JP2000282805A - 蒸気タービン設備 - Google Patents

蒸気タービン設備

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JP2000282805A
JP2000282805A JP11087309A JP8730999A JP2000282805A JP 2000282805 A JP2000282805 A JP 2000282805A JP 11087309 A JP11087309 A JP 11087309A JP 8730999 A JP8730999 A JP 8730999A JP 2000282805 A JP2000282805 A JP 2000282805A
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正孝 菊地
Hiroyuki Ohira
浩之 大平
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Abstract

(57)【要約】 【課題】650℃級以上の蒸気タービン設備において、
オーステナイト系材料の適用により、蒸気タービンの運
用制限を極力抑制し、また蒸気タービンの製造性を向上
させたシステムを備えた蒸気タービン設備を得る。 【解決手段】650℃以上の蒸気を発生させる蒸気発生
器と、この蒸気発生器に接続された蒸気管3と、この蒸
気管3の後流側であって、最上流側に超々高圧高温(S
P)タービン7を備え、このSPタービン7の下流側に
超高圧以下の蒸気タービンを有する蒸気タービン設備1
において、SPタービン7を小型化して複数台に分割し
多軸化したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蒸気条件が650
℃以上の蒸気タービン設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】火力発電プラントにおける蒸気条件の高
温および高圧化は、その効率向上に寄与する非常に重要
かつ基本的な要因である。1960年代後半に、圧力が
24.1MPaであり、ボイラ加熱器からの蒸気温度が
538℃、再熱温度が566℃である(538/566
℃)一段再熱の蒸気条件がわが国の事業用火力タービン
の標準的なものとして確立されてからは、最近に至るま
で画期的な進展はみられていなかった。
【0003】しかし、オイルショック以来、省エネルギ
ー化が強力に推進され、その後の地球温暖化問題に対す
る急速な関心の高まりから火力発電プラントの高効率化
が押し進められてきた。
【0004】発電効率を向上させるためには、蒸気ター
ビンの蒸気温度を上げるのが最も有効な手段である。従
来の蒸気タービン設備の蒸気条件は、600℃級以下の
蒸気温度であり、蒸気タービンのロータ、動翼および静
翼等の主要部材にはフェライト系耐熱鋼が用いられてい
る。従来の高効率タービン用材料としては、例えば特公
昭60−31898号公報、特公昭60−54385号
公報または特開平2−149649号公報にみられるよ
うな高強度耐熱鋼が知られている。特に、高温強度のよ
り優れた耐熱鋼として、特開平8−3697号公報また
は特開平7−34202号公報にみられるような高強度
耐熱鋼が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、蒸気タ
ービン設備の蒸気条件が、650℃級以上の蒸気温度で
ある場合には、蒸気タービンのノズル、動翼、静翼およ
びタービンロータ等の主要部材には、フェライト系材料
では強度的に厳しいという問題を有していた。
【0006】このため、蒸気タービンの動翼および静翼
などの主要部材として、Ni基合金に代表されるオース
テナイト系材料が適用されていた。
【0007】Ni基合金などのオーステナイト系材料
は、低熱伝導率および高線膨張係数の特性を有するた
め、フェライト系の材料と比較すると大きな熱応力が発
生しやすく、蒸気タービンの起動を含む運用上の制約が
生じる。さらに、一般にオーステナイト系材料は、大型
鋼塊の製造に限界があるという問題を有している。この
ため、従来、大型の事業用蒸気タービンの蒸気弁、ター
ビンケーシングにNi基合金に代表されるオーステナイ
ト系材料を適用することは運用上、製造上極めて困難で
あった。また、これらの材料を適用した場合においても
大型鋼塊を用いるため材料特性が必ずしも良好ではな
く、部品としては信頼性が十分に得られないという問題
を有していた。
