キャニスタ12またはエンジン吸気管13等にボルト等で締結されて電磁弁1を固定するインサートナット24がインサート成形されている。樹脂モールド部23には、また、電磁駆動部9に励磁電流を供給するためのコネクタ端子25を保持する筒状のコネクタシェル26が一体的に形成されている。
バルブシート4は、天板部28、出口ポート39、筒部29、及び、シート部30を含む。シート部30は、特許請求の範囲に記載の「弁座」に相当する。
天板部28は、バルブケース3の開口40を塞ぎ、フランジ部27のフランジ面27aに全周が当接して溶着される。
略円管状の出口ポート39は、天板部28に直交して中心軸線の上方向に延びている。出口ポート39は、パージ通路15の下流側を介してエンジン吸気管13に接続される。筒部29は、天板部28に対して出口ポート39と反対側に、すなわち中心軸線の下方向に延びている。筒部29と出口ポート39との内部には、上流側から下流側に内径が徐々に拡径するテーパ流路37、及び、直管状の出口流路38が連続して形成されている。テーパ流路37および出口流路38は、特許請求の範囲に記載の「出口ポートと連通する流体通路」に相当する。
天板部28は、バルブケース3の開口40を塞ぎ、フランジ部27のフランジ面27aに全周が当接して溶着される。
略円管状の出口ポート39は、天板部28に直交して中心軸線の上方向に延びている。出口ポート39は、パージ通路15の下流側を介してエンジン吸気管13に接続される。筒部29は、天板部28に対して出口ポート39と反対側に、すなわち中心軸線の下方向に延びている。筒部29と出口ポート39との内部には、上流側から下流側に内径が徐々に拡径するテーパ流路37、及び、直管状の出口流路38が連続して形成されている。テーパ流路37および出口流路38は、特許請求の範囲に記載の「出口ポートと連通する流体通路」に相当する。
シート部30は、筒部29の下側の開口端に円環状に形成されている。シート部30には、バルブ7が着座可能となっている。シート部30からテーパ流路27に向かって、バルブ7によって開閉される弁孔36が形成されている。
バルブシート4がバルブケース3に溶着された状態で、側壁部21の内壁、弁収容部22の外壁、天板部28、筒部29の外周面、及び、電磁駆動部9の上面によって囲まれた筒状空間にボリューム室33が形成される。ボリューム室33は、入口流路32から流入する蒸発燃料等の流体の圧力脈動を減衰させる。
また、弁収容部22の内壁と筒部29の外周面との間には、円環状空間34が形成される。円環状空間34の径方向内側で、且つシート部30と電磁駆動部9の上面との間にはバルブ室35が形成される。
また、弁収容部22の内壁と筒部29の外周面との間には、円環状空間34が形成される。円環状空間34の径方向内側で、且つシート部30と電磁駆動部9の上面との間にはバルブ室35が形成される。
次に、電磁駆動部9は、ソレノイドコイル5、ムービングコア6、ステータコア41、ヨーク42、ピース43等から構成されている。ムービングコア6は可動コアであり、ステータコア41およびヨーク42は固定コアである。ソレノイドコイル5に励磁電流が供給されることにより、可動コアおよび固定コアに磁気吸引力を発生させる。
ソレノイドコイル5は、通電を受けることにより起磁力を発生して、磁性材料よりなるムービングコア6、ステータコア41、及び、ヨーク42の各磁性体を磁化する。
ソレノイドコイル5は、絶縁被膜を施した導線が円筒状のコイルボビン44に複数回巻回されて構成されている。コイルボビン44は、樹脂モールド部23とステータコア41との間に設けられる。ソレノイドコイル5の径方向外側は、樹脂モールド部23により被覆されて保護されている。また、ソレノイドコイル5から延びる端末リード線は、コネクタ端子25に電気的に接続されている。
ソレノイドコイル5は、絶縁被膜を施した導線が円筒状のコイルボビン44に複数回巻回されて構成されている。コイルボビン44は、樹脂モールド部23とステータコア41との間に設けられる。ソレノイドコイル5の径方向外側は、樹脂モールド部23により被覆されて保護されている。また、ソレノイドコイル5から延びる端末リード線は、コネクタ端子25に電気的に接続されている。
