JP3990065B2 - 蒸気タービン設備 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蒸気条件が650℃以上の蒸気タービン設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
火力発電プラントにおける蒸気条件の高温および高圧化は、その効率向上に寄与する非常に重要かつ基本的な要因である。1960年代後半に、圧力が24.1MPaであり、ボイラ加熱器からの蒸気温度が538℃、再熱温度が566℃である(538/566℃)一段再熱の蒸気条件がわが国の事業用火力タービンの標準的なものとして確立されてからは、最近に至るまで画期的な進展はみられていなかった。
【0003】
しかし、オイルショック以来、省エネルギー化が強力に推進され、その後の地球温暖化問題に対する急速な関心の高まりから火力発電プラントの高効率化が押し進められてきた。
【0004】
発電効率を向上させるためには、蒸気タービンの蒸気温度を上げるのが最も有効な手段である。従来の蒸気タービン設備の蒸気条件は、600℃級以下の蒸気温度であり、蒸気タービンのロータ、動翼および静翼等の主要部材にはフェライト系耐熱鋼が用いられている。従来の高効率タービン用材料としては、例えば特公昭60−31898号公報、特公昭60−54385号公報または特開平2−149649号公報にみられるような高強度耐熱鋼が知られている。特に、高温強度のより優れた耐熱鋼として、特開平8−3697号公報または特開平7−34202号公報にみられるような高強度耐熱鋼が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、蒸気タービン設備の蒸気条件が、650℃級以上の蒸気温度である場合には、蒸気タービンのノズル、動翼、静翼およびタービンロータ等の主要部材には、フェライト系材料では強度的に厳しいという問題を有していた。
【0006】
このため、蒸気タービンの動翼および静翼などの主要部材として、Ni基合金に代表されるオーステナイト系材料が適用されていた。
【0007】
Ni基合金などのオーステナイト系材料は、低熱伝導率および高線膨張係数の特性を有するため、フェライト系の材料と比較すると大きな熱応力が発生しやすく、蒸気タービンの起動を含む運用上の制約が生じる。さらに、一般にオーステナイト系材料は、大型鋼塊の製造に限界があるという問題を有している。このため、従来、大型の事業用蒸気タービンの蒸気弁、タービンケーシングにNi基合金に代表されるオーステナイト系材料を適用することは運用上、製造上極めて困難であった。また、これらの材料を適用した場合においても大型鋼塊を用いるため材料特性が必ずしも良好ではなく、部品としては信頼性が十分に得られないという問題を有していた。
【0008】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、650℃級以上の蒸気タービン設備において、蒸気タービンの運用制限を極力抑制し、また蒸気タービンの製造性を向上させた蒸気タービン設備を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、650℃以上の蒸気を発生させる蒸気発生器と、この蒸気発生器に接続された蒸気管と、この蒸気管から蒸気を導入し、その最上流側に超々高圧高温(SP)タービンを備え、このSPタービンの下流側に超高圧以下の蒸気タービンを有する蒸気タービン設備において、上記SPタービン複数台に分割し多軸化すると共に、上記SPタービンの下流側に、上記蒸気の流れに沿って順に、超高圧タービン、ボイラ第1段再熱器、上記分割した残りのSPタービン、高圧タービン、ボイラ第2段再熱器、中圧タービン、低圧タービンを設置する構成にしたことを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、蒸気温度が650℃以上の蒸気タービン設備において、SPタービンを分割小型化することでオーステナイト系材料の適用を容易とし、タービンの高温強度を確保して信頼性の高い蒸気タービン設備が得られる。また、SPタービンの小型化および薄肉化により、起動時間短縮など運転特性を向上させるとともにケーシングの圧力応力を低減でき、また、動翼、静翼およびタービンロータの遠心応力を低減し、動翼および静翼の振動応力の低減に有効に作用する。さらに、SPタービンを分割多軸化することでユニット部分負荷におけるタービン性能の向上を図れる。