【0008】本発明は、このような問題を解決するため
になされたものであり、650℃級以上の蒸気タービン
設備において、蒸気タービンの運用制限を極力抑制し、
また蒸気タービンの製造性を向上させた蒸気タービン設
備を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
650℃以上の蒸気を発生させる蒸気発生器と、この蒸
気発生器に接続された蒸気管と、この蒸気管から蒸気を
導入し、その最上流側に超々高圧高温(SP)タービン
を備え、このSPタービンの下流側に超高圧以下の蒸気
タービンを有する蒸気タービン設備において、前記SP
タービンを小型化して複数台に分割し多軸化したことを
特徴とする。
【0010】本発明によれば、蒸気温度が650℃以上
の蒸気タービン設備において、SPタービンを分割小型
化することでオーステナイト系材料の適用を容易とし、
タービンの高温強度を確保して信頼性の高い蒸気タービ
ン設備が得られる。また、SPタービンの小型化および
薄肉化により、起動時間短縮など運転特性を向上させる
とともにケーシングの圧力応力を低減でき、また、動
翼、静翼およびタービンロータの遠心応力を低減し、動
翼および静翼の振動応力の低減に有効に作用する。さら
に、SPタービンを分割多軸化することでユニット部分
負荷におけるタービン性能の向上を図れる。
【0011】また、タービンは部分負荷運転時にはター
ビン第1段落への挿入蒸気が部分送入となって流体損失
が大きくなり、また翼性能も悪化するためタービン効率
が低下するが、SPタービンを複数台に分割して多軸化
することにより、ユニット全体での部分負荷運転時に
は、複数台あるSPタービンを順次起動または停止させ
ることで、性能が悪い部分負荷運転状態のSPタービン
の台数を極力少なくし、性能が良い全負荷運転の状態で
運転するSPタービンの台数を極力多くすることができ
ることから部分送入の度合いを低減できる。従って、ユ
ニット部分負荷時のユニット全体としての効率低下が抑
制され、効率改善に効果的に作用する。
【0012】請求項2記載の発明は、請求項1記載の蒸
気タービン設備において、SPタービンの動翼、静翼、
タービンロータまたはタービンケーシングの材料とし
て、オーステナイト系材料を適用したことを特徴とす
る。
【0013】本発明において、SPタービンの動翼、静
翼およびタービンロータの材料にオーステナイト系材料
を適用し、超々高圧高温(SP)タービンを独立して構
成し、SPタービン以外は、650℃以下の蒸気を流し
た。このように、SPタービンを小型化して複数台に分
割し多軸化することで、オーステナイト系材料の使用に
よる蒸気タービンの起動時間等の運用制限を抑制でき
る。また、オーステナイト系材料を適用したことから、
タービンの高温強度が確保され分割小型化によりケーシ
ングの圧力応力が低減されるだけでなく、動翼、静翼お
よびタービンロータの遠心応力を軽減でき、また、動翼
および静翼の振動応力を軽減できる。このため、従来、
大型鋼塊の製造が困難であったオーステナイト系材料を
適用でき、蒸気タービンを製造する上で極めて有効であ
る。
【0014】請求項3記載の発明は、請求項2記載の蒸
気タービン設備において、オーステナイト系材料は、N
iを35%以上含むNi基合金であることを特徴とす
る。
【0015】本発明によれば、蒸気弁ケーシング、動
翼、静翼、タービンロータまたはタービンケーシングの
材料にNiを35%以上含むNi基合金に代表されるオ
ーステナイト系材料を適用することで、タービンの高温
強度が十分に確保され、安全で信頼性の高い蒸気タービ
ン設備が得られる。
【0016】請求項4記載の発明は、650℃以上の蒸
気を発生させる蒸気発生器と、この蒸気発生器に接続さ
れた蒸気管と、この蒸気管から蒸気を導入し、その最上
流側に超々高圧高温(SP)タービンを備え、このSP
タービンの下流側に超高圧以下の蒸気タービンを有する
蒸気タービン設備において、前記蒸気管に配設された蒸
気弁を小型化かつ薄肉化し、小容量の弁に分割して複数
化したことを特徴とする。
【0017】本発明によれば、蒸気弁を小型化かつ薄肉
化して小容量の弁に分割して複数化したため、その結果
として熱応力が低減され、蒸気タービンの起動時間等の
運用制限が軽減し、起動時間が大幅に短縮して運転性が
向上する。また、蒸気弁を小型化したことから、蒸気弁
の製造性を向上できる。
【0018】請求項5記載の発明は、請求項4記載の蒸
気タービン設備において、蒸気弁ケーシングの材料とし
て、オーステナイト系材料を適用したことを特徴とす