ムービングコア6は、磁性材料によってカップ状に形成されており、ソレノイドコイル5の通電時に磁化されて電磁石となり、ステータコア41の段差面41cに吸引される。また、ムービングコア6は、ソレノイドコイル5の非通電時に、コイルスプリング8の付勢力によって、バルブ7をシート部30に着座させる方向にバルブ7に荷重を与える。
ムービングコア6は、軸線方向の上端側が閉塞し、下端側が開口するカップ状であり、カップ状の内径部がピース43の外径に摺動自在に外挿されるとともに、カップ状の外径部がステータコア41の大径孔41aに摺動自在に内挿されている。上端側の中央には、軸線方向に貫通する貫通孔45が形成されている。また、ムービングコア6とピース43との間の円筒状空間であるスプリング室46には、コイルスプリング8が収容される。
ステータコア41は、磁性材料によって円筒状に形成されており、ソレノイドコイル5の通電時に磁化されて電磁石となる。ステータコア41は、上側に大径孔41aを有し、大径孔41aの下側に小径孔41bを有している。大径孔41aと小径孔41bとの段差面41cは、ムービングコア6を下方向に吸引する。
ピース43は、ステータコア41の小径孔41bに嵌め込まれて保持されている。図4(a)に示すように、ムービングコア6が下方向に吸引されたとき、ムービングコア6と一体に移動するバルブ7の下端部がピース43の上端面に当接して、下方向すなわち開弁方向への移動が規制される。このときのムービングコア6およびバルブ7の移動距離がフルリフト量となる。
バルブ7は、フッ素ゴムまたはシリコンゴム等のゴム系弾性体で形成される。バルブ7は、ムービングコア6の貫通孔45に一体に装着されて、バルブ室35内を軸線方向に往復移動する。
バルブ7の上端部は円環状のゴムシール部となっており、ソレノイドコイル5の非通電時にコイルスプリング8の付勢力によって、シート部30に着座する(図4(b)参照)。また、バルブ7のゴムシール部は、ソレノイドコイル5の通電時にシート部30から離座する(図4(a)参照)。これにより、弁孔36がバルブ室35と連通する。
バルブ7の下端部は円環状のゴムクッション部となっており、ピース43の上端面に当接可能である。なお、バルブ7のゴムクッション部は、バルブ7がピース43の上端面に当接した際の衝撃を吸収する。
バルブ7の上端部は円環状のゴムシール部となっており、ソレノイドコイル5の非通電時にコイルスプリング8の付勢力によって、シート部30に着座する(図4(b)参照)。また、バルブ7のゴムシール部は、ソレノイドコイル5の通電時にシート部30から離座する(図4(a)参照)。これにより、弁孔36がバルブ室35と連通する。
バルブ7の下端部は円環状のゴムクッション部となっており、ピース43の上端面に当接可能である。なお、バルブ7のゴムクッション部は、バルブ7がピース43の上端面に当接した際の衝撃を吸収する。
コイルスプリング8は、ムービングコア6とピース43との間に形成されるスプリング室46内に収容されている。コイルスプリング8は、一端がピース43に当接し、他端が、ムービングコア6に当接して、バルブ7を閉弁方向に付勢する。
次に、一体フィルタ部70について、図1、図3〜図5を参照して説明する。
一体フィルタ部70は、略円筒形状で、バルブシート4の筒部29の径方向外側に一体に樹脂成形されている。一体フィルタ部70は、メッシュ部71、下枠部72、上枠部73、及び、4本のリブ74a〜74dから構成されている。メッシュ部71は、特許請求の範囲に記載の「フィルタ部」に相当し、下枠部72、上枠部73、及び、4本のリブ74a〜74dは、特許請求の範囲に記載の「フィルタ支持部材」に相当する。
