JP5367705B2 - 蒸気タービン及び蒸気タービン翼 - Google Patents

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Description

本発明は、発電プラント等に用いられる蒸気タービン及び蒸気タービン翼に関する。
蒸気タービンでは、ボイラから供給された高温高圧蒸気の圧力・温度エネルギーを静翼と動翼を組合せた翼列を用いて回転エネルギーに変換する。図2は、このような蒸気タービンを用いた発電システムの概念図を示したものである。
図2に示すように、ボイラ1で発生した蒸気は加熱器2でさらに加熱され、蒸気タービン3へ導かれる。
蒸気タービン3は、タービンロータ4の周方向に植設された動翼と、ケーシングで支持される静翼の組み合わせからなる段落をタービンロータ4の軸方向に複数段並べて構成されている。そして、蒸気タービン3に導かれた蒸気が、蒸気通路内で膨張することにより、その高温・高圧のエネルギーがタービンロータ4に回転エネルギーとして変換される。
上記タービンロータ4の回転エネルギーは、タービンロータ4に接続された発電機9に伝わり電気エネルギーへと変換される。一方、そのエネルギーを失った蒸気は蒸気タービン3から排出され復水器10へと導かれ、ここで海水等による冷却媒体11により冷却され凝縮して復水となる。この復水は給水ポンプ12で再びボイラ1へ供給される。
蒸気タービン3は、供給される蒸気の温度・圧力の条件により、高圧タービン、中圧タービン、低圧タービンなどに分けて構成されている。そして、上記のような発電システムの場合、特に高圧タービン、中圧タービンの段落では高温の蒸気に晒されるため、蒸気タービンの動翼、静翼部品等の酸化が顕著である。
蒸気タービンの動翼、静翼等においては、部品として組み込む際、表面に微細な粒子を吹き付けたりするなどの方法により表面粗さをできるだけ小さくしている。これは、部品の表面粗さが大きい場合、翼等の表面において流体の流れが乱れ、剥離を起こすことによって翼としての空力特性が低下し、これがタービン全体の効率を低下させる原因となるためである。
これらの部品は、実際のプラント中において使用された場合、初期の状態では表面粗さを小さくしているため高い空力性能を示す。しかし、徐々にこれらの部品の表面の酸化が進むことにより表面粗さが次第に大きくなり、運転時間の経過とともに翼の空力性能が徐々に低下する。したがって、タービン全体の効率も低下するという問題がある。蒸気タービン部品の表面処理に関連する技術として、以下のような提案がなされている。
蒸気タービン部品等の耐エロージョン性、耐酸化性及び疲労強度を向上させるために、窒化硬質層(ラジカル窒化層)を形成させた後、その上にさらにCrN、TiN、AlCrN等の物理蒸着硬質層を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、蒸気タービン翼等の高温用部材に対し、ニッケルメッキをした後、浸漬によるホウ化処理を行い、翼表面に鉄ホウ化物とニッケルホウ化物からなる層を形成し、翼の耐食性、高温耐エロージョン性を向上させる方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
また、蒸気タービン翼等に対し、溶射と熱処理の組み合わせによりCr23の層を形成させ、耐食性、耐摩耗性、耐エロージョン性を向上させる方法が提案されている(例えば、特許文献3、特許文献4参照。)。
また、蒸気タービンブレードを対象として、組成を厳密にコントロールしたコバルト系合金を基材に接触配置した後、レーザを用いてこれを溶解・接着する、いわゆるレーザめっきにより耐腐食性を向上させる方法が提案されている(例えば、特許文献5参照。)。
また、蒸気タービンブレードを対象として、高温高圧ガス炎溶射により炭化物セラミックス(Cr)を形成することにより固体粒子に対する侵食(エロージョン)を低減させることが提案されている(例えば、特許文献6参照。)。
特開2006−37212公報 特開2002−38281公報 特開平8−74024号公報 特開平8−74025号公報 特開2004−169176公報 特開2004−232499公報
しかしながら、上記の提案のいずれの場合も、翼の耐久性向上を目的としたもので、酸化による表面粗さ変化、及びそれに伴う翼の空力特性低下という観点から検討されたものではない。従って、これまで酸化による表面粗さ変化、及びそれに伴う翼の空力特性低下という観点に立って表面処理を行う提案はなされていなかった。