る。
【0019】請求項6記載の発明は、請求項2または5
記載の蒸気タービン設備において、動翼、静翼またはタ
ービンロータの材料にNiを35%以上含むNi基合金
を適用し、蒸気弁ケーシングまたはタービンケーシング
の材料にCoを50%以上含むCo基合金を適用したこ
とを特徴とする。
【0020】本発明においては、比較的小型の鋼塊から
製造できる動翼、静翼またはタービンロータに高温高強
度であるが大型鋼塊の製造が難しいNiを35%以上含
むNi基合金を適用した。また、タービンの最重要部品
である動翼、静翼またはタービンロータについて十分な
高温強度を確保し、かつ、大型鋼塊が必要な蒸気弁ケー
シングまたはタービンケーシングの材料に、高温で比較
的高強度で大型鋼塊が製造可能なCoを50%以上含む
Co基合金を使用した。このため、大型静止部品である
蒸気弁ケーシングまたはタービンケーシングの強度を確
保しつつその製造を可能にすることができる。
【0021】なお、Ni基合金などのオーステナイト系
材料の適用は、全体的な適用に拘泥されることなく部品
の一部分への部分的な適用であっても十分な効果を有す
る。また、蒸気弁ケーシングおよびタービンケーシング
へのCo基合金の適用についても同様に、部品の一部分
への部分的な適用であっても十分な効果を有し、全体的
な適用に拘泥されない。
【0022】請求項7記載の発明は、請求項4または5
に記載の蒸気弁を、請求項1から3までのいずれかに記
載の蒸気タービン設備に適用したことを特徴とする。
【0023】請求項8記載の発明は、650℃以上の蒸
気を発生させる蒸気発生器と、この蒸気発生器に接続さ
れた蒸気管と、この蒸気管から蒸気を導入し、その最上
流側に超々高圧高温(SP)タービンを備え、このSP
タービンの下流側に超高圧以下の蒸気タービンを有する
蒸気タービン設備において、前記蒸気管に配設された蒸
気弁のケーシングと前記SPタービンのケーシングとを
一体化したことを特徴とする。
【0024】蒸気弁を個別に配置するためには、高価な
オーステナイト系材料を多量に使用するとともに、配置
のための大きなスペースを要する。このため、本発明の
ように、蒸気弁ケーシングとSPタービンケーシングと
を一体ケーシングとすることにより、タービン設備を極
めてコンパクト化することができ、大幅なコスト低減の
効果とタービン設備配置計画の自由度増大の効果を得る
ことができる。
【0025】請求項9記載の発明は、請求項8記載の蒸
気タービン設備において、蒸気弁のケーシングとSPタ
ービンのケーシングとをボルトにより締結して一体とし
たことを特徴とする。
【0026】請求項10記載の発明は、請求項8記載の
蒸気タービン設備において、蒸気弁のケーシングとSP
タービンのケーシングとを溶接により一体としたことを
特徴とする。
【0027】本発明によれば、溶接を用いることで蒸気
弁ケーシングおよびSPタービンケーシングをコンパク
ト化できるだけでなく、強固に一体化することができ
る。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図1〜図5を用いて説明する。
【0029】図1は、蒸気タービン設備の構成を示す図
である。
【0030】図1に示すように、蒸気タービン設備1
は、蒸気発生器としてのボイラ加熱器2が前段に設けら
れており、このボイラ加熱器2には蒸気管3が接続され
ている。この蒸気管3には、ボイラ加熱器2からの蒸気
を止める主蒸気止め弁(MSV)4が備えられ、さらに
この主蒸気止め弁4の下流側に、蒸気の流量を調節する
蒸気加減弁(CV)5が備えられる。
【0031】主蒸気止め弁(MSV)4および蒸気加減
弁(CV)5の下流側には、この蒸気管6を介して蒸気
が導入される超々高圧高温タービン(SPタービン)7
が設けられる。まず、蒸気はこのSPタービン7の左側
に導入されSPタービン7を回転させる仕事をした後、
後段に設けられた超高圧タービン8(VHPタービン)
に圧力・温度とも低下した蒸気が導入される。さらに、
VHPタービン8で仕事をした蒸気は、蒸気管9を介し
てVHPタービン8下流側に接続されたボイラ第1段再
熱器10により再び加熱・加圧される。その後、蒸気管
9に配設された蒸気導入の開閉を行う入口調整弁(CR
V)11を介してSPタービン7に導入される。そし
て、再度SPタービン7で蒸気は仕事を行う。なお、こ
のSPタービン7には、発電機12が直結されている。
その後、SPタービン7で再び仕事をした蒸気は、VH
Pタービン8の後段に設置された高圧タービン(HPタ