【0011】
また、タービンは部分負荷運転時にはタービン第1段落への挿入蒸気が部分送入となって流体損失が大きくなり、また翼性能も悪化するためタービン効率が低下するが、SPタービンを複数台に分割して多軸化することにより、ユニット全体での部分負荷運転時には、複数台あるSPタービンを順次起動または停止させることで、性能が悪い部分負荷運転状態のSPタービンの台数を極力少なくし、性能が良い全負荷運転の状態で運転するSPタービンの台数を極力多くすることができることから部分送入の度合いを低減できる。従って、ユニット部分負荷時のユニット全体としての効率低下が抑制され、効率改善に効果的に作用する。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の蒸気タービン設備において、SPタービンの動翼、静翼、タービンロータまたはタービンケーシングの材料として、オーステナイト系材料を適用したことを特徴とする。
【0013】
本発明において、SPタービンの動翼、静翼およびタービンロータの材料にオーステナイト系材料を適用し、超々高圧高温(SP)タービンを独立して構成し、SPタービン以外は、650℃以下の蒸気を流した。このように、SPタービンを小型化して複数台に分割し多軸化することで、オーステナイト系材料の使用による蒸気タービンの起動時間等の運用制限を抑制できる。また、オーステナイト系材料を適用したことから、タービンの高温強度が確保され分割小型化によりケーシングの圧力応力が低減されるだけでなく、動翼、静翼およびタービンロータの遠心応力を軽減でき、また、動翼および静翼の振動応力を軽減できる。このため、従来、大型鋼塊の製造が困難であったオーステナイト系材料を適用でき、蒸気タービンを製造する上で極めて有効である。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の蒸気タービン設備において、オーステナイト系材料は、Niを35%以上含むNi基合金であることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、蒸気弁ケーシング、動翼、静翼、タービンロータまたはタービンケーシングの材料にNiを35%以上含むNi基合金に代表されるオーステナイト系材料を適用することで、タービンの高温強度が十分に確保され、安全で信頼性の高い蒸気タービン設備が得られる。
【0016】
請求項4記載の発明は、650℃以上の蒸気を発生させる蒸気発生器と、この蒸気発生器に接続された蒸気管と、この蒸気管から蒸気を導入し、その最上流側に超々高圧高温(SP)タービンを備え、このSPタービンの下流側に超高圧以下の蒸気タービンを有する蒸気タービン設備において、上記SPタービンを複数台に分割し多軸化すると共に、上記SPタービンの下流側に、上記蒸気の流れに沿って順に、超高圧タービン、ボイラ第1段再熱器、上記分割した残りのSPタービン、高圧タービン、ボイラ第2段再熱器、中圧タービン、低圧タービンを設置する構成にする一方、上記SPタービンのそれぞれの入り口に接続する上記蒸気管ごとに蒸気弁を備えたことを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、蒸気弁を小型化かつ薄肉化して小容量の弁に分割して複数化したため、その結果として熱応力が低減され、蒸気タービンの起動時間等の運用制限が軽減し、起動時間が大幅に短縮して運転性が向上する。また、蒸気弁を小型化したことから、蒸気弁の製造性を向上できる。
【0018】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の蒸気タービン設備において、蒸気弁ケーシングの材料として、オーステナイト系材料を適用したことを特徴とする。
【0019】
請求項6記載の発明は、請求項2または5記載の蒸気タービン設備において、動翼、静翼またはタービンロータの材料にNiを35%以上含むNi基合金を適用し、蒸気弁ケーシングまたはタービンケーシングの材料にCoを50%以上含むCo基合金を適用したことを特徴とする。
【0020】