一体フィルタ部70は、略円筒形状で、バルブシート4の筒部29の径方向外側に一体に樹脂成形されている。一体フィルタ部70は、メッシュ部71、下枠部72、上枠部73、及び、4本のリブ74a〜74dから構成されている。メッシュ部71は、特許請求の範囲に記載の「フィルタ部」に相当し、下枠部72、上枠部73、及び、4本のリブ74a〜74dは、特許請求の範囲に記載の「フィルタ支持部材」に相当する。
メッシュ部71は、PA(ポリアミド)等の樹脂材料によってシート状に成形されている。メッシュ部71は、入口ポート31から流入する流体中に混入したメッシュ開口サイズ以上のサイズの異物を捕捉する。異物とは、例えば、エンジン振動等によってキャニスタ12内に保持された吸着体が微粉末化された粉体、給油中に燃料タンク11内に侵入する大気中の塵埃、キャニスタ12の大気開放孔より侵入する大気中の塵埃等である。
下枠部72は、シート部30側の端部に円環状に形成される。上枠部73は、天板部28との接続部に円環状に形成される。
ここで、フランジ面27aから下枠部72の端面72aまでの高さ寸法は、フランジ面27aから弁収容部22の座面22aまでの深さ寸法とほぼ一致するように設定される。したがって、図4(a)、(b)に示すように、下枠部72の端面72aと弁収容部22の座面22aとは、ほぼ隙間なく当接する。この高さ寸法および深さ寸法は、樹脂成形部品であるバルブシート4およびバルブケース3の寸法公差範囲内でばらつく可能性がある。しかし、このばらつきによる隙間の最大距離がメッシュ開口サイズ以下であれば、許容サイズ以上の異物が通過することはないため問題とならない。
ここで、フランジ面27aから下枠部72の端面72aまでの高さ寸法は、フランジ面27aから弁収容部22の座面22aまでの深さ寸法とほぼ一致するように設定される。したがって、図4(a)、(b)に示すように、下枠部72の端面72aと弁収容部22の座面22aとは、ほぼ隙間なく当接する。この高さ寸法および深さ寸法は、樹脂成形部品であるバルブシート4およびバルブケース3の寸法公差範囲内でばらつく可能性がある。しかし、このばらつきによる隙間の最大距離がメッシュ開口サイズ以下であれば、許容サイズ以上の異物が通過することはないため問題とならない。
4本のリブ74a〜74dは、周方向にほぼ等間隔に配置され、下枠部72と上枠部73とを連結するとともにメッシュ部71を保持している。リブ74aは、入口ポート31からボリューム室33へ供給される流体の流れが衝突する位置に設けられ、リブ74cは、入口流路32の反対側に設けられる。リブ74bおよびリブ74dは、リブ74aおよびリブ74dと直交する方向に設けられる。
図5(a)に、一体フィルタ部70における流体の流れを示す。リブ74aが、流体の流れSaが衝突する位置に設けられているため、流体の流れSaはリブ74aによって左右に分けられる。すると、流体中に混入した異物99は、破線Sdのように左右のリブ74bおよび74dの方へ追い込まれて堆積する。したがって、異物99は、リブ74aの近傍のメッシュ部71領域には比較的堆積しない。よって、流体の流れSaが通過しうるフィルタ部の流路面積は比較的変化せず、濾過特性が安定する。
(作用)
次に、本発明の一実施形態による電磁弁1の作用を説明する。
ECUからソレノイドコイル5に励磁電流が供給されると、ソレノイドコイル5の周囲に磁束が発生し、ステータコア41、ヨーク42、及び、ムービングコア6が磁化されるため、ムービングコア6には、ステータコア41の段差面41cに近づく方向への電磁吸引力が働く。
次に、本発明の一実施形態による電磁弁1の作用を説明する。
ECUからソレノイドコイル5に励磁電流が供給されると、ソレノイドコイル5の周囲に磁束が発生し、ステータコア41、ヨーク42、及び、ムービングコア6が磁化されるため、ムービングコア6には、ステータコア41の段差面41cに近づく方向への電磁吸引力が働く。
ムービングコア6がステータコア41の段差面41cに近づく方向に移動すると、バルブ7がバルブシート4のシート部30から離座する。そして、弁孔36が開放されるため、キャニスタ12内にエンジン吸気管13の吸気管負圧が導入される。