ービン)13に導入される。そして、このHPタービン
13にて仕事をした蒸気が、HPタービン13の後段に
設けられたボイラ第2段再熱器14により再加熱され、
中圧タービン(IPタービン)15に導入される。IP
タービン15で仕事をした蒸気は、このIPタービン1
5の後段に設けられた低圧タービン(LPタービン)1
6により再び仕事が行われる。また、VHPタービン8
からLPタービン16を結ぶロータ軸38には、発電機
17が接続されている。一方、このLPタービン16に
接続された図示しない復水器によりLPタービン16で
仕事をした蒸気が復水として回収される。この復水器に
より回収された復水は、再度、ボイラ加熱器2に導入さ
れる。なお、図1に示す蒸気タービン設備1は、ボイラ
加熱器2およびボイラ第1段再熱器10で発生する蒸気
温度が650℃以上のタービンシステムである。
【0032】次に、図1のA部に示す蒸気弁を小型化し
て複数台に分割し多軸化した蒸気タービン設備の一部を
図2に示す。
【0033】図2に示すように、図示しないボイラ加熱
器に接続された蒸気管3は、6本の分岐管18に分岐さ
れる。これらの分岐管18には、それぞれ小容量化した
主蒸気止め弁(MSV)4が備えられ、各主蒸気止め弁
4の後流側に、各々小容量化した蒸気加減弁(CV)5
が設けられる。そして、これらの複数台に分割された各
蒸気弁4,5を備えた分岐管18が1本の蒸気管19に
統合され、この蒸気管19からSPタービン7に蒸気が
導入される。なお、図2では、分岐管18を6本とした
が、これを適用する蒸気タービン設備の容量によりこれ
より多くても少なくても良い。
【0034】次に、図1に示すSPタービン7の構造の
縦断面を概略的に図3に示す。
【0035】図3に示すように、SPタービン7は、タ
ービンケーシング20内に回転する軸であるタービンロ
ータ21が設置されており、このタービンロータ21の
軸方向と垂直に、蒸気管6に接続された蒸気入口部22
が設けられる。そして、この蒸気入口部22の下部位置
に蒸気を内部に導入する入口ノズル23が備えられ、こ
の入口ノズル23から導入された蒸気が、タービンロー
タ21に植設された動翼24およびケーシング20内に
配設された静翼25に供給される。
【0036】図3に示すSPタービン7においては、主
蒸気止め弁(MSV)4、蒸気加減弁(CV)5のケー
シング、動翼24、静翼25、タービンロータ21また
はタービンケーシング20の材料として、Niを35%
以上含むNi基合金に代表されるオーステナイト系材料
を適用して、蒸気タービンの高温強度を確保した。この
ようにSPタービン7を小型化して3台に分割し多軸化
することにより、SPタービン7の動翼24および静翼
25の材料として大型化が難しいと言われているオース
テナイト系材料を適用することができる。
【0037】なお、蒸気加減弁(CV)のケーシングと
SPタービンのケーシングとを一体とした構成としても
良い。このとき、一体とする際には、ボルトにより締結
するか、または溶接を用いると良い。
【0038】図4は、蒸気加減弁(CV)のケーシング
とSPタービンのケーシングとを一体ケーシングとした
SPタービンの構成を示す縦断面図である。なお、図3
と同一箇所には、同一の符号を用いる。
【0039】図4に示すように、SPタービン26は、
蒸気加減弁(CV)のケーシング27とSPタービンの
ケーシング28とを一体とした外部ケーシング29内に
回転する軸であるタービンロータ21が設置され、この
タービンロータ21の軸方向と垂直に、蒸気入口部22
が設けられる。この蒸気入口部22の下部位置には、蒸
気を内部に導入する入口ノズル23が備えられ、この入
口ノズル23から導入された蒸気が、タービンロータ2
1に植設された動翼24およびケーシング28に配設さ
れた静翼25に供給される。蒸気入口部22の上部位置
には、蒸気加減弁(CV)30が設けられる。蒸気加減
弁(CV)30は、弁室31内に弁体32が備えられ
る。そして、この弁体32は弁室31の下部位置に設け
られた弁座33に着座することにより弁が閉じられる。
また、弁体32の上部に設置された弁駆動機構34を駆
動することにより、弁体32は上下作動して蒸気が蒸気
入口部22に導入される構成である。
【0040】さらに、主蒸気止め弁(MSV)4、蒸気
加減弁(CV)5、超々高圧高温タービン(SPタービ
ン)7および入口調整弁(CRV)11を詳しく示した
蒸気タービン設備1の全体構成を図5に示す。
【0041】図5に示すように、蒸気タービン設備1