本発明においては、比較的小型の鋼塊から製造できる動翼、静翼またはタービンロータに高温高強度であるが大型鋼塊の製造が難しいNiを35%以上含むNi基合金を適用した。また、タービンの最重要部品である動翼、静翼またはタービンロータについて十分な高温強度を確保し、かつ、大型鋼塊が必要な蒸気弁ケーシングまたはタービンケーシングの材料に、高温で比較的高強度で大型鋼塊が製造可能なCoを50%以上含むCo基合金を使用した。このため、大型静止部品である蒸気弁ケーシングまたはタービンケーシングの強度を確保しつつその製造を可能にすることができる。
【0021】
なお、Ni基合金などのオーステナイト系材料の適用は、全体的な適用に拘泥されることなく部品の一部分への部分的な適用であっても十分な効果を有する。また、蒸気弁ケーシングおよびタービンケーシングへのCo基合金の適用についても同様に、部品の一部分への部分的な適用であっても十分な効果を有し、全体的な適用に拘泥されない。
【0022】
請求項7記載の発明は、請求項5記載の蒸気タービン設備において、前記蒸気弁ケーシングの材料として適用するオーステナイト系材料は、Niを35%以上含むNi基合金であることを特徴とする。
【0023】
請求項8記載の発明は、650℃以上の蒸気を発生させる蒸気発生器と、この蒸気発生器に接続された蒸気管と、この蒸気管から蒸気を導入し、その最上流側に超々高圧高温(SP)タービンを備え、このSPタービンの下流側に超高圧以下の蒸気タービンを有する蒸気タービン設備において、上記SPタービンを複数台に分割し多軸化すると共に、上記SPタービンの下流側に、上記蒸気の流れに沿って順に、超高圧タービン、ボイラ第1段再熱器、上記分割した残りのSPタービン、高圧タービン、ボイラ第2段再熱器、中圧タービン、低圧タービンを設置する構成にする一方、上記SPタービンのそれぞれの入り口に接続する上記蒸気管ごとに備えた蒸気弁のケーシングと上記SPタービンのケーシングとを一体化する構成にしたことを特徴とする。
【0024】
蒸気弁を個別に配置するためには、高価なオーステナイト系材料を多量に使用するとともに、配置のための大きなスペースを要する。このため、本発明のように、蒸気弁ケーシングとSPタービンケーシングとを一体ケーシングとすることにより、タービン設備を極めてコンパクト化することができ、大幅なコスト低減の効果とタービン設備配置計画の自由度増大の効果を得ることができる。
【0025】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の蒸気タービン設備において、蒸気弁のケーシングとSPタービンのケーシングとをボルトにより締結して一体とする構成にしたことを特徴とする。
【0026】
請求項10記載の発明は、請求項8記載の蒸気タービン設備において、蒸気弁のケーシングとSPタービンのケーシングとを溶接により一体とする構成にしたことを特徴とする。
【0027】
本発明によれば、溶接を用いることで蒸気弁ケーシングおよびSPタービンケーシングをコンパクト化できるだけでなく、強固に一体化することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図1〜図5を用いて説明する。
【0029】
図1は、蒸気タービン設備の構成を示す図である。
【0030】
図1に示すように、蒸気タービン設備1は、蒸気発生器としてのボイラ加熱器2が前段に設けられており、このボイラ加熱器2には蒸気管3が接続されている。この蒸気管3には、ボイラ加熱器2からの蒸気を止める主蒸気止め弁(MSV)4が備えられ、さらにこの主蒸気止め弁4の下流側に、蒸気の流量を調節する蒸気加減弁(CV)5が備えられる。
【0031】
主蒸気止め弁(MSV)4および蒸気加減弁(CV)5の下流側には、この蒸気管6を介して蒸気が導入される超々高圧高温タービン(SPタービン)7が設けられる。まず、蒸気はこのSPタービン7の左側に導入されSPタービン7を回転させる仕事をした後、後段に設けられた超高圧タービン8(VHPタービン)に圧力・温度とも低下した蒸気が導入される。さらに、VHPタービン8で仕事をした蒸気は、蒸気管9を介してVHPタービン8下流側に接続されたボイラ第1段再熱器10により再び加熱・加圧される。その後、蒸気管9に配設された蒸気導入の開閉を行う入口調整弁(CRV)11を介してSPタービン7に導入される。そして、再度SPタービン7で蒸気は仕事を行う。なお、このSPタービン7には、発電機12が直結されている。その後、SPタービン7で再び仕事をした蒸気は、VHPタービン8の後段に設置された高圧タービン(HPタービン)13に導入される。