すると、キャニスタ12内の吸着剤より脱離した蒸発燃料は、キャニスタ12→パージ通路15の上流部→電磁弁1の入口ポート31→入口流路32→ボリューム室33→メッシュ部71→円環状空間34→バルブ室35→弁孔36→テーパ流路37→出口流路38→出口ポート39→パージ通路15の下流部を経由してエンジン吸気管13内に導入される。このとき、メッシュ部71に、流体中に混入したメッシュ開口サイズ以上の異物が捕捉されることにより、異物がエンジン吸気管13へ侵入することを防止する。
すると、キャニスタ12内の吸着剤より脱離した蒸発燃料は、キャニスタ12→パージ通路15の上流部→電磁弁1の入口ポート31→入口流路32→ボリューム室33→メッシュ部71→円環状空間34→バルブ室35→弁孔36→テーパ流路37→出口流路38→出口ポート39→パージ通路15の下流部を経由してエンジン吸気管13内に導入される。このとき、メッシュ部71に、流体中に混入したメッシュ開口サイズ以上の異物が捕捉されることにより、異物がエンジン吸気管13へ侵入することを防止する。
なお、ECUによって電磁弁1を通電する時間を制御することで、バルブ7のリフト量に対応した弁孔36のバルブ開度を変更して、キャニスタ12からエンジン吸気管13内に導入する流体のパージ流量を制御することができる。
電磁弁1への通電時間が長い時には、ソレノイドコイル5に流れる平均電流が大きくなる。すると、ムービングコア6がコイルスプリング8の付勢力に抗してステータコア41の段差面41cに近づく方向に動き、このムービングコア6の動きに連動してバルブ7のリフト量が大きくなり、バルブ開度が大きくなる。これにより、パージ流量が多くなる。
電磁弁1への通電時間が長い時には、ソレノイドコイル5に流れる平均電流が大きくなる。すると、ムービングコア6がコイルスプリング8の付勢力に抗してステータコア41の段差面41cに近づく方向に動き、このムービングコア6の動きに連動してバルブ7のリフト量が大きくなり、バルブ開度が大きくなる。これにより、パージ流量が多くなる。
電磁弁1への通電時間が短い時には、ソレノイドコイル5に流れる平均電流が小さくなる。すると、ムービングコア6がコイルスプリング8の付勢力によって戻され、このムービングコア6の動きに連動してバルブ7のリフト量が小さくなり、バルブ開度が小さくなる。これにより、パージ流量が少なくなる。
電磁弁1への通電が停止された時には、ムービングコア6がコイルスプリング8の付勢力によって初期位置まで戻され、このムービングコア6の動きに連動してバルブ7がシート部30に密着する。これにより、パージ通路15は閉鎖される。
電磁弁1への通電が停止された時には、ムービングコア6がコイルスプリング8の付勢力によって初期位置まで戻され、このムービングコア6の動きに連動してバルブ7がシート部30に密着する。これにより、パージ通路15は閉鎖される。
(効果)
次に、本発明の一実施形態による電磁弁1の効果を説明する。
本発明の一実施形態による電磁弁1では、一体フィルタ部70がバルブシート4と一体に樹脂成形されることにより、後述の比較例のように別体のフィルタユニット80をバルブシート87に圧入する場合に比べて部品点数が減少するとともに、隙間寸法の管理が必要となる当接箇所が減少する。具体的には、一体フィルタ部70と他部品との当接箇所は、一体フィルタ部70の下枠部72の端面72aの1箇所だけとなる。よって、最小限の管理工数で寸法のばらつきを管理することができる。その結果、良品について、許容サイズ以上の異物の通過を防止することができる。
次に、本発明の一実施形態による電磁弁1の効果を説明する。
本発明の一実施形態による電磁弁1では、一体フィルタ部70がバルブシート4と一体に樹脂成形されることにより、後述の比較例のように別体のフィルタユニット80をバルブシート87に圧入する場合に比べて部品点数が減少するとともに、隙間寸法の管理が必要となる当接箇所が減少する。具体的には、一体フィルタ部70と他部品との当接箇所は、一体フィルタ部70の下枠部72の端面72aの1箇所だけとなる。よって、最小限の管理工数で寸法のばらつきを管理することができる。その結果、良品について、許容サイズ以上の異物の通過を防止することができる。