は、前段にボイラ加熱器2が設けられ、このボイラ加熱
器2に蒸気管3が接続される。この蒸気管3には、主蒸
気止め弁(MSV)4および蒸気加減弁(CV)5が配
設される。
【0042】これらの主蒸気止め弁(MSV)4および
蒸気加減弁(CV)5の下流側には、超々高圧高温ター
ビン(SPタービン)7が設けられ、蒸気はSPタービ
ン7の左側に導入されSPタービン7を回転させる仕事
をした後、後段に設けられた超高圧タービン8(VHP
タービン)に圧力・温度とも低下した蒸気が導入され
る。さらに、VHPタービン8で仕事をした蒸気は、ボ
イラ第1段再熱器10により再び加熱・加圧後、蒸気導
入の開閉を行う入口調整弁(CRV)11を介してSP
タービン7に導入され、再度SPタービン7で仕事を行
う。SPタービン7にて再び仕事をして温度・圧力とも
に低下した蒸気が高圧タービン(HPタービン)13に
導入された後、さらに温度・圧力が低下した蒸気はボイ
ラ第2段再熱器14により再加熱されて中圧タービン
(IPタービン)15に導入される。さらに、低圧ター
ビン(LPタービン)16でも仕事をした蒸気は、図示
しない復水器により復水として回収される。この復水器
により回収された復水は、再度、ボイラ加熱器2に導入
される。なお、図5に示す蒸気タービン設備1は、ボイ
ラ加熱器2およびボイラ第1段再熱器10で発生する蒸
気温度が650℃以上のタービンシステムである。
【0043】図5に示すSPタービン7においては、入
口ノズル23、動翼24、静翼25またはタービンロー
タ21の材料として、Niを35%以上含むNi基合金
に代表されるオーステナイト系材料を適用して、蒸気タ
ービンの高温強度を確保した。また図5に示す主蒸気止
め弁(MSV)4のケーシング35、蒸気加減弁(C
V)5のケーシング36、入口調整弁(CRV)のケー
シング37およびタービンケーシング20の材料とし
て、Coを50%以上含むCo基合金を適用した。
【0044】このような材料を用いて、SPタービン7
以外の蒸気タービン、すなわち、VHPタービン8、H
Pタービン13、IPタービン15およびLPタービン
16に650℃以下におさえた蒸気を流した。そして、
SPタービン7と、主蒸気止め弁(MSV)4、蒸気加
減弁(CV)5および入口調整弁(CRV)11などの
蒸気弁とを小型にして複数台に分割し、多軸化した。
【0045】本実施形態によれば、Ni基合金に代表さ
れるオーステナイト系材料を適用することで、蒸気ター
ビンの起動時間等の運用制限を抑制するとともに、蒸気
タービンおよび蒸気弁の製造性を向上させることができ
る。なお、本実施形態においては、オーステナイト系材
料としてはNi基合金を適用したが、Co基合金および
Cr−Ni基合金なども適用することができる。
【0046】また、タービンの高温強度を確保して信頼
性の高いタービンを供給し、圧力応力の低減を図ること
で、動翼24、静翼26およびタービンロータ21の遠
心応力を低減させ、動翼24および静翼25の振動応力
を低減させて、ユニット部分負荷におけるタービン性能
の向上を図ることができる。
【0047】さらに、蒸気弁の小型化および薄肉化を図
ることで熱応力が低減し、蒸気タービンの起動時間等の
運用制限を極力抑制し、蒸気弁の製造を有利にすること
ができる。
【0048】従って、本実施形態によれば、タービンの
高温強度が十分に確保されるため、安全で信頼性の高い
蒸気タービン設備を得ることができる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
蒸気温度が650℃以上の蒸気タービン設備において、
部品を小型化かつ薄肉化して複数化することにより製造
性が向上するだけでなく、熱応力が低減されるため蒸気
タービンの起動時間等の運用制限が軽減され、起動時間
が大幅に短縮して運転性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における、蒸気タービン設備
の構成を示す図。
【図2】本発明の実施形態における、蒸気弁を小型化し
て複数台に分割し多軸化した蒸気タービン設備の一部を
示す構成図。
【図3】本発明の実施形態における、SPタービンの構
造を概略的に示す縦断面図。
【図4】本発明の実施形態における、CVケーシングと
タービンケーシングとを一体構造としたSPタービンを
示す縦断面図。
【図5】本発明の実施形態における、蒸気タービン設備
の構成を示す詳細図。
【符号の説明】