そして、このHPタービン13にて仕事をした蒸気が、HPタービン13の後段に設けられたボイラ第2段再熱器14により再加熱され、中圧タービン(IPタービン)15に導入される。IPタービン15で仕事をした蒸気は、このIPタービン15の後段に設けられた低圧タービン(LPタービン)16により再び仕事が行われる。また、VHPタービン8からLPタービン16を結ぶロータ軸38には、発電機17が接続されている。一方、このLPタービン16に接続された図示しない復水器によりLPタービン16で仕事をした蒸気が復水として回収される。この復水器により回収された復水は、再度、ボイラ加熱器2に導入される。なお、図1に示す蒸気タービン設備1は、ボイラ加熱器2およびボイラ第1段再熱器10で発生する蒸気温度が650℃以上のタービンシステムである。
【0032】
次に、図1のA部に示す蒸気弁を小型化して複数台に分割し多軸化した蒸気タービン設備の一部を図2に示す。
【0033】
図2に示すように、図示しないボイラ加熱器に接続された蒸気管3は、6本の分岐管18に分岐される。これらの分岐管18には、それぞれ小容量化した主蒸気止め弁(MSV)4が備えられ、各主蒸気止め弁4の後流側に、各々小容量化した蒸気加減弁(CV)5が設けられる。そして、これらの複数台に分割された各蒸気弁4,5を備えた分岐管18が1本の蒸気管19に統合され、この蒸気管19からSPタービン7に蒸気が導入される。なお、図2では、分岐管18を6本としたが、これを適用する蒸気タービン設備の容量によりこれより多くても少なくても良い。
【0034】
次に、図1に示すSPタービン7の構造の縦断面を概略的に図3に示す。
【0035】
図3に示すように、SPタービン7は、タービンケーシング20内に回転する軸であるタービンロータ21が設置されており、このタービンロータ21の軸方向と垂直に、蒸気管6に接続された蒸気入口部22が設けられる。そして、この蒸気入口部22の下部位置に蒸気を内部に導入する入口ノズル23が備えられ、この入口ノズル23から導入された蒸気が、タービンロータ21に植設された動翼24およびケーシング20内に配設された静翼25に供給される。
【0036】
図3に示すSPタービン7においては、主蒸気止め弁(MSV)4、蒸気加減弁(CV)5のケーシング、動翼24、静翼25、タービンロータ21またはタービンケーシング20の材料として、Niを35%以上含むNi基合金に代表されるオーステナイト系材料を適用して、蒸気タービンの高温強度を確保した。このようにSPタービン7を小型化して3台に分割し多軸化することにより、SPタービン7の動翼24および静翼25の材料として大型化が難しいと言われているオーステナイト系材料を適用することができる。
【0037】
なお、蒸気加減弁(CV)のケーシングとSPタービンのケーシングとを一体とした構成としても良い。このとき、一体とする際には、ボルトにより締結するか、または溶接を用いると良い。
【0038】
図4は、蒸気加減弁(CV)のケーシングとSPタービンのケーシングとを一体ケーシングとしたSPタービンの構成を示す縦断面図である。なお、図3と同一箇所には、同一の符号を用いる。
【0039】
図4に示すように、SPタービン26は、蒸気加減弁(CV)のケーシング27とSPタービンのケーシング28とを一体とした外部ケーシング29内に回転する軸であるタービンロータ21が設置され、このタービンロータ21の軸方向と垂直に、蒸気入口部22が設けられる。この蒸気入口部22の下部位置には、蒸気を内部に導入する入口ノズル23が備えられ、この入口ノズル23から導入された蒸気が、タービンロータ21に植設された動翼24およびケーシング28に配設された静翼25に供給される。蒸気入口部22の上部位置には、蒸気加減弁(CV)30が設けられる。蒸気加減弁(CV)30は、弁室31内に弁体32が備えられる。そして、この弁体32は弁室31の下部位置に設けられた弁座33に着座することにより弁が閉じられる。また、弁体32の上部に設置された弁駆動機構34を駆動することにより、弁体32は上下作動して蒸気が蒸気入口部22に導入される構成である。
【0040】
さらに、主蒸気止め弁(MSV)4、蒸気加減弁(CV)5、超々高圧高温タービン(SPタービン)7および入口調整弁(CRV)11を詳しく示した蒸気タービン設備1の全体構成を図5に示す。
【0041】
図5に示すように、蒸気タービン設備1は、前段にボイラ加熱器2が設けられ、このボイラ加熱器2に蒸気管3が接続される。この蒸気管3には、主蒸気止め弁(MSV)4および蒸気加減弁(CV)5が配設される。