また、一体フィルタ部70がバルブシート4と一体に樹脂成形されることにより、バルブシート4に対する4本のリブ74a〜74dの配置が一様に定まる。したがって、製品ごとに、入口流路32の方向から視たメッシュ部分71の投影面積が一定となり、流量のばらつきが抑制される。
そして、4本のうち1本のリブ74aは、入口ポート31からボリューム室33へ供給される流体の流れが衝突する位置に設けられる。これにより、流体の流れSaがリブ74aによって左右に分けられる。すると、異物は、流体の流れSaが衝突するリブ74aから遠い方へ追い込まれて堆積し、リブ74aの近傍のメッシュ部71領域には比較的堆積しない。すなわち、異物の堆積領域を狙って作ることにより、フィルタ部の流路面積を確保することができる。
さらに、一体フィルタ部70がバルブシート4に一体に成形されるので、樹脂成形部品であるバルブシート4およびバルブケース3の寸法のばらつきのみを管理することにより、下枠部72の端面72aと弁収容部22の座面22aとをほぼ隙間なく当接させることが容易であり、当接箇所でのシール性を容易かつ確実に確保できる。
これにより、流体中に混入した異物が電磁弁1の弁孔36や電磁駆動部9の摺動部に侵入し難くなる。よって、シート部30でのシール不良や、電磁駆動部9の摺動部での動作不良や固着故障等を防止することができる。
これにより、流体中に混入した異物が電磁弁1の弁孔36や電磁駆動部9の摺動部に侵入し難くなる。よって、シート部30でのシール不良や、電磁駆動部9の摺動部での動作不良や固着故障等を防止することができる。
加えて、バルブケース3およびバルブシート4は、耐燃料性および難燃性を有する樹脂材料であるPBT、PPS、PA、または、それらにガラス繊維を入れた樹脂で成形されているため、電磁弁1の耐久性能および安全性が向上する。
(比較例)
次に、本発明と比較するための比較例の電磁弁を図6〜図8に基づいて説明する。比較例の電磁弁86では、バルブシート87の筒部29の径方向外側に円環状の嵌合部89が設けられる。そして、別体のフィルタユニット80の上枠部83がバルブシート87の嵌合部89に圧入される。
フィルタユニット80の形状および構造は、本発明の一実施形態の一体フィルタ部70と類似している。フィルタユニット80は、略円筒状で、メッシュ部81、下枠部82、上枠部83、及び、周方向にほぼ等間隔に配置された4本のリブ84から構成されている。
次に、本発明と比較するための比較例の電磁弁を図6〜図8に基づいて説明する。比較例の電磁弁86では、バルブシート87の筒部29の径方向外側に円環状の嵌合部89が設けられる。そして、別体のフィルタユニット80の上枠部83がバルブシート87の嵌合部89に圧入される。
フィルタユニット80の形状および構造は、本発明の一実施形態の一体フィルタ部70と類似している。フィルタユニット80は、略円筒状で、メッシュ部81、下枠部82、上枠部83、及び、周方向にほぼ等間隔に配置された4本のリブ84から構成されている。
フィルタユニット80を嵌合部89に圧入した後の下枠部82の端面82aの高さ方向の位置は、フィルタユニット80単体の高さ寸法に加えて、圧入深さによってばらつく。ここで、フランジ面27aから下枠部82の端面82aまでの高さ寸法がフランジ面27aから弁収容部22の座面22aまでの深さ寸法よりも大きくなると、バルブシート87とバルブケース4との溶着時にフランジ面27aと天板部88との全周当接が妨げられ、溶着不良を招くおそれがある。そのため、圧入深さが最小時でも、上記の端面82aまでの高さ寸法が上記の座面22aまでの深さ寸法よりも大きくならないように、フィルタユニット80単体の高さ寸法の公差範囲はマイナス側に設定される。したがって、図7に示すように、ばらつき範囲の平均において下枠部82の端面82aと弁収容部22の座面22aとの間には距離Hの隙間90が生じる。