1 蒸気タービン設備 2 ボイラ加熱器 3 蒸気管 4 主蒸気止め弁(MSV) 5 蒸気加減弁(CV) 6 蒸気管 7 超々高圧高温タービン(SP) 8 超高圧タービン(VHP) 9 蒸気管 10 ボイラ第一段再熱器 11 入口調整弁(CRV) 12 発電機 13 高圧タービン(HP) 14 ボイラ第二段再熱器 15 中圧タービン(IP) 16 低圧タービン(LP) 17 発電機 18 分岐管 19 蒸気管 20 タービンケーシング 21 タービンロータ 22 蒸気入口 23 入口ノズル 24 動翼 25 静翼 26 SPタービン 27 CVケーシング 28 タービンケーシング 29 外部ケーシング 30 蒸気加減弁 31 弁室 32 弁体 33 弁座 34 弁駆動機構 35 主蒸気止め弁のケーシング 36 蒸気加減弁のケーシング 37 入口調整弁のケーシング 38 タービンロータ軸

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 650℃以上の蒸気を発生させる蒸気発
    生器と、この蒸気発生器に接続された蒸気管と、この蒸
    気管から蒸気を導入し、その最上流側に超々高圧高温
    (SP)タービンを備え、このSPタービンの下流側に
    超高圧以下の蒸気タービンを有する蒸気タービン設備に
    おいて、前記SPタービンを小型化して複数台に分割し
    多軸化したことを特徴とする蒸気タービン設備。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の蒸気タービン設備におい
    て、SPタービンの動翼、静翼、タービンロータまたは
    タービンケーシングの材料として、オーステナイト系材
    料を適用したことを特徴とする蒸気タービン設備。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の蒸気タービン設備におい
    て、オーステナイト系材料は、Niを35%以上含むN
    i基合金であることを特徴とする蒸気タービン設備。
  4. 【請求項4】 650℃以上の蒸気を発生させる蒸気発
    生器と、この蒸気発生器に接続された蒸気管と、この蒸
    気管から蒸気を導入し、その最上流側に超々高圧高温
    (SP)タービンを備え、このSPタービンの下流側に
    超高圧以下の蒸気タービンを有する蒸気タービン設備に
    おいて、前記蒸気管に配設された蒸気弁を小型化かつ薄
    肉化し、小容量の弁に分割して複数化したことを特徴と
    する蒸気タービン設備。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の蒸気タービン設備におい
    て、蒸気弁ケーシングの材料として、オーステナイト系
    材料を適用したことを特徴とする蒸気タービン設備。
  6. 【請求項6】 請求項2または5記載の蒸気タービン設
    備において、動翼、静翼またはタービンロータの材料に
    Niを35%以上含むNi基合金を適用し、蒸気弁ケー
    シングまたはタービンケーシングの材料にCoを50%
    以上含むCo基合金を適用したことを特徴とする蒸気タ
    ービン設備。
  7. 【請求項7】 請求項4または5に記載の蒸気弁を、請
    求項1から3までのいずれかに記載の蒸気タービン設備
    に適用したことを特徴とする蒸気タービン設備。
  8. 【請求項8】 650℃以上の蒸気を発生させる蒸気発
    生器と、この蒸気発生器に接続された蒸気管と、この蒸
    気管から蒸気を導入し、その最上流側に超々高圧高温
    (SP)タービンを備え、このSPタービンの下流側に
    超高圧以下の蒸気タービンを有する蒸気タービン設備に
    おいて、前記蒸気管に配設された蒸気弁のケーシングと
    前記SPタービンのケーシングとを一体化したことを特
    徴とする蒸気タービン設備。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の蒸気タービン設備におい
    て、蒸気弁のケーシングとSPタービンのケーシングと
    をボルトにより締結して一体としたことを特徴とする蒸
    気タービン設備。
  10. 【請求項10】 請求項8記載の蒸気タービン設備にお
    いて、蒸気弁のケーシングとSPタービンのケーシング
    とを溶接により一体としたことを特徴とする蒸気タービ
    ン設備。
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