【0042】
これらの主蒸気止め弁(MSV)4および蒸気加減弁(CV)5の下流側には、超々高圧高温タービン(SPタービン)7が設けられ、蒸気はSPタービン7の左側に導入されSPタービン7を回転させる仕事をした後、後段に設けられた超高圧タービン8(VHPタービン)に圧力・温度とも低下した蒸気が導入される。さらに、VHPタービン8で仕事をした蒸気は、ボイラ第1段再熱器10により再び加熱・加圧後、蒸気導入の開閉を行う入口調整弁(CRV)11を介してSPタービン7に導入され、再度SPタービン7で仕事を行う。SPタービン7にて再び仕事をして温度・圧力ともに低下した蒸気が高圧タービン(HPタービン)13に導入された後、さらに温度・圧力が低下した蒸気はボイラ第2段再熱器14により再加熱されて中圧タービン(IPタービン)15に導入される。さらに、低圧タービン(LPタービン)16でも仕事をした蒸気は、図示しない復水器により復水として回収される。この復水器により回収された復水は、再度、ボイラ加熱器2に導入される。なお、図5に示す蒸気タービン設備1は、ボイラ加熱器2およびボイラ第1段再熱器10で発生する蒸気温度が650℃以上のタービンシステムである。
【0043】
図5に示すSPタービン7においては、入口ノズル23、動翼24、静翼25またはタービンロータ21の材料として、Niを35%以上含むNi基合金に代表されるオーステナイト系材料を適用して、蒸気タービンの高温強度を確保した。また図5に示す主蒸気止め弁(MSV)4のケーシング35、蒸気加減弁(CV)5のケーシング36、入口調整弁(CRV)のケーシング37およびタービンケーシング20の材料として、Coを50%以上含むCo基合金を適用した。
【0044】
このような材料を用いて、SPタービン7以外の蒸気タービン、すなわち、VHPタービン8、HPタービン13、IPタービン15およびLPタービン16に650℃以下におさえた蒸気を流した。そして、SPタービン7と、主蒸気止め弁(MSV)4、蒸気加減弁(CV)5および入口調整弁(CRV)11などの蒸気弁とを小型にして複数台に分割し、多軸化した。
【0045】
本実施形態によれば、Ni基合金に代表されるオーステナイト系材料を適用することで、蒸気タービンの起動時間等の運用制限を抑制するとともに、蒸気タービンおよび蒸気弁の製造性を向上させることができる。なお、本実施形態においては、オーステナイト系材料としてはNi基合金を適用したが、Co基合金およびCr−Ni基合金なども適用することができる。
【0046】
また、タービンの高温強度を確保して信頼性の高いタービンを供給し、圧力応力の低減を図ることで、動翼24、静翼26およびタービンロータ21の遠心応力を低減させ、動翼24および静翼25の振動応力を低減させて、ユニット部分負荷におけるタービン性能の向上を図ることができる。
【0047】
さらに、蒸気弁の小型化および薄肉化を図ることで熱応力が低減し、蒸気タービンの起動時間等の運用制限を極力抑制し、蒸気弁の製造を有利にすることができる。
【0048】
従って、本実施形態によれば、タービンの高温強度が十分に確保されるため、安全で信頼性の高い蒸気タービン設備を得ることができる。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、蒸気温度が650℃以上の蒸気タービン設備において、部品を小型化かつ薄肉化して複数化することにより製造性が向上するだけでなく、熱応力が低減されるため蒸気タービンの起動時間等の運用制限が軽減され、起動時間が大幅に短縮して運転性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における、蒸気タービン設備の構成を示す図。
【図2】本発明の実施形態における、蒸気弁を小型化して複数台に分割し多軸化した蒸気タービン設備の一部を示す構成図。
【図3】本発明の実施形態における、SPタービンの構造を概略的に示す縦断面図。
【図4】本発明の実施形態における、CVケーシングとタービンケーシングとを一体構造としたSPタービンを示す縦断面図。
【図5】本発明の実施形態における、蒸気タービン設備の構成を示す詳細図。
【符号の説明】
1 蒸気タービン設備
2 ボイラ加熱器
3 蒸気管
4 主蒸気止め弁(MSV)
5 蒸気加減弁(CV)
6 蒸気管
7 超々高圧高温タービン(SP)
8 超高圧タービン(VHP)