本発明はこのような従来の事情に対処してなされたもので、酸化による蒸気タービン翼の表面粗さ変化、及びそれに伴う蒸気タービン翼の空力特性低下を抑制し、初期の高いタービン効率レベルを長期間維持することのできる蒸気タービン及び蒸気タービン翼を提供しようとするものである。
本発明者等は、タービン性能維持のための蒸気タービン翼構造に関し、鋭意研究を重ねた。この結果、蒸気タービン翼に対し、酸化による表面粗さ変化を抑制することにより蒸気タービン翼の空力特性低下を押さえ、初期の高い空力特性を維持させることによりタービン性能を長期間高いレベルに維持することが可能であることを見出し、本発明を完成したものである。
すなわち、本発明の蒸気タービンの一態様は、タービンロータと、前記タービンロータに植設される動翼と、前記動翼の上流側に配設される静翼と、前記静翼を支持するとともに前記タービンロータ、前記動翼及び前記静翼を内包するタービンケーシングとを具備し、前記動翼と前記静翼との対により一つの段落を形成するとともに前記タービンロータの軸方向に複数の段落を並べて蒸気通路を形成した蒸気タービンであって、前記静翼表面、前記動翼表面の少なくとも一部に、酸化による表面粗さの増大を抑制するための表面処理が施され、前記表面粗さは、前記表面処理後の最大高さRmaxが1.6μm以下であることを特徴とする。
また、本発明の蒸気タービン翼の一態様は、タービンロータと、前記タービンロータに植設される動翼と、前記動翼の上流側に配設される静翼と、前記静翼を支持するとともに前記タービンロータ、前記動翼及び前記静翼を内包するタービンケーシングとを具備し、前記動翼と前記静翼との対により一つの段落を形成するとともに前記タービンロータの軸方向に複数の段落を並べて蒸気通路を形成した蒸気タービンに、前記静翼又は前記動翼として使用される蒸気タービン翼であって、表面の少なくとも一部に、酸化による表面粗さの増大を抑制するための表面処理が施され、前記表面粗さは、前記表面処理後の最大高さRmaxが1.6μm以下であることを特徴とする。
本発明の一実施形態に係る蒸気タービン及び蒸気タービン翼の要部断面構成を模式的に示す図。 蒸気タービン発電システムにおけるランキンサイクルの概念図。 本発明の一実施形態に係る蒸気タービン翼の要部構成を模式的に示す図。
以下、本発明の詳細を一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る蒸気タービン及び蒸気タービン翼の構成を示すものである。図1に示すように、蒸気タービン3は、タービンロータ4と、タービンロータ4に植設される動翼5と、動翼5の上流側に配設される静翼6と、静翼6を支持するとともにタービンロータ4、動翼5及び静翼6を内包するタービンケーシング13とを具備している。そして、動翼5と静翼6との対により一つの段落7を形成するとともにタービンロータ4の軸方向に複数の段落7を並べて蒸気通路8を形成した構成となっている。静翼6表面、動翼5表面の少なくとも一部に、酸化による表面粗さの増大を抑制するための表面処理が施されている。これにより酸化による表面粗さの増大に伴う蒸気流のエネルギー損失を抑制することができる。なお、上記の静翼6及び動翼5、およびエンドウォール14、プラットフォーム15を含む通路部8全体を総称して蒸気タービン翼という。
上記構成の本実施形態では、静翼6表面、動翼5表面の少なくとも一部に、酸化による表面粗さ増大を抑えるための表面処理がなされている。このため、高温に長期間保持した場合でも表面粗さ変化が小さく、実際にプラント中で運転した場合も長期に亘り初期の翼形状や表面粗さを維持することができる。したがって、蒸気タービン3全体の効率についても初期の高いレベルを長期間に亘り維持することが可能となる。
上記の表面処理は、高圧段及び中圧段の少なくとも一部の静翼6に施す態様とすることができる。ここで静翼6を特に高圧段、及び中圧段のものに限定したのは、高圧段及び中圧段は、約350℃〜610℃と低圧段(350℃〜20℃)に比較して温度が高く酸化が進みやすいため、表面処理による効果がより大きいためである。
また、上記の表面処理は、高圧段及び中圧段の少なくとも一部の動翼5に施す態様とすることができる。ここで動翼5を特に高圧段、及び中圧段のものに限定したのは、高圧段及び中圧段は、約350℃〜610℃と低圧段(350℃〜20℃)に比較して温度が高く酸化が進みやすいため、表面処理による効果がより大きいためである。
上記静翼6、動翼5は、フェライト鋼から構成することができる。通常、蒸気タービン3の静翼6及び動翼5には、疲労強度、耐クリープ特性等の材料特性とコストとのバランスからフェライト鋼が使用されている。そして、これらの静翼6及び動翼5を実際のプラントで使用した場合、従来においては、徐々に酸化が進み表面粗さが増大することによってタービン性能が低下していた。ここでフェライト鋼とは、体心立方構造をもつ鉄と定義される。このようなフェライト鋼を使用した場合においても、本実施形態では、酸化による表面粗さの増大を抑制するための表面処理が施されているので、酸化による表面粗さの増大に伴う蒸気流のエネルギー損失を抑制することができる。フェライト鋼の一例として、高クロム鋼を挙げることができる。また、上記静翼6、動翼5は、超耐熱合金から構成することができる。最近では、タービン効率向上のため、プラント運転温度はより高温化しており、静翼6及び動翼5の材質として、場合によっては従来のフェライト鋼ではなく超耐熱合金が使われる場合がある。ここで超耐熱合金とは、コバルト基、またはニッケル基材料と定義される。この場合も、酸化による表面粗さの増大を抑制するための表面処理が施されているので、酸化による表面粗さの増大に伴う蒸気流のエネルギー損失を抑制することができる。
また、上記表面処理は、静翼6及び動翼5の基材の表面粗さを増大させない表面処理とすることが好ましい。本発明の主眼は、表面粗さを増大させないということにある。従って、耐酸化性の向上する表面処理を行っても、表面処理することにより、静翼6及び動翼5の表面粗さが増大するものは好ましくないからである。なお、溶射をはじめ、現状蒸気タービン翼に適用されている、あるいは適用しようとしているほとんどすべての表面処理方法では、表面処理を施すことにより表面粗さが増大し、蒸気タービン翼の空力特性が低下してしまう。
上記の表面処理としては、静翼6及び動翼5の表面にセラミックスの前駆体を塗布する工程と、加熱処理によりこのセラミックスの前駆体を分解する工程とを具備した表面処理を採用することができる。この表面処理によれば、セラミックスの薄膜が均一に形成できるため、表面処理を行うことによる表面粗さ変化は極めて小さい。従って、静翼6及び動翼5の初期の空力特性を低下させることがない。また、塗布した前駆体が加熱分解することにより形成されるセラミックの皮膜により、静翼6及び動翼5の酸化が抑制され、長期に亘り初期の高い翼空力性能を維持することが可能となる。従って、プラントのタービン性能についても高いレベルを長期に亘り維持することが可能となる。
表面処理後の表面粗さは、最大高さが1.6μm以下であることが好ましい。表面粗さの最大高さRmaxが1.6μm以下の場合は蒸気流にほとんど乱れが生じず、翼空力性能に影響を与えないが、表面粗さの最大高さが1.6μmより大きい場合には、蒸気流に乱れが発生し翼空力性能が低下するためである。
また、表面処理により形成される皮膜は、酸化物セラミックスであることが好ましい。これは、酸化物セラミックスの耐酸化特性、及び耐食性が優れているためである。この酸化物セラミックスからなる皮膜により、蒸気と金属基材が直接接触することをなくすことができる。
また、上記の表面処理により形成される皮膜の平均厚さは、0.01μm以上50μm以下であることが好ましい。ここで、コーティング皮膜の膜厚を0.01μm以上、50μm以下とするのは、以下の理由による。すなわち、膜厚が0.01μmより薄い場合、コーティング皮膜が基材を均一に覆うことができず、部分的に基材が露出してしまい、基材の耐酸化性が急激に低下するためである。一方、膜厚が50μmより厚い場合、コーティング皮膜の基材に対する密着強度が低下するため、コーティング皮膜にき裂が生じ、基材の耐酸化性が低下し、また、基材からのコーティング皮膜の剥離等の問題が発生するからである。
また、上記表面処理により形成される皮膜は、静翼6及び動翼5の後縁端から上流側に向かって10mm未満の位置かつ背側にあることが好ましい。その理由は、静翼6及び動翼5の後縁端から上流側に向かって10mm未満の位置かつ背側は、静翼6及び動翼5の空力特性を決める重要な部位であり、この部分の表面粗さがタービン効率に大きな影響を与えるからである。
実施例として、TiO系のセラミックス前駆体を蒸気タービン中・高圧段の全ての高クロム鋼からなる静翼6のプラットフォーム部を含む蒸気通路部表面全体に塗布した後、400℃で10分間熱処理を施し前駆体を加熱分解させて酸化チタン系のセラミックス皮膜を形成した。
皮膜を形成後、表面粗さを測定したところ、静翼6の基材の仕様であるRmax(表面粗さの最大高さ)が1.6μm以下であることがわかった。また、このときの膜厚は0.8μmであった。この蒸気タービンを400℃で1000時間試運転した後、各静翼6の表面粗さを測定した結果、顕著な表面粗さの上昇は認められなかった。
もう1つの実施例として、膜厚を0.008μmとした以外はまったく同じ方法で皮膜を形成し、同じ方法で評価を行った。その結果、400℃で1000時間の試運転前ではRmax(表面粗さの最大高さ)が1.6μm以下であったのに対し、試運転後はRmaxが4μmとなり表面粗さの上昇が認められた。
もう1つの実施例として、膜厚を60μmとした以外はまったく同じ方法で皮膜を形成し、同じ方法で評価を行った。その結果、400℃で1000時間の試運転前ではRmax(表面粗さの最大高さ)が1.6μm以下であったのに対し、試運転後は皮膜の剥離が観察され、またRmaxも6μmとなり表面粗さの上昇が認められた。
もう1つの実施例として、図3に示すように、高圧段と中圧段の全ての動翼、静翼に対し、表面処理による皮膜17の形成部位(コーティング施工部位)(図3中斜線を付して示す。)を、静翼6及び動翼5の後縁端から上流側に向かって10mm未満の位置かつ背側とし、同じ方法で評価を行った。その結果、コーティング施工部位を静翼6及び動翼5全体とし、全体に皮膜を形成したものとタービン効率を比較した場合、両者に差は認められなかった。
上記の実施形態の蒸気タービン及び蒸気タービン翼によれば、酸化による蒸気タービン翼の表面粗さ変化、及びそれに伴う蒸気タービン翼の空力特性低下を抑制し、初期の高いタービン効率レベルを長期間維持することができる。
本発明の蒸気タービン及び蒸気タービン翼は、発電プラントにおける発電用の蒸気タービンの分野等で利用することができる。したがって、産業上の利用可能性を有する。

Claims (14)

  1. タービンロータと、前記タービンロータに植設される動翼と、前記動翼の上流側に配設される静翼と、前記静翼を支持するとともに前記タービンロータ、前記動翼及び前記静翼を内包するタービンケーシングとを具備し、前記動翼と前記静翼との対により一つの段落を形成するとともに前記タービンロータの軸方向に複数の段落を並べて蒸気通路を形成した蒸気タービンであって、
    前記静翼表面、前記動翼表面の少なくとも一部に、酸化による表面粗さの増大を抑制するための表面処理が施され、前記表面粗さは、前記表面処理後の最大高さRmaxが1.6μm以下である
    ことを特徴とする蒸気タービン。
  2. 前記表面処理が、高圧段及び中圧段の少なくとも一部の前記静翼表面に施されていることを特徴とする請求項1記載の蒸気タービン。
  3. 前記表面処理が、高圧段及び中圧段の少なくとも一部の前記動翼表面に施されていることを特徴とする請求項1記載の蒸気タービン。
  4. 前記静翼及び前記動翼が、フェライト鋼または超耐熱合金から構成されていることを特徴とする請求項1項記載の蒸気タービン。
  5. 前記表面処理は、前記静翼及び前記動翼の基材の表面粗さを増大させないことを特徴とする請求項1記載の蒸気タービン。
  6. 前記表面処理により形成される皮膜は、酸化物セラミックスであることを特徴とする請求項1記載の蒸気タービン。
  7. 前記表面処理により形成される皮膜の平均厚さは、0.01μm以上50μm以下であることを特徴とする請求項1記載の蒸気タービン。
  8. 前記表面処理により形成される皮膜は、前記静翼、前記動翼の後縁端から上流側に向かって10mm未満の位置かつ背側にあることを特徴とする請求項1記載の蒸気タービン。
  9. タービンロータと、前記タービンロータに植設される動翼と、前記動翼の上流側に配設される静翼と、前記静翼を支持するとともに前記タービンロータ、前記動翼及び前記静翼を内包するタービンケーシングとを具備し、前記動翼と前記静翼との対により一つの段落を形成するとともに前記タービンロータの軸方向に複数の段落を並べて蒸気通路を形成した蒸気タービンに、前記静翼又は前記動翼として使用される蒸気タービン翼であって、
    表面の少なくとも一部に、酸化による表面粗さの増大を抑制するための表面処理が施され、前記表面粗さは、前記表面処理後の最大高さRmaxが1.6μm以下であることを特徴とする蒸気タービン翼。
  10. 前記蒸気タービン翼は、フェライト鋼、または超耐熱合金から構成されていることを特徴とする請求項記載の蒸気タービン翼。
  11. 前記表面処理により基材の表面粗さを増大させないことを特徴とする請求項記載の蒸気タービン翼。
  12. 前記表面処理により形成される皮膜は、酸化物セラミックスであることを特徴とする請求項記載の蒸気タービン翼。
  13. 前記表面処理により形成される皮膜の平均厚さは、0.01μm以上50μm以下であることを特徴とする請求項記載の蒸気タービン翼。
  14. 前記表面処理により形成される皮膜は、蒸気タービン翼の後縁端から上流側に向かって10mm未満の位置かつ背側にあることを特徴とする請求項記載の蒸気タービン翼。
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