隙間90の距離Hがメッシュ開口サイズよりも大きくなると、電磁弁86の開弁時、流体に混入した許容サイズ以上のサイズの異物99がボリューム室33から隙間90を通って円環状空間34に侵入する可能性がある。侵入した異物99は、弁孔36を通り出口ポート39からパージ通路15を経由してエンジン吸気管13へ侵入するおそれがある。また、異物99は、シート部30とバルブ7との間に介在し、電磁弁86の閉弁時にシール性を阻害するおそれがある。さらに、異物99は、ステータコア41の大径孔41aの内径とムービングコア6の外径との間の摺動部に挟まれてムービングコア6の動作不良や固着故障等を起こすおそれがある。
また、フィルタユニット80が嵌合部89に圧入されるに際し、位置決め構造または組み付け方向の指定のいずれもないため、4本のリブ84の周方向の配置は定まらない。その結果、図5(b)に示した本発明の一実施形態と同様に、入口ポート31からボリューム室33へ供給される流体の流れがリブ84のうちの1本に衝突する場合もあり、あるいは、図8に示すように、入口ポート31からボリューム室33へ供給される流体の流れがリブ84の間のメッシュ部81に衝突する場合もある。
図8に示すリブ配置では、入口流路32方向から視たメッシュ部81の投影面積が最大であり、メッシュ部81が清浄な初期状態では流体が抵抗なく流入可能である。しかし、使用時間が経つにつれ流体中に混入した異物99が破線Sdのように正面の領域に堆積し、流体の流れSaが通過しうる流路面積が徐々に減少することとなる。
このように、リブ84の配置がばらつくことにより、濾過特性が不安定となる。
このように、リブ84の配置がばらつくことにより、濾過特性が不安定となる。
(その他の実施形態)
(ア)上記の実施形態では、入口ポート31は、バルブケース3の側壁部21に略直角に交差して一体に設けられた。しかし、入口ポートは、側壁部に対して斜めに設けられてもよく、あるいは、L字形の入口ポートが別部品として側壁部に接続されてもよい。また、入口ポートは、インサートナットやコネクタシェル(図1参照)に干渉しない位置において、バルブケースの下部に設けられてもよい。
それらの場合であっても、一体フィルタ部の1本のリブが、入口ポートからボリューム室へ供給される流体の流れが衝突する位置に設けられることにより、本発明の目的を達成し、同一の効果を奏する。
(ア)上記の実施形態では、入口ポート31は、バルブケース3の側壁部21に略直角に交差して一体に設けられた。しかし、入口ポートは、側壁部に対して斜めに設けられてもよく、あるいは、L字形の入口ポートが別部品として側壁部に接続されてもよい。また、入口ポートは、インサートナットやコネクタシェル(図1参照)に干渉しない位置において、バルブケースの下部に設けられてもよい。
それらの場合であっても、一体フィルタ部の1本のリブが、入口ポートからボリューム室へ供給される流体の流れが衝突する位置に設けられることにより、本発明の目的を達成し、同一の効果を奏する。
(イ)上記の実施形態では一体フィルタ部70は略円筒形状に形成されているが、断面が長円形、楕円形などの筒形状に形成されてもよい。
(ウ)上記の実施形態ではフィルタ部として樹脂メッシュを採用しているが、フィルタ部として金網、不織布などをインサート成形してもよい。
(エ)上記の実施形態では電磁弁として電磁式流量制御弁を採用しているが、電磁弁として電磁式開閉弁を採用してもよい。また、常閉型(ノーマリクローズタイプ)の電磁弁だけでなく、常開型(ノーマリオープンタイプ)の電磁弁に本発明を適用してもよい。
(ウ)上記の実施形態ではフィルタ部として樹脂メッシュを採用しているが、フィルタ部として金網、不織布などをインサート成形してもよい。
(エ)上記の実施形態では電磁弁として電磁式流量制御弁を採用しているが、電磁弁として電磁式開閉弁を採用してもよい。また、常閉型(ノーマリクローズタイプ)の電磁弁だけでなく、常開型(ノーマリオープンタイプ)の電磁弁に本発明を適用してもよい。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
1:電磁弁、2:ハウジング、3:バルブケース(弁ケース)、4:バルブシート(蓋部材)、5:ソレノイドコイル、6:ムービングコア、7:バルブ(弁部材)、8:コイルスプリング(付勢手段)、9:電磁駆動部、10:蒸発燃料処理装置、11:燃料タンク、12:キャニスタ、13:エンジン吸気管、15:パージ通路、
21:側壁部、22:弁収容部、22a:座面、23:樹脂モールド部、27:フランジ部、27a:フランジ面、28:天板部、29:筒部、30:シート部(弁座)、31:入口ポート、32:入口流路、33:ボリューム室、34:円環状空間、35:バルブ室、36:弁孔、37:テーパ流路、38:出口流路、39:出口ポート、40:開口、41:ステータコア、43:ピース、44:コイルボビン、
70:一体フィルタ部、71:メッシュ部(フィルタ部)、72:下枠部(フィルタ支持部材)、72a:端面、73:上枠部(フィルタ支持部材)、74a〜74d:リブ(フィルタ支持部材)、80:フィルタユニット、81:メッシュ部、82:下枠部、82a:端面、83:上枠部、84:リブ、86:電磁弁、87:バルブシート、88:天板部、90:隙間、99:異物、Sa:流体の流れ
21:側壁部、22:弁収容部、22a:座面、23:樹脂モールド部、27:フランジ部、27a:フランジ面、28:天板部、29:筒部、30:シート部(弁座)、31:入口ポート、32:入口流路、33:ボリューム室、34:円環状空間、35:バルブ室、36:弁孔、37:テーパ流路、38:出口流路、39:出口ポート、40:開口、41:ステータコア、43:ピース、44:コイルボビン、
70:一体フィルタ部、71:メッシュ部(フィルタ部)、72:下枠部(フィルタ支持部材)、72a:端面、73:上枠部(フィルタ支持部材)、74a〜74d:リブ(フィルタ支持部材)、80:フィルタユニット、81:メッシュ部、82:下枠部、82a:端面、83:上枠部、84:リブ、86:電磁弁、87:バルブシート、88:天板部、90:隙間、99:異物、Sa:流体の流れ
Claims (5)
- 略筒状の形状をしており、一端に開口、内壁に弁収容部、並びに、外壁に流体を導入する入口ポート、を有する弁ケースと、
前記開口を塞ぐ天板部、前記天板部の外壁に流体を排出する出口ポート、前記天板部から前記弁収容部側に延び前記出口ポートと連通する流体通路を有する筒部、及び、前記筒部の端面に形成される弁座、を有する蓋部材と、
前記弁収容部に収容され、前記弁座に着座または離座することにより、前記入口ポートから前記出口ポートへの流体の流路を連通または遮断する弁部材と、
前記弁収容部に収容され、前記弁部材を閉弁または開弁方向へ付勢する付勢手段と、
前記弁収容部に収容され、電磁吸引力を発生させることにより、前記付勢手段に抗して前記弁部材を開弁または閉弁方向へ駆動する電磁駆動部と、
前記弁ケースに収容され、前記入口ポートから前記弁座へ流れる流体中に混入した異物を捕捉するフィルタ部と、
前記蓋部材と一体に樹脂成形され、前記筒部の径方向外側の位置で前記フィルタ部を支持するフィルタ支持部材と、
を備えることを特徴とする電磁弁。 - 前記フィルタ支持部材は、前記天板部から前記弁収容部側に延び前記入口ポートから前記弁ケースに供給される流体の流れが衝突する位置にリブを設けることを特徴とする請求項1に記載の電磁弁。
- 前記フィルタ支持部材の前記弁座側の端面と、前記弁収容部の前記天板部側に面する座面とが当接することを特徴とする請求項1または2に記載の電磁弁。
- 前記蓋部材は、耐燃料性および難燃性を有する樹脂で成形されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電磁弁。
- 前記蓋部材は、PA、PBT、PPS、または、それらにガラス繊維を入れた樹脂で成形されることを特徴とする請求項4に記載の電磁弁。
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