9 蒸気管
10 ボイラ第一段再熱器
11 入口調整弁(CRV)
12 発電機
13 高圧タービン(HP)
14 ボイラ第二段再熱器
15 中圧タービン(IP)
16 低圧タービン(LP)
17 発電機
18 分岐管
19 蒸気管
20 タービンケーシング
21 タービンロータ
22 蒸気入口
23 入口ノズル
24 動翼
25 静翼
26 SPタービン
27 CVケーシング
28 タービンケーシング
29 外部ケーシング
30 蒸気加減弁
31 弁室
32 弁体
33 弁座
34 弁駆動機構
35 主蒸気止め弁のケーシング
36 蒸気加減弁のケーシング
37 入口調整弁のケーシング
38 タービンロータ軸

Claims (10)

  1. 650℃以上の蒸気を発生させる蒸気発生器と、この蒸気発生器に接続された蒸気管と、この蒸気管から蒸気を導入し、その最上流側に超々高圧高温(SP)タービンを備え、このSPタービンの下流側に超高圧以下の蒸気タービンを有する蒸気タービン設備において、上記SPタービン複数台に分割し多軸化すると共に、上記SPタービンの下流側に、上記蒸気の流れに沿って順に、超高圧タービン、ボイラ第1段再熱器、上記分割した残りのSPタービン、高圧タービン、ボイラ第2段再熱器、中圧タービン、低圧タービンを設置する構成にしたことを特徴とする蒸気タービン設備。
  2. 請求項1記載の蒸気タービン設備において、SPタービンの動翼、静翼、タービンロータまたはタービンケーシングの材料として、オーステナイト系材料を適用したことを特徴とする蒸気タービン設備。
  3. 請求項2記載の蒸気タービン設備において、オーステナイト系材料は、Niを35%以上含むNi基合金であることを特徴とする蒸気タービン設備。
  4. 650℃以上の蒸気を発生させる蒸気発生器と、この蒸気発生器に接続された蒸気管と、この蒸気管から蒸気を導入し、その最上流側に超々高圧高温(SP)タービンを備え、このSPタービンの下流側に超高圧以下の蒸気タービンを有する蒸気タービン設備において、上記SPタービンを複数台に分割し多軸化すると共に、上記SPタービンの下流側に、上記蒸気の流れに沿って順に、超高圧タービン、ボイラ第1段再熱器、上記分割した残りのSPタービン、高圧タービン、ボイラ第2段再熱器、中圧タービン、低圧タービンを設置する構成にする一方、上記SPタービンのそれぞれの入り口に接続する上記蒸気管ごとに蒸気弁を備えたことを特徴とする蒸気タービン設備。
  5. 請求項4記載の蒸気タービン設備において、蒸気弁ケーシングの材料として、オーステナイト系材料を適用したことを特徴とする蒸気タービン設備。
  6. 請求項2または5記載の蒸気タービン設備において、動翼、静翼またはタービンロータの材料にNiを35%以上含むNi基合金を適用し、蒸気弁ケーシングまたはタービンケーシングの材料にCoを50%以上含むCo基合金を適用したことを特徴とする蒸気タービン設備。
  7. 請求項5記載の蒸気タービン設備において、前記蒸気弁ケーシングの材料として適用するオーステナイト系材料は、Niを35%以上含むNi基合金であることを特徴とする蒸気タービン設備。
  8. 650℃以上の蒸気を発生させる蒸気発生器と、この蒸気発生器に接続された蒸気管と、この蒸気管から蒸気を導入し、その最上流側に超々高圧高温(SP)タービンを備え、このSPタービンの下流側に超高圧以下の蒸気タービンを有する蒸気タービン設備において、上記SPタービンを複数台に分割し多軸化すると共に、上記SPタービンの下流側に、上記蒸気の流れに沿って順に、超高圧タービン、ボイラ第1段再熱器、上記分割した残りのSPタービン、高圧タービン、ボイラ第2段再熱器、中圧タービン、低圧タービンを設置する構成にする一方、上記SPタービンのそれぞれの入り口に接続する上記蒸気管ごとに備えた蒸気弁のケーシングと上記SPタービンのケーシングとを一体化する構成にしたことを特徴とする蒸気タービン設備。
  9. 請求項8記載の蒸気タービン設備において、蒸気弁のケーシングとSPタービンのケーシングとをボルトにより締結して一体とする構成にしたことを特徴とする蒸気タービン設備。
  10. 請求項8記載の蒸気タービン設備において、蒸気弁のケーシングとSPタービンのケーシングとを溶接により一体とする構成にしたことを特徴とする蒸気タービン設